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CANDLEMASS | 87 |
| Doomed for Live – Reunion 2002 (2003) |
再結成したスウェディッシュ・ドゥーム・メタル・レジェンド CANDLEMASS の、2002年8月31日に Stockholm にて行なわれたショウを収録した2枚組ライヴ・アルバム。
ふくよかなディープ・ヴォイスを響かせながらオーディエンスを煽りまくる巨漢 Messiah Marcolin の圧倒的な存在感とサウスポーのテクニカル・ギタリスト Lars Johansson が迸らせるスリリングな美旋律が織り成すエネルギーに満ちた名曲の数々は、ブランクを感じさせない輝きっぷりで、「ドゥーミー」って形容がピンとこない程にしっかりとエキサイティングなヘヴィ・メタル。やっぱ CANDLEMASS には「暗黒メタル」って言葉が激ハマリだな。
このショウの直前・・・同月初めの Wacken Open Air で幸運にもその奇跡のステージを体験しているだけに、コレ聴いてるととにかくその時の至上の興奮がイヤでも蘇ってくるッスわ。(悶涙)
この調子で、是非是非新たなスタジオ・アルバムを作って悶絶させて欲しいッ! (Feb. 11, 2003)
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CHILDREN OF BODOM | 92 |
| Hate Crew Deathroll (2003) |
CHILDREN OF BODOM の2年チョイ振りのリリースとなった 4th アルバム。今回からメジャー・カンパニー UNIVERSAL の配給となったのは Spinefarm の資本絡みの理由・・・という棚ボタ的なものなのだが、奇しくもその内容もメジャー配給の名に恥じないワン・ランク上のクオリティに満ちたものに。
順当な成長とは裏腹な刺激の少なさに少々残念な印象を受けた前作のことがあったんで、実は本作にはそんなに期待してなかったんだけど・・・いやはや、いい意味で期待を裏切られた出世作に仕上がっててビックリ。
Alexi “Wildchild” Laiho と Janne Wirman のセンスフルなプレイが鬩ぎ合うメロディックなスリリングさを全く損なうことなくさらにソリッド&ヘヴィに研ぎ澄ました楽曲は、1st~2nd でのワクワクするような上昇気流とはまた一味違った、今の彼らが脂が乗りきった充実期であることを感じさせる逸品ぞろい。
既に昨年の段階でライヴで披露されていた良質のデジ風味をも飲み込んだ新たな Bodomic チューン #1 “Needled 24/7″、超 ANNIHILATOR タイプなソリッド・メトゥ #3 “Chokehold (Cocked ‘n Loaded’)“、パーカッシヴな激情を疾走させる #4 “Bodom Beach Terror”、コーラス部での熱狂的大合唱が今から目に浮かぶ王道スタイルの #6 “Triple Corpse Hammerblow” ~ #7 “You’re Better Off Dead”、パンキッシュなスタッカート・リフがジャンプを誘発する #8 “Lil’ Bloodred Ridin’ Hood”、彼ら本来の魅力がぎっしり詰まったタイトル・トラック #9 “Hate Crew Deathroll” と、各曲それぞれからその曲なりの良質のフックがしっかりと感じ取れるのが前作との大きな違い。あ、2曲あるのボーナスの片方、RAMONES の カヴァー #11 “Somebody Put Something in My Drink” も、メロディックな魅力が味わえてイイな。
メロディックな魅力と言えば、デス・ヴォイスながらにキャッチーなメロディもたっぷり。Alexi が下品な喚き声で一生懸命にメロディをなぞる時の不器用な感触って、ホント好きなんだよね。
いや~、上手く表現できないんだけど(汗)、とにかく「カッコイイ!」んだよね。聴いててクビが自然に前後に大きく動くのを我慢できないッスわ。
・・・ってゆーか、ドラムの Jaska Raatikainen、何気にスゲーんですけど! 本作の影の主役にケテーイ。 (Feb. 04, 2003)
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DARK SKY | 85 |
| Edge of Time (2002) |
ドイツ産メロディック・ハード DARK SKY の 2nd アルバム。
ハード・エッジなギター&華麗なキーボード・ワークがキャッチーで快活な哀愁ハード・ロックを次々と聴かせていく様は、イヤでも TREAT, DA VINCI などの北欧勢の姿を思い起こさせるもので、思わずニンマリ。ポップさとハードさのバランス、そして滲み出る透明感溢れるメランコリーからは「ヴォーカルが普通の声な SHY」という形容も脳裏に浮かんでみたり。
収録曲された楽曲は、どれも北欧哀愁ハード愛好家の胸にグッと来るだろうフックとハード・ロックのドラマティックな側面を持ち合わせたもので、中でも Mikael Erlandsson を想わせる切ないセンチメンタリズムが爆発する #10 “By Your Side” は特に出色の出来。前作でもイントロ3秒で失禁&脱糞必至のオープニング・チューン “Rock Me” という名曲があったように、「必殺の一曲」を作れるバンドはホント強いわ。
しっかしこのスタイル、もしも・・・もしも今は亡きゼロ・コーポレーションが現存していたならば、間違いなくトップ・プライオリティで扱われていただろうなー。#8 “Hard Life” のようなツーバスドコドコの疾走曲がひょっこりと入ってたりするのもなんだかそれっぽいし。(笑) (Feb. 02, 2003)
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DARKFIRE | 83 |
| Darkfire (2003) |
イタリア産ネオ=クラシカル・メタル・バンド DARKFIRE のデビュー作。
真性ネオクラ依存症患者としては、メランコリックなコード進行とともに乱舞するアルペジオが絶妙な表情の変化を見せてゆく冒頭の疾走チューン #1 “The Dark Fire” 一曲で、ほぼ TKO 状態ッスわ。
とにかく、若干22才のギタリスト Tommy Dell’Olio の強烈にエモーションを発散するナイーヴなタッチのクラシカル・プレイがメッチャそそる。細かな部分で粗さはあるけど、それを補って余りあるセンス(フレージングに借り物感が少ないんだよね)とフィーリングを持ってる稀有な逸材だと思うよ。大き過ぎないけど丁寧なヴィブラートも好みだし。
その Tommy とバトルを繰り広げるキーボード GianGiacomo Cattaneo (スゲー名前・・・ライヴでコールしにくそう/汗)もやや地味ながら印象的な部分もあり。
そしてゲスト・シンガー Omar Zoncada (TIME MACHINE) が聴かせるマイルドなハイトーン・ヴォーカルが、実はナニゲに高ポイント。ネオ=クラシカル原産地である北欧勢のそれに近い「やや情けない系の魅力」が生むアレ系の雰囲気を持ってたりするんだよな。
惜しむらくは、楽曲のばらつきが気になること。前述のオープニング・チューン #1 “The Dark Fire”、そして #4 “Against the Erudite”, #9 “Gorgoroth’s Fire” という3曲の疾走チューンは、イタリア産らしいシンフォニック・メロディック・スピード・メタルのエピックな味わいをも孕んで実にスリリングに聴かせてくれる強力な出来なんだけど、その他の曲がヘヴィ系ありバラードありキャッチーな曲あり・・・と、ヴァラエティを出そうとして少々焦点がボケてしまっている感じ。ま、その3曲だけでも充分お釣りが来るほどだからイインだけどさ。
コレだけじゃなくて、ぜひ次作も出して欲しいッス!
(Feb. 26, 2003)
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DREAM EVIL | 88 |
| Evilized (2003) |
昨年、ヘヴィ・メタルの醍醐味を見事に具現化した名盤 “Dragonslayer” を携えて彗星の如く登場したスウェディッシュ・ヘヴィ・メタル・バンド DREAM EVIL が、驚くほどのショート・スパンで 2nd アルバムを発表!(嬉)
本作は、そのキャッチーなオーセンティック・メタルは確実に前作の延長線上のスタイルながら、一聴すると “The Prophecy” のような極上の疾走曲も “Losing you” での限度を超えた泣きも存在しない「地味盤」。
・・・だからといってガックリと項垂れるのはカナーリ早計。なぜなら本作は、80年代中~後期にメタル・バブルな米国を席捲した 80’s メタルにさらに接近した感のあるよりビッグで洗練された印象で、「中堅実力派の魅力」という意味では前作を大きく上回る輝きを見せているのだから。
収録された楽曲はどれも柔鋼のバランスが良く取れたもので、今から来るべきライヴ・ショウでの大合唱が楽しみな印象的なオープニング・チューン #1 “Break the Chains”、「ヘヴィな DOKKEN」とも言えそうなメロディックなタイトル・トラック #4 “Evilized”、重低音シンガロングがメタル愛を鼓舞する強力なメタル賛歌 #11 “Made of Metal”、メロウ・サイドの充実をガッチリと固める #7 “Forevermore”, #12 “The End” という2曲のバラード・・・と文句なく充実。そして中でも特に心惹かれる #8 “Children of The Night”, #9 “Live a Lie”, #10 “Fear the Night” という SCORPIONS 風味バリバリのキャッチーな楽曲の3連発には、狂おしいまでのノスタルジーに眩暈必至ッス!(>o<)
ただ、さらなる自信を漲らせる Niklas ‘Beverly-Hills’ Isfeldt の堂々とした歌唱、、そして激ラウドなパワー・ヒットが子宮(のあたり/苦笑)に響く Snowy ‘Black-Briefs’ Shaw の超絶ドラミングが前作とは比較にならぬほど自己を前面に打ち出しているのに比べて、Gus G. のギター・ソロパートが、より奔放に弾きまくっている反面「さてさて!ここから来るかっ!?」ってところで非常にコンパクトにまとめ上げられて終わっちゃうのがやや物足りない・・・。いや、今でも十分過ぎるほどに弾いてるんで贅沢っちゃあ贅沢なのはわかっちゃいるんだけど、人間の欲望ってのは果てしないのでね。(苦笑) (Feb. 02, 2003)
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EDENBRIDGE | 79 |
| Aphelion (2003) |
オーストリア産女声シンフォニック・メタル・バンド EDENBRIDGE の 3nd アルバム。
前作に比べクオリティと煽情力を共に大きくアップさせたシンフォニック・アレンジ、そして細かなヴィブラートの癖が抜けてさらに癒しパワーが増した感のある Sabine Edelsbacher 嬢が歌う劇メロの充実が確かなステップ・アップを感じさせる力作。
NIGHTWISH に倣ったドラマティックで壮麗な楽曲がある種の涼しさに包まれた薄味な風味であるのがこの EDENBRIDGE の独特の魅力なのだが、今回は端々に「伝説のイタリアン XaMetal バンド」(苦笑)ATHENA にも通じる悶々としたメランコリーが散見できるのが妙に心地良かったり。
・・・と概ね好印象な本作だけど、リーダーのカッコマン Lanvall のギター・プレイがやっぱり超々苦手なのが、オレにとっては致命的。その線の細いプレイがなぞる感情移入の希薄なフレーズ運びは、聴いているともどかしさになんだかムズムズしてくるほどで、もっと極端に言っちゃうと・・・聴いてて苦痛なのよね。あー、これがなければもっと好きになれるんだけどな、このバンド。そんな苦痛をおしてまで毎回買っちゃう程に魅力を感じてはいるだけに、ソレだけが残念無念・・・。
あ、9分超の大作 #11 “Red Ball In Blue Sky” では D.C.Cooper がゲストで Sabine タンとデュエット。その部分だけ、見事に彼色に染まってます。(笑) (Feb. 02, 2003)
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HELLION | 26 |
| Will Not Go Quietly (2003) |
あ~ぁ、やっちった・・・。
2001年の奇跡の来日公演もまだまだ記憶に新しい、地獄の女王 Ann Boleyn 姐さん率いる HELLION が、Massacre Records からリリースした復活アルバム。
オープニングのタイトル・トラック #1 “Will Not Go Quietly” の冒頭に流れ出た、意表を突いたファルセット・ヴォイスを含む仄かに耽美なエレクトロ・ゴシック風味にこそ一瞬身を乗り出したが・・・本当に一瞬だけだった。(泣)
ギターの音圧を高めに設定したダークな正統メタルは、その狙いとは裏腹にヘヴィなグルーヴに重点を置ききれていない中途半端かつ退屈な物で、まるで DIO の “Strange Highways” ~ “Angry Machines” に通じる印象。
Ann Boleyn 姐さんの当時と比べて衰えを感じさせないどころか更なる表現力をも身に付けたパワフルかつエキセントリックな歌唱にしても、さすがの説得力は耳を惹きつつも、肝心のメロディがややけだるい方向性であるために残念ながらその魅力も半減・・・。
Massacre Records の看板に相応しいクオリティの高い重厚なプロダクション、Ray Schenck & Chris Kessler のギター・コンビのハイ・テンションなテクニカル・プレイなどに聴き応えを感じないわけではないけど・・・やっぱ辛いわ。アルバムを何度も繰り返して通して聴き続けることにカナリの努力を要してしまいまシタ。
最近はなるべく Web でサンプル試聴してから買うようにしてるんだけど、これは「あの HELLION だから!」ってことで店頭で見つけて即買いしちゃたんだよね・・・それだけに失望感も桁外れに高いかった・・・。はぁ~、気を付けよう・・・。
(Feb. 18, 2003)
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MANIGANCE | 81 |
| Signe De Vie (1997) |
フレンチ・プログ=メタル・バンド MANIGANCE が1997年にリリースした6曲入りデビュー・ミニ・アルバムのリイシュー盤。新たに4曲を追加収録。
2002年リリースの “Ange ou Demon” がプログ・メタル・ファンのみならず、内包したその悶絶メロディのおかげで XaMetaler からも大きな支持を得た程に好評だったのは確かだけど、それにしても今この時期に6年も前の旧作、しかもミニ・アルバムを再発するほどだったっけか?・・・と不思議に思いつつ聴いてみたら・・・いや~、ある意味納得。コレはコレで凄い良い出来で、確かにこのままただ埋もれていくのは十分に惜しいわ。
シンガー Didier Delsaux がエモーショナルに操るハイ・トーン・ヴォイス、ギタリスト Francois Merle がワールド・クラスの安定感&センスでテクニカルに構築した悶絶フレーズ、そして鍵盤奏者 Florent Taillandier の華やかな彩りがバランス良く配置された “Ange ou Demon” にしっかり継承されているキャッチーな歌ものプログレ・メタル・スタイルはこの時点で既に完成形を見ているが、この時点では現在よりもテクニカルなプログレ風味がまだ控えめで、その代わりにカッティング・エッジなリフが快活に響く 80’s MTV ハード・ロックな装いが多量に感じられるややストレートな印象だ。
中でも #5 “Aube Nouvelle” は哀愁 L.A. メタル系のメロウなハード・ロックを現代プログ=メタルの技術で調理した美味しい出来。
全体的に、フランス語の言葉の乗りのせいかメロディが時折やや捉えドコロなく聴こえる箇所もあるにはあるけど、そのメロの微妙さが逆に妙な浮遊感/あっさり感を運んでくるという思わぬ副作用を生んでたり。(苦笑)
TRIUMPH のカヴァー #8 “All the King’s Horses” ~ #9 “Carry on the Flame” が、原曲がキャッチーかつダイナミックなアメリカン・プログレ・ハードとして文句なく良い曲なだけにオマケなのにも関わらず本作のハイライトになってしまってる(汗)ように、追加収録の4曲も聴き応えアリ。#10 “Ange ou Demon Promo Medley” 聴いてたら、やっぱあのアルバムって良いメロディ多いよなー・・・と再認識シマシタ。うむ。
(Feb. 21, 2003)
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OLD MAN'S CHILD | 85 |
| In Defiance of Existence (2003) |
現在は DIMMU BORGIR にも在籍する Galder (vo,g,b,key) が主宰するノルウェーのシンフォニック・ブラック・プロジェクト OLD MAN’S CHILD の、Fredrik Nordstrom プロデュースな 5th アルバム。
本作での OLD MAN’S CHILD は、Galder そして旧知の Jardar (g) そして元 CRADLE OF FILTH ~ 現 DIMMU BORGIR の Nicholas Barker (dr) という3人組の布陣。
そんな流血白塗りハゲ3人衆(山海塾状態!/笑)が奏でるのは、同系統ではトップ・クラスの整合感とクリアなプロダクションを誇る、コレまで同様にクオリティの高いドラマティックなシンフォニック・ブラック・メタル。激烈ブラストを織り込みながら壮麗なオーケストレーションが禍々しくも耽美な雰囲気を盛り立てる背徳の香りに包まれた楽曲が、伝統的なヘヴィ・メタルの手法で奏でられている・・・という点が、相変わらず取っ付き易さを生んでいるんだな。ほとんどの曲が4分台とコンパクトなのも、各曲に対する感情移入がしやすくて◎。
ただ、一般的な意味での質の上昇とは裏腹に、独特の魅力だった寒々しいムードは残念ながら作を重ねる毎に減退してきている気が・・・。もしかしたら Galder の中に「DIMMU BORGIR のメンバーであるという保険」みたいな気持ちがあって、それが「OLD MAN’S CHILD」という名前の神通力が薄れさせているのかな・・・なん~て邪推してみたりね。
とは言いつつ、ゲストの Gus G. (DREAM EVIL, FIREWIND, MYSTIC PROPHECY) が素晴らしく煽情的なギター・ソロを披露するオープニング・チューン #1 “Felonies of the Christian Art”、そしてあまりに美しすぎるアコースティックな小曲 #7 “In Quest of Enigmatic Dreams” をイントロに持つ #8 “The Underworld Domains” などは文句なく悶絶級なんだけど。
そしてこのアートワークは、今年コレまでリリースされた作品の中では最強にツボ!
(Feb. 26, 2003)
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PAGAN'S MIND | 79 |
| Celestial Entrance (2002) |
フィンランド産プログレッシヴ・メタラー PAGAN’S MIND の 2nd アルバム。
前作が作りこそしっかりしていたものの楽曲的な少々引っ掛かりが足りなかった印象だったので、その流れを持つ同系のアート・ワーク・・・だからという訳ではないが本作は GET する優先度がチト下がり気味だったけど、各所での好評を聞きつけて優先度復活。(苦笑)
プロデュースに Fredrik Nordstrom が参加しているという先入観だけではない細かな部分への繊細な気遣いが感じ取れるクリアなプロダクションで展開される6~9分台主体の大作指向な楽曲のクオリティは文句なく高く、随所でストレートなパワー・メタル風味を感じさせた前作と比較してキーボードの活躍の場を格段に増加させた本作の作風は、まさに「プログレッシヴ・メタル」ど真ん中なもの。
James LaBrie に類似点を大いに見出せるシンガー Nils K. Rue をはじめ、かなり高水準な技量&センスを持ったメンバーが奏でる緩急溢れるテクニカルに構築されたメロディックな楽曲は、言うなれば DREAM THEATER が 1st から順当にヘヴィ・メタル路線で成長を重ねていたらきっとこんな感じになってたんだろうなぁ・・・と想わせる路線。まぁ、まんま頂いてきたフレーズやキメが聴けるせいもあるけど。(汗)
・・・と、バンドとしての成長は確実に感じられるものの、やはり前作同様の「引っ掛かってこないもどかしさ」も確実に存在するんだよな。聴いてる最中「おぉ!いいな!」と思ってても、聴き終わってみると実はあまり印象に残ってない・・・みたいな。
ただ、聴き飽きさせない濃密な作りではあるんで、何度も聴くうちにだんだん良くなってくるかもね、この手のは。 (Feb. 11, 2003)
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PLATITUDE | 86 |
| Secrets of Life (2003) |
Scarlet Records が満を持して放つスウェディッシュ・ネオ=クラシカル・メタルの若き新星 PLATITUDE は、2003年現在で17~22才という驚きの若さを誇るツイン・ギター&ツイン・キーボードという豪勢な編成の7人組で、本作は彼らのデビューアルバムだ。
その出音は、そんな若さを感じさせない程に実に堂々としたもので、切ないサビメロでツカミはOKのオープニング・チューン #1 “Deception”、殺傷力抜群の悶絶ネオ=クラシカルな #3 “Dance Thru the Fire”、古き良き北欧メタルの息吹を今に伝える #5 “Anima”、最も MAJESTIC 色の強い #8 “Secrets of Life” と充実の楽曲は、時折 XaMetalic なメロディック疾走をかましつつも基本的には演奏陣の技とキャッチーな歌メロが融合した MAJESTIC 風味のネオ=クラシカルな装いがスゲー魅力的。そのうえプログレッシヴな静の深みを随所に織り込んだり、挙句の果てには UNIVERSE に代表されるような往年の B 級北欧メタルの味わいまで盛り込まれてて、んもーオヂサン的には超タマンないっすわ。
その実年齢らしからぬ老獪さはプレイ面でも多く見られ、シンガー Erik Blomkvist のこのバンドが「MAJESTIC 系」と言われる所以にもなっているシャガレた声質の大仰な歌唱と、ドラマー Marcus Hoher の長めに持った極太スティックをぶん回しているかの様にシェルをしっかりと鳴らしながらドカドカと疾走する「超 出原 卓 タイプ」(苦笑)な豪快なラウド・ドラミングには、マジで唸らされるばかり。
欲を言うならば、華麗に弾きまくるキーボードに対峙するように時折 Marty Friedman っぽい東洋系旋律を採り入れながら端整かつスムースにプレイするリード・ギタリスト Daniel Hall のプレイが、もうちょいハジケ気味だったらもっと嬉しかったかな。ま、若手のデビュー作としては十分過ぎるくらいにハイ・レベルなんだけどさ。 (Feb. 04, 2003)
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SONATA ARCTICA | 84 |
| Winterheart’s Guild (2003) |
Mikko Harkin (key) が脱退し、シンガー Tony Kakko とゲストの Jens Johansson (!) が鍵盤パートを受け持つことになった 3rd アルバム。
本作では、これまで彼らの魅力として&同時に弱点として諸刃の剣的に存在していた「若さゆえの危うさ」はスッカリ姿を消し、代わって台頭したのは自らこそが欧州メロディック・メタル勢の中心に位置するんだと誇示するかのような、成熟を感じさせる実に凛々とした佇まいだ。
壮麗な疾走に乗って端整に美旋律を重てゆくオープニング・チューン #1 “Abandoned, Pleased, Brainwashed, Exploited” からして見事に SONATA 節で、その後も疾走曲はもちろん、落ち着きのあるミドル・チューン、やや実験的なプログレッシヴな曲、そしてバラード・・・と、ヴァラエティに満ちたメロディック・メタル群は、グッと来るメロディの悶絶な迸りを端々に散りばめた相変わらずのハイ・クオリティな出来・・・。
・・・でも・・・本作ってば、イ、イイッ!と身悶えする箇所も確かに多いんだけど、なぜか醒めた気分で聴き流してしまう瞬間がそれ以上に多かったりするんだよね。それは、イントロらしいイントロが存在しなかったり、ギターはキーボードの後ろでルートのコードを掻き鳴らすだけという「リフがない」という楽曲の創りのために、それなりにフィーチュアされているはずのインストゥルメンタル群のアレンジ/アンサンブルが楽曲のフックに直結していなくて、フックが「歌のメロディ」だけに近い状態に感じられるせいなのかも。
その Tony Kakko の歌唱は、しっとりと伸びやかに歌い上げながら時にダーティな表現も惜しまない堂々としたもので、相変わらず「スタジオでは」実に魅力的。ただ、その歌うメロディがほぼ常にコーラスを纏っているために、主旋律がイマイチ明確に見えにくくなって楽曲自体の焦点をぼやけた物にしているような気もするんだけど・・・。それにこの幾重にも重なるコーラス・パート聴いてると、ライヴで調子が悪いときに下のパートを歌っても聴き手が違和感感じないようにしてあるぢゃねーの?って勘繰りたくなるし。(汗)
あ、あと、なんか曲間のタイミングの加減が自分の体内時計的感覚と上手く噛みあわなくて、なーんか気持ち悪かったりもするんだよね・・・。
と、好きなバンドなだけについつい悪いところに目が行くが、もちろん良いところもたっぷり。#3 “The Cage”, #4 “Silver Tongue”, #6 “Victoria’s Secret”, #7 “Champagne Bath” という本作中で気に入っている曲に奇しくも参加している Jens Johansson のさすがの貫禄を漂わす有機プレイは鳥肌モノだし、Jani Liimatainen のスリリングに構築されたテクニカルなソロ・ワークも今回はなかなか大人びたスケールを何気に織り込んじゃったりしてコンパクトながらカナーリそそられるモノに。
まぁ全体的には、安定期ちゅーか過渡期ちゅーか・・・そんな妙に落ち着いた印象を受ける作品になっちゃった感じ。次作で、骸骨剣士だのとっとこハム太郎だのヒドイ言われような(笑)げっ歯類系鍵盤奏者 Henrik Klingenberg (REQUIEM, SILENT VOICES) が正式に参加した効果を期待しつつ、もうちょい聴き込んでみようかな。
そうそう、トレーディング・カードは Tommy だった Yo!
(Feb. 21, 2003)
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STORMWARRIOR | 78 |
| Stormwarrior (2002) |
皮ジャンの上からパッチびっしりの袖なしGジャンを羽織るというメタル・ヲーリアかくあるべしな神々しき「正装」に身を包んだジャーマン真性馬鹿メタラー STORMWARRIOR のデビューアルバムが欧州でリリースされてから約一年、なんと日本盤としてリリースされちゃった。(失礼/汗)
ツイン・ギターの絡む細かなリフがそこはかとない愁いみたいなものを纏いながら直線的な疾走を見せるという “Walls of Jericho” 期の HELLOWEEN を強烈に意識させる(ふと PYRACANDA の名を思い出したりもした)サウンドは、そんな古き良きジャーマン・メタルに現代ならではの激しい疾走感をミックスしたもの。スタイルこそ違えどスウェーデンの WOLF と同質の Pure さを内包しているのがナイス。
驚かされるのは、Wacken Open Air 2002 で観た彼らのショウで受けた印象どおり、バンドのイメージ以上の意外な程のクオリティの高さで、本作にプロデュース&ゲストヴォーカルで参加の Kai ‘God Voice(マジで?/汗)’ Hansen をやや漢っぽくした感じのシンガー兼ギター Lars Ramcke の歌唱はさて置き(置くな!/苦笑)、タイトな疾走を見せるリズム隊がもたらすヘッドバングを誘発せん高揚感はナカナカ魅力的。
ってゆーか、ぶっちゃけ「全曲 “Heavy Metal (is the Law)”」じゃん?(笑) 「いっそのこともうこの曲貰っちゃえば?きっとくれるし。」って思っちゃうほどに激ハマリなこの曲を超える楽曲を創ることが出来た時が、これまで 7inch アナログというフォーマットで音源をリリースしていたりとアンダーグラウンドなマニア・ベースで大きな支持を得てきた彼らが、さらに大きなステージで活躍するチャンスを手に入れる時なんじゃないかな・・・な~んて偉そうに思ってみちゃったりしてー。
(Feb. 23, 2003)
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THE HAUNTED | 86 |
| One Kill Wonder (2003) |
オレ内では、THE CROWN と共に北欧爆裂デスラッシュ勢のツー・トップに位置する THE HAUNTED の 3rd アルバム。
ヤヴァげな不穏さを漂わすスローなイントロ #1 “Privation of Faith Inc.” から一転、#2 “Godpuppet” で期待通りの激烈な疾走が始まった瞬間にもう大満足。(笑)
超人系ドラマー Per Moller Jensen の「グルーヴィ」とさえいえる鬼神の如き超絶ドラミングの爆発と、Jensen & Anders Bjorler が湿気たっぷりに叙情を吐露する思慮深いギター・パートが大脳辺縁系をビリビリと刺激する暴虐のエクストリーム・メタルには些かの揺るぎもなく、スピーカー経由で充満する血の匂いに酔ったこの身はこれでもかと言うほどに揺れる揺れる。
THE HAUNTED って、採り上げている題材やアート・ワークの印象のせいか、そのサウンドにどこか都会的な冷淡さ/スマートさを漂わせてるのがとってもクールなんだよね。それと、疾走曲では天駈ける軽やかさを、そしてスローな曲では腰に響く重量感を・・・と、その状況によってキメとなるポイントを巧みに掴みながら、「実速度」に依存しない高揚感を演出する術に長けているところも◎。
確かに本作ってば前作と比べて特にこれといった目新しさはないし、非常にコンパクトに纏まっていてアッという間に終わっちゃう印象なのが物足りないと言えば物足りないんだけど、聴いててとにかく気持ちイイからコレはコレでアリってことで全然いいや。
(Feb. 23, 2003)
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THE PROVENANCE | 91 |
| Still at Arms Length (2003) |
デビュー作にして大傑作だった2001年リリースの “25th Hour; Bleeding” に度肝を抜かれたスウェディッシュ・プログレッシヴ・ゴシック=デス THE PROVENANCE の待望の 2nd アルバム。
オクターヴの単音を同一弦上で上下にスライドさせる不協和音気味のヘヴィなリフと、深みに満ちた繊細なる静粛さに包まれたアコギ/ピアノのアコースティック・パートのダイナミックなその落差が適度な隙間感を保ちながらアーティスティックに描くサウンドの基本スタイルは、相変わらずの「超 OPETH タイプ」!(嬉)
・・・と DISK HEAVEN っぽくタイプ付けをしてみちゃいつつも、その御大 OPETH が剥き出しの骨格から直に伝えるロックなヴァイヴを女声/オルガン/フルート/ストリングスなどの壮麗なウワモノで柔らかに包んだ混沌たる幽玄世界は、既にフォロワーの域を完全に超越。
のっけから OPETH へのリスペクト全開でグイグイと引き込まれる #1 “Climbing Ideals”、嗚咽を震わす濡れ濡れフルートに瞬殺の #3 “Carousel of Descent”、男女デュエットを不穏なヘヴィさの交錯の妙が美味しい #6 “At Random Choose”、ゆったりとした暗黒叙情美とアルコールとが溶け合いそれが凍み渡ったこの身体を自然に揺らす #7 “World of Hurt” ほか圧倒的な完成度を誇る楽曲群が発散する、Emma Hellstrom 嬢の歌うやや Cristina Scabbia 嬢似の女声のエモーショナルな風合いが醸し出す LACUNA COIL 的なフィーリング、そして作品全体を包むアヴァンギャルドなケイオス渦巻く ANEKDOTEN を想わせる暗黒プログレッシヴ・フィーリングの極上の味わいは、この THE PROVENANCE 独特のものだ。
男声シンガー Tobias Martinsson も、本家の Mikael Akerfeldt には及ばないものの(おっと、比べるのがそもそもオカシイね/笑)濁声と普通声をスイッチしながらのなかなか表現力に溢れたその歌唱は、このバンドの世界観を描く絵筆としては必要十分以上の健闘ぶりだし。
とにかくこの THE PROVENANCE ってば、音像そのものが超好みなんだよね。♪ジャーーン!って白玉のパワー・コード一発で聴こえてくる音の塊を聴いただけでも、その各楽器の配合/分離の絶妙の感触にクラクラするほどだもん。
衝動と計算をアンビリーバボーな次元で融合させる事の出来る、数少ないバンドの一つデスな。わかっちゃいたけどやっぱり降参。
(Feb. 18, 2003)
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VARIOUS ARTISTS | 80 |
| The Music Remains the Same – Tribute to Led Zeppelin (2003) |
Locomotive Music(スペイン)による、LED ZEPPELIN トリビュート。
参加バンドとそれぞれのお題は以下のとおり。
01. ANGRA – Kashmir
02. BLAZE – Dazed and Confused
03. PRIMAL FEAR – The Rover
04. DORO – Babe I’m Gonna Leave You
05. ELEGY – Rock and Roll
06. TIERRA SANTA – Communication Breakdown
07. GRAVE DIGGER – No Quarter
08. MASTERPLAN – Black Dog
09. CONSORTIUM PROJECT – Immigrant Song
10. MAGO DE OZ – Whole Lotta Love
11. AXXIS – Good Times, Bad Times
12. WHITE SKULL – Stairway to Heaven
どのテイクも、原曲に対して奇を衒わない範囲で自らの持ち味をしっかりと滲ませたメタリックなアレンジを施した、非常に質の高い仕上がり。
Blaze Bailey って IRON MAIDEN 歌わなけりゃ意外と上手いシンガーなんだなぁ~と確認できたり、Doro の セクシー・ウィスパリングに勃起・・・いや、悶絶したり、ELEGY でコリャ無理があるってぇ~と独り言呟いたり、GRAVE DIGGER が意外な程にハマっているのに驚いたり、MAGO DE OZ のヴァイオリン&フルート攻撃の抜群の殺傷力に見事に姦られたり、“Stairway to Heaven” ってのはやっぱ不朽の名曲だなぁと再認識したり・・・。
・・・と、多数の聴き所があるにもかかわらず、その中でやはり耳が釘付けになるのが MASTERPLAN による #8 “Black Dog” での Jorn Lande のあまりにも凄絶な歌唱。なぜか微妙に「COVERDALE PAGE ヴァージョン」なんだけど(笑)、この男・・・マジですげーわ・・・。(絶句)
(Feb. 26, 2003)























