2月2007
ChthoniC (閃靈) 86
Seediq Bale (賽德克巴萊) (2007)

台湾のシンフォニック・ブラック・メタル・バンド ChthoniC の5thアルバム。

寒々しい慟哭を壮麗に放つ CRADLE FILTHDIMMU BORGIR 型のメロディックなサウンドは、個々のプレイの凄みや細部のクオリティこそ本家に及ばないものの(当然)、祖国の哀しき歴史を封じ込めたセンシティヴな異形の哀感の妙はしかとこの身に迫ってくる。

緩急のツヴォを得たドラマティックな楽曲はカナーリ良さげな出来栄えで、Freddy (vo) が絶妙にスイッチさせるグロウルと絶叫に二胡 (Oriental Violin) の咽び泣く音色と Doris タン (b,♀vo) の素人クサくもそれがカワユスなコーラス・ワークが絡むエモーションが超イイ感じ。

・・・って、まぁ要約すると「Doris タン ヤヴァいくらい激萌えなんだけど!?」ってことですわ。(簡単)

 (Feb, 10, 2007)

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DARK MOOR 87
Tarot (2007)

スパニッシュ・シンフォニック・メタル・バンド DARK MOOR の Scarlet Records 移籍第一弾となる6thアルバムは、シンガー交代後3作目にしてようやく前任の Elisa C. Martin 嬢の呪縛から逃れることに成功した快作となった。

本作では、直前の2作で顕著だったスマートなエレガントさを近年の NIGHTWISH を思わせるキャッチーなシンフォ・ドライヴに深化させると同時に、やや封印気味だった彼ららしい恥ずかしいクサ味をも大胆に復活。 ナイーヴ一辺倒だった Alfred Romero (vo) の、ヘナチョコ・シンギング(笑)に力強さをも滲ませるようになった男前な成長っぷりも重なって、初期に通じるクサクサ大疾走にガッツポーズの #3 “The Star” をはじめ、アルバム・タイトルの通りタロットの各カードの意味合いを託した楽曲群のキャラ立ちのよい充実っぷりには思わず笑みがこぼれるス。

中でも、ドラマティックな叙情美をこれでもかと畳み掛ける #6 “Devil in the Tower”、そして天才 Enrik Garcia (g) の本領発揮たる本格派クラシカル・アンサンブルが映えまくる Ludwig van Beethoven の名曲群をモチーフとした #10 “The Moon” という2曲の大作が生み出す高揚感は圧倒的。

ただ、#11 “Mozart’s March” は・・・SCATTERBRAIN の圧勝だな。(^-^;

 (Feb, 21, 2007)

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EXCALION 86
Waterlines (2007)

フィンランドの若きメロディック・メタル・バンド EXCALION の2ndアルバム。

魅力的なキラキラ現代北欧メタル・スタイルではあったものの全体的なレベルの低さが残念だった前作から一転、叙情の煌きをパワフルに放射する本作での成長っぷりは驚きの一言。

シンガー Jarmo Paakkonen がこれまでとは別人のように発するストロングなハイトーン・ヴォイスが Jarkko Ahola (vo/TERÄSBETONI, ex-DREAMTALE) を想わせることもあって、そのキャッチーな楽曲群はさながら TWILIGHTNING meets DREAMTALE の様相で、そのクオリティたるや前述の2バンドをはじめ BROTHER FIRETRIBE, WINTERBORN といったコレ系の高品質バンド群に肉薄する勢いだ。

そしてなにより耳を惹かれるのが、新加入のギタリスト Vesa Nupponen の悶絶ネオ=クラシカル・プレイ。 その技巧的なギター・ワークは、単にテクニカルなだけではなくドラマティックな構築力の妙にも長けているってのが◎ですな。

 (Feb, 22, 2007)

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KRYPTERIA 88
Bloodangel’s Cry (2007)

ドイツはケルンをベースとするゴシック・メタル・バンド KRYPTERIA の3rdアルバム。

高貴なる壮麗クワイア(混声ぢゃない細さがやや惜しい)を配しつつキャッチーな手触りに終始するダイナミックな楽曲は、WITHIN TEMPTAION meets EVANESCENCE と喩えられよう美味しいスタイル。

所々で強靭なリフと明快なメロディが疾走する意外なパワー・メタル風味を垣間見せるも、大きくフィーチュアされた看板コリアン美女シンガー Ji-In Cho 嬢が世のドM野郎共を惑わす危険なドS視線と共に発するアジア人種らしい繊細なエキゾチカ、そしてEMI所属のメジャー・アーティストならではのクリアなクオリティがもたらす軽やかなポピュラリティは、同系バンドにはなかなか見られない魅力だ。

Ji-In タンを堅実に支えるバックの男性陣のベテランっぽいオーラが醸し出す安定感が、ライヴ・ショウでの観応えを予感させるのも高ポイント。 ・・・ってこの KRYPTERIA、2006年の Wacken に出てたんだよな・・・全然ノーチェックだたーヨ・・・orz

#6 “Lost” は2007年度のベスト・チューン候補。(←備忘録)

 (Feb, 06, 2007)

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MORS PRINCIPIUM EST 84
Liberation = Termination (2007)

フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド MORS PRINCIPIUM EST の3rdアルバム。

メカニカルに高速回転するスマートなブルータリティの中で Jori Haukio & Jarkko Kokko のスーパー・ギター・チームが豊潤なハイテク・メロディを煽情力たっぷりに乱舞させるスタイルはこれまでと大きくは変わらずながら、ヴォーカルとリフ/リズムのパワー感を増加させてその鋭利な切れ味を大胆に研ぎ澄ましたサウンドは、新世代らしいモダニズムを強化させてきた感もアリ。

「ギター・ソロ≧曲」(苦笑)なオレ的には、この特A級の悶絶ギター・パートの存在だけでEverything OKではあるんだけど・・・正直、前2作に比べると曲自体はイマイチ弱めかなぁ。 キラキラ度もチョイ控めだし。。

・・・といっても、#4 “Finality”, #5 “Cleansing Rain” あたりの劇的な慟哭展開には十分に悶涙がチョチョ切れちゃうし、他の曲もこうして繰り返して聴くうちにツヴォに入りつつはある感じ。(ポジティヴ) ま、今後にも引き続き期待ってことで。

 (Feb, 21, 2007)

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NIGHTRAGE 80
A New Disease is Born (2007)

ギリシャ人ギタリスト Marios Iliopoulos (ex-EXHUMATION) を中心とするメロディック・デス・メタル・バンド NIGHTRAGE の3rdアルバム。

Gus G. (g/FIREWIND, ex-DREAM EVIL, MYSTIC PROPHECY), Tomas Lindberg (vo/LOCK UP, ex-AT THE GATES, THE CROWN) らのビッグ・ネームの存在からこれまでプロジェクト的な見方をされてきた感があるが、前作を最後に彼らとは決別。 本作は、新たなメンバーと共に“バンド”としての存在を宣言する勝負作となった。

新ヴォーカル氏が、なかなかに凄絶なデス・ヴォイスを聴かせつつも大胆に配されたクリーン歌唱パートで何故かメタルコアっぽさを発散しちゃうのはまぁご愛嬌。 心配された肝のギター・パートにおいて、Marios 自身の踏ん張りとゲスト参加の Olof Morck (g/DRAGONLAND) のアメージングな客演によって Gus G. 離脱の穴をほとんど感じさせないのは一安心だ。 パートによっては、「あれ?ほんとにコレ Gus G. 弾いてないの?」ってくらいにソレっぽく弾いてるし。

楽曲的にはこれまでの路線をほぼ継承。 今回のテーマでもあるバンドらしい統一感を十分に感じると同時に、いつの間にか重鎮っぽい貫禄を身に付けているのは、非常に頼もしい感じ。 ・・・ではあるんだけど、前作でイイ感じに Gus G. 風味のキャッチーさを披露していた “Poems”, “Frozen” 級の威力を持った楽曲が見当たらないのはチョイと寂しいかな。 そういう意味では Gus G. 離脱のインパクトは、意外とデカいのかも・・・。

ちなみに、本作収録後に正式メンバーとして一部のメイニアに話題の激テクニシャン Constantine が加入した模様。 次作がグッと楽しみになってまいりましたよ。

 (Feb, 22, 2007)

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PAIN OF SALVATION 75
Scarsick (2007)

スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド PAIN OF SALVATION の6thアルバム。

奇才 Daniel Gildenlow (vo,g) の常人離れした脳回路によって神経質な繊細さで組み上げられた楽曲は、今回も独創的なプログレッシヴ・フィールが炸裂。 ・・・してはいるんだけど、ラップ、カントリー、ディスコ、スクリーモ・・・といったコンサバ・メタラーをあざ笑うかのようなボーダレスなアレンジの存在自体はアリっちゃあアリだとして、それらのパートで“既存ジャンルの最大公約数的な風合い”が強く滲んだ結果、今回はこれまでの PAIN OF SALVATION の最大の持ち味でもあった「誰にも似ていない度」が激減してる気が。

その他、アーティスティックな叙情パートに妙なデジャヴ感を感じてみたり、心地よい難解さを産んでいた変幻自在の知的なスリルが希薄だったり・・・と、デビュー作から一貫した PAIN OF SALVATION らしさと言えてた部分がイマイチ弱い感じなんだよなぁ、残念ながら。

ま、これが待ちに待った “The Perfect Element, Part II” ってことなので、引き続きもうチョイ献身的に(苦笑)聴き込んではみますがね。

 (Feb, 10, 2007)

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SWALLOW THE SUN 97
Hope (2007)

フィンランドのメロディック・デス/ドゥーム・メタル・バンド SWALLOW THE SUN の3rdアルバム。

MY DYING BRIDEKATATONIA の系譜にあるフューネラルな沈痛ドゥーム/ゴシックの骨格を持ちつつ、その漆黒の絶望感を包み込む煌びやかな空気の粒子の壮麗極まりないシンフォニックなブラウン運動が DRACONIAN の名を思い起こさせるようなスタイル。

イントロの「神の八分の七拍子」の炸裂だけで早くも失神寸前の神のタイトル・トラック #1 “Hope” からラストの #9 “These Low Lands” (TIMO RAUTIAINEN & TRIO NISKALAUKAUS のカヴァー) まで、限られた手法の中でのそれぞれの楽曲の見事なキャラ立ち具合も驚異的で、遅く&重く&暗くも美しい哀しさに満ちた各曲が発散しまくる狂おしいまでに煽情的なエモーションに翻弄されるカタルシスには、筆舌に尽くし難き感極まり方を誘われてしまう。

煉獄を震わす怨念グロウルと慈愛を含んだ優しきノーマル・ヴォイスを巧みにスイッチさせる Mikko Kotamaki (vo/ALGHAZANTH, EMPYREAN BANE) や何気にテクニカルな小技を忍ばせる名ドラマー Pasi Pasanen をはじめとする各メンバーの熟達したプレイから、ダイナミズム/グルーヴがしっかりと伝わってくる「ロックな心地好さ」も素ン晴らしい。 Awesome !!

 (Feb, 14, 2007)

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THE FIFTH SEASON 73
Stronger Perfect (2006)

イタリア産プログレッシヴ・メタル・バンド THE FIFTH SEASON のデビューアルバム。

メロウ・ポンプの穏やかな安らぎとハード&テクニカルなメタル・エッジの緊迫感が、大地と生命の創生を想わせるアンビエントなニューエイジ風味で包み込まれた雄大な情景型な音像はなかなかに個性的。

10分超の楽曲を複数擁するドラマティックな組曲群は、その大仰っぷりが裏目に出たダレにダレるマターリ感が眠気を誘う場面も決して少なくないが(苦笑)、シンガーが兼任するフルートの音色や強引な展開が運んでくるイタリアン・プログレならではのユーロ・ロックな手応えはさすがの美味しさ。

 (Feb, 10, 2007)

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TRAIL OF TEARS 69
Existentia (2007)

ノルウェー産ゴシック・メタル・バンド TRAIL OF TEARS の5thアルバム。

前作にて構成された男性ツイン・ヴォーカルという気持ち悪い基本編成(笑)はそのままながら、本作では SIRENIATURISAS (!!) でも歌声を披露していたフランス人女性シンガー Emmanuelle Zoldan 嬢のゲスト歌唱を大きくフィーチュア。 モダンな切り口のアグレッシヴなへヴィ・ゴシックに王道耽美なフィメール・ゴシックの味わいを隙なく融合させることに成功した、過去最高のクオリティを持つ一枚に仕上がった。

・・・が、細部まで入念に造り込まれたその圧倒的な品質の高さには驚かされるものの、メロディや展開にイマイチ引っ掛かりが少ないのがチョイと・・・いや、カナーリ辛いところ。 スタイル自体が斬新だったり特徴的だったりするわけでもないし・・・今のところ、リピートする動機にはやや欠ける感じだなぁ。。

ちなみに、本作を録音後、内紛によりバンマス Ronny Thorsen (♂vo) 以外の全員が脱退。 現在は仕切り直しで新体制を整えてるらしいんだけど、この機に二代目女性シンガー Cathrine Paulsen タン (LUCID FEAR) が出戻ったみたいで(嬉)、そのニュースを耳にして今後にまたちょっと期待してみちゃったりして。
 (Feb, 06, 2007)

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