10月2006
AMON AMARTH 85
With Oden on Our Side (2006)

スウェディッシュ・ヴァイキング・デス・メタル・バンド AMON AMARTH の6thアルバム。

アーリー・スウェディッシュな豪胆さに勇壮なる哀愁旋律を織り込んだ無骨で硬派な手触りは相変わらずなんだけど、本作ではブラック・メタリックですらある激哀慟哭をこれまでになく表層に浮き出させた印象で、その胸を掻き毟られる叙情感には彼らの特色でもあった独特の「地味さ」を払拭するほどの威力アリ。

今回は、ライヴ・ショウでの有り得ない程にカコヨスな姿の記憶が作用する「脳内補完」を抜きにしても(苦笑)マジでいい感じだわ。

 (Oct, 20, 2006)

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ANGRA 76
Aurora Consurgens (2006)

ブラジルの秘宝 ANGRA の6thアルバム。

当然のようにこれまでの作品同様に特大の期待を胸に抱きつつも、先日の LOUD PARK でのショウで披露された2曲の新曲のあまりの微妙さにちょっと心配になってたが・・・その悪い予感が的中したなコリャ。

緻密なテクニカル・アレンジが推力となって美旋律を搬送する美麗ユーロ・メタルなそのスタイルこそ変わらぬものの、本作で聴ける大人びた冷静さがプログレッシヴな抑揚を見せる楽曲の多くを包むのは、やや散漫な印象。 こーゆー適度なリラックス感があると演ってる方は気持ちイイのはわかるんだが・・・うーむ、メンバーそれぞれの課外活動が裏目に出たのかね?

てゆーかなにより、前作~前々作と比べて明らかにレンジを低く抑えた Edu Falaschi のヴォーカルが、ここまで全く魅力を発揮していないってのがヤヴァ過ぎる。 声自体に投げやりな荒れ方が滲んでいるうえに、肝心なところで思惑を外される歌メロに飛翔感が皆無なのが辛い。 これまで以上にアダルトな懐深さを隠さないインスト・パートにはそこかしこに悶絶ポイントが散見できるだけに、この Edu のダメっプリはちょっと痛いな。

ま、しばらく経ってから聴いたらまた印象違うかもだから、そうしてみよっかな。

 (Oct, 26, 2006)

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CRADLE OF FILTH 87
Thornography (2006)

英国が誇るヴァンパイア・ブラック・メタルの雄 CRADLE OF FILTH の約2年振りの7thアルバム。

シンフォニックなイントロダクション #1 “Under Pregnant Skies She Comes Alive Like Miss Leviathan” のダークな壮麗さに「ヲヲヲ!」と身を乗り出しつつも、その後に控えていたのは、前作でのシェイプアップ具合をさらに推し進めたRAWでソリッドな手触りの音像。 あぁ、やっぱりね・・・

・・・ってのは決して落胆ではなく単に事実の再確認ッスよ。 なぜなら、生々しく剥き出しになった骨格を覆うようにダークな狂気が絡みつく様は、これはこれで滅茶苦茶カコヨスなのだから! 特に、へヴィ・メタル・バンドとしての品格をアピールするかのような充実を見せる Paul Allender (G), Charles Hedger (G) 両名のギター・パートのメロディックなダイナミクスの妙が、これまでも内包していた KING DIAMOND 風味をいきなり表層に浮き出させているのには、聴いてて思わず頬が緩むわ。

ストレートな作風とはいえ、要所でしっかりと効果的にシンフォ・アレンジを絡ませながら塗布する、60年代の怪奇映画を想わせる耽美な猟奇的味わいも流石の美味しさ。

 (Oct, 26, 2006)

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DELAIN 86
Lucidity (2006)

WITHIN TEMPTATION のキーボード・プレーヤ Martijn Westerholt と元 ELYSIUM の女性シンガー Charlotte Wessels 嬢を中心とするオランダ産シンフォニック・ゴシック・メタル・バンド DELAIN のデビュー・アルバム。

Marko Hielata (b,vo/NIGHTWISH, TAROT), Jan Yrlund (g/ex-LACRIMOSA), Liv Kristine (LEAVES’ EYES, ex-THEATRE OF TRAGEDY), Sharon den Adel (WITHIN TEMPTATION), Ad Sluyter (g/EPICA), Arien van Weezenbeek (dr/GOD DETHRONED), George Oosthoek (vo/ex-ORPHANAGE), Guus Eikens (g/ex-ORPHANAGE)・・・といった多彩なゲストを交えて紡ぐクリアで優美なシンフォ・ゴシックは、WITHIN TEMPTATION の近作や EPICA に通じるアノ風合いに満ちた極上の逸品だ。

上質なオーケストレーションが品の良い気高さを醸し出すやや出来過ぎな優等生的っぷりに、最初は「質は高いけど曲はマァありがちかな。。。」なんて思ってたけど、Marko Hielata & George Oosthoek の男声パートや効果的なギター・ソロが生むメタルなエッジの美味しさと、それが奏功したキャッチーなフックに気付かされてからは、カナーリポイント高くなってきておりマッスル。

チャート・ヒット的なポテンシャルをも感じるキャッチーな #7 “The Gathering” が素敵。
 (Oct, 26, 2006)

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DRACONIAN 88
The Burning Halo (2006)

スウェディッシュ耽美派ゴシック/ドゥーム・メタル・バンド DRACONIAN の新作は、新曲×3、1999年作のデモ “The Closed Eyes of Paradise” 収録曲の再録×3、そしてカヴァー曲×2という構成の企画盤。

・・・とはいえ、企画盤っぽい寄せ集め感は一切皆無。 もはや「DRACONIAN 節」として確立された感のある、絶望が渦巻く煉獄に Lisa Johansson タンのエンジェリック・ヴォイスが舞い降りながら重厚に悲哀を引き摺る極上暗黒シンフォニック美麗ドゥーム・チューンが連なる、純粋に「新作」として楽しめる嬉しい一枚だ。

Travis Smith の手によるアートワークもこれまたツヴォでタマランすな。(悶)
 (Oct, 21, 2006)

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RHAPSODY OF FIRE 63
Triumph or Agony (2006)

イタリアン・シンフォニック・メタル・バンド RHAPSODY が法的な問題から RHAPSODY OF FIRE と改名して放つ通算6枚目。

うーん、ぬ、ヌルい。。。 信者に近いファンとしてなんとか魅力を見つけようと努力してみたけど、4~5分台メインとコンパクトなハズなのに極度に冗長に感じられてしまうこのネタ切れ感満載の内容の前には・・・流石にもはや擁護不可能だわ。。

勇壮なシンフォニー風味に高揚する場面もあるし、Fabio Lione (vo) の気高くも艶やかな歌唱力も相変わらず素晴らしいんだけど、それぞれの楽曲に “Power of the Dragonflame” 期までは存在した「芯」が感じられないんだよね。 表面的な計算だけで構築されてるような感触。 そのあたり、MANOWAR の音楽的なダメさと通じてる気がしてるのはオレだけ? なーんか Magic Circle と関わったのは大きな失敗だったような気がするな。

ただ唯一、何にでも「of Fire」を付ければちょっとだけ面白い効果が得られるという風潮を作り出した功績については、大きく賞賛されるべき。(笑)

 (Oct, 26, 2006)

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SUNSTORM 91
Sunstorm (2006)

Frontiers Records が Joe Lynn Turner をリードシンガーに据えて仕掛けるメロディック・ハード・ロック・プロジェクト SUNSTORM のデビュー作。

Jim Peterik (g/ex-SURVIVOR) の手によって書かれ、Uwe Reitenauer (g), Dennis Ward (b) の PINK CREAM 69PLACE VENDOME 組らがサポートする楽曲と Joe Lynn Turner の熱唱のコラボレートが生み出す効果はまさに奇跡的で、その80年代後半から90年代初頭の風味に満ちたキャッチーな哀愁ハード・ロックの前には、「じょ、Joe にはこーゆーのを演ってほしかったんだよっ!!」と超広瀬タイプな叫びが喉を突いて出まくるちゅーねんな! てかむしろ・・・僕は広瀬でいい。www

いや~、とにもかくにも「当時の RAINBOW ファンが勝手に求めていた Joe らしさ」満載な本作、ソロ・デビュー作 “Rescue You” 以来の、溜飲がスキーリと下がっちゃう強力な一枚ス。(嬉)

 (Oct, 10, 2006)

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TO/DIE/FOR 85
Wounds Wide Open (2006)

フィンランド産メランコリック・ゴシック・メタル・バンド TO/DIE/FOR の5thアルバム。

小粒に纏まってしまっていた前作とそれをフォローするはずの来日公演でのヤヴァ過ぎるグダグダ・パフォーマンスに、「TO/DIE/FOR・・・オワタかも・・・orz」的な諦め感が支配的だっただけに、そんなネガティヴな印象を一気に払拭する本作の充実度には驚かされた。

それもそのはず。 本作では Joonas Koto (g/MALPRACTICE, HATEFRAME) が復帰を果たし、初期バンドの最大の魅力だった端正なテクニカル叙情プレイがたっぷりと聴こえてくるのだから。 そんな魅惑のギター・パートにリードされるように、シンフォニックな装いを強めてみたり以前に増してコテコテな哀愁メロディを配してみたりしながら扇情力を取り戻した楽曲群は、その構築手法にはやや安易さを感じつつもグイグイと迫ってくる。

OZZY OSBOURNE の名曲のカヴァー #10 “(I Just) Want You” が激ハマり!
 (Oct, 10, 2006)

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WUTHERING HEIGHTS 95
The Shadow Cabinet (2006)

前作 “Far from the Madding Crowd” での凄まじい化けっぷりにはド肝を抜かれたデンマーク人ギタリスト Erik Ravn 率いる北欧多国籍シンフォニック・メタル・バンド WUTHERING HEIGHTS だが、この4thアルバムもその濃密な爆裂っぷりが見事に継承された素ン晴らしい一枚となっていて嬉しい限り。

ケルティックな美旋律を軸に強引かつ目まぐるしい展開を繰り返す重厚なプログレッシヴ・パワー・メタルはまるで秘術に輝く魔宮のような入り組んだ造りながら、張り巡らされた伏線とそれに対する絶妙な提示の見事な噛み合いっぷりにシンガロング&ヘッドバングを誘われまくる、意外にも理に適った展開美がとにかく見事。

本作では、そんな展開要素の一つとして新たに DRAGONFORCE ばりの疾走感も融合。 シンガー Nils Patrik Johansson (ASTRAL DOORS) が「こいつ絶対馬鹿だろ」と褒めたくなる程のチョー暑苦しい絶唱で綴るキャッチーなメロディ・ワークにリードされるうちに、突如爆走パートに雪崩れ込んでいく際の極限のカタルシスは、絶品の一言だ。

新ギタリスト Martin Arendal (MANTICORA) のテクニカルなプレイもなかなかイイ感じ。 前任の Henrik Flyman (EVIL MASQUERADE, ex-MOAHNI MOAHNA) みたいな「押しの強い個性派」ではないけど、Nils Patrik Johansson の歌唱が前作より仰々しくなってる分、バランス的にはちょうど良いかと。
 (Oct, 26, 2006)

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