6月2006
DISARMONIA MUNDI 81
Mind Tricks (2006)

イタリアの天才マルチ・プレーヤ Ettore Rigotti (g,b,dr,vo,key) が主宰するエクストリーム・メタル・バンド DISARMONIA MUNDI の 3rd アルバム。

フューチャリスティックな光沢に輝く SOIL WORKIN FLAMES を小さじ一杯振り掛けたスマートな激烈メタルは健在で、さらにアグレッションを増すとと同時に、印象的な旋律美を司るコード感から読み取れるオーセンティックなハード・ロック/ヘヴィ・メタル風味の強調が実に美味しく響いてくる。

クオリティは間違いなくUPしてるし、前作同様 Ettore の友人が弾きまくる上質なネオ=クラシカル・ギターにも悶絶を誘われる・・・んだけど、前作のインパクトがあまりにも絶大だっただけに、この新作の「予想の範囲内」と思える内容に、贅沢にも物足りなさを感じてしまうですよ。。

Bjorn ‘Speed’ Strid (vo/SOIL WORK, TERROR 2000) と Claudio Ravinale (vo,lyrics) によるツイン・デス・ヴォイスと Ettore のメロディックなクリーン・ヴォイスが絡み合う“トリプル・ヴォーカル体制”にしても、効果的なコントラストを格好良く描く場面も確かにありながら、全体的に歌パート多杉!と辟易したくなるようなネガティヴ・ポイントでもあるんだよな。

と、チョイと気になるトコロについ着目しちゃいつつも、なんだかんだ言って烈しくリピート中だったりするんだけど。(^o^;

 (Jun, 14, 2006)

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ECHO OF DALRIADA 89
Jegbonto (2006)

先日ハンガリーを訪問した際、一緒に呑んだ現地メタラーが「今ハンガリーで一番ホットなバンドやで!」と激熱く語っていたのが、このシンフォニック・フォーク・メタル・バンド ECHO OF DALRIADA。 本作は 2nd アルバム。

男女ツイン・ヴォーカルをフィーチュアしてフォーキッシュな民謡フレーヴァーたっぷりに描かれるエピカルなパワー・メタルが非常に魅力的なモノであるのは確かで、女性シンガー Laura Binder 嬢の淡白めの朴訥歌唱の色合いから「パワー・メタル化した BLACKMORE’S NIGHT」と表現したくなる部分もありーの、♂シンガーの Hansi Kursch 似の声質もあって「ナイーヴな辺境色を大きく湛えた BLIND GUARDIAN」とも喩えたくなる感じ。

最初聴いた時は「そ、そこまで熱く語る程ぢゃなくね?」って思ったんだけど、繰り返して聴くうちに音からどんどん漏れ出すハンガリー・・・というか中~東欧ならではの寂しげな荒涼感に姦られだし、今では彼らの魅力が見事に結実した扇情的な #8 “Hajnalunnep” をはじめ、全曲捨て曲無しのフォーク・メタルの名盤と思えるほどに。(苦笑)

うん、やっぱ熱く語りたくなるのが良くわかる(汗)イイバンドだ、ECHO OF DALRIADA

 (Jun, 04, 2006)

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EDENShADE 83
the LESSON betrayed (2006)

イタリアのプログレッシヴ・エクストリーム・メタル・バンド EDENShADE の 2nd アルバム。

デビュー作ではかの GODGORY に通じる DREAM THEATER インフルエンスなテクニカル・プログ・デスを標榜していたが、デス・ヴォイスを抑え目に’90s スラッシャー風のチョイ濁な脱力ノーマル・ヴォイスを大幅にフィーチュアし、緩急のダイナミズムに劇的な深化を見せる本作が今回運んでくるのは、「激化した PAIN OF SALVATION」てな印象だ。

与えられたサイバーなテーマと共にテクニカル・リックがモダンに激突するその知的なサウンドはもはや完全にプログレッシヴ・メタルの様相で、高解像度で展開される各パートのスリリングな鬩ぎ合いに高揚を誘われるのはもちろん、変拍子に冷ややかな叙情を載せるナイーヴなメロウ・フィールの高い殺傷力にこそ眩暈を覚えるですよ。

そんなバンドの地力の大きな成長を見せ付けながらも、個々の楽曲としては・・・ちょいと拡散し過ぎな感じ。 その焦点の微妙なボケ具合が、全体の流れの中でハイライトを掴み辛いものにしているかも。 その点では前作に軍配が上がるかな。

あ、前作にて独創的フューチャリズムに溢れる世界観の創出に一役買っていた鍵盤奏者 Matteo Belli が脱退してどうなることかと思ったけど、新メンバー Massimiliano Wosz も相当なナイスセンスの持ち主で一安心。(安堵)

 (Jun, 25, 2006)

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FAIR WARNING 86
Don’t Keep Me Waiting (2006)

祝!復活!!のジャーマン・メロディック・ハード・ロック・バンド FAIR WARNING の来るニュー・アルバムに先駆けての先行 EP。

いやはや、Ule W. Ritgen 総統 (b) 作のタイトル・トラック #1 “Don’t Keep Me Waiting” の、いきなり「100% FAIR WARNING !!」なカッコよさに悶えて絶命ですよ奥さん! タフさを増した Tommy Heart (vo) の伸びやかな歌唱、天空をクラシカルに飛翔する Helge Engelke (g) の顔歪スカイ・ギター、そして忘れちゃならない名手 C.C. Behrens (dr) のグルーヴィなパワー・ヒット・・・それらの全ての要素が結実した過去の代表曲に全く劣らぬレベルの名曲を、プレッシャーのかかる復活第一弾にも関わらずこうしてきっちりと提示してくるあたり、ホンマ恐れ入るばかりですわ。

アルバム “Brother’s Keeper” がリリースされる7/26が楽しみで仕方ないッスな。

 (Jun, 25, 2006)

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HOUSE OF LORDS 90
World Upside Down (2006)

米産メロディック・ハード・ロック・バンド HOUSE OF LORDS の、約12年振りに復活した前作から約2年振りとなる 5th アルバム。

前作では何故か不参加だった鍵盤天使(笑)Gregg Giuffria が“Key production”というワケワカメな肩書き(つまりは鍵盤パートの監修?)でメンバーとして名を連ねる本作は、その再合流効果か、ちょいダメ復活作だった前作の悪夢を完全に無に帰す快心の「真の復活作」となった。

ソウルフルかつ明快な堂々たる歌唱、ヒーロー然とした存在感を主張するテクニカルなギター・パート、完全にプロフェッショナルな華麗なるキーボード、要所でしっかりとツーバスを踏み込む重厚なメタル・エッジ、泣きの入った欧風な哀愁、大陸的な乾いた縦ノリ感など、当時のメインストリームなU.S.メロハーの息吹を完全に再現した楽曲群の出来の良さは恐ろしいほどで、荘厳なチャーチ・オルガンに導かれる様式美バリバリ(死語)なイントロダクション #1 “Mask of Eternity” からなだれ込む哀愁ダダ漏れな必殺オープニング・チューン #2 “These are the Times”、壮麗なミドル・ドライヴが極上の哀感を運んでくる #3 “All the Way to Heaven”、ガット・ギターによる哀しみの小曲をイントロに持つ切なさ全開のパワー・バラード #4 “Field of Shattered Dreams”、まさに絵に描いたような哀愁メロハー具合に禿しく悶絶な #8 “Million Miles”、イントロのチョーキング一発で原型を留めないほどに顔が歪んじゃう #9 “Your Eyes”、サビの頭3音に無条件に瞬殺されつつネオクラ魂炸裂なソロでダメ押しのキラー・チューン #10 “Ghost of Time”・・・と、名盤である 1st を差し置いて本作が最高傑作かもと思えるほどに佳曲満載なのが凄い。

年月を経たなりの荒さもありつつ本質的な求心力は一切衰えをみせていない James Christian (vo,g) の味わい深い熱唱が本作の魅力をリードしているのはもちろんだけど、オレ的には新ギタリスト Jimi Bell (g/MVP, ROB ROCK, CANNATA/ARC ANGEL, WAYNE, THUNDERHEAD) のパッショネイトにフラッシュする燃え盛る火の玉の如きエモーショナル・プレイが大きくフィーチュアされているのが何より嬉しいのデス。

 (Jun, 06, 2006)

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INDUKTI 86
S.U.S.A.R. (2005)

ポーランドのプログレッシヴ・ロック・バンド INDUKTI のデビュー・アルバム。

暗黒なマインドスケープをアヴァンギャルドに描く幻惑のヘヴィ・アンサンブルは、KING CRIMSON, TOOL, NEUROSIS らの名が引き合いに出されるのが納得のトリップ・メタリックな質感で、専任女性ヴァイオリン奏者 Ewa Jablonska 嬢が全編で浮遊させる弦の音色による硬軟のコントラストが帯びさせている独特のエスニックな色合いが美味しい。

硬質なモダニズムにトラッドな呪詛を融解させた「近未来の呪術儀式」の、東欧ならではの暗度に沈む絶望的な閉塞感は心地好いの一言で、深夜に呑んでて更に泥酔度を高めたい欲求に駆られた時のアイテムとして本作が今後重宝されることは必至。(病)

基本的にはインスト主体なんだけど、散発する歌唱パートをサポートするゲストシンガーが RIVERSIDEMariusz Duda だというのもポイント高いスな。

 (Jun, 25, 2006)

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KRODA 75
Towards the Firmaments Verge of Life (2005)

ウクライナの2人組(特に苗字が黒田というわけではない/笑)NSヒーゼン・フォーク・ブラック・メタル・バンド KRODA の 2nd アルバム。

ファストに激昂するアンダーグラウンドなシンフォニック・ブラック・メタルは、全編に絡みつく Drymbas(マウスハープ)、Sopilka(ピッコロ)、Trembita(縦笛)の音色による牧歌的な純朴フォーク・テイストが大きな魅力。

奇天烈なホーンが吹き鳴らされまくる #2 “Pathways of Fate” の独創的なサウンドにわくわくしながら聴き進めると、その後はフォークロアな祭事パートにゾクゾクするような悶絶感を得ながらも、意外と普通な感じのメロディック・ペイガン・ブラックの連続なのがやや拍子抜け。。。

祖国を包む自然とそれに宿る神々への敬意を露わにするアーリアン賛歌の「真正っぷり」は聴いててドン引きするほどで(汗)、それもあって全体の雰囲気は NOKTURNAL MORTUM に近いと思ったデスよ。

 (Jun, 04, 2006)

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LEAVES' EYES 85
Legend Land (2006)

ノルウェーのゴシック・メタル・バンド LEAVES’ EYES の新曲5曲を収録した MCD。

印象的な壮麗チューンに仕上がったタイトル・トラック #1 “Legend Land” をはじめ5曲の新曲はどれも先の名作 “Vinland Saga” の流れを継ぐもので、元 THEATRE OF TRAGEDY の(って冠、もう要らないよなぁ…)カリスマ歌姫 Liv Kristine Espenaes Krull 嬢の萌え萌えエンジェリック・ヴォイスをフィーチュアした重厚なシンフォニック・ゴシック・メタルは、完全にその方向性を確立したようだ。

ま、ワン・パターンって言っちゃったらオシマイなんだけど(汗)、Alexander ‘ダンナ’ Krull (♂vo) のデス・ヴォイス+存在感が生むタフなヴァイキング風味がこれまで以上にプラスに作用しているように感じられるし(#3 “Viking’s Word” なんて曲もある)、次作に大きな期待を繋げるに十分な一枚であることは間違いない。

今回 Get したのはサイン入りの Limited Fan Edition なんだけど、ジャケ的には通常版の緑色バージョンの方が好みなんだよなぁ。。 ま、5EURだしそっちも一枚買うか。(馬鹿)

 (Jun, 25, 2006)

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LUCA TURILLI 56
The Infinite Wonders of Creation (2006)

イタリアン・エピック・メタル・キング RHAPSODY のギタリスト/コンポーザー Luca Turilli 王子 の3作目のソロ・アルバム。

いつもの Olaf Hayer (vo/DIONYSUS) に加えて、RHAPSODY の名曲 “When Demons Awake” でも客演していたミュージカル/ゴスペル畑の黒人女性シンガー Bridget Fogle を迎えた男女ツイン・ヴォーカル体制となり、Luca 様 独特のボンバスティック・ワールドは更にパワーアップッ!!・・・とは行かなかったみたい。。

とにかく、楽曲が圧倒的にヌルい。 オーケストレーションやクワイア、そしてエレクトリック・エフェクトを惜しげもなくフィーチュアして歴史と近未来を折衷させた壮麗な構造そのものは過去2作に準じるものの、単に疾走パートの有無の問題ではない骨格部分のメリハリの無さは致命的。 また、これまで以上にランドスケープ・ミュージックとしての機能を目論むも、目に浮かぶのは大自然の雄大な風景ではなく、精巧かつ緻密に人造されたCGのそれなんだよね。

そうなってくると、いつになくキーを抑えた Olaf の歌唱も覇気が無いように感じてくるし、新たな魅力の創出に貢献するはずの Bridget にしても、さすがのオールマイティな上手さを誇るものの、それ故の八方美人的な魅力の薄さはかなり残念な感じ。

うーん・・・RHAPSODY の次作もちょっぴり不安になってきたな・・・。

 (Jun, 05, 2006)

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MANEGARM 88
Urminnes Havd – The Forest Sessions (2006)

スウェディッシュ・ヴァイキング・デス・メタル・バンド MANEGARM の、アコースティック/フォークな側面に焦点を当てた7曲入(15秒のイントロを含むので実質6曲入)MCD。

本作で展開されているのは、ナイロン・ギターの儚い響きの上でヴァイオリン奏者 Janne Liljeqvist と彼の別プロジェクト TVA FISK OCH EN FLASK のメンバーでもあるゲスト♀シンガー Umer Mossige-Norheim 嬢が大きくフィーチュアされた、デス・メタルはもちろんロック色も皆無な土着的な真性トラッド/フォーク。

歌姫 Umer 嬢の朴訥ソプラノが男声ヴォーカル/コーラスのヴァイキング風味(先入観)と共に紡ぐ侘しくも美しい古えの北欧叙情は BLACKMORE’S NIGHT meets GATE な雰囲気を持つシリアスなもので、これまでの作品の中にフィーチュアされていたメロウなフォーク・パートが魅力的だったとはいえ、ここまで本格的にフォークロアなマインドを持ち合わせていたとは正直驚いた。

鳥の囀りも聴こえてくるまさに森の中で行われているかのようなこのセッション、ヴァイキング魂と共に悶絶ヴァイオリンが躍動する #3 “Utfard” をはじめ個々の楽曲の出来も押し並べて良いだけに、MCDなので仕方ないとはいえ全部で27分弱という短いランニング・タイムの物足りなさが残念。。

 (Jun, 25, 2006)

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NUCLEUS TORN 84
Nihil (2006)

スイスの深遠プログレッシャー NUCLEUS TORN の 1st フルレンス・アルバム。

通販で一緒にオーダーした他のCDに混じって変な黒封筒が入ってて、「どうせ宣材だろう~」とその封筒を無造作にビッリビリに破いて開けたら・・・中からA5版特殊紙ジャケットの本作が出てきた。(汗)

メンバー7人+ゲスト2人の総勢9名で奏でるのは、落ち着いた男女ヴォーカルと弦楽/各種笛/ハープ/リュート等をフィーチュアした古楽的クラシカル・フォークのニューエイジ的な静謐なる格調と、歴史の闇に向かって不協和音をダイナミックに叩きつける KING CRIMSON 的不条理ヘヴィ・パートの漆黒の狂気がバトンを譲り合うアートな中世暗黒世界。

聴く者を突き放す実験的な描写に思わずたじろぐ場面もありつつ、その戸惑いが快感に思えるほどに、この退廃的なモノクローム世界の耽美な暗さは魅力的。 これまでに↑で出てきたキーワードの全てを封じ込めた9分超の終曲 #7 “Peregrina Sublime” は相当ヤヴァいッス。

 (Jun, 13, 2006)

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OBSESSION 78
Carnival of Lies (2006)

LOUDNESS, Yngwie Malmsteen などで活躍した剛健メタル・シンガー Mike Vescera がそれ以前に在籍していたUS正統派パワー・メタラー OBSESSION が、19年振りに復活して 3rd アルバムをリリース。

その Mike のストロングなハイトーン・ヴォーカルと、今回の復活劇をサポートする Scott Boland (MVP) & John Bruno (XFactorX) の新ギター・チームによるネオ=クラシカル風味たっぷりの荒々しい弾きまくりが映えるオールド・スクールなヘヴィ・メタルは、欧風志向のマイナー・メロディをアメリカン・メタルならではの大味なパワー感で調理した当時の魅力をしっかりと受け継ぐもの・・・なんだけど、全体的にやや発散気味のドタバタ感に満ちているせいか、新作なのに当時の作品を凌駕するほどのOUFなクサレ・フィーリングを漂わせているのが面白いというかなんというか。。。(汗)

今となっては刺激が少ない音像ながら、繰り返し聴くうちに「あー、やっぱB級USパワー・メタルっていいナ…」とじっくりと沁みてくる本作、新曲群も悪くないんだけど、#11 “Marshall Law 2006″, #12 “Panic in the Streets 2006″ らの初期の名曲の再録はやっぱ懐かしさ満点ス。 もし次作があるならば、その時は My Favorite Tune である “Scarred for Life” を採り上げる方向でヨロシク。>関係各位

もちろん、先日の DANGER DANGER の来日公演にも帯同していた激テク・ギタリスト Robert Marchello のゲスト参加も大きなトピックで、タイトル・トラック #2 “Carnival of Lies” はじめ4曲で聴けるその悶絶ネオ=クラシカル・プレイは、今後の彼の動向への期待を募らせまくってしまう威力アリ。

 (Jun, 01, 2006)

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PAATOS 88
Silence of Another Kind (2006)

スウェーデンのメランコリック・ポスト=ロック・バンド PAATOS の 3rd アルバム。

女性シンガー Petronella Nettermalm 嬢 (vo, cello) の齢三十五ならではの色香漂う魅惑のアンニュイ歌唱をこれまでになく前面に推し出した“歌モノ”な作風ながら、スタイリッシュなモダニズムと呪術的な土着感との鬱々としたプログレスが生む極上の絶望が放たれる傍から垂れ込める奇形の曇天に吸い込まれていく光景の美しさは、一切揺らいではいない。

前2作に比べるとややコンパクトな印象ながらも、それぞれが情景的な深みに満ちた楽曲の粒の揃い方は見事で、澱んだ浮遊感が躍動するサビの7拍子がたまらなく心地好い #1 “Shame”、北欧の薄い木漏れ日の下で淡い哀感が清閑に沁み出す #3 “Falling”、ゴシカルな陰鬱グルーヴの美しさに震える #5 “Is That All?”、弦楽/メロトロンを総動員して幽玄に悲愴ドラマを描くハイライト #8 “Not a Sound” らをはじめとする魅力的な楽曲群が、もう KING CRIMSON の名をを引き合いに出す必要を感じさせぬ「PAATOS 風」と言える個性に包まれているのがポイント高いわ。

 (Jun, 11, 2006)

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PERSUADER 87
When Eden Burns (2006)

先頃 EDGUY と共に初来日を果たした SAVAGE CIRCUS にも籍を置く Jens Carlsson (vo), Emil Norberg (g) を擁するスウェーデン産メロディック・パワー・メタル・バンド PERSUADER の 3rd アルバム。

その両名のパフォーマンスと勇ましい楽曲の基本スタイルから「超 BLIND GUARDIAN タイプ」(または超 ETERNAL NIGHTMANTICORA タイプ/笑)と形容したくなるのはこれまで同様のお約束ながら、全編に漲らせた強靭なる爆裂アグレッションの中で、前作にて良質の消化を見せたその“ブラガ・エッセンス”が「個性のうちの一つ」としてDNAに組み込まれたかのように自然体で機能する本作の進化っぷりは実に痛快だ。

何かに吹っ切れたかのように凄まじいエネルギーを噴出し続けるエクストリームな風合いは「デスラッシュ的」とさえいえる様相を呈していて、そんなサウンドの激化によって堂々と鳴り響くヒロイックな勇壮旋律が“慟哭”の域にまで昇華している様は頼もしくも刺激的。 意外にもテクニカルなギター・ワークによるスリリングな見せ場の増強も嬉しいけど、更にテンションを高めた“Hansi 歌唱”(笑)を聴かせる Jens が随所で効果的にブッ込むデス・ヴォイスが・・・これまたカコイイんですわ。

前述の SAVAGE CIRCUS の来日公演では、フロントマンとしてやや未熟さを感じさせるパフォーマンスを晒してしまった Jens だけど、今後しっかりと場数を踏んで、いつの日か PERSUADER として堂々たるステージングを見せて欲しいもんですな。

 (Jun, 01, 2006)

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RUNIC 88
Liar Flags (2006)

スペインから出現したヴァイキング/ペイガン・メタル・バンド RUNIC のデビュー・アルバム。

オーケストレーション/笛/パイプ/女声/ヨイク等をたっぷりと配しながらフォークロアなクサメロを奏でる一方、意外な安定感を見せるエモーショナルなギター・ワークを中心に叙情派メロディック・デス・メタルとしてのエキサイトメントをも封じ込めた「キラキラ系ヴァイキング全部入り」なドラマティックな慟哭サウンドは、これがデビュー作ということを感じさせない堂々たる出来栄え。

どっしりと構えつつも時に疾走も厭わぬアグレッシヴな勇壮挽歌は、ちょうど TURISASEQUILIBRIUM の中間あたりに位置すると思える風情で、戦場に吹き鳴る角笛や血に飢えた剣達の鬨の声が曲中の随所で描く悲愴なるバトル・シーンの数々に、我がヴァイキング・ブラッドは無条件で熱く滾ってしまうデスよ。(悶)

#1 “…When the Demons Ride (魔力の復興)”, #7 “Vs Myself (我こそが最大の敵)” らをはじめ惹きの強い佳曲を揃えながらも確かにやや個性に欠けるキライはあるものの、“情熱の国”南欧スペイン出身にも関わらず、ここまでしっかりと北欧神話系な民族的叙事詩の味わいを醸し出すことに成功している事実には驚きを隠せないッスわ。 今からもう次作が楽しみで仕方ないし。(^^)

 (Jun, 01, 2006)

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SAHG 92
(2006)

GORGOROTHKing ov Hell (b) & Kvitrafn (dr)、 MANNGARDOlav (vo,g)、AUDREY HORNEThomas (g) の4人が集まったノルウェイジャン・ドゥーマー SAHG のデビュー・アルバム。

シンガー Olav の声のトーンが微妙に Ozzy Osbourne 調だからというまでもなく、初期 BLACK SABBATH デフォルメ系だというのが一目(聴?)瞭然な本作は、グルーヴィなパワー・ボトムにキャッチーなリフが載る禍々しいザラつきに満ちたRawなドゥーム/ヘヴィ・ロックを、卓越したプレイアビリティを持って超A級の質感に仕上げた驚愕の逸品だ。

重苦しくスウィングする極上の SABBATHY ヴァイヴが生んでいるサイケデリックなトリップ感が心地好いのはもちろん、端々に何気なく絡ませるツイン・ギターのハーモニー・アンサンブルの美しさや、本作のプロデューサでもある Brynjulv Guddal (MALIGNANT ETERNAL) によるメロトロンの響きが誘う北欧鬱プログレに通じる荒寂感など、「いかにも北欧」なメランコリックな繊細さがタマランですよ。

ここ数年で聴いた SABBATH 系ドゥームの中ではダントツの出来。 メチャクチャ気に入りました。 凄いわ。

 (Jun, 04, 2006)

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THERION 87
Celebrators of Becoming (2006)

スウェーデンのシンフォニック・メタル・バンド THERION の4DVD+2CDからなる豪華ボックス・セット。

意外なハマリ方を見せる Mats Leven (vo) が超カコヨスな2004年のメキシコ・シティでのショウ、オレの初 Wacken の記憶がまざまざと蘇るのが感慨深い2001年の Wacken Open Air のショウ、痩せっぽちのブロンド美少年だった Christofer Johnsson (vo,g)が年を経るにつれて次第に堂々とオーディエンスをコントロールするように逞しく成長していく様が感動的な1989~2001年までの道程を34曲分のライヴ映像で辿るヒストリー、数々のカヴァーも楽める前回のワールド・ツアーでの各地のハイライト、そしてP.V.クリップ/TVパフォーマンス集・・・と、総計10時間にも及ぶ膨大な映像集のヴォリュームは圧巻の一言。

特に最近のショウにおけるパフォーマンスの高品質な密度の濃さは圧倒的で、これを観てると現在の THERION が優れたメタル・エンターティナーとして欧州で君臨している理由がよーく解るわ。 あぁ、また生で観たいなぁ。。

 (Jun, 25, 2006)

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TORCHBEARER 85
Warnaments (2006)

Christian Alvestam (g/UNMOORED, SOLAR DAWN, SCAR SYMMETRY, INCAPACITY, QUEST OF AIDANCE etc.) と Par Johansson (vo/SATARIEL) を中心としたメロディック・デスラッシャー TORCHBEARER の 2nd アルバム。

冷徹に突き進む暴虐なブルータル・デスラッシュは、テクニカルなギター・プレイが奏でる哀愁の美旋律が絡まりまくるドラマティックな高揚感と悲愴なる緊張感が、テーマとして据えた第一次世界大戦時の海戦の凄惨な情景を目に浮かばせる優れモノ。

とにもかくにも、リード・ギタリスト Patrik Gardberg (g/DIVINEFIRE, UNMOORED, AMMOTRACK) の悶絶ネオ=クラシカル・プレイが聴いてて思わず顔が綻んでしまうほどの凄まじさなのが嬉しくて仕方ないではあるんだけど、あまりに強力なオープニング・チューン #1 “Dark Clouds Gathering” の後に続く楽曲群がまぁボチボチな悪くなさ…って程度なのと、2~4分の楽曲が並ぶ35分にも満たないちょいとコンパクト過ぎる尺のおかげで、必然的にギター・ソロ・パートも少なくなってしまっている・・・というのが勿体無さ過ぎ。

あと、SCAR SYMMETRY でも感じていることなんだけど、せっかく内容的にはイイ感じなのに、Christian Alvestam のあまりの掛け持ちの多さ&多作っぷりが個々の作品への感情移入を削いでしまっているのも、微妙にマイナスに思えるんだよなぁ。

 (Jun, 11, 2006)

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TURQUOISE 67
Futura (2006)

ポーランドの叙情派プログレッシヴ・ロック・バンド TURQUOISE の 3rd アルバム。

前作で交代劇を見せた女性シンガーの座に、本作ではまたまた Martyna Srocka 嬢 なる歌姫を新たに向かえることになっているが、その Martyna 嬢の純朴歌唱の味わいは歴代の歌姫達の魅力を引き継ぐもので、この交代による大勢への影響はほぼ皆無。

リーダー Alexander Zelazny (g) による拙くも繊細なメロディック・ギターがリードするたおやかなシンフォニック・ポンプは、これまで通りに牧歌的な穏やかさと東欧ならではの暗さを交錯させながらも、ギターのハードなエッジと優美なオーケストレーションの逞しさを増してやや快活な方向にシフトした感じ。

・・・なのは全然アリなんだけど、この打ち込みドラム・パートの極限のショボさは一体ナニゴトデスカ!? リズムが表に出てこない部分における、水彩画のような淡い色彩を持った幻想的なメロウ・フィールはさすがの泣きっぷりに包まれているだけに、このアマチュア・バンドのデモ・テープのようなチープなドラム・トラックは・・・激萎えだよ。。。orz

 (Jun, 12, 2006)

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VANILLA NINJA 85
Love is War (2006)

バルトの小国エストニア出身のアイドル・ギャル・バンド VANILLA NINJA の Capitol Germany(日本では「凍死場EMIっていう会社」(c)EPISODE 666)移籍第一弾となる 4th アルバム。

ポピュラーなユニヴァーサリティの上で胸キュンなメランコック・メロディが踊るヒットチャート・ポップ/ロックは、北欧ならではの哀愁を湛えた普通に ERIKA 系哀メロ北欧ハード・ポップとして愛好できるもので、本作では全2作より更にワールドワイドな垢抜け方を見せながら、元来持ち合わせた意外な程のハード・エッジに THE RASMUS に通じるゴシカルな味わいを強めているのが興味深い。

完全にゴシック・メタルな #5 “Shadows on the Moon”、程よく THE RASMUS 色に染まった #6 “Black Symphony”、もし EUROPE が演ったら激ハマりそうなドラマティック・ミドルの佳曲 #9 “Spirit of the Dawn”、そして激萌え美少女シンガー Lenna Kuurmaa タン (vo,g) のナニゲに実力派なエモーショナル歌唱が映える激情のシンフォニック・バラード #12 “Silence”・・・と、これまで同様に外れなく楽曲が粒揃いなのが嬉しいね。

って、実は Lenna タンよりも、前作を最後に脱退しちゃった Triinu Kivilaan タン (b,vo) の方が遥かに萌え萌えなんですが!(病)

 (Jun, 15, 2006)

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WOLFCHANT 76
Bloody Tales of Disgraced Lands (2005)

ドイツ南部はバイエルン州から登場した若きエピック・ペイガン・メタル・バンド WOLFCHANT のデビュー作。

シンセによるストリングス&笛系サウンドやバトル・メタリックなS.E.を隠し味に、ギターがコッテコテの民謡風フレーズを反復させながら正統メタリックに疾走する様は、ENSIFERUMEQUILIBRIUM の流れを汲むもの。

即効性の高い勇壮な旋律美をたっぷりと封じ込めた本作、アコースティックなパートに滲むペイガン・マインドにかの MITHOTYN の影響を感じさせたりと結構イイ線を狙った非常に美味しい事を演ってはいるんだけど、全体的には若さ故の稚拙さを感じる場面の多い、平坦で淡白なC級キラキラ・ヴァイキングって印象。

あぁ、そろそろコレ系ってだけで買っちゃう悪癖を止めないとヤヴァいな。。。

 (Jun, 04, 2006)

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