4月2005
ARKONA (АРКОНА) 77
Vozrozhdenie (Возрождение) (2004)

ロシア産スラヴォニック・ペイガン・メタル・バンド ARKONA (АРКОНА) のデビュー・アルバム。

仰々しい鋲付きアーム・バンドで凛々しく武装した女性シンガー Masha Scream 嬢を中心に BUTTERFLY TEMPLE, ROSSOMAHAAR のメンバーが脇を固めた布陣で繰り出すのは、シンフォニックな壮麗キーボードがキラキラ光る XaMetalic なメロディック・パワー・メタル。

意外にもクリアで音圧もある良好なプロダクションの中で(多分意図的に)チープに響く笛チックな単音朴訥クサフレーズが少なくない殺傷力を発揮するフォークロア風味に満ちたサウンドではあるんだけど、出身国、アートワークそして僅かな事前情報から期待した“ペイガン”な宗教/祭事色は希薄・・・。

前述のシケシケ笛的メロディと、Masha タンのお世辞にも上手いと言えない朴訥系天然歌唱に絡む♂シンガー Lesyar のドスの効いたデス・ヴォイス、そして鳥の囀りなど細やかに配された情景描写アイテムらが確かに低気温なペイガン・ブラックな雰囲気を醸し出しそうになってはいるものの、どうにも風景が浮かんで来にくいのがこの手としてはちょっと物足りない感じ。

メタル辺境地帯にも関わらず、それを感じさせないクオリティでまとめられてはいるので、「真っ当なシンフォニック XaMetal」(「真っ当」と「XaMetal」の矛盾についての突っ込みはナシの方向で/苦笑)としては、結構イイ線行ってると思えるんだけどね。

 (Apr. 22, 2005)

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AT VANCE 71
Chained (2005)

ジャーマン・ネオ=クラシカル・メタル・バンド AT VANCE の 6th アルバム。

バンドを率いるベテラン Olaf Lenk (g,key) の流麗極まりない超絶クラシカル・プレイ、前作から加入の Mats Leven (vo) のハスキーなエモーショナル・ヴォイス、そしてクオリティ高くまとめられたキャッチーな楽曲と、すべてが些かも不変。

うーん、本作も内容的に悪くない・・・ってかむしろこれまで同様好きな音が詰まってるのは間違いない事実なんだけど、毎作ここまでスタイル一緒だとさすがに飽きてきたかも・・・。 そうして醒めてしまうと、聴いてる最中に Olaf の悶絶タッチやら Mats の絶唱やらに「超イイ!!」とつい盛り上がりながらも聴き終わった時に何も印象が残っていないという底の浅さが急激に気になってきたり。

“ネオ=クラシカル”というキーワードを意識的に体現している稀有なバンドで、当然そこに多大な魅力を感じてこれまで喜んで買ってきたではあるんだけど、明らかに最近のヘヴィ・メタルを聴いていないと思える Olaf の「老人センス」に、新鮮味を全く感じられなくなってきた・・・というのが正直なところかな。

クラシック曲のカヴァーも別に要らんしぃ。

 (Apr. 24, 2005)

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BEYOND TWILIGHT 88
Section X (2005)

スウェーデン・ベースの多国籍ダーク・プログレッシヴ・メタル・バンド BEYOND TWILIGHT の 2nd アルバム。

MANTICORA にもゲスト参加してその非凡な才能の一部を付与しているデンマーク人鍵盤奏者 Finn Zierler を中心とした技巧派メンバー陣が緻密に構築するプログレッシヴ・パワー・メタルがダークなドゥーム・ヴァイヴを震わす本作は、前作と比べて音の解像度をグッと上昇させたかのスケール感とクオリティに満ちた超力作。

が、スタートしてまもなく聴こえてきた歌声が・・・アレレ? Jorn Lande っぽいではあるけど、ちょっと雰囲気違うような? 慌ててブックレットのクレジットを見ると・・・「Kelly Sundown Carpenter – Vocals」。 うわ!? いつのまにかシンガー Jorn Lande ぢゃなくなっとるやんケ!(焦)

ところが、その Kelly Sundown Carpenter なる新たな米国人シンガー(地元テキサスでは OUTWORLD なるバンドにも在籍しているらしい)が意外に凄い。 「明らかに Jorn Lande を想定したフレーズ」をブルーズ魂を込めながらワイルドに歌い上げると共に、大仰な歌劇的パフォームをも堂々と演じることも出来る「ヲイヲイこいつどっから見つけてきた!?」って感じのカナリの実力派だ。

効果的に配されたS.E.と大胆な場面転換が生むシアトリカルな空気が、淀んだクローン人間社会の悲劇を描くドラマティックな音像は、そんな Kelly の歌唱が Jorn Lande はもちろん Mats Leven, Russell Allen, John Oliver らにも通じる表情を見せるせいもあってか、ABSTRACT ALGEBRA, SYMPHONY X, SAVATAGE を調合したような風合いもアリ。 切れの良いテクニカル・プレイと叙情的な旋律を要所で輝かせながらも、全体を不条理な暗黒色で覆い尽くした中世と近未来が交錯するようなプログレッシヴ・ヘヴィ・サウンドの濃密な味わいは、ホント格別だわ。

うーむ、まさに「災い転じて福と成す」な一枚ッスな。

 (Apr. 20, 2005)

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DESOLATION 72
The Stone Oracles (2004)

英国の4人組メロディック・デス・メタル・バンド DESOLATION のデビュー・アルバム。

正統派ヘヴィ・メタル風味のオーソドックスな骨格にデス・ヴォイスを乗せた古風ながら非常に聴き易いスタイルなのだが、迫力のない喚き系デス声、明らかに力量不足のドラム、そして薄っぺらい貧弱なプロダクション・・・と、そこそこイケてるアートワークのクオリティに反して、音的にはデモ・レベルの域を脱していないまだまだな印象。

しかしながら、この DESOLATION というバンドの生命線として全編に大きくフィーチュアされた Stuart Norman (vo,g) & Benjamin Ash (g) による流麗な叙情ギター・ワークの悶絶感たっぷりのウェットな輝き方は、そんな欠点を補って余りあると思えるほどに魅力的。

それに加えて、楽曲のアクセントとして浮遊するノーマル・ヴォイスのジェントルな響きが生むいかにも英国な(たぶん先入観/笑)湿った鉛色の空的色彩感など、意外と個性的なエレメントも持っているので、今後この DESOLATION に“何か”が起こって現在の欠点が改善されていけば、十分に悪くない位置まで行く可能性はあるかも。

ま、ダメモトで気長に期待デス。

 (Apr. 22, 2005)

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DREAM THEATER 91
When Dream and Day Reunite (DVD) (2005)

DREAM THEATER のオフィシャル・ブートレッグ@Ytsejam Records。

2004年3月6日に Los Angeles は The Pantages Theater で行われたショウの第2部にて、デビュー15周年を記念して “When Dream and Day Unite” を現編成で丸ごと一枚プレイしてしまった模様を完全プロ・ショットで余すところなく収録した本作は、15年前デビュー直前にラジオで #6 “Afterlife” を初めて耳にした時の究極の衝撃が見事に生々しく蘇るような、まさに「神」極まりない一枚だコリャ。

本編の8曲の後のアンコールでは、なんと初代シンガー Charlie Dominici (vo) を降臨させて(!)#9 “To Live Forever”, #10 “Metropolis” の2曲をプレイし、まさに「ドミニシ祭だワショーイ!!(笑)」ってな様相。 その Charlie Dominici は、風貌こそ完全に一般人のヲサーンだったが、想像したより全然堂々と歌えててちょっとビックリ。

#10 “Metropolis” はそこに Derek Sherinian (key) も加えてのスペシャル・セッション。 ツイン・キーボード編成の圧巻っぷりにマジ戦慄を覚えたのに加え、こうして久々に Derek Sherinian 見て改めていいプレーヤだと思い知らされたわ。 存在に華があるし、なにより両手の動きにオーラがあるもんなぁ。

登場を期待した Kevin Moore (key) は Mike Portnoy (dr) の今回の誘いを拒否ったらしいが(苦笑)、Bonus Features として収録されたドキュメンタリー “I Can Remenber When…” 中の1988~1989年当時のライヴ映像にて、当時の姿が拝めマス。

 (Apr. 13, 2005)

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GALNERYUS 86
Advance to the Fall (2005)

我が国が誇る新世代メロディック・スピード・メタル・バンド GALNERYUS の 2nd アルバム。

悶絶級の内容だった衝撃のデビュー作の流れを100%汲んだドラマティックな楽曲群は相変わらず見事な出来栄えで、さらには疾走曲の比率を極端に高めると同時に DREAM THEATER に準じた手法を使ったプログレッシヴ・パートでの緻密なアンサンブルの精度までももグッと上昇させ、非常にエキサイティングな仕上がりとなっている。

・・・と、まぁ予想できる方向への順当な進化/成長を感じさせる佳作とは思えるんだけど、オレ的には予想外の方向から旋律が畳み掛けるように襲ってくる感覚のあった 1st の方が断然好きだったなぁ。

前作以上に印象的なテーマ・メロディに気を遣った感のある Syu (g) の泣き度の高いテクニカル・プレイにしても、本作でも冴えに冴えて各所で顔が歪む程の悶絶感を爆発させているのは嬉しいんだけど、その反面 YUHKI (key) と共に醸し出すロマネスクな美麗フィーリングの過剰さが不必要な“ナヨナヨ感”を増している気がするのも、十分に好みのツボの範疇でありながらもちょっとだけ外れてると感じる場面もあったり。

それは YAMA-B (vo) の歌唱も同様で、自然さを増したのはいいんだけどこれまでの(全ッ然違うけど)Daniel Heiman が今回は(全然ッ違うけど)Timo Kotipelto に変貌したかのようで、一気に線が細くなった印象。 作り物っぽくも剛健だった前作の歌唱の方がまだマシだったと思えるわ。 ただ、唯一 #2 “Silent Revelation” のサビでの絶唱はグッジョブよ!

まぁそうこう言いながらも、イントロから続く悶絶疾走チューン #2 “Silent Revelation” と展開に次ぐ展開が呆れるほどにクッサイ #8 “Whisper in the Red Sky” では、夜な夜な我を忘れてヘドバン三昧ですよん。

 (Apr. 02, 2005)

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GREEN CARNATION 85
The Quiet Offspring (2005)

CARPATHIAN FOREST, EMPEROR, IN THE WOODS… らに関連したメンバーによる、ノルウェーのゴシック・メタル・ルーツのハード・ロック(?)・バンド GREEN CARNATION の 4th アルバムです。

メタリックな音圧で弾ける 70’s ロック・アレンジと MY DYING BRIDEOPETH に通じる陰鬱アコースティック・フィールを交錯させながら、先頃 TRAIL OF TEARS にも加入した Kjetil Nordhus (vo) のクリアな普通声が優しく響くという喩えようのないプログレッシヴなロック・サウンドは、この GREEN CARNATION 独特のもの。 難しいながらあえて一番近いバンドを挙げるとするならば・・・うーん、DEADSOUL TRIBE あたりが適当でしょうか?

玄人受け必至のアダルトで深遠なロック・ヴァイヴが、それに共感を見出せる己のセンスの良さにたっぷりと悦に入らせてくれる・・・というタイプの濃密な一級品の音像ではありますが、冷静に聴くと実際の各楽曲はイマイチ即効性に欠けるまぁソコソコな印象だったりします。

しかしながら、ヘヴィな手触りの普遍的なロック・スピリットに包まれながらも、冒頭に挙げた各メンバーの経歴が伊達ではないこのバンドが“暗黒系”に属するという事実をしっかりと裏付ける幽玄なグルーヴの存在とその心地良さは、前述の“冷静さ”を融解するに十分な威力を持つ非常に魅力的な要素で、極上のシンフォニック・メランコリック・ゴシック・チューン #6 “Purple Door, Pitch Black” やドゥーミーな耽美が静かに染みこむ #9 “Pile of Doubt”#10 “When I Was You” の流れなどは、今宵もアルコールと共にこの身を実にイイ感じに酔わせてくれるのです。

ちなみに、この GREEN CARNATION、2002年の Wacken Open Air に出演していたのですが、当時はあまり興味を惹かれてなくてついつい観るのをパスしてしまったことが、今にしてみれば非常に悔やまれます。

 (Mar. 30, 2005)

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IRON MASK 89
Hordes of the Brave (2005)

「ベルギーの Yngwie Malmsteen」の名を欲しいままにする Dushan Petrossi (g) 率いるネオ=クラシカル・メタル・バンド IRON MASK の 2nd アルバム。

彼のもう一つのバンドである MAGIC KINGDOM とこの IRON MASK がどういう棲み分けになってるのかがイマイチよくワカランので、本作も単に「Dushan Petrossi の最新作」として見ちゃうんだけど(汗)、両バンド通して見ても過去に類を見ないこの充実っぷりは実に天晴れッスわ!

Dushan のプレイ自体は、既に周知のとおりスタイルも所詮モノマネだしテク的にもやや粗めのボチボチなものなんだけど、なんと言っても今回は楽曲が抜群にいい。 共に叫びたくなること必至のアグレッシヴなオープニング・キラー・チューン #1 “Holy War” をはじめ、古き良きネオ=クラシカル・メタルの王道を忠実にリスペクトしながら現代シンフォニック・メタルやブラック・メタルまでもを飲み込んだ適度なヴァラエティが美味しい楽曲群は、現在の“ご本人”(笑)Yngwie Malmsteen には到底望めないもんね。

本作で初起用のバッチリ歌えるシンガー Goetz “Valhalla Jr” MohreDavid Reece (ex-ACCEPTBANGALORE CHOIR) に似た雰囲気の強靭な熱唱は暑苦しくもカナリ魅力的で、ゲスト参加の Oliver Hartmann が霞むほど。 また、全てのキーボード・ソロ を鍵盤魔人 Richard Andersson が担当し、MAGIC KINGDOM のリズム隊でもある Vassili Moltchanov (b) & Anton Arkhipov (dr) による爆発力の高いタイトなボトムも実に強力・・・と、プレイ面に目を移しても今回は隙がなく、音全体が発散する並々ならぬ“勢い”はマジで圧倒されるほどに濃密だ。

そんな風に、ここまで色んな要素が充実してくるとア~ラ不思議、その中心の Dushan のギター・ワークも、俄然として悶絶度を増して聴こえてきちゃうんデス。(苦笑)
 (Apr. 02, 2005)

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LABYRINTH 86
Freeman (2005)

イタリアを代表するメロディック・メタル・バンド LABYRINTH の 5th アルバム。

唯一無二のウェットな叙情味溢れる欧州メロディック・メタルに添えるエッセンスとして前作で大幅に導入していたユーロ/ソフト・ロック的な浮遊感をますます増進させ、さらにはその対極のアグレッシヴな攻撃性も同じ感覚で推し進めたある種実験的ともいえる作風は、期待していたものとは少々異なっていた。

そして、これまでこの LABYRINTH を買い続けた一番の理由だった Roberto Tiranti (vo) の歌唱も、線が細く歌いまわしのパターンが少ないという、化けの皮が剥がれた昨年の初来日公演時の印象そのまま・・・・・と、そんな風に戸惑いを覚えながら聴き進めてみたら・・・あれれ? やっぱイイぢゃん、コレ。(笑)

目まぐるしく展開する楽曲は一聴するに捉えドコロ無さげだが、張り巡らされた伏線に沿って計算高いアンサンブルがシーン・チェンジする快感と、それ折り重なるように「腐っても Roberto」なしなやかな叙情歌唱が飛翔する様には、なんだかんだ言ってやっぱりグッと来ちゃう。

そしてなんといっても、新ギター・チーム Andrea Cantarelli & Pier Gonella によるウェットな悶絶感を生む的確な激弾き、ゴストーゾ野郎 Andrea De Paoli (key) が遺憾なく発揮するテクノからクラシックまで幅広く含有した独特のユーロ・センス、そして手数足数がスッコンスッコン決まりまくる Mattia Stancioiu (dr) の有機的パワー・ドラミングが呼吸を合わせて絡み合いながら奏でる、ドタパタ一歩手前(汗)の「オーガニックな質感」の魅力がタマランのですわ。

十八番な展開に加えた一捻りが斬新な悶絶疾走チューン #3 “Dive in Open Waters”(CD プレーヤ破損の恐怖が味わえるオマケ付き/笑)、ジャジーな間奏がナイスなアグレッシヴ&ドラマティック・チューン #6 “Face and Pay”、メランコリーがシンフォニックに爆発するパワー・バラード #7 “Malcolm Grey”、超速疾走から散漫寸前の展開美を見せる #8 “Nothing New”、中間部のプログレッシヴなトランス風味が斬新さが美味しい #9 “Infidels”・・・と、印象的な楽曲が多くも、今のところダントツ一番のフェヴァリット・チューンは、キャッチーな哀感が迸るユーロ・ポップ・メタル #10 “Meanings” で決まり♪

・・・しっかし、相変わらず音悪いよなぁ・・・。

 (Apr. 08, 2005)

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LANA LANE 85
Lady Macbeth (2005)

US シンフォニック・ハードの雄 LANA LANE のレギュラー・アルバムとしては3年振りの7枚目となる本作は、William Shakespeare 作の戯曲 Macbeth をベースとしたコンセプトのミュージカライズ。

ファミリーに Kristoffer Gildenlow (b/PAIN OF SALVATION) を加え、Lana Lane (vo) & Erik Norlander (key, Produce) 夫婦を支えるバック陣を全員欧州人として臨んだこのコンセプト作は、そのテーマの選定が功を奏したのか LANA LANE の近作では最も統一感を感じることの出来る充実の一枚だ。

Lana の艶やかな成熟歌唱が時に暖かく時に力強く響くムーディなシンフォニック・ロック・・・という既に完全に確立された基本路線は変わらずも、これまでの作品の随所で登場する度にやや違和感を感じさせていたハード/ヘヴィな側面がやっとこさ本作で楽曲の中に嫌味なく溶け込んできたかのようで、従来だったら辟易してしまっていただろうオープニングいきなりの疾走チューン #1 “The Dream that Never Ends” も、今回はすんなりと耳に飛び込んでくる感じ。

適所でフィーチュアされたハード・エッジなリフの存在と、Peer Verschuren (ex-VENGEANCE), Mark McCrite, Neil Citron ら3人のギタリストによるよく泣く秀逸なソロ・パートのエモーションが描くフィジカルな抑揚が、この LANA LANE 独特のドリーミングな風合いを上手く強調しているようで、そのメリハリの効いたバランス感覚が今回は聴いててとっても心地良いんだよね。

ちなみに今回ドラムは Ernst Van Ee (HELLOISE) がプレイしているんだけど、聴いててやっぱ名手 Ed Warby (GOREFEST) のスーパー・プレイが恋しくなる・・・。

 (Apr. 07, 2005)

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MOURNING BELOVETH 84
A Murderous Circus (2005)

アイリッシュ・モーンフル・ドゥーム・メタル・バンド MOURNING BELOVETH の 3rd アルバム。

超スローに引き摺る陰鬱ヘヴィ・リフと寂寥たる暗黒アコギが、地獄の使徒の如きグロウルとメランコリックなクリーン・ヴォイスを伴って仄かな美旋律を染み込ませながらゆっくりと反復を繰り返す11分から19分までの尺を持つ全5曲計75分間(限定デジパックの2曲のボーナス含めると90分超!x_x)は、徐々に精神を蝕まれる感触が心地良い極上の拷問タイム。

聴いてて自分の中に潜む鬱気が一気に表層に浮き出るかの初期 MY DYING BRIDE, 初期 OPETH に通じるフューネラルな漆黒の空気に包まれながら、サイケやアバンギャルドな方向に強く拡幅せず、ツイン・ギター編成を生かした劇的な展開や荒涼とした哀メロを軸とした「真っ当なドゥーム・デスっぷり」が育む聴き易さ(ってほど聴き易くは全然ないけど…/汗)がイイ感じ。

単調な反復をツボな長さよりやや長めに引っ張り過ぎる場面も多く、正直それが冗長さを感じさせている部分が少なくない。 実際、最初の何回しかは毎回途中で寝ちゃったし。(苦笑) ただ、それでも懲りずにリピートさせるだけの底知れぬ奥深さと「慣れてこその快感」が存在するのも確かなんだよね。

今回買った限定2CDデジパックには過去の楽曲中心の4曲のライヴ・トラックスが収録されているんだけども、その中の “The Mountains are Mine”, “Narcissistic Funeral” が本作以上にドラマ性に満ちた激しくツヴォな楽曲でビックリ。 それらが収録された過去のオリジナル・アルバムも追々買わなきゃだなぁ。

 (Apr. 18, 2005)

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NOVEMBERS DOOM 76
The Pale Haunt Departure (2005)

SOULFLYJoe Nunez (dr) も在籍する、米国はシカゴ出身のゴシック/ドゥーム=デス・メタル・バンド NOVEMBERS DOOM の5th アルバムです。

これまで、そのストライクなバンド名と Travis Smith の耽美アートワークが非常に気になりつつも、「アメリカのバンド」というただそれだけの(しかし重大な)理由で購入を思い留まっていたのですが(我ながら損な性質ですね…)、この新作は既発の作品以上に評判よさげだったので、初めてチャレンジしてみました。

事前に勝手にイメージしていた耽美な感触は希薄で、隙なくカッチリとまとまった上質なヘヴィネスがクリアな音圧で迫り来る様からは、ゴシックやらドゥームやらという以前に「ハイ・クオリティな普遍的デス・メタル」という印象を強く受けました。

そうはいっても、5~7分台という程好い長さの楽曲の中に重厚なゴシック/ドゥーム風味がしっかりと漂っているのも確かで、特に #6 “The Dead Leaf Echo”#7 “Through a Child’s Eyes”#8 “Collapse of the Fallen Throe” という終盤の流れは思わず身を乗り出しそうになる聴き応えがあります。 各所で評されているように(特にスローなアコースティック・パートに)OPETH との類似点を感じさせるのも、我々のようにその手の嗜好を持つメイニアにとっては要チェックなポイントとなることでしょう。

ただ、そういったメロディックな部分も、その質感に僅かながら耽美な悶絶感が乏しいために、質の高さに圧倒されこそすれ惜しくも心の芯まで響いてこない・・・というのが、少々残念なところです。

 (Mar. 27, 2005)

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PAGAN REIGN 93
Ydeli Biloy Veri (Уделы Былой Веры) (2004)

ロシアン・ペイガン・メタル・バンド PAGAN REIGN の 3rd アルバム。

今時珍しい手書きロゴと着目点不明のヘッタクソな寒村アートワークが連想させる「シケシケなC級フォーク・ブラック」なイメージとは裏腹に、スピーカーから飛び出してきたのは、予想外に立派な出で立ちのキラキラと煌くキーボードを身に纏った勇壮なるシンフォニック・メロディック・ヴァイキング・バトル・ブラック・メタル。

古来の武具に身を包み凛々しく武器を構えた5人のロシアの若者達が歌い奏でるその視点/テーマは、ヴァリャーグ人(ヴァイキング)の侵略に対して祖国を守らんとするスラヴ人戦士の死を賭した戦いに擬(なぞら)えた自国の栄光と誇り・・・と「対ヴァイキング側」の立場のものなので、正確には「ヴァイキング」という形容は適当でないかもしれないけど・・・まぁそんな細かいことはどーでもいいか。(苦笑)

とにかく、かの王者 MITHOTYN に通じる寒々しいプリミティヴ・ヴァイキング・ブラックの無骨な魂が、針葉樹の森に木霊するアコギの悶々としたフォークロア風味と雪解けの雫をキラキラと滴らす1st~2ndの頃の CHILDREN BODOM 的な明快な激クサ哀愁フレーズに支配されたかの、いい意味でB級な荒涼感に包まれた悲愴旋律の嵐が荒れ狂う様ったら、マジで悶絶なんスわ!

魂を込めて絶叫すると共に、ややつたないながら殺傷力高いギター・フレーズを繰り出す中心人物 Orey (g, vo) の存在をフィーチュアしながらも、個人技よりは総合力で勝負する勇壮に展開を重ねる壮大な叙事詩は、全編がハイライト。 中でも、悲哀に満ちた感動旋律の止め処なき展開に失禁&脱糞必至の #4 “Destinies of Bygone Faith (Уделы Былой Веры)”、そして寒々しいメロウ・パートからキラキラ・フォークロア・ワルツを経て燃え滾るクサクサ大疾走に雪崩れ込む流れに確実に死ねる #6 “In Winter Embraces (В Объятиях Зимы)” というド悶絶チューンズは笑えるほどに最強だ。

コレ、街中や電車の中で聴くのはちょいと無理だなぁ。 なぜなら、聴いたが最後、人目を憚らずについ号泣しながらヘッドバンギングしてしまうから!(狂)

 (Apr. 08, 2005)

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PORCUPINE TREE 82
Deadwing (2005)

OPETH の大傑作 “Blackwater Park” 以降の作品でプロデュースを担当し続けている Steven Wilson (g,vo) 率いる、英国のネオ=プログレッシヴ・モダン・ロック・バンド PORCUPINE TREE の8thアルバム。

意外にも快活に跳ねるオープニングのタイトル・トラック #1 “Deadwing” が始まった瞬間にこの PORCUPINE TREE が只者ではないことがすぐさま判る上等なオーラに包まれたモダンなサウンドは、完全にメジャーな UK ロック・バンド然としたクリアな音像ながら、物理的にへヴィなギター・ワークと精神的にヘヴィなサイケデリックなトリップ感が備わったもの。

牧歌的な平穏さの中に脈打つ隙のない不穏な前衛的なアレンジは、なるほど OPETH の近作群との共通点を端々に感じさせていて、その OPETHMikael Akerfeldt (vo,g) が歌とギター・ソロで客演した12分のプログレッシヴ大作 #5 “Arriving Somewhere But Not Here” や静かな哀感をジワジワ盛り上げてゆく変拍子の冴えが素敵な #8 “The Start of Something Beautiful” などは、陰鬱プログレ・ファンとしては無条件にグッときてしまうね。

全体を覆う安穏なユートピアン・フィール、そして鬱なる混沌をカルチャーとして呑み込んだオサーレな空気感が魅力でもあり違和感でもある、不思議でそれでいて先駆者的な奥深さに満ちたこの PORCUPINE TREE 独特の音世界、過去の作品も遡って聴いてみたくなったデス。

 (Apr. 24, 2005)

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RAPTURE 80
Silent Stage (2005)

Spikefarm に所属するフィンランドの男声ゴシック・メタル・バンド RAPTURE の 3rd アルバム です。

初期 KATATONIA や全盛期の PARADISE LOST を思わせるダークなメランコリック・メタルのスタイルこそ前作までの延長線上にあるものですが、本作では楽曲、プレイ、プロダクションともに格段に成長したかのようです。 前作までのクオリティの高さよりも類型的であることの負の印象が嘘のような、何かに吹っ切れたような堂々たる音像には驚かされます。

ダークな絶望感を発散すると同時にキャッチーにドライヴしたりする楽曲を主導する2本のギターが紡ぐエモーショナルな旋律美、そしてセンシティヴなクリーン・ヴォイスと交錯するディープなデス・ヴォイスが塗布する近年のこの手のバンドにしては異例の暗黒色という両要素の強調が、モノトーンな哀感の中にこの RAPTURE の独自の色感を生み始めている感じと言えるかもしれません。

・・・ですが、そんな風にムードが最高潮に達したと思えるからこそ、現時点でも十分に水準以上と確信できつつもふと耳を通り過ぎてしまう瞬間がないとは言い切れない楽曲にもうひと踏ん張りして欲しい・・・という気持ちが沸き起こるのも事実なのですよ。 と言いつつも、このまま順当に進めば数年後にはカナリの名盤を作りそうなので、その時を楽しみに待つとしましょうか。

ちなみに、ドラマー Samu RuotsalainenFINNTROLLBeast Dominator と私的には他人事ではない名を名乗っているその人です。

 (Mar. 26, 2005)

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RAVENSTHORN 25
Hauntings and possessions (2004)

米国はシカゴをベースに活動するパワー・メタル・バンド RAVENSTHORN の 2nd アルバム。

裏ジャケに写った目の周りを黒く塗って赤裏地の黒マントを羽織ったシンガーの出で立ちと、店頭の CD に貼り付けてあった「KING DIAMOND フォロワー!」という紹介文だけを頼りに買ってみた・・・・が、全ッ然 KING DIAMOND じゃないやんコレ。(泣)

KING DIAMOND との類似点はシンガーが時折ヒステリックなハイ・トーンを張り上げるってだけで、その他は完全に80年代末期~90年代初期のテイスト満点の愚直なまでに OUF な U.S. ヲサーン・パワー・メタル。

ってか、Hellion Records って時点で気付け。(←オレ)

 (Apr. 02, 2005)

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REGICIDE 87
Viorus (2004)

ドイツの7人組メロディック・ゴシック・メタル・バンド REGICIDE(「国王殺し」という意味)の、2枚の自主制作を経てリリースされたメジャー・デビュー・アルバム。

その抜きん出た表現力/歌唱力をパワーと癒しの両面で露わにする逸材♀シンガー Frauke Richter 嬢と、ふくよかな中低音をエロティックに響かす実力派♂シンガー Timo Sudhoff のイーヴンなデュエットをフィーチュアしたドラマティック・サウンドは、BMG のメジャー流通網に乗るのが納得の驚くべき完成度。

NIGHTWISH, WITHIN TEMPTATION に通じる重厚なシンフォ・ドラマに LACRIMOSA に通じるベタベタでコテコテな歌劇的色合いを盛り込み、ドイツのドメスティック・バンド特有のストイックな暗さで纏め上げたシアトリカルなモダン・シンフォ具合は、聴いてて誰かが思い浮かんでくるんだけど・・・・そう、この雰囲気はかつての DREAMS OF SANITY が進化したかのようだ。(懐)

全体的によく計算された堅めの音像の中で、全編で鳴り渡る美貌の専任ヴァイオリニスト Jonna Wilms タンと優美なピアノの響きを切なくコントロールする鍵盤奏者 Heiner Jaspers が塗布するアーティスティックな愁いが、英国田園プログ/ポンプ・ロック的な気負いなく拡散する柔らかな風合いを運んできているのもメチャ嬉しいね。

壮麗にスピード・ドライヴする場面のエネルギーが眩しい #3 “The Fragrance”、シアトリカルな劇的ヘヴィ・チューン #5 “Mastery Demise” らのハイライトに混じって、アコースティック・バラード #8 “Along the Way” では真性耽美ゴシック(しかも辺境系)の悶々たる萌え光線をも放射しているのも、これまた頼もしいったらありゃしない。

どうやらツアーも精力的にこなしているようで、今後しばらくはこの REGICIDE の活動から目が離せない感じ。 いや~、いいバンドが出てきたわ、ホンマ。(^^)

 (Apr. 02, 2005)

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SCAR SYMMETRY 88
Symmetric in Design (2005)

UNMOORED, SOLAR DAWN, TORCHBEARER, INCAPACITY などで活躍する Christian Alvestam (vo) を中心に、CENTINEX, CARNAL FORGE, THEORY IN PRACTICE といった錚々たるバンド群の現/元メンバが集結した、スウェーデンの新たなメロディック・エクストリーム・メタル・バンド SCAR SYMMETRY のデビュー・アルバム。

フューチャリスティックなシンセ処理を隠し味にノリの良いアグレッションが鋭く輝く上で、デス/ノーマル両ヴォイスがコントラストを描き超テクニカル・ギターが華麗に乱舞する、解り易いドライヴ感に満ちたスマートで非常に聴き心地の良いサウンドからは、誰もが SOILWORK の名を思い浮かべるだろう。

そんな「超モヒ・タイプど真ん中」の作風ながら、シーン随一の実力派両刀シンガー Christian Alvestam が絶妙にスイッチする獣度の高い咆哮デス・ヴォイスと優しさや爽やかさまでもを含有するクリア・ヴォイスのクオリティ、そして Jonas Kjellgren & Per Nilsson のギター・チームによる悶絶必至のテクニカル・ギター・プレイの大胆な弾きまくりのレベルの高さが生む超ナイスな旨味は、この SCAR SYMMETRY を確実にフォロワーの域を完全に超越した存在に引き上げている。

それにしても、本作のギター・プレイが運んでくる悶絶感のなんと美味しいことよ! 音の粒が揃いに揃ったその見事なまでに滑らかなプレイは、あまりにスムース過ぎて感情移入が希薄とさえ思えてしまうのがやや勿体無いながら、通常の尺が終わったあたりでコードを変調させつつもう一展開覆い被さってくる瞬間のカタルシスはマジで素晴らしい。

Henrik Ohlsson (dr/THEORY IN PRACTICE, MUTANT) の鬼っぷりも見事で、ブルータルさと浮遊感の絶妙のバランスが◎な #2 “2012 – The Demise of the 5th Sun”、殺傷力絶大のメランコリーがドライヴする #3 “Dominion”、キャッチーなノリノリ Goth’n'Roll な一面が新鮮な #7 “Obscure Alliance” などの名曲群で聴かせる常人離れしたバスドラ捌きには惚れ惚れすることしきりッスわ♪

 (Apr. 02, 2005)

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SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY 96
Relic Dances (2005)

中欧チェコに生息するエスニック・ドゥーム/ゴシック・メタル・バンド SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY(バンド名長っ!)の 4th アルバム。

男女vo&男女violin/cello奏者を擁する8人組という編成だけで即買い必至なんだけど(笑)、内容の方もその魅惑の編成が伊達ではない素ン晴らしい充実具合で、オープニング・チューン #1 “Look” のイントロでたおやかな弦楽ハーモニーとヘヴィ・リフがダーク・ヴァイヴをグルーヴィに重ね合わせた瞬間・・・成す術もなく早くも全面降伏ですわ。

♀ヴァイオリン奏者 Petra Novackova タン と♂チェリスト Michal Sykora のコンビに Radosov Music Ensemble なる6人編成の管弦楽アンサンブルを加え、旧チェコスロバキア中部モラビア地方の民俗芸能を伝承する艶やかな弦楽の響きを終始鳴り止ませないそのストイックな辺境民族エッセンスの有り方は ORPHANED LANDLUMSK の名を思い出させる。

それと共に、Pavel Hrncir (♂vo) が吐き出す地を這う罪深きディープ・グロウルを Sabine Edelsbache 嬢 (EDENBRIDGE) をさらに甘く明快にしたかの世間知らずの女教師タイプ(謎)な♀シンガー Hanka Nogolova タンが慈悲深く包み込む、この精神的にヘヴィな音像が、初期 THE 3RD AND THE MORTAL に通じる地下音楽独特の荒涼で幽玄な絶望感に満ちているのが凄いわ。。。

ワンノートの連続に苛立つヘヴィ・リフの上で乱舞まくる悪魔のヴァイオリンが漆黒の恐怖を醸し出す #2 “To Face The End”、穏やかな哀愁と激情の交錯がジワジワと迫り来る #4 “Together”、そしてヘイ!の掛け声とともに民族の暗黒舞踏を伝承する #5 “You Loved The Only Blood” らをはじめとする完全に辺境プログレな楽曲群は、悲哀に溢れた嘆きが際立つ中で時折思いのほかリズミカルだったり希望的なメロディをも見せるが、それさえもが呪詛の儀式の一部かと思えるような呪術的なサウンドに、この身はユラーリと心地よく揺れまくるばかりだ。

ちなみにこの SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY、2004年度のチェコのグラミー賞に“Hard’n'Heavy 部門”でノミネートされたらしい。 ううむ、チェコ共和国・・・恐るべし!

 (Apr. 08, 2005)

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SPIRITUAL BEGGARS 87
Demons (2005)

ARCH ENEMY の悶絶アックス・マスター Michael Amott (g) 率いるスウェディッシュ・ヘヴィ・ロック・バンド SPIRITUAL BEGGARS の 6th アルバム。

70年代の偉人達へのオマージュをたっぷりと含んだオールド・テイストのグルーヴィなヘヴィ・ロックは、前作からジョイントした JB (vo) のソウルフルな渋みをさらに馴染ませたヴァラエティの増加を感じさせる一方、ややスマートだった前作 “On Fire” に希薄だった「荒々しさ」もまず耳を惹く。

取っ付き易い軽快なキャッチーさへの意欲的な挑戦を見せると同時に “Ad Astra” 以前のサバシーなヘヴィさをも(多分意識的に)多少取り戻した楽曲は、個々の曲/全体を通しての流れの両面で、前作以上に柔硬のコントラストが効いた感じかな。

・・・と冷静に分析する間もなく、イントロを経て始まる #2 “Throwing Your Life Away” でヘヴィなシャッフル・ドライヴから泣きに泣くソロへ雪崩れ込んだ瞬間、すでに My Heart は鷲掴みにされまくりですよ。(悶) そして、哀愁たっぷりのキャッチー・ドライヴァー2曲 #3 “Salt In Your Wounds”, #6 “Treading Water”、ファンキーな中にレイド・バックしたピースフルな安穏感が郷愁を誘う #7 “Dying Every Day”、かつての暗黒系としてのいかがわしさを垣間見せるダーティなヘヴィ・チューン #10 “In My Blood”、そしてシッブいメランコリーが滲みに滲むスローな終曲 #13 “No One Heard” らと共にオールド・ロックのダイナミズムを発散する楽曲群の前には、どうしても My 本能は従わざるを得ないもんなぁ。(弱)

つかね、つまるところやっぱり Michael Amott のプレイがメッチャ好みなんだと思うわ。(苦笑) どの曲にもたっぷり配された場面転換とともにメロウに爆発する狂おしいまでの激情っぷりは、現存する Michael Schenker タイプのプレーヤの中ではどう考えても最高峰の泣きマスターだと確信できるもん。 いや~、ホンマたまらんデス♪

あと、脱退した Roger Nilsson (b/THE QUILL, FIREBIRD) に代わって加入した Sharlee D’angelo (b/ARCH ENEMY, MERCYFUL FATE, WITCHERY) の弾くベース・パートが予想外にフィーチュアされていて、さらにはそれが意外なほどのナイス・プレイだった事は嬉しい誤算だったな。 彼のベースって ARCH ENEMY でも MERCYFUL FATE でもそのイカツいルックスが見掛け倒しな(汗)大人しさだったんで、今回この SPIRITUAL BEGGARS に加入ってニュースを耳にした時には正直「あ~ぁ、、、」なんて落胆したもんだけど、これだったら十分満足だよ。(^^)

 (Apr. 07, 2005)

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STARBREAKER 90
Starbreaker (2005)

Tony Harnell (vo/TNT, WESTWORLD), Magnus Karlsson (g,key/LAST TRIBE), John Macaluso (dr/TNT, ARK) を擁する多国籍メロディック・メタル・バンド STARBREAKER のデビュー作。

Magnus Karlsson のペンによる楽曲を Frontiers Records お抱え(?)プロデューサでもある Fabrizio Grossi (b) が前述の3人の特性を見事に生かして纏め上げたそのサウンドは、WESTWORLD のメロディを LAST TRIBE のテクニカルなスリルと ARK のプログレッシヴなグルーヴで彩ったかの、まさにこのメンツならではと感じさせる各要素の鬩ぎ合いがメチャ美味しいわ。

印象的なリーダー・トラック #2 “Lies” や正統欧州メタル色強くドライヴする #12 “Save Yourself” らの佳曲に代表される、テクニカルなグルーヴに支えられたややダークなヘヴィさを下敷きにキャッチーな耳触りのクリアなメロディが煌びやかに炸裂する楽曲群の、確かに“ヘヴィ・メタル”でありながらもその中心からちょっと距離を置いたところでアダルトなタッチでアンサンブルを奏でる様は、音楽性こそ異なれど立ち居地的には MASTERPLAN に近いとも思えたな。

そんな STARBREAKER の色を決定付けているのは、紛れもなく Tony Harnell の素晴らしい歌唱だろう。 持ち前のナイーヴな透明感だけではなく珍しいほどのストロングさまでも絡める完全にコントロールされた驚異的な極上ハイトーン・ヴォイスは、年輪と共にますますエネルギーと旨味を増しているかの溌剌とした響きが実に魅力的。 ホント聴くたびに、「早く DREAM THEATER に加入してくれ~」という思いが募ってしまうよ。(苦笑)

そして予想外に耳を惹くのが Fabrizio Grossi がプレイするランニング・ベース・ライン。 これまでは裏方的役割が多かった彼だが、他の3人の猛者に決して引けをとらぬハイレベルな技巧/センスで John Macaluso と共に有機的なヴァイヴを牽引するその存在感の大きさは、「凄腕ベース・プレーヤ」としてのアピールに見事に成功している感じ。

あ、Magnus Karlsson は言わずもがなで相変わらずスゲーから割愛デス。(汗)

中盤、メロ運びのパターンがやや少なめでは?と思わせる場面があるものの、この独特のマジック/ケミストリを感じるハイ・クオリティな音像にはオレ的リピートを誘う魔力がたっぷり。 なーんか短命そうなイメージあるけど、是非このまましばらく活動を続けてもらってもう何枚か聴かせてくれたら嬉しいッスな。

 (Apr. 06, 2005)

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THUNDER 88
The Magnificent Seventh (2005)

英国のハードなロック・バンド THUNDER の 7th アルバム。

再結成第一弾だった前作 “Shooting at the Sun” が「数曲に光あり」(ただしその光度は強力だったけど♪)な出来であったこと、そしてジャケが西部劇調のアメリカンな風合いってことでさほど期待はしてなかったんだけど・・・これが開けてビックリの予想外の快作に仕上がってて驚いた。

グルーヴィでスタイリッシュなブルーズ・ベースド・ロケンローという骨格はもちろん不変ながら、本作では初期2作を支配していたダイナミックでラウドなパワー感と、“Behind Closed Doors”, “Giving the Game Away” で聴けた泣き泣きなメランコリーの双方を共にガッツリと封入。 #1 “I Love You More than Rock’n'Roll” でリフがパワー・オンした瞬間の音圧が物語る見事なまでにハード・ロック然とした音像の、その堂々たるカッコよさの前には痺れるばかりだ。

名曲オーラを放つ腰の据わった哀愁ミドル #2 “The Gods of Love”、ベタベタな造りながら思わずグッとキちゃう郷愁バラード #4 “I’m Dreaming Again”、思わず涙がチョチョ切れる哀愁サイドの代表曲群 #5 “Amy’s on the Run”, #7 “Fade into the Sun”、ドラマティックに展開するメランコリック・バラード #8 “Together or Apart”、いかにも Russ Ballard の作品らしい佳曲 #11 “One Fatal Kiss”、ボーナス・トラックながら軽やかな哀感が本編並みに美味しい #12 “Love’s an Easy Word to Say” らの、これまで THUNDER のマイナー調楽曲に魅力を見出してきたオレ的嗜好にしんなりとフィットするスタイルの楽曲群はもちろん、そうではないドライな R&R 系チューンまでもが、その節々に何気なく愁いを染みこませているのが◎なんだな。

その理由の一端でもあるのが、Luke Morley (g) が泣きのギターをローリングさせまくる場面のこれまでにない多さだろう。 適度に枯れた音色でツヴォを突きまくられる快感はなんとも言えない心地良さで、#5 “Amy’s on the Run” ではなんとバンドに似合わぬ悶絶ギター・ハーモニーまで飛び出す始末。(笑)

まぁ確かに、個々の楽曲単位では前述の “Behind Closed Doors”, “Giving the Game Away” で聴けた名曲群に今一歩及んでいないと思えるのも事実ながら、総合的な質感としてはそれらに並ぶ十分な満足感を得られた嬉しい一枚ッス。

 (Apr. 05, 2005)

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TRAIL OF TEARS 81
Free Fall into Fear (2005)

ノルウェーのデス=ゴシック・メタル・バンド TRAIL OF TEARS の 4th アルバムです。

残念ながら2代目女声シンガーだった愛すべき豆タンクちゃん Cathrine Paulsen 嬢がいつの間にか脱退しており、本作では GREEN CARNATION のシンガー Kjetil Nordhus を迎えて男性2人のデュエットという気持ち悪い編成(笑)になってしまいました。

それと同時に、そのサウンドもその方向性をややシフトさせた印象で、アクセントとして弦楽のナイーヴな響きやゲスト♀シンガーによる女声が生む耽美なメロディック・パートを配しつつも、基本路線としてはアグレッシヴでエクストリームな方向性を選択したサウンドは、もはや「ゴシック風味のメロディック・ブラック・メタル」と呼んでも差し支えないほどに完全に脱ゴシックな風合いに包まれているようです。

そんな風に音像を激化させた反面、Ronny Thorsen (vo) の迫力デス・ヴォイスと対を成して抑揚を司る Kjetil Nordhus のエモーショナルで暖かなクリーン・ヴォイスを大幅にフィーチュアした楽曲は、これまで以上にヘヴィでありながら同時にこれまで以上にメロディックになったとも思えるもので、以前とは異なる空気感が戸惑いをもたらしつつもコレはコレで魅力的に仕上がっているのもまた事実です。 趣向を凝らした微サイバーなモダンな感触の心地よさが◎だと思えるのも高ポイントと言えるでしょう。

しかし、今回の女性シンガー廃止によって、デビュー作にして最高傑作である “Disclosure in Red” を「あのスタイルで」超える作品を生み出す可能性が限りなくゼロに近付いてしまったのには、やはり寂しさを禁じえませんね。。。

 (Mar. 29, 2005)

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TRIVIUM 83
Ascendancy (2005)

米フロリダの若きメロディック・デス=コア・スラッシャー TRIVIUM の Roadrunner Records 移籍第一弾となる 2nd アルバム。

ピアノがメロウに響く美麗なイントロダクションを発射台として解き放たれるのは、渾身で叩き込まれるスラッシーなリズム/リフとハードコアな怒号が渦巻き、そこにのっぺりとしたクリーン・ヴォイスがしなだれるメロディックなサビメロが切り込む、まさに N.W.O.A.H.M.ド真ん中な激烈エクストリーム・メタル。

が、そんな中にあってこの TRIVIUM は、呆れる程に大胆にフィーチュアされたテクニカルな叙情ギター・ワークと80年代メタル的なコンパクトなポピュラリティを備えた楽曲の妙のおかげで、「キャッチーなメインストリーム・メタル」と思えるほどの独特の聴き易さを備えていると思えるね。

特に、バンドの中心人物の一人である1986年生まれ(!?)の日米ハーフ Matt Heafy (vo,g) とそのパートナー Corey Beaulieu (g) がこれでもかと弾き倒すダイナミックかつ繊細なギター・ワークは、IRON MAIDEN の構成思想と MEGADETH の展開理論を ARCH ENEMY 的なエモーショナルなアプローチで実践したかの充実っぷり。 両者とも決してソロイスト・タイプではないものの、若さ故の勢いを備えた現代的なテクニックで奏でる意外にも欧州風なタッチのフォーマルな構築美は大きな魅力だ。

そんな魅惑のギター・パートが緊張感を漲らせる一方、楽曲自体の造りに往年のアメリカン・メタル的な耳馴染みの良さが滲んでいるのも面白く、#6 “A Gunshot to the Head of Trepidation” で聴けるいかにもライヴで盛り上がりそうなヘイ!ヘイ!の掛け声や #7 “Like Light to the Flies” でのキャッチーな後追いコーラスなどが醸し出すベタベタなキャッチーさには、他の同系バンドにはない大衆へのアピール力を感じるわ。

ただ、日本盤ボーナス含めて14曲と曲数が多い割に楽曲パターンが少なく、似たように感じる曲が多いのが少々難点。 平均的には実に良く出来てるんだけど・・・。

 (Apr. 13, 2005)

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