1月2003
A.C.T 90
Last Epic (2003)

スウェディッシュ・プログレッシヴ・ポップ・バンド A.C.T の 3rd アルバム。
ポップ・ミュージックの楽しさ&明快さ、テクニカル・ロックのスリル、シンフォニック・ロックの優雅さ、A.O.R. のスムースな渋みという一見無茶な組み合わせの要素が奇跡的なバランスの良さで融合している・・・という、キラキラと輝きを放ちながらプリティに転がる万華鏡サウンドは本作でも健在。(嬉)
気負いのないソフトな歌唱が耳当たりの良いシンガー Herman Saming、優美でノスタルジックなキーボード・ワークを Jerry Sahlin、そしてナイーヴなフレージングにテクニカルな煌きも忘れないギタリスト/リーダー Ola Andersson らの熟達したメンツが「大人のテクニック」で聴かせる VALENTINE / VALENSIA, JELLYFISH らを髣髴させる QUEEN テイストの華麗でドラマティックな甘口ポップ・ロックのベースに DREAM THEATER 的な技巧派プログレのスリリングなアンサンブルをぶち込むという既に確率された感がある A.C.T 独特のスタイルを持つ楽曲群は、これまで以上に各曲の輪郭をはっきりと感じ取れる絶妙なアレンジメントも手伝って本作ではさらに進化を遂げた印象で、そのインパクトは名作だった 1st を凌駕するほど。
美旋律が軽快に広がるオープニングの #2 “Wailings from a Building”、彼らのドラマティックな魅力を凝縮した #4 “Torn by a Phrase: Garden”DREAM THEATER からの影響の高さが窺える #9 “A Loaded Situation: Surveying Room”、サビでの VALENTINE 風メロディが何度聴いてもグッと胸に来ちゃう #11 “The Cause” らの典型的 A.C.T スタイルの曲もさることながら、淡々と綴られる叙情がたまらん #5 “Ted’s Ballad: Attic”、A.O.R. 風味のアダルトなソフト・ロック #7 “Wake Up: Apartment 122″, #10 “The Observer” らのメロウ・サイドも超充実。
ここに挙げきれなかった曲もどれもフックに満ちた佳曲揃いで、滅多に登場することのないまさに「捨て曲なし」の一枚。いや~、ホンマ、リラックスしながら適度な緊張に心地良く浸れる逸品ッスわコリャ。
あ、もしかしたら、オレが今は亡き IT BITES に望んでたのは、こーゆー音だったのかもな。。。  (Jan. 21, 2003)

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ANGRA 88
Rebirth World Tour – Live in Sao Paulo (2003)

2001年12月15日に彼らの祖国であるブラジルはサンパウロ「Via Funchal」でのショウを完全収録した2枚組ライヴ・アルバム。

ただでさえ熱いファン気質を持つ南米のファンが「地元のヒーロー」を迎えた熱狂的な歓迎を感じさせるシンガロングでしっかりと支えるバンドの熱演は、そのパッションに満ちた緊張感が実に新鮮。

確かに、ライヴ・アルバムの臨場感という観点からすれば、一枚ベールを被ったようなリヴァーブが呼ぶ「奥まり感」にもどかしさを感じるのは事実だし、この時点では加入して間もない Edu Falaschi の歌唱も、このショウの後の過酷なツアーで揉まれた現在の完成度には及んでいない。(特に Andre Matos 時代の曲はイマイチなんだよね)

だけど、アルバム “Rebirth” そして続く企画ミニ “Hunters and Prey” に特別過ぎるほどに思い入れがある身としては、Disc-1#2 “Nova Era” のシンフォニック&ドラマティックなイントロが聴こえてきた瞬間に、もう周りの風景が2002年6月の渋谷 AX かその直後の Wacken かに見えてきちゃうって感じで普通じゃいられなくなる本作は、そういった理屈を超越した「思い出盤」として最高の一枚・・・いや二枚。(苦笑)

Disc-1#5 “Heroes of Sand”, Disc-2#2 “Rebirth” の2曲は聴くたびにマジ泣き寸前。ポロポロ泣いちゃうの恐くて、ほんと iPod で聴きながらは街中歩けないもん。(汗) (Jan. 26, 2003)

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DELIGHT 82
Eternity (2002)

自他共に認める M 男君なオレとしては性悪っぽい少々キツめの目付きがマジでタマんない悪女系シンガー Paulina Maslanka 御姉タマ と、一見純情ロリ系な印象のキーボーディスト Barbara Lasek 嬢 というタイプの異なる2人美女を贅沢にも擁した、ポーランドのゴシック・メタル・バンドの 3rd アルバム。

実は2001年の作品だった前作 “The Fading Tale” が日本では 2002 年の暮れ近くにリリースとなったため、アッという間の新作!?・・・という印象だが、実質的には約一年のスパンでの新作リリースってことらしい。

ツーバス連打で疾走する純度の高いメタル・チューン #6 “I Promise” に代表される、分厚いリフ攻撃とラウドに鳴るメタル・ドラミングがアピールするしっかりとヘヴィ・メタルな基本軸こそ前作ゆずりだが、ヘヴィはヘヴィでもややモダンなテイストに変化したリフのヘヴィさとメランコリックなメロディの浮遊感をそれぞれ強めた作風からは、デビュー作の王道ゴシックな路線に立ち戻ったかの印象だ。

・・・にもかかわらず、それが「後退」ではなく「成長」と感じられるのは、ときに儚く漂いときに力強く響く Paulina タン の魅力的な歌声で歌われるメロディ自身の輝きが強力に増しているせいかなぁ。メタル素地な下周りに、バランス良く導入されたデジ風味と控えめながら適度に広がるアトモスフェリックな柔和さが乗っかった、4分~5分台が中心の聴きやすいまとまりを見せる楽曲の中心で魅力を振り撒く彼女の歌声に、この耳は釘付けなんだよね。

今のところ前作での “Carving the Way”, “Careless Whisper”WHAM! のカヴァー)のような明らかに傑出した楽曲が見つかっていないのが少々物足りないのが正直なところではあるものの、メランコリーに満ちたコーラスでつかみは OK のオープニング・チューン #1 “The Hand”、淡い叙情がゆったりと流れる #5 “Whale’s Lungs”、ピアノをバックに美旋律が切なく響く #7 “The Sun”、アルバム中唯一のポーランド語での歌唱が醸し出す東欧な雰囲気がナイスな #9 “Wieczny Final” とメロウ・サイドの充実が十分に嬉しい、バンドをしっかりと包み込む上昇気流のエネルギーの伝導が心地良い好盤。  (Jan. 19, 2003)

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JOHN WETTON 81
Rock of Faith (2003)

“Voice Mail”, “Arkangel”, “Welcome to Heaven” の3部作に続く2年ぶりの新作。
まず興味をそそられたのは、Clive Nolan, Geoffrey Downes の他、PENDRAGON, GREENSLADE, ARENA, JADIS, ELO の面々が演奏や作曲に関わっているというそのスタッフィングの方向性の美味しさ。

上記の名前の列がイヤでも運んでくる「してはいけないプログレッシヴ・ロックへの期待」は、CD をスタートさせると荘厳に流れ出るドラマティックなイントロ #1 “Mondrago” で最高潮に達するが・・・その後登場する楽曲は概ねリズムを抑えたポンプ・ロック風味・・・もっと言ってしまえばニューエイジ的な非常に穏やかなもの。やっぱり世の中そう甘くはないわな。(苦笑)

とは言っても、John Wetton の「紳士ヴォイス」(笑)が美しいメロディをなぞるシンフォ指数の高い情景的な音像の、靄に包まれた大地の広がりが瞼の裏に浮かぶような IONA に通じる味わいは、コレはコレで魅力的。

期待したものとは違ったけど、哀愁の A.O.R. ハード・バラッド #6 “Nothing’s Gonna Stand in Our Way”、穏やかに凪ぐ導入からギターとサックスのアダルトな応酬への雪崩込みが心地良い #8 “I Believe in You” といった佳曲もあるし、美しい叙情美にマターリと耽溺できる好盤には間違いなくってヨカッタ・・・。 (Jan. 26, 2003)

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KAMELOT 91
Epica (2003)

U.S. エピック・メタルの雄 KAMELOT の 6th アルバムは、J. W. Von Goethe の戯曲 “Faust” をベースとしたオリジナル・ストーリーに基づいたコンセプト作。

主人公 Ariel が、彼が唯一愛した女性 Helena、そして魅惑の美女の姿を持つ悪の象徴 Mephisto らと愛憎を繰り広げながら宇宙の震央 — Epica — へ真実を探求する旅に出る物語こそ、人生/死/愛/宗教などの形而上学的問いかけを多分に含んだ深遠なものだが、そんな複雑なストーリーとは裏腹に、収録された楽曲群はこれまでどおりの彼ららしい明快な美旋律に溢れたメロディック・メタルだ。

「大化け」を感じさせた “The Fourth Legacy” 以来のシンフォニックな欧州型メタル・スタイルを踏襲した作風は相変わらずだが、ベースに物語の各場面が敷かれているせいか各楽曲は短い S.E. にて場面転換を行いながら実にドラマティックな見せ場を構築し、それぞれのキャラ立ちはこれまでになくイイ感じ。

イントロ #1 “Prologue” に続いて飛び出る強力なメロディを持った快活な叙情メタル #2 “Center of the Universe”、彼ら独特のエスニック・テイストが美味しいヘヴィ・チューン #5 “Edge of Paradise”Roy Khan の歌声の色艶が悩ましさ爆発のバラード #6 “Wander”、ゲスト参加の Luca Turilli のソロ・プレイが意外にも(失礼!/汗)スリリングな見せ場になっている #8 “Descent of the Archangel”、これまた柔和な歌唱にメロメロなアコースティック・チューン #11 “The Coldest Winter Night”、Bandoneon の音色がタンゴの風合いを感じさせる風変わりな疾走チューン #12 “Lost & Damned”、Rodenberg 交響楽団のシンフォニーに乗って Mari 嬢 が美しいソプラノで切々と歌い上げる #13 “Helena’s Theme”、そして悶絶旋律の乱舞で物語のクライマックスを飾る終曲 #16 “III Ways to Epica”、そしてボーナストラックながらシンフォニック・パワー・メタルの醍醐味に満ちた佳曲 #17 “Snow”・・・と、充分な起伏をコンパクトにまとめた4分台が主体の楽曲は、今回も必殺の煽情力を映えに映えまくらせてるシンガー Roy Khan の「夜露そぼ濡れヴォイス」の醸し出す落ち着いた雰囲気のせいか絢爛豪華なその装いに反した「一聴した地味さ」も健在ではあるのだが、聴けば聴くほどにその端整な創りのメロディが発散する叙情、そして華麗な装丁と相反する無骨なメタル・バンドとしてのパッションがじわじわとこの身を侵食してゆく快感ったらンモー最高! 訳した内容と共に歌詞を追いながら、じっくりどっぷりと浸かりたい傑作だわコリャ。

あえて贅沢を言うのであれば、ここ3作は連続で同じ作風・・・しかもそれぞれを傑作としてメタル史に遺すことに成功しているんで、そろそろ大胆な冒険にチャレンジして新たな作風での傑作を生んでくれるのもイイかなー・・・なんて気持ちを抱いてみたり。

それともう一つふと思ったのが、彼らの持つ「イメージ」について。バンドの音以外のイメージやキャラクターを重視してしまうファン&メディアが特に少なくないと思われるここ日本では、これだけキーボード/シンセによるオーケストレーションを前面に押し出したサウンドでありながら正式メンバーに鍵盤奏者がいないという事実は、彼らがここ日本で現状の立場に甘んじている理由の一つになっているんじゃないかなぁ。この壮麗なドラマを「外部の人間が手を加えて創った」ってな印象が、バンド自体の評価に繋がってないんじゃないのちゃうん?・・・ってのは考えすぎ?

個人的には、別に彼らがここ日本でこれまで通り過小評価され続けようが一転して認められようが全くどーでもイイんだけど(正直そうなのよ、マジゴメン!/苦笑>関係者の方々)、Miro もしくは Gunter Werno が正式メンバーとしてクレジットされて5人の立ち姿でパブリッシング・アイテムに登場してくるだけで、随分と何かが変わりそうな気がするんだけどな~。だって、この重厚かつ壮麗なサウンドには「5人組」が似合うんだもの。
ってことで、Pony Canyon 担当者様(Hello!)そして日本のオフィシャル・サイト管理人様(これまた Hello!)、彼らによろしく言っといて~。(笑)  (Jan. 19, 2003)

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LOST HORIZON 100
A Flame to the Ground Beneath (2003)

衝撃のデビュー作 “Awakening The World” 一枚でヘヴィ・メタル・・・いや「音楽」そのものの究極の真理にまで辿り着いてしまった不世出のメタル・メサイア LOST HORIZON の、待望の 2nd アルバムが・・・遂に・・・遂にリリースされる日がやってきた。

オレの中の「ヘヴィ・メタル」の定義を確実に変化させたほどに凄まじかった前作の事を考えると、この 2nd ではどうなることかとヒヤヒヤ・・・ってゆーか正直、「あれだけのアルバムを作ってくれたんだからもう解散しても悔いはないや」と極端な思考を生むほどの妙な平常心とその裏にある過剰な期待がガチンコ勝負する複雑な感情と共に対峙する事になった本作は・・・やっぱスゲーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

プレリュードである #1 “Transdimensional Revelation” の銀河の胎動を連想させるサウンド・エフェクトに導かれ、Transcendental Protagonist こと Wojtek Lisicki (g) の飛翔する美旋律とそれに続く Ethereal Magnanimus こと Daniel Heiman のイキナリの超絶シャウトで一気に純な激情を弾けさす #2 “Pure”(2003年度のオレのテーマソングにケテーイ!/苦笑)で幕を開けたこの新たなメタル・バイブルは、続く #3 “Lost in the Depths of Me” ~ #4 “Again will the Fire Burn” では大仰に展開する勇壮なる漢メタルの醍醐味を心ゆくまで存分に堪能させてくれる。
そして荘厳なイントロ #5 “The Song of Earth” から焔のバトンを受け取るのは、前作譲りの熱さを感じさせる燃え滾るガッツが身体中のすべての血管を瞬時にぶち切る #6 “Cry of a Restless Soul”! そして心地良い疲労感に追い討ちをかけるように疾走感が大爆発するアドレナリン完全噴出のイントロから一転してミドル・テンポの重厚メロディック・メタル・ワールドが展開する #7 “Think Not Forever” を経て行き着くのは、12分に迫る大曲 #8 “Highlander (The One)”。宇宙の創生から終焉までを描かんが如きのこの壮大なる名曲は、Daniel Heiman の独壇場。勇猛さを失うことなく終始スペーシーに様々な表情を見せるドラマティックな展開の中に響き渡る彼の魂の絶唱は、崇高なる「絶対神」しか持ち得ない筆舌に尽くし難き美しさのオーラに包まれている。そして神々はアウトロ #9 “Deliverance” と共に再び銀河の彼方へ戻ってゆく・・・。
ライヴでも既にペインティングが様になっていた(笑)サポート・メンバーの 2nd ギタリスト Equilibrian Epicurius こと Fredrik Olsson とキーボーディスト Perspicacious Protector こと Attila Publik の2人をそのまま正式メンバーに迎え6人組と体制強化した新生 LOST HORIZON が生み出すサウンドは、スピードに頼らずヘヴィ・メタルの「芯」の部分に焦点を当てた重厚な核をアトモスフェリックなキーボードで包み込んだ壮大なスケールを持つ、前作同様の熱さに満ちたもの。
ハイレベルなテクニックを駆使したパワー・ヒットを繰り出す Preternatural Transmogrifyer こと Christian Nyquist (dr) と鬼神の如き立ち姿が目に浮かぶ Cosmic Antagonist こと Martin Furangen (b) の強靭極まりないリズム隊の上、前作よりもエモーショナルな表現を前面に打ち出した Wojtek Lisicki のさらにメロディックになったギター・プレイ、そして Daniel Heiman のにわかに信じ難いほどの「劇唱」が織り成すこのエキサイティングな極上のメタル・ワールドの前でこの身がとることの出来る行動は、天に向って拳を突き上げまくり、死を賭してヘッドバングし、出ない声を振り絞って声帯がひび割れるまでシャウトしまくる・・・という3つの行動のみしかない!

生きてて良かった・・・。幸せ・・・。  (Jan. 21, 2003)

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MASTERPLAN 89
Masterplan (2003)

HELLOWEEN 解雇の憂き目に遭った Roland Grapow が、盟友 Uli Kusch ら共に踏み出した新たなステップが、この MASTERPLAN

RolandHELLOWEEN での活動で培ったユーロ・パワー・メタルを素地としながら、彼自身のルーツである王道ハード・ロック趣味なテイストを大胆に取り入れたヴァラエティ感のあるハイ=クオリティなサウンドがしっかりと封入された彼らのこのデビュー・アルバムの最大の魅力は、なんといってもシンガーの座に就いた「歌神」Jorn Lande の存在!

いや~、この人の歌唱ったら、やっぱいつ聴いても圧巻の一言だわ。暑苦しいシャウトから爽快なハイトーン、そして渋いウィスパーまでを自由自在に操る圧倒的な歌唱力/表現力を駆使した迫力満点の超絶熱唱の前には、失禁(血尿)&脱糞(コーン入り)&3億匹射精(ヲンナノコは3㍑潮吹きね/はぁと)の同時テロ攻撃によってパンツの中がモノスゴイことにならざるを得んッス。

ってゆーか、この人選はある意味「反則」だよなぁ・・・。だって、バンドのステータスが彼一人の桁外れのパフォーマンスのせいで明らかに数ランク上昇しちゃってるんだもの・・・って、Jorn Lande 関連作品は全部そうなんだけどさ。(汗)

と書きながらも、実際にはバンド自体の地力もたいしたもの。MILLENIUM 時代のそれを想起させる溌剌とした歌唱が響く素晴らしいオープニング・チューン #1 “Spirit Never Die”、カヴァーか?とクレジットを何度も見直すほど Gary Moore“Out in the Fields” に酷似しつつもこの激唱の魅力の前にはパクリ云々の論議を速攻で終了させて名曲認定せざるを得ない #2 “Kind Hearted Light”、壮麗なシンフォ・アレンジが眩しいヘヴィ&プログレッシヴな #3 “Soulburn”、ゲスト・シンガー Michael KiskeJorn のデュエットが美味しい明快メロディック・パワー #4 “Heroes”Jorn 本領発揮の哀愁ハード・ロック #6 “Through Thick and Thin”、A.O.R. ハード系の風味を生かした #9 “The Kid Rocks On”、キーパー系正統メタルの魅力に溢れた #10 “Sail On”、メロウ・サイドでも行けるのを証明するバラード #11 “When Love Comes Close”・・・と、楽曲の素晴らしい充実度はもちろんのこと、心配だった(失礼/汗)Roland Grapow 自身のプレイが、ヴィブラートの振幅こそ HELLOWEEN 時代よりもマルムス度2割増しなのは置いといて己の技量に合わせてスピードを抑えたメロディックなスタイルを見せているのは事前の予想に反してなかなか好印象だし、楽曲を牽引する Uli Kusch の特徴的な弾けるパワー・ドラミングはやっぱ気持ち良かったりと、プレイ的にもイイ感じ。

ただ、#6 “Through Thick and Thin”, #9 “The Kid Rocks On” のような正調な歌ものハード・ロックの風味を生かした楽曲におけるリフ/バッキングのセンスはイマサンで、Jorn Lande のアダルトな歌唱が素晴らしいだけに、その落差が少々気になってしまうのがチョイトばかり残念・・・。

・・・ってのもよく考えたらすげー贅沢だけどね。なんたって、いわゆる「キーパー系」に近い位置にいるバンドが世界最高峰のシンガーを迎えることに成功した、金字塔的作品なんだから!(短命そうだけど/汗) (Jan. 24, 2003)

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ONMYOUZA (陰陽座) 90
Houyoku Rindou (鳳翼麟瞳) (2003)

確実に年一枚のペースでリリースを続けながら、着実に成長を続ける妖怪ヘヴィ・メタル・バンド 陰陽座 の 4th アルバムは、ワンランク上のステートを感じさせる美麗なアート・ワークも◎な(ビジュアル系は生活感を匂わせたらオシマイだからね~)メジャー2作目にして驚くほどの垢抜け具合にビックリの一枚。

従来通りしっかりハードで確実にメタルなのは間違い無いんだけど、随所そして要所での丁寧な仕事がソフトで木目細かな肌触りを実感させる好結果を呼んでいる。

それらが顕著なのはやはりポップ・サイドの楽曲群で、キャッチーにドライヴするタイトル・トラック#2 “鳳翼天翔”、カッティングの妙がアーバンな洗練を見せる哀愁に悶涙が止め処なく流れるリーダー・トラック #4 “妖花忍法帖”、招鬼作の王道メロディック・ハード #8 “面影” らの曲での前作でも一応はあったソレとは次元の違うメジャーな輝きはスゲー魅力的。

その一方で、この 陰陽座 のもう一つの顔である暗黒で猟奇的な側面の楽曲も、プログレッシヴでドゥーミーな10分超のメロウ・チューン #5 “鵺”BLACK SABBATH 風味のヘヴィ・シャッフルがイナタい #7 “飛頭蛮”、元筋肉少女隊現特撮のカリズマピアニスト 三柴 理 の狂気すら孕んだ美しいピアノと 黒猫たん の可憐なソプラノが恐るべき感動を呼ぶ #9 “星の宿り” と超充実。特に #5 “鵺” の暗黒の美なんて、OPETH の域に迫る・・・って言ったら褒めすぎ?(汗)いや、この曲での 瞬火 の歌唱ったらマジで素晴らしくって、元々上手い人ではあったがとうとうここまで来たか・・・ってほどにビクーリの好演デスわ。

で、賛否両論(っすよね?)のラス曲 #10 “舞いあがる” は・・・当然 黒猫たん の萌え萌えアニソン歌唱に万歳三唱!(笑)

ちなみにコレ、CCCD (Copy Control CD) だったみたいだけど、何も考えずに普段どおりリッピング~ iPod 転送できたッスよ。(謎) (Jan. 26, 2003)

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STRATOVARIUS 83
Elements Pt.1 (2003)

前作から約3年のインターバルを空けてのリリースとなった STRATOVARIUS の 9th アルバム。
リリース前に本作のフル音源がネット上に流出してしまった事に対して Timo Tolkki が「ダウンロードしたファンも探し出して全員訴えてやる!」なーんて強硬な姿勢を取っちゃったもんだから一部でえれー騒動に・・・ってなこともあったなぁ。

まぁそれは置いといて音の方は、欧州シーンを形成するピラミッドの頂点付近の位置に存在するベテランバンドならではの風格を感じさせる精密に創り込まれた極上のヨーロピアン・ヘヴィ・メタルで、相変わらず安心の品質の高さを誇っている。

オープニングのリーダー・トラック #1 “Eagleheart” が前作のリーダー・トラック “Hunting High and Low” に通じる作風・・・ってゆーかそのクリソツ振り(苦笑)から予想したとおり、全体的にはその前作 “Infinite” と同路線なのだが、一聴してこの耳がまず捉えたのは、よりシンフォニックになったその質感。

そのミドル・チューン #1 “Eagleheart”、そして #3 “Find Your Own Voice”, #5 “Learning to Fly”, #7 “Stratofortress” といった「STRATOVARIUS 節」バリバリな疾走曲にもそのゴージャスな装いは見られるのだが、特にその傾向が顕著なのがそれらの合間に配された大曲/バラードの数々だ。

澄んだ空気を豊かなに震わすストリングスやゴスペル・クワイヤに彩られた壮大な情景描写が心地良い超ドラマティックな装いは、STRATOVARIUS が今後進む新たなステージを感じさせるに十分なクオリティに包まれてはいるものの・・・やっぱ冗長なんだよね。
楽曲を構成するパーツをそれ単位で見ればそれぞれ魅力的であったりするんだけど、通して聴いていてふと気付くと、確実に堪能してはいるんだけど心のどこかで退屈さを我慢している自分がそこにいる・・・みたいな。なんだか 3rd “Dreamspace” を初めて聴いた時の感触に似てるな。

そして、それらのマターリとした大曲以外の前述のスピード系チューンも、疾走を始めた瞬間にはカナーリ悶絶しちゃったりするんだけど、やっぱ既発曲とほぼ同じスタイルがベースになっててイマイチ代わり映えがしない・・・ってのが正直なところ。変わらないのは全然悪いことじゃないけど、なんだか音符を置き換えただけって感じでどうも刺激が足りないんだよな。。。

が、そんなマイナス点を補っているのがプレイ面の意外な程の充実。細かなタッチによる表現力をアップさせてきた Timo Tolkki、悲壮なまでの哀しみを携えた歌声で堂々と歌い上げる実力派カリズマ・シンガー Timo Kotipelto、随所で影のテクニシャンぶりを発揮する裏の番長 Jari Kainulainen、疾走曲では超前のめりで突っ込みつつヘヴィ・チューンでは腰の据わったビートもこなして凄みを発散する Jorg Michael、そして改めてフォロワーとの違いを見せつける Jens Johansson という5人の円熟プレーヤ達の生々しい鬩ぎ合いは、コレまでの作品にない程に聴き応えアリ。

中でも、本作では楽曲をリードする場面も大胆に増加した Jens Johansson の独特のセンスはやはり「別格」を感じさせる凄まじいもので、モジュレーションの位相を揺らしながら絶妙のタイム感でエモーショナルに弾き出すソロ・パートには悶絶するしかないですわ。12分の大曲 #8 “Elements” も、冗長な前半を耐え抜くと(苦笑)後半に Jens の悶絶ソロが待ってると思うとそれ聴きたさにリピートしちゃうんだよねー。
 (Jan. 24, 2003)

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URBAN TALE 67
Signs of Times (2003)

フィンランド産メロディック・ロック・バンド URBAN TALE の 2nd アルバム。
シンガー Kimmo BlomRobin McAuley に似てるかもしれないやや朴訥な唱法で歌う、ほんのりとした哀愁がたまに顔を出す美旋律が軽やかに跳ねる A.O.R. ハードな曲調こそ前作譲りだけど、その前作で魅力的に響いていた JOURNEY 風味のアダルトな情景美は残念ながら大幅に後退している。
Erkka Korhonen (g)のハード・ロックの素養を持った北欧らしい何げにかなりテクニカルギター・パートと、Timo Pudas (key) がセンス良く響かせる涼しげなシンセのプチデジなモダン・アレンジが織り成す密度の高いアンサンブルの妙は、このバンドが依然として高いポテンシャルを持っていることをアピールしているが、その期待を頼りに曲を聴き進めるも、次々と飛び出てくるのは淡白な薄味サウンドばかり・・・。
情感が北の大地に広がるメロウなギター・ソロもグッジョブな #4 “Still Strong” と、フォークロアな郷愁が切ないピアノ・ワルツ #12 “Mary” という2曲の秀逸なバラードが存在しているのが、せめてもの救いなんだけど・・・。 (Jan. 25, 2003)

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VALIANCE 72
Wayfaring (2003)

イタリアはナポリ産変態メロディック・スピード・メタル・バンド VALIANCE が、この 2nd アルバムにてなーんと驚きの(失礼/苦笑)本邦デビュー。
エピックなイタリアン XaMetal の煌きを DREAM THEATER に通じる(時になんとなく STEVE VAI も)大人びた展開美で磨き上げたサウンドはもはや「プログレッシヴ・メタル」と呼ぶに相応しいもので、デビュー作 “The Unglorious Conspiracy” で斬新なショボさ(笑)を感じさせてくれたとっ散らかり方や演奏のドタバタはやや収束し、充分にまとまりが感じられる出来・・・ではあるんだけど、その目まぐるしく色彩を変える予測不可能な展開の妙は彼らの持ち前のアピール・ポイントでもあるんだろうけど、それがイマイチ魅力的に機能していないような・・・。
やや荒れた声質のシンガー Carmine Gottardo が歌い上げる BLIND GUARDIAN に通じる勇ましい哀切さと、ギター・チーム Marco De Angelis & Mario Esposito が紡ぐメランコリックなエモーションを感じさせるプレイを中心としたフレーズ単位や、激しく疾走するエネルギーの噴出などにはカナ~リそそられる部分が散見されたりするだけに、非常に惜しい感じ。ZONATA に近い雰囲気の #3 “The Secret” なんて、聴いてて思わず身を乗り出させるし。
ただ、1st から本作までに飛躍的ともいえる成長を遂げていることは確かなので、このまま順調に成長を続けていつか立派な変態メタラーとして歴史的な変態盤を出して欲しいッス。(笑)  (Jan. 11, 2003)

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VARIOUS ARTISTS 70
A Tribute to the Priest (2003)

NUCLEAR BLAST 名物のトリビュート・シリーズ。

1. Hell Bent for Leather / ANNIHILATOR
2. Metal Gods / PRIMAL FEAR
3. Beyond the Realms of Death / 陰陽座 (ONMYOUZA)
4. Riding on the Wind / WITCHERY
5. Screaming for Vengence / ICED EARTH
6. Jawbreaker / SIEBENBURGEN
7. Breaking the Law / HAMMERFALL
8. Electric Eye / BENEDICTION
9. Painkiller / DEATH
10. All Guns Blazing / SILENT FORCE
11. Dreamer, Deceiver / STEEL PROPHET
12. Never Satisfied / ARMORED SAINT
13. Green Manalishi / THERION
14. Diamonds and Rust / THUNDERSTONE

・・・と、様々なタイプのバンド達がそれぞれ自己のメタル愛を JUDAS PRIEST の名曲に託す姿は実に美しいんだけど、相変わらずほとんどが既発曲でそのうえ録音時期に幅があるせいもあってか、クオリティ的なバラツキはこれまでの ACCEPT, SCORPIONS, ABBA, IRON MAIDEN と比較しても相当に激しい。(最近出た METALLICA のは未聴) まぁ既発曲が多いっていっても、どうせ大半は聴いたこと無いので(汗)まったく問題なく新鮮に楽しめんだけどね。
中でも、かつての JUDAS PRIEST の大きな魅力の一つだった Rob Halford の歌唱に肉薄せんとする D.C. Cooper, Ralph Scheepers という「メンバーになりたくて仕方ない漢達」(汗)の「これを聴いたらオレをメンバーに迎えたくなるやろ!」なーんて主張に満ちた #2 “Metal Gods” (by PRIMAL FEAR), #10 “All Guns Blazing” (by SILENT FORCE) での鬼気迫る激マジ歌唱は、改めて聴いてもホント凄いわ。
そして、特に印象的なのが STEEL PROPHET による #11 “Dreamer, Deceiver”。原曲の持つ素晴らしい哀愁に、シンガー Rick Mythiasin の柔和な表情の声質が実によく似合ってるんだよな~♪
前作の IRON MAIDEN のに続いて今回でも日本盤へのボーナス参加となった 陰陽座 による #3 “Beyond the Realms of Death” も、いつもと違うキーで一生懸命歌う 瞬火 のメタル歌唱がとっても魅力的。招鬼 渾身の激エモな泣きソロにも聴き惚れるッス。  (Jan. 11, 2003)

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WARCRY 84
El Sello de Los Tiempos (2002)

イタリアン・プログレ・メタラー TIMESTORM が、バンド名を変更してデビュー作を再リリース!・・・かと思いきや、これはスパニッシュ XaMetal バンド WARCRY の 2nd アルバム。・・・って、ジャケが全く同じぢゃーん! ま、まさかコイツら、信じられんけど TIMESTORM の存在を知らんかったとでも言うのか!? ってまぁ普通は知らんわな。(苦笑)
・・・ってなコッテコテの寒いボケはさて置き(汗)、WARCRY ってば、Manuel Ramil なる鍵盤奏者を正式メンバーに据えただけはあって、この本作でイキナリ華麗なるシンフォニック・メタル度数を一層増したばかりか、さらに #4 “Capitan Lawrence”, #5 “Tu Mismo”, #10 “Hacia Delante” などの楽曲で特に顕著に感じられる明快なキャッチーさを大胆に導入しつつ、全体のクオリティをググッと上昇させてきた感バリバリ。

相変わらず巻き舌全開の母国語で迫る Victor Garcia のヴォーカル・パートこそ未だに OUF フレーヴァーを発散しているが、バックのサウンドからは前作で多分に感じられた(そして魅力でもあった)辺境メタルならではの 80’s メタル的なクサレ・テイストが随分と払拭され、そのヴォーカル・パートの耳触りこそ全く違えど、意外な程に丁寧に構築されたドラマティックなシンフォ・メタルのその堂々とした佇まいは、同郷の XaMetal リーダー DARK MOOR に接近したと言えるほど。

特にイントロダクションとなるアルバムタイトルを冠したシンフォニー #1 “El Sello De Los Tiempos” にリードされて走り出すメロメロなツイン・リードが疾走する微妙に ANGRA 風味の劇的 XaMetal チューン #2 “Alejandro”、そして XaMetaler 悶絶のドラマティック疾走チューン #7 “Un Lugar” の2曲はカナリ強力。

なかなか器用なテクニカル・ギターの生む叙情味をも感じさせるスリルの妙という前作同様の魅力に加えて、本作では全体にキーボードを生かしたプログレッシヴな構築センスをも強調する部分も多いが、それらの大事な場面でリズム隊の働きがやや単調に感じるのがちょっとだけ惜しい感じだな。  (Jan. 19, 2003)

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