5月2003
ALTARIA 85
Invitation (2003)

AOR HEAVEN が新に設立したヘヴィ・メタル系レーベル METAL HEAVEN の第一弾アーティストは、フィンランドの正統派ヘヴィ・メタル・バンド ALTARIA

この ALTARIA、シンガーは REQUIEMJouni Nikula、そして SONATA ARCTICAJani LiimatainenNIGHTWISHEmppu Vuorinen という贅沢なギター・チームを擁するスーパー(って言うほどじゃないか~/苦笑)バンドなんだけど、全ての楽曲を書いているのは Marko Pukkila (b) と Tony Smedjebacka (dr) の2人なので、彼らリズム隊コンビが主導するバンドってのが実際のとこなんだろな。

そのスタイルは、今となってはややダサさ&地味さを感じさせる伝統的スカンジナヴィアン・ヘヴィ・メタルで、80年代後期~90年代初頭の北欧メトゥに心酔しちゃうオッサン的には、ホンットに和むナイスな路線だわ。Jouni の朗々とした歌唱の持つ Marco Hietala っぽさのせいで、TAROT を思い起こさせることもしばしば。(実際にその Marco もバッキング・ヴォーカルとして参加)

ミドルテンポ主体のキャッチーな楽曲は、この一曲って強力な楽曲は残念ながら見当たらないもののどの曲もソコソコ及第点な感じで、まさに往年の北欧メタルの底辺を支えてながら陽の目を見ずに消えて行ったマニアックな実力派バンド群を思い起こさせる・・・って、めっちゃ褒めてるつもりなんだけど、全然そうは聞こえないな。(笑)

そして、そんな地味ながら魅力的な楽曲を引き立たせる役割に徹しながらも、ついつい超絶テクが顔を出ししゃう JaniEmppu による強力なギター・パートはやっぱり美味しい!

ちなみにプロデュースは THUNDERSTONENino Laurenne

 (May 19, 2003)

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AT VANCE 87
The Evil in You (2003)

ジャーマン・ネオ=クラシカル・メタル・バンド AT VANCE の 5th アルバム。

超実力派として一目置いていたシンガー Oliver Hardmann がまさかの脱退を遂げ、後任にスウェーデン人 Mats Leven を据えた本作でも、既に完成されている AT VANCE スタイルから逸脱することのないこれまでの延長線上と言えるキャッチーなネオ=クラシカル・メタルが展開されている。

ややしゃがれた声質ながら実に良く伸びる Mats の歌唱は全く言って良いほど違和感がなく、これまでに彼が遺してきた名演に並ぶ素晴らしい絶唱が存分に楽しめるってのが 大好きだった Oliver 脱退の結果もたらされたものだっちゅーのがチョイト複雑・・・。

いきなりのキラー疾走チューン #1 “Fallen Angel” から最後まで一気に聴かせる速遅硬軟緩急のヴァラエティに溢れた名曲群・・・その中心に位置するバンマス Olaf Lenk の超絶プレイがこれまでになくエモーションに満ちて聴こえるのも嬉しく、キャリア的にも既にテク的には完成されていると思っていただけに、この新味は予想外の当たりクジ。

やっぱ、全てのジャンルを弾きこなせた上で悶絶ネオ=クラシカルを演るってのは強いね。ま、ネオ=クラシカル・メタルってのは地球上の全ての音楽ジャンルの頂点だからなぁ。(妄想狂)

あ、Jurgen “Lucky” Lucas のタイト&ラウドな特徴的ドラミングも、この AT VANCE のサウンドを印象付ける重要な役割を担ってるデスな。

#12 “Highway Star” は・・・これまでのカヴァーの選曲で見せていたセンスの良さを無に帰してるんちゃうん!?(苦笑) Oliver が歌ってる楽曲を収録したボーナスCDがついた2枚組仕様の輸入盤の方を買えばよかったよ!(ToT)

 (May 26, 2003)

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BATTLELORE 87
Sword’s Song (2003)

フィンランドの True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE 待望の 2nd アルバム。

種族やら職業やら使用武器やらといった馬鹿馬鹿しくも面白すぎるクレジットは姿を消し、メンバーの名前表記も源氏名から普通の人間の名前に。(笑) ただし、メンバーショットだけは前作以上にコスプレ度大幅アップ。エントやゴラムになってるヤツまでいて(笑)いったいどれが誰なんだか・・・もう全然わかんないッス!

で、肝心の音楽の方なんだけど(苦笑)、ゴシック色もありながら実はモダンなデス・メタルな側面が強かった前作と比較して、本作は正統メタル寄りのヘヴィなシンフォ・ゴシック風味をグッと増した印象。

小気味良いリズムで刻まれるヘヴィ・リフを包み込む、あるときはシンフォニックにあるときはデジタルにと楽曲の空気を支配するが如く活躍する Maria 嬢のキーボード・ワークが「より風景的になったんじゃん?」って感覚を醸し出す楽曲は、暗黒風味をやや減少させその代わりに洗練されたメロディックな構築美を強調したもので、上手く活字にはできないけれどその音像にこの BATTLELORE 独特と言える佇まいが備わりつつあるのが、なんだかイイな。

なんといっても嬉しいのは前作では数曲でのみ聴かれた尖り耳の女声シンガー Kaisa Jouhki タンの激萌えなフワフワ・ヴォイスが全曲に亘って響き渡っていることで、メランコリックにドライヴするノリノリ・ゴシック #4 “Buccaneer’s Inn”, #10 “Forked Height”、壮大なプロローグ #8 “Horns of Gondor” に続くヘヴィかつアトモスフェリックな #9 “The War of Wrath” あたりの可憐な歌いまわしにゃオジサンもうタマンナイぞコリャって感じデス。

そんな Kaisa 嬢と絡みを見せる前作ではウルク・ハイ役だった(笑)男性シンガー Patrik Mennander の男声も、普通声と濁声を適度にミックスした非常に聴き易いものになっているし。

疾走することもなく派手さにはイマイチ欠ける堅実な楽曲は一聴して地味に映るが、確かなクオリティに支えられたそのヘヴィで緻密な寓話世界は、聴けば聴くほどにのめり込んでゆくのですわ。(^^)

 (May 26, 2003)

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CARNAL FORGE 83
The More You Suffer (2003)

スウェディッシュ激烈デスラッシャー CARNAL FORGE の 4th アルバム。
2001年の Wacken で観た時には、身体の芯が震えるほどの爆音の威力にこそ畏敬の念を抱いたもののその楽曲自体にはイマイチ魅力を見つけられずにいたんだけど、こうして届いた新作ってばそんな思いが嘘のようにイイ感じぢゃん。

同じスウェディッシュ・デスラッシャーである THE CROWN が「切り刻む」って印象だとすれば、この CARNAL FORGE は「なぎ倒す」って感じで、その推進力の中心となっているのは STEEL ATTACK ではシンガーとしてヘナチョコ・ハイトーンを震わせていた(笑)とは信じ難いドラマー Stefan Westerberg の怒涛の超絶ドラミング。その豪快な加速力は、アンビリーバブルなまでに刺激的。

そんな激烈な側面がもたらす爽快さに存分に魅力を感じつつも、このネオクラ耳が捉われてしまうのは、やっぱり Jari & Petri Kuusisto 兄弟が弾き出す「円熟」とさえ言えるほどの旨味に満ちたギター・ワークによるメロディックな彩り。

その愁いも、ブルータリティを決して損なわない程度の適度なバランス・・・と言いたいところだが、#6 “Divine Killing Breed Machine” や #7 “Deep Rivers of Blood” などに代表される数曲での、これでもかという程にテクニカルな叙情ギター乱舞するネオ=クラシカル・メタル真っ青な嬉しすぎるフレージングを聴いてしまうと、全ての曲にそういう味わいが欲しくなっちゃって物足りなくなってくるんだよな~。それが CARNAL FORGE 本来の魅力ではないと解っていてもさ。(狂)
 (May 07, 2003)

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DRAGONFORCE 87
Valley of the Damned (2003)

ブリティッシュ・メロディック・ハイ=スピード・メタル・バンド DRAGONFORCE のデビュー作が、延期に延期を重ねた末にやっとのことで国内リリース。

まさに「光速」という形容がピッタシの呆れるほどに疾走疾走また疾走なその極端なスタイルは、現時点での「キング・オブ・ドラゴンメタル」の称号を付与されるに相応しいインパクト。

Didier Almouzni (dr), Diccon Harper (b/Support) の強力なリズム隊によって生み出される抜群の疾走感はとにかく絶品で、その上でシンガー ZP Theart が気持ちのいいハイ・トーンでいい意味で子供騙しな(笑)判りやすいメロディを綴ってゆく様は、たとえ Herman Li & Sam Totman のコンビによる時折妙に不快感を感じるモジュレーションを交えた深みに欠ける薄っぺらなピロピロ・ギター・パートに失望したとしても、それを超越した有無を言わさぬ凄みを与える「何か」の存在を信じさせる。

疾走一辺倒かと思いきや、大陸的空気を美味く取り込んだバラードやボサノヴァ風味の新鮮なアレンジなど、その引き出しの奥行きが意外な程に広そうなのも今後の可能性を感じさせて面白いな。

#4 “Black Winter Night”, #7 “Revelations”, #9 “Heart of a Dragon” と優れた佳曲が多くて嬉しいが、中でも「躁」の度合いが比較的少ない #3 “Blackfire” は超ツボ! マジでめっちゃカッコイイわ。

ボーナストラックの #10 “Where Dragons rule” は、曲名見て勝手に CRIMSON GLORY のカヴァーかと思って期待してたら・・・全然違ってた・・・。(x_x)
 (May 19, 2003)

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DYING PASSION 71
Voyage (2003)

チェコ産ゴシック・ドゥーム・メタル・バンド DYING PASSION の 2nd アルバム。
力強くエキセントリックな歌唱を聴かせる女性シンガー Zuzana Lipova 嬢と、愁いを運ぶフルートを乱舞させる Veronika Skrottova 嬢という2人の美女メンバーの色を濃く反映したダーク・ゴシックは、「王道」とは一味違った東欧らしいアンダーグラウンドさに溢れたもので、その独特のサイケデリックな味わいはなかなかのもの。
かなーりチープなプロダクションだしプログレッシヴ&アヴァンギャルドなとっつきにくい面もあるが、意外にもキャッチーなメロディ構成とともに思慮深く作り込まれたサウンドは、即効性こそ希薄だけれども忘れた頃に引っ張り出して楽しめそうな魅力アリ。
どことなくピースフルなフラワー&ヒッピーっぽいテイストが存在するのも面白いな。
 (May 11, 2003)

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HARMONY 79
Dreaming Awake (2003)

様式派ギタリスト Markus Sigfridsson を中心としたスウェディッシュ・ネオ=クラシカル・メタル・バンド HARMONY のデビュー・アルバム。

MASSACRE RECORDS から純ネオクラ系って珍しくね?ってことで、ホントそれだけのきっかけでついつい買ってしまったが、これが絵に描いたような北欧ネオ=クラシカル・メタル。

Yngwie 系ど真中のギター・プレイとそれに戦いを挑むキーボードを中心としつつもテクニック云々よりも楽曲/メロディに重点を置いた印象の楽曲群は、今時珍しく近年の欧州スピード・メタルの洗礼を受けていない無垢な音像で、目新しさこそ一切ないものの妙に安心感を覚えるやら懐かしさでいっぱいになるやら。

シンガー Henrik Bath の歌唱が Goran Edman に通じるスタイルのためか、全編に亘って北欧哀愁ハード・ロック的なメロウさが滲んでいるのがポイント高いわ。ってゆーか、ホントに Goran が歌ってくれたら激ハマリだなコリャ。(苦笑)

ギターとただバトルするだけではなく、重厚な室内楽的展開の要になったり全体を透明感に満ちた空気で包む役割を担う Magnus Holmberg の鍵盤さばきにも、ナカナカのセンスのよさを感じたデス。

・・・と結構イイ感じなだけに、決め曲がないのがツライな、やっぱ。

 (May 19, 2003)

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HELLOWEEN 86
Rabbit Don’t Come Easy (2003)

HELLOWEEN の記念すべき10作目となる本作は、近年の HELLOWEEN の方向性に大きな影響を与えていた Roland Grapow を解雇し、後任として新たに FREEDOM CALLSascha Gerstner を迎えたまさに転機となる一枚。

いやー、それにしても Roland がいなくなっただけでこうも印象が変わるとはね。彼の持ち込んでいた様式クサさ&ハード・ロック的ギター・プレイに漂わせていたやや古めのニュアンスを排除した「躁で剛健でヴァラエティな HELLOWEEN」は、“Keeper ~” から “Pink Bubbles Go Ape” への変遷期を思い起こさせる感触だ。

とは言っても、Andi Deris(本作では何故か “Andreas Deris” とクレジット)加入以降の HELLOWEEN 独特の質感がしっかり守られてる印象的なメロディと堅実なプレイに支えられた高品質なヘヴィ・メタルは、Andi の声が好きくないとか(笑)なんだかんだ文句言いつつも、やっぱ楽しめちゃうのよね。

新加入の Sascha Gerstner の貢献は素晴らしく、歴代ギタリスト最高の安定感を持ちながらスリリングをも生んでいるフレージングの絶妙なセンスが光るテクニカル・プレイにも惹かれるが、#2 “Open Your Life”, #5 “Liar”, #6 “Sun 4 the world”, #11 “Listen to the Flies” という彼が関わった4曲すべてが本作中でも特に耳を惹く楽曲だという作曲センスの良さも好印象。

そして、本作の最大の聴き所は・・・やっぱ Mikkey Dee 様のあまりにも凄まじ過ぎる超絶ドラミングだろ! 手技足技を絡めつつも終始タイトなパワー感溢れる HELLOWEEN 史上ダントツで最高峰なドラミングは、マジで失禁モノ。このドラム・パートが存在するだけで、もう曲とか歌とかどうでもいいわ。(盲目)

 (May 18, 2003)

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MORS PRINCIPIUM EST 85
Inhumanity (2003)

フィンランドで新に産声を上げたテクニカル・メロディック・デス・メタル・バンド MORS PRINCIPIUM EST のデビュー作・・・ってゆーか、パッと見てすぐバンド名読めんがな!(苦笑)

モダンで硬質な疾走感を漂わせる SLOILWORK な下地に、CHILDREN OF BODOM の影響を垣間見せる悶絶にエモなネオ=クラシカル・ギター・プレイを存分に振りかけたこの方向性は、ヤヴァいくらいに魅力的。

リフに切れの悪さを実感させる部分があったり、出来が良いながらも各曲毎の差別化や突き抜け具合の不足とかって楽曲へのちょっとした物足りなさを感じるなど、実際に初めてアルバムを通して聴いた第一印象は、サンプル訊いて膨らませてた期待よりは正直やや下回っちゃったものの、Jori Haukio & Jarkko Kokko のギター・コンビによる CACOPHONY 級の超絶な弾きまくりの前には、そんなとりあえずのイマイチな印象な部分もどっかに吹っ飛んでしまうわ。

終始凄まじいスピード・プレイを奏でながらも、テクニック自体をひけらかすに終わらずセンス良くスリルを構築する様には悶絶を禁じ得ず、曲中に絶妙に配された広がりを感じさせるフレージングの美味しさにも目を見張るばかり。

デス・メタルでありながら全編を計算されたモダンな冷静さが覆い尽くしているのが、良くも悪くもこの MORS PRINCIPIUM EST の印象を決定付けている気がするけど、緻密なアレンジの奥深さも手伝って、聴き進めるほどに良さが滲み出てくる好盤と思えるってことには間違いないな。

ちょいと IN FLAMES っぽさもあるデス・バラード(って、なんじゃそれ/笑)#10 “Into Illusion” で聴かせるシットリした雰囲気が、この次に繋がる何かを期待させるしね。(この曲のギター・ソロがこれまたマジ絶品なんだよな~)

 (May 26, 2003)

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OMNIUM GATHERUM 89
Spirits and August Light (2003)

2002年リリースの MCD “Steel the Light” の完成度に度肝を抜かれた、フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド OMNIUM GATHERUM の待望のデビュー・フルレンス・アルバムは、Rage of Achilles なる英国ロンドンのマイナー・レーベルからのリリースながら、一流どころにも全く引けを取らない内容とクオリティを備えた好盤。

ギター・オリエンテッドのモダンな硬質エクストリーム・メタルにスムース&クールなメロウ・テイストを存分に塗したそのスタイルは SOILWORKCHILDREN OF BODOM とも喩えられようトテーモトテーモ美味しい路線なのだが、どちらかといえば CHILDREN OF BODOM 色が強く感じられた前作 MCD に比べ、この 1st フルレンスは SOILWORK に急接近した感じ。

とにもかくにも、全編に散りばめられたリード・ギタリスト Markus Vanhala による悶絶ギター・プレイがマジで素晴らし過ぎ。そのネオ=クラシカルな激ファスト・プレイは、一聴するに淡々と弾きまくっている印象ながら、そのフレージング&タイミングの妙が運ぶ「秘めた激情」に触れた瞬間、この顔は歪んじゃうね。歪む歪む。

特に、#3 “Perfumed Garden”, #6 “The Emptiness of Spirit” でのプレイは鳥肌モノッスわ。多彩な技を駆使しながらセンスフルに構築された旋律をスムースに奏でるそのスタイルは、NOCTURNAL RITESNils Norberg に近いモノを感じるかも。

いやー、こーゆーの、マジ好みなんだよな~。

 (May 18, 2003)

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POWER QUEST 78
Wings of Forever (2002)

英国産メロディック・スピード・メタル・バンド POWER QUEST のデビュー盤。
メンバーにイタリアン・メタラー ARTHEMISAlessio Garavello (vo)、Andrea Martongelli (g) 両名を据えて実に安定したプレイで奏でられる、ツイン・ギターと柔らかなキーボードを伴った明快なメロディの激走は、Underground Symphony 史上稀に見る高クオリティ。(苦笑)
全体の印象としてはメロスピ一直線なモノながら、ミッド・テンポな楽曲/パートや女声をアクセントにしたバラード #7 “Immortal Plains” 等に他の欧州勢とは微妙に質感の異なる英国風味みたいなものを確かに感じさせるのが、この POWER QUEST ならではなポイントかな。
が、そのプレイが安定感に溢れているだけに、演奏からプレイヤーならではの旨味とかがあまり感じられないってのは至極残念で、特にあまりにも芸のなさすぎる一本調子なドラミングが誘う単調さは・・・カナリ聴く気を削ぐ感じ。
あ、DRAGONFORCE と共に「Dragon Quest Tour」とかやったらオモロイくない?(笑)
 (May 11, 2003)

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PRAYING MANTIS 63
The Journey Goes On (2003)

Tony O’Hora (vo), Bruce Bisland (dr) が脱退した穴を正式に後任にメンバーを入れるのではなくゲストで補う形でリリースされた3年ぶりの 7th アルバム。

#1 “Tonight” でゲスト・シンガーの一人 John Sloman の懐かしい歌声が聴こえてきた瞬間、懐かしさと情けなさが入り混じった複雑な感情でいっぱいになった。確かに本作でも、購入動機となった「泣きのプレマン節」はしっかりと聴かれるんだけど・・・ちょっと辛いッスわ、こりゃ。

宅録テクの欠しさを感じさせるチープなギター・サウンドが、プレマン節による泣きとは微妙に違う意味での涙くんを運んでくるマッタリとしたメロウな叙情ハード・ロックは、既に実体のない年寄りバンドが、新鮮な具材の入っていない狭い引出しから寄せ集めたガラクタを、一部メディアが創り上げた幻想を信じる日本のファンに向けて旧態依然の感性でやっとこさ纏めてみました感バリバリ。

それでも、そこかしこで聴こえる「プレマン節」には思わず身を乗り出してしまうのが、この PRAYING MANTIS の始末が悪いところなんだよな。(苦笑) もう一人のゲスト・シンガー Doogie White の、RAINBOW 時代のそれを思わせる充実の歌唱にもついつい笑顔がこぼれてしまうし。

ってことで、たぶん次作も買っちゃうんだろうな・・・。
 (Apr. 06, 2003)

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ROYAL HUNT 86
Eye Witness (2003)

デンマークの至宝(ってもう古いな/苦笑)ROYAL HUNT の 7th アルバム。

事前に CD 店のフライヤーで「ニューメタル、ジャズ、そしてゴスペル等様々な音楽からの影響を反映させた意欲作!」みたいなファンにとっては逆効果でしかないコピーを読んで不安だけが悶々と募っていたが、発売日に訪れた店頭で BGM として流れてた確かにニューメタル的なテイストもある #4 “Edge of the World” での John West の凄まじい歌唱(最初は誰が判らず、「誰だこれ!?スゲー!買わなくっちゃ!」と思った…)に安堵して実際に買って聴いてみたら、なんのこたぁ~ない、確かにゴスペル調(って、パイプオルガンに載せてアカペラで歌っとるだけやんけ!)の #3 “The Prayer”、洒落なのかスタイルに囚われなくなった象徴なのかはワカランけどこれはこれでアクセントになって悪くないジャジーな #6 “Wicked Lounge”、そして前述の佳曲 #4 “Edge of the World” などそういった曲やパート、アレンジは確かに存在するものの、従来風味の佳曲も #1 “Hunted”, #5 “Burning the Sun”, #9 “Game of Fear” としっかり粒揃いで、全体の印象は何の迷いもなく「従来通りの ROYAL HUNT」と言えるものじゃん♪

確かに、近作ではキーボードとギターがネオ=クラシカルな旋律を奏でまくる様式美/ネオクラシカル云々で語られるスタイルからは徐々に脱却を見せていて、今作では楽曲中にさり気なくそれらのテイストを配置した普通にメロディックなヘヴィ・メタル/ハード・ロックになってしまってはいるが、モダンな雰囲気が漂う都会的な雰囲気にネオクラ風味が押し付けがましく融合した今のスタイルも全ぇ~ん然悪くない。

Jacob Kjaer の味のあるエモーションルなギター・プレイも、モロ様式な楽曲よりも今の方向性の中での方が69万倍くらい生き生きと魅力的に響いてくるもんね。

そして忘れちゃならんのが今のこのバンドの主役、John West。完璧にコントロールされたこの人の超絶な歌声に酔い痴れる心地良さだけでマジ満足って感じッス。John ったら自分でメロディを作ると相当にアレでナニななだけに(汗)このバンドに入っていいメロディを歌わせて貰ってホントに良かったわさ。

今のオレ的には ROYAL HUNT = John West なんで。
 (May 26, 2003)

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SETHIAN 83
Into the Silence (2003)

NIGHTWISHJukka Nevalainen がドラマーとして籍を置き、同じく NIGHTWISH から Tuomas Holopainen がゲスト・キーボード・プレーヤとして参加しているフィンランド産ヘヴィ・メタル・バンド SETHIANSpinefarm 発のデビュー・アルバム。

一応 TO/DIE/FOR, CHARON, ENTWINE 系のメランコリック・ゴシック系という売り方をしてるみたいだけど、これを聴いて「ゴシック」という表現を使用するのは、とりあえずちょっぴりためらってしまうわ。

というのも、確かにシンガー Wilska の朗々とした歌声の感触がそれっぽかったり、ゴシック的な雰囲気を持つ楽曲もあったりするものの、トリプル・ギターというゴージャスな編成を生かしたこの SETHIAN のスタイルは前述のバンド群と比較してはるかにストレートなもので、基本的には普通にキャッチー&メタリックなハード・ロックといってイイんじゃないかなぁ。

とはいえ、その「ゴシック風味」の美味しさがこの SETHIAN の魅力であるもの事実で、鍵盤が醸し出す耽美な息吹き、そしてメランコリックに舞うギター・ハーモニーの妙には思わずニンマリさせられる。

他との差別化という意味ではこの SETHIAN をチョイスする理由はイマイチ希薄だけれど、メランコリックな低音ウィスパーが映える快活ドライヴィング・チューン #4 “Epitaph”(曲名でまず電波が走った!/笑)、哀愁のリフが心を鷲掴みにする #9 “Heavens May Fall”、その雰囲気が何故か KING DIAMOND を想起させるミステリアス&キャッチーなメタリック・チューン #10 “Blood Calling” あたりのお気に入りな楽曲を聴いた時の心地良さは、充分にコスト・パフォーマンスに見合ったものだったデス。
 (May 19, 2003)

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TALISMAN 74
Cats and Dogs (2003)

HUMAN CLAY だの HUMANIMAL だのもうワケワカンナイ状態の中、今度は TALISMAN 名義として 5年振りとなる 6th アルバムをリリース。
ギタリストが Pontus Norgren から以前の Fredrik Akesson に戻っているが、前作 “Truth”(1998) とほぼ同様の「ここんとこの TALISMAN」な路線。
Jeff Scott Soto の極上の熱唱、Marcel Jacob のスリリングなブースト・ランニング・ベース、そして Fredrik Akesson のネオクラシカル素地のスムースなスーパー・プレイが織り成す北欧らしいテクニカルな演奏様式で奏でられるグルーヴィ骨太なハード・ロックは、彼らならではの要素がたっぷり味わえるんで一聴した時はカナリ満足感は得れたんだけど・・・何度か聴くうちに早くも飽きてきた。(汗)
やっぱ楽曲の出来がちょいとキビシイかな。どうも引っ掛かりが悪い感じ。哀愁や透明感もしっかりと残ってはいるけど、往年の「もろ北欧メトゥ」なそれとは異質な雰囲気だし。。。
ちなみにドラムは Jamie Borger (ex-TREAT ←って書いてる時点でオヤジ/苦笑)。
 (May 07, 2003)

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