12月2003
AMARAN 83
Pristine in Bondage (2003)

女性ヴォーカルを擁するスウェーデンのエクストリームなゴシック・メタル・バンド AMARAN の 2nd アルバム。

昨年の夏あたりに、Kari Kainulainen (g) から「日本でのディールを探してるんだけど、どっかにチャンスないかなぁ?」なんてメールを貰ったりしたこともあったけど、今回めでたく MARQUEE/AVALON から日本盤をリリースできたってわけね。ヨカッタヨカッタ。

2人のギタリストによる耳を惹くテクニカル・メロディック・プレイをたっぷりと織り込んだ攻撃的な爆烈リフが有機的にうねるリズム隊と共に音圧高く責めたてるソリッドなバックの上で、激萌え美女シンガー Johanna De Pierre タンの程好い力強さを備えたクリーンな歌唱が舞うという・・・概要は前作同様ながら、それぞれのプレーヤのスキルの向上とそれが可能にした「退き」を意識した緩急の妙が、確実にステップ・アップを感じさせるイイ感じの仕上がり。

前作は「ゴシック」という形容が不似合いなほどにメタリックな音像だったんだけど、本作ではメロディックに展開する柔和さの増加が、依然「硬質」と言えるサウンドの中で「ゴシック」な香りをふっぷりと振り撒いているのが嬉しい限りだ。#9 “Crow Me” なんか、“Nighttime Birds” の時期の THE GATHERING みたいでゾクゾクするもんね。

メタリックなパッションが炸裂するゲインの高いバックの上で Johanna タンが浮遊させる歌メロが NEVERMORE 的な煮え切らなさに満ちていたり(でも美貌で帳消しできるから一切問題なし/馬鹿)、センス的には文句無しに高いレベルのギターがプレイ(特にピッキング)的にはやや粗めだったり、必要以上に凝った展開をしない比較的シンプルな作りの楽曲の流れがやや淡白なものだったり・・・ってな気になる点はあるものの、同じ方向をしっかりと見据えたプレイヤ全員の気合いが生む高揚感がそれらを上手くカヴァーしている・・・と、良い所を捉えたくなる感じ。

ゲストの Jorgen Sandstrom (THE PROJECT HATE, ENTOMBED) のデス・ヴォイスをフィーチュアした #6 “Katharsis” は、全体を包むアグレッションと女声が彩るゴシカルな優美さ、そして泣きのギター・プレイがバランス良く融合した名曲!
 (Dec. 19, 2003)

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BALANCE OF POWER 77
Heathen Machine (2003)

英国産正統派ヘヴィ・メタル・バンド BALANCE OF POWER の 5th アルバム。

「正統派ヘヴィ・メタル・バンド」と言われつつメロディック・ハードへの色気が妙な中途半端さを感じさせていたこれまでの作品と比較して、本作はそのあたりの迷いが解消された感のある、これまでになくメタリックな方面に焦点が絞れてる印象。

スマートな旋律感で包み込まれた硬質なエッジがタフにドライヴする緻密に構築された楽曲群は、前任の Lance King よりシンガーの座を譲り受けた新シンガー John K の歌唱が Geoff Tate (meets Bruce Dickinson) な風味に満ちていることもあって、音像的には「プログレッシヴ・メタル・バンド」のソレに近付いたと言えるかも。

破綻を感じる部分が皆無の相変わらずクオリティ激高なそのサウンドは、Pete Southern (g) のネオ=クラシカルなテクニカル・ギター・ワークも過去最高な勢いで乱舞しまくってたりする、要素的にはマジで My ツボど真ん中な逸品であるハズなんだけど、これまで同様にどこか優等生過ぎる部分が退屈さを運んできているのもまた事実なんだよな・・・。

ホント、内容的には確実に平均点以上の悪くない出来だけに、その「普通さ」が足を引っ張るってのにちょいとやり切れなさを感じてみたり・・・。

ってか、いっつも思うんだけど、このバンドってイメージの湧きづらいバンド名が最大の弱点なんちゃうの?(汗)

 (Dec. 24, 2003)

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CHARON 88
The Dying Daylights (2003)

フィンランド産メランコリック・ゴシック・メタル・バンド CHARON の 4th アルバム。

哀愁のメロディがノリノリにドライヴィングするゴシック&ロールな装いはこれまで通りながら、音の端々から何か風格めいたものが顔を覗かせる全体的に一段ステップ・アップしたかの印象だ。

とにかく単純に曲が良いんだな。8分のダウン・ストロークで掻き鳴らされるリフが主導するだけではないヴァラエティ感のあるフックの充実が、コレ系にありがちな“飽き”を誘わせないってのが強いわ。

パッションがエネルギッシュに炸裂するキャッチーなサウンドでありながら、全体を包み込む適度にダラダラしたグルーヴの空気感が、Travis Smith の手による Opeth 系アート・ワークそのままの内省系ゴシック風味のダークな色彩を描いているのも非常に高ポイント。

言うまでもなく、看板シンガー J-P Leppaluoto が落ち着きあるプチ・ディープなセクシー・ヴォイスで綴る歌メロにも、その声質の魅力のみならずフレーズ配置の巧みさも手伝って実に上手い具合に耳を捉えられる。そういえばこの歌メロ、どことなく Klaus Meine (SCORPIONS) に通じるメロディセンスを感じるんだよね。

その哀愁メロディを支える、最近どこにでも顔を出しがちな(苦笑)Marco Hietala (TAROT, NIGHTWISH) と女性オペラ・シンガー Jenny Heinonen という2人の特徴的なバック・コーラスの仕事も効果的だ。

そしてやっぱり気になって仕方ないのが(苦笑)、リード・ギタリスト Pasi Sipila のギター・プレイ。エモーショナルに弾きまくりつつ、適所でハーモニーを絡めながらテクニカルな構築美のアピールも決して忘れない素晴らしいソロ・ワークには、ほんと惚れ惚れさせられますわ。しかも何気にブロンドな美形だッちゅーんだから世の中オカシイよなぁ。(笑)

ちなみに、限定デジパックのボーナス・トラック #13 “Re-Collected” は、ボーナスでありながら本編を食う勢いの名曲ッスよ♪

 (Dec. 29, 2003)

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DARK MOOR 84
Dark Moor (2003)

スパニッシュ・シンフォニック・メタル・バンド DARK MOOR の 4th アルバムは、脱退してしまった看板女性シンガー Elisa C. Martin 嬢(微妙)の後任に、なんと意外にも「男性シンガー」を迎えての注目の一枚。

そのニュー・シンガー Alfred Romero の歌唱が線の細いやや中性的なもので、歌メロ的にも歌いまわしや強弱など細部の表現に至るまでこれまでの作品を踏襲した「DARK MOOR 節」にしっかりと彩られてることもあって、「性別の相違」という重大な変化が生みそうな違和感がほとんど感じられないのには驚かされる。声質と共に、表現に必要な技量が Alfred, Elisa の両者が偶然にもほぼ同程度であるというのも一因かな?

Elisa と共に G, Dr も脱退し、それぞれのパートに新メンバーを補充したという体制の変化のせいか、期待に胸を膨らませて #1 “A Life for Revenge” を一聴した印象は・・・アレ?・・・地味? 続く #2 “Eternally” 以降で、やっと DARK MOOR らしいエレガントなクラシカル・フィーリングに溢れたゴージャスでシンフォニックなヘヴィ・メタルが炸裂し始めるが、XaMetalic なクサさをやや減退させた楽曲群は、なーんかこじんまりしちゃった感じ・・・。

これまでの雄々しさに女性的な清廉さを加えた大仰なクワイアや、ハープや笛などの小技を絶妙に絡めたクラシカルなアンサンブルの悶絶度には「さすが天才 Enrik Garcia」と柏手を打たされるものの、そのオーケストラ・アレンジがこれまでになく妙に打ち込みっぽさを感じさせていたり、Enrik 自身のギター・プレイもどこかたどたどしく生彩を欠いたものだったりで、まるで「センスに技量が追い付いてない B 級シンフォニック・メタル」のよう・・・と、レベルの高い出来ではあるのになぜか悪いところにばかり耳が行ってしまう。

・・・と、ここまで書いたところで、この「セルフ・タイトル・アルバムのセルフ・タイトル・トラック」という入魂の1曲 #12 “The Dark Moor” で超悶絶!! これまでの作品に決して負けないクラシカルな優美さを上手く封じ込めたこういう楽曲を Enrik が作り続けられる限り、DARK MOOR は今後も安心だわ。冒頭のデス・グロウルにハッとさせられるアグレッシヴな #8 “Wind Like Stroke” も気に入ってきたし。

もうちょい聴き込んで前記の問題点に慣れてこれば、全体的にももっともっと良く聴こえてきそうだな。ま、今回は新生 DARK MOOR のお披露目ってことで。

 (Dec. 18, 2003)

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GOLEM 53
Death Never Dies (2003)

イタリアのメロディック・デス・メタル・バンド GOLEM のデビュー MCD。

CHILDREN OF BODOM / NORTHER タイプの超新星!」って触れ込みは、まぁ方向性としては決して外れてはいないんだけど、いかんせん全ての要素がまだまだデモレベル・・・。

それでも、ネオ=クラシカルなピロピロ・ギターが舞いまくるこの手のスタイルは全然嫌いじゃないし、「邪悪な ANGRA」ってな面白い趣きもある #3 “Your Deepest Fear” みたいなイイ曲を作る能力を持ってるのは確認できたんで、この一枚で諦めたりはせずキチンと今後に期待して行きたい所存デス。

つーかね、内容云々はさて置き、全26分の MCD 如きに2,190円も払ってしまった事実が馬鹿馬鹿し過ぎるわ。

 (Dec. 29, 2003)

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GUARDIANS OF TIME 81
Machines of Mental Design (2003)

ノルウェーの5人組メロディック・スピード・メタル・バンド GUARDIANS OF TIME の 2ndアルバム。

・・・ア、アレ? だだだ、誰、コレ??? デビュー作 “Edge of Tomorrow” での有り得ない程の極限なダメダメ具合はどこへやら。その「汚点」を闇に葬り去る、前作比11.5倍強(笑)の有り得ない程の成長を見せた「普通の XaMetal バンド」ちっくな(苦笑)仕上がりにマジ驚き!(@o@;)

ハイ=トーン・ヴォイスのトレブリーなストロングさが魅力的な Bernt Fjellestad (vo) の歌唱、印象的なネオ=クラシカル・センスを端整に綴る Rune Schellingerhout (g)、テンションの高く疾走を叩きつける Vidar Uleberg (dr) のドラミング・・・といった、メンバーそれぞれの気迫に満ちたプレイがダイレクトに伝わるクリアかつパワフルなプロダクションはもとより、楽曲の整合感も「メロスピ烏合の衆」ではない確実に「ワン・ランク上」のステージに歩を進めようとしているのを感じさせる出世&意欲作だな。

充分に XaMetalic なんだけど、クッサさは程々に「熱さ」「逞しさ」を打ち出した AT VANCE に通じる(特に #4 “More than Man” は顕著)キャッチーな正統メタル的な疾走感、そして近未来を舞台にした SF ストーリーな下敷きが納得の冷ややかなプログレッシヴ・フィーリングには、心を揺り動かされる場面もしばしば。

正直、まだまだ甘く感じられる部分も多い「これからのバンド」だけど、「問題外」から「期待株」に認識が180度改まった本作の功績は超デカいよ。いや、マジで意外と聴き応えあるもんね。

 (Dec. 24, 2003)

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MANEGARM 86
Dodsfard (2003)

スウェーデンのフォーキー・ヴァイキング・ブラック=デス・メタル・バンド MANEGARM の 2nd アルバム。タイトルの “Dodsfard” は、英語で “Death Journey” の意らしい。

CD 店に行くまでこのバンドの存在すら知らず、ヴァイキング船が燃え盛るアートワークに惹かれた(笑)だけの完全なジャケ買いだったんだけど、これが内容的にもコレを選んだ自分の審美眼を Hail したくなる(笑)当たり盤で一安心。

今時珍しくキーボードを使わず、ツイン・ギターとヴァイオリンのコンビネーションを中心にトラッドな民謡色たっぷりに繰り広げられる勇壮なヴァイキング・メタルは、かの MITHOTYN に通じるオールド・スタイルなもので、リフに見事に織り込まれたでしゃばり過ぎないメロディがボディ・ブローのように効いてくる。充分にメロディックなんだけど、メロメロになり過ぎないそのバランス感覚がなかなかに絶妙なんだよね。

安定感のある重いリズムが生む厚みのある整合感も美味しく、イイ感じにデス・メタルのアグレッションを心地良く楽しめる。

ドラム兼任(!)のシンガー Erik Grawsio のウィスパー、グロウル、そして絶叫を絶妙にブレンドした多彩な唱法を見せる迫力ある歌唱も見事で、 #4 “Agirs Vrede” をはじめ数曲で聴けるやや濁声ながら旋律感のあるノーマル歌唱も非常に魅力的だ。

物哀しいアコースティックな調べに乗って、明日なきヴァイキング達が♪ライララライ♪ライララライ~と宴を繰り広げるエンディングの #11 “Gillesvisan” はタマランですな。

 (Dec. 29, 2003)

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METAL MAJESTY 85
Metal Majesty (2003)

オランダのナルシスティック・アーティスト Valensia Clarkson(なぜか今回はファミリーネーム付きのクレジット)が、実弟 David Clarkson (dr) と組んだプロジェクトのデビュー作。

そのプロジェクト名が語るとおりメタリックな方向にフォーカスを合せた作風・・・との宣伝文句を聞いていたし、オープニング・チューンの曲名がいきなり “Grim Reeper” だったりするもんだから(笑)いったいどんなのが飛び出してくるんだ!? …と身構えしてたけど、これまでの VALENSIA 名義のアルバムよりも Valensia 自身によるギター・パートを強調した彼の関連作品中最もハードな音像ではあるけど、全然「METAL」って程ではなく「活発にロックしてる」ってレベル。

まぁ、そんなメタル・テイストの加減云々は、ピアノとオーケストレーションとコーラスがマジカルに交錯する基本部分の甘く切ない味わいの不変な魅力の前には、大きな問題ではないんだけどね。

エスニックをやや抑えてハードなギターのエッジを全面に出したことで、従来通りの賑やかさに満ちたカラフルなポップ・ワールドが幾分ストレートに響いてくるという効果が生まれていて、#7 “Deborah”, #11 “Everytime It Rains Again” というメロウな曲々が「ドリーミングな“普通の”A.O.R. チューン」として見事に映えているのが嬉しい。

しっかしまぁ、#8 “His Highness Hybris”, #9 “Maiden Head” という2曲の小曲をイントロとして従えた Valensia の魅力全部入りの悶絶曲 #10 “Licence to Chill”(なんちゅー曲名だ/笑)をはじめ、本作でも随所で大々的にフィーチュアされている超モノホンチックな QUEEN テイストは、ホント美味しすぎるわ。Freddie Mercury の声はおろか Brian May のギター・プレイまで一人でやっちゃうんだから、もう DNA レベルで QUEEN の素養が備わってるとしか思えない。

悪い言い方をすれば「単なる物真似」なんだけど、よくよく聴くと、手法と表現方法こそモロに QUEEN のものなんだけど、フレーズそのものやアレンジの骨格部分からは、確実に天才アーティスト Valensia 独自のものが感じられるんだよね。確かに QUEEN っぽいって要素も大きな魅力だけれど、この「Valensia らしさ」がオレにとってはイイ感じなんだわ。

これまでの作品の端々から「こりゃ相当なテクニシャンじゃん!?」と感じてた Valensia 自身のギター・プレイは、ここまで前面に出てくるとちょっと粗さが目立つかな? いやいや、充分に上手いし、Brian May フォロワーとしては満点以上だからイイんだけどさ~。
 (Dec. 18, 2003)

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METALIUM 87
As One – Chapter Four (2003)

ドイツが世界に誇るヘヴィ・メタル・バンドの中のヘヴィ・メタル・バンド、METALIUM の 4th アルバム。

荒々しさと緻密さのバランスが程好い粒度でテンション高く演奏される硬質なメロディック・メタルが、なんだかよくワカラナイ変な汁を撒き散らしながら驀進する様は、相変わらず漢度満点だ。

2nd, 3rd とムードこそ最高ながら楽曲的にはイマイチ・・・いやイマサンくらいな煮え切らなさを感じていたが、今回は違う! ツアーでもサポート・ギタリストを補充せずギター一本でこなすようになった成果か、Matthias Lange (g) の存在感が格段にアップ。その芯の太いエモーショナルなプレイが生む叙情味が、楽曲にこれまで以上にキャッチーな息吹きを与えている印象だわ。(嬉) Don Airey による、味付け程度ながら実に深みのあるニュアンスに満ちたキーボード・アレンジも効果的。

逆に、Henning Basse の歌うメロディ(特に A メロ)のヴァリエーションがやや乏しくて、「あれれ?このメロさっきも聴いた気が…?」って思うこともしばしばあったりするんだけど、馬鹿馬鹿しく疾走する場面も大幅に増加したこの熱き音塊の前にはチョー些細なことだ。なぜなら、街を歩いていても電車の中でも所構わずヘッドバングを誘発させる威力に充分に満ちたこのメタル攻撃に My メタル魂を試されているような感覚は、なんとも自虐的な心地良さを運んできてくれるのだから♪ 超ドラマティックな #11 “Power Strikes the Earth” で、両の拳を天に突き上げながらヲーヲーと歌っちゃう自分の崇高な姿を想像するだけで、なんだか誇らしい気分になるもんなぁ。(狂)

話題の日本人女性シンガー Saeko タン (ex-FAIRY MIRROR) は、#4 “Find Out” で Metaliana 役として予想以上に見事な歌唱を披露。実にパワフルながら、強靭なだけでなく女性的なしとやかさも覗かせていて、作品中で単なるゲスト歌唱に留まらない強力なアクセントとして機能しているのが、同胞としてはやっぱなんだか嬉しいよね。

ってかね、ブリブリと主張しまくる Lars Ratz 大先生のベースの音、それ聴いただけでヲトコのオレでも惚れそうだっちゅーねん!(苦笑)

 (Dec. 19, 2003)

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NOCTE OBDUCTA 61
Stille (Das Nagende Schweigen) (2003)

元&現 AGATHODAIMON のメンバーを中心に構成されたドイツの暗黒ゴシック・ブラック・メタル・バンド NOCTE OBDUCTA の 4th アルバムに続く 5曲入り MCD。

以前はもっと RAW なブラック・メタルを演っていたらしいが、ココで聴けるのは OPETH にも通じる不条理な内省ゴシック・フィーリングをフィーチュアしたダークな音像だ。

時に正統メタル的な解りやすいリフを持ち出しながらアグレッシヴにデス・メタルする場面もあるが、メインの魅力は深遠な静の場面が描く陰鬱美だろう。

・・・が、雰囲気はなかなかながら、楽曲がイマイチ面白みに欠けるんだよね。まぁアリガチな感じ。

ちなみに、これも一緒に買った GOLEM と同様に普通のフル・アルバムと同じ値段で売ってたのに、封を開けてみたら5曲入り全30分強の MCD・・・。ホンマ頼んまっせ、DISK UNION。
 (Dec. 29, 2003)

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REQUIEM 84
Mask of Damnation (2003)

SONATA ARCTICA への参加によって表舞台で名を上げることになった Henrik Klingenberg (key) が在籍する、フィンランドのメロディック・スピード・メタル・バンド REQUIEM の 2nd アルバム。

#2 “The Dying Ember”, #4 “Divine Illusion”, #5 “Ethereal Journey”, #8 “The Rival’s Spell”, そしてボーナス・トラック #9 “The Accordance” といったキラキラと疾走する印象の楽曲が中心だが、どの曲にも施された Teemu Hannine & Arto Raisala のテクニカル・ギター・コンビによる類型である事を嫌うかのような一筋縄ではいかない独創的なプログレッシヴ・アレンジメントとシンガー Jouni Nikula の中高音域で朗々と歌い上げる独特の捻ったメロディが、この REQUIEM をただの「メロスピ」ではない「変り種」なバンドにしている。 タイトル・トラック #3 “Mask of Damnation” なんかは、まんま「プログレ・メタル」といってもおかしくないもんな。

その濃厚なアレンジの複雑さ故のドタバタ感や、それに伴う各所の処理の甘さが感じさせるなんとも言えないショボさは確実に存在するんだけど、本作のどこを切っても顔を出すそのクサさ満点の旋律美は「その至らなさこそが XaMetal の醍醐味!」というワケのワカラナイ自虐的な納得の仕方をしてしまう程に魅力的。

なんか知らんけど、「悶絶」という言葉が妙に良く似合うんだよな、この REQUIEM には。
 (Dec. 29, 2003)

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THE WAKE 47
Ode to My Misery (2003)

フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンド THE WAKE のデビュー・アルバム。

「フィンランド」「Spikefarm」「強烈なる扇情的サウンド」「流麗なツイン・ギター」「哀感を漂わせる」・・・これらのキーワードを目にしただけで、ついつい財布の紐を緩められまくりな困った体質をなんとかしなきゃなぁ・・・。(泣)

平均20才ソコソコの若き4人組によって奏でられるのは、ツイン・ギターの旋律が端整にリフを構成する往年の IN FLAMES, DARK TRANQUILLITY スタイルの楽曲にテクニカルなギター・リックを被せたという、つい食指が動いてしまいがちなものだ。

・・・が、ありがちな楽曲の数々、そして旋律とリズムを一生懸命に追うばかりでアグレッションが欠落してしまったプレイ・・・と、聴いていて時間が勿体無く感じるほどに、決定的につまらない。(汗)

作り自体は細かな部分までしっかりしているしプロダクションも良好なので、じっくり聴き込めば徐々に良さが見えてきそうな気はするんだけど、残念ながら「リピートさせる魔力」がないのもまた辛いんだよな。(苦笑)

ボーナス・トラックとして収録された IRON MAIDEN のカヴァー #12 “Deja-Vu” もイマイチ・・・。

 (Dec. 18, 2003)

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UNMOORED 92
Indefinite Soul-Extension (2003)

スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンド UNMOORED の 3rd アルバム。

ブラック・メタル真っ青の激烈な細動ブラストの壁をも呼び寄せながら、大鉈を振るうが如きヘヴィなアタックを強烈に響かせるスラッシュ・リフ、そしてそれに乗る威圧的なデス・ヴォイスが齎す暴虐美と、優美な場面転換とともにクリーン・ヴォーカルによって歌われるコーラス・メロディの叙情美との対比が至情のカタルシスを生む、初期 ARCH ENEMY meets SOILWORK とも言える嬉しい作風の一枚だ。

シンセやヴァイオリンを主旋律のバックアップ&味付け程度に —とはいえ効果的に— 配しつつも、主には鋼柔両面から攻め立てるギター・ワークの妙が楽曲を引っ張っていくスタイルなのだが、その要であるギタリスト Tomas Johansson の奏でる我がツボにドンピシャリのネオ=クラシカルな悶絶系テクニカル・プレイが、マジで素晴らしいったらありゃしない!

絶妙な涙腺刺激センスで構築されたそのリード・プレイは #1 “Unspeakable Grief”, #3 “Leave-Taking”, #6 “Cinders Veil”, #7 “Spit Forth from Failure” という本作におけるハイライト・チューンの数々で凄まじいまでの泣きっぷりを惜しげもなく披露しているが、中でも #6 “Cinders Veil” のエンディング・ソロでの悶絶度はマヂでヤヴァいわ。

「暗黒エクストリーム・メタル全部入り」ってな少々ヤリ過ぎ感もある(苦笑)濃密な内容ゆえ、ついついお腹イパーイになってしまいそうな本作なんだけど、所々で色々詰め込み過ぎだったり展開に脈絡がなかったりという気になるポイントを感じつつも、全8曲46分というコンパクトさ&重量感溢れる厚みのあるサウンドの心地良さに助けられて、悶絶感を保ったまま一気に聴き通してそのままもう一回リピート・・・の繰り返し。

ラストを、全編クリーン・ヴォーカルで歌われるゴシカルなバラード #8 “Final State Part III (Posthumous Writings)” でメロウに締め括るのも、非常にイイ感じデス。
 (Dec. 04, 2003)

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VHALDEMAR 83
I Made My Own Hell (2003)

スペイン産メロディック・スピード・メタル・バンド VHALDEMAR の 2nd アルバム。

シンガー Carlos Escudero が唸る Kai Hansen meets David DeFeis ってな風合いの荒々しいヘナチョコ漢歌唱と、ギター・プレーヤ Pedro J. Monge が激しい押しの強さで弾きまくる Yngwie 系ネオ=クラシカル・ギターが、お互い無遠慮に自己主張しあう雄々しきパワー・メタルには、前作同様にメタル魂を揺さぶられること必至。

でも、ダミ声とネオ=クラシカル・ギターを乗せてドカドカと豪快に疾走するこのメタリックな音像、前作を聴いた時にも「この雰囲気、誰かに似てるよなぁ…?」と思いつつ全然思い出せなかったんだけど・・・やっと今思い出した! DR. MASTERMIND だ!

というように、ここで聴ける楽曲内でのギターのバランス(音的にもプレイ的にも)は、往年のB級ギター・ヒーロー物を思い出させるな。しかもこの「粗さ」は、Shrapnel ってゆーより Leviathan 系。(ってことは FIREWIND が目下の最大のライバルなのかも!?/苦笑)

そんなギター中心の音作りではあるけど、現代の欧州疾走メタラーらしくエピック&ファンタジックな味わいも当然持ち合わせていて、GAMMA RAY を髣髴させるキャッチーな勢い満点のメロディには、すげーライヴ映えしそうな魅力あり。

しかし不思議なのは、明らかに Kai Hansen より更にダメダメな God Voice なのに(汗笑)、気にならないこと・・・ってか、逆にこのダメさが生む失笑が、いつの間にか快感に変わっちゃう・・・みたいなね。(笑)

とにかく、全編を支配するこの馬鹿馬鹿しいまでの熱さは、街を歩くメタラー同士で目が合うと、ついつい「ヴァルデマァーーールッ!!」という挨拶を交させてしまう程に強力だ。(嘘)

 (Dec. 04, 2003)

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WIDOW 76
Midnight Strikes (2003)

以前 KING DIAMOND の名曲 “Sleepless Night” をカヴァーしているのを耳にしたことのある SORROW BEQUEST なるバンドを前身とする、米ノース・カロライナ出身のヘヴィ・メタル・バンド WIDOW のデビュー・アルバム。

映画 Exorcist のテーマ “Tuburar Bells” のフレーズに覆い被さる淫靡な喘ぎ声にニヤリとさせられた直後に切り込んでくるのは、80’s クラシック・メタル的なクサレ具合のトゥルー・ダサ=メタルをベースに Gothenburg 系の北欧慟哭メロディック・デス風味を融合させたとても米国産とは思えぬスタイルの音で、フェイヴァリット・アーティストに MERCYFUL FATEWARLORD の名を挙げるだけの事はある全体的な音像の古臭さ(もちいい意味ね)とは裏腹に、この耳にはなかなか新鮮に響いてくる。

メインで歌われる N.W.O.B.H.M. 風味漂う淡白なメロディック歌唱に絡む、押し潰したデス・ヴォイスが少々耳障りだったり、やや未整理な印象もあるそれぞれの楽曲の尺がかなり短い・・・という幾つかの欲求不満な点を感じるけど、まぁそのあたりは本作はデビュー盤とはいえデモに毛が生えた程度の位置付けってことで、今後の改善に充分期待できる範囲内だな。

そんな中、全編で乱舞しまくるツイン・ギターのメランコリックな愁いだけが、既に絶品の域に達したかの充実を見せているのには実に驚かされたデス。Cristof (g) & Johnny (g,vo) の2人が、ウェットなテクニカル・タッチを持ってバトルとハーモニーを繰り返しながらネオ=クラシカルなエクスタシーを形成していく様には、思わず「おぉ!」と小さく叫びながらついつい身を乗り出させられてしまう威力あり。(嬉)

あ、オープニング以外にもなぜか唐突に喘ぎ声が挿入される場面があって(しかもメッチャ感じ過ぎ!/笑)、家族団欒中のリヴィングぢゃ絶対かけられんわ、コレ。(汗)
 (Dec. 04, 2003)

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WUTHERING HEIGHTS 94
Far from the Madding Crowd (2003)

デンマーク人ギタリスト Erik Ravn 率いる北欧多国籍シンフォニック・メタル・バンド WUTHERING HEIGHTS の 3rd アルバムの日本盤は CCCD・・・。(死) 輸入盤を買うという選択肢をつい失念していた自分の愚かさを呪うね。(鬱氏)

まぁそれは置いといて、内容の方はどうかと言うと・・・これが超ビックリ! 実は、前2作の実に惜しい感じの経緯もあってさほど期待はしていなかったんだけど、彼らが従来持っていたトラッドな民族テイストを極端に強調して一気に焦点を定めてきた印象で、マジで素晴らしいんですわ。

悶絶ケルティック・フレーズがこれでもかと乱舞する指輪系のファンタジックな風景世界は、複雑な展開の一つ一つが良質のメロディで連結されてそれぞれが相互に見事に機能している感じ。 そのナイーヴなアイリッシュ・フィーリングと今回新たに手に入れたアグレッシヴな力強さの連携が、これまで感じられたコンセプトと出音のギャップを見事に埋めた感のある、実に天晴れな出来だ。

その立役者は、紛れもなく前任の Kristian Andren からバトンを受け継いだ新シンガー Nils Patrik Johansson その人。RICHARD ANDERSSON’S SPACE ODYSSEY, ASTRAL DOORS で聴かれた「Dio 系」の熱過ぎる歌唱はもちろん、同じ人物が歌っているとはにわかに信じ難いクリーンでクリアな北欧ヴォイスまで聴かせる意外な懐の深さが、この勇壮なる哀愁に満ちた楽曲を見事に際立たせている。この「一人ツイン・ボーカル」、最初聴いた時はマジでもう一人「クリア・ヴォイス担当」がいるのかと思ったもんね。

とにかく、イントロダクションの #1 “Gather Ye Wild”(ラスト近くで聴ける Ritche Blackmore 風味のベンドに悶涙/笑)で瞬殺されたまま、最後の最後まで強く握り締めた拳を振り上げたまま一度も下ろすことなく天に向かって突き上げ続けざるを得ない、ドラマティックなハイライトの連続。この極上の高揚感は、もはや「ヴァイキング・メタル」つってもいい程だ。全編を覆う「IRON MAIDEN(ってか Steve Harris)が解釈した真性プログレッシヴ・ロック」に近い空気感も◎。

#6 “Longing For The Woods – Part II : The Ring of Fire”, #10 “Land of Olden Glory” という、メランコリックな悶絶超速疾走を見せるクッサクサなメロディック・スピード・メタル・チューンの存在も嬉しいしね。

ラストのエピローグ #12 “Memory within a Memory” で名作 “The Last of the Mohicans” のテーマを引用(?)してるのをはじめ、そこかしこで既存のフレーズが聴かれるのはご愛嬌・・・。(苦笑)

2003年最後の最後に現れた新たな神盤ッス。あぁ、2003年の TOP10、苦労してやっと固まりかけてたのに困ったな・・・。(嬉)

 (Dec. 29, 2003)

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