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ALHAMBRA | 88 |
| A Far Cry to You (明日への約束) (2005) |
ジャパニーズ・プログレッシヴ・メタル・バンド ALHAMBRA のデビュー・アルバム。
デビュー作と言っても、その前身は 10年以上のキャリアの間に海外レーベルからも含めて3枚ものアルバムをリリースした MARGE LITCH・・・という、既にベテランと呼んでも差し支えないポジションに位置しているだけに、その内容は経た年輪相応の老獪な安定力を感じる非常にハイレベルな仕上がりだ。
「年輪」「老獪」と表現しながらも、その MARGE LITCH 時代に掲げていた“スーパー・ファンタジック・プログレッシヴ・メタル・シンフォニー”を一般メタルファンにも解り易い形に継承/進化させたかの超テクニカルで超ドラマティックな楽曲群は NOVELA 由緒の伝統的な日本語プログレ・ハードの基盤を根底に持ちつつ、現代欧州メロディック・メタルの疾走するスピード、様式美メタルのネオ=クラシカルなスリル、さらには InsideOut/MagnaCarta 系テクニカル・プログレのモダンさまでもを吸収/消化し、決してオッサン/ヲバハン風の保守的センスに留まり得ない“今に生きる新鋭プログレッシヴ・メタル・バンド”としての若々しい刺激に満ち溢れているのが◎ッスね。
普通に“メロディック・スピード・メタル・チューン”として悶絶疾走をかます #3 “Missing You”、悲愴なる叫びを乗せたドラマティックな三連チューン #4 “人形の家”、キャッチーなメロディが印象的な中庸ドライヴァー #7 “Faith” などに代表されるように、随所でメタリックに疾走したりネオ=クラシカルなユニゾン攻撃を決めまくったりと全体的にかなりメタル色の強い音像になっていながら、そのプレイとアンサンブルの感触は完全に真性プログレッシヴ・ロック的な物・・・という独特のバランス感覚が生む「深み」の存在が非常に美味しいんだけど、その大黒柱が“青髭のプリンセス”(笑)こと鍵盤麗人 Yuhki 様その人。
ギタリスト Goh Ikeda のスムースなネオ=クラシカル・プレイ(ライヴでのイマイチ弾ききれないもどかしさを完全に払拭した本作での録音は秀逸!)に対峙してスリリングに弾きまくる技量の高さはもちろん、海外の一線級にまったく引けを取らぬ天才的なプログレッシヴ・センスにもホント脱帽で、これを聴いてると GALNERYUS や ARK STORM での彼のプレイがまるで子供のママゴトのように思えてくるから不思議なもんだ。
ただ、紅一点の看板女性シンガー Junko Sera おねえさんの超ワイドレンジなクラシカル歌唱は・・・諸刃の剣だよなぁ。 どこまでも際限なく伸びる表現力たっぷりの歌声の飛翔感は心地よくも、時折感じさせるアニメの主題歌的な明快さを備えた歌謡フィーリングや、やや不安定気味な細かめのヴィブラートは、やっぱりちょいと苦手。。。
(Feb. 08, 2005)
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CAPHARNAUM | 83 |
| Fractured (2004) |
TRIVIUM のシンガーでもある有吉@猿岩石こと Matt Heafy がヴォーカル、そして MARTYR のギタリストと MONSTROSITY の6弦ベーシストも在籍するというある意味スーパー・バンド?(全っ然!/笑)な米国フロリダのテクニカル・デス・メタル・バンド CAPHARNAUM のデビュー・アルバム。
米国産らしい基礎体力の高さならではの力技で組み上げられた、コアとかエモとかと無縁の完全にデス・メタルなサウンドは、ブルータルでありながら非常にテクニカルなもの。 全8曲で29分42秒・・・と非常にコンパクトな作りながらまるで60分相当に匹敵すると思える音数を詰め込んだその激音は、DEATH の知的な整合アグレッション、CRYPTOPSY の破滅的な暴虐エナジー、そして MESHUGGAH の狂気の変態テクニックをすべて融合させたかのストイックな濃密さが爆発したもの。(ちょっと言い過ぎだけど…)
Matt ‘有吉’ Heafy (vo) のワイルドに響く野太い咆哮にも、若干19歳(!)の天才モンスター・ドラマー Jordan Suecof のアンビリーヴァボーな手足技が描く精密なモザイク画の如き轟音の壁にも十分に凄みを感じるが、そんな中で一際輝いているのがリード・ギタリスト Daniel Mongrain のアメイジングなスーパー・プレイ!
前述のように各楽曲は超コンパクトな尺ながら、その中で我こそが主役だとエゴイスティックに主張するギター・パートに於いてしっかりとメロディックに起承転結を奏でるウォームな超テクニカル・ギター・プレイはマジで魅力的。 彼が在籍する(した?)MARTYR って名前だけは知ってたけど音自体はこれまで未聴なんで、これを機会に是非アルバムを聴いてみたいな。
ただやっぱり、変態的な目まぐるしさを見せるそれぞれの楽曲の難解指数はかなり高くて、どの曲がどうだとイマイチ説明し辛いような複雑さに楽曲の芯の部分が埋もれてしまっている印象なのが、勿体無いというか自分にソレを読み取るスキルが不足しているのが残念というか・・・。この手の中では、いい意味でのストレートさを持ち合わせた比較的聴き易い部類であるのは間違いないとは思うんだけどね。
(Feb. 19, 2005)
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CONCEPT | 84 |
| The Divine Cage (2005) |
イタリアン XaMetaler CONCEPT の 2nd アルバム。
線が細くもナイーヴな旋律を流麗に疾走させる典型的イタリアン・メタルな音像の中で耳を捉えるのが、天才肌の鍵盤奏者 Andrea Mastroianni (key) の“真性”の香り漂うプログ・センスが冴える深みあるポンプ・エッセンス。
その Andrea を中心に、DGM にも在籍するテクニシャン Andrea Arcangeli (b)、STORMLORD の David Folchitto (d) らによる軽やかで爽快なテクニカル・リックを絡めた劇的なサウンドはもはや“プログレ・メタル”の範疇で、#5 “Out of Fashion”, #12 “Forget Me!”(日本盤ボーナス・トラック) というLABYRNTH か ATHENA かという飛び抜けた悶絶疾走イタリアンXaメトゥ・チューンを擁しつつも、それ以上に #1 “New Perspectives”, #11 “My Divine Embrace” で聴ける開放的に浮遊するポンプ・ロック風味に気持ち良~く笑顔がこぼれてしまうな。
さらに #7 “Changeover” では、イタリア語の歌詞を用いて本格的ユーロ・ポップ慕情を炸裂させるという禁じ手まで披露。 いや~、この曲ではギターが邪魔とさえ思えたデス。(苦笑)
・・・って、実は決して“苦笑”ではなくて、その曲に限らず全編に亘って Mariano Croce (g) のギター・プレイがカナーリ惜しい感じなのがチョイト残念。。。 ソロ・ワークではなかなか達者なファスト・プレイを弾きこなしてしるものの、肝心のリフを刻むリズムの切れの悪さが、やや甘めのプロダクションと相まって全体を締まりに欠ける緩めのサウンドにしちゃってる気がするんだな。
(Feb. 23, 2005)
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DELIGHT | 77 |
| Anew (2004) |
ポーランドのフィメール・ゴシック・メタル・バンド DELIGHT の 4th アルバム。
誠に残念ながら、シンガー Paulina Maslanka タンと2枚看板を張っていたロリ系♀キーボーディスト Barbara Lasek 嬢は脱退し、後任に Jakub “Cube” Kubica なるヘドバン野郎が加入。
で、この男が持ち込んだ風味なのかどうかはイマイチわからんけれども、作を重ねる毎に微妙に作風を変えながらも着実に侵攻を重ねる彼らが今回選択したのは、前作の王道耽美ゴシック路線から一転しての、大胆なデジタル・エッセンスとロー・チューンでうねるヘヴィ・リフを絡み合わせながら中腰で前方に垂らした頭を上下にバングする、エレクトロ・モダン・メタルの様相だ。
でも、全編に降り掛けられたそのテクノ寸前のミニマルなアンビエント・ノイズは、思いのほか心地好かったりするんだよね。 それが強調されたクールでクリアな音像のおかげで、Paulina タンの驚くほどに表現力を激増した激萌えS系視線が目に浮かぶような力強くも繊細な歌唱がさらに自信たっぷりに浮き上がってきたってな嬉しい副作用もあったし、バンドのスキルに合致した方向性には素直に喜べるですよ。
と、本作はバンドがやっとこさ居場所を見つけた感のある充実感に満ちてはいるんだけど、肝心の楽曲が決して悪くはないんだけどイマイチ響いてこない・・・というもどかしさを感じるのがやや残念だなぁ。 #10 “Sleep” なんか、15分の尺を持ちしかもそのタイトルがアレだもんだから超期待してたら・・・完全にミニマル・テクノなビートのみのインストだし。(泣)
でもいいんだ。エンハンスドで収録されたリーダー・トラック #3 “Emotune” の P.V. で、Paulina タン の口元から覗く歯列矯正の金具に萌えれただけで。(変態)
(Feb. 13, 2005)
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DIO | 67 |
| Master of the Moon (2005) |
Wacken Open Air 2004 での素晴らしいショウの余韻が未だにこの身に染み付いて離れない DIO の、記念すべきオリジナル・スタジオ・アルバム10作目。
その Wacken でのショウで「新曲」としてプレイされた本作収録の #6 “The Eyes” のあまりの退屈さに、この新作については完全に OUT OF 眼中だったが、今年に入ってのまさかの日本盤リリース後にチラホラと聞こえてきた「言うほど悪くないぢゃん?」ってな声に誘われるままに買っちゃってみたら・・・うむ、確かに想像したよりは悪くないかもねぇ。
一時のモダン方向への浮気から(って、今聴くと全然それほどでもないのが笑える)往年の正統的なスタイルに軌道を修正した “Magica”、そして続く前作 “Killing the Dragon” と同様の「いかにも DIO」なオーソドックスでストレートなヘヴィ・メタルが展開されている本作の中でもその #6 “The Eyes” はとりわけ地味な曲だったらしく、他の曲の中にはそこそこフックがあるものも存在したりして、そこでは我が崇拝対象である Ronnie の粘度の高い情念の熱唱がソコソコ楽しめたりはするんだけど・・・う~ん、やっぱどうしたって「ソコソコ」止まりなんだわさ。
馬鹿正直とも言える程のあまりにもな正攻法で組まれた、地に足の着いたリズムとシンプルなリフ、そして代わり映えしない色褪せたメロディが実直にメタル魂に訴えかけるも、前述の直近2作と曲をシャッフルしてもなんら違和感ない・・・ってゆーか、どの曲がどのアルバムだったか判別不可能なほどに地味極まりない平凡な楽曲群の前には、悲しさと寂しさそして無念さが募りまくるデス。
Ronnie はその常人離れした歌唱こそ老いて益々盛んな驚愕の強靭さを爆発させているものの、曲や旋律の創作についての才能は年相応の老人らしい枯渇っぷり(寂)だし、現パートナー Craig Goldy (g) も Ritchie からの影響を色濃く感じさせるギター・プレイ自体は魅力的だけれども相変わらず作曲能力は皆無だし(汗)・・・と、現状では完全に八方塞なんだけど、いつの日か、DIO の DIO たる DIO らしさを理解し尽くした強力なパートナーが出現して素晴らしい作品を作ってくれるに違いない・・・と根拠無く確信させるのが Ronnie James Dio マジック。
ってことで、もちろん死ぬまで期待し続けマスとも。
(Feb. 09, 2005)
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DOL AMMAD | 59 |
| Star Tales (2004) |
ギリシャの自称“エレクトロニカ・アート・メタル”バンド DOL AMMAD の 1st フルレンス・アルバム。
シンセサイザー奏者 Thanasis Lightbridge を中心にギター、ベース、ドラム(なんと Alex Holzwarth@RHAPSODY, PARADOX, AVANTASIA and SIEGES EVEN!!)の4人の楽器陣に、ショーパプっぽい妙なケヴァさに包まれた男女それぞれ6人ずつで構成された混声合唱隊を加えた総計16名様にも上る大所帯な一大楽団が奏でるのは、デジタルでスペーシーなエレクトロ・エピック・メタル。
・・・ってか、名手 Alex Holzwarth のメタル・ドラミングの心地よい疾走とそれにのって広がる美麗なシンフォニーと壮大なクワイアが誘引するドラマティックな音世界は一聴するに確かにシンフォニックなメロディック・メタル的ではあるんだけど、全編を支配するピコピコ・キーボードのレイヴなハイパー・ビートとリード・シンガー不在でクワイヤでメロディを盛り上げる半ばインストゥルメンタル・ミュージックに近い佇まいは・・・「テクノなトランス/ハウス・ミュージック」なんぢゃないの?コレ。 西麻布あたりのクラブで流れててもなんら違和感ナシだと思うもん。(汗)
ま、割り切って聴けば、アートワークの如くフラクタルに増殖する宇宙的なアンビエントが意外にも心地よかったり(Windows Media Player で視覚エフェクト掛けながら聴くと結構クる~♪)、ここまで緻密かつ大胆なサウンド・スケープを見事に構築した Thanasis Lightbridge にはある種独特の才能を感じたり・・・と決して悪くない面もあるんだけど、メタリックな高揚感的にはカナーリ期待はずれ。。。
(Feb. 08, 2005)
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DRACONIAN | 92 |
| Arcane Rain Fell (2005) |
♂♀ツイン・ヴォーカルを擁するスウェーデンの7人組ゴシック・メタラー DRACONIAN の 2nd アルバム。
精悍なる野獣 Anders Jacobsson (♂vo) の煉獄にまで響かんとするディープな死の咆哮と、美しき歌姫 Lisa Johansson 嬢 (♀vo) の艶やかに輝くクリアな萌え歌唱が美醜のコントラストを鮮やかに描くヘヴィでスローなダーク耽美ゴシックは、前作同様に Travis Smith の手によるナイスな陰鬱絶望アートワークをそのまま具体化したかのメランコリックな重苦しさで全編を包んだ壮大なる暗黒絵巻。
壮麗なシンフォニック・アトモスフェアを身にまとった荘厳な重量感に包まれたザクザク・リフの圧力が、その上に乗る思わず泣きを誘う凄絶なる哀愁フレーズを垂れ込める暗雲に向けてゆっくりと放射する大スケールのドゥーミィーな楽曲群は、前作で垣間見られた正統メタル的な躍動感をやや希薄にする代わりにフューネラル度をグッと高め、漆黒の闇に渦巻く救い無き絶望感を倍化させた、バンドとしてより焦点を絞れてきたかの勢いと自信に満ちた出で立ち。
沈み込むような陰鬱で暗いサウンドでありながら、中心人物 Johan Ericson (g) による耳を惹くギター・フレーズをキーとした叙情メロディの妙と、“Icon” ~ “Draconian Times” 期の PARADISE LOST に通じる緩急の工夫、そしてこの手のバンドにしては異例なほどに煌びやかなプロダクションもあって、非常に聴き易い音像に仕上がっているというその絶妙なバランスの良さも素晴らしいの一言だ。
9分超のオープニング・チューン #1 “A Scenery of Loss” から一気にその暗黒世界に引き摺り込まれたら最後、その後は押し寄せる重く美しい大曲群の波に溺れる心地よい窒息感に酔うばかりですわ。そして・・・ラストに待ち受けた激泣きを禁じえない極限の哀しみに溢れた15分を超える長大な暗黒慕情 #8 “Death, Come Near Me” で、完ッ全ッに溺死!!
ううむ、やっぱメッチャいいバンドだなぁ、DRACONIAN。THE SINS OF THY BELOVED 亡き後(って解散したっけ?)、この路線の主としてよろしく頼んます。
(Feb. 01, 2005)
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DREAMTALE | 88 |
| Difference (2005) |
フィンランド産メロディック・メタル・バンド DREAMTALE の 3rd アルバム。
いやはや、化けた化けた! 本作から新たに加わったニュー・シンガー Jarkko Ahola が堂々と響かす強靭なワイド・レンジ歌唱を圧力高く封じ込めた結果、以前から内包していたクッサい美麗劇メロと楽曲パターンの豊富さが見事に開花したかの楽曲群は、これまでの煮え切らなさが嘘のように魅力的に響く響く。
新生への意欲が漲るスピーディな剛健オープニング・チューン #1 “Lost Souls” とそれに続くイントロから既にガッツポーズ必至のキラキラ疾走が映える #2 “Wings of Icaros” らの得意のスピード・パートを充実させると同時に、LORDI にも通じる 80’s MTV テイスト(+やや唐突なアイリッシュ風味)が美味しいキャッチーな #3 “New Life”、Jarkko のパワー一辺倒ではないメロウな魅力が発散する感涙アコースティック・バラード #7 “Sail Away” らのミドル~スロー・チューンもバランス良くレベル・アップさせているのが超ナイス。
それにしても Jarkko Ahola、いいシンガーだなぁ。高音域での気張ったガナりは My 好みからするとやや押しが強めの印象を受けるけど、その自信に満ちたしっかりと芯のある安定した歌唱の、バック陣の相変わらず稚拙な直線的プレイアビリティを補って余りある存在感の強さはホンっト頼もしい限り。
もちろん、この DREAMTALE を語る際に忘れちゃいけない“お家芸”のパクリッシュ・テイストも、訴訟寸前に SONATA ARCTICA(笑)な #6 “World’s Child”、なんとなくしかし明らかに STRATOVARIUS な #9 “Secret Door” などこれまで同様に確実に散見できるんだけど、それらのパクリッシュな印象を上回る魅力&勢いの前には「愛すべきファニーな要素」として微笑ましく楽しめるですわ。
この飛躍で、少なくとも THUNDERSTONE と同格にはなったかな?
(Feb. 23, 2005)
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EQUILIBRIUM | 87 |
| Turis Fratyr (2005) |
ドイツから出現したキラキラ・シンフォニック・ヴァイキング=デス・メタルの急先鋒 EQUILIBRIUM のデビュー・アルバム。
バンド・ショットを見るとまだまだ相当に若そうだけど、その印象から連想できる「未熟さ」を微塵も感じさせない安定プレイで演奏される大仰なオーケストレーションをキラキラと輝かせながらフォークロア風味たっぷりにクッサクサに疾走する勇壮なるヴァイキング・メタルの相当なクオリティの高さには、マジでビクーリ!
その超ドラマティックな疾走っぷりは「デス声の民謡メロディック・スピード・メタル」と形容できるほどに壮麗な煌びやかさに包まれているんだけど、シンガー Helge Stang のブラックな絶叫とロウなグロウルを共有する慟哭デス・ヴォイスの迫力の咆哮が、デス・メタルの異形たる陰をしっかりと落としてしるのがポイント高いね。
とにかく、アルバム・タイトルを冠したイントロダクション #1 “Turis Fratyr” を経て、#2 “Wingthors Hammer” の勇壮なシンフォニック・イントロに続く♪イ゛ヤ゛ア゛ーーーーーーーーーーーッ!ってな哀切絶叫が聴こえた瞬間に完全に降参。。。 その後は、笛系乱舞の超絶疾走を女声独唱で〆るキラー・チューン #5 “Widars Hallen” に代表される、スケールの大きく展開する哀しみ大爆発な楽曲群に悶絶しっぱなしッス。
まぁ、所々でワンパターンだったりギターの活躍が少なかったりする物足りなさを感じるのも事実だけど、このエピックなサウンドのファースト・インパクトは絶大。 TURISAS, WINTERSUN に続いてよくもオレの前に登場してくれた!って感じですわ。(笑)
ちなみに、今回買った限定デジパックのボーナス・トラック #13 “Shingo Murata” の曲名は、日本を代表するヴァイキング・メタル情報サイト CHARIOT OF POWER ( http://www1.vecceed.ne.jp/~ognis/ ) の管理人 力戦車さん の本名だそうな。(笑) 曲中で架空の物語が始まっちゃうナイスな妄想レビュー・・・大好きデス♪
あ、ベーシスト、Sandra Volkl ちゃんって女の子なんデスけど・・・マジ少女っすよ!少女! 少女がヴァイキング・メタル ・・・ハァハァ(;´Д`) ってことで、Wacken で最前確保が今ここに確定 Death。
(Feb. 15, 2005)
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JOE LYNN TURNER | 86 |
| The Usual Suspects (2005) |
オレ的に Joe Lynn Turner のソロ作品って、新作がリリースされる度にこの身に染み付いた“RAINBOW 原理主義体質”が疼きながらも、彼の基本路線である大陸的ハード・ロックのドライな質感を勝手に予想してイマイチ躊躇~後回しにしちゃう・・・ってのがだいたいいつものパターン。
でも、1st “Rescue You” だの梶山参加の “Holyman” だのって傑作が例外的に出てきちゃう可能性も無きにしも非ずだから、そうそう簡単にはパスし難いんだよね~。・・・ってことで、この7枚めのソロ・アルバムはそんなダメモトな意識とは裏腹な、その“例外”に該当するナイスな出来だったのが嬉しい誤算♪
基本的な音像こそ、既に彼に心底染み付いているであろう前記のようなブルーズ・ベースの乾燥気味な感触なんだけど、エッジーなリフのタフさとマイナー調メロディのメロウな風合いがイイ塩梅の協調を見せる「メロディック・ハード・ロック然」とした楽曲群の指し示す方向が、彼の憧憬対象である FOREIGNER そして多くのファンが求めているであろう後期 RAINBOW の名を思い浮かばせるモノになっちゃってる!ってトコロが、嫌でもツボを突いてしまうんデスわ。
冒頭を飾るエネルギッシュにドライヴで掴みは OK の哀愁メロディック・ハード #1 “Power of Love”、職人 Al Pitrelli (g) の史上最速プレイ(笑)が疾走するファスト・チューン #3 “Jacknife”、Rhodes ピアノの揺らめきがアーバンにスウィングするアダルトな #4 “Really Loved”、狙いすましたかの “Street of Dreams” 系極上メロウ・チューン #5 “Rest of My Life”、まさに「be FOREIGNER!」な #8 “All Alone”、ENUFF Z’NUFF に通じる郷愁が心地よい #10 “Live and Love Again”・・・と、Joe の適度に枯れたベテラン・ヴォイスが清涼と哀傷を見事にコントロールする佳曲揃い。 サビに差し掛かるとサァーッと世界が広がるかの非常に印象的な旋律が多く聴かれるのも高ポイントだね。
Al Pitrelli (g), Karl Cochran (g), Paul Morris (key/ex.RAINBOW), John O’Reilly (dr/ex.RAINBOW, WESTWORLD) その他の JLT フレンズ・・・いや JTL ファミリーと言ったほうが相応しいメンツによるケミストリを感じる円熟のプレイも聴き応えアリ。 John O’Reilly のラウドな実直ドラミング・・・好きだナァ。
(Feb. 25, 2005)
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KAMELOT | 91 |
| The Black Halo (2005) |
米フロリダ産メロディック・メタル・バンド KAMELOT 待望の 7th アルバム。
前作 “Epica” で歌われた戯曲 “Faust” ベースのストーリー/世界観を引き継ぐ続編となる本作は、その “Epica” を含む前3作で聴けた明快に飛翔するスピード感はやや抑えめに、プログレッシヴな密度を高めて重厚かつ繊細にドラマを描写する手法を選択した成熟の一枚。
正直、最初通して一周聴いた時は、このややマターリ気味に進行する長丁場に冗長さを感じてしまったりもしたけれど・・・ナニガナニガ! #2 “When the Lights are Down”, #4 “Soul Society” らのキャッチーな勢いのスピード・チューンズはもちろん、#8 “Moonlight” に代表される繊細なシンフォニック・アレンジにしっとりと包まれたミドル・テンポの佳曲群と微サイバーな近未来感が心地よい S.E. とが絡み合いながら本作のハイライトである大作 #12 “Memento Mori”(タイトルからして激ヤヴァ!)に向かってクライマックスを形成していく様たるや、まさに叙情ドラマ・マスター KAMELOT ならではの独壇場じゃん。
直近の作品で外側に向けていた濃密な情念の放射口を今度は内側に180度方向転換させたかの、即効性の高い悶絶の爆発に重きを置いた “Epica” と対を成すに相応しい奥ゆかしく神秘的な味わいは、酔い痴れるほどに旨味の増す上質感満点の代物。ジックリと歌詞を読みながら物語への没頭を繰り返すに連れて、静かな高揚感がこの身にどんどん染み渡って行く気持ちよさったら至福の一言ッス。
そして何が嬉しいかって、Khan(って、表記上はファミリー・ネームだけになったん?)唯我独尊の「夜露にそぼ濡れ歌唱」から滴り落ちる変な汁の量が、これまでになく多めなんだよね~。 超多い日も安心タイプって感じ。(笑) 必殺バラード #6 “Abandoned” をはじめ全編で漏れ出す過剰なまでに情感を込め過ぎた吐息がイヤホンを通じて耳の内側に吹きかかる度に、頬を赤らめながら膝から崩れ落ちてしまいマス。。。(恥)
まぁ、なんとなく聴き覚えのある節回しやリズムが頻発したり、Thomas Youngblood 先生 (g) の几帳面で真摯な硬質ギター・プレイに相変わらず堅実過ぎるキライがあったり、Glenn Barry (b) & Casay Grillo (dr) のリズム隊がやや大人しめに思えたり、Jens Johansson (key/STRATOVARIUS), Simone Simons タン (vo/EPICA), Shagrath 様 (vo/DIMMU BORGIR), Mari 嬢 という美味しいゲスト陣がの登場頻度がイマイチ物足りなかったり・・・という気になる点もいくつか存在するけど・・・んなことはチョー些細過ぎて書くまでもないってことで。(と言いつつ書いてるけど ^_^;)
(Feb. 18, 2005)
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KIKO LOUREIRO | 94 |
| No Gravity (2005) |
ブラジルの至宝 ANGRA のスーパー・ギタリスト、Kiko Loureiro 待望の初ソロ・アルバム。
#1 “Enfermo” の目くるめく超絶技巧の大爆発で幕を開ける本作は、ヘヴィ・メタル・シーンのみならず広い音楽界に生息する全てのギタリストを並べて眺めてみても明白にトップ・レベルに位置している確信できる、造詣に満ちまくった特一級品のセンスとテクニックを封入することに成功した渾身の一撃だ。
現在の ANGRA にも色濃く滲ませているヘヴィ・メタル、クラシック、ラテンの響きを中心に、さらにジャズ/フージョンからニュー・エイジに至るまで彼の中に息衝く全てのエッセンスを注入した楽曲群は、彼のオールマイティなアビリティのそれぞれの要素をとことん突き詰めた驚異的な技巧とそれがもたらす極上の表現力を存分に堪能し尽くすことができる逸品揃い。
悶絶メロディック・メタルの高揚感とワールド・ミュージックのリラクゼーションを同時に味わえるヴァラエティな楽曲はどれも魅力的な個性に満ちてるんだけど、特に気に入ったのは、初期 Vinnie Moore/Tony Macalpine 風味バリバリの 超 Shrapnel Recordsタイプな #2 “Endangered Species”(まさかこの時代にこのスタイルの極上チューンが聴けるとは思わなかった!!/号泣)、ブラジリアン・リズムとメロディック・メタルが完璧な調和を見せながら飛翔する“Kiko Loureiro 全部入り”な #5 “Pau-de-Arara”、そしてこれまた Vinnie Moore の今度はメロウ・サイドを想わせる #6 “La Force de L’ame”・・・ってこれじゃまるで Vinnie Moore フォロワーみたいぢゃん!?(笑)
ってことで、かつての四天王時代から約20年弱・・・21世紀に登場したギター・インスト・アルバムの最高峰だコリャ。正直、まさかここまで凄いの作ってくるとは思わなかった。やっぱスゲーわ、Kiko。(Hail)
そして Mike Terrana (dr/RAGE etc.) は・・・相変わらず文句無しに“神”ってことで問題ないッスよね?。
(Feb. 26, 2005)
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KORPIKLAANI | 89 |
| Voice of Wilderness (2005) |
フィンランドの森深くに棲む乱痴気フォーク・メタル7人衆(現在は専任アコーディオン奏者を加え8人衆らしい)KORPIKLAANI の2nd アルバム。
前作のリーダー・トラック “Wooden Pints” の P.V. を歴史的名(迷?)P.V. たらしめた、山小屋からひょっこり飛び出るや操り人形の如く謎の脇腹ポジションでヴァイオリンを無表情で奏でる Hittavainen (fiddle, pipes, etc.) と地面に据えた太鼓を渾身でアホのように鬼打撃し続ける Ali Maatta (percussion) らのファニーな爆笑天然パフォーマンスは、この KORPIKLAANI の知名度を一気に上昇させる反面、確実に「ネタバンド」としての認識をも植え付けていたと思う。
が、本作を聴いてビックリ! 芳醇な生楽器が響く古来の民謡フレーヴァーを猛烈に疾走するヘヴィ・メタルに完全に融合させた独特のサウンドは、整合感と鋼度を共にフル・チャージさせ驚くほどに大成長。 その意外なほどのクオリティの高さは、輸入盤ヲタ向けのマニアックな存在だったバンドの立ち位置を一気にフォーク・メタル・シーン(狭そう~/苦笑)のトップ=ビルにまで駆け上がらせるかの、これまでの色物的見方を一笑に付す充実っぷりだ。
物憂げなヴァイオリンがエネルギーたっぷりのアグレッシヴな爆走をリードするオープニング・チューン #1 “Cottages & Saunas”(邦題:“サウナでひとっ風呂”)、悶絶アンデス系哀愁フルートに昇天の激走インスト #4 “Pine Woods”(邦題:“魔の森に立ち向かえ!”)、アコーディオンの哀しき音色が耳に焼き付いて離れない #6 “Native Land”(邦題:“大自然って気持ちいい”)、そして♪アヤ~ヤヤァヤァ!の絶唱が木霊する代表曲たる名曲 #7 “Hunting Song”(邦題:“「狩り」こそ漢の宿命”)など印象的な楽曲テンコ盛りなこのならず者どもの酔いどれ疾走メタル・パーティは、ダミ声ながらしっかりと旋律感を保持した Jonne Jarvela (vo,g) の無骨な山賊歌唱が人間の本能に訴えかけるプリミティヴなリズムに乗って作り出す、完全に参加型のキャッチーなフックがなんとも魅力的。
そしてやっぱり、この KORPIKLAANI のキー・マンは Hittavainen その人だとも痛感したね。彼が飄々と振り撒く本格的にフォークロアなトラッド・テイストの、“泣き派”としてはどう考えても放って置くこと不可能なただならぬ哀愁ったら・・・ンモ~、メッチャ心地よいの一言ですわ。
ってな感じで、「ねぇねぇ、“フォーク・メタル”ってどんなのぉ?」って一般ギャルに甘え声で訊かれた時には、迷うことなく本作をお手本として提示するですよ。 さすれば、来日公演時には一緒に Hittavainen! Hittavainen! と喉が枯れるまで連呼しながら輪になって踊ってることは必至っしょ。 おぉ、なんて素敵なエクスタシ~。
(Feb. 10, 2005)
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KREATOR | 80 |
| Enemy of God (2005) |
ジャーマン・スラッシュの重鎮 KREATOR の約4年ぶりとなる 11th アルバム。
昔からジャーマン・スラッシュの類は DESPAIR と PARADOX くらいしか好みにヒットせず、この KREATOR も“三羽烏”とされる SODOM,DESTRUCTION とともにイマイチ興味の対象外だったりするんだけど、本作の「メランコリックなギター・プレイが充実!」という巷での好評っぷりが気になって久々に購入。
オレ的には彼らが “Outcast” ~ “Endorama” で見せたダークで重厚なゴシック風味こそが魅力的だと思えていただけに、スラッシーな原点に戻ったという本作の風評はいささか心配だったが・・・オープニング・チューン #1 “Enemy of God” を聴いてホッと一安心。 歯切れ良いスピード感と圧し掛かる重量感がバランス良く対峙する古典的なスラッシュ・メタルは思いのほか気持ちよくて、理屈抜きで自然と頭が前後に激しく揺れるもんね。
生身のアグレッションが剥き出しになった鞭打つ刺々しさの中に、前述の2作で培ったダークな叙情美がちゃーんと息衝いていたのも嬉しく、Gothenburg 系メロディック・デス風味の慟哭を塗した #6 “Voices of the Dead”、ヘヴィな悲壮感を漂よわす #10 “Dying Race Apocalypse”、そしてメロディックに疾走する #11 “Under a Total Blackend Sky” からメランコリックに繋がるドラマティックな終曲 #12 “The Ancient Plague” の流れには、思わず色んな物がググッとこみ上げて来たデスよ。
しっかし、古参バンドでありながら、こうして新鮮なエネルギーをガッツリと封じ込めた作品を提示してくる Mille Petrozza (vo, g) の本気度には、マジ恐れ入るわ。 そうして敬意を払いながら聴くと、彼のテンションが張り詰めた絶唱も“漢のカッコよさ”に満ちているようだ。(ホントは彼の歌、あんま好きじゃないんだけどね~/苦笑)
結局、最初期待したギター・プレイ自体は客演の Michael Amott (g/ARCH ENEMY, SPIRITUAL BEGGARS) のプレイを含めてまぁ KREATOR にしてはソコソコ悪くないかもなぁ・・・って程度だったんだけど(失礼/汗)、それ抜きに、楽曲自体が発散するエネルギーに計らずもスラッシャー魂を揺さぶられてしまったカタチ・・・。
(Feb. 18, 2005)
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MIDNATTSOL | 85 |
| Where Twilight Dwells (2005) |
「真夜中の太陽」という意味を持つバンド名を掲げた、ノルウェーの(メンバーにはドイツ人もいるけど)新たなフォーク・メタル・バンド MIDNATTSOL のデビュー・アルバム。
かの CRADLE OF FILTH の Nymphetamine ツアーにも同行してたらしい純白の歌姫 Carmen Elise Espanaes 嬢 (vo) が THEATRE OF TRAGEDY のゴシック女王 Liv Kristine Espanaes 姐さんの実妹ってことから「王道フィメール・ゴシック・メタル」かと思いきや、確かにそう言っても決して間違いない耽美な暗黒臭はあるものの、このしっかりとトラッド/フォーク風味のヘヴィ・メタルな音像は「フォーク・メタル」と呼んだ方がしっくりくるかもね。
容赦なくツイン・バスを踏み込む勢い良いリズムに乗る、2本のギターと鍵盤が生みだす即効性の高いケルティック・アンサンブルのヘヴィ・メタルな疾走感、そして Carmen 嬢の朴訥歌唱がなぞるキャッチーなフォークロア・メロディが、時に融合し時に対照的に落差を演じたりしながら北欧神話世界を悶々と綴るミスティックな叙情サウンドは、いそうでいないナカナカ絶妙な路線のような気もするなぁ。
Carmen 嬢の、Liv 姐さんよりは当然オーラ薄めながらどことなく血統めいたものを感じさせなくもない(←完全に先入観)“ややフワ歌唱”は、抑揚が希薄な分やや淡白な印象も受けるけど、その素人クサさが逆に素朴な民謡色を強める好結果を導いている・・・と思えるのはやや贔屓目かな? 実際、#3 “Unpayable Silence”, #5 “Desolation”, #9 “Paleting”, #11 “Tapt Av Hap” らの BLACKMORE’S NIGHT に通じる味わいもあるメタル色薄めのメロウ系チューン群では、非常に魅力的に北欧フォーク風味を醸し出してるし。
#11 “Tapt Av Hap” で聴ける、TNT “End of the Line”, KAMELOT “Forever” でも聴き覚えのある Edvard Griegs の “Solveigs Sang” のフレーズの引用も印象的だけど、オレはやっぱ #3 “Unpayable Silence” の悶絶泣きメロディがカナーリ気に入ってマス。
あッ、Carmen 嬢と共に“紅二点”として君臨する Birgit Ollbrunner タン (b) の存在も忘れちゃいかんッス! S系! 性悪! 踏んで(以下略)
(Feb. 01, 2005)
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MYSTIC PROPHECY | 59 |
| Never Ending (2005) |
Gus G. 率いるパワー・メタル・バンド MYSTIC PROPHECY の 3rd アルバム。
ストロングなリフ/メロディが邁進するオーセンティックな80’s風味のパワー・メタルは、冒頭に配置されたリーダー・トラック #1 “Burning bridges” に代表されるようにややキャッチーさを増した気がしながらも、即座に FIREWIND と区別が付きにくい(苦笑)地味ぃな感じは相変わらず。
捻りの少ないシンプルなアレンジの楽曲がこれまで同様やっぱ退屈なのはまぁ予想の範囲内だとしても、その上でエモーショナルに暴れまくるハズの Gus G. のプレイまでもが凡庸なフレージングを繰り出すのに終始しているのが、天性の悶絶タッチだけは従来通りのものであるだけになんとも辛い。。。
・・・うーん、DREAM EVIL 辞めないで欲しかったなぁ。(泣)
(Feb. 22, 2005)
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NECROPHAGIST | 83 |
| Epitaph (2004) |
ドイツ産テクニカル・ブルータル・デス・メタル・バンド NECROPHAGIST の 2nd アルバム。
いや~、凄いわ。。。(呆) ナニが凄いって、基本的には超速ブラストとヴォエヴォエ濁声がケイオティックに渦巻く「ゴア・メタル」とさえ呼びたくなる豪胆なサウンドでありながら、Muhammed Suicmez (g,vo) & Christian Muenzner (g) の超テク・ギター・チームが寝ても覚めてもスウィープ/アルペジオを連発するネオ=クラシカル・プレイが、有り得ないくらいに超ピロピロなのがメッチャ頼もし過ぎなんですわ。
冒頭の #1 “Stabwound” のイントロで炸裂する粒の超揃った端整なスウィープ一撃で感動的にノックダウン必至の、自己満足的欲を爆発させながら目まぐるしく展開するネオ=クラシカル・ブルデスは、NILE から神秘性を取り去ったその空洞部分に WATCHTOWER の不条理なテクニカルさを注入したかの実に変態性に満ちたものなんだけど、リフがほとんど単音・・・つかずっとスウィープしまくりだったりするので(祝)その音像自体が「軽快でスマート」というブルデスとしては致命的な表現が適当なものになってたり。。。 が、そんな大きなリスクを犯してまでも、至高のエッセンスたる「ネオ=クラシカル」に憧れ、自らもその高みに近付こうという崇高な精神は、痛いほどこの身に迫ってきますとも!(笑)
でも、思わず INTO ETERNITY の名を想起させるプログレッシヴに流れる滑らかな高速プレイの連続が“ネオ=クラ度”的にはここ数年聴いた中でも相当に高い部類に入ると確信させつつも、オレがネオ=クラシカルなギター・ワークに求める「優美な悶絶感」にはイマイチ繋がってはいない気がするそのやや機械的なプレイの質は、後半ちょっと飽きを誘うかなぁ。
・・・って、本来はブルデスなんだから、ソコまでネオクラ的満足感を求める方がオカシイっちゅーの。(狂)
(Feb. 08, 2005)
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NOVAK | 83 |
| Forever Endeavor (2005) |
スウェーデンのプログ・メタル・バンド MIND’S EYE のシンガー Andreas Novak (vo,g) が自身のファミリー・ネームを冠したソロ・プロジェクト NOVAK のデビュー・アルバム。
MIND’S EYE での盟友 Daniel Flores (dr,key,produce/MIND’S EYE, TEARS OF ANGER) と Mathias Garnas (b/XSAVIOR, BENNY JANSSON BAND) の両名を音楽的ブレインに迎えて創作したのは、意外にもソフトな感触のメロディック・ロック。
しかも、Andreas の暖かな自然体の歌声が適度の愁いを滲ます楽曲は TERRA NOVA あたりの快活微哀愁メロディック・ハードと SURVIVOR 的な 80’s アメリカン産業ロック的なサウンドの中間あたりに位置する、落ち着いた A.O.R. 風味にも包まれた嬉しいスタイルだ。
買った動機こそ、上記主要メンバーの人脈からスカウトした多数のゲスト陣の中に Johnny Ohlin (g/DYONYSUS), Benny Jansson (g/TEARS OF ANGER etc.), Kristian Niemann (g/THERION) というそそられる超絶ギタリスト達の名に食指を動かされて・・・というやや不純なものだったんだけど、聴いてみたらこれが各楽曲の内容や全体の雰囲気もケッコウ好みで、思わぬ儲けモノ~って感じ。
正直、ゲスト・ギタリスト陣の各プレイはそれぞれの個性をコンパクトに凝縮して燃焼させつつもそのフィーチュア度はかなり低めで(ってゆーか Andreas 自身のギター・プレイがメッチャ上手くてビックリなんだけど!)、そのあたりに関してちょいと過剰な期待をし過ぎだったなぁと思うし、楽曲も押し並べて平均点以上の出来だとは思うけれども今のところはも突き抜けた即効性にイマイチ欠ける感じ・・・ではあるんだけど、この高品質の本格派メロディック・ロックの“畑違いのアーティストによる突発的なプロジェクト臭”が希薄な「このスタイルこそが彼が持って生まれた物」と思える堂々とした統一感は、思いのほか魅力的なんだよね。
ドライヴの BGM として風景に溶け込ませながら聴き流すも心地良く、また一歩踏み込んで聴き込めば MIND’S EYE 譲りの緻密なアンサンブルに支えられた旋律の妙が染み入る、きっと今後末永く聴き続けるであろう一枚になりそうなヨカーン。
(Feb. 26, 2005)
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RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY | 89 |
| The Astral Episode (2005) |
孤高の鍵盤魔人 Richard Andersson によるパクリッシュ・プロジェクト RICHARD ANDERSSON’S SPACE ODYSSEY の第2弾。
・・・と思いきや、前作で聴けたクラシカル・メタルの先人達への敬意を素直に露わにしいていた“オマージュ・メタル”と称せた程の凄絶なパクリッシュ・テイストは、元祖パクリッシュ魔人 Marcel Jacob (b) との奇跡のパクリッシュ・コラボレーションを解消したせいか、本作では意外にも控えめ。(つっても、他の普通のバンドに比べたらこれでも十分に各所からの引用満載なんだけど/汗)
それどころか、本来 TIME REQUIEM の方でアピールするべきなんぢゃないの?と怪訝に思うほどにスリリングなプログレッシヴ・テイストを大胆に激増させた長尺なドラマティック・チューンズってば、これまでの Richard Andersson 作品になかった程にトータル・バランスに長けた佇まいぢゃン!?
その理由はきっと、各メンバーの力加減がこれまでになく絶妙に均衡していると感じられるからなんだろうな。 電子楽器の限界に挑戦するエモーショナル・スリルが嬉しい眩暈を誘発する頭領 Richard Andersson 先生の度外れたゴリ押しっぷりは相変わらずなんだけど、それとガップリ四つに組んだ Magnus Nilsson (g,b), Nils Patrik Johansson (vo) らの名演が生んでいる“バンドっぽさ”が実にイイ。
Ronnie James Dio 由緒の Tony Martin 系ながら今やそれらを完全に消化しきった“超 Nils Patrik Johansson タイプ”と冠したくなる Nils Patrik Johansson の、当社従来品比6割9分増しの過剰な情感注入と時折見せるクリアな素面の落差に激萌え必至な比類なき熱唱と、これこそが TIME REQUIEM との差別化だとばかりに強力にフィーチュアされた Magnus Nilsson のウォームなネオ=クラシカル・ギター・ワークが運んでくる“ヴォーカル&ギター主導”の感触こそが、本作のバランスの良さのキモなのかも。
ちなみに最近 PLATITUDE にも加入したらしいニュー・ドラマー Andreas Brobjer は、若干17歳(!!)にして既に手数王な超 Virgil Donati タイプ。 まだまだ時折「言われたとおりに叩いてます」的なお行儀のよさが垣間見えつつも、こりゃ十分に驚愕レベルな逸材だわ。
そんなツワモノ達が、ヘヴィに燃え盛る旋律の程よい隙間感の中で、技と技で語り合いながらネオ=クラシカルなリックを縦横無尽に飛び交わす様に、「Richard Andersson ミュージック」が新たな領域に踏み込んだ瞬間を見たような気がしたな。
(Feb. 25, 2005)
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RIVERSIDE | 90 |
| Out of Myself (2004) |
ポーランドから登場したダーク・プログレッシヴ・ロックの新たな巨星 RIVERSIDE のデビュー・アルバム。
「その手のバンド」ご用達の Travis Smith の手による彼ならではの苦悩が滲む内省アートワークから容易に想像できるとおりの「その手の音」なのだが・・・これが東欧の無名アーティストのデビュー作とは想像し難いほどに、「その手の音」としての驚愕の完成度を誇っていてマジビックリ。
冷ややか情感を拡散するキーボード・ワークとウォームなエモーショナル・ギターの奇数拍子の変則反復の上で、穏やかなジェントル・ヴォーカルが言葉少なに人生の迷宮を彷徨う不安と葛藤を綴るのは、PORCUPINE TREE, OPETH, ANATHEMA, そして PINK FLOYD らが引き合いに出されるのが至極納得のメランコリックな陰鬱ネオ・プログレ。
レーベルが米 THE LASER’S EDGE である影響かの(典型的先入観/笑)ポーランド産であるが故の東欧独特の辺境っぽさ希薄な英米的垢抜け方のクリア・プロダクションで奏でられるサウンドは、楽曲のクライマックスに向けては秘めた演奏力の高さを惜しげもなく見せ付けながらプログレッシヴ・メタル的にガッ!ガッ!と燃え上がる様子も垣間見せつつも、基本的には淡々と寂寥感を募らせるソフトでアダルトな感触で、暗く沈みながらもしっかりと叙情的なメロディに覆われているのが◎。
オレとしては、オープニングいきなりの12分の大作 #1 “The Same River” をはじめ全編で鳴り渡る Piotr Grudzinski (g) の Andy Latimer かはたまた Steve Rothery かという泣きまくりの浮遊ギターのムーディな質感のおかげか、前述のバンド群はもちろん CAMEL や MARILLION の面影をより色濃く感じるかも。
シンガー Mariusz Duda (vo,b) の Daniel Guildenlow ライクな知的な優しさに満ちた歌声が乗って醸し出す、仄かな PAIN OF SALVATION 風味も相当にタマランです♪
いやはや、陰鬱プログレに目がない自分が、こんな素晴らしい作品を昨年のリリース時に完ッ全ッに見逃してたのは、相当にショックだわ。 もしかしたら、コレを聴かずに死んでいく羽目になってたのかもしれんと思うと・・・こ、恐ッ!(震)
(Feb. 11, 2005)
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SABER TIGER | 66 |
| Indignation (2005) |
ジャパニーズ・ヘヴィ・メタル・シーンにおいて“北の重鎮”として君臨する SABER TIGER が、メンバーを一新して復活を賭ける 11th アルバム。
一筋縄ではいかない知的な(考え過ぎとも言うけど/汗)テクニカル・リックにメンバー全員の細かな手足技が追随する小気味良いリフ・ランニングが ANNIHILATOR を思わせたりもする攻撃的なサウンドは、“Brain Drain” 期に立ち戻ったと思える正統ストロング・メタルの妙味に溢れたスタイル。
御大 木下 昭仁 (g) の16分で上昇/下降する中にさりげなく24分を絡めて悶絶的なスピードの緩急を醸し出す独特の構築美に満ちた魅惑のギター・ワークと、弱冠20歳ながらなかなかのテクニシャン振りを見せ付けるニュー・ドラマー 弓田 秀明 (ds) らの各楽器がリンクしながら生み出すザラついたメカニカルなヘヴィネスは、あたかも錆び付きつつも精錬された複雑な精密機械が高速回転して焦熱の焔を噴出するような熱気に包まれた、これまで以上の並々ならぬ気合を感じるものだ。
そんな風に、各楽曲の出で立ちやそこにたっぷりと配された凄まじきソロ・パートこそ近作を遥かに超える充実を見せている・・・・・が、それらが運んでくる満足感を全てチャラにするほどに、本来であれば本作の目玉であるハズのニュー・シンガー 鈴木 勝人 (vo) の歌が超ヤヴァイ。。。(泣)
前任の 下山 武徳 (vo) の独特のフラット気味のガナり歌唱が苦手だったこの身としては、まさかそれよりダメな人選が行われるわけはないと勝手に思い込んでいただけに、今回の 鈴木 の 下山 的ガナりを継承しちゃった上にパワーも抑揚も中途半端な平坦歌唱には、落胆の2文字しか浮かんでこないわ。
さらに、御大 木下 自身がエンジニアリング/プロデュースを行った結果のプアーなプロダクションも、曲自体が悪くないだけに至極残念だ・・・。
(Feb. 08, 2005)
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SOILWORK | 68 |
| Stabbing the Drama (2005) |
今やスウェーデンを代表するエクストリーム・メタル・バンドにまで成長した感のある SOILWORK の 6th アルバム。
怒号を乗せた切れ味鋭いスマートなアグレッションから一転してメロディックなエモ・コーラスへと広がる、どこを切っても超 SOILWORK タイプ総本家なスタイルは従来どおり。
ヘヴィなパートはよりソリッドになり、コーラス・パートのエモさを演出する Bjorn “Speed” Strid (vo) の歌唱にはもう一段上の歌心が加わり、Sven karlsson (key) によるデジ装飾はさらにクリアなモダン・センスを輝かせて浮遊してる・・・と感じるように、彼ら独特の質感のクオリティは確実に上昇してる印象ではあるんだけど・・・なぁーんか曲が一気につまんなくなっちゃった?
上記のような表面的な成長を感じさせつつも見事なまでに先の読める展開が連続する楽曲群は、まるで恐れることなく自らの領域を広げていった “Natural Born Chaos” に至るまでの時期のワクワクするような冒険心を封印して、自らの“型”に固執したかのよう。
何度集中して聴いても、結局耳に残るのは、前のめりなリズムの跳ねが気持ちいいライヴ向きチューン #3 “Weapon of Vanity”、当サイト的に昨年度のベスト・ドラマーとした超人助っ人ドラマー Dirk Verbeuren の凄まじいケイオス・ブラストが渦巻くブルータルな #10 “Blind Eye Halo”、そして本編ラストを飾る地に足のついたエモーショナル・チューン #12 “Wherever Thorns May Grow” くらいで、他はどうも右から左へと通り過ぎて行ってしまう・・・というのが至極残念だ。
そしてこれは毎回書いてるけど、資質的には至上の悶絶感を生み出せるハズの Peter Witchers (g) & Ola Frenning (g) によるテクニカル・ギター・ワークが、作を重ねる毎にどんどん減少していく姿を指を咥えて見ているだけってのも、なんとも寂しいもんだよねぇ。。。
(Feb. 23, 2005)
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THE AERIUM | 63 |
| Song for the Dead King (2004) |
ロシアから登場したシンフォニック・ゴシック・メタル・バンド THE AERIUM が、ギリシャの Black Lotus からリリースしたデビュー・アルバム。
随分と若そうな5人組が奏でる、ストリングス系キーボードで壮麗なシンフォニック・アレンジを施した本格的なフィメール耽美ゴシック・メタルは、一聴して紅一点のソプラノ・シンガー Veronica Sevostjanova タン の美声がこの目をクワッ!と見開かせる。
そのふくよかに広がるクラシカルなオペラティック・ソプラノのクリアな響きはマジで衝撃的レベルで、フィメール・ゴシック多かれどここまで本格的に歌える人にはなかなかお目にかかれないのでは?…と思うほどの逸材っぷり。
・・・が、そんな Veronica タン の素晴らしさと反比例するように、他の要素が超ショボい。。。(泣) 基本は王道シンフォ・ゴシックながら、時にドラマーがブラストをカマシちゃうほどにヘヴィ・メタル度も高い音像は EPICA のスタイルに近いとは言えるんだけど、その楽曲がイマイチアイデア不足の類型的なもので、耳を惹く良質なメロディを頻発させつつも決定的なカタルシスを得るには至らないのが非常にもどかしい・・・。 しかもプロダクションが一昔・・・いや二昔前のチープさだっちゅーんで余計に辛いわな。
メンバーそれぞれのプレイ自体は決して悪くないし、そこかしこで発散されるロシアというお国柄ならではのある種の気高さに包まれたクラシカルなロマンが振り撒かれる様はカナーリ魅力的なので、これで見放すことなく今後も成長に期待しながらその動向をヲチり続けて行きたい所存デス。
(Feb. 19, 2005)
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THE PROVENANCE | 88 |
| How would You Like to be Spat at (2005) |
スウェディッシュ・プログレッシヴ・ゴシック・メタル・バンド THE PROVENANCE の 3rd アルバム。
OPETH の方法論を基調に、Emma Hellstrom (♀vo,key) & Tobias Martinsson (♂vo,g) の男女ツイン・ヴォーカルと熟達した演奏陣のアダルトなヴァイヴでアヴァンギャルドに描く独特の病的精神世界は、今回もさすがの暗黒な陰鬱さに包まれていて嬉しい限り。
前作ではまだ点在していたデス・ヴォイスと、さらにはこの THE PROVENANCE の大きな魅力の一つだと思っていた悶絶フルートの音色までもを封印してしまい、その代わりになんとメロトロンの大洪水を大胆に鳴り響かせた結果、ANEKDOTEN らの 北欧暗黒ヘヴィ・プログレッシヴ・ロック陣のスタイルにより接近した雰囲気を感じるかな。
そんな風にサウンド面に少々の変化が見られつつも、不条理世界の攻撃的な描写が引き起こす良質の眩暈が心地よい #2 “Heroine”、ファズ・ギターのトレモロの共鳴が漆黒の荒野にメロウなメランコリーを揺らす #5 “Some Gossip on Stealing a Spouse”、OPETH 譲りの暗黒アグレッションが爆発する #6 “Going Down”、後半の容赦なきメロトロン攻撃に失禁必至の #7 “Considering the Gawk, The Drool, The Bitch and the Fool”、そしてこれまたメロトロン洪水の中で Emma 嬢の可憐歌唱が萌え光線を放射する #8 “Kick You So Hard”・・・らの佳曲が並ぶ作品全体から得られる快感度数は、もちろん一切不変。
デジタルやシンフォニックなエッセンスに決して頼らず、それぞれのメンバーのグルーヴィーな息遣いが聞こえるジャジーですらある生身のスウィング感が不穏なる動静をダイナミックに司るスタイリッシュとさえ形容できようディープなトリップ感は・・・ホントたまらんッス!
(Feb. 13, 2005)
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TRISTANIA | 86 |
| Ashes (2005) |
ノルウェーの耽美派ゴシック・メタル・バンド TRISTANIA の 4th アルバム。
前作リリースから3年半の間に、それまでの作品を覆い包んでいた一撃必殺の壮麗極まりないオーケストレーションを大幅に減退させていたのは、アートワークのシンプル化から受けていた不穏な予測にほぼ沿った変化だった。
が、Morton Veland (vo,g/現 SIRENIA) の遺産だったとも言えるその宗教祭事的シンフォニーを完全に燃焼し終えて灰と化した廃墟に姿を現した、端整なケイオスがダークに反復するモダン・ドゥームのグルーヴィな味わいは、この TRISTANIA の新たな魅力としてしっかりと機能しているようでホッと一安心。
もちろん、これまでの耽美的な魅力を全て捨て去ってしまったわけではなく、細部まで詳細に作りこまれた繊細かつヘヴィなダーク・ゴシック/デス・メタルに哀しき美麗フィーリングを淡くしかし深く滲ませた結果、アルバム全体の雰囲気の良さだけではなく個々の楽曲そのものの輪郭がよりシャープに浮き上がってきたという嬉しい副作用も感じてみたり。
美貌の巨乳フィメール・シンガー Vibeke Stene タンの優しさに満ちた清らかなソプラノ歌唱も、前作では Ronny Thorsen (TRAIL OF TEARS) が客演していたデス・ヴォイス・パートを歌う Kjetil Ingebrethsen とクリーン・ヴォイス担当の Osten Bergoy の2人の新たな専任♂シンガー達の歌声とほぼ同率で分担されてその出番自体は減りつつも、それぞれの個性の交錯の中でさらにメリハリ強くドラマを生み出すのに貢献してる感じ。
確かにこの変化(というほどでもないけど)に最初は落胆に近い驚きがこの身を包んだけれども、アルコールと共にじっくりと聴き進めるうちに、幽玄に揺れる絶望の中に Vibeke タンによるエンジェリックな救済がゆっくりと舞い降りる心地よさ満点のアコースティック・ゴシック #4 “Cure”、前作での Pete Johansen (violin) に代わって ARCTURUS でもプレイしていた Hans Josef Groh なるチェロ奏者が情感を豊かに震わす #3 “The Wretched”, #6 “Shadowman”, #8 “Endogenesis” あたりのアルコールの肴向けの大曲群を中心に、全てがググッと心に迫ってくるようになってきたですわ。
限定デジパックに収録されたボーナス・トラック #7 “The Gate” も、ボーナス扱いであることが謎な実にイイ曲で、ちょいと得した気分~。
(Feb. 01, 2005)
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YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE | 10 |
| Unleash the Fury (2005) |
Yngwie Malmsteen 約2年半振りの 13th アルバム は、Universal 移籍第一弾。
Yngwie 自身がプレイするグルーヴィーなベースラインと名手 Patrik Johansson (dr) のパワー・ヒットが生む有機的ボトムがロック然とした心地よさを運んでくるワイルドでアグレッシヴな作風は、現在の Yngwie の傍若無人なプレイスタイルには良くマッチしたもので、前作から連投の Doogie White (vo) も、相変わらず淡白さを滲ませながらも精一杯情念を込めたベテランらしい歌唱で意外なほどに健闘。
楽曲的にも、#2 “Revolution”, #3 “Winds of War (Invasion)”, #16 “Russian Roulette” など一瞬だけど「おっ?」と思わせるメロディを有するモノが点在し、ソロ・パートも総じて超マンネリではありつつも、ここに来て指癖以外のフレーズ/展開を織り込もうという現在の Yngwie にしては意欲的と思える工夫が見られないでもない。
・・・と、超贔屓目に良いところを探した結果得られる「“Attack!”よりは多少はマシ」という印象に果たして何の意味がある? 「下痢便よりは堅めのウンコの方が多少は食べやすい」と同義じゃん。
オレも Yngwie と一才しか違わない立派な(嘘)大人なので、継続することの大変さそして嗜好/スタイルの経年変化は十分に理解できる。 だから、もはや “Fire and Ice” 以前(69億歩譲って “Facing the Animal” 以前)の作品と比較したりその再現を期待する気は毛頭ない。
ただ、王者たる Yngwie Malmsteen が永きに亘る先駆者人生で輩出してきた星の数ほどのフォロワー達が遺した数々の作品をふと思い返してみた時に、本作で聴けるプレイ/楽曲/プロダクションの全てがそれらの「模倣作品」に決して勝ってはいないと楽勝で思えたその瞬間に、オリジネーターとしてのその存在を悲観してしまうわけだ。
あぁ、もし #9 “Cherokee Warrior” がなかったら、危うく満足度“0”になっちゃうところだったぜ!(汗)
(Feb. 23, 2005)

































