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DRAGONFORCE | 93 |
| Sonic Firestorm (2004) |
英国ベースの多国籍軍であるハイパー・ソニック早送りメタル・バンド(笑)DRAGONFORCE の待望の 2nd アルバム。
いやはや・・・なんちゅーかもう、とにかく速い!速いったら速い! そのアルバム・タイトル通り、焔嵐が音速で荒れ狂うかの超ハイ=テンションなサウンドのインパクトは絶大で、来日公演でも披露された超速チューン #1 “My Spirit will Go On” に続いて #2 “Fury of the Storm” のイントロで新ドラマー Dave Mackintosh (BAL-SAGOTH) がブラストを炸裂させた瞬間、マジで「今まさにヘヴィ・メタルの歴史が変わった!」とすら思ったね。(狂)
実際問題、躁系のメロディって特に好きじゃない(むしろ嫌いだ)し、Herman Li (g) のピロピロ&ミャウミャウな意味不明なギター・プレイも癪に障るだけだし、そもそも楽曲のパターンも少なくて冷静に考えれば面白みに欠ける・・・って、オレ的視点からしたら欠点だらけなんだけど、ここで展開されている「速度至上主義」な潔さには、それらのダメダメ度満点な叩きドコロの数々すらも魅力であると妄想させ、分別のあるハズの大人に「速度は正義だ!」とか「速いだけ万歳!」ってな本心とは乖離した極端なアジテートをさせちゃう魔力が備わってるですわ。(苦笑)
しかし、マジな話をすると、その「神速」を更に際立たせる緩急の妙もしっかりと意識していたり、時にアメリカンな骨太さをも感じさせたりするアレンジの幅も意外にも広かったり・・・と、決して「速いだけ」ではないんだよね。シンガー ZP Theart のハイ=トーンが、前作からの成長を感じさせる驚きの安定感を身に付けてきているのをはじめ、スタジオ作品として SANCTUARY/NOISE からのリリースに相応しい高いクオリティに仕上がってるというのも、彼らのダメっぷりが大好きなオレ的には悔しいけど(笑)事実だし。
それにしても、またいつの日か実現するであろう来日公演において、この神速メタルがあのドタバタ・パフォーマンスでヘッポコに再現されると思うだけで、蒼い涙が止まらないほど悶絶ですわ。ってか、自らのヘドバンの限界に挑戦したくてたまらない!
ちなみに、ホントはブラストはスネア頭打ちじゃない方が好きデス・・・ってゆーか前作の “Where Dragons Rule” 同様、今回もボーナス・トラック #9 “Cry of the Brave” 最強!!
(Mar. 29, 2004)
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EDGUY | 91 |
| Hellfire Club (2004) |
ドイツが誇る、ヘヴィ・メタルの伝統と未来を繋ぐ若き先鋒 EDGUY の 6th アルバム。
いやー、とにもかくにも殺人的に「音」がイイんだよね。プロダクションのクオリティという意味でもコレまでの作品とは段違いに最高級なメジャー感たっぷりな仕上がりなんだけど、そんな音質云々を超越したレベルで、音の一粒一粒、歌声の一言一言から「俺たちじゃなきゃダメなんだ!」ってな気概が痛いほど伝わってくる気合い入りまくりな雰囲気に、聴いててスッゴク精神を鼓舞される感じ。
前作 “Mandrake” あたりからいわゆる HELLOWEEN 型ジャーマン・メタルからの脱却しようとする空気が充満してたけど、Tobias Sammet (vo), Dirk Sauer (g) 二人の頭皮の具合と呼応するかのように(苦笑)一皮も二皮も剥けた印象の本作は、その「型」を覆っていた殻を完全に突き破って新世界に突入した感のある紛れも無い「標準型ヘヴィ・メタル」の一つの理想形である立ち姿が凛々しいったりゃありゃしない。
#3 “We don’t Need a Hero”, #9 “Rise of the Morning Glory”, #13 “Children of Steel” という賭死ヘドバン必至の3曲の優れた疾走チューンズももちろん魅力的だけど、ファット&ヘヴィなグルーヴが広がるオープニング・チューン #1 “Mysteria” と、それに続く10分超の大作 #2 “The Piper Never Dies” には震えたッス。
特にオルガンのレトロな響きがアクセントとなっているメランコリック・ヘヴィともいえる後者は、特に激しい場面転換もないのに長尺の楽曲を最後まで長さを感じさせずにじっくり聴かせる地力の高さに驚嘆。ラストのモロ IRON MAIDEN な展開にも心が躍ったし。ライヴで盛り上がりそうなファニーなパーティ・ソング #8 “Lavatory Love Machine” も、イロモノ系ではありながら Enjoyable な余裕が楽しげで聴いてて実に気持ちイイ。
それらに代表される押し並べて出来の良い楽曲の中でまず耳が追うのは、現代メタル界の至宝ともいえる稀代の大々天才シンガー Tobias Sammet の、シアトリカルと表現できそうなほどに大仰な語り口の素晴らしい歌唱。その堂々とし過ぎる程に胸を張った自信に満ち溢れた佇まいは、もし次の IRON MAIDEN のシンガーの座があるならば、そこに座るのはコイツしかいない!と思わせるほどにエネルギッシュな魅力に溢れまくりだ。
そして、それに負けず劣らず本作の充実に貢献していると思われるのが、ナイス・ガイ・ドラマー Felix Bohnke のストロングなドライヴィング・ヒット。振り幅の大きさを匂わせるダイナミックなスティック捌きとアタック感が心地良いバスドラ連打が織り成す抜群の推進力は、今の EDGUY の勢いを具現化する原動力として見事に機能してるな。
とにかく、ツイン・ギター編成の普遍的なヘヴィ・メタル・バンドの、目指す方向/意識が統一されたメンバ全員の気迫を封じ込めたプレイ/魂のこもった歌/それらが奏でる耳を惹く曲・・・の全てが良い音質で楽しめる、シンガーとそれをサポートするバックのバランスが取れた好盤ってことですわ。
そんな中で唯一の失敗と思えるのは・・・地味でシリアスなジャケかなぁ。燃え盛る地獄の焔 -Hellfire- をバックに馬鹿っぽく溌剌と弾けるメンバー・ショットの方が、このアルバムの本質を物語っててジャケに相応しい・・・と思ってるのはオレだけか。(笑)
(Mar. 11, 2004)
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EMPTY TREMOR | 72 |
| The Alien Inside (2004) |
デビュー作がボチボチだったんで 2nd はパスしてたんだけど、GENIUS ROCK OPERA, KHYMERA で聴けた Daniele Liverani のセンスの良さ、そしてなにより元 AT VANCE の Oliver Hartmann がシンガーの座に就いたという嬉しいニュースに後押しされて再度挑戦してみたこのイタリアのドラマティックなプログレッシヴ・メタル・バンド EMPTY TREMOR の 3rd アルバムは・・・やっぱりボチボチだったね!(泣笑)
派手めのシンフォニック・アレンジをソリッドなギターが切り刻んでゆくモダンな現代プロッグ・メタルは、御大 DREAM THEATER を最下層の下敷きにしつつ、抒情派 DREAMSCAPE の明快な部分や知性派 VANDEN PLAS の暗黒面ではない部分を抽出したような、まさに INSIDE OUT 系(笑)中堅ジャーマン・プログレッシヴ・メタル・ライクなサウンド。
手数王なドラムを始め技量的にはなんら問題ないメンバーによって、ちょいと頭ヨサゲな変拍子な捻りが加えられちゃったりしながらテクニカルに演奏される、スリリングだったり爽やかだったりゴージャスだったりする楽曲に、ニュー・シンガーとして迎えられた名手 Oliver Hartmann のメロディックな熱唱が歌モノとしての聴き易さを提供する・・・ハズだったんだろうけど、うーん・・・残念なことにこれがなんとも言い様のない地味ぃ~な感じ・・・。
まぁ簡単に言ってしまえば「曲がイマイチ」ってことになっちゃうんだろうけど、せっかくの Oliver の張りのある歌声が平坦な楽曲の上で無駄に響き渡る様を聴いていると、得も言えぬ勿体無さが込み上げてくるッスわ。ま、中盤のメロウなバラード #6 “Stay” が ADAGIO のソレ系に通じなくもないプチ感動的な出来映えなのが、唯一の救いといえば救い・・・と思い込むのが吉な今日この頃デス。
あ、そうそう、ずっと聴いてて「アレ? Daniele Liverani のギターってこんなだったっけ?もっと豊潤な旨味がなかったっけ?」っと思ったりしたんだけど、よーく考えたら Daniele ってここではキーボードぢゃんね。(苦笑)
その Daniele のキーボード・ワーク、80年代的な有機的味わいを含んだ音色やプレイからは、個人としての資質の高さ/センスの良さは伝わってくるんだけど、このバンドのサウンドの方向性からすると・・・ううむ、狙ってる線は解るんだけど、ちょいとハズし気味?
(Mar. 02, 2004)
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HYPOCRISY | 83 |
| The Arrival (2004) |
スウェーデンの老舗メロディック・デス・メタル・バンド HYPOCRISY の 8th アルバム。
実は、ナニゲにこの HYPOCRISY のアルバムって、ちゃんと買って一枚全部聴くのは初めてだったりするんだけど(祝!脱ヒポ童貞!/恥笑)、コレまで彼らに断片的に接して勝手にイメージとして持ってた「ハッチャけたアグレッション」が抑え気味の本作での整然とした重厚なゴシック風味は、カナリ意外だったかも。
そんな作風だからこそか、上質の暗黒美を孕んだ叙情ギター・フレーズが冷徹に響く #4 “Slave to the Parasites”, #6 “The Abyss”, #8 “The Departure” といったスロー・チューンのヘヴィなグルーヴがこの身にジワジワと迫ってくる様子に、特に魅力を感じてしまうんだな。
確かに、現時点のメロディック・デス・メタルとしては即効性に欠ける嫌いのある地味めのサウンドではあったけど、そして Peter Tagtgren (g,vo) のカリスマティックな歌唱を含むベテランならではの経験が醸し出す風格/貫禄が生むある種の「説得力」に翻弄される心地良さには、ホント「さすが!」と唸らされるばかり。
(Mar. 29, 2004)
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JORN | 85 |
| Out to Every Nation (2004) |
歌鬼 Jorn Lande の3枚目のソロ・アルバム。
ブルージーな叙情をパワフルにゴリ押しする Jorn 自身の強烈極まりない歌唱は、相変わらず溜息しか出ない程に孤高の凄まじさで包まれまくり。
・・・なんだけど、豪快にドライヴするヘヴィ・メタリックなハード・ロックというスタイルである楽曲が、中途半端にブルーズ・ベースだったりプログレッシヴだったりするってなやや曖昧な感じの立ち位置なのがちょいと惜しい感じ。
まぁ、とは言いつつその完璧にコントロールされた歌唱同様にAクラスのクオリティを持つ重厚なプロダクション、そしてその一端を担うバック陣のアダルトな老獪さに満ち溢れたプロフェッショナルなプレイも聴き応え満点でカナリ楽しんじゃってはいるんだけどね。
・・・と思ってたら、そのバック・メンバーである Jorn Viggo Lofstad (g), Stian Kristoffersen (dr), Ronny Tegner (key) の3人って、PAGAN’S MIND のメンバーなのね。へぇーこんな味のある演奏が出来るプレーヤ集団だったんだ!?・・・と、本題とは外れた所でちょっと見直してみたり。
でもやっぱね、オレ的には Jorn Lande の A.O.R. ハード系の楽曲での歌唱が大好きなんで、是非それ系の曲でもっとガシガシと歌って欲しいんですわ。いつか 1st “Starfire” の雰囲気でオリジナル・アルバムを一枚作ってくれると嬉しいな。
(Mar. 29, 2004)
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KRISIUN | 82 |
| Works of Carnage (2004) |
ブラジルが生んだMの三兄弟ならぬ毒蛇三兄弟 KRISIUN の 5th アルバム。
一糸乱れぬ超絶なブラスト・ドラミングの壁が神経を圧迫する圧倒的なブルータリティが極上のプロダクションで襲い掛かってくる、獣性と知性の高次元での融合を感じさせる凄まじい完成度の逸品。
この全てをなぎ倒して邁進する屈強極まりないブルータル・デス・メタルの前には、ブルデスが好きとか嫌いとかそういう次元を超越して、有無を言わせぬ凄まじさを感じざるを得ない。
・・・と、まぁ、そうやってデス・メタル本来の凶暴な側面に魅了されてるようなことを一生懸命無理して書きつつも、やっぱこの KRISIUN の一番の魅力と思えるのは、全編に配された Moyses Kolesne (g) が弾きまくるある意味ネオ=クラシカルとさえも呼べるようなテクニカル・ギターのウェットなスリルだったりするんだけど。(毎度~/苦笑)
確かに、決してブルデス・ファンとは言えないオレにとっては、曲が進むに連れ段々と苦行っぽくなってくる(汗)のが正直なところだけど、それでもしっかりと高揚感を感じつつ最後まで聴き通せてしまうのは、一曲を2分~3分台とコンパクトな短さに凝縮した構成の妙のせいもあるのかもね。
(Mar. 26, 2004)
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MACHINE MEN | 88 |
| SCARS & WOUNDS (2004) |
フィンランドから新たに登場した若き正統派メロディック・メタラー MACHINE MEN のデビュー・アルバム。
シンガー Antony (a.k.a. Toni Parviainen) の超 Bruce Dickinson フォロワーとしてのシンパシーをまたもや感じてまくってしまう(笑)ウルトラ・クローン歌唱の味が色濃く反映された楽曲が想起させるのは、紛れも無く IRON MAIDEN の名前だ。
が、IRON MAIDEN 的とは言っても、80’sクサレ的なピュア・メタル・スタイルでリスペクトを実践するスウェーデンの WOLF とはちょいと違う視点・・・つまり、Bruce Dickinson のソロ・キャリアの方面からアプローチだというのには、これまでの MAIDEN フォロワーになかった斬新さを感じることしきり。
そしてそれが、ヘヴィなエッジとダークでミステリアスな空気感を充満させた “The Chemical Wedding” に大接近した作風とあっちゃー、ソレを神盤と崇め奉りまくってるオレとしてはタダでは居られんっちゅーの!・・・ってゆーかセンス良すぎてビックリなんだけど。
Antony の、ややトレブリーなところが Eric Hawk (ARTCH) っぽさも感じさせる「Bruce 歌唱」(苦笑)の妙味と共に、Johnny (a.k.a. Jani Noronen), Turbo J-V (FUNERIS NOCTURNUM では Sin’equamnon って名前) のまるで Adrian Smith & Dave Murray が現代テクニックを習得したかのスリリングなギター・コラボレーションも魅力的で、#2 “The Gift”, #4 “Silver Dreans” でのギター・ハーモニーには瞬殺寸前でしたわ。
驚いたのは、その IRON MAIDEN ~ Bruce Dickinson な風味を運んできているのがシンガー&ギター・コンビという「上モノ」の感触だというのにも関わらず、メインのソングライターはドラマーである T-Pain (a.k.a. Jarno Parantainen) だという事実。うん、ドラマーが曲を書くバンドはやっぱり面白いよ。
(Mar. 29, 2004)
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NOCTURNAL RITES | 87 |
| New World Messiah (2004) |
スウェディッシュ・メロディック・パワー・メタル・バンド NOCTURNAL RITES の 6th アルバム。
剛健なエッジとエモーショナルな旋律の融合が核爆発を起こした名盤である前作 “Shadowland” と同路線の、いまや「ノクタ節」と称しても過言ではない正統的ヘヴィ・メタルは本作でも健在だ。
明快なメロディとともに疾走が飛翔する #3 “Avalon” というキラー・チューンの存在をはじめ、アグレッシヴなリフとサビメロの切なさの落差が美味しい #4 “Awakening”、曲名どおりのアラビアンなエスニック・グルーヴが揺れる #5 “Egyptica”、メランコリックなハーモニーが悶絶疾走するテーマ・メロディが最強な #7 “End of Days” などの強力な楽曲群を一聴して感じたのは、今やこのバンドの最大の魅力ともなっているシンガー Jonny Lindkvist のセクシーかつストロングな声質で歌われるエモーションが炸裂するメロディに、初期の XaMetalic な悶絶感を前作以上に強く宿らせているという点。
ただ、それを嬉しく思いつつも、前作で完成されたと思っていた柔剛のバランスが激ツボでチョー心地良かっただけに、ホントに微妙になんだけどややソフトな方向にシフトした印象の音像には、ちょっとした物足りなさも感じてみたりね。人間とは贅沢なものだ、ホント。(苦笑)
そんな感じに、求めるものが大きいだけに気になっちゃう部分も多くて、達人 Nils Norberg (g) のスーパー・プレイも、テクニックはもちろんエモーションの込め方やフレージングのセンスもトップ・クラスだと思うし実際本作でも数多くの悶絶ポイントを生み出してはいるんだけど、弾いてる顔の無表情さを想起させるどこか醒めた消極的な線の細さがコレまで同様に存在するのが相変わらず勿体無さ満点・・・。変なエフェクトもやっぱりさほど効果的とは思えないしなぁ。(^o^;
ま、そう言いつつも、聴く度に拳を力強く握り締めた両手を振り上げたりヘドバンしたりしつつ楽しめる好盤には違いないんだけどねー♪
(Mar. 12, 2004)
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NORTHER | 84 |
| Death Unlimited (2004) |
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンド NORTHER の 3rd アルバム。
前作で見られた進化に対するあくなき意欲をそのまま引き継いだ本作は、リフ/リズム的な側面をグッと強化して、ブルータルなデスラッシュとも呼べる攻撃性を身に付けた、これまでの作品にそこはかとなく滲んでいた線の細さを払拭せんとするアグレッションに満ちた力作。
デビュー作 “Dreams of Endless War” で聴かれた突出した即効メロディは最早ほとんど見当たらなくなっているが、その寒々しき叙情エッセンスは楽曲の深部に練り込まれる形でしっかりと息衝いている・・・と、自分の中の NORTHER ファン・マインドに一生懸命に自己暗示を掛ける(汗)一方、#6 “A Fallen Star”, #8 “Day of Redemption” といった鬱々とした暗黒北欧メロディのメランコリが染みる従来型のスタイルとは少々異なるダーク・チューンズに悶絶感を得られるのには、素直に嬉しく思うわ。
皮肉なのは、やっぱり残ってる「CHILDREN OF BODOM 型の楽曲」が、「小型 CHILDREN OF BODOM」という立ち位置から脱却せんと目論んでいるにも関わらず、本作で導入したタフな逞しさやパーカッシブなデジタル風味の隠し味がそれらの楽曲に作用しちゃった結果、こちらはこちらで進化を続ける本家 CHILDREN OF BODOM の最新作 “Hate Crew Deathroll” の雰囲気に図らずも接近しちゃったことだね。こうなってくると、コリャもう「業」としか言えんよなぁ。(苦笑)
ま、シーン髄一と思える悲愴なるエモーショナル・デス・ヴォイスの持ち主であるシンガー Petri Lindroos と、実は相当にツボだったりする NORTHER というバンド名の2つが存在する限り、たぶんずっとフォローし続けていくんだろうな、このバンドを。
ってか、ボーナス・トラックとして収録されてる MEGADETH の名曲カヴァー #13 “Tornado of Souls” で楽しみにしてたギター・ソロ・パート・・・なんでキーボードで弾いとんねん!(T_T)
(Mar. 29, 2004)
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ONMYOUZA (陰陽座) | 90 |
| Mugen Houyou (夢幻泡影) (2004) |
この、BLACK SABBATH の “Cross Purposes” とどこがどう違うねん!とつい突っ込みたくなる美麗なアートワークの持ち主は、我が国が誇る妖怪ヘヴィ・メタル・バンド 陰陽座 の 5th アルバム。
年一作のペースでリリースしているオリジナル・アルバムにおいて、作毎にその完成度を確実に上昇させている彼等だが、本作でもその例に漏れず、細部へのこだわりが満足感を生む素晴らしい内容に仕上げてきたのがサスガというか嬉しいわ。
相変わらず、疾走するメタル・チューン、正統派メロディック・ハード、おどろおどろしい怪奇プログレ、キャッチーなポップ・チューン、浮遊する清廉なバラード、そして歌えや騒げやのパーチーなロケンロー・・・と適材適所にコンパクトにまとられた全10曲がヴァラエティに溢れまくった楽曲スタイルでありながら、一本筋を通しているのは、ここにきて一気に強靭さを露わにしてきたヘヴィ・ボトムとそれが支えるスピード感を強調したメタリックにドライヴする音像の、これまでになくシリアスなダーク・カラー。
それでいて、歌詞との親和性も見事な歌メロの充実と恐れを知らないアレンジの拡幅の両面が呼び込む「ポップで軽快なメジャー感」をもしっかりと身に付け、全体を非常に洗練された印象で覆うことに成功させている・・・という、その余裕をも感じさせる器用さには驚かされるばかりだ。
先行シングルでもあるキャッチーな正統メロディック・メタル #3 “睡”、喚き立てるデス・ヴォイスを大胆に配して IN FLAMES 風味とも言えるアグレッシブな側面を垣間見せる #5 “舞頚”(途中の雅楽ヴォイスも◎!)、黒猫たん 渾身のロマンティックなバラード #9 “夢虫”、ちょい 筋肉少女帯 チックなお約束のロケンロー・ソング #10 “河童をどり” 等に代表されるこれまでのスタイルを踏襲した中でのハイ・レベルな楽曲の充実も目を見張るが、ユートピア系フラワー・チューン(って、ワケワカランね/笑)#7 “煙々羅” で聴けるある意味場違いな 60’s 的ラヴ&ピース風味の存在も、非常に良いアクセントになっているかも。
しっかし、前作で開花した感のある 瞬火 の歌ったら、本作ではさらに艶やかに響き渡ってるねぇ。これまではやっぱ「陰陽座≒黒猫たん」って印象だったけど、黒猫たんが 歌ってるパートを聴いてる最中に既に次の 瞬火 パートの登場が待ち遠しくなってる今では、極端に言ってシンガーは 瞬火 一人でもいいかな・・・なんて思いが脳裏を過ぎるほど。いや、ホントにそうなっちゃったらメッチャ困るんだけどさ。(汗)
相変わらずたどたどしさを感じさせながら頑張るギター・プレイが、以前ほどそんなに気にならなくなってきたのが、果たして慣れ(or諦め)のせいかなのかどうかは、たぶん永遠の謎。(汗)
(Mar. 02, 2004)
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ORPHANED LAND | 97 |
| Mabool – The Story of Three Sons of Seven (2004) |
数年前に Nuclear Blast とサインしたというニュースを聞いて新作を楽しみにしていたものの、その後プッツリと音沙汰が途絶え、ここのところはその存在すら忘れかけていた中東イスラエルの民族派プログレッシヴ・ゴシック/デス・メタル・バンド ORPHANED LAND が、突如 Century Media からリリースした8年振りの 3rd アルバム。
ノアの箱舟の大洪水伝説、そして3人の英雄の旅路という二つの物語を交錯させながらクライマックスを形作ってゆく、混沌とした宗教世界を描いたコンセプト・アルバムである本作は、何年も待った甲斐のある(ってゆーか正直忘れてたけど/苦笑)大々傑作!!
比類なきミュージシャンシップの高さを感じさせる老獪極まりないプレイアビリティで演奏される、中近東~インド系の土着的な東洋エッセンスを決して付け焼刃でない遺伝子レベルで練り込んだ超ドラマティックなエスニック・ケイオティック・エクストリーム・ミュージックには、この身の五感プラス第六感はヤヴァイほどに刺激されまくり。
ユダヤ教/キリスト教/イスラム教それぞれの息子・・・蛇/鷲/獅子に喩えられる3人の英雄の誕生を謳ったオープニング・チューン #1 “Birth of the Three (The Unification)” にいきなり ORPHANED LAND の独特の世界に引き込まれたが最後、その後の70分間はこの至福の時間旅行にただただ自らの精神と肉体を委ねるばかりッスよ。
バイオリンやチェロなどの弦楽やピアノ&アコギ、そしてツボを突く女声を豪勢に侍らせた OPETH に通じる深遠な精神性を感じさせる型に嵌ろうとしないダークな独創的リフ・ワーク、真性辺境プログレッシャーの心意気を感じるポンプな浮遊感、そのうえに独り善がりではないキャッチーさまでもを兼ね備えたヘブライ/ラテンな自国文化に対する誇りに塗りたくられたジャジーとさえも表現できよう深みに満ちた超アラビックなサウンド・スケープは、この ORPHANED LAND 以外何者でもないオリジナリティに溢れている。
暖かく優しいナイーヴなノーマル・ヴォイスと激情デス・ヴォイスをスイッチするシンガー Kobi Farhi のハートフルな妙技に心を奪われながら、この耳が追うのはギター・プレーヤ Yossi Sassi のしっかりと様式美なエモーショナル・プレイ。#5 “Halo Dies (The Wrath of God)”, #6 “A Call to Awake (The Quest)” の怒涛の弾きまくりや #7 “Building the Ark” でのマジ泣きな哀愁アコースティック・プレイ、悶絶泣きフィールが壮麗かつ壮大に広がる超大作 #11 “The Storm Still Rages Inside” でのいつまでも終わらない叙情リックの畳み掛けなど、ホンット歪めた顔をひたすら左右に振りつつ天を仰ぐのみだわ。
っとにもー、唯一無二で奇跡な一枚としか表現のしようがないよ!
今回買った2枚組初回限定版のボーナス・ディスクの方に収録された Tel Aviv でのアコースティック・ショウの模様も、ほんと年季の入った哀愁ジプシー・ミュージックって感じで、メッチャ和みながら楽しめたデス♪
(Mar. 08, 2004)
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SIRENIA | 88 |
| An Elixir for Existence (2004) |
元 TRISTANIA の Morten Veland (vo,g) によるノルウェーの耽美なゴシック=デス・プロジェクトの 2nd アルバム。
ノリノリにドライヴする #1 “Lithium and a Lover” で賛美チックなクワイアが流れ出た瞬間、もうアッという間にノックアウト、そして続く「SIRENIA 全部入り」な #2 “Voices Within” で至福の笑顔で昇天ですわ。
Morten 自身のデス・グロウル、前作で激萌え歌唱を披露していた Fabienne Gondamin 嬢に代わってこれまたコケティッシュな歌声が魅力な女声シンガー Henriette Bordvik 嬢、そして朗々たるクリーン・ヴォイス担当の Kristian Gundersen という3人のシンガーがそれぞれの役割を見事に演じるドラマティックに静と動を行き来するサウンドは、ちょいデジなモダン・ゴス的ドライヴ感に満ちた宗教的な崇高さとキャッチーさを絶妙なバランスで併せ持った極上の暗黒メタルと呼べるもの。
実際の個々の楽曲的には、それぞれに悶絶ポイントが確実に設けられつつも正直似たり寄ったりな感が否めない予定調和の範囲内の出来なんだけど、前作同様に圧倒的なクオリティを誇るゴージャス極まりないキラキラ感に包まれたハイ・クオリティなプロダクションには、問答無用な満足感を運んで来られざるを得ないんですよ。(弱)
ただ、前作 “At Sixes And Sevens” が良すぎたせいか、微妙に物足りなさを感じてしまうのもまた事実で、そこで聴けた Pete Johansen のウネウネな激泣きヴァイオリンが本作では収録されていないってのも、実は結構大きなマイナス・ポイントかも・・・。
あ、酔っ払いながらずっと聴いてて思ったよ。このヘヴィでシアトリカルなゴシック感、どこかで聴いたと思ったら・・・コレって BATTLELORE に通じる雰囲気なんじゃない!?
(Mar. 08, 2004)
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SIX MAGICS | 82 |
| The Secrets of an Island (2004) |
南米はチリから登場したシンフォニック・メタル・バンド SIX MAGICS の 2nd アルバム。
2本のギターに加えピアノ奏者を擁する若き6人組が、壮麗なクワイアを中心に弦楽や笛、ピアノ、そして女声から果てはデス声までもを繰り出して奏でるファンタジックなオーケストラル・メタル・サウンドは、予想に反して意外にもまともにまとまったもの。(失礼)
いや、マジでイントロダクション #1 “The Secrets…” に続いて #2 “Chaos and Fury” で「RHAPSODY に感化された THERION」か 「箍(たが)の外れた THY MAJESTY」かという疾走クワイアを耳にした瞬間は、かなりビビったですわ。
いかにも辺境なマイナーなバンドっぽさ丸出しのドタバタさは確かに存在しているものの、しっとりとした悶絶感が漂う静のパートの美味しさやリード・ギタリスト Erick Avila の難易度の高そうなネオ=クラシカル・フレーズをしっかりと弾ききる実力、そしてなにより全体をシネマティックに構築するそのセンス&力量は、この SIX MAGICS が只者ではないという認識をしっかりと植え付けてくれましたデス。
その他本作についての詳細は、本作のライナー・ノーツをご執筆なさった先生が運営なさってるサイト(http://www.xametal.net/)を参照するなり、先生を質問責めにするなり、ご自由にどぞ。(笑)
(Mar. 29, 2004)
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STORMLORD | 87 |
| The Gorgon Cult (2004) |
イタリア産シンフォニック・ブラック・メタル・バンドの 3rd アルバム。
イントロダクション #1 “The Torchbearer” に続くオープニング・チューン #2 “Dance of Hecate” の冒頭、整合感に溢れたパワー・フィルの一瞬のブレイクに女性の囁きが響き、それに導かれて堰を切ったようにゴージャスなシンフォニー渦巻くクッサクサな超絶疾走が爆発する・・・という一連の流れを聴いちゃあ、なにはなくともまずはガッツポーズで悶絶失禁でしょ。
壮麗なオーケストレーションになかなかのメランコリックな泣きセンスを聴かせるギター・ハーモニーのアンサンブルを織り込んだ極めて北欧的なシンフォニック・ブラック・メタル・サウンドは、確かに DIMMU BORGIR の名を思い起こさせるものではあるが、彼らの配下である OLD MAN’S CHILD ~ CATAMENIA らに通じる寒々しい空気感とともに全編を支配する、欧州メロディック・スピード・メタル勢に通じる情熱的とも言えるほどのパワフルなエピック風味が、この STORMLORD を単なるフォロワーには決して留まらぬスペシャルな存在にしているんだと思えるね。
何といっても、前作で感じられてしまった音質面でのマイナス点が見事に払拭されているのがとにかくデカい。ここに実現されたタイトなプロダクションによってドラマティックな緩急に更にメリハリが生まれ、静のパートのゴシック的とも言える耽美なメロウさが一段と際立つ結果になっているのがポイント高いッスわ。絶叫にグロウルを交えて邪悪に迫るシンガー Cristiano Borchi がそういった場面で時折聴かせる低音ボイス(イタリア語?)のセクシーな響きが醸し出す欧風情緒も美味しいし。
が、そういった全体的なムードの良さこそ特筆すべきものなんだけど、個々の楽曲としては実はそれほど印象に残ってこないという欠点もアリ。うーん、なんというか・・・展開テンコ盛りなんだけど、その整理にやや詰めの甘さが見えるって感じかな?
もう一点、超速なツーバス疾走や激烈ブラストのエクストリームなドライヴ感と、なかなかの技巧派であることを伺わせる絶妙なライド・ワークを聴かせるドラマー David Folchitto が、スゲー良いビートを叩き出しつつも、フィル・インになると単調な16分のタム回しに終始しちゃうことが多いのも、上手い人だけになんだか勿体無い。。。
とはいえ、超魅力的な音像の詰まった一枚であることには変わりなく、末長くリピートして楽しめることは請け合いデスな。
IRON MAIDEN のカヴァー #9 “Moonchild” は、原曲が如何に名曲であるかを再認識させてくれると同時に、鍵盤ソロや独自のハーモニー・パートの付加による新解釈が新たな生命を与えた名演!
(Mar. 02, 2004)
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THE FORSAKEN | 84 |
| Traces of the Past (2004) |
スウェーデンのメロディックなデスラッシュ・メタル・バンド THE FORSAKEN の 3rd アルバム。
ザクザクと刻まれる激烈なデスラッシュにたっぷりと流麗なギター・ソロを配した、非常にブルータルでありながら聴きやすいサウンドは、これまでの2作とほぼ同路線のもの。
路線だけではなく、狙っている方向といいプレイ/プロダクションのクオリティといい文句なく「うん!素晴らしい!」と大きく頷けるレベルにあるにも関わらず、「悪くない」「何かが足りない」「イマイチ突き抜けてこない」と首を傾げさせる点が存在するのも、バッチリとこれまで同様。(苦笑)
が、それらの買う前から解りきっていた欠点(笑)が急速に確実に改善されつつあると感じられるのも確かで、より緩急に気を配った切れ味の鋭い楽曲で響く、細部まで凝ったリフ・ワークの程好く厚みのあるスラッシーなウネリには実に気持ちよくヘッドバングを誘われるし、何より最大の魅力である Patrik Persson & Stefan Holm の2人によるメランコリックな叙情テクニカル・ギター・ソロの応酬が、上質の悶絶を生む意外性をその展開に練り込んだ実にツボを心得たものに進化しているのがメッチャ心強いわ。
収録曲の中に METALLICA のカヴァー #11 “Blackened” があるんだけど、ベースがよーく聴こえる重厚な音像でブラストしまくるこのヴァージョン、オリジナルをよりも印象イイかも。(汗) ってか、こうして聴くとやっぱ良い曲だよね。
(Mar. 26, 2004)
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VINTERSORG | 86 |
| The Focusing Blur (2004) |
その類稀なるハイブリッドなデス/メロディックな歌いっぷりから BORKNAGAR の専任シンガーとしても活躍することとなった、スウェーデン人マルチ・プレーヤ Vintersorg 君のリーダー・プロジェクト VINTERSORG の 5th アルバムは、ある男の科学と信仰への限りなき渇望の回廊を封じ込めたコンセプト・アルバム。
北欧デス・メタルのストイックな暗黒描写、コズミックなモダン・メタルの冷たさ、そしてオルガンの響きがもたらすノスタルジーを誘うレトロなロックイズムという一見脈絡のない各エレメントにビシッと一本筋を通しているのは、紛れもなく全編で哀愁を漂わせる Vintersorg 君が微妙な鼻詰まりヴォイスで歌う、北欧フォークロアな色彩感溢れるヴァイキング的とも言えよう哀愁の朴訥歌唱。
収録された楽曲は、一見さんには確実に慣れが必要と思われる独自解釈の不協和音センスが発揮された、イマイチ掴み所に欠ける奇妙でアバンギャルドな出で立ちながら、それを「創造性の高さ」として聴き手に受け入れさせる妙な説得力を持ち合わせた逸品揃いだ。
その説得力の一端を担うのが、Steve DiGiorgio (SADUS~DEATH~TESTAMENT) と Asgeir Mickelson (SPIRAL ARCHITECT, BORKNAGAR) の人智を超えた熟達プレイ。彼らのヘヴィ・メタルに留まらぬフレキシブルなセンスに満ちた奥深いプレイが、この VINTERSORG を単なるノーマル/デス・ヴォイス・スイッチ型デス・メタルに留まらないその一段上のステップに押し上げていると言っても過言ではないだろうね。
傑作レベルの出来だった前作 “Visions from the Spiral Generator” と比べると、正直フックがやや後退してしまった感は否めないけど、#7 “A Microscopical Macrocosm” での穏やかに広がるプログレッシヴな叙情美を体験しちゃうと、そんなことがトテーモトテーモちっぽけな事に思えてきちゃうってのが「信者」の辛ぁ~いとこデスわ。。。(苦笑)
(Mar. 08, 2004)























