7月2005
ANGEL 78
A Woman’s Diary – Chapter I (2005)

ex-TRAIL OF TEARS で、最近は IMPERIA でも活躍中のノルウェイジャン爆乳姐御 Helena Iren Michaelsen タン の新プロジェクト、ANGEL のデビュー・アルバム。

先にリリースされた IMPERIA での絢爛ゴージャスなメタリック路線とは一味違う、壮麗過ぎない王道耽美フィメール・ゴシック路線からさらにコンテンポラリ/ポップな方面に焦点を向けた本作の聴き易いスタイルは、適度にグッとキつつ適度にマターリした空気感が心地良い、路線的には美味しすぎるくらいに好みなモノ。

・・・なんだけど、うーん、なんかビビっと来ないなぁ。。。 Helena タンって、エンジェリックなソプラノからシアトリカルな中音域歌唱まで圧倒的な巧さと表現力を誇ってる稀有な♀シンガーだと認識してるんだけど、その魅力がイマイチ封じ込めきれていない感じ。

ただ単に、楽曲/メロディが惜しい出来なだけ?・・・とも思うが、彼女のアクが強い自信に満ちた歌唱は、メタリックな音像の中でこそ活き活きと輝くタイプで、本作のようなヴォーカル・オリエンテッドな造りだと若干空回り気味に浮いてしまうのかも?

そうは言いつつも、ほぼ IMPERIA と同じメンツながら、その IMPERIA のアルバムとは全然印象の異なるエモーショナルなロック感を塗布するバック陣のナイスな演奏と、やっぱり決して悪くはない Helena タンの上質な歌唱のコンビネーションは、ついついリピートを繰り返してしまうクオリティと魅力を備えているのは確か。

とりあえず、ジャケの小悪魔カチューシャと極細 Bitch 眉で萌え倒すだろ、普通。

 (Jul. 19, 2005)

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BLIND STARE 86
Symphony of Delusions (2005)

フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド BLIND STARE のデビュー・アルバム from ARISE RECORDS。

切れ味鋭いギター・ワークとキラキラなシンフォニック・キーボードが端整にドライヴィングするそのサウンドは、乱暴に分類してしまえば KALMAH, NORTHER らの CHILDREN OF BODOM チルドレンの流れにあるもの。(マインド/手法としては CADACROSS に共通点を見出せるかも?)

が、時にデス&ロール的とさえ思える荒々しいローリング・リフ・ワーク、そしてシンガー Eino Tuominen の絶叫/グロウルの二刀流歌唱と共にドラマを構築するクリーン・ヴォイス(ギタリストとドラマーの2人が担当)の朴訥メロディック歌唱が呼び込むヴァイキング風味などの要素が生む前述のバンド群以上の骨太で硬派な感触が、この BLIND STARE のデビューを単なるフォロワー登場以上のスペシャルな出来事としていると言えるだろう。

あくまで自身がドラマティック&シンフォニックな華麗なる様式系であることを前提として、その本来の持ち味の数々それぞれを研ぎ澄ますよりことによってよりエクストリームな高揚感を演出しよう・・・という、そういった視点で組み上げられたメロデスってなんだか久々な気がするなぁ。(嬉)

随所で発揮する素晴らしいセンスが耳を惹く Zacharias E. Aarnio (key) をはじめ各楽器のエモーショナルな息遣いが聴こえる非常にヒューマンな音作りも心地良く、スロー・パートでの重量感/浮遊感も十分。 うん、こりゃマジでいいバンドだわ。 次作とか相当ヤヴァそうな予感がプンプンだし、今後の展開に超期待デス。

そうそう、オフシャル・サイトによると、ex-DREAMTALE で現 TERÄSBETONIJarkko Ahola (vo) が歌う “Runaway” なる曲が日本盤ボーナス・トラック用として用意されてるんだけど・・・どっかから出るの?(謎)

 (Jul. 24, 2005)

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BRAZEN ABBOT 86
My Resurrection (2005)

ブルガリア領オーランド出身のクラシカル派ギタリスト Nikolo Kotzev 率いる BRAZEN ABBOT の 5th アルバム。

DEEP PURPLE, RAINBOW の流れを汲む様式系ブルーズ=ベースド王道ハード・ロックを、北欧風味のクリアなシンフォ/クラシカル・エッセンスとキャッチーでアダルトな A.O.R.タッチで味付けしたオーセンティックなサウンドは従来どおりの作風だし、複数のシンガーを起用するというスタイルもこれまでと同様だけど、楽曲面においてその焦点が一気に定まってきたような充実を見せているのに驚いた。

本作でシンガーを努める Joe Lynn Turner (vo on 1, 4, 7, 10), Goran Edman (vo on 2, 5, 9, 12 / XSAVIOR), Tony Harnell (vo on 3, 6, 11 / TNT, STARBREAKER), Erik Martensson (vo on 8, 9, 10 / ECLIPSE) ら4人の声の相性も非常に良く、彼らそれぞれの熱演が全体の中でバランスよく形成するハイライトの連続はメッチャ聴き応えあり。

広瀬編集長悶絶必至の「超 “Bent Out of Shape” 収録曲タイプ」(笑)な #4 “Dreams” で「望まれる持ち味」を発揮しまくる Joe Lynn Turner と、ラストのアーバン・バラード #12 “Shades of Grey” をしっとりと締めくくる Goran ‘Mr. 北欧ヴォイス’ Edman のレギュラー・メンバーはもちろん、高エネルギーなハード・ドライヴィン・チューン #3 “Godforsaken” で自らが世界有数のハイ・トーン・シンガーであることを強烈にアピールする Tony Harnell、そしてメロウな哀愁 A.O.R. #8 “The Shadows” にて他の名シンガー3名に一歩も引けを取らぬ叙情歌唱を聴かせる Erik Martensson の2人の活躍が新鮮さを生んでいるのも◎。

Nikolo Kotzev が端々でしっかりと主張する独特のクラシカル・センスももちろん強力だが、今回それ以上に耳を捉えたのが、Nelko Kolarov (hammond, piano, key) の悶絶ピアノ・タッチ。 ななな何者だ!?と思ってググってみたら、どうやらソロ・アルバム出してるらしい。 買わネヴァ!

 (Jul. 07, 2005)

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CIRCUS MAXIMUS 89
The 1st Chapter (2005)

ノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンド CIRCUS MAXIMUS のデビュー・アルバム。

DREAM THEATER の初期3作の流れを消化し尽くした具材を傑作 2nd “Images & Words” のフィルタで再構築し、そこに SYMPHONY X 的なシンフォニック・ドラマを振りかけたサウンドは、既視感たっぷりの“フォロワー”全開な出で立ちながら実に強力。

Mats Hougen (g) によるテクニカルな叙情ギター・ワークがリードする唐突な展開が必然のドラマとして様になってる老獪なテクニカル・メタル基盤と、Michael Eriksen (vo, g) のどちらかと言えば直線的なタッチながら印象的な歌メロを明快に聴き手に伝えるやや Charlie Dominici (ex-DREAM THEATER) 似の上質ハイトーン・ヴォイスの調和は見事で、その全体的なスリルとメロディのバランスの良さはライバルと目されるだろう ANDROMEDA, SUN CAGED を凌ぐほどだ。

戦慄のオープニング・チューン #1 “Sin”、旋律美が軽やかに飛翔する #2 “Alive”SYMPHONY X を思わせる(つか、正直パクリ/笑)10分超の大作 #3 “Glory of the Empire”、怒涛の超絶インストゥルメンタル #4 “Biosfear”QUEENSRYCHEKAMELOT かというウェットな泣きのバラード #5 “Silence from Angels Above”、アグレッシヴな中にライヴで大合唱必至なキャッチーさ織り込んだ #6 “Why am I Here?”、リラックスした穏やかさの中にスリルを秘めた #7 “The Prophecy”、そしてこれまた SYMPHONY X を思わせる(やっぱりパクリ/笑)本編ラストに壮大に聳える19分のタイトル・トラック #8 “The 1st Chapter”・・・とタイプの異なる楽曲を隙がなく並べた流れも◎。

そこはかとなく漂うドライな質感、ヴィンテージ感、そしてポピュラーな安定感が生んでいるまるで米産バンドのような風合いが、現在の強みであり今後の面白さの鍵でもありそうだ。

 (Jul. 01, 2005)

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HOLY BLOOD 88
Waves are Dancing (2005)

ウクライナのクリスチャン・ヴァイキング・ブラック・メタル・バンド HOLY BLOOD の 2nd アルバム。

「クリスチャン」と「ヴァイキング」そして「ブラック」が並列に位置する矛盾点については、荒波の大海を往くヴァイキング船を描いた稚拙な(汗)イラスト・ジャケの素敵さと、その中身自体のカナリの充実っぷりに免じて不問にするとしよっか。(笑)

♂シンガー Fedor Buzilevich (vo,flute) のデス・スクリームと時折り爆発するブラスト・ドラミングにブラック・メタル臭を漂わせてはいるものの、その Fedor が兼任する悶絶フルートの乱舞と2本の叙情ギターのメタリックな活躍が紡ぎ出す朴訥なフォークロア旋律の大きな渦の感触は“フォーク・メタル”そのものだ。

哀愁の郷愁イントロダクション #1 “Intro” に続く強力オープニング・チューン #2 “To Heaven” とそれに続くキラー・チューン #3 “The Spring” をはじめ全編で繰り広げられる、強力な扇情力を持つ哀切民謡メロディと気持ち良い叫びドコロ満載の勇壮なヴァイキング・コーラスを独創的なアイデアで纏め上げた非常に情景的な音作りは、確かに感じられる気合優先の未整理なドタバタ加減さえも、そのギリギリな所で踏み止まった危うさが独特のペイガンなムード作りに貢献している・・・と好意的に受け取れるほどに魅力的。

全体を煌びやかキーボードの柔らかなベールで包み、要所では重要なアクセントとなる女声を披露するブサ巨乳鍵盤奏者(汗) Vera Knyazyova タン (key,vo) の存在も大きなプラスやね。

 (Jul. 22, 2005)

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KAIPA 87
Mindrevolutions (2005)

スウェーデンのシンフォニック・プログレッシヴ・ポンプ・ロック・バンド KAIPA の通算 8th アルバム。

オープニングの #1 “The Dodger” のイントロにていきなりのテクニカルなアンサンブルの生々しい急降下に高まった気分が、その直後の暖かな空気に癒されて穏やかに変化してゆく心地良さに触れた瞬間、「買ってよかった♪」という安堵感が身を包んだね。

復活して3作目となる本作も、前2作と同路線のファンタジックなポンプ・フィーリングに満ちたまさに KAIPA 印ど真ん中としか言いようがない作風なんだけど、これまでと比較してよりアートな起伏の幅を広げると同時に「ロックのコシ」も増した気もするかな? Patrik Lundstrom (♂vo) とAleena 嬢 (♀vo) による歌唱パートの端々に、QUEEN かと思わされる場面もしばしばあるもんな。

この KAIPATHE FLOWER KINGS もそうなんだけど、なんだか個々の曲がどうとかじゃなくて、全体のアンサンブルに身を任せるだけで心地良くなってしまうんだよね。 Roine Stolt (g,per,vo) の伸びやかで優美なギター、Hans Lundin (kbd,vo) のカラフルで柔らかなヴィンテージ・キーボード、Jonas Reingold (b) & Morgan Agren (ds) の激テクを忍ばせた有機的ヴァイヴ・・・それらが折り重なって作り出される、希望を感じさせる暖かい音像の仄かな郷愁の独特のヌル~イ感じが、ホンマたまらんッス♪

ってゆーか、Jonas Reingold にいつの間にか毛が生えてて気持ち悪い。(笑)

 (Jul. 23, 2005)

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MIKE TERRANA 83
Man of the World (2005)

RAGE その他数多くの場でその凄腕を振るい、最近では Kiko Loureiro (g / ANGRA)の初ソロ作 “No Gravity” での「神っぷり」も記憶に新しい怪物米国人ドラマー Mike Terrana の7年振りの 2nd ソロ・アルバム。

本作で繰り広げられているのは、メロディックなモダン・ハード・フュージョンを中心に、トライバルなリズミック・チューンからジャジーなスタイルの曲まで幅広いタイプのフュージョン系インストゥルメンタルの数々。

Mike の天賦の才能を余すとこなく封じ込めたドラム・オリエンテッドな作風は、仮に限りなく BGM に近い和んだ雰囲気(苦笑)を醸し出す場面であっても、その奥深いセンスと圧倒的なテクニックの凄みが、彼独特の抜けの良いアタック感と共に容赦なく耳に飛び込んでくる感じ。

・・・つっても、買った動機は全編で魅惑のギター・プレイを聴かせる Cyril Achard (g, key) の存在なんだけどね。(汗) 特に超 CYRIL ACHARD’S MORBID FEELING タイプ(笑)のプログレ・フュージョン・チューン #2 “Native Tongue” での眩暈を誘いまくりのスーパー・プレイが次々と繰り出される様は圧巻! 他に、Victor Smolski (g, b, key/RAGE), Kevin Chown (b / ARTENSION, MAGNITUDE NINE) らも参加してマス。

RAGE はスルーしても Mike Terrana のソロは買う。それが C.o.P. クオリティ。(変)

 (Jul. 07, 2005)

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NAGLFAR 85
Pariah (2005)

スウェーデン産正統派メロディック・ブラック・メタル・バンド NAGLFAR の4thアルバム。

バンドの顔でもあったイケメンシンガー Jens Ryden のまさかの脱退という苦境を、これまでも邪悪なデス・コーラスで彼を支えてきた凶悪顔(笑)ベーシスト Kristoffer Olivius をメイン・シンガーに昇格させることで乗り越えてのリリースとなった本作だが、内容的にはこれまでの延長線上にある NAGLFAR 印のもので一安心。

叙情メロディを仕込んだ激烈ブラストがドラマティックに驀進する直情メタル・サウンドは、細かな音粒を積み重ねて構成した純然たるブラック・メタルな造りでありながら、その粒一つ一つの質量を高密度に満たしたかの厚みとを弾力に溢れたモダンな整合感が素晴らしく魅力的。

スキンヘッドになってその鬼の形相の怖さにさらに磨きがかかった(笑)Kristoffer の存在感の影響か、前作 “Sheol” で芽生えたエンタメ性を引き継ぐと同時に “Diabolical” 以前のイーヴォーな凶々しさを取り戻したような印象もあるかも。

ただ、Jens の凄絶な慟哭歌唱に惚れ込んでこの NAGLFAR のファンになっていった身としては、どうしても聴く度に「あぁ、これでもし彼が歌っていたら・・・」と思ってしまうのも事実なんだよな・・・。

 (Jul. 07, 2005)

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ONMYOUZA (陰陽座) 70
Garyou Tensei (臥龍點睛) (2005)

和装束な国産メタル・バンド 陰陽座 の 6th アルバム。

80’sメインストリーム・メタルと70’sハード・ロックの趣をこれまで以上に導入したバック・トラックは、いつになく“洋楽”な装いで、その曲調もライトなハード・ポップ中心な印象。

二枚看板である瞬火 (♂vo, b) &黒猫タン (♀vo) の旨味ある夫婦デュオを生かした耳触りの良いメロディック・チューンの数々の個々の出来こそ決して悪くはないんだけど、“スタイリッシュ”とさえも呼べそうな不似合いな空気に包まれてしまった全体のヤワい感触は、“妖怪ヘヴィ・メタル・バンド”たる「おどろおどろしさ」に魅力を感じていたオレにとっては非常に違和感アリ。

まぁ、今は自分達にその手のポップ・サイド/オールド・センスな楽曲を上手く作れる/演れる自信があって、その方向に向かって挑戦していく事に可能性を感じているんだろうから仕方ないんだろうな・・・。

そんなスタイル云々を置いておいても、#6 “鬼ころし”#8 “蛟龍の巫女” という数少ない「らしい曲」も過去の名曲群と比べると明らかにそのレベルに達してはいないし、恒例の終曲のパーティ・チューンにしても今回の #12 “我が屍を越えてゆけ” は少々ハジケ足りない感じで、聴いててフラストレーションが溜まって行くばかり。

うーん、マキシシングル3連作 “組曲「義経」” で感じたソコソコ感をそのまま引き継いだ、まさに画竜点睛を欠いた一枚だなコリャ。。。 って、もしかしたら単にオレが黒猫タンに萌え飽きてきただけなのかも?(苦笑)

 (Jul. 01, 2005)

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PAIN OF SALVATION 90
Be Live (DVD) (2005)

5th アルバム “Be” をバンド5人+9人編成のオーケストラ THE ORCHESTRA OF ETERNITY と共に完全再現したライヴ DVD。

ミュージカルよろしくエンターテインする Daniel Gildenlow (vo, g, mandora) のシアトリカルな振る舞いと、内容に沿って挿入されるフィルム・クリップ、意味深なボーナス・マテリアルの数々、そして48ページに亘るブックレットなど全ての要素が、難解で深遠だった CD アルバム “Be” の世界を補完する、まさにこの DVD こそが「真の “Be”」。

それにしても、あの内容を生演奏でも何の苦もなく演奏・・・しかも「ロック」させるその並外れた演奏力/表現力は、マジで観てて顎が外れるほど凄まじい。。。 Daniel はもちろん、弟のイケメン Kristoffer Gildenlow (b)、そしてドレッド&全身ペインティングが超カコイイ Johan Hallgren (g) らの物静かながら秘めたパッションを感じさせるパフォーマンスもナイスだし。

PAIN OF SALVATION・・・死ぬまでに一度はライヴを経験せネヴァならんな・・・。

 (Jul. 01, 2005)

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SENTENCED 87
The Funeral Album (2005)

残念ながら解散を表明してしまったフィニッシュ・メランコリック・ゴシック・メタルの大御所 SENTENCED の最終作となる 8th アルバム。

アップテンポなオープニング・チューン #1 “May Today Become the Day” の、これがラスト・アルバムとは到底思えぬノリノリなダミ声ハード・ロック感にやや戸惑いつつも聴き進めると、そのややヤケクソ気味なポジティヴさの中に、なるほど“葬送アルバム”らしい哀感が滲んでいる。

それはメランコリックな旋律の作りというよりはプレイ面での表情に顕著で、シンガー Ville Laihiala の漢の哀しみを湛えまくった色気たっぷりの絶望歌唱と、Miika Tenkula (g) による涙を誘うエモーショナル・フレーズ連発のソロ・パートの感傷的な表現力は、ここにきてピークを迎えたかの最高潮っぷりだ。

楽曲自体は更に画一的になった印象ながらも、前述のオープニング・チューン #1 “May Today Become the Day”、ゆったりと流れる泣きのギターがタマラン #3 “We are But Falling Leaves”、初期を思わせる驚きの激烈デス・メタル(短いインストなのが至極残念!!)#5 “Where Waters Fall Frozen”、ドラマティックにドライヴする #7 “Vengeance is Mine”#8 “Long Way to Nowhere” のノリノリ2連作・・・と、その激情パフォーマンスが多くの聴き所を生んでいる感じ。

そして、彼らのバンド生命のラストを飾る“遺言”ともいえる #13 “End of the Road” は、まさに現時点での SENTENCED が持てるエッセンスを全て封じ込めた名曲。

終わり良ければ全て良し。 さらば SENTENCED

 (Jul. 01, 2005)

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SLECHTVALK 95
At the Dawn of War (2005)

オランダのシンフォニック・メロディック・ブラック・メタル・バンド SLECHTVALK の 3rd アルバム。

戦士の装束に身を包み勇ましく武器を構える6人のメンバー(もちペインティング済み!)の素敵過ぎるヴィジュアルのインパクトだけで買ってみた(馬鹿)・・・が、嬉しいことになんとその内容自体も驚嘆の良質さに満ちていた!

雷鳴が轟く戦場にフルートの美しい音色とアコギの爪弾きが切なく響くイントロダクション #1 “From Out of the Mist We Came Forth” から、吹き鳴るヴァイキング・ホーンを合図に #2 “Call to Arms” で戦馬の嘶きと共に突撃を開始する重厚なバトル・メタル・ワールドは、荒れ狂うブラストにメロディックなトレモロ・リフが乗るブラックな破壊力を最大の武器にしつつも、それにばかりに頼らぬ緩急に満ちたメロディックな劇的展開とグロウル/スクリーム/シンガロング/ソプラノ/クワイアと見事な多彩さを見せるヴォーカル・パートの充実が結実した超A級な質感だ。

押し引きを繰り返しながら壮麗に爆裂する悲愴なるサウンドは DIMMU BORGIR, CRADLE OF FILTH のドラマティックな壮麗さと NAGLFAR, DARK FUNERAL の悪辣でタイトな爆発力をバランスよく融合させたまさに「Myブラック・メタル理想系」に近いスタイルなんだけど(近い…ってのはネオクラ度の問題ね/狂)、美旋律を存分に配した非常に聴きやすい音像でありながらブラック・メタル本来の邪悪な背徳感が全体を支配し、そのうえヴァイキングなウォー・マインドまで持ち合わせているってんだからタマラナイ。

プレイ面でも、前述のヴォーカル・パートを担う Shamgar (g,death-vo), Ohtar (g,clean-vo,flute), Fionnghuala 嬢 (soprano,flute) の3人の高水準な表現力、そして色気を発散するグルーヴたっぷりのリズム隊 ―― 特に Nath (b) のセンスはナイス♪ ―― の存在・・・と非常にハイ・クオリティで、そんな安定したプレイアビリティで描かれる浮遊パートに滲む漆黒の絶望感がこれまた美味しいんですわ。

ライヴでは、Fionnghuala 嬢に加えて Mealla 嬢 なるダンサーも加わり、剣を手に舞い踊るらしい。。。 ぜ、是非一度ナマで体験したい!

 (Jul. 22, 2005)

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THRONAR 84
For Death and Glory (2005)

オランダのマジェスティックでボンバスティックでメロディックでミッド=テンポ・ブラック・メタルなバトル・メタル・バンド(長ゲぇ!)THRONAR のデビュー・アルバム。

LOST HORIZON タイプな青縞系ウォー・ペイントを施し各々武器を手に死地に挑む5人パーティが提示するのは、闘いの叙事詩を勇ましく綴ったエピック挽歌。

いきなりの勇壮メロディが早くもハイライトを告げる #1 “To Kill and be King”NIGHTWISH を想わせる(ってかパクリだろ…)シンフォ・バトル・メタル #3 “The Hunt for Vengeance”、意外なキャッチーさを露わにするタイトル・トラック #6 “For Death and Glory”・・・など、明らかにB級な空気感ながら決して破綻することの無い重厚かつ堅実な楽曲は、フォークロアな哀愁旋律を印象的に彩る微乳アマゾネス Nathalia Hoogkamer タン (key) の柔らかな単音キーボード・メロディの華麗な響きと、デス・ヴォイスの蛮獣な語り口からヒロイックな勇壮シンガロングへの悶絶展開にグッとキまくる、ヴァイキンガーとしては無条件で魅力的と思えるものだ。

惜しむらくは、随所で達者なバスドラ技を繰り出しながら、なぜか両手のスティック捌きは単調な16分のフィルに終始する・・というドラミングの芸のなさが、聴くほどに気になってくることかな・・・。

とはいえ、落ち着いたリズム運びと全体的に漂うファンタジックな雰囲気からなーんとなく BATTLELORE に近い印象を受けてみたりもする本作、愛すべきダメジャケ(笑)も含めて末長く楽しめそうデス。

 (Jul. 23, 2005)

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TIMELESS MIRACLE 85
Into the Enchanted Chamber (2005)

スウェーデンはマルメ出身の4人組メロディック・メタル・バンド TIMELESS MIRACLE のデビュー・アルバム。

シンガー Mikael Holst (vo,b) の Kai Hansen が北欧訛りになったかの「ゴッドヴォイス崩れ」な魅力的歌唱(苦笑)の勇壮なメロディが、今時珍しい程に「キーボードで演ってます!」って感じのクラシカルなオーケストレーションを伴って心地よく疾走するそのキーパーな音像は、GAMMA RAYHEAVENLY の系譜にあるもの。

民謡メタル一歩手前の微ケルティックなクサ・フレーズを織り込んだ適度に大仰な華麗アレンジの細やかな旋律美が、実直な鋼鉄メロディの突進力に推されて大きなうねりとなって力強く爆発を重ねるパワー・メタルは、ツヴォを得たリズム・チェンジが狂おしいほどにヘッドバンギングを誘発するんだな、これが!

1995年に結成・・・という既に10年選手らしい大人びたプレイアビリティがもたらす安定感も魅力で、ドラマーの座に何故か凄腕 Jaime Salazar (LAST TRIBE, MIDNIGHT SUN, THE FLOWER KINGS …etc.) がいるってのも不思議だけど素晴らしい。(笑)

そんな既に円熟の域に達したセンス/テクニックを持って勢いに頼らず丁寧に組み上げた楽曲群はやっぱり新人離れした出来栄えで、冒頭の #1 “Curse of the Werewolf”, #2 “Witches of Black Magic” での高揚感満点の疾走ッぷりはインパクト絶大だ。

今のところ、後半に進むに連れやや飽きが来てるけど、聴き込むうちに徐々に良くなってきそうな予感アリ。

 (Jul. 01, 2005)

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TRIBUZY 83
Execution (2005)

ブラジルのメロディック・パワー・メタル・バンド THOTEN のシンガー Renato Tribuzy のソロ・プロジェクト TRIBUZY のデビュー作。

主役 Renato Tribuzy のやや線が細くもなかなかの表現力を持った堅実なワイド・レンジ歌唱が載るのは、現代的なアグレッションを備えた正統的なヘヴィ・メタル。

その楽曲の魅力はといえば正直まぁソコソコなんだけど(汗)、ナニが凄いってそのゲスト陣でしょ。 かつて THOTEN の作品をプロデュースした縁か、Kiko Loureiro (g / ANGRA) が全編に亘って素ッ晴らしい超絶ギター・ソロを披露しているだけでも凄いんだけど、#5 “Absolution” では Michael Kiske (vo) と Roland Grapow (g / MASTERPLAN) を、#7 “Nature of Evil”SINNER のカヴァー)では「ご本人」Mat Sinner (vo, b / SINNER, PRIMAL FEAR) と Ralf Scheepers (vo / PRIMAL FEAR) を、そして #9 “Beast in the Light” では Bruce Dickinson (vo) と Roy Z (g) をフィーチュアして見事に聴かせドコロを形成している。

中でも、#9 “Beast in the Light” での KikoRoy Z の有り得ない組み合わせでの凄絶なソロ・パートは悶絶の一言。 これが聴けただけでも買ってよかったわ、ホント。

 (Jul. 01, 2005)

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XSAVIOR 85
Caleidoscope (2005)

ご存知“Mr.北欧ヴォイス”Goran Edman (vo)、現在注力している TEARS OF ANGER 他数々の北欧メタル・アルバムで名演を遺す名手 Benny Jansson (g)、そして超絶ドラミングのみならずメロハー系のトータル・プロデュース・センスを発揮する Daniel Flores (dr / MIND’S EYE, TEARS OF ANGER, NOVAK) らを中心として結成されたスウェディッシュ・メロディック・ロック・ニューカマー XSAVIOR のデビュー・アルバム。

QUEEN をお手本にしたと容易に類推できる多彩でポピュラーなメロディック・テイストと、その穏やかな中に時折熱い炎の揺らめきを見せるテクニカル・ロック然としたスリリングなパッセージを絶妙なバランスで仕込んだサウンドは、同郷の叙情派甘口プログレッシヴ・ポンプ・メタラー A.C.T に非常に近い印象。

プリティなポジティヴ・メロディが、北欧らしい繊細な透明感に包まれて目まぐるしくもプログレッシヴ/ポンプな美麗展開を見せる様は、まさにカレイドスコープ=万華鏡的なカラフルさに満ちた圧倒的にハイ・クオリティな濃密さだ。

驚くべきは Goran Edman の幅広い歌唱法で、持ち前のナイーブなか細さを打ち出した北欧メタル歌唱はもちろん、かの David Bowie 的なエキセントリック&シアトリカルな表現までカヴァーする彼のキャリアの集大成と思えるヴォーカル・パートの充実には目を見張るばかり。

引き出しが多過ぎ(いいコトなんだけどね/苦笑)&アイデア詰め込み過ぎなせいで、全体的にはやや散漫なのめり込みにくさを感じさせつつ、ギター・パート原理主義者(笑)としては、随所で聴かれる Benny Jansson の流石のテクニシャンっぷりに頬を緩まされるのも魅力的な、良ぉーく出来た好盤ッスわ。

 (Jul. 19, 2005)

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