1月2006
ANDROMEDA 84
Chimera (2006)

スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド ANDROMEDA の 3rd アルバム。

前作 “II = I” は、そのフォーカスの比重を DREAM THEATER から PAIN OF SALVATION へと移行して進化を試みる中で、「まずはスタイルありき」と居直ったかのように肝心の楽曲がお座なりになっていた印象だった。 が、本作はその進化のベクトルと彼らが本来持ち合わせた高い資質がようやく結実を見せ始めたかの、バランスの良さを感じさせる好盤に仕上がった。

やや没個性気味ながら情感に訴える多彩なエモーショナル歌唱が見事な David Fremberg (vo) と、スリリングなテクニカル・ギターワークを華麗に繰り出す名手 Johan Reinholdz (g) の存在を中心とした、主に5~7分台とプログレ・メタルとしては程よいヴォリュームの楽曲は、知的に高揚するインスト・パートにスムースに融合した“歌モノ”としてのフックを備えたメロディが耳に心地良い。

一方、自らの奥深さを模索するかのように様々な方向に拡散を見せる楽曲の中で、やっぱり「ヲヲヲ!」と身を乗り出してしまうのは、ポリ・シンセによる分散和音のテーマ・メロディがプログレ・メタル魂を爆発させる #4 “Going Under”、超絶技巧が哀愁スリルのタペストリーを織り成す #7 “Inner Circle”(Martin Hedin (key) の妙技が冴える!)らの「まさにプログレ・メタル」なタイプの楽曲なんだよなぁ。(^-^;

う~ん、今の路線も嫌いぢゃないし、このスタイルでそのうち大傑作を生み出してくれそうな気はしているんだけど、1st “Extension of the Wish” が凄まじかっただけに、どうしても ANDROMEDA にはその線を求めてしまっているのかな。。

 (Jan. 24, 2006)

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BLACKMORE'S NIGHT 90
Village Lanterne (2006)

我が心の師 Ritchie Blackmore (g) 率いるルネサンス/ジプシー・ミュージック・ユニット BLACKMORE’S NIGHT の 5th アルバム。

前作で開花した歌唱力/表現力がますます増進した感のある愛人 Candice Night (vo) ナチュラルな美声と、到底還暦とは思えぬシャープな冴えっぷりを見せつける Ritchie の悶絶ギター・プレイが愛情を交感させながら中世の宮廷で繰り広げる華麗なる酒宴は、期待を690%裏切らない安心の出来。

ナイーヴな哀愁を孕んだ優美に和むクラシカル・フォークに混じって、随所でハードにロックしながら Ritchie の伝家のエレクトリック・ギターが泣きまくる場面が登場するメリハリも嬉しく、その Ritchie のギター・パートの意外にも緻密なオーヴァーダブを含めて、全体的にこれまで以上に時間をかけて詳細までしっかりと作り込んである印象だ。

後期 RAINBOW が遺した超名曲のセルフ・カヴァー #14 “Street of Dreams” も、世紀を超えて新たな魅力を発散。 Special Track for Limited Edition として追加収録された “Street of Dreams – featuring Candice Night, Ritchie Blackmore and Joe Lynn Turner” の存在も、我々盲目的な信者としては(笑)「RAINBOW の局地的再結成」的な感慨深さに溺れるね。うん、溺れる溺れる。

 (Jan. 29, 2006)

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BLACKMORE'S NIGHT 91
Castles & Dreams (DVD) (2006)

現在の BLACKMORE’S NIGHT の“全て”を封入した二枚組 DVD。

2004年にドイツの Veldenstein 城と Neuhaus 城でのライヴ・ショウを収録した本編は、まさに中世の城砦で繰り広げられるジプシー・パーティ・・・というナイスな雰囲気で、中世のコスプレに身を包んだオーディエンスと共にアットホームに展開するリラックスした空気の中、メッチャ楽しそうにノリまくる Ritchie 師匠の御姿が見目に眩しい・・・つか、やっぱ Ritchie 白いストラト似合いまくり!(号泣)

Disk2 に収録された PV、ドキュメンタリー、本編同様ドイツの Rheinfels 城 & Abenberg 城でのアコースティック・ギグ、出演した TV 番組の様子、インタビューなどの膨大な映像資料も、RitchieCandis の馴れ初めの話とかのどーでもいい部分も含め(苦笑)、見応えバッチリの美味しさだ。

いやもうとにかく、Ritchie 派としては、満腹必至のお得極まりない逸品ッスわ。

 (Jan. 29, 2006)

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BOB CATLEY 73
Spirit of Man (2006)

英国のハード・ロック・シンガー Bob Catley (MAGNUM) の5作目のソロ・アルバム。

今回の楽曲は、前作でもプレイしていた Vince O’Regan (g/PULSE, ex-NO SWEAT) と LOST WEEKENDPaul Uttley (vo) & David Thompson (g) の3人がチームで担当。 前作で Paul Hodson (key/TEN, ex-HARD RAIN) が目指したメロディックな正統派ハード・ロック路線を引き継ぎながらも、いかにも「大英帝国のイデオロギー」云々という言葉が口を突いて出そうな靄(もや)の中に充満する湿り気は濃度を増し、全体を包むその空気感はかつて MAGNUM が発散していたそれに最も近くなった印象だ。

が、時代遅れの古めかしいアレンジメントと、その湿り気が悪い方向に作用したエッジの欠如・・・そして詰まるところ楽曲そのもののイマイチさはカナーリ残念なレベルで、Bob ヲジサンのいぶし銀歌唱もその老獪なエモーションがやや空回り気味。。

奇跡の銘盤 “The Tower” 再び!とまでは求めないけど、この「可も不可もなく・・・」的な地味ぃ出来は、なんとも不完全燃焼な感じ・・・。

 (Jan. 20, 2006)

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EDGUY 53
Rocket Ride (2006)

ジャーマン・ヘヴィ・メタル・スター EDGUY の 7th アルバム。

おちゃらけた史上最低級の糞ジャケながら、肝心のサウンド自体は随所に彼ららしいコミカルなユーモアを挿入しながらもグッとシリアスな風合いで、その端正で無国籍な普遍的ヘヴィ・メタルは、一層ワールドワイドなスケール感を漂わせる垢抜けたクオリティとなっている。

そんな風に、更なる前進への意欲を感じさせる凛々しい作風ではあるんだけれど、前作で完成系を見せたかの重厚なヘヴィ・メタルの伝統と気概はどこへやら・・・本作で聴かされる情念の薄い軽薄な楽曲の数々には、正直強い失望を禁じえない。。

確かに、それぞれのプレイが放射する気迫は過去最高レベルだし、スマートな音像の中では浮いてしまうほど濃いぃエナジーを垂れ流す Tobi の熱唱も相変わらず魅力的。 それらが上手く噛み合った一部のパートに一瞬身を乗り出しそうになるが、冷静に考えてみたら他のパートがあまりにつまんないからまだマシに聞こえるだけの話。

うーん、この雰囲気、なんだか解散寸前の頃の HEAVEN’S GATE みたい。。(汗)

 (Jan. 29, 2006)

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KRAGENS 85
Seeds of Pain (2006)

極一部で「ニースの ARGUMENT SOUL」(笑)とも評されるフランスのパワー・メタル・バンド KRAGENS の本邦デビュー作となる 2nd アルバム。

Renaud Espeche (vo/ex-DEMON EYES!!) のハイトーンとデスヴォイスを無段変速でシフトチェンジさせる強力な歌唱と Ludwig Laperche & Cedric Sellier のギター・タッグによる凄まじくテクニカルなギター・ワークが超ヘヴィ&激スラッシーなリフ攻撃に乗るそのスタイルは、瞬時に NEVERMORE の名を想起させる。

超弩級のパワーに溢れると同時に非常に洗練されてもいるその音像のクオリティの高さには驚かされるばかりで、モダンな高圧アグレッションの中に封じ込められた POWERSURGE, LETHAL ら初期 QUEENSRYCHE フォロワーに通じるアーリー・プログレッシヴ・メタル・マインド、そして VICIOUS RUMORS 的なドラマティックなメタル・パワーが呼び込むオーセンティックな味わいも実に魅力的。

うん、モダンな手触りとクラシックな旋律美の共存がメチャ美味しいわ、コレ。 今後の活動にも超期待デス。

 (Jan. 30, 2006)

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MIND'S EYE 89
Walking on H2O (2006)

スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド MIND’S EYE の 4th アルバム。

実は1977年のデビュー作 “Into the Unknown” がオレ的にはあまりに退屈で(汗)このバンドの作品を買うことは二度とないだろうと思ってたんだけど、ソロ・プロジェクト NOVAK のデビュー作 “Forever Endeavor” の出来の良さが印象的だった Andreas Novak (vo) の存在、そしてバンドのプレイン Daniel Flores (dr,key) の近年の各所での質の高い活躍っぷりに免じて(笑)手を出してみましたよ。

そしたらナニガナニガ!? 本作から飛び出してきたのは、メロディック・ハードの軽やかな旋律美とポンプな開放感をドラマティックなスリルで包み込んだ、カラフルに洗練された極上のシンフォニック・プログレッシヴ A.O.R. ハード・ポンプ!

あレれ? MIND’S EYE ってこんなだったっけか?・・・と疑問を抱く間もなく、淡白でな地味ぃだった前述のデビュー作での悪夢はどこへやら、冒頭のシンフォニックなイントロダクション #1 “Earth – The Movie” から思わずぐいぐいと引き込まれてしまう本作は、大作をキャッチーに纏め上げる古くは GENESIS, KAYAK, KANSAS らに通じる手法を駆使した、近年のバンドでは A.C.T に近い手触りを感じさせる逸品だ。 いや~、ホンマ和むわ、コレ。

ただ、いくら「史実に基づき人類の歴史を辿った壮大なコンセプト・アルバム」・・・といえども、ボーナス含め全14曲80分は・・・ちょいと長いナ。。 ま、いい言い方をすれば「聴き応えタプーリ」ってことで。(苦笑)

そういえば、本作のギター・パートはベーシストの Johan Niemann (THERION) がプレイしてるらしいんだけど・・・充分以上にメッチャ巧いんデスけど!?(驚)

 (Jan. 24, 2006)

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NON HUMAN LEVEL 92
Non Human Level (2006)

スウェディッシュ・デスラッシャー DARKANE に在籍するネオ=クラシカル・ギタリスト Christopher Malmstrom 率いるニュー・カマー NON HUMAN LEVEL のデビュー・アルバム。

かの TESTAMENT に通じる古典的なギター・オリエンテッドなスラッシュに近代デス・メタルのエクストリームなアグレッションを加味、そこに Christopher のメロディックなギター・ワークをたっぷりを塗した結果の「初期 ARMAGEDDON がもし真っ当な進化を遂げていたら」・・・的なスタイルは、申し分のない極上の旨味に満ちたもの。

DARKANE での盟友でもある名ドラマー Peter Wildoer をなんとシンガーの座に据え(そのデス歌唱自体はまぁ可も不可もなく…って感じ/汗)、Ryan Van Poederooyen (dr/DEVIN TOWNSEND BAND)、Gustaf Hielm (b/ex-MESHUGGAH Guitarist) らシーンきっての巧者が脇を固めて練られた楽曲は、これまでの鬱憤を晴らすが如くに(…って単なる推測だけどね/汗)ドラマティックに展開させまくる Christopher の泣きの叙情ネオクラ・プレイが、とにもかくにも強烈に輝いている。

この NON HUMAN LEVEL の存在意義を凝縮したかのキラー・チューン #2 “Personal Hell”、ゲスト・キーボーダー Lale Larson (ELECTROCUTION 250) とのプログレッシヴなバトルがスリリングな #5 “Instincts”、激烈にデスラッシーな突撃インパクトが弾ける #6 “Journal of a Nightmare” らのネオ=クラシカル・デスラッシュの完成系とさえ思える楽曲の合間に #4 “The Second Plane”, #7 “Water” らの充実のギター・インスト・チューンを配したソロイストらしい主張も実に頼もしいよなぁ。

そんな素敵なこの NON HUMAN LEVEL、一時のプロジェクトではなく、今後の継続的な活動を激しく希望!

 (Jan. 30, 2006)

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TEN POINT TEN 88
12 25 (2003)

米国のクリスチャン・プログレッシヴ/シンフォニック・ロック・バンド TEN POINT TEN によるクリスマス・アルバム。

クリスマス・パーティの BGM にでもと思って12月に入ってすぐオーダーしたんだけど、届いたのは暮れも押し迫った12月30日(TwT)・・・と、当初の目的に間に合わずガックリきたのも一瞬のこと。 本作に詰まった“季節モノ”を超越した普遍的な魅力の前には、そんな落胆はどこへやら。

オリジナルの楽曲と定番クリスマス・ソングを混在させた全11曲は、KANSAS のポピュラリティックなスリルと YES のジェントルなシンフォニカ、そして GENESIS の穏和なドラマティカが理想的な総和をみせる、まさに“珠玉”という表現がピターリのハートヲームなプログレッシヴ/シンフォニック・ロックという装い。

その、キャンドルの揺らめきを粉雪の舞うクリスマスの夜空に照らし出すが如きに美しく透き通ったファンタジックなサウンドは、ひたすら七面鳥の丸焼きを貪り喰らうクサキモ・メタラー/プログレッシャーと、柔らかな微笑みとともにワインを傾ける非メタル/プログレのフツーのお嬢様の両者を、同時に素敵な気分にさせること請け合いだ。(笑)

早くも来年のクリスマスが楽しみッスな~。(^^)

 (Jan. 20, 2006)

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TOTO 86
Falling in Between (2006)

テクニカル/プログレッシヴ A.O.R. レジェンド TOTO の、7年振り11作目のスタジオ・アルバム。

いやぁ~、今回は・・・(・∀・)イイ!! A.O.P.R. (Adult Oriented Prog Rock) とでも形容したくなるようなその落ち着きに満ちた大人系の上質なプログレ・ハードの味わいは、事前に TOTO だって言われなきゃ「なななんだこの上質なプログレ・ハードわアッ!?」ってうろたえちゃうほどに上質なプログレ・ハード。(文章が破綻/汗)

もちろん、洗練され尽くした都会的ポップ・センスが煌くラジオ・フレンドリーなポピュラー・ミュージックとしての普遍的な完成度にも包まれていてそれが心地良くもあるんだけれど、シンガー Bobby Kimball の隠せない衰えのせいもあって、この耳はどうしても「造詣に満ちた懐深きテクニカル集団が奏でるアダルトな上質プログレ・ハード」という側面から楽しんでしまうね。

Joseph Williams (vo), Steve Porcaro (key) といった TOTO 卒業組プラス、Jason Scheff(vo/CHICAGO)、Ian Anderson (flute/JETHRO TULL) らをゲストに迎えた本作、Jeff Porcaro を失ってしまった TOTO が今の時代にやっぱり TOTO であることを証明する、面目躍如の会心の出来と言ってもイイんぢゃないかな。

つか、今のドラマーって Simon Phillips なのね。。 スカーリ忘れてたス。(弱)

 (Jan. 30, 2006)

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