3月2006
ALMORA 81
1945 (2006)

トルコのフォーク・メタル・バンド ALMORA の 4th アルバム。

笛と弦楽が民族色たっぷりに乱舞するクッサクサのパワー・メタルは、前作と同様のフォーキーな殺傷力を強力に発しながらも、交代したドラマーの技量的な問題のためか全編でドタバタ感が耳につく、前作よりも更にB級感が強い印象。

ま、それも辺境メタルならではの醍醐味だッ!・・・ってことで、女声シンガー Nihan Kiziltan タン(苗字変わった?…ってケコーン?)の素人系爽やかソプラノと Bilge Kocaarslan タン がそのお口で吹きに吹きまくる悶絶フルート、そして5人のストリングス・セクションによる弦の啼きが交錯しながら民謡フレージングを大爆発させるジプシー・メタルの味わいは自体に大きな変化はナシ。

全体的なバランスとしてメタリックなパートに比重がかかり、アコースティック・パートで味わえるべきフォークロアな息吹がちょっと減少気味なのは、前作ではそれが絶品の輝きを見せていただけに、正直ちょっとだけ物足りなさを感じはするけどね。

ゲストに迎えた本国の著名なテナー歌手 Hakan Aysev 氏が随所で炸裂させる、トリノ・オリンピック開会式での Luciano Pavarotti の如き本格テノール・ヴォイスが大きなアクセントとなっているのも、本作のトピックっしょ。 メッチャ印象に残るし~。

 (Mar. 11, 2006)

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AMORPHIS 94
Eclipse (2006)

AMORPHIS is Baaaaccccckkkkkk!!!

フィンランドのメランコリック・ヘヴィ・ロック/メタル・バンド AMORPHIS が古巣 Nuclear Blast に出戻ってリリースした 7th アルバムは、近作群同様のサイケデリックな北欧グルーヴをベースにしながらも前作 “Far from the Sun” でその兆候が見え隠れしていた即効性の高い旋律美を完全に復活させることに成功、さらには封印していたデス・グロウル&ヘヴィ・リフを大胆に配して初期にも通じるアグレッシヴなエッセンスを効果的に機能させるなど、なんと一気に “Elegy” 期にタイムスリップしたかの良質の立ち戻りを見せる快心の傑作となった。

この再生の立役者は、紛れもなく新ヴォーカリスト、Tomi Joutsen (SINISTHRA, ex-NEVERGREEN) だろうな。 声質的には前任の Pasi Koskinen (AJATTARA, MANNHAI, SHAPE OF DESPAIR) と大きな違和感を感じさせずも、ノーマル・ヴォイスの表現力/デス・ヴォイスのディープな攻撃力共に優れた(しかもルックスもカコイイ…/殺)彼のエモーショナルな歌唱力がこの変化の起爆剤となっただろうことは想像に難しくないもんね。

70’s ロックのダイナミクス、オリエンタルなサイケデリカ、北欧の民族的な哀愁/叙情美、そして暗黒系たる耽美なヘヴィネス(これ大事)が今ここに理想的な融合を果たした曲々は、中間部の清閑なピアノの響きがたまらないメランコリック・ゴシック路線のリーダー・トラック #2 “House of Sleep”、フォーキーなイントロに導かれてディープなデス・ヴォイスを炸裂させる様がタマラン #3 “Leaves Scar”、いかにも AMORPHIS らしい印象的なメロディとグルーヴを持ちあわせた #4 “Born from Fire”、穏やかな序盤からダイナミックな疾走へと転換する劇的な展開に悶絶の #5 “Under a Soil and Black Stone”、初期に通じるド迫力のオリエンタル・デス #6 “Perkele (the God of Fire)”、フォークロア風味がヘヴィにドライヴする #9 “Brother Moon”・・・と、その充実っぷりは放浪の末にとうとう自らの進むべき道を発見した喜びに満ち溢れているかのように凄まじい。

うーん、この編成でライヴが観てみたいぞ。 現ツアーで 1st & 2nd からも数曲演ってるみたいだし!

 (Mar. 13, 2006)

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BEYOND THE LABYRINTH 82
Signs (2005)

ベルギーの6人組プログレッシヴ・メタル・バンド BEYOND THE LABYRINTH のデビュー・アルバム。

明快なヴォーカル・ラインとよく弾くギター&ふくよかなキーボードによる叙情アンサンブルが職人的に空間を埋めるサウンドは、それなりにテクニカルながらもいわゆる現代プログレ・メタルのシャープ感からすると整合感には乏しい「ダイナミック&ハードなシンフォ・ポンプ」といった趣。

喩えるならば SHADOW GALLERY が自身に点在する野暮ったい田舎臭さを増幅させたかのスタイルではあるんだけれど、B級インディー・テクニカル・ロックたるプログレ魂を自らの誇りに、あくまでプログレッシヴ・ロック側からのアプローチとしてハードかつスリリングにドラマを形成しようとする12曲70分は、聴き応えたっぷり。

ゲストとして Daniel Flores (dr/MIND’S EYE, XSAVIOUR), Marcel Coenen (g/SUN CAGED), Richard West (key/THRESHOLD), Rogue M. (vo/ex-SHADOWKEEP), Frank de Groot (b/ARABESQUE) らが参加。

 (Mar. 07, 2006)

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DEEP PURPLE 93
Live in California 74 (DVD) (2006)

1974年4月6日に米国カリフォルニア Ontario Speedway で20万人の大観衆を集めて行われた伝説の「California Jam Festival」における DEEP PURPLE の名演が「完全版」として DVD で再発。(祝)

これまでに様々なフォーマットでリリースされているものと比較して、#4 “Lay Down, Stay Down” の収録や新たなカット/アングルの追加・変更、そしてスタッフが撮影していた8mm映像などのボーナスの充実が「完全版」たる所以だが、そんな増強っぷり以前にこれまで VHS のテープでしか持ってなかったのが DVD で手軽に見れるようになった・・・事実ってだけで超嬉しいッス。

しっかし、#8 “Space Truckin’” での Ritchie Blackmore の鬼気迫る狂気の破壊パフォーマンスは何度観ても変な色のアドレナリンが噴出しまくっちゃうよなぁ。 火薬の量が多すぎて、爆風で Ian Paice (dr) の眼鏡が吹っ飛んだ(笑)ってのがオカシ過ぎ。

Ritchie はもちろん、この頃は Glenn Hughes (b,vo) もどーにもこーにもカッコ良過ぎて、思わずパンツを汚してしまいそう。(苦笑)

 (Mar. 09, 2006)

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ELFONIA 90
This Sonic Landscape (2005)

メキシコのゴシック/プログレッシヴ・ロック・バンド ELFONIA の 2nd アルバム。

デビュー作 “Elfonia” ではムーディでアトモスフェリックな「静」の印象が際立っていたが、3年の月日を経ての本作ではその穏やかで美しい基本線は保ちつつ、ハード・エッジのダイナミックなヘヴィ・グルーヴが頻出する「動」のイメージを強めてきた感じ。

その効用か、よりメリハリのコントラストを高めたリズミカルでアーバンな心地良い雰囲気の中で、全ての鍵を握るエキゾチックな魅力を振り撒く魅惑の女性ヴォーカリスト Marcela Bovino タン (STREAM OF PASSION) がワイドレンジに響かせる艶やかな美声で綴る独創的なエモーショナル・メロディが、ますます耳に残るようになってきたのが嬉しいね。

Marcela タンの看板歌唱と共に、若さに似合わぬ老獪な泣きを聴かせる Roberto Quintanilla (g)、見せ場満載の手数王 Javier Garagarza (dr) ら演奏陣の大いなる健闘も素晴らしく、それら全ての要素が奇跡の結実を果たした旋律美がドラマティックに表情を変えるシンフォ・ゴシック・チューン #5 “…De Los Libros Del Tiempo” は、マヂで神曲レベル。

あ、ヘヴィな #6 “Camaleon” にてゲスト参加の Arjen Lucassen が実に彼らし~いギター・ソロを披露してマス~。

 (Mar. 09, 2006)

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ELFONIA 88
Elfonia (2003)

Arjen Anthony Lucassen が企てたゴシック・メタル・プロジェクト STREAM OF PASSION にてリード・シンガーを努めている魅惑の女性シンガー Marcela Bovio 嬢が本国メキシコで籍を置くメイン・バンド ELFONIA が2003年にリリースしたデビュー作。

アトモスフェリックなシンセの波がアコギ、ピアノそしてヴァイオリン(Marcela タン自身がプレイ)を飲み込みながら、Marcela タンのナイーヴな清廉スペイン語歌唱と手を取り合って穏やか叙情を滴らせるムーディでアダルトなサウンドは、北欧的な透明感とゴシッキーな深遠たる暗さの同居がメッチャ心地良い。

泣きに泣く粘りあるギターをはじめとする成熟した技量を持つバック陣が適所で見せるプログレッシヴ・ロック/ゴシック・メタル的ダイナミズムと、時折顔を出すラテンの仄かな熱気のアクセントも美味しい。 うむ、ELFONIA、良いバンドだわ。

 (Mar. 08, 2006)

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ELVENKING 88
The Winter Wake (2006)

イタリアのエピック・フォーク・メタル・バンド ELVENKING が 3rd アルバムにてめでたく日本盤デビュー。(祝)

前作 “Wyrd” は順当な成長を感じさせつつも少々小奇麗にまとまった小粒な感じが不満点でもあったが、そこで無難っぽい歌唱を聴かせていた Kleid (vo) に代わってデビュー時のシンガー Damnagoras を呼び戻した本作は、その甲斐あってか前作で生まれた垢抜けた整合感(って程でもないか ^o^;)にデビュー時の破天荒なエネルギーを再び注入した「真の成長」を実感させる会心の作となった。

ヴァイオリン&フルート鳴り捲りのフォーキーな息吹が恥ずかしいほどに民謡臭をプンプンと撒き散らすと同時に、当然のように疾走したりキャッチーだったりする明快なメロディック・パワー・メタルの味わいをも打ち出した ELVENKING ならではの特色は本作でも存分に発揮されており、掴みに長けたいきなりのキラー・チューン #1 “Trows Kind”、独特のプログレッシヴな疾走感が心地よい #4 “The Wanderer”、アコースティックなシャッフルがフォークロアに響く #6 “On the Morning Dew” をはじめ全編で聴ける出戻りシンガー Damnagoras の実に味わい深いヘナチョコ・ヴォイス(笑)でドタバタ気味に綴られる強引なメロディの妙には、終始高揚させられっぱなしですわ。

辺境的ですらあるクサレ・フォーク・メタル(苦笑)でありながら、#3 “The Winter Wake”, #9 “Rouse Your Dream” らに代表されるように EDGUY にも通じるほどの普遍的な聴き易さを備えていたりするのも、なんともオモロイよなぁ。

ホント、今もっともライヴが見たいバンドの一つなんで、ぜひ頑張って日本に呼んでくださいな、GENCROSS さん。

 (Mar. 19, 2006)

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ENSIFERUM 82
Dragonheads (2006)

フィンランドのメロディック・ヴァイキング・メタル・バンド ENSIFERUM の、来たる 3rd アルバムに先駆けての6曲入り MCD。

2nd “Iron” リリース直後に脱退した Jari Maenpaa (vo,g/WINTERSUN, ARTHEMESIA) に替わってフロントマンの重責を担うことになった Petri Lindroos (vo,g/NORTHER) のお披露目作でもあり、彼のパフォーマンスについては既にステージで実証されてるとおり、交代による違和感はほぼ皆無。

一方、唯一の純粋な新曲であるタイトル・トラック #1 “Dragonheads” がキラキラな攻撃性を抑えてフォーキーな民謡臭を打ち出していたり、メロウなインスト小曲 #3 “Kalevala-Melody”“Karjalan Kunnailla”, “Myrskyluodon Maija”, “Metsamiehen Laulu” という3曲の自国のフォーク・ソングを繋げた #6 “Finnish Medley” といったアコースティカルな楽曲をフィーチュアしてたり・・・といったあたりからは、バンドが今後目指すスタイルのちょっとした変化が感じ取れなくもない。

って、他の収録曲が1999年の 2nd Demo からの再録である #2 “Warrior’s Quest”, #4 “White Storm”(どっちもイイ曲~♪)、そして AMORPHIS の名曲カヴァー #5 “Into Hiding”・・・とやや脈絡のない感じなので、これだけで新生 ENSIFERUM がどうなるかを予測するのはチョイと無理があるけどね。 特に、何故ここであえて Jari が深く関わった旧デモ収録の楽曲を2曲も採り上げたのか、その狙いは全くもって謎・・・。

そのあたりの謎が明らかになる期待も含め、新作がリリースされるその日が今から楽しみッスな~。

 (Mar. 14, 2006)

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JORN 83
The Duke (2006)

このところはスカーリ「MASTERPLAN のシンガー」として定着した感のあるノルウェーが誇る超人シンガー Jorn Lande のソロ・プロジェクト4作目は、多彩なスタイルの楽曲を混在させていたこれまでの3作と比較して「ストロングな正統派メロディック・ハード・ロック」としての統一感をしっかりと感じさせる、ソロ・キャリアとしての盤石の礎をさらに強いものにせんとする意欲作。

Jorn Viggo Lofstad (g/PAGAN’S MIND) & Tore Moren (g/CARNIVORA, RAIN) の熟達の魅力が光るギター・チーム、「ノルウェーの Cozy Powell」こと Willy Bendiksen (THE SNAKES, HOST, WILD WILLY’S GANG, BAD HABITZ, PERFECT CRIME etc.) に加え、TNT の重鎮 Morty Black (b) までもが加わって構築した高品質な楽曲の上で、Jorn の圧倒的な歌唱がブルージーかつパッショネイトに冴え渡る様は、「公爵」というアルバム・タイトルに相応しく威風堂々たる圧巻の佇まい。

ただ・・・どうしても曲がちょいと地味なんだよねー、これまで同様に。 THIN LIZZY のカヴァー #9 “Are You Ready”、初ソロ作収録の名曲 #10 “Starfire” の再録、ARK#11 “Noose” のセルフ・カヴァーなんてバラエティーなお楽しみもあってさほど飽きずに楽しめはするんだけど。 それに、やっぱオレ的には「もっとメロハー風味の曲を歌って欲しい!」って思いが強いしね、Jorn に対しては。

 (Mar. 13, 2006)

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KALMAH 90
The Black Waltz (2006)

フィンランドのキラキラ系メロディック・デス・メタル・バンド KALMAH の 4th アルバム。

毎度お馴染みのカルマー君(勝手に命名)がなんと実写版へと進化を遂げたが、それに呼応するように中身の方にもこれまでになく強力な意欲を封じ込め、前作で感じさせた大化けの予感が見事に的中した文句無しの最高傑作に仕上がった。

CHILDREN OF BODOM をベースに・・・という基本はこれまでと変わらずも、元 CATAMENIA 組のリズム隊がその CATAMENIA を想起させる氷雪ブラストを寒々しく渦巻かせる中で Pekka Kokko (vo,g) が野太く吐き出す獣の咆哮が悲愴なるアグレッションを爆発させる音像は、2002年の Wacken Open Air で目撃した「KALMAH = タフでマッチョな激ロック」という実像にやっと追いついてきたと思える、これまでの線の細さを払拭した力強さと重量感がメッチャ頼もしいったらありゃしない。

懸念されてた天才鍵盤奏者 Pasi Hiltura の離脱の影響は、後任プレーヤ Marco Sneck (POISONBLACK) の予想外の活躍のおかげでほぼ皆無。 それどころか、サウンドの激化によってクッサいメロディの疾走が生む哀愁の欧州浪漫が一層コントラストを際立たせる中で、大きくフィーチュアされたその MarcoRHAPSODY, DREAM THEATER への敬愛を滲ませるセンスフルなキーボード・パートと、それに触発されるように踏ん張る Antti Kokko (g/ETERNAL TEARS OF SORROW) が弾き出すギター・パートのこれまで以上のバランスの良化は、まさに「災い転じて福と成す」だわなぁ。

#2 “Bitter Metallic Side”#3 “Time Takes Us All” の流れはマヂ無敵!!

 (Mar. 19, 2006)

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LORDI 85
The Arockalypse (2006)

フィンランドのメロディック・ショック・メタル・モンスターズ LORDI の 3nd アルバム。

Dee Snider (vo/TWISTED SISTER) がアナウンサーに扮してのモンスター侵略の実況シーン #1 “SCG3 Special Report” に導かれて流れ出す楽曲は、前2作よりはややスリージーな軽快さを増したかな?と思えるものの、大筋は変わらぬ ’80s MTV 系哀愁ハード・ロック/ポップど真ん中なスタイルが相変わらず嬉しい。

しっかし、主役である Lordi (vo) の哀愁たっぷりのダミ声・・・今回もホント素敵に響いてるわ。 正直、楽曲自体は 1st ほどには猛烈な哀感を発していないものの、この汚くもカリスマティックな独特の声質で歌われる叙情メロディが発するメランコリーは、聴くほどにこの小さな胸にジーンと染み渡る・・・。

そんな魅惑の悪声と哀愁の曲調がコラボる印象からこれまでも聴いてて常々 ACCEPT を連想する場面があったんだけど、本作ではついに本家 ACCEPTUdo Dirkschneider (vo) がゲストで参加! #8 “They Only Come Out at Night” で全く違和感のない(笑)LORDI 節を聴かせてくれる様には涙がチョチョ切れまくりデス。

ちなみに、いつの間にかメンバーチェンジが敢行されていてベースと鍵盤がそれぞれ Ox, Awa なる怪物に変わっているが、言われなきゃ単なる着ぐるみのマイナーチェンジかと思っちゃうところが凄い。(笑) Awa はスカート穿いてるので前任の Enary 同様に女子だと思うんだけど・・・実のところはどうなんだろ?(重要)

 (Mar. 29, 2006)

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MYSTIC PROPHECY 77
Savage Souls (2006)

希独連合パワー・メタル・バンド MYSTIC PROPHECY の 4th アルバム。

前作を最後になんと Gus G. (g) が脱退してしまったが、後任の Martin Grimm (ex-HEADSTONE EPITAPH) のプレイがその穴を感じさせないほどにイイ感じ。

その Martin が踏ん張るテクニカルな叙情ギター・パートの充実と本作から殊更に漂いだしたエクストリーミーなアグレッションが、この新生 MYSTIC PROPHECY の新たな息吹として見事に機能し始めつつも、相変わらず捻りの少ない剛球ヘヴィ・メタルな楽曲の単調さ、そして R.D. Liapakis (vo) が一本調子な単色歌唱でなぞる平坦な歌メロの魅力の希薄さがこれまで同様・・・ってのが、なんとももどかしい限り。。

 (Mar. 07, 2006)

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ORPHEO 86
Echoes (2005)

オランダ産プログレッシヴ・ロック/メタル・バンド ORPHEO のデビュー・アルバム。

随所で DREAM THEATER 風味のインタープレイをメタリックに決めるインテリ眼鏡系プログ・メタル的な雰囲気を醸し出しつつも、実はさほど技巧派ではない各人の程々なプレイの有機的アンサンブルのおかげか、全体に漂うのは辺境プログレちっくなリラックスした空気感。

その長閑な空気の中に充満する東欧~南米系を思わせる雄大な地平に広がる泣きフィールこそがこの ORPHEO の最大の魅力で、前述のプチ・テクニカルな弾き込みから崩れ落ちるようにしとやかな哀愁を湛えたシンフォ・パートに展開する瞬間に見せる、往年の KAYAK, CAMEL に通じる淡い哀感がなんとも素晴らしい。

ドレッド・ヘアの看板美女シンガー Wendelin Visser タンの中性的な声質とそれで歌われる叙情メロディも美味しく、7曲で70分超という大作ながら、それぞれの楽曲に流れる旋律美に支配されるうちに一気に最後まで聴けてしまうのが嬉しいッス。

 (Mar. 08, 2006)

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PAATOS 88
Timeloss (2002)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド PAATOS のデビュー・アルバム。 2nd “Kallocain” での暗鬱北欧プログレっぷりに魅了されての「遡りゲット」なんだけど、いやはや、コチラも評判どおりの素晴らしさで嬉しいわ。

そのアダルトなメロトロン・ロックは、ANEKDOTEN, ANGLAGARD, WHITE WILLOW らと並ぶ KING CRIMSON チルドレン一派の流れにあるんだけど、女性シンガー Pertonella Nettermalm 嬢のコケティッシュな歌唱が催すゴシカルな耽美感が、この PAATOS ならではの個性を与えているんだよな。

プログレッシヴ・ロックはもちろんジャズ、トラッドからハウス/テクノまでを吸収した楽曲は時にアヴァンギャルドなトリップ感を溢れさせたりもするが、Pertonella 嬢の儚げな叙情歌唱が寒々しく暴れる哀愁グルーヴとともにダークな暗黒慕情を描く #3 “Tea”#4 “They are Beautiful” の流れを包み込むメロウ&ナイーヴな空気感は絶品中の絶品。

全体に漂うヲサーレなモンド風味に身を任せていると、北欧の家具が何故スタイリッシュなデザインなのかがなーんとなくわかるような気がしてくる・・・そんな音楽デス。(謎 ^-^;)

 (Mar. 09, 2006)

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REGICIDE 88
Break the Silence (2006)

男女ツイン・ヴォーカル、キーボーダー、ヴァイオリニストを含む7人組ジャーマン・メロディック・ゴシック・メタル・バンド REGICIDE の 2nd アルバム。

デビュー作 “Viorus” の類稀な完成度と実際に Wacken 2005 で目撃した素ン晴らし過ぎるパフォーマンスのおかげで、Myゴシック・マップ上にて好位置をマークすることになった彼らだが、この新作も高まった期待を裏切らぬ好盤になってて一安心。

ヴァイオリンやピアノを大きくフィーチュアした優美なシンフォニック・サウンドを身上としながらも、ゴシカルな耽美さよりは都会的エッジに包まれたコンテンポラリな取っ付き易さを強く感じさせるモダンな叙情サウンドは、2作目にして早くも REGICIDE 風と呼びたくなるほどの個性を確立してきたかの堂々たる佇まい。

吸い込まれるような柔らかな歌声の Frauke Richter 嬢 (♀vo) と秘めた力強さがふくよかに響く Timo Sudhoff (♂vo) のデュエットが絶妙に交錯するミュージカル風味のシアトリカルな色合い、地力の高さが滲むフィジカルな演奏のプログレ・メタリックなスリル、そしてそれらにディープに絡みつく専任ヴァイオリン嬢 Jonna Wilms タン(萌)が惜しげもなく震わせる弦の吐息が一体となって快活に展開する楽曲群は、その全体を覆うクリアなメジャー感がどうにも素敵なのデスよ。

惜しむらくは、オープニングを飾るダイナミックな佳曲 #1 “Plastic Dove” をはじめ水準以上の出来と確信できる粒揃いな楽曲を揃えながらも、ハイライトとなる突き抜けてキラーな一曲が残念ながら見当たらないこと。 ま、そのあたりは引き続き今後に期待ってことで。

 (Mar. 29, 2006)

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RICOCHET 83
Zarah – A Teartown Story (2005)

独ハンブルクをベースとするプログレッシヴ・メタル・バンド RICOCHET の 2nd アルバム。

犯罪に巻き込まれてゆく不幸な少女 Zarah の波乱の人生を72分に亘って描いたコンセプト巨編である本作は、前作リリース以来10年を超える長き月日を経ての大きな成長を封じ込めた力作。

陰惨なテーマとは裏腹に楽曲自体は意外にも明快な色彩を帯びており、テクニカルでメタリックな主張とともにシンフォ・ネオ=プログレッシヴの優美な落ち着きを発散するそのスタイルは、ARENAIVANHOE の中間あたりに位置しそうな(…ってどんなんだ/苦笑)、現存バンドで言えば THRESHOLD に最も近い感触かな。

序盤でハードともメロウともつかぬ中途半端な芯の揺れにもどかしさを感じつつも、中盤以降の卓越した円熟技巧を誇る演奏陣によるスリリングな畳み掛けとシンガー Christian Heise の力強い情感歌唱の充実っぷりは見事で、特に泣き大爆発のバラード #7 “Final Curtain” から18分超(途中無音部分アリ)の壮麗なる終曲 #9 “A New Day’s Rising” に至る終盤の流れは圧巻の一言。

 (Mar. 08, 2006)

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SILENTIUM 87
Seducia (2006)

フィンランドのゴシック・メタル・バンド SILENTIUM の Dynamic Arts Records 移籍第一弾となる 4th アルバム。

前作 “Sufferion – Hamartia of Prudence” は多彩な要素を封じ込めたシアトリカルな一大コンセプト・アルバムだったが、本作で現れたのは、その前作で培った懐の広さを踏まえた上で SILENTIUM 旧来の「正しいゴシック・メタル」姿を見つめ直したかの、暗くてロマンティックで耽美で・・・でも程よくモダンな「ネオ王道ゴシック・メタル」の姿。

新たな女性シンガー Riina Rinkinen 嬢のリラックスしたクリアな歌唱とエキセントリックにアグレッションを噴射する男声ヴォーカルが絡み合いながらドラマティックに展開する楽曲は、垢抜けた上質オーケストレーションとメタル・リフが対峙するダイナミクスの中でピアノ&弦楽が「これぞゴシック・メタル」たる悲哀を遠慮なく放ちまくりで、その繊細なアレンジのプロフェッショナルな質の高さに驚かされるばかり。

まさに王道な #1 “Hangman’s Lullaby”, #3 “Dead Silent”、穏やかな空気の中で清閑な泣きが悲しく漂う #4 “Unbroken”AFTER FOREVER ばりの快活なシンフォニック・メタル風味を持った #5 “Frostnight”, #7 “Empress of the Dark”、そしてクラシカルなプログレ展開にクラクラしちゃうラストの大作タイトルトラック #8 “Seducia”・・・と、佳曲が並ぶ全体の調和の取れたバランスも極めて良好。

正直それほど期待してなかっただけに(汗)この予想外の充実っぷりは超嬉しいですわ。
 (Mar. 14, 2006)

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SINAMORE 74
A New Day (2006)

フィンランドのメランコリック・ゴシックメタル・バンド SINAMORE のデビュー・アルバム from Napalm Records。

TO/DIE/FOR タイプ。 完ッ全に没個性なんだけど、ここまで高品質に TO/DIE/FOR クローン(注:ギター・ソロ・パートを除く)を演じきれるのであれば、結果的にそれがこの SINAMORE の個性なのかもしれん・・・と思えるほどに超 TO/DIE/FOR タイプ。

実際、曲も歌もイイ感じで、あまりに不甲斐ない本家の近作よりは本作の方がズーーーッと楽しめてしまう・・・ってのがなんちゅーか本中華。(古)

 (Mar. 11, 2006)

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SYMBYOSIS 76
On the Wings of Phoenix (2005)

フランスのプログレッシブ・テクニカル・デス・メタル・バンド SYMBYOSIS の 2nd アルバムは、書き下ろしの近未来SFストーリーをベースとしたコンセプト・アルバム。

2001年に “Crisis” をリリースして以来すっかりその名を聞かなくなっていたので、こうして生き長らえていたという事実にまず驚き、そしてその5年の歳月の間に2枚組約110分にも及ぶ長大なヴォリュームの作品を濃密にまとめられる地力を蓄えていたことにまた驚いた。

デス・メタル色を感じさせるのはシンガーの濁声と所々でスピーディかつ手数多く捲し立てるドラミングのみ・・・という拡散傾向の複雑なプログレッシヴ・メタルは、シンフォニーや女声をフィーチュアしたいかにもコンセプト・アルバムらしいドラマティックな装いの映画的造りで、そのヴァラエティなスケール感には目を瞠るばかり。

そしてその複雑なサウンドの中核を成す中心人物 Franck Kobolt (g) の超 Tony Fredianelli (THIRD EYE BLIND, ex-APOCRYPHA) タイプ(…テキトーな印象デス/汗)のネオ=クラシカル全開なテクニカル・プレイが縦横無尽に飛び回る様はもちろん、今作からジョイントしたドラマー Tarik Karlsson のジャジーでさえある有機的ドラミング・・・というプレイ面でのアピールもナカナカのもの。

・・・と、気に入る要素はテンコ盛りなんだけど、やっぱいくらなんでも110分は長過ぎで、正直それだけの長丁場に亘って集中力を持続させるだけの魅力があるかっちゅーと・・・残念ながらチョイト難しいんだよなぁ。。。 瞬間瞬間はイイ感じなので、なんとか上手く一枚にまとめていればもっともっと印象良くなったと思うんだけどね。

劇中(って言うのかな?)で IRON MAIDEN のカヴァー Disc2-#6 “The Loneliness of the Long Distance Runner”SLAYER のカヴァー Disc2-#7 “Read Between the Lies” 演ってマス。

 (Mar. 14, 2006)

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THE AURORA PROJECT 80
…Unspoken Words (2005)

ダッチ・プログレッシャー THE AURORA PROJECT のデビュー・アルバム。

本作はギタリスト Marc Vooys が書き起こした精神の旅路的物語をベースとしたコンセプト大作とのことで、なるほどナレーションや小曲を場面転換に用いたシアトリカルな演出はいかにもソレっぽい感じ。

PINK FLOYD, PORCUPINE TREE, TOOL そして ANATHEMA らに影響されたバンド・・・と
のことだけど、メタリックな重厚さとポンプな安穏アトモスフィアが競演するミステリアスかつスペイシーなサウンドは同郷の AYREON の各作品に非常に近い印象で、シンフォニーやクワイアをも交えたドラマティックに展開の妙、細部まで計算されたプロダクションなど、全体的なクオリティは総じて非常に高い。

ちなみに、マスタリングは WITHIN TEMPTATION の作品も手がける Sander van der Heide

 (Mar. 08, 2006)

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THUNDRA 75
Worshipped by Chaos (2006)

2000年に Spikefarm からデビュー作 “Blood of Your Soul” をリリース後消息を絶っていたノルウェーのメロディック・ヴァイキング・ブラック・メタル・バンド THUNDRA が、実は水面下ではしっかりと生きてたようで、6年ぶりとなる 2nd アルバムを Black Lotus からひょっこりとリリース。

Stein Sund (b/ex-EINHERJER), Harald Magne Revheim (dr/ex-ENSLAVED) を含む不動の6人が生み出すのは、ほの暗い旋律美を配したドラマティックなシンフォ・ブラック。 前述のデビュー作で顕著だった明快なヴァイキングっぽさはやや後退、激情の満ち退きを隠そうとしない喚き型デス・スクリームが運んでくるいかにもブラック・メタル然とした危険な邪悪さを強く発散している印象だ。

そんな風に全編で背徳の香りを漂わせているからこそ、安定した正統的ギター・プレイと少々クセがありながらよく歌うノーマル・ヴォイスが跋扈するドラマティックな展開美のメロディックな主張が、ここぞという場面で大きな威力を発揮してる感じ。 朗々たるメロウ・ワルツ #8 “The Existing Darkness” はその最たるもので、中間部のギター・ソロでの感動的な泣きっぷりは素晴らしいの一言だもんな。

ま、その手の見せ場が全体的にもっともっと多かったら嬉しいんだけどぉ~・・・ってのが正直なところなんスけど。(汗)

 (Mar. 19, 2006)

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TIME REQUIEM 79
Optical Illusion (2006)

ネオ=クラシカル大国スウェーデンが生んだ孤高の鍵盤魔人 Richard Andersson 率いる TIME REQUIEM の 3rd アルバム。

セルフ・カヴァー集 “The Ultimate Andersson Collection” 録音時のメンバーをそのまま流用・・・ってことで、Apollo Papathanasio に替わってなんと“Mr.北欧ヴォイス”Goran Edman がシンガーの座に着いているその事実こそが本作の最大のトピック。 彼が歌うだけであーら不思議、「ネオ=クラシカル・プログレッシヴ・メタル」が「北欧メタル」に変わってしまうのだからこれほど嬉しいことはない。(笑)

ただし肝心の楽曲の方は、、残念ながらこれまでになく凡庸な出来。。。 最早パクリかどうかもどーでもいいほどに魅力に欠ける聞き覚え満点かつ掴み所極少な楽曲は、SPACE ODYSSEY でも Richard をサポートする Magnus Nilsson (g) をはじめ腕に覚えのメンツが超絶テクを競わせながらも、何故かマジックが生まれないプレイの薄味っぷりも寂しい限りだ。

それでも、#5 “Ocean Wings” などで聴ける Goran のナイーヴな歌声の魅力の前には、無条件で悶えて絶命しそうになるんだから・・・我ながら盲目的なファンってイヤだね。(汗)

 (Mar. 13, 2006)

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TONY O'HORA 83
Escape into the Sun (2006)

PRAYING MANTIS の 5th “Forever in Time” (1998), 6th “Nowhere to Hide” (2000) で歌っていた英国人シンガー Tony O’Hora のソロ・アルバム。

ギターを始めとするすべての楽器パートの構築、そしてプロデュース・・・と、本作で Tony を全面的にバックアップするのが Magnus Karlsson (STARBREAKER, LAST TRIBE, ALLEN/LANDE) で、楽曲的にはそれらのバンド群に通じる非常に Magnus 色が強い仕上がりになっている。

Tony O’Hora の歌声は久々に改めて聴くと(失礼!^-^;)意外にも存在感と旨味に満ちており、前述のような一連の「Magnus Karlsson Music」の流れにあるキャッチーなメロディック・メタル・チューンによくフィットし、所々で PRAYING MANTIS に通じる哀感を醸し出しているのが素敵。

コレといった決め曲がないのは残念ながら、聴いてる時の心地良さはナカナカのモノなので、これからもたま~に取り出しては聴くことになりそうだ。

 (Mar. 07, 2006)

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TYR 84
Eric the Red (2003)

ノルウェーとアイスランドの中間の北大西洋上に位置するデンマークの自治領:フェロー諸島に生息するヴァイキング・メタル・バンド TYR の 2nd アルバム。

誇り高きヴァイキンガーとして鎖帷子に身を包み剣を掲げつつもバトル/フォーク色は希薄で、4ピースの演奏陣による変拍子を仕込んだプログレ・ハードなダイナミック・プレイの上で、パワフルな朗々ノーマル・ヴォイスと勇壮なクワイアによる土着感の強い歌唱パートがドラマティックにヴァイキング風味を振り撒く・・・という珍しい感触が特色だ。 起伏に富みつつもある種淡々と進む楽曲の、土着感が表面的にではなく芯まで自然に染み込んだその雰囲気は、音楽性は違えど LUMSK に近いかも。

面白いのは、バンドのスタイルに完全に不似合いと思えるほどにネオ=クラシカルに弾きまくるギター・プレイがフィーチュアされていること。 もちろんご想像通り、オレ的にはその部分に必要以上にツヴォを刺激されまくりだったり。(苦笑)

ちなみにこの TYR、タイムリーにも先ごろ Napalm Records とサインし、本作を3/24に再発、そして夏~秋には3年振りとなる新作もリリース予定とのこと。 そっちも楽しみだ。

 (Mar. 13, 2006)

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VESANIA 85
God the Lux (2005)

BEHEMOTHOrion (vo,g), VADERDariusz ‘Daray’ Brzozowski (dr) 両名を擁するポーランドのシンフォニック・ブラック・メタル・バンド VESANIA の 2nd アルバム。

壮麗なシンフォニック・アレンジと凶暴なメタル・リフの双方が重厚な音圧を伴って迫り来るメロディック&ドラマティックな堂々たるシンフォ・ブラック・サウンドは、壁のように襲い来る緩急巧みな爆裂ブラストとその隙間を縫ってみたり覆いかぶさったりする寒冷前線のように冷ややかなキーボードのコラボレーションの威力に目を瞠る。 DIMMU BORGIR ら巨匠達に決して引けを取らぬA級レベルのハイ・クオリティなプロダクションも素晴らしいね。

楽曲が3~5分とこの手にしてはコンパクト過ぎたり(上手くまとまってはいるんだけど)、プレイ・スタイルの機械的な切れ味の良さが邪悪な耽美さ/禍々しさを少々殺いでしまっていたり・・・とねだりたくなる部分は間々あれど、総じて悶えながら楽しめる、良く出来た好盤であることには間違いないスな。

ゲストで Maurycy ‘Mauser’ Stefanowicz (g/VADER, DIES IRAE) がギター・ソロ弾いてます。

 (Mar. 13, 2006)

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WATERCLIME 82
The Astral Factor (2006)

VINTERSORG, OTYG, BORKNAGAR, HAVAYOTH, FISSION, COSMIC DEATH, MASTICATOR, CRONIAN… ら数々のバンドに籍を置く(置き過ぎ!/苦笑)Andreas Hedlund (aka Vintersorg) が、Mr. V という名で新たに興した一人プロジェクト。

ここで聴けるのは、ヴィンテージに響くハモンド/メロトロンの音色とユートピアンな拡散が呼び込む’60s~’70sフィールが初期 URIAH HEEP をも想起させる、プログレッシヴなサイケデリック・ロック。

デス/ブラック臭は皆無だけど、VINTERSORG, OTYG にも通じるスカンジナヴィアの民族臭がプンプンと漂う旋律美とジャズ・ロックのテクニカルなグルーヴが鬩ぎ合いながら北欧の荒涼たる哀愁をほの暗く紡ぐ様はやっぱ心地良いやね。 そこはかとなく漂うヲサーレな感触には、「モンド化した VINTERSORG」という表現も思い浮かんじゃったり。

ゲストとして VINTERSORG, OTYG での盟友 Matthias Marklund (g), BLACK BONZO のシンガー Magnus Lindgren が参加。

 (Mar. 23, 2006)

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YYRKOON 84
Unhealthy Opera (2006)

フランス産メロディック・デス・メタル・バンドの YYRKOON の 4th アルバム。

前作でテクニカル・ブルータル・ブラック色強化の原動力となる凄まじいドラミングを聴かせていた名手 Dirk Verbeuren (SCARVE, SOILWORK) のサポートは一作で終了し、本作ではオリジナル・メンバー Laurent Harrouart が復帰。 そのせいか、サウンド・スタイルも正統派メタル的メロウ・エッセンスを幾らか取り戻した、ほんの少しだけではあるが 2nd 時点に向かって立ち戻った印象のものとなった。

前作で培ったブルータルなアグレッションが引き続き根幹を成す中、シンガー兼任ギタリスト Stephane Souteryand の相変わらず魅力的なネオ=クラシカル・プレイがリードするメロディックな展開美の大幅な復活っぷりが耳を惹く・・・んだけど、前作での美醜のコントラストがあまりに強烈(そして絶妙!)だったこともあって、このややヌルめのバランスには少々中途半端な物足りなさを感じてしまうんだな、コレが。

それでも、クリアでかつ音圧の高いプロフェッショナルな音像が、クトゥルー神話とリレーションした魅惑の歌詞世界のイマジネーションを高めるドラマティックなへヴィ・メタルとして、十分以上に楽しめているのは確か。  #9 “Horror from the Sea” では KING DIAMONDAndy LaRocque (g) がゲストでソロ弾いてるし!(嬉)

つか、この YYRKOON といい EVERGREY といい LORD BELIAL といい、Andy LaRocque が関与するバンドって、レギュラー・メンバーのギタリストからして Andy っぽいタッチ/フィーリングを醸し出してるケースが多いよなぁ。 Andy・・・いや、KING DIAMOND の影響力、ギザ恐るべし。(盲目)

 (Mar. 23, 2006)

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