![]() |
CHRIS CATENA | 73 |
| Freak Out! (2003) |
イタリア人無名シンガー Chris Catena による、このイマイチセンスを疑いたくなるジャケット(by Derek Riggs …)のデビュー・アルバムを購入に走らせたのは、ゲスト陣の有り得ない程の豪勢な顔ぶれ。
Vocal:
Jeff Scott Soto, Glenn Hughes, John Lawton
Guitar:
Johnny Ohlin, Kelly Simonz, Bruce Kulick, Dave Meniketti, Stevie Salas, Bernie Marsden, Micky Moody
Bass:
Tony Franklin, Chuck Wright, John Taylor, Nobby
Drums:
Tommy Aldridge, Eric Singer, Virgil Donati, Chester Thompson
keyboards
Vitalij Kuprij, Al Kooper
・・・と、とりあえず知ってる名前だけでもこれだけで、その他にも多分オレが知らんだけで著名な人もいるんだろうが・・・多すぎて書ききれん!(笑)
本作でもゲストで神の歌唱を披露している Glenn Hughes をマイルドにしたような Chris 自身のソウルフルな歌唱をこれら豪華なゲスト陣がサポートする楽曲群は、Glenn Hughes のソロ作路線のファンキーだったりブルージーだったりするアダルトにレイド・バックしたシンプルな地味系ハード・ロック。こいつってば、ホンットに Glenn Hughes が好きなんだろうな、きっと。(苦笑)
お目当てだったゲストの中でも特に注目だったのが #1 “Crazy Man”, #10 “Don’t Stop Running” の2曲で聴ける Johnny Ohlin と Kelly Simonz 両名による夢のギター・バトル!・・・と言いたい所だけど、曲自体がヌルいんで、それぞれがソコソコに持ち味の数分の一ずつを垣間見せてみた・・・って程度で正直肩透かし。
それでもまぁ曲の出来もクオリティも決して悪くはないので、思い出した頃にたまに聞いてゲストそれぞれの味を微妙に楽むことはできそうだ。
WHITESNAKE のカヴァー #9 “Sweet Talker” と DEEP PURPLE のカヴァー #13 “Getting Tighter” 入り。
(Jan. 08, 2003)
![]() |
GRIFFIN | 86 |
| No Holds Barred (2004) |
かの U.S. OUF メタル・バンド GRIFFIN が21世紀にまさかの復活ぅ!?・・・と思いきや、この GRIFFIN はそれとは別のノルウェー産の5人組ヘヴィ・メタル・バンドで、日本盤デビューとなる本作は 3rd アルバムとのこと。
が、Alexi Laiho (CHILDREN OF BODOM) がプロデュースを担当したその豪快で骨太なサウンドに色濃く滲む80年代アメリカン・パワー・メタル風味は、偶然にも前者の「カルト・バンド GRIFFIN」との共通点を充分に見出せるものだったりするんだよね。
興味深いのは、そのアメリカンなテイストが80年代後期に各メジャー・レーベルがスラッシュ/パワー・メタルの青田買いを始めた頃に多くの B 級バンドが匂わせていた「大衆への迎合を思わせる明快さへの色気」を多分に含んでいる点。
それらとヨーロピアン・メロディック・パワー・メタルならではの欧州的な愁いとが融合した、メタル・エッジとバランス良く対峙する甘過ぎないメロディー感覚の程好さは今の時代に非常に魅力的に感じられるもので、彼らの代表曲となりうる印象的な #1 “The Sentence”、A.O.R.系メロハー顔負けのポップ・センスまでもを見せる #5 “Weightless”、メランコリーがじわじわと沁みるドラマティックな #11 “Sacred World” など、シンガー Pete Beck のタフな歌唱が映える男気溢れる楽曲のどのメロディからも、一筋縄では行かない独創的なセンスが感じられるのが嬉しいな。
そしてやはりこの耳が追うのは、Alexi からの BODOM 加入のオファーを断ったというバンドの中心人物 Kai Nergaard とそのパートナー Marcus Silver のギター・コンビによるネオ=クラシカル・ギターの応酬! それぞれ Randy Rhoads, Jeff Waters を崇拝するという2人のギタリストによる叙情への配慮を忘れないテクニカル・プレイが本来ならペンタトニックの方が似合うだろう楽曲群のアレンジの端々に塗りたくる CHILDREN OF BODOM 的なスリリングな構築美は垂涎モノで(Alexi 自身も2曲で弾いてマス)、テンポ自体はそれほど疾走していない楽曲群に見事にスピード感を溢れさせているッスわ。
シンガーの Pete が兼任する隠し味程度のキーボード(「Moog」って表記がカコイイ!)が、控えめながら要所要所で効果的に響いているのも好印象。
バキバキと鳴るベース音のみならずに感じられる IRON MAIDEN の影響の存在という共通項を持つスウェーデンの WOLF 同様、メンバー全員が同じ方向を向いたメタル馬鹿ならではのエネルギーの噴出が心地良い好バンドだわ。
SPIRITUAL BEAST って、こういうバンドを見つけてくるの何気に上手いよねぇ。
(Jan. 16, 2004)
![]() |
HEAVENLY | 85 |
| Dust to Dust (2004) |
全世界中に散らばる約69万人の XaMetaler 待望のフレンチ XaMetal God HEAVENLY の 3rd アルバム。
吸血鬼に噛まれて不死の生命を持つ吸血鬼となってしまった男が、自身の運命に苦しみながら数世紀に亘って人類の戦争の歴史と寄り添い歩き、ついに自分を噛んだ吸血鬼を見つけ出して対決し、最後は人間として幸せな死を得る・・・という Ben Sotto (vo) の手によるストーリーを基にした全70分超のコンセプト大作である本作は、イントロ #1 “Ashes to Ashes…” で幕を開け、それと対を成すバラード #13 “…Dust to Dust” で幕を閉じる(こーゆーの好き好き)3章仕立てのシアトリカルな構成ながら、楽曲としてはそれぞれが単体で楽しめる独立した作りになっているのが◎。
ヴァース/ブリッジ/コーラス etc… と、パートを問わず全編で隙あらばシンガロングを狙うクワイアが雄々しく鳴り渡る各楽曲は、これまでに比べて随分とアグレッシヴ&ストロングかつ複雑になった印象で、イントロに続く実質的なオープニング・チューン #2 “Evil” で爆発を起こす強靭な疾走シンフォニーに本能レベルでの激烈ヘドバン対応を余儀なくされると、その後は悶絶な疾走を随所に織り込みながら緩急たっぷりに激しく繰り返されるドラマチックな場面展開に、一生懸命タイミングを合わせながら悶絶ニヤケ顔を連続させるのみッス。
誰もが HEAVENLY に期待しているであろう彼らの魅力の一つである「パクリッシュ」な側面の充実(笑)は、今回は ANGRA, NIGHTWISH, EDGUY & AVANTASIA, RHAPSODY・・・ら元ネタは散見できるものの、さほどパクリッシュ感は強くなくそれが逆に物足りないくらい。(狂笑)
そんな「パクリッシュ」とは別次元で、今回は全体的に GAMMA RAY の色がさらに濃くなっているのを感じたな。シンガー Ben Sotto が Kai Hansen に激似のヘナチョコ・チキン・ヴォイスで歌う場面のメロディ展開の質はもちろん、ギター・オーケストレーションの手法やコーラスの QUEEN 風味など、楽曲の端々で GAMMA RAY っぽさが顔を出しまくり。
その Ben Sotto の成長は著しく、前述の Kai ヴォイス(苦笑)、Andre Matos 風味の女々しいナイーヴ・ウィスパー、Tobias Sammet を思わせるエキセントリックな勇ましい歌唱に加え、King Diamond もびっくりのジジババ声(苦笑)をもレパートリーに入れた、コイツもしや自身の喉でイコライジングの調整が可能なのか!?と思えるほどの変幻自在なストーリー・テラーっぷりは、もはや「実力派ヘナチョコ・ハイ=トーン・シンガー」(笑)と呼べるほどに凛々しいものだ。
そしてもう一人の主役は、パワフルなモーターの如く強力な推進力を聴かせるドラマー Maxence Pilo。いままで全然意識してなかったけど、コイツ・・・結構スゴいじゃん? リズム・チェンジ時の瞬発力には戦慄を覚えるほどだわ。気がつくと、この耳ってば楽曲のノリを支配するその強力なキックを追ってるもんね。
逆に、ネオ=クラシカルなフレーズを交えてファストに弾きまくる Frederic Leclercq のテクニカルなプレイは、その熱のこもった弾きっぷりとは裏腹に、弾き出されたフレーズがアンサンブルの一部としてこの濃密な音世界の中に埋もれてしまっている感じで、ちょいと惜しいな・・・。
そんな「フレーズの埋没」は、Fred のギターだけでなく本作で聴かれるメロディ全般に言えることかも。やや脈絡に欠ける複雑な展開は、そのリズム転換の妙が生むダイナミズムこそ悶絶を誘うんだけど、そこに絡むメロディがイマイチ弱めなので、今聴いてる曲がどの曲かを見失なってしまって楽曲に感情移入し辛い面も確かに存在するんだよなぁ。ま、そのあたりはもっと聴き込めばアッサリ解決する些細なことだとは思ってるけど。
あ、最後に一点・・・この手の疾走メタル・アルバムでトータル70分オーバーって、やっぱ長過ぎぃ~。(^-^;
(Jan. 28, 2004)
![]() |
ICED EARTH | 87 |
| The Glorious Burden (2004) |
米国フロリダの実直ヘヴィ・メタル・キング ICED EARTH の 7th アルバムは、リーダー Jon Schaffer (g) のライフワークである(らしい)米国史探求趣味を反映したアメリカ南北戦争に代表される有史以来の戦乱の歴史を綴ったコンセプト・アルバム。
看板シンガー Matthew Barlow のまさかの脱退というバンド最大の危機を、後任に元 JUDAS PRIEST の Tim Owens を迎えるというウルトラCで切り抜けた起死回生の一撃は、地味めの欧州寄り硬質アメリカン・メタル・・・という素地はそのままに、その Tim 自身の凄絶な歌唱自体がこれまでにないハイライトを形成するドラマティックな装いが高揚感を運んでくる。
メロディックなんだけど何故かそのメロディそのものが前面に出てきにくかったりするというこれまでどおりのイマイチ即効性に欠ける構造ではあるんだけど、前作までに Matthew の歌唱が生んでいた「ヘヴィ・メタルに対する信念」や「不器用な漢クサさ」というメンタルな一面に加えて、歌唱自体への感嘆というテクニカルな傾聴エレメントが加わった強靭なサウンドは、聴くほどにジワジワとこの身に迫りまくり。
楽曲のヴァラエティも幾分増加しているように感じるけど、その中でもやはり Prague Philharmonic Orchestra と共に南北戦争の哀しき史実をドラマティックに描いた30分を超える渾身の超大作 #9~#11 “Gettysburg (1863)” は、Jon Schaffer ったらこの曲を生むために ICED EARTH を続けていたんじゃないのぉ?…と思えるほどにマジで圧巻の完成度。#13 “When the Eagle Cries -Unplugged-” も、ボーナスながら Tim のメロウな魅力が存分に堪能できる嬉しい逸品だ。
ところどころで聴こえるゲスト・ギタリスト Ralph Santolla の彼らしいテクニカル・プレイが、何故か安っぽい音色はさて置き(汗)これまでにない新鮮なアクセントになってるのも、ギター重視派としては嬉しい限りだし♪
これまで無視に近い形を取ってた日本のメディア&評論家の先生方が「元 JUDAS PRIEST のシンガーが加入した」とたんに、この ICED EARTH をさも重要バンドあるかのようにしたり顔で全開で語りだす憐れな様子には「なんだかなぁ・・・」という違和感を禁じえないけど、まぁこれで来日の可能性がグッと高まるならヨシとしなきゃね。
(Jan. 12, 2004)
![]() |
KARELIA | 82 |
| Usual Tragedy (2004) |
フランス産シンフォニック・メタル・バンド KARELIA の、昨年から延期に延期を重ねた末にやっと本邦リリースとなったデビュー・アルバム。
シンガー Matthieu Kleiber による、朗々たるテノールと XaMetalic なヘナチョコ・ハイ=トーンを器用にスイッチさせるオペラティックな歌唱が微妙な違和感を呼び寄せつつ、全体を包み込む豪勢極まりないオーケストレーションと過剰なほどに壮麗なクワイアの殺傷力の高さは圧倒的で、その前には一聴してグイグイと引き込まれざるを得ない。
その楽曲のスタイルが、疾走はソコソコに細部のアレンジにまでこだわって丁寧に組み上げられたものであることから、頭に浮かんだのは「男声版 NIGHTWISH」という喩え。考えてみれば Matthieu のテノール・ヴォイスに違和感を感じたのも、メンバーに元 HEAVENLY の Chris Savourey (g) がいた(すでに脱退済)という情報から勝手に邪推した「KARELIA=メロスピ」という先入観のせいであるというのが遠因の一つだろうが、繰り返し聴くうちに NIGHTWISH の名が連想されるようになってからはあまり気にならなくなってきてみたり。
ま、個々の楽曲自体はイマイチ決め手に欠けるややマターリ気味なものにも関わらず、全体的な雰囲気の良さが欠点を包み隠して結果的には満足感を運んできている・・・っちゅータイプですわ。
(Jan. 26, 2004)
![]() |
MANIGANCE | 83 |
| D’un Autre Sang (2004) |
フレンチ・ハイ=テック・メロディック・メタル・バンド MANIGANCE の2ndアルバム。
達観の域に達したかの高レベルな技量によって奏でられる歌モノともいえるメロディックなヘヴィ・メタルから、どこかフランスらしいハイソにな気高さを感じちゃうってのは、きっと先入観に違いない。(笑)
ただ、そのお上品な佇まいからは物足りなさを感じてしまったのもまた事実で、Francois Merle (g) と Florent Taillandier (key) の明らかにワールド・クラスのプログレッシヴ&ネオ=クラシカルな技とセンスを、Marc Duffau (b) & Daniel Pouylau (dr) のリズム隊による強靭な手数がサポートする洗練された楽曲が、数多くのパートで聴かれる悶絶フィーリングからすると意外なほどにこの耳を素通りしていく感じ。
そんな風にネガティヴに感じ出すと、キャッチーなメロディを溌剌と歌いあげるシンガー Didier Delsaux の主役感バリバリの強力な歌唱も、どことなく一本調子に聴こえてくるから不思議なもんだ。(汗)
と、現時点では良作だと判りつつもややのめり込めないでいるんだけど、ボーナス・トラックの名曲カヴァー #12 “Future World” が違和感無くハマる程に全体的に PRETTY MAIDS に準じた雰囲気を感じ取れる、非常に魅力的な一枚ではあるのは間違いないと思うよ。
(Jan. 26, 2004)
![]() |
PINK CREAM 69 | 78 |
| Thunderdome (2004) |
My Favorite Singer の一人、David Readman を擁するドイツを主戦場とする多国籍ハード・ロック・バンド PINK CREAM 69 の 10th アルバム。
骨太なガッツを携えたメタリックな音色の硬質ハード・ロックは、バンドの最高傑作である名作 7th “Electrified” から続く同一路線なのだが・・・作を追う毎に楽曲が地味になって行ってるような?
哀愁がソリッドにドライヴする #3 “Gods Come Together”、郷愁を誘う泣きのアコースティック・バラード #13 “Carved in Stone” など、オレ自身が “Electrified” 以来彼らに期待し続けてしまっているスタイルど真ん中の楽曲もあるんだけど、大幅ではないにしろ多くの曲の端々に、退屈さに繋がる含みのあるような煮え切らないグルーヴやロケンロー的なメロディの薄味さを感じてしまう・・・。
それでも、この PINK CREAM 69 ならではの確立された音像の中で時にメランコリックに時にハッピーにキャッチーな旋律を響かせる David Readman の歌声の素晴らしい魅力は、ADAGIO での超絶なる絶唱に慣れてしまったせいかここでは少々マイルドな響き方ながらも、本作の良い部分に耳を惹き付けさせながら一生懸命に価格分の満足感を得させようとしてくれてはいるんだけどね。
ま、“Electrified” が奇跡のツボ盤だったってことで♪
(Jan. 28, 2004)
![]() |
SAM ALEX | 83 |
| Pieces (2004) |
ドイツ人シンガー Sam Alex のソロ・デビュー・アルバム。
Sam の声質も含めた歌唱自体は、元々特筆すべき点の見当たらない無味無臭っぽいモノなのだが(汗)、プロデュース、ソングライティング、そして演奏も手掛けるという本作の仕掛人 Bobby Altvater (AFFAIR) とのコラボレーションによって、実に魅力的に聴こえてくる。
産業ロック的な都会派アレンジメントが心地良い、ハードさもあるメロディック・ロックは、ドイツ臭さの微塵も無い洗練された肌触りが見事で、すっきりと爽やかな空気の中に一筋の哀愁がほんのりと…しかし確実に流れるハイ・クオリティなもの。
その出来の良い楽曲の中で一際耳を惹くのが Bobby 自身の円熟のギター・プレイ。情感に潤うソロ・パートはもちろん、こだわりを感じさせる厚みと深みに満ちたカッティングの妙からさえも存在感が溢れ出す地に足のついたベテランらしいプレイには、裏方に徹しながら主張がしっかりと滲む・・・という心ニクいまでの渋さが満点だ。
本作を買ったきっかけこそ、Robby Valentine のカヴァー #7 “Magic Breeze” と 北欧哀愁ハード・ポップ・バンド RETURN のカヴァー #11 “Lonely” のプチにマニアックな2曲の存在だったんだけど、それらはもちろん、他の曲も充分に楽しめる一枚でホンマよかったッスわ。
晴れ渡った青空が眩しい休日のドライヴのお供として、しばらくは CD マガジンに入れっぱになりそうなヨカーン。
(Jan. 28, 2004)
![]() |
SEVENTH SEAL | 72 |
| The Black Dragon’s Eyes (2003) |
女性シンガーを擁するツインギターの5人組イタリアン XaMetal バンド SEVENTH SEAL のデビュー・アルバム。
新約聖書巻末の「ヨハネの黙示録」に記述されている「第七の封印」をテーマにしたそのバンド名、そして聖槍を手にする女戦士と飛翔する黒龍を描いた XaMetal ど真ん中なアート・ワークに惹かれまくりの本作だったが、昨年末に注文後年を越えてやっとこさ入荷するまで待ち望んだ割には、その内容ってば期待にはちょいと届かなかった・・・ってーのが正直なところかな。
キーボードに頼らず2本のギターの絡みを主軸にしたちょいと古めのスタイルの欧州型メロディック・スピード・メタルは、クッサクサなメロディを撒き散らしながら疾走しながらも、意外にもガッツィーな漢っぽさを感じさせるもの。
その意外さは、Chiara Luci タンという「女性シンガーが存在する」という先入観のせいもあるのだろうが、彼女の言われないと女性と判らない程のその堂々とした力強いヨーロピアン XaMetal 歌唱がこの SEVENTH SEAL の魅力なんだろうなと理解しつつ、「女性シンガー」という響きから別の期待をしていたこの身にとっては、やっぱこの男勝りの歌唱はチョイとアレだったり・・・。
そんなシンガーの性別云々はさて置いても、クサさ満点の楽曲はそんなに悪いというほどではないんだけど、これといった理由もなくなーんか引っ掛かってこない感じ。いわゆる「One of Them な凡作」って印象かな。
#7 “The Unicorn” の冒頭の「♪ヲーーヲヲヲヲヲヲーーヲヲー」ってとこには、ついついビビっと反応しちゃったけどね。(苦笑) あ、本編ラストのアコースティックながら勇壮な雰囲気のアンセム #8 “Nightly Rainbow” も Chiara タンの女性的な一面が垣間見られてイイ感じだし。
ボーナス・トラックとして収録されてる2曲のカヴァー、#9 “Thundersteel” (RIOT) と #10 “I’m Alive” (HELLOWEEN) が全く違和感のない、そんな音でシタ。
(Jan. 18, 2004)
![]() |
THUNDERSTONE | 87 |
| The Burning (2004) |
フィンランドのメロディック・メタル・バンド THUNDERSTONE の 2nd アルバム。
一聴して驚いたのが、シンガー Pasi Rantanen から噴出する前作とは別人レベルの強力な気迫。元々、意外な表現力の多彩さを見せつつもどこか頼りなさげだったその歌唱から一転、Mats Leven か Jenny Lindkuist かっちゅーワイルドさを身に付けた自信に満ちた歌唱の勢いの良さは、この THUNDERSTONE の手本と称されている STRATOVARIUS, SONATA ARCTICA 両バンドのそれを一気に陵駕せんと思わせるほどに逞しい。
そんな Pasi の発奮に引っ張られてか、楽曲自体も随分と逞しさを増した印象だ。STRATOVARIUS のクールでインテリジェントなスマートさと、分散和音を使った乾いたファスト・フレーズを配しつつ決してネオ=クラシカルな質感ではない SONATA ARCTICA 的なスピード・メタル・テイストを併せ持った真っ当に高品質なメロディック・メタルは、確かにいわゆる「Baby Metal」な(苦笑)お行儀の良さを前作同様に漂わせてはいるんだけど、そのステンレスな質感に輝く端正な整合感の隙間からアグレッシヴなエナジーを迸らせまくってるんだよね。所々で聴ける、ソリッドなリフとキックのヘヴィなシンクロ技が描く感触は、「ブルータル」と形容しても過言ではないほど。
じっくりゆっくりスロー・スタートを切る #1 “Until We Touch the Burning Sun” こそ拍子抜けレベルのマターリとした空気が流れるものの、続く #2 “Break the Emotions” そして #4 “Tin Star Man” という魅惑の歌唱&メロディを主役に疾走するファスト・チューンズ、そして現在の THUNDERSTONE が最も魅力的に響かせているだろう #8 “Drawn to the Flame”, #10 “Evil Within” らの、往年の北欧メタルの遺産を受け継ぐミドル=ハイ・テンポの中庸チューンズ(どっちも聴き様によっては ROYAL HUNT っぽくもある?)・・・と聴き応えのある楽曲も多く、その正統派でありつつ攻撃的な手触りは現在の NOCTURNAL RITES に近づいたとも言えるのかも。
惜しむらくは、そして丁寧さゆえの「こぢんまり感」、そして Nino Laurenne (g), Kari Tornack (key) の上物コンビが弾きまくる決して悪くないテクニカル・フレーズが、プレイ自体の魅力がイマイチ希薄なために「ピロピロ感」を匂わせてしまっている点・・・かな。
それでも、Wacken Open Air 2002 での素人くさいパフォーマンスが嘘のような、MANOWAR の雄々しきバラード #13 “Heart of Steel” のカヴァーが違和感無いほどに似合う逞しい出で立ちに成長したのは、素直に嬉しいデス。
(Jan. 28, 2004)
![]() |
TIME REQUIEM | 86 |
| The Inner Circle of Reality (2004) |
ワーカホリックな鍵盤魔人 Richard Andersson の、SPACE ODYSSEY のデビュー作に続いてのスタジオ作品となる TIME REQUIEM の 2nd アルバム。
これ以上ないほどに超強力だったリズム隊に挿げ替わった Jonas Reingold (b) & Zoltan Csorsz (dr) の激テク・チームが同郷のプログレッシヴ・ロック・バンド THE FLOWER KINGS にも籍を置くメンツであるせいか、全体の質感もグッとプログレッシヴな方向にシフトした印象。
特に10分を超える大作に仕上がった悶絶タイトル・トラック #2 “The Inner Circle of Reality” でそれは顕著で、北欧ネオ=プログレ/ポンプ的な牧歌さが浮遊するその空気感が Richard の発散するクラシカルなセンスと意外なほどに相性が良いのには正直ビックリ。
かといって、バロック風味全開のネオ=クラシカルな疾走チューン #4 “Attar of Roses” に代表されるクラシカルな楽曲の数々の存在が示すように、メロディック・メタルな本筋がぞんざいになっていることは決してないのが嬉しいな。
正直、前作のように歌メロのレベルで釘付けになるような場面は減少している気がするけど、その代わりにやっぱり弾いて弾いて弾き倒す Richard、サポート的役割ながらそのテクニカルなエモーションで確実にバンド内で重責を担う Magnus Nordh (g)、そして前述のリズム隊による常人離れした超絶技巧が生む演奏パートの生命力の高まりが充分悶絶に値する至上の高揚感をもたらしてくれるので、これはこれで有りッスわ。
今回は「他のバンドのパクリ」というよりは「自バンドの既発曲のセルフ・カヴァー」という趣の引出しの少なさに呆れ気味なメロディを歌わされている Apollo Papathanasio は、前作と比べてやや存在感を薄めつつも、なかなかリリカルなバラード #6 “Quest of a Million Souls” での叙情歌唱はやはり魅力的だ。
ボーナス・トラックとして収録された ABBA のカヴァー #9 “Voulez Vous” は、現在のバンドに漲(みなぎ)る図太いロック魂を具現化した面白い仕上がりデス。
(Jan. 26, 2004)


















