11月2004
3 INCHES OF BLOOD 79
Advance and Vanquish (2004)

カナダから突如飛び出した熱きピュア・メタラー 3 INCHES OF BLOOD のデビュー・アルバム。

リリース元が ROADRUNNER RECORDS なのに自らを「ヌーメタルの不倶戴天の敵」と評してしまう正体不明の胡散臭さにイマイチ怯えつつ、「このジャケに間違いは無い!」と信じて(狂笑)手をだしてみたが、これがホントに純度が限りなく100%に近いピュア・メタルでビクーリ。

Udo Dirkschneider・・・いや、超 佐藤 則夫 (MASTERMIND) タイプ(汗)のヒステリックな金切りメタル声と現代的なエクストリーム風味を与えているギャアギャアと卑しく喚くブラック・ヴォイスのツイン・ヴォーカル体制でコッテコテに攻めまくるのは、シンコペーションが小気味良く弾けるオールド80’sスタイルのキャッチーなヘヴィ・メタルだ。

その楽曲の味わいは、GRIM REAPER の実直な剛健メロディ、RUNNING WILD のヴァイキング的な信念、そして RAVEN のハチャメチャなドライヴ感をミキサーで混ぜ合わせたかのようで、既に #2 “Deadly Sinners” という一度聴いたら忘れられない名曲も生んでたり。

いやはや、ジャケも含めてとにかく熱い、愛すべきショボショボ馬鹿メタルですわ。(愛)

 (Nov. 07, 2004)

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AMON AMARTH 82
Fate of Norns (2004)

ヴァイキング・・・と言っても、フォークロアなアレンジではなく、無骨な音塊そのものにヴァイキング魂を封じ込めた「志(こころざし)優先」の渋めなスタイルが身上のスウェーデンの中堅ヴァイキング・デス・メタル・バンド AMON AMARTH の 5th アルバム。

骨太シンガー Johan Hegg アニキが漢の咆哮を震わすアーリー・スウェディッシュ風味の純朴な破壊力を露にしたミドル・テンポの勇猛な楽曲群は、相変わらずパッと聴きチョー地味なんだけど(苦笑)、全体に滲む極寒の地で死に向かって行進する漢達の誇り高き覚悟を想起させる悲壮なる哀愁感はの高さは過去最高かも。

狭いクラブながら、迫力たっぷりに大回転する扇風機ヘドバン軍団の漢クサさが堪能できるライヴ DVD がオマケに付いてたのも、お得で嬉しかったな。

 (Nov. 03, 2004)

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ANOREXIA NERVOSA 77
Redemption Process (2004)

お仏蘭西のヴィジュアル・オーケストラル・エクストリーマー ANOREXIA NERVOSA の、OSMOSE から LISTENABLE に居を移しての 4th アルバム。

轟音寸前なまでの壮麗さを誇るシンフォ総攻撃を武器に、テンション全開で驀進する暴虐ブラック・メタルのインパクトの強さは相変わらず強力だが、これまで同様に怒涛に押しまくりつつもそれ一辺倒ではない「緩急」への着目が呼び込んだドラマティックなメリハリが、今回ある種の聴きやすさを発生させてきた感じ。

それでもやっぱり、カリスマ・フロントマン RMS Hreidmarr (vo) のブチ切れスクリームの連続には、そのテンションに追随する体力が減衰してくるのに比例して「飽き」の感情が浮上してきてしまうのがとっても惜しい・・・。

日本盤ではボーナス・トラックとしてなんと我が国のビジュアル歌謡メタラー X JAPAN“I’ll Kill You” をカヴァーしてるんだけど、普通にオリジナルと違和感無く並んでる感じ・・・って、きっと原曲知らないからだな。(苦笑)

 (Nov. 13, 2004)

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ARK STORM 80
The Everlasting Wheel (2004)

様式美ジャパメタ・バンド ARK STORM の 3rd アルバム。

Yngwie 系光速ギタリスト 太田 カツ を中心に、鍵盤麗人 YUHKI 様 (key)、6弦マジシャン 瀧田 イサム (b) がそれぞれ自慢のファスト・プレイの見せ場をお行儀よく交代する様に、思わず軽く身体を揺らしながら控えめなフィストバンギングで応えたくなる、伝統的な王道目黒系様式美スタイルは従来どおり。

・・・ではあるんだけど、意表を突いたスロー・チューンでの幕開けが物語るように、本作では楽曲アレンジに幅を持たせ、なめらかな後乗り発声が Mark Boals のそれを想わせる 佐々井 康雄 (vo) の歌唱を中心に「バンドらしさ」を打ち出して来ているのが頼もしい感じ。

実際にはこれまで以上に疾走チューンが多かったりするんだけど、#3 “True Paradise” のような 佐々井 の声質にマッチしたメロディックな中庸チューンの方が魅力的に聴こえてくるんだよね。 あ、ラストの疾走チューン #11 “Final Faith” は♪ヲーヲヲー・・・とシンガロングするところがあって結構好きだよん。

そして、いくら楽曲に工夫を凝らして固定イメージからの脱却を試みようとも、骨の髄まで染み付いた強烈極まりない Yngwie テイスト自身がそれを決して許すことはない「一生“Yngwie タイプ”として生きていく男」(苦笑)大田 カツ の哀しい哀しい男の性(さが)の炸裂もやっぱり聴き逃せないポイントだ。ソロの入りッ端や展開部とかでフロント・ピック=アップが拾い上げるウォームなエモーションには、なんだかんだ言ってグッと熱いものをこみ上げさせられてしまうからなぁ。(弱)

 (Nov. 06, 2004)

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BLACKMORE'S NIGHT 86
Beyond the Sunset: The Romantic Collection (2004)

楽聖 Ritchie Blackmore 師匠率いるルネッサンス・ジプシー・フォーク/ロック・バンド BLACKMORE’S NIGHT の海外編集のベスト盤。

本作の目玉は、既発アルバムからのセレクト+αの珠玉(ってのは言い過ぎでやや外し気味/苦笑)の14曲が並ぶ本編ディスク・・・ではなく、付属のボーナス・ライヴ DVD と3曲の書き下ろしクリスマス・ソングが収録されたボーナス MCD “Chrismas Songs” だ。

DVD で楽しめる、欧州の古城の一角に組まれたの特設ステージで優雅かつエキサイティングに繰り広げられる吟遊詩人のパーティは、ライヴ・ショウこそがこの BLACKMORE’S NIGHT の存在意義だと思えるほどの素晴らしい内容。たった5曲というのが実に物足りないのぅ。。。。

そして、3曲のクリスマス・ソングが、どれも単なるおまけの粋を完全に超越した白眉の出来なのも嬉しすぎ。

これでたった1,523円(@Amazon.co.jp)とは・・・さすが我が師、Ritchie Blackmore。恐るべし。

 (Nov. 03, 2004)

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BRIDE ADORNED 86
Blessed Stillness? (2004)

TOC でも活動するメンバーを擁するフィンランドのシンフォニック・ネオ=クラシカル・メタル・バンド BRIDE ADORNED のデビュー・アルバム。

華麗に響くシンフォニーと荘厳なクワイアが悶絶極まりないバロックなフレーズを交錯させまくる壮麗なるオーケストラル・メタルの、SYMPHONY X + ROYAL HUNT + THERION という贅沢なサウンド・スタイルの豪華さったらもう圧巻の一言すら出ないほど。

線が細い系ハイ=トーン・ヴォーカルによる存在する意味すら希薄なほどの当たり障りのない歌唱パートにこそ終始勿体無さを覚えまくりだが、それを差し引いて考えても、この劇的な欧州メタルの骨格を成す My 脳内に多量のエンドルフィンを滴らすに十分な極端なまでのクラシカル・エッセンスは、マジ美味しいですわ。 #5 “Otherworldly” 最強ッ!!

ただ、非常に良く出来た激高レベルの有機的なオーケストラ・パートに驚きつつも、逆に良く出来てるだけに求めてしまう「音」以上のもの・・・情念とかそういうものが伝わって来にくいことで、PC レコーディング技術の向上がもたらした功罪についてとかそーんな余計なコトを考え出しちゃったり。(汗)

滅多なことで「昔は良かった」的なことは言いたくない・・・ってかそもそもあんまりそう感じないんだけど、Yngwie Malmsteen をはじめとする「アノ頃」のギタリスト主導型な初期ネオ=クラシカル・メタルって、ある種の辛い肉体的訓練によって生まれた情念に満ちた、肉体性/獣性を持った最たる音楽だったと思うんだけど、PC レコーディングが訓練を不要にした現在は・・・。

ってことで、そんな風にネオ=クラシカル・メタルについて改めて考えを巡らせるきっかけとなる程に、ヘヴィ・メタル史にとって重要な一枚ってことで。(嘘)

 (Nov. 13, 2004)

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DEADSOUL TRIBE 84
January Tree (2004)

米産プログレッシヴ鬱メタル・バンド DEADSOUL TRIBE の 3rd アルバム。

明快な歌唱と共にロックする骨太なグルーヴとナイーヴでテクニカルな繊細さが同居する、首謀者 Devon Graves (vo, g, flute / a.k.a. Buddy Luckey@PSYCHOTIC WALTZ) の心の闇を描いた暗黒美満点のアートワーク (by Travis Smith) をそのまま音として具現化したかの内省メタル・サウンドは、前作同様に「生きててゴメンナサイ・・・生まれてきてゴメンナサイ・・・」と呟きながらの上質な独り酒タイムの肴には持って来いの逸品。

メロウでダイナミックでグルーヴィで耽美で、ほんとスッゲー好きなタイプだと改めて再確認したし実際ナイスな感情を運んできてくれる素晴らしい一枚ではあるんだけど、正直、前作と違いがよく判らないほど楽曲自体の雰囲気が似通っているうえに前作の方がやや出来が良い印象なので、ちょいと損をしてるかもなぁ。

・・・って、まだまだ聴き込みが足りないだけッスね、きっと。(弱)

 (Nov. 05, 2004)

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DIVERCIA 85
Cycle of Zero (2004)

フィンランドのシンフォニック・ゴシック=デス・メタル・バンド DIVERCIA の 2nd アルバム。

SENTENCED の寒々しいダークな哀愁を IN FLAMES のキャッチーなモダン・エクストリームと NIGHTWISH のシネマティックな壮麗メタル・アレンジで調理した美味しすぎる路線ながら、弱々しいニュー・ウェーヴ系ヴォーカルのあまりのダメさ加減が聴く気を失せさせていた前作から一転、そのヴォーカル・パートの弱さを完全に克服して素晴らしいバンドへの生まれ変わりに見事に成功したことをアピールする改心の一枚だ。

弱点だった♂シンガー Jyri Aarniva (vo) の雰囲気モノの囁きヴォイスは、今回邪悪な力強さの注入とエクストリームなデス=ヴォイスのパートを大幅に増加させた事によるバランスの好転が、儚げなナイーヴさはそのままに耽美な暗黒慟哭をググっと呼び込むというプラスに方向に作用した奇跡的な改善を見せているのが、なんとも頼もしいぢゃあーりませんか。

楽曲的にも、隙の無い確かな演奏力の弦楽隊+鍵盤によるテクニカルなリックと共にドラマティックに急転直下するゴージャスな煌びやかさが、これまた好バランスなデジタル・エッセンスと TO/DIE/FORH.I.M. に通じる中性的なしなやかさを伴って、前作以上の独特な耽美なノリノリ暗黒叙情メタルっぷりを弾けさせているのが嬉しいね。

ちなみに、強力なビートが耳を惹きつけるドラマー Teemu LaitinenTOC, BRIDE ADORNED の彼。

 (Nov. 14, 2004)

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DRAGONLAND 88
Starfall (2004)

スウェーデン産シンフォニック XaMetal バンド DRAGONLAND の 3rd アルバムは、レーベルを Century Media へと移したそのステップアップが納得の著しい成長を封じ込めた飛躍の一枚。

マイルドな北欧ヴォイスの主 Jonas Heidgert (vo) のやや頼りなさ気な歌唱を、Nicklas Magnusson & Olof Morck (g) のウォームでテクニカルな悶絶ギター・ワークと隠れた名手 Elias Holmlid (key) によるモダンな透明感を変幻自在に操る魔法の鍵盤捌きによるエピックな響きが支えるファンタジックなメロディック・メタルが手に入れたのは、EVERGREYTom S. Englund によるプロデュースが見事に奏功した非常に垢抜けたクオリティ。

前作までの魅力として確かに存在していたハチャメチャなキラドコ感の減退には、正直言って少々物足りなさを感じはするけど、それはその代わりに手に入れた湿り気を帯びたナイーヴな安定感の美味しさで十分に相殺可能っしょ。

持ち前のポップ・センスを見事に開花させた希望的な #2 “Starfall”、中間部のヴァイキング風味にニンマリさせられる #6 “The Shores of Our Land”、待ってましたの悶絶疾走チューン #7 “The Returning”、そして3部構成の壮大なシネマティック・メタル組曲 #9~11 “The Book of Shadows” らの、センチメンタリズムと爽快感という相反する要素を見事に融合した情景的でコンセプチュアルな楽曲群はやっぱグッと来ざるを得ないもんね。

日本盤ボーナス・トラックとして収録された我が国のビジュアル歌謡メタラー X JAPAN#12 “Rusty Nail” のカヴァーは、原曲がアレでナニだったことを忘却の彼方に葬り去る、マジで本作のハイライトとも言っても過言ではない素晴らしい出来。 Jonas、ニホンゴ、トテーモイイカンジネ!(^-^)b

#13 “Soul Survivor”@HELLOWEEN は打って変わってカナーリ酷いけど(汗)

 (Nov. 13, 2004)

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ELIS 85
Dark Clouds in a Perfect Sky (2004)

リヒテンシュタイン公国が誇る上質ゴシック・メタル・バンド ELIS の 2nd アルバム。

Sabine Duenser 嬢のフワフワでありつつしっかりと芯もある萌え萌え可憐ヴォイスが冴え渡る王道フィメール・ゴシック・メタルはデビュー作譲りの高品質で、前作で感じられた EVANESCENCE 風味とも言えるモダンさを控えて更にヘヴィ・メタリックな硬質の色合いを表面に浮き上がらせると同時にキャッチーさも増加させる・・・という離れ業が生んだ、言い様のない「メジャー感」はサスガの一言。

80年代的なメタル・メランコリーを運んでくるたっぷりのギター・ソロ・パートの存在も強いね。

 (Nov. 02, 2004)

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FIREWIND 73
Forged by Fire (2004)

オールド・スタイルな新世代ギター・ヒーロー Gus G. 率いるギリシャのパワー・メタル・バンド FIREWIND が Century Media に移籍してリリースした 3rd アルバム。(CCCD)

Gus の一聴して彼のものと判る超パッショネイトなテクニカル・プレイがアグレッシヴに鳴り響く至極正統派なストロング・メタルは、従来の 80’s U.S. パワー・メタルの大味な醍醐味に加えて、新たにシンガーの座に就いた Chity Somapala の力強くもしっかりと湿り気を漂わせた歌唱が呼び込んだ欧州風味の叙情テイストがやや増加したっぽいかな?

その Chity の歌唱は、来日公演での笑撃のパフォーマンスの忌わしい記憶が多少軽減されると思える(笑)意外にも上質なもので、Klaus Lessmann (BONFIRE) をパワフルにしたかの(微妙に Klaus Meine ではないところがミソ♪)安定したシンギングは明らかにこの FIREWIND の新たな魅力だ。

ただなぁ、やっぱ曲がイマイチつまんない。 前述のように歌はかなり歌えてるし、Gus のプレイ自体も相変わらず悶絶級のタッチが満載なんだけど、リフがあってテーマのギター・フレーズが載って歌メロが重なってサビになってソロが来て・・・と、とにかく「普通のヘヴィ・メタル過ぎ」なんだよね。で、アレンジに凝らない分骨格が魅力的かというと、実はそうでもない・・・みたいな。

楽しみだった #7 “Feast of the Savages” での Marty Friedman (g) との Uli Roth 宗家師弟対決(笑)もボチボチだったし、Chity 同様こちらも本作から参加のイケメン鍵盤奏者 Bob Katsionis も、その天才肌な技&センスの見せ場に欠ける感じで、やや残念な一枚。。。

 (Nov. 22, 2004)

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HIBRIA 89
Defying the Rules (2004)

やべー、こ、こりゃチョーかっこいいわ! ってことで、本作がデビュー作となる南米ブラジルから登場した新鋭 HIBRIALOST HORIZON に続く新たなメタル・ヒーローにケテーイ。

80年代風味とも言える原始的なパワー感に90年代的なモダンな音圧と現代欧州メロディック・メタルの愁い&テクニックをしっかりと滲ませたギター・オリエンテッドな楽曲は、現在の剛健路線の NOCTURNAL RITES と我らがメタル・メサイア LOST HORIZON をミックスしたかのドラマティックな展開を持った骨太なメロディック・パワー・メタル路線で、硬派な漢汁を振り撒きながらドカドカと大胆に疾走しまくるこの直球ド真ん中の剛健ヘヴィ・メタルったら、血が燃え滾リ過ぎて蒸発してしまうことを心配してしまいそうになるほどにとにかく激熱。

Diego Kasper & Abel Camargo のギター・チームに Marco Panichi (b) までもが絡んで驚きの超安定レベルで弾きまくる超テクニカルな悶絶ネオ=クラシカル・プレイがもたらす良質のメロディック・スリルが表層を彩りつつも、楽曲を支配するのはやはり圧倒的な歌唱力を誇る逸材シンガー Iuri Sanson (vo) の凄絶なるメロディック歌唱だろうな。

イントロダクションに続く #2 “Steel Lord on Wheels” で曲がヴォーカル・パートに入った瞬間に完全に全権を掌握されたそのワイド・レンジに響き渡る強靭な歌唱は、Daniel Heiman をはじめ、Steve Grimmett, Michael Vescera そして Rob Rock らの名だたる強者らの名を思い起こさせるが、イ行からア行に位相をトレブリーに変化させながら鼻に抜けて行く感触とその歌声が綴るキャッチーなメロディの質感のマッチングの懐かしさが My 脳裏に浮かべたその名は・・・元 SABER TIGER の歌姫 久保田陽子!(汗)

そう思いながら聴くと、この華麗なる実直メタルの佇まいは綿密に構築された悶絶ギター・ソロといい “Timystery” 以前の SABER TIGER っぽさ満点じゃん。ってことで初期 SABER TIGER フォロワーにも決定。(笑)

本作ではまだ同系統のハイ・エナジーな疾走チューンにやや偏り気味だけど、#6 “Living Under Ice” のような叙情的なミドル・チューンを魅力的に聴かせる事が出来るだけに、次作ではそのあたりにも期待ッス♪

 (Nov. 13, 2004)

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KING DIAMOND 88
Deadly Lullabyes Live (2004)

“神” KING DIAMOND の、オフィシャルとしては “In Concert 1987-Abigail” 以来13年ぶり2作目となるライヴ・アルバムは、“The Puppet Master” のリリースに伴う2003年の北米ツアーの様子を余すとこなく収録した豪華二枚組。

イントロダクションとなる Disc1-#1 “Funeral” に続いて Disc1-#2 “A Mansion in Darkness” のツイン・ギターが流れ出た瞬間、もう感涙、失禁 and 脱糞ですわ。ビチビチ、ヂャー、ブリブリ。

やっぱ言う事なしの叙情スリルに満ちた Andy LaRocque (g)、そして現パートナーである名手 Mike Wead (g) による Michael DennerSchenker チックな叙情旋律を持ち前の Yngwie 派随一の泣きセンスを絡めて再現した悶絶プレイが、左右のスピーカから時に交互に時に同時に惜しみなく流れ出まくるってんだから、コリャもうタマらんでしょ♪

King 様自身のヴォーカル・パートが、コレまでの全てのブートレッグ音源で見聞きしてきたヨレヨレ加減を欠片も感じさせないプロフェッショナルな仕上がりだと言うのも驚き。ま、ハーモニー・パートが恥ずかしげもなく主旋律に重なりまくっちゃってることだし(苦笑)、たぶん差し替え&追加レコーディングしまくりなんだろうな。いや、全然アリっしょ。アリ。ってか、むしろ歓迎の方向で。

アルバムではやや地味な印象な新しめ作品の楽曲が、スタジオでは平坦さ爆発ながらここでは意外にも十分に合格点なドライヴ感を発生させている Matt Thompson のドラムのおかげもあって(サスガに Mickkey Dee 様と比較しちゃうと打撃強度69%程度なんだけど)、なかなか悪くなく聴けるのも嬉しいな。

唯一の不満は、ラスト・チューンが Disc2-#10 “No Presents for Christmas” だってことだなぁ。定番の MERCYFUL FATE 時代の名曲 “Come to the Sabbath” で「♪Sabbaaaaaaaaaaath!」「♪Sabbaaaaaaaaaaath!」と掛け合いつつこの素晴らしいショウの疑似体験を締め括れたら文句なく至福だったんだが・・・。(贅沢)

 (Nov. 02, 2004)

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LAST AUTUMN'S DREAM 86
II (2004)

スウェーデン屈指の哀愁シンガー Mikael Erlandsson と元 FAIR WARNING の叙情派ドイツ人ギタリスト Andy Malecek のコラボレート・プロジェクト LAST AUTUMN’S DREAM の待望の 2nd アルバム。

Mikael のハスキーなスウィート・ヴォイスと Andy がエモーショナルに弾きまくる叙情フレーズが見事に化学反応を起こした哀愁ハード・ポップの旋律美と、それに寄り添うまさに「初秋の空気」を感じさせるほのぼのとした郷愁は、旧き良き北欧メタル風味を渇望するヲヤジメタラーとしては前作同様 My ツボに入りまくり。

主役の2人はもちろん、前作の EUROPE 組から横展開した北欧メタル人脈のバック陣、Marcel Jacob, (b/TALISMAN, HUMANIMAL), Thomas Lasser (key/CRYSTAL BLUE), Jamie Borger (dr/ex-TREAT, TALISMAN) の分をわきまえた控えめな範囲で個性を主張させたプレイにも耳を惹かれる場面が多いのも嬉しいわ。

・・・と喜びつつも、今回はソフトさとハードさのアンバランスさもちょっと気になるなぁ。Andy の前作以上にソロイスト然とした存在感と、前述の新たなバック陣のどちらかと言うとパワフルなプレイ・スタイルが「ハード・ロック感の増加」を印象付けようとしているのに、プロダクションは前作以上にソフトになっていて、実際に聴こえてくるのは蚊の鳴くような情けないギター・リフ・・・と、本作のプレイ・スタイルに必ずしもマッチしているとは言い難い音像には、聴いててもどかしさを感じることしきり。

日本盤ボーナストラックと称して無遠慮にオープニングにブチ込まれた中途半端なファスト・チューン #1 “Fire with Fire” のバンドの立ち位置やアルバムの性格を曖昧にしてしまうありがた迷惑で邪魔なだけの存在(なので iPod にはこの曲抜きで入れた)も、そのバランス悪さに拍車をかけている気がするし。

まぁそう言いつつも、#2 “Up in Paradise” 以降の爽やかな哀感を気負い無く綴る様には、ついついウットリさせられてしてしまうんだけどねー。

 (Nov. 23, 2004)

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LILITU 85
The Delores Lesion (2004)

米国アトランタのメロディック・デス・メタル・バンド LILITU の 3rd アルバム。

多くの米産「自称ヘヴィ・メタル・バンド」同様に IN FLAMES の影響下にあることを否定できないサウンドながら、かの国を席巻する N.W.O.A.H.M. の潮流とは明らかに異なる「本気の北欧風味」が美味しいね。

叙情ギター・ハーモニーと控えめながら的確にアトモスフェリック要素を振りまくキーボードがアグレッシヴに哀愁を紡ぐ中、デス・ヴォイスとパワー・メタリックなハイトーンを交錯させながら慟哭を彩る楽曲は、時に OPETH を想わせる寂寥なる暗黒ゴシック風味や DIMMU BORGIR 的なシンフォ・ブラック風味までもを発散するってんだからたまらない。

哀感バッチリのタイトルトラック #3 “Dolores Lesion” と弾きまくるギターがドラマティックに畳み掛ける終曲 #8 “Fragments of My Reflection” がオキニよ。

 (Nov. 05, 2004)

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MAGNUM 82
Brand New Morning (2004)

英国の伝統的ハード・ロック・バンド MAGNUM の再結成2作めとなる 13th アルバム。

5th “On a Storytellers Night” までの叙情的伝説世界に心酔していたこの身にとっては翌1986年リリースの 6th “Vigilante” での突然のポップな違和感は耐え難く(今聴けば全然OKなんだけどねぇ)、それ以来この MAGNUM とはつまみ聴きする程度の疎遠な関係になっていたが、近年の Bob Catley (vo) のソロでの活躍に引っ張られて久々に購入。

うん、Bob Catley ヲジサンの老獪なる哀愁ヴォイスが響く、ベテランらしいどっしりと地に足の着いた重厚なブリティッシュ・ハード・ロックは健在で、モダンなアレンジと共にメジャー系のメロディが流れる楽曲にもしっかりとドラマティックな翳りが覆っているのがナニゲにいい感じで一安心。

随所でアクセントとして響く Mark Stanway (key) のピアノの音色が、洗練された大人だけが発散できる優雅さを醸し出しているのも素敵ね。元 THUNDERHarry James (dr) が落ち着いて叩き出すパワー・グルーヴの味わいも◎。

正直、かなり地味だし昔の全盛期ほどにはアピールしてこない音だけど、「英国」という特別な国(って刷り込まれてるんだよね/苦笑)に無くてはならないこういう音がこうしてちゃんと存在している・・・って、そんな妙な安心感を得られる好盤だわ。

 (Nov. 06, 2004)

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MANTICORA 87
8 Deadly Sins (2004)

デンマークの SF 文芸メタラー MANTICORA の 4th アルバム。

日本デビューとなった前作 “Hyperion” での飛躍的な進化には全くもって驚かされたが、人間の八つの大罪をテーマに据えたこの新作のコンセプチュアルな音像が感じさせる更なる旨味と完成度の前には、思わず「ば、化けたァ!?」という言葉が口を突いてしまうわ。

熱唱シンガー Lars F. Larsen の超 Hansi Kursch クローンな歌唱とそれが乗る思考派ドラマの勇猛な疾走には、相変わらず地盤に BLIND GUARDIAN が存在する事実を即座に認識させられるものの、ここに来て恐ろしく高まってきたバンドとしての基本的な地力が生む「凄み」がこの耳に突き刺さってくる。

さらに嬉しいのが、前作で我が耳を惹いた Martin Arendal (g/現 WUTHERING HEIGHTS なので本作ではゲスト扱い) の紛れも無くデンマークNo.1な凄絶ネオ=クラシカル・プレイが、このスピーディーなパワー感の中にさりげなく変拍子を絡めたりするプログレッシヴな味わいがバンドの知的なイメージを巧く増長させるドラマティックな重厚メタルの中で、楽曲を彩る重要なキーとして前作以上に魅力的に機能している点だ。楽曲に対するギター・ワークのアプローチの方法が、なーんとなく初期 ELEGY に通じる悶絶なる方法論を感じさせるんだよね。(嬉)

従来どおり単一の楽曲云々というよりはアルバム全体のムード優先・・・という流れにあるのも事実なんだけど、濃密な圧力の高さと印象的な美麗フレーズの数々に酔わされる満足感は相当に高いデス。

あ、以前から感じていた BLIND GUARDIAN からさらに遡ったルーツである「SATAN らしさ」が本作ではやや希薄に思えたんだけど、それはこの夏に実際に SATAN のライヴ観て本物の SATAN を知っちゃったからかな?(さりげなく自慢/笑)

 (Nov. 13, 2004)

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MEGADETH 78
The System has Failed (2004)

MEGADETH の策略的解散を経ての再結成アルバム。通算としては10作目?

近作でのコンテンポラリに日和ったお行儀のよいキャッチーさを保ちつつも、全体的には明らかに初期に立ち戻ったメタル・マインドを駆使して作り上げられたと解る、意外な程に攻撃性を取り戻した「捻くれメタル」な作風なのは大歓迎。

だが、キャッチーでメロウなリーダー・トラック #2 “Die Dead Enough” や、スピーディな MEGADETH 節が存分に楽しめる #3 “Kick the Chair” など十分に身を乗り出すに値する佳曲の数々を擁しながらも、イマイチ作品にのめり込めない。

その訳は・・・やっぱ Chris Poland (g) のスムースなアタックのジャジーなマイルド・タッチにあまり魅力を見出せないんだよね。聴く度に「あぁ、これが Marty Friedman の悶絶タッチだったら・・・」と、無いもの強請りの溜息を毎回軽く69回以上はついてしまうのデス。

マジで曲としては決して悪くないものが多いだけに、その Chris をはじめ Dave Mustain 以外のメンツの出音から漂うこの音楽に対する本気度の低さが生むテンションの低さが残念。

 (Nov. 13, 2004)

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MERCENARY 87
11 Dreams (2004)

デンマーク産メロディック・ダーク・メタル・バンド MERCENARY の Century Media からのリリースとなる 3rd アルバム。

熱唱型クリーン・ヴォイスとデス声が絡み合いながらデス・メタルのアグレッションに乗ってクライマックスに向かって突き進むドラマティック鬱メトゥは、今回 EVERGREY, NEVERMORE に肩を並べるクオリティにまで成長してきたかの嬉しい感触だ。

なにより、新加入のギター・プレーヤ Martin Buus のネオ=クラシカルな弾きまくりが、この華麗なる暗黒慕情に、欧風メタルの叙情ロマンをしっかりと運んで来ているのが嬉しいのデス。

 (Nov. 02, 2004)

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PAIN OF SALVATION 90
Be (2004)

孤高のスウェディッシュ・プログレッシャー PAIN OF SALVATION の 5th アルバム。

“Be” という極度にシンプルな語感とそれに相反する根源的で多様な意味合いを持つタイトルから容易に想像出来るとおり、これまたチョー深いアルバムを作ってきた。

稀代の天才 Daniel Gildenlow (vo, g) が人知の及ばぬ狂気の思考回路で構築したのは、驚愕のテクニックを匠の絵筆として描いた「自己の存在意義の探求の旅」の一大心象風景だ。

他の追随を許さぬ極度の突き抜け方のあまり聴き手まで追随することが不可能なのか(汗)、比較的穏やかな空気が支配する作風に惑わされ、正直、最初の何回しかはマターリとした安穏な空気に和んでいるうちに気がつけば終わってる・・・という76分間集中力が続かない状態だった。。。

・・・が、繰り返して聴き進めるうちにナニガナニガ、万華鏡のファインダーの奥で美しく蠢く幾何学模様のように、接触するものの感性や精神状態によって輝き方を変えるかの如き、優美なスリルに包まれた多彩なサウンドが挑む謎解きに、スカーリ夢中ですわ。

#2 “Deus Nova” でアナウンスされる人口増加の様子に比例して鰻登りするテンションが最高潮で解き放たれた瞬間に・・・もう「オレの自己は何処?」ってな旅人モードが見事にON。(笑)

その後は、常人には決して作り得ないフォーキーな風情に眩暈さえ覚える #3 “Imago (Homines Partus)”、ピアノの響きが車窓に流れる美しい山麓の風景と切ない思い出をリンクさせ清らかな涙を零れさす #4 “Pluvius Aestivus”、これぞ P.O.S. 節とも言える優雅なスリルが炸裂するハイライト・チューン #5 “Lilium Cruentus (Deus Nova)”、人声の威力に改めて畏怖の念を抱かざるを得ない #6 “Nauticus (Drifting)”、3部構成でじわじわ盛り上がる QUEEN 真っ青にヌーヴォーなアート・ワルツ #7 “Dea Pecuniae”、穏やかなアコギの爪弾きに載せて各国語で禅問答を問いかける #8 “Vocari Dei”、一転してドゥーミーなヘヴィさがダイナミックに弾ける #9 “Diffidentia (Breaching the Core)”、激しくインセインでサイコティックな狂気の美に包まれた #10 “Nihil Morari”、淡々としたアルペジオの反復が精神を麻痺させる小曲 #11 “Latericius Valete”、パイプオルガンが厳かに響く全てを粛清するかの聖歌 #12 “Omni”、泣きまくるギターが胸を抉るナイーヴなバラード #13 “Iter Impius”、そしてこれまでのテーマを総括するプログレッシヴな醍醐味満載のエスニックなテクニカル・ロック #14 “Martius/Nauticus II”・・・と、テーマも深けりゃ演者の懐を深いヴァラエティに富んだ作風の楽曲群を巡る旅路に酔い痴れるばかり。

単一のバンドとは思えないほどに曲毎に目まぐるしくスタイルを変えながら、終わってみれば不思議なことにこれまでの作品以上に統一感を感じる音像は、渦巻く鬱気を見事に芸術に昇華させた非常に情景的な風合いが心を引っかきまくるッスわ。

追ってリリースされる(んだよね?)DVD 版も超楽しみだ!

 (Nov. 07, 2004)

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SAXON 84
Lionheart (2004)

毎年行ってる Wacken Open Air に SAXON ってばこれまた毎年のようにメイン・アクト級として出演するんで、「え~また SAXON 観なきゃなのぉ~??」な~んて殺されそうに贅沢な戸惑いを口走りながらも、毎年巨大なステージで威風堂々と輝く彼らの超メタル・ヒーローなその勇姿には、完ッ全ッに現役であることへの驚きと共に最上級の敬意を表さずにはいられないんですわ。

そしてこの 16th アルバムには、イングランドが誇るヘヴィ・メタル・レジェンドである彼らの、現在進行形な若々しい正統ヘヴィ・メタル・サウンドがぎっしり封じ込められていると言ってもいいだろうね。

威厳に満ちた Biff Byford (vo) の年齢を感じさせぬアグレッションを滲ませる堂々たる歌声(年を経るごとに音域広くなってってない!?)、もはやすっかりメンバーとして定着した Doug Scarratt (g) のエキサイティングなギター・ワーク、今回から参加の Jorg Michael 親方 (dr) のネタかと思うほどに前のめりに疾走しまくるパワー・ヒット、そしてそれらが結実した叙情バランスに優れた楽曲群の攻撃性は 13th アルバム “Unleash the Beast” (1997) を上回るかの勢いで、他の若手に決して劣らぬ瑞々しいものだという事実には舌を巻くしかないわ。

タイトル・トラック #4 “Lionheart” は、間違いなく今後の彼らの代表曲となるだろう愁いに満ちたドラマティックな名曲よ。

 (Nov. 06, 2004)

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SYSTEM SHOCK 81
Arctic Inside (2004)

いくらバンド名があまりに安直だったとしても、それを理由に購入を見送るってのはチョイと考え物だね・・・ってことで、このところ質/量共に躍進著しい Karmageddon Media からデビューしたスウェーデンの新鋭メロディック・デス・メタラー SYSTEM SHOCK も、騙され覚悟で(苦笑)試しに買ってみたらコレがなかなか悪くない♪

デス・メタルのアグレッシヴな激情をベースにしながら美麗なゴシック風味を振りかけた、DARK TRANQUILLITY の近作っぽい硬派で叙情的な雰囲気を持ち合わせた音像なんだけど、その「ゴシック風味」の部分が耽美な王道路線から哀愁ノリノリ路線まで実に幅広いスタイルを消化した感じなのが面白いじゃん。

そしてこの SYSTEM SHOCK の持ち味であるメランコリックな息吹をさらに助長しているのが、たっぷりと聴こえてくるバンドの中心人物 Lukas Bergis (g) の手によるネオ=クラシカルなピロピロ・ギター!(嬉) テク的にはソコソコってレベルなので(汗)、弾けば弾くほどトッ散らかったB級(いやC級か?)な印象を強めてしまっている・・・ってのはまぁ置いとくとして、この華麗なギター・プレイが生むキラキラ哀愁スリルは、全8曲38分26秒を物足りなく感じさせる魅力として十分に機能しているッスわ。うん。

 (Nov. 05, 2004)

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THE RASMUS 89
Into (2001)

最新作 “Dead Letters” にて、そのセンチメンタルな胸キュン・サウンドでオレ様を見事にノック・アウトしてくれたフィンランドの哀愁ポッパー/ロッカー THE RASMUS の、2001年リリースの 4th アルバム。

後に “Dead Letters” で全体を支配するダークな耽美ゴシック風味はまだ萌芽の段階で、その代わりに快活なドライヴ感が推進力となっている軽快な作風。むしろ本作の方が文句なしに「超 SPITZ タイプ」かも。(笑)

とは言え、その旋律のメランコリックな胸キュン度合いは “Dead Letters” に決して勝るとも劣ってないんで、こっちもマジたまんない一品として胸に刻まれること決定ですわ。(嬉)

 (Nov. 03, 2004)

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TWILIGHTNING 86
Plague-House Puppet Show (2004)

フィンランドの自称マイアミ=ヴァイス・メタル・バンド(ってなんやそれ?)TWILIGHTNING の 2nd アルバム。

デビュー作では驚きの 80’s 北欧メタル・マインドに歓喜させられたが、本作でも主に Mikko Naukkarinen (key) のキラキラ・キーボードのレトロなピコピコ度の増幅が呼び込む、北欧メタルを取り越して L.A. メタル的とさえも言えるキャッチーな感触が心地よい。 オープニングのタイトル・トラック #1 “Plague-House Puppet Show” のイントロのドラム・パターンがいきなり “Dr. Feelgood”@MOTLEY CLUE だしね。(苦笑)

つっても決してアメリカ的・・・というわけではなく、成長著しい Heikki Poyhia (vo) の若き魂を弾けさす堂々たる歌唱が綴るメロディ、そして Ville Wallenius & Tommi Sartanen のテクニカル・ギター・コンビによる相変わらずやや線が細くもアメージングな悶絶ギター・コンビネーションが、楽曲群を北欧メタルならではの冷気漂う哀感で包んでいる様は、前作同様に見事に My 好みど真ん中。

ただ、プレイとプロダクションの質は上がれど、楽曲的には前作の方が微妙に充実してたかも? メロウさとスリルが好バランスで詰まった #4 “Victim of Deceit” はメッチャ気に入ってるけどさ。

速い曲は・・・外野から言われてやっと作って入れるくらいだったら、要らねーっつーの。

 (Nov. 06, 2004)

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XANDRIA 89
Ravenheart (2004)

普段はスリップ・ケース即捨てのオレ様に未だにそれを捨てさせていないという偉業を成し遂げたジャーマン・シンフォニック・ゴシック・メタル・バンド XANDRIA の 2nd アルバム。

その目を奪うジャケの主であるの麗しき女性シンガー Lisa Schaphaus 嬢のコケティッシュな萌え萌え可憐歌唱が映えるのは、WITHIN TEMPTATION“Mother Earth” で見せた壮麗さで EVANESCENCE のヘヴィなキャッチーさを包み込んだ高品質なフィメール・ゴシックだ。

この銀盤が高速回転を始めて数秒後には本作が名盤であると確信できる、このバンドが存在する限り永遠に代表曲として支持され続けるであろう超名曲レベルのオープニング・タイトル・トラック #1 “Ravenheart” をはじめ、サビのメロディを踏襲したイントロ・テーマが抜群のフックとして機能している場面が目立つ楽曲群は、メタリックなリフのプレッシャーをエレクトロなモダン感が中和しながらその周りでホーン/ストリングス・アンサンブルがメイン・メロディと対位する雄大な旋律をなぞるという素敵なもの。

欧州慕情が清廉たる雨粒となって石畳に弾け落ちるアコースティック・ユーロ・ポップ #4 “Eversleeping”、哀愁ハード・ポップ風味たっぷりに軽快にメランコリック・ドライヴする #7 “Answer” らのキャッチーなコンパクト・チューンを充実させながら、多くの曲の端々にスケールの大きい暗黒エスニック・テイストをもしっかりと滲ませるアーティスティックな作風は見事の一言だね。

出現頻度は少ないものの、悶々としたアコギの妙や何気に巧者っぷりを見せるウォームなエモーショナル・ソロなど、時折顔を出すギター・パートの上質さも◎。

ただ P.V. や他の写真見る限り、このジャケの Lisa タンってば1000枚撮ったうちの奇跡の一枚っぽいなぁ。。。(汗)

 (Nov. 19, 2004)

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YYRKOON 87
Occult Medicine (2004)

フレンチ正統メタル型メロディック・デス・メタル・バンド・・・だったはずの YYRKOON の 3rd アルバムは、ここに来ての大幅なスタイル・チェンジが驚きを誘う一枚。

80’s スラッシュ meets モダン北欧エクストリームというメロディック感漂う音像の中でスラッシーな濁声を押しのけて主張するクリアな普通声が印象的だった前作から一転、本作ではその正統メタル風味を脇役に降板させ、超絶なブラストとヴォエヴォエ Low ヴォイスが荒れ狂う様を大胆にフィーチュアしたテクニカル・ブルータル・ブラックという作風にチャレンジだ。

イントロに続く #2 “Doctor X” が一度もクリーン・ヴォイスが登場することなく終わった時点ではその変わり様に愕然とした・・・が、シンガー兼任ギタリスト Stephane Souteryrand がピンポイントで乱舞させるエモーショナルなテクニカル・ギターのフラッシーな輝きと助っ人ドラマー Dirk Verbeuren (SCARVE, SOILWOR) の常人離れした手足技をはじめとするハイ・レベルなテクニックに支えられた、ハイパーでありつつ地に足の着いたアグレッションがメッチャ心地よく、初聴時の心情の移り変わりは「ありゃりゃ? → あぁ、残念… → ん?まてよ? → おぉ、なかなかイイぢゃん♪ → スゲーーーーーーーーー!!」ってな感じ。(笑)

そうして聴いていると、今回脇役となった正統メタル風味が緩急の糧として機能しているそのバランスは実に絶妙な気がするし、所々に配された質の高い S.E. とシンフォ系を本職にしてるバンド真っ青の上質さを誇る悶絶オーケストレーションに見事にサポートされたブルータリティが超クリアなプロダクションで迫ってくる様の美味しさが新鮮に新たな味わいとして広がってくる。

あ、そうそう、ダークに蠢くテクニカル・リックに、ふと HEXENHAUS っぽさを感じた瞬間もあったわ。

 (Nov. 20, 2004)

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