5月2005
BRUNOROCK 84
Interaction (2005)

イタリア人シンガー/ギター・プレーヤー Bruno Kraler のソロ・プロジェクト BRUNOROCK の 3rd アルバム。

主役 Bruno Kraler (vo,g,key) のスマートなハスキー・ヴォイスをサポートするのは、Fredrik Bergh (key/STREET TALK), Rachel Bolan (b/SKID ROW), Bobby Altvater (gu/AFFAIR), Alex De Rosso (g/HEADRUSH, ex-DOKKEN)、そしてプロデュースは大御所 Michael Wagenerという燻し銀的に豪華な布陣。

その非常に洗練されたポップなメロディック・ハード・ロックは、緻密に作り込まれた抜群の整合感(やや人工的な無機質さを感じさせるが…)で紡がれる都会的な哀愁に心惹かれるもので、アメリカ的な乾燥質と欧州風味の旋律美が融合した雰囲気が後期 WINGER、後期 GIFFURIA の姿を思い起こさせたな。

イントロに続くオープニングにうってつけの哀愁ドライヴァー #2 “It’s Been Done 4 Me”、腰の据わったアーバン・ミドル #3 “Now Dies The Truth” の強力哀愁ハード2連発、TERRA NOVA 風味の郷愁ライト・チューン #8 “Hard Working Day”、そしてドラマティックなハード・チューン #9 “No More Promises” らの佳曲が並ぶ一方、やや退屈な平坦な曲も確実に存在するではあるが、全編で悶々と弾き紡がれる Alex De Rosso (g) のエモーショナルなソロ・パートが全ての曲をオレの興味の対象としているのが嬉しいわ。

中でも名曲 #9 “No More Promises” でのその Alex のプレイは特に凄まじく、ベンドに込める情念には Neal Schon と同質の魂が見えた!

 (May 20, 2005)

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CANDLEMASS 93
Candlemass (2005)

Messiah Marcolin (vo) を含む初期の黄金メンバーで奇跡の再結成を果たしたスウェディッシュ・ドゥーム・メタル・レジェンド CANDLEMASS が満を持して放つ 8th アルバム。

既に随分前からライヴ活動は再開させており、実際に2002年の Wacken Open Air で往年の名曲群に悶絶した至福体験もまだ記憶に新しいが、こうして「今を生きるバンド」として新たなマテリアルを発表するまでに至ったその事実は実に感慨深く、ここまで漕ぎ着けた Leif Edling (b) の信念にはマジ Hail だ。

伝統的ヘヴィ・メタルのオーセンティックな手法でメランコリックな叙情性たっぷりに展開する遅く暗く重厚なドラマティック・ドゥームは、どこを切っても CANDLEMASS 印の十八番的展開の連続。(嬉)

新たな要素の導入やスタイルの進化などの変化はもちろん皆無だが、それは枯渇や停滞に繋がっているわけではなく、刻んだ年輪に相当するかの表現力の増加が窺える巨漢 Messiah Marcolin のその朗々たる豊満な歌唱と、良質の手癖がフラッシーに冴え渡る名手 Lars Johansson (g) のエモーショナルな現代的テクニカル・ギターという類稀かつ強力な武器で趣向を凝らしたフックを形成する楽曲が、全盛期の作品である 2nd ~ 4th に勝るとも劣らぬ逸品揃いなのが素晴らしいったらありゃしない。

とりあえず、呪術的な緩急に惑わされっぱなしの #8 “Spellbreaker” 最強! Awesome!

 (May 23, 2005)

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CLOUDSCAPE 82
Cloudscape (2004)

ALYSON AVENUE, SHIVA のメンバーも在籍するスウェーデン発の新進プログレッシヴ・メタル・バンド CLOUDSCAPE のデビュー・アルバム。

大きくフィーチュアされた豊潤なメロディを含んだテクニカル・プレイ(テクはやや甘めだけど)を弾き出す2人のギタリストをはじめ、達者な演奏陣による大胆な展開がスリルを催すプログレッシヴな装丁に包まれてはいるが、明快な旋律がパワフルな回転力に後押しされて疾走する音像は“メロディック・パワー・メタル”と呼べるもの。

この CLOUDSCAPE の最大の宝だと思えるのは、シンガー Michael Andersson の骨太かつエモーショナルによく伸びるパワー・メタル・ヴォイス。 第一印象が「おぉ、Yngwie のバンドに似合いそう!」という堂々たる歌唱は、本作をデビュー作とは思えない上質さに満ちさせているな。 プログレッシヴ&メタリックな雰囲気の中でしっかりと歌モノである主張を放射するその姿は、LION’S SHARE に近いかも。

プログ・メタル黄金率な王道7拍子チューン #7 “Everyday is Up to You” らの印象的な楽曲もありつつ、全体的にはパターンが少なめなやや地味ぃな流れになってしまっているのが惜しい感じだけど、もっと聴き込んで行けばいい所が沢山見つかりそうな気配はアリ。

ボーナス・トラック(過去のデモ音源?)#13 “Inferno” が場違いなほどネオ=クラシカルなインストなのが笑える~。

 (May 21, 2005)

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EPICA 82
Consign to Oblivion (2005)

オランダのシンフォニック・メタル・バンド EPICA の 2nd アルバム。

デビュー作から格段に完成度を増した壮麗なオーケストレーションが施されたオペラティックなサウンドは、見違えるほどに成長した看板美女シンガー Simone Simons タンFloor Jansen タン (AFTER FOREVER) への意識を感じさせる歌唱も手伝って、中心人物 Mark Jansen (g,screams) の古巣 AFTER FOREVER にますます近づいたかも。

この EPICA の最大の特徴であるオーケストレーション/アンサンブルにおいても、WITHIN TEMPTATION を研究した結果と思える豊かなホーンの響きが溢れさす魅力的なスケール感は(本家には当然及ばずながらも)カナーリいい感じ。

が、そんな風に前作からすると桁違いに成長してると思えるにも関わらず、前作での弱点だった「メタル・パートの凡庸さ」がそのまま残ってしまっているために、イマイチのめり込めないんだよな。。。 雄大なシンフォニック序曲 #1 “Hunab K’u -A New Age Dawns ~Prologue-” から #2 “Dance of Fate” になだれ込んだ時の「アレレ?」ってな落差が、その後最後までずっと引き摺ってしまうようなもどかしさを感じてしまう。

ディズニー・アニメのエンディング曲の如き甘口ラヴ・バラード #9 “Trois Vierges”Simone タンとエローく絡む Roy “汁男優” Khan (KAMELOT) の、先日の来日公演でのシンドそうだったパフォーマンスとは別人のようなふくよかで艶やかな「ずぶ濡れ歌唱」は最高。

 (May 08, 2005)

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EVIL MASQUERADE 79
Theatrical Madness (2005)

デンマーク産シアトリカル・クラシカル・メタル・バンド EVIL MASQUERADE の 2nd アルバム。

古き良きバロック様式美メタルを、現代欧州メタルのエネルギーと中世見世物小屋的なビザール・エッセンスでドラマティックに構成した独創的なメロディック・メタルは、さらに演劇的な要素を強めた印象だ。

デビュー作だった前作は、カムバックした Henrik Brockmann (vo/ex-ROYAL HUNT) の思いのほか現役っぽさを漂わせた歌唱の円熟味、そしてそのやや風変わりなスタイルの物珍しささもあって結構ハマって聴き込んでいんだけど、本作は薄味と思える淡白なメロディと劇的ながら散漫な展開がど~もリピート欲を削いでしまっている感じ・・・。 ゲストの Richard Andersson & Andre Andersen の鍵盤対決も、つい聴き流してしまうかのように蛇足気味だし。

2作目にして早くも確立された感のある独特の世界観と、バンドとしての地盤の強化を思わせるケミストリーに満ちたプレイは、聴いてる最中はそれなりに満足感を運んできてくれるではあるんだけどね。

 (May 08, 2005)

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EXTOL 78
Blueprint (2005)

ノルウェーのプログレッシヴ・テクニカル・デス・メタル・バンド EXTOL の 4th アルバム。

老獪な円熟技巧をもって変態的展開を繰り返すアヴァンギャルド・メタルは、計算されつくした変拍子が濁った叫び声と共にスラッシーに畳み掛ける一方、知的なノーマル・ヴォイスが混沌なる静粛を揺らめかす、喩えるならば WATCHTOWER meets OPETH といえよう独特の風情。

これまでの作品同様、このごった煮なサウンドは相変わらず掴み所に欠けるものではあるんだけど、その圧倒的な演奏力と非凡極まりないセンスの高さが生む妙な“大物感”漂う自信に満ちた音像は、「もっともっと聴き込んでこれを理解しなければ!」という気にさせる。

ただなぁ、前作の随所で眩しく光ってた超テクニカル・ギターのメランコリックな高揚感が大幅に減少してしまってるというネガティヴ・ポイントは、オレ的にはカナーリ痛いかも・・・。

 (May 14, 2005)

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KAYAK 88
Nostradamus – The Fate of Man (2005)

オランダが誇る美旋律シンフォニック・ロック・バンド KAYAK の最新作は、2枚組36曲111分という超大なヴォリュームで科学者/医師でもあった稀代の預言者ノストラダムス像を描いたロック・オペラ。

現シンガー Bert Heerink (ex-VANDENBERG) と多くのゲスト・シンガーを各登場人物に配役し(ゲストの中には元シンガー Edward Reekers の名も!/嬉)、曲間を場面転換の小曲で繋ぎながら緩急&陰陽たっぷりに超ドラマティックな展開を見せるこの歴史的傑作 “Merlin” 以来となる一大コンセプト作は、豊かなオーケストレーションや荘厳なクワイアを配した壮大な装丁を施しながらも、それらの装飾に決して飲み込まれないウェットなギター・ワークとプログレッシヴなリズム隊が生む「ロック・バンド」としてのヴァイヴに心が躍る。

複雑に張り巡らせた伏線を辿ってゆく非常にクラシカルでアーティスティックな作風でありつつも、その中にプログレッシヴなスリルはもちろんキャッチーなポップ・センスやA.O.R.ライクな都会的洗練をもキッチリと封じ込めた「流石 KAYAK ならでは!」とつい唸ってしまう絶妙なバランスの良さは、これまでの作品と同様にマジで素晴らしいわ。

欲を言えば、ハイライト・チューンと思える Disc1 #14 “The Inquisition” をはじめ、主要な楽曲が4~5分台中心とその濃密な造りからするとやや短めな尺であるために、身体がこれからもうひと盛り上がりしようという時に曲は容赦なく次なる展開に流れてしまう・・・という“置いてけぼり感”を感じる場面が少なくないのがやや惜しいかな。。。

ちなみに今回買った36曲入り2CD仕様は初回限定のみで、通常盤はここからハイライト13曲をダイジェスト収録した1枚仕様らしいよ。

 (May 09, 2005)

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MACBETH 74
Malae Artes (2005)

イタリアはミラノの男女シンガーを擁する7人組ゴシック・メタル・バンド MACBETH の4年振りの 3rd アルバム。

前作までの王道ゴシックの耽美な香りへの拘りはそのままに、本作ではその息吹をコレまで以上にシンフォニックなメタル・ドライヴで調理したと思える、エネルギーを強く感じさせる作風だ。

冷ややかなキーボード処理とネオ=クラシカル風味もあるメロディック・ギターが対峙しながら、控えめな貞淑フィールが萌えを誘う知的美女シンガー Morena 嬢とよく裏返る中性的クリーン・ヴォイスがキモい(笑)♂シンガー Andreas のドラマティックな絡み合いを盛り立てる楽曲群は、印象的なフックとメロディを適所に展開させたよく練られたもの。 そう、この MACBETH の良いところって、とにかく曲がイイことなんだよね。

だけど、よりメタリックな風合いになったことで、これまでも不安要素だった各プレーヤの力量的な弱点がさらに露わになっちゃったのはちょいとマズイ・・・。 中心人物ならではの主張を見せる Fabrizio (dr) の下手ッぴなドラムはさらにダメっぽく浮き上がり、なかなか頑張っているリード・ギタリスト Alex (g) もスウィープこそ華麗にキメるものの所々で速弾きが完全に破綻。 そうなると、主役の両シンガーが実は特別上手はないこともあって、全体がチープなC級フィーリングに覆われてしまうんだよな。。。

シアトリカルな #6 “Good Mourning”、哀切なピアノの打鍵に Morena 嬢の可憐な独唱が乗る #8 “Keep the Secret” など前述のようにやっぱりイイ曲はあるし、前2作をソコソコ気に入っていた身としては美味しいところも確実に存在するんだけど、全体的にはちょいと残念な感じ。

 (May 19, 2005)

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METALIUM 85
Demons of Insanity -Chapter Five- (2005)

ジャーマン・ピュア・メタル・メサイア METALIUM の 5th アルバム。

高密度に封じ込めた至高のメタル魂がメロディックに爆裂する硬派なパワー・メタルはこれまでの延長線上のスタイルながら、物理的/精神的両面のボトムを図太く担うバンマス Lars Ratz 社長 (b) を柱にソリッドな攻撃性と劇的なメロディを融合させる各メンバーのプレイのテンションは、過去作を完全に凌駕するかの勢いだ。

さらに説得力を増したエモーションを発散する Henning Basse (vo) の強靭なハイトーン・ヴォイスの堂々たる佇まいも凛々しいが、前作で目指し始めたシングル・ギターを想定したアプローチがここに結実した感のあるアレンジメントの中でさらに存在感を増した Matthias Lange (g) の熟達のロック・ギター・プレイが見せる良質の主張がなんともイイ感じ。

多くの楽曲には特に目新しいことはないものの、先の初来日公演でも披露された #2 “Power of Time”, #4 “Cyber Horizon” という今後の代表曲になり得る2曲のスピーディな名曲のスペシャルな存在は非常に頼もしい。 LOUDNESS のカヴァー #15 “Heavy Metal Crazy Night” も意外にもハマってるし。

この手のスタイルで全15曲ってのはちょっと多過ぎだけど・・・。

 (May 15, 2005)

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MORS PRINCIPIUM EST 89
The Unborn (2005)

“モスプリン”の愛称で老若男女すべてのメタラーに親しまれる(未確認)フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド MORS PRINCIPIUM EST の 2nd アルバム。

フューチャリスティックなモダン・テイストが呼び込む北欧ならではの冷気漂うクールな空気感とアグレッションを増したエッジーな破壊力がさらに効果的に強調されたことで、スマートに整った激烈なブルータリティから展開と共に雪崩れ込む強烈な哀感が更なるコントラスト得たのは大きなトピックだ。

もちろん、2003年リリースの衝撃のデビュー作 “Inhumanity” で悶涙を搾り取った類稀なるキラピロ慟哭ギター・ワークは、本作でも縦横無尽に乱舞しまくりで(嬉)、リフやリズムの造り自体は所によって SOILWORK だったり IN FLAMES だったり CHILDREN OF BODOM だったり ARCH ENEMY だったりする(美味しいトコ全部やんけ!/笑)ものの、その凄まじきスリリング・センスで構築されるアメイジングなテクニカル叙情ギターの存在が、このサウンドを MORS PRINCIPIUM EST 独自の音像たらしめていると言えるだろう。

オープニング・チューン #1 “Pure” の歌い出しでいきなり飛び出す女声が意表を突きながら前半はやや小粒にまとまった感触を得つつも、後半、タイトル・トラック #7 “The Unborn”, #8 “Fragile Flesh” での怒涛の畳み掛けと、思慮深い陰鬱ヘヴィネスに悶える #9 “Pressure” から美しい女声スキャットが激情のドラマの終焉を優しく告げる本編アウトロ #10 “The Glass Womb” への流れが発散するゴシカルな風合いは威力抜群。

ただ、その最大の魅力のギター・パートがやや線が細めな録れ方になってしまっているために、せっかくの悶絶感がリフの中に埋もれてしまって飛翔しきれないもどかしさを感じる場面があるのがちょっとだけ残念。。。 まぁ些細なことなんだけど。

 (May 29, 2005)

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NIGHTRAGE 87
Descent into Chaos (2005)

スウェーデン/ギリシャ合弁なメロディック・デスラッシャー NIGHTRAGE の 2nd アルバム。

これまでゲスト扱いだった Gus G. (g/FIREWIND, MYSTIC PROPHECY) を正式メンバーとして迎えた効果か、前作とは比較にならぬほどに Gus のフィーチュア度がアップしているのが彼のファンとしては真に嬉しい限り。(^^)

爆発するブルータリティと狂おしくエモーショナルな劇メロ・ギターをスマートにパッケージングした楽曲は ARCH ENEMY に接近したバランスの聴き易さを生んでいるが、その中でも特にミドル・テンポの楽曲/パートにおける Gus 色の強さは、「ここまでやっちゃっていいのか!?」と心配になるほどに革新的。 #3 “Poems”, #5 “Frozen” らのポップなキャッチーさなんて、ホントにもう“スコピー・デス”(笑)と呼びたくなるほどだもんな。

ちなみに、ドラマーの座が Per Moller Jensen (THE HAUNTED) から SEPTIC FLESHFotis Benardo にチェンジしてるけど、コイツも充分に人間離れしてるんでまったく無問題。
 (May 14, 2005)

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RICOCHER 83
Chains (2004)

オランダの5人組ネオ=プログレッシヴ・ポンプ・ロック・バンド RICOCHER の 3rd アルバム。

優しく穏やかに落ち着いた空気の中で、ポリシンセのカラフルな旋律がハードなギター・リフにバックアップされてダイナミック&ドラマティックに泣きまくるジェントルな楽曲群の佇まいは、PENDRAGON そして EVERON の名を思い起こさせるもの。

ややトレブリーな感触の素朴系ヴォーカルも含め各メンバーの技量が特に優れているタイプではないし、ミドル・テンポ中心のマターリした雰囲気に欧州のマイナー・バンドならではの野暮ったさをしっかりと感じさせちゃってはいるものの、組曲形式ながらコンパクトにまとまった楽曲の中で淡々としかし実直に紡がれるメロディの妙はなかなか見事で、聴いているこちら側に確実に沁み込んでくる。

全体的に決して派手な音像ではないにも関わらず、前述のポリシンセの響きが80’s産業プログレ・ファンのツボを突きまくる悶絶的盛り上がりを随所で創出しているそのコントラストが気持ちイイな。 ちょっとだけ ASIA っぽさもアリ。

 (May 09, 2005)

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ROB ROCK 91
Holy Hell (2005)

実力派メタル・シンガー Rob “The Voice of Melodic Metal” Rock の3枚目のソロ・アルバム。

ソリッドなエッジの剛健ヘヴィ・メタル・ベースに、適度にテクニカルな抜群の演奏力と Rob のストロングなハイ・トーンがキャッチーでエモーショナルな旋律美を与えた強靭なサウンドは、メロディック・ヘヴィ・メタルに必要な各要素を絶妙な配合バランスで封じ込めた理想的な形態。

クラシック・メタルのツボを知り尽くした Roy Z プロデュースならではの、JUDAS PRIESTIRON MAIDEN らのルーツが現代的なヘヴィネスと技巧を順当に備えたかの音像は素直にカッコよくて、前作と比較してもワン・ランク上だと思えるものだ。

その大きな理由はやっぱ演奏陣の充実かな。ドラムの Bobby Jarzombek (ICED EARTH, SPASTIC INK, ex-HALFORD, RIOT) が超強力なのは言わずもがな、筋金入りのネオ=クラシッカー Carljohan Grimmark (g/NARNIA) の固唾を呑まざるを得ない流麗極まりないスピード・プレイとそれに一歩も引かぬ Roy Z 自身のパッショネイトなスーパー・プレイの激情コンビネーションが生み出す極上のカタルシスは絶品!

もちろん楽曲的にも、キャッチーなメランコリーが響くまさに“Rob 節”な #3 “Calling Angels”、前作でのヒーロー Rick Renstrom (g)の客演が嬉しいアグレッシヴなタイトル・トラック #4 “Holy Hell”IMPELLITTERI 時代の名曲のセルフ・カヴァー #6 “I’m a Warrior”、昨年亡くなった彼の父にささげた穏やかなバラード #7 “I’ll be Waiting for You”、ドラマティックなイントロに心が震える #8 “When Darkness Reigns”、そして EDGUY, AVANTASIA の天才パフォーマー Tobias Sammet (vo) をゲストに迎えた思わず涙の ABBA の胸キュン・カヴァー #10 “Move On”・・・と、前作以上に粒揃い。

アートワークもナイスだし、オレ内では Rob Rock の多くのキャリアの中で JOSHUA “Intense Defense”, M.A.R.S. “Project:Driver” と並ぶ位置まで来るね、コレは。

 (May 18, 2005)

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SUPREME MAJESTY 90
Elements of Creation (2005)

スウェディッシュ・メロディック・メタル・バンド SUPREME MAJESTY の 3rd アルバム。

現代メロディック・スピード・メタルとは決定的に質の異なるまろやかな疾走感の中で、安直なキラキラ・キーボードと様式がかったテクニカル・ギター・ワークが紡ぐドラマに乗って Joakim Olsson (vo) の頼りない青臭ヴォーカルが哀愁のメロディを吐き出すキャッチーなヨーロピアン・メタルは、コレまでの作品以上に古のB級 80’s 北欧メタル・テイストに満ちた・・・ってゆーか完全に往年の「ゼロ・コーポレーション型北欧メタル」(笑)と呼べる紛れも無い最高傑作。

野暮ったい叙情メロディの妙が何かに吹っ切れたかのような冴えを見せるとともに、新たに加入したリード・ギタリスト Tobias Wernersson の「メンバーが昼間働く会社の同僚」(苦笑)というレベルを完ッ全に超越した Yngwie マニア全開のネオ=クラシカル・プレイの炸裂もメチャクチャ魅力的で、まさにこの SUPREME MAJESTY に新たな生命を吹き込んだかのよう。

いかにもな大仰イントロに高揚を禁じえない #4 “King of Warriors”、センス溢れる激泣きギターがたまらんバラード #6 “One More Promise” をはじめ楽曲はどれも印象的で押し並べて出来が良いんだけど、#11 “Out in the Fields” (GARY MOORE), #12 “Far Beyond the Sun” (YNGWIE MALMSTEEN’S RIGING FORCE) つーベタベタなカヴァー・センスだけは・・・ちょっとナニなんだよな。。。

 (May 15, 2005)

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THROES OF DAWN 88
Quicksilver Clouds (2004)

スウェーデンのメロディック・ゴシック=デス・メタル・バンド THROES OF DAWN の 4th アルバム。

多くのゴシック・メタラーが2004年度を語る際に本作の名を挙げているのを見聞きし、今更ながらに焦って GET してみたら・・・なーるほど、コリャ確かにイイわ。

4年前の前作 “Binding of the Spirit” は耽美ゴシックをベースにしながらもメロディック・デス/ブラック風味の攻撃性が印象的だったけれども(それはそれで良かったけどね)、本作ではその風合いを適度に残しつつ哀しき泣き系ゴシック・メタルとしての荒涼たる空気感がしっかりと全編を支配しているのがさらに美味しい。

禍々しいブラック喚き声とダイナミックにドライブするメタル・ドラミングが生むエクストリームなエネルギーをエッセンスに、のほほんとしたダル系普通声とアトモスフェリックな壮麗キーボードが空間に振り撒く瑞々しい暗黒清涼感(謎)が、ダークな透明感の中で自然体のロック・ヴァイヴを揺らすサウンドが狙う雰囲気としては、近作の AMORPHIS の線に近いと言えるかも知れないな。

Juha Ylikoski (g/ex-ROTTEN SOUND) による David Gilmour (PINK FLOYD) ばりの浮遊ギター・ワークも素晴らしく、耽美なドゥーム・グルーヴに満ちた #1 “Vertigo”, #5 “Quicksilver Clouds”, #6 “Hyperion” あたりは、夜更けの酒の肴にマジピッタリよ。

 (May 21, 2005)

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