8月2003
ARCH ENEMY 79
Anthems of Rebellion (2003)

ARCH ENEMY の 5th アルバムは・・・なんとも煮え切らない地味盤。。。

うーん・・・即効性の高いメロディに替わって、モダンな質のリフ&リズムの強靭なグルーヴで感情の昂ぶりを表現しようとしてる感じ? 減少したメロディ面は、細部に亘ってしっかり作り込まれたプログレッシヴに漂うゴシック風味の暗黒浮遊感から嗅ぎとってくれ・・・みたいな?

確かに、Daniel Erlandson & Sharlee D’Angelo のリズム隊が放出する圧倒的な凄みには思わず身を乗り出させられるし、Michael & Christopher Amott の泣き泣きギターにしても、量的には大幅に減少したものの「質」を大幅に充実させてきた満足感を感じるし、楽曲にしてもアコギの儚い調べが泣きを誘う小曲 #8 “Marching on a Dead End Road” ~ 突進デスラッシュ #9 “Despicable Heroes”Christopher のノーマル・バッキング・ヴォイスが映える #10 “End of the Line”、そして雄大なイントロ #12 “Anthem” ~ 叙情ソロが絶品の #13 “Saints and Sinners”・・・って後半の流れは充分にカッコイイんだけど・・・やっぱ正直物足りんわな。わっはっは。

これまでより尖鋭さ/キャッチーさを意識的に抑えて、女豹 Angela Gossow の咆哮のタレンタビリティを含めてある意味エモーショナルに激烈さをシェイプ・アップした「プレイヤー側が気持ちイイ音楽」は・・・解るんだけど・・・気持ちは解るんだけど・・・やっぱりナンダカねぇ。

ってゆーか、内容とは全然関係ないんだけど、我が家ではデジパックは全部 DISK HEAVEN で貰えるビニール・カヴァーに入れて棚に並べてるのね。でもこの CD ってば、ほんとにギリギリでそれにスッポリ入らんわけよ! それもなんとも苛つくんだよね~。(苦笑)
 (Aug. 10, 2003)

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ARK STORM 82
Beginning of The New Legend (2003)

Yngwie Malmsteen 系様式ギタリスト 太田カツ 率いる国産ネオ=クラシカル・メタル・バンド ARK STORM の 2nd アルバム。

本作の制作にあたってメンバーを一新するという様式系ギタリストのゴールデン・ルールに則った行動がコリャまた素敵♪(萌)なのだが、冗談はさて置き今回はそれが見事に効を奏した充実の一枚になっている。

まず、嬉しくなるくらいにジャパニーズ様式美メタルの王道まっしぐらな楽曲の色合いを決定付けているニューシンガー 佐々井 康雄 (ex-SHY BLUE) の歌唱がなかなかイイ感じ。ガナリ系の目立つ日本人シンガーの中では(この佐々井も多少そのケが無くはないが)珍しくメロウな甘さを滲ませるそのスムースな唱法は実に新鮮で、たくさんの光速楽器音が乱舞する楽曲に「良質な歌モノ」としての生命を与えることに成功している。確かに全般的にまだまだ硬さも感じるが、これからにマジ期待の新鋭ッスわ。

そして、6弦ベースを操るスーパー・テクニシャン 瀧田 イサム (六三四) による、太田カツ の Malmsteenic なプレイに追随する鬼弾きも、この ARK STORM の新たな魅力。生粋のネオ=クラシカラーではなく、持てるテクニックを請われて様式フレーズを弾いているとは解っていても、そのファスト・ランニングのスリルはついつい耳が追ってしまうんだよね。

太田カツ 自身のプレイは、安定した超早弾きテクニックと豊潤なタッチ・フィーリングを兼ね備えた Malmsteener としては世界指折りの実力を感じさせるものだが、高速アルペジオが主体のフレージングの「メロディ感の乏しさ」が、せっかくのスーパー・プレイを耳を素通りさせてる感じ。

 (Aug. 26, 2003)

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ARTHEMIS 81
Golden Dawn (2003)

イタリアン・メロディック・メタル・バンド ARTHEMIS の 3rd アルバム。

前作 “The Damned Ship” がお気に入り盤だったんで期待していたが、本作では一転して XaMetalic な解りやすい激メロを後退させ、一聴して地味な印象・・・。

・・・だがしかぁーし! 男前シンガー Alessio GaravelloPOWER QUEST の仕事で一皮向けた感のある線が細くもパワフルな若々しい勢いに満ちた良質ヘナチョコ・ハイトーンのしっかりと存在感と、ギタリスト Andrea Martongelli の「Hail! Marty Friedman!」なエスニックなフレーズ使いの妙が冴える楽曲は、前述したように確かに「地味」なんだけど、時に辻褄の合わなさに眩暈を誘われるような強引一歩手前の独特のフックが「プログレッシヴ」とはまた違う妙な独自性みたいなものを生んでいるのが面白い。端々に息衝く悶絶メロディも充分に魅力的だし。

アレンジの幅や楽曲のヴァラエティに、正統メタルの枠を決して越えない範囲での溢れる冒険心を感じさせるその姿勢には、N.W.O.B.H.M. 時代のバンドの精神性を感じちゃってみたり・・・。

現代の欧州メロディック・スピード・メタル界では異色のサウンドを持ったバンドになりつつあるが、それはそれでプラスかもね。

でも、ボーナス・トラックの KISS のカヴァー #10 “Love Gun” は・・・いつもその前で STOP ボタン押してます。(汗)

 (Aug. 23, 2003)

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BARILARI 83
Barilari (2003)

RATA BLANCA のシンガー Adrian Barilari のソロ・アルバム。
RATA BLANCA での盟友 Walter Giardino (g) の他、Emppu Vuorinen (g), Jukka Nevalainen (dr), Sami Vanska (b) という NIGHTWISH の3人、そして Jens Johansson (Key) という驚きの布陣で制作された本作は、元鞘 RATA BLANCA に通じるチョイと様式入ったオーソドックスな80年代風ハード・ロック/ヘヴィ・メタル。
ほとんどが英詞ながらスパニッシュ風味な癖を端々に滲ませる Adrian の歌唱は、多少の違和感を感じつつも、聴くほどにその老獪な表現力で歌われるメランコリックなメロディに心を奪われる味わいアリ。
楽器陣の働きも申し分なく、2人のギタリストがテクニカル&エモーショナルに綴るクラシカルな旋律はスリリングに響いてくるし、普通だったらやや野暮ったさを感じるだろうオールド・スタイルの楽曲をシャープな音像に仕上げた NIGHTWISH のリズム隊の仕事も実に見事だ。
そして何といっても Jens Johansson がマジ素晴らしい! 全編に亘って彼独特のトーンがコレでもかと弾きまられる様は、Adrian には失礼ながら本作の主役とさえ思えるほどに魅力的で、ココ最近の Jens のプレイの中ではベストなパフォーマンスと思えるテイクがてんこ盛りなのがとにかく嬉しいわ。
 (Aug. 10, 2003)

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BOB CATLEY 87
When Empires Burn (2003)

Bob Catley の4枚目のソロ・アルバム。
本作ではこれまでの3作を楽曲提供/プロデュースしてきた Gary Hughes とは別れ、Gary と同じ TEN の鍵盤奏者で Bob とは HARD RAIN でのパートナーでもあった Paul Hodson の完全コントロールの下で制作。
NO SWEAT、現 PULSE のギタリスト Vince O’Regan の美味しいギター・プレイもたっぷりと聴けるが、司令塔である Paul Hodson がキーボード・プレーヤであることからか、冒頭の巨大スケールの映画音楽の如きシンフォニック・イントロダクション #1 “The Torment (intro)” に代表されるように、全体的にはこれまでにない程にシンフォニック・ロック的な壮麗さを強調した作風になってるな。
が、その重厚なるドラマティックな装いに包まれたポップとさえ言える程にキャッチーなメロディ満載の叙情ハード・ロックは、見事なまでにこれまでの流れを継承した「Bob Catley 風味」の感触を保っている。Bob 自身の威厳に満ちた堂々たる歌唱を聴いていると、本当に「伝統」の2文字が脳裏に浮かんでくるわ。いいね。
とにもかくにも、米国へ移民するアイルランド人の祖国に対する思いを綴った #11 “My America” の切なさに泣け過ぎ。(涙) (Aug. 10, 2003)

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BRAZEN ABBOT 85
Guilty as Sin (2003)

ブルガリア人ギタリスト Nikolo Kotzev のプロジェクト BRAZEN ABBOT の、6年振り4枚目のアルバム。
DEEP PURPLERAINBOW ルーツの古典的とも言える芯線を往年の北欧メタル独特の透明感で包んだ、程度にドラマティックかつキャッチーな落ち着いたサウンドは、まさに聴いてて心の底から「和み」を感じる程よい匙加減。
今回 Nikolo プラス元 EUROPE 3人組 John Leven (b), Mic Michaeli (key), Ian Haugland (dr) による演奏の上で歌声を披露するのは、Joe Lynn Turner, Jorn Lande, Goran Edman の3人。Nikolo との相性の良さを見せつける Joe Lynn Turner の “RAINBOW 風味メーカー”として圧倒的な存在感、ここでも鬼神の如きオーラで全てを自分色に染め上げる Jorn Lande のやっぱり超絶な唯一神的歌唱もマジ凄いが、オレはやっぱり Goran Edman の歌に心惹かれるわ。「彼が歌えば北欧メタル」という「Mr.北欧メタル」な歌唱が生むその空気感には、何物にも替え難い居心地のよさを感じてしまうわ。
Nikolo 自身の、やや線が細いながらもセンスの良さを感じさせるプレイも何気に好きだな。何気ないオブリガードに漂う本格的にクラシカルな素養にグッと来るデス。 (Aug. 10, 2003)

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DEADSOUL TRIBE 87
A Murder of Crows (2003)

PSYCHOTIC WALTZ のシンガー Devon Graves (a.k.a. Buddy Luckey) 率いる米産プログレッシヴ・メタル・バンド DEADSOUL TRIBE の、InsideOut からの 2nd アルバム。

Travis Smith の手による芳しい死臭漂う美しいジャケット(実際これ見てジャケ買いしたし)のイメージそのままの、暗く不穏で・・・それでいて美しさにも満ちた内省的迷宮サウンドには、実に良質なトリップを誘われる。

近年の FATES WARNING に通じるモダンなプログ・メタルにアトモスフェリックに浮遊するポンプ・ロックの穏やかな静の美をたっぷりと馴染ませ、そこに KING’S X を想わせる解りやすいコーラス・ワークを配した「難解なのにキャッチー」な音が、テクニカルでありながらロックそのもののダイナミズムにも溢れているのがなんとも凄いッス。

全体的な音の存在感としては、PAIN OF SALVATION に非常に近いものを感じたデス。超気に入った!
 (Aug. 18, 2003)

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GARY HUGHES 82
Once and Future King – Part I (2003)

TEN のシンガー Gary Hughes による、アーサー王伝説を題材としたロック・オペラ・アルバムの前編。
ストーリーの登場人物それぞれにキャスティングされたシンガー陣は下記のとおり。(カッコ内は歌ってるソングNo.)

Damian Wilson as Prologue Narrator (#1)
Gary Hughes as Arthur (#2,#3,#10)
Lana Lane as Guinevere (#3)
Danny Vaughn as Lancelot (#4,#7)
Irene Jansen as Morgana (#5)
Bob Catley as Merlin (#6,#9)
Sean Harris as Galahad (#8)

そして演奏は TEN のメンバー全員+ゲスト・キーボーディストの Graham Woodcock (THE QUEST) & Arjen Lucassen (AYREON)。
ダイナミックな抒情ハード・ロックな楽曲は TEN 譲りのもので、ドラマティックではあるけど意外とストレートで正直やや小粒な印象・・・なのだが、シンガー陣のヴァラエティ感のせいで飽きずに繰り返し楽しめ、そうして聴き進めるうちに徐々に良さが見えてくる感じかな。
中でも、Lana Lane, Irene Jansen 嬢 (AFTER FOREVERFloor 嬢の妹) という2人の女性シンガー、そして Bob Catley の歌唱はホント素晴らしい。脇に埋もれがちだけど、Chris Francis が何気にイイ感じのギター弾いてるのもカナリ高ポイント♪
本作と幾つかの要素が重複する Bob Catley のソロが同日リリースだったせいで印象が薄れてしまったのか現時点では「ソコソコ」な感触だけど、キャストに D.C. Cooper, Sabine Edelsbacher 嬢, Dougie White, Harry Hess らが加わる9月リリース予定の Part II (後編) を充分に楽しみに待ち焦がれることができる出来ではあるデス。
 (Aug. 10, 2003)

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KADENZZA 84
Into the Oriental Phantasma (2003)

日本人マルチ・プレーヤ You Oshima 氏が彼一人の手で全てをマニピュレートするプロジェクト KADENZZA が、なんとフランスの HOLY RECORDS とサインしてのリリース。(祝)

6曲入りながらそのうち2曲が10分超・・・という大作となった本作は、ブラック/デス/ゴシック・メタルな下地に壮大かつ緻密なオーケストレーションを施した、時にメロディック・スピード・メタル風味の解りやすい旋律美をも見せる、実験的要素の非常に強い知的なるサウンドスケープ。

この手の一人プロジェクトにありがちなリズム面の打ち込みクサさを少々感じるのは仕方ないとして、いかにも HOLY な変態さ加減(笑)がしっかりと根付いた実に独創的で壮大なサウンドを、我らが同胞がココまでのクオリティで創り上げた事実には、驚きと喜びと悔しさ(苦笑)を隠せない。マジで、この音だけ聴いて「もしや国産バンド?」という思いが脳裏に浮かぶのは、たぶん69人中ゼロだと思うよ。

クラシックをモチーフにした比較的ストレートな疾走メタル・チューン #3 “Wheel of Fortune” がイイ感じッス!
 (Aug. 18, 2003)

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LORDI 95
Get Heavy (2003)

フィンランドのゾンビ・メタル・バンド LORDI のデビューアルバム。
グロテスクなコスプレ(ってか特殊メイク)に身を包んだ色物全開な様に誰もが GWAR の名を思い浮かべるのは正しい・・・が、んなことがどーでもいい位に、とにもかくにも楽曲があまりに素晴らし過ぎる!

喩えるならば、“Russian Roulette” の頃の ACCEPT が持っていた重量感を損なわないキャッチーさに SHARK ISLAND の哀愁の質をプラスした感じかなぁ? 斧を掲げるカリスマティックなフロントマン Lordi のセクシーなダミ声がその両バンドの名をさらに強く想い起こさせるわ。

超極力な哀愁リーダー・トラック #5 “Would You Love a Monsterman” をはじめ、#3 “Devil is a Loser”, #6 “Icon of Dominance”, #7 “Not the Nicest Guy”, #10 “Last Kiss Goodbye”, #11 “Dynamite Tonite”, #12 “Monster Monster”・・・と有り得ない程に佳曲揃いで、この世に存在する数少ない「本当に捨て曲無し」なアルバムの一枚を発見した喜びで、この身は打ち震えておりマッスル。

徹頭徹尾マイナーな哀愁メロディにこだわった懐かしき“80’s MTV メタル”風味満載のとにかくキャッチーな楽曲はマジでサイコー! 女性ゾンビ鍵盤奏者 Enary 嬢のキーボードが所々でいかにもフィンランドっぽいノリノリゴシック風味を与えてるのも◎。全体に滲む「モンスターの悲哀」が、なんだか泣けるンですわ・・・。(;o;)

Wacken Open Air で体験済みのショウも超強力だった・・・来日を激しく祈願!
 (Aug. 18, 2003)

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NEVERMORE 89
Enemies of Reality (2003)

米国は Seattle をベースとする先鋭ダーク・メタル・バンド NEVERMORE の 5th アルバム。

低音部で蠢く難易度の高いテクニカル・リフとそれに追随する恐るべき手数のリズム隊が怒涛のアグレッションをハイ・テンションに綴る激烈な音の壁は、宗教的なグルーヴ感をそこはかとなく漂わせながら「ブルータル」という表現すら似合うほどにウルトラ激烈。

シンガー Warrel Dane が正統歌唱で載せる長閑なメロディは正直即効性の少ない煮え切らないものなんだけど、それが逆に混沌としたケイオス感を増すというプラス方向に作用した独特の空気感がこの NEVERMORE の魅力よね。

サイコティックにトリップする圧迫感の中で、#4 “Tomorrow Turned into Yesterday”, #7 “Who Decides” という2曲のメロウ・サイドを司るアコースティック風味の秀曲が心地良い解放感を誘うバランスの良さも特筆すべき。

で、本作で何が嬉しいかっちゅーと、やっぱこれまでになくフィーチュアされた Jeff Loomis のギターっしょ! オープニングを飾るエキサイティングなタイトル・トラック #1 “Enemies of Reality” で最初のヴァースが終ったところで早くも聴けるクラシカルなメロディック・ブリッジに、一発でノック・ダウンッスわ。その後も全編に亘ってこれでもかと鬼のように弾き倒す様には、マジ感動すら覚えたね。タッチのスタイルとしては Steve Smyth (TESTAMENT, DRAGONLORD) に近いかな? とくかく好みのタイプのプレイだわ。(^^)

ちなみに、今回購入したのは DVD と2枚組のブラック・ケース入り限定版。Wacken の後に立ち寄ったケルンの CD 屋で16.99ユーロ。 (Aug. 10, 2003)

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RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY 83
Embrace the Galaxy (2003)

パクリッシュ鍵盤魔人 Richard Andersson の次なるパクリッシュ・プロジェクトがこの RICHARD ANDERSSON’S SPACE ODYSSEY

相変わらず、何故に MAJESTIC と別名義にする必要があるのか?…という疑問がふつふつと沸き起こるこれまでの主な Richard Andersson 関連作品とほぼ同一路線のネオ=クラシカル・メタルなのだが、今回は・・・これまた凄いなぁ・・・。いや、何が凄いって、その超絶なパクリッシュ・テイストが!(笑)

冒頭の #1 “Despair and Pain” の限度を超えた「超 “Liar”」な仕上がりに早くもパクリッシュ・メーターの針はレッド・ゾーンに突入し、所々で軽く嬉しい眩暈を感じさせながらそのままラストまで突っ走る・・・。いやね、ホントね、明らかにその辺りのボーダー・ラインを判断する部分が脳ミソから欠落してますわ。誰か止める奴は周りに一人も居なかったのか?って感じ。(苦笑)

ま、それもそのはず。今回のベーシストはなんと Marcel JacobHUMAN CLAY でパクリッシュ前科者となった彼とのパクリッシュ・コラボレーションったら、マジ無敵かも。(って、Marcel は本作では特に曲作りには絡んでないみたいだけど…まいっか。前科者の宿命だ。/汗)

そんな卒倒もののパクリ満載の本作だが、これまでの作品同様にそれでも許せてしまう「何か」をキチンと存在させているのが、Richard Andersson の凄いところ。

シンガー Patrik Johansson (ex-STORMWIND~ex-Yngwie Malmsteen のドラマーとは同名異人ッスよ)の Apollo Papathanasio に通じるやや篭り気味ながら熱唱型ヴォーカル、ネオ=クラシカルな悶絶感をたっぷりと味あわせてくれる Magnus Nilsson のテクニカル・ギター、Marcel Jacob が久々に本領を発揮したネオ=クラシカル度が高くもグルーヴィな粘着ベース・プレイ、そして独特のエモーショナルな鍵盤捌きはもちろん DREAM THAETER 系の音色/プレイまでもがけっこう様になってる Richard Andersson のキーボードが織り成す北欧様式メタルからは、なんだかんだ言って好みの「空気感」を感じてしまうんだよな。

そうなってくると、パクリッシュな部分を耳にする度に、苦笑しながらも「今の絶妙な引用は超効果的!」とか思っちゃうから困ったもんだ・・・。(^o^;

 (Aug. 26, 2003)

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TWILIGHTNING 88
Delirium Veil (2003)

フィンランドの若き6人組メロディック・メタラー TWILIGHTNING のデビュー・アルバム。

ギター2本に加えてキーボードをも擁するゴージャスな編成で奏でられるのは、適度にキラキラしながらもいい意味での伝統的な古臭さを持ち合わせた“進化形”の北欧メタル。

ギターとキーボードがクラシカルに疾走するテクニカル・アンサンブルの手法と響きに CHILDREN OF BODOM、明快でキャッチーながら一癖あるメロディの妙に SONATA ARCTICA … と、所属レーベル Spinefarm の先輩達の影響を露わにしながら、その根底に脈打つのは北欧の空気の温度感を封じ込めた EUROPE 風味の欧州ハード・ロックな味わい。この雰囲気、どこかで聴いた感じだなぁ…と思って考えてたら思い出した。そう、SUPREME MAJESTY にカナリ近いかも。

表面的には現代的なプレイ&音像なんだけど、往年の北欧様式派ハード・ポップ・マインド・・・GLORY, NATION, UNIVERSE らに通じる「何か」がしっかりと感じられるのが、何とも嬉しいねぇ。こういう北欧系丸出しな音にはホント弱いデス。

哀愁メロディを明朗に歌い上げるシンガー Heikki Poyhia の破綻箇所皆無のハイトーン・ヴォイスのどこまでもクリアな伸びと張りは、またも逸材登場!って喜びを感じる程のインパクトあり。

弦楽器陣の演奏が、実年齢以上の風格を充分に備えつつも弾き過ぎてる部分でやや線の細いピロピロ感を感じさせてるのだけがちょっぴりだけ惜しい感じだと思ったけど、まぁ聴いてるうちにそんなに気にならなくなったかな。
 (Aug. 23, 2003)

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