3月2005
ANGELZOOM 80
Angelzoom (2004)

ドイツ国内では売上げ数百万枚レベルの大人気らしいポップ・バンド X-PERIENCE の美女シンガー Claudia Uhle タンのソロ・プロジェクト ANGELZOOM の 1st フル=レンス・アルバム。

Claudia タンの可憐なルックスそのままのエンジェリックなクリア・ヴォイスが萌え光線を放射するのは、メタル色はおろかドラム・パートがリズムを刻む場面すらほぼ皆無の、完全にアンビエントなエレクトロ・ポップ。

そんな Claudia タンの魅惑の歌声がこだまするアンニュイなユーロ・デジ・ポップは、雄大なる重厚シンフォニーが微ケルトに響く時の雰囲気が WITHIN TEMPTATION からロック・パートを取り去ったかのようだとも思えるゴシックと言えば言えなくもないスタイルだが、総合的にみたら EnyaSara Brightman と同列に位置する上質なフィメール・ヴォーカル・イージー・リスニングだな。

まぁ、この北欧的な透明感に包まれた安堵感に溢れる美しい音楽が、聴いててとにかく心地よい和みフィーリングを提供してくれるって事実には、そんな立ち位置の分析はどーでもいいッスな。

しかし、この音でどぼじで Nuclear Blast からリリース?ってのは、ホント素朴な疑問だわ。。。

 (Mar. 15, 2005)

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APOCALYPTICA 81
Apocalyptica (2005)

フィンランドのメタリック・チェロ・トリオ APOCALYPTICA の 5th アルバム。

これまで断片的にしか聴いてこなくて今回初めて買ってみたんだけど、一聴して・・・いや、何度聴いてもギターで弾いてるとしか思えない歪ませたチェロによるメタル・リフが唸る音像は・・・完全に攻撃的なヘヴィ・メタルなのね。(遅驚)

そのスラッシーと言えるほどのソリッドでエッジーな基盤に、欧州の弦楽バンドならではの優美な響きが格調を発散しながら流れる様の、独特のゴシッキーな絶望感はナカナカの美味しさかも。 ・・・って、言い換えれば、メタリックな基盤部分はあくまで基盤としてまぁ悪くないって感じで、その上で感傷的に震えるチェロの音色にこそ主に魅力を感じてしまっているとも言えなくもないんだけど。(汗)

基本的にはインストゥルメンタル中心の本作だが、THE RASMUSLauri Ylonen (vo) を迎えた「まんまアグレッシヴな THE RASMUS」なオープニング・チューン #1 “Life Burns!”、そしてその LauriVille Vallo (vo/HIM) の豪華デュエットが映える鬱美なゴシック・バラード #4 “Bittersweet” という素晴らしい出来の歌入りチューン2曲の存在も、このアルバムのハイライトと思えるほどに印象的だ。

そうそう、インスト・チューンの中で出色の出来を誇るメランコリックな #2 “Quutamo” の歌入りヴァージョンがボーナスとして収録されてる CD もあるらしいんだけど、今回買ったのはそれではない通常版(?)・・・。(鬱) それが聴けるシングル “Wie Weit” も買うかな~。

 (Mar. 19, 2005)

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ARENA 87
Pepper’s Ghost (2005)

ブリティッシュ・ネオ=メタル・ポンプ・ロック・バンド(ってどんなや?/苦笑)ARENA の 6th アルバム。

先に聴いた KINO “Picture” での John Mitchell (g) のアダルトなプレイに魅せられてデビュー作 “Songs from the Lions Cage” 以来10年振りにちゃんと買ってみたけど(デビュー10周年記念でもあるってことで/笑)、これが以前から持ち合わせていたハードな側面をいつの間にかググッと表に出してきた感のある、ドラマティックな腰の座り方がカナーリ良い感じ。

現存するバンドの中では Fish 時代の MARILLION の血脈を最も濃く受け継ぐと思える旧き良き長閑な叙情ポンプの骨格はそのままに、Clive Nolan (key/PENDRAGON) のシンセの音色が特徴的な壮麗なキーボード・ワークに John Mitchell のスマートなテクニカル・ギターが相乗して楽曲をカラフルに引き立てるダイナミックなハード・エッセンスが心地良く爆発する7つの楽曲は、それぞれ非常に濃密で聴き応えたっぷり。

そんな中でやっぱ耳を惹くのはその John の旨味炸裂上質プレイが映えるハード側の楽曲のインパクトで、緩急たっぷりなメタリック・ドライヴが9分以上に亘って楽しめる #3 “The Shattered Room”、メロウ&ミステリアスな5拍子プログレ #5 “Tantalos” そして最後を締め括る13分超のオペラティックな大作 #7 “Opera Fanatica” らは面白いほどにツボを突いてくるですよ。

そんなハード風味の音像なれど、Rob Sowden (vo) の穏やかに一歩退いたマターリ歌唱と、“Knights of the London Fog” というサブタイトルが付けられたシャーロック・ホームズ時代のファンタジックなストーリーの存在が「英国プログレならでは」の味わいをしっかりと感じさせるのが、これまた高ポイント。

 (Mar. 19, 2005)

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DARK SUNS 86
Existence (2005)

ドイツのプログレッシヴ・エモーショナル・メタル・バンド DARK SUNS の 2nd アルバム。

メディアで引き合いに出されているのが OPETH, ANATHEMA, PORCUPINE TREE, KATATONIA, PAIN OF SALVATION らの“ソレ系”で、さらには10分超の楽曲3曲を含む全78分・・・ってな超魅力的なファクトだけでまず“買い”決定だったんだけど(笑)、実際手元に届いて聴いて驚いた。 ヤッベェー・・・これ、モノホンだわ。

ヘヴィな分散コードが変拍子で反復する不穏とアコースティックの清閑な安穏が帯同~分裂を繰り返す薄暗い心象迷宮風景のモノトーンな色彩はまるで OPETH そのもの。 そして、いかにもインテリそうなロン毛眼鏡君を含む技巧派演奏陣によるメタル・アンサンブルの知的な質感は非常に PAIN OF SALVATION 的。 さらに、シンガー Nico Knappe(ドラム兼任!?)による歌唱は、Mikael Akerfelt のジェントル・サイドと Daniel Gildenlow のほぼ中間の穏やかな風合い・・・と、そのスタイルは完全に OPETH meets PAIN OF SALVATION と呼べる絶妙さ。

かなり若いバンドらしく、確かに現時点では悶絶ポイントが長尺の曲の中で散在しているなど、まだまだ楽曲そのものというよりは全体の雰囲気の良さで戦ってる印象も拭えないではあるが、既に成熟したかのアーティスティックな表現力で繊細なメランコリーを揺らす様の前述の玄人肌の陰鬱派アーティスト群に決して劣らぬ達者っぷりは、それだけで本作を聴いてるこの身に心地良さを伝播させるんだな。

北欧鬱派プログレにおけるメロトロンよろしく、垂れ込めた雲間から差し込む光の如く煌びやかに広がるストリングスの耳触りの良さも◎。

もしかしたら、今後コレ系の陰鬱プログ・メタルが語られる際には、冒頭に上げたバンド群にこの DARK SUNS の名も加わること必至かも。

 (Mar. 19, 2005)

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DORN 70
Suriel (2004)

ドイツ産メロディック・デス・メタル・バンド DORN の 4th アルバム。

端整な正統メタリック・リフにシンフォニックなキーボードが重なり、その上で♂デス・ヴォイスと♀ソプラノがデュエットを奏でる・・・というありがちなスタイルながら、耽美な方面へのベクトルを意外にも高いクオリティでまとめた感触のサウンドは、これまで聴いた中だと SIEBENBURGEN に近いカッチリと角ばった安定感が印象的ななかなかの聴き応え。

この DORN ならではの独特の味があるのも嬉しく、キッチュでビザールな音色のキーボードと♀シンガー Ira 嬢の無垢なエンジェリック・ソプラノが織り成すシアトリカルとも思える緩急のドラマが醸し出す暗黒ゴシック・テイストな荒涼感の、良い意味でB級ならではの味わいはベリー・ナイス。

特に、Ira 嬢の可憐なソプラノ・ヴォイスの響きは、決して主役ではないにも関わらず非常にこの耳を惹きつける。 本来リード・ギターのオブリガードが切り込んでくるのに相応しいタイミングで、主旋律に対してカウンター気味に被さってくるそのタイミングが絶妙なんだよな。

そんな風に、個々のパートや全体の雰囲気は悪くないし(むしろ良好)、即効性の高い好みな音像ではあるけど、♂シンガーの押し潰し系デス声がさほど好みでなかったり、特筆すべき楽曲が見当たらなかったり・・・と、イマイチのめりこめなかったりするソコソコな一枚。

ちなみに、“車掌メタル”です。(内輪笑)

 (Mar. 04, 2005)

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GAIA 73
Nostalgia (2004)

韓国の自称“クロスオーバー・アート・メタル・バンド”、GAIA の 1st フル・レンス・アルバム。

民族色濃くフィーチュアされた艶やかな弦楽器の哀しい響きと雑多なスタイルのヘヴィ・メタル/ハード・ロックが分離気味に同居するやや無秩序気味なごった煮サウンドは、確かに“クロスオーバー”で“アート”な出で立ちだが、そんな音像の上で男女デュエットが美醜を描く様が十分に“耽美”と称せる全体的な印象は、トラッド/フォークなデス=ゴシック・メタルのそれと同様のもの。

この GAIA のキモは、なんと言っても6人のメンバーの半数を占める3人の美女メンバーの存在だろう。天が二物を与えてしまった美しき天才ヴァイオリニスト、Yun Myung-Eun、フランス帰りのミステリアス・クール・ビューティーな鍵盤奏者 Jeun Ji-ni、そして二胡に似た弦楽器“ヘグム”に嗚咽を漏らさす Park Yoon-Kyong(以上、萌え度順)の3人が奏でる民族の悲劇の歴史を綴るが如きの幽玄たる泣きまくりの殺傷力は非常に高く、ゲスト女声シンガーの柔らかなエンジェル・ヴォイスと溶け合って醸し出す悶々とした耽美フィメール・ゴシックの風合いは相当に好みのツボを突いてくる。

・・・が、近年珍しい程に強烈に音が悪いのが難点。 幸いにも、オレにはそんな蚊が鳴くようにか細いメタル・パートをはじめとする劣悪なチープ・プロダクションを「辺境プログレ独特の味わい」と割り切れる豊かな想像力が備わってるので「おぉ、初期 ON THORNS I LAY みたいや!」と楽しめてしまうけれども、アンニュイ歌唱に悶絶の冬ソナ風激泣きバラード #4 “The Doll” や慟哭旋律が美味しいデス・ワルツ #8 “Requiem” らの出色の出来の楽曲を前にすると、これがせめて“普通”の音だったら・・・と欲が出てしまうのも正直なところだ。

 (Mar. 03, 2005)

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HIGH ON FIRE 85
Blessed Black Wings (2005)

米国カリフォルニアのストーナー・キング SLEEP のメンバーだった Matt Pike (vo,g) 率いる爆裂トリオ HIGH ON FIRE の 3rd アルバム。

出自から連想されるストーンなダウナー・フィールを根底に感じられなくはないけど、全編を支配するのは(「負の」ではあるけど)エネルギーが爆発するアッパーなドライヴ感。

乾いた表面の奥に潜む図太い芯に粘度を残した邪悪な歪みが禍々しい埃っぽさを撒き散らしながらヘヴィにうねる「VENOMCELTIC FROSTMOTORHEAD」な原始の激烈ロックは、大鉈の如く振り下ろされるパワー・コードの淀んだ余韻から弾け出る音の粒の揺れ具合と、時折見せる BLACK SABBATH ばりのメロウな暗黒ヘヴィ・スウィングの絶妙なタイム感が「こいつは本物だ!」と確信させる。

なんつーか、荒々しく生々しいある意味 OUF なこの「始祖的」な音楽をカコイイ!と理解できちゃう己のカコヨサに酔えるような普遍的なカコヨサがホントにカコイイ!(超難解/苦笑)って感じで、流れ出る轟音に心地良く身を任せる我が身を粗野で野蛮な豪傑と錯覚させるかの滋養強壮作用の強さは、この HIGH ON FIRE の大きな魅力だ。

そんな風に大音量で聴いててメッチャ心地良くも、これが“ヘヴィ・メタル”として語られるには微妙な違和感が・・・? そんなモヤモヤは、ボーナス DVD のライヴ映像観て氷解したですよ。 こりゃこの20年間のエクストリーム・ミュージック史の洗礼を受けた Jimi Hendrix だわ。なーるほど。

 (Mar. 17, 2005)

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IMPERIA 71
The Ancient Dance of Qetesh (2004)

TRIAL OF TEARS の元シンガー Helena Iren Michaelsen 姐御率いるニュー・バンド IMPERIA のデビュー・アルバム。

古代エジプトの雄大な歴史絵巻が瞼の裏に浮かぶ大仰なオーケストレーションを施したヘヴィ・メタルな音像と、その上で響き渡る Helena のパワフルなソプラノが作り出すドラマティックな楽曲は、AFTER FOREVER, EPICA のスタイルに近いと言える佇まい。

そんな魅惑的な路線とは裏腹に、絢爛豪華な壮麗さを誇りながらも深みに欠ける安易なシンフォ・アレンジや、Arien Van Weesenbeek (dr/GOD DETHRONED) をはじめ巧者を揃えたはずのバック陣による面白みのない平坦なプレイ、そしてそれらが全体的に今ひとつ噛み合っていないと感じさせる楽曲はイマイチ魅力に乏しく、なんとももどかしい感じ。

ただ、そういった中でサウンドの印象の主導権を握る Helena の歌声の存在感はサスガの一言。 いつの間にか「Bitch な爆乳エロ歌姫」と化したセクシーな容姿(もしかして本人はエジプトの女神 Qetesh のつもり?/汗)の是非はさて置き、その指輪系な曲名だけでそそられまくる #4 “Mordor” やクリアな清廉チューン #5 “Angelchild” らの、前述したようなアレンジ/プレイ面での弱点が比較的表に出てきにくいシンプル or メロウな曲々で響く、女声ゴシック・メタルとしては確実に極上の部類に入るだろう表情豊かに変化する力強いソプラノ歌唱のインパクトは絶大だ。

Helena は既に ANGEL なる新たなゴシック・プロジェクトも準備中とのこと。既に Black Lotus から発表されているイメージ・フォトは、相変わらず激エロくも耽美ゴシック的な優美さにも満ちたものだったので、そちらにも期待大だな。

 (Mar. 04, 2005)

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KINO 89
Picture (2005)

John Mitchell (vo,g/ARENA), John Beck (key/IT BITES), Pete Trewavas (b/MARILLION), Chris Maitland (dr/ex-PORCUPINE TREE) という4人のツワモノが新たに立ち上げた、英国プログレッシヴ・ロックの救世主 KINO のデビュー・アルバム。

ポンプ・ロックの明るく開放的なドライヴ感と繊細な風景的叙情を描く重厚なドラマが、完ッ璧なプロダクションの中でダイナミックに融合した、そのメインストリームな産業プログレっぷりが運んでくるのは、1982年に ASIA が登場した時に近い衝撃だ。

John Beck のカラフル&ドリーミングなモダン・シンフォ攻撃と John Mitchell の暖かく朴訥な歌声が英国らしいジェントルな落ち着きを呼び込む一方、意外にもヘヴィなハード・エッジとプログレッシヴ・ロックたる誇りを封入したテクニカルな変拍子のスリルもしっかりとバンドのカラーとして打ち出したサウンドは、冒頭に列挙したメンバーそれぞれのカレント・バンドのいい所取り的と言える、なんとも贅沢な逸品。(涎)

「本来 John Wetton が進むべき道、ここに見つけたり!」な(笑) #2 “Letting Go”、哀感バッチリなヘヴィ・ポンプ #5 “People”John Mitchell の極上ギター・サウンドを堪能しまくりのアダルトな都会派プログ・チューン #7 “Perfect Tense” など、濃厚なんだけどサラッと聴けちゃう洗練された一級品の味わいが美味し過ぎですわ。

あ、買ってから気がついたけど、ボーナス DVD 付きの Special Edition (Digipack) もあったのね・・・知らんかった。。。orz

 (Mar. 07, 2005)

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MAGICA 72
Lightseeker (2004)

女性シンガーをフィーチュアしたルーマニアのメロディック・メタル・バンド MAGICA の 2nd アルバム。

声を張った時の語頭のアタックの強さが Kimbery Goss (SINERGY) を思わせながらそれよりずっと柔らかな萌え唱法も持ち合わせた紅一点シンガー Ana Mladinovici 嬢の歌唱を前面にフィーチュアした楽曲は、その SINERGY の明快なパワー・メタルがファンタジックな XaMetal テイストを大幅増量させたかのクッサい風合いだ。

そこはかとなく漂うネオ=クラシカルな様式美臭も美味しく、Bogdan “BAT” Costea (g) & 6Fingers (key)(ってすごい芸名だ/笑) の両者のイマイチ弾き切れてなくもセンスと勢いでそれをカヴァーしようとする、往年の SILVER MOUNTAIN に通じるクラシカル魂もいい感じ。

ドタバタ極まりないリズムやペラペラのプロダクションは完全にアマチュア以下のレベルだが(汗)、多数のネオクラ的悶絶の瞬間と、それらのフックをどんどん織り込んで行こうという意欲が伺える悪くない楽曲、そして歌姫 Ana タンの魅力的な歌唱のおかげで思いのほか楽しみながら全編を聴き通せる。

全編英詞な中で唯一現地語詞だったことから悶絶ゴシカル・バラードかと勝手に期待した #12 “Inluminata” が、普通のメタル・チューンだったのが残念。(苦笑)

 (Mar. 04, 2005)

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MOONSORROW 88
Verisakeet (2005)

フィンランドの Epic Heathen Viking Metal Band MOONSORROW の 4th アルバム。

5曲で71分という超大作に仕上がった本作は、特悶絶級の名作だった前作 “Kivenkantaja” の流れを汲む超ドラマティックな戦史絵巻の本筋に変わりは無かれど、その絵筆を壮麗なシンフォニック・ドライヴの高揚感から北欧プリミティヴ・ブラック特有の寒々しい荒涼感へと持ち替えたかの、やや硬質な肌触りになった印象だ。

最初一聴した時こそ、前作に比べるとやや淡白と思える抑え気味の展開とその尺の長さに冗長さを感じたものの、聴けば聴くほどにじわじわと効いてくる MOONSORROW 独特の情景的な味わいはやっぱり美味。 喩えるならば、前作 “Kivenkantaja” は戦士自身の目線でリアルタイムな激情を描いた戦場日記、そして本作 “Verisakeet” は、雪を頂き聳える山々、精霊の住まう森や木々、そして冷たくそよぐ風とそれに乗って高らかに舞う鳥たちら自然そのものがマクロな視点で俯瞰した永き戦いの歴史・・・という感じかな。

確かに即効性は減退したけど、歌詞を追いながら(オフィシャル・サイトに英詞アリ)聴き進めるうちに、古の大自然への大いなる畏怖と共に生きる戦士達の死の行軍が目に浮かぶ雄大なドラマの凄絶な暗黒サウンド・トラックに、いつの間にか首までどっぷりですわ。 今では、鳥のさえずりや無音が延々と続く“間”でさえも、至福の瞬間の連続に思えるほどだもんな。(盲目笑)

ちなみに、Fiddle,Jouhikko,Recorder 等を駆使して悶絶フォークロアな旋律美を塗布しているのは、僕らの Hittavainen (KORPIKLAANI) だよん。

 (Mar. 15, 2005)

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PARADISE LOST 90
Paradise Lost (2005)

90年代前半にゴシック・メタルの始祖として君臨しながらも、ここ数作は広義のメランコリック・ロックを模索する旅に出ていた英国の PARADISE LOST が、10作目という節目にその誇り高きバンド名をタイトルに冠した素晴らしい作品を携えて帰還した。

“Host” 以来完全にノーマークだったところに突然提示されたこの暗黒美に満ちた猟奇アートワークに、何か只ならぬ気配を感じて買ってみたら・・・そこに封入されていたのは、今更彼らに全く期待もしていなかった、まさにそのジャケのイメージ通りのまさかの「こっち寄り」の作風!

オープニング・チューン #1 “Don’t Belong” で、ピアノとストリングスが物憂げに絡む導入部に悶絶する中でリズムが爆発した瞬間、脳内でなんかのスイッチが入ったね。(笑) 続く、極上のメランコリーがヘヴィに炸裂する #2 “Close Your Eyes”、ノリノリながらやはりフィンランド勢とは異質の手触りなキャッチーなリーダー・トラック #5 “Forever After”、テーマ・メロディの荘厳な風合いに背筋が凍る #11 “Spirit”、そしてラストに控える Greg Mackintosh (g) のマジ泣きギターが激ヤヴァな重厚なゴシカル・バラード #12 “Over the Madness” ・・・と、ここまでやってくれれば十二分に満足だわ。(嬉)

冒険で培ったモダンでスマートな素養を好方向に作用させつつダークで耽美な慟哭を取り戻した堂々たるゴシック・メタルは、Nick Holmes (vo) の放つ背徳な邪気こそ重ねた年輪相応に薄まれど、往年の名作 “Icon”“Draconian Times” の流れの上にあると確信できるもので、“One Second” で既に失われていた“威厳”がここには確実に存在しているのがなんとも感慨深い。。。

いや~、PARADISE LOST がこーゆー出方をしてくると、今後のゴシック・メタル地図も現状の予想から随分変動が起きそうだな・・・。 ま、それもまた楽しみだけどね。

 (Mar. 19, 2005)

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THE BEREAVED 76
Darkened Silhouette (2004)

スウェディッシュ・メロディック・デス・メタル の若き新鋭 THE BEREAVED のデビュー・アルバム from Black Lotus。

クリアな切れ味と共に疾走するデスラッシーな基盤に叙情ハーモニーを奏でまくる2本の扇情ギターを乗っけた AT THE GATES meets 初期 SOILWORK 的なサウンドは、世に言う“超モヒ・タイプ”(笑)としての王道路線。

良い意味でブルータリティが希薄な楽曲は、実は CHILDREN OF BODOM も好きなんだろうな~と思える瞬間もある非常にキャッチーな聴き易いもので、仄かにネオ=クラシカルな扇情力の高いギター・ワークの構築力もたいしたものだ。

そんな楽曲の出来の良さとは裏腹に、迫力のない潰れた呻き型デス声やトリガー掛け過ぎで平坦極まりないパタパタ・ドラム(しかもリズム感もメッチャ悪い…)などの旨味に欠けるプレイや、あまりお金と時間を注ぎ込んでないと思えるやや雑なプロダクションなどの“質”には、Black Lotus の限界をしみじみと感じてみたり・・・。

ただ、狙ってる方向性とそれぞれの曲はホントにイイんですわ。 #4 “Vital Organ Theft”#8 “Devil’s Deal” などは、もしCD屋の店頭で流れ出したらその瞬間にほとんどのメタラーが「Now Playing」のコーナーに目を遣るだろう殺傷力メチャ高なテーマ・メロディを持つ、明らかに“キラー・チューン”と呼べるものだし。

そんな風に、マジで今後大化けそうな気配をプンプンと漂わせてはいるので、次作にはカナーリ期待しちゃうかも。

 (Mar. 16, 2005)

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TO/DIE/FOR 65
IV (2005)

オレ的フィニッシュ・メランコリック・ゴシック・メタル・ヒエラルキーの中では頂点に位置「してた」バンド、TO/DIE/FOR の 4th アルバム。

前作 “Jaded” リリース後、多くの問題から休止状態にあったバンドを中心人物 Jape Peratalo (vo) が大幅なメンバー入れ替えを行って再起を図る転機の一枚・・・なのはいいんだけど、ヲイヲイ、その「大幅なメンバー入れ替え」の中に Joonas Koto (g) が含まれちゃってるぢゃん!?


【哀愁】こんな TO/DIE/FOR はイヤだ【ノリノリ】
  → Joonas Koto (g) のネオ=クラシカル・プレイが無い TO/DIE/FOR

ってことで、ナイーヴなチェロの響きに悶えるロマンティック・バラード #3 “Lies (for Fools)” や十八番な王道スタイルの連発の中でも一際輝く #8 “Fragmented” などの(やや小粒にまとまった感がありつつも)いかにも TO/DIE/FOR 印の哀愁ノリノリな佳曲がいくら素敵に連なっていようが、それらはこの耳を右から左へ通り過ぎていくばかり・・・。 あぁ、まさかこんな日がやって来るとは・・・残念だ。

 (Mar. 16, 2005)

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