6月2007
AFTER FOREVER 86
After Forever (2007)

オランダ産シンフォニック・メタル・バンド AFTER FOREVER が、大手 Nuclear Blast に移籍第一弾としてアルバム・タイトルにそのバンド名を冠して放つ入魂の5thアルバム。

身の丈184㎝の看板巨人ギャル(萌) Floor Jansen 嬢 (♀vo) の他の追随を許さぬ圧倒的な歌唱力を軸に展開する、ゴシカル&クラシカルな美意識に満ちたテクニカルなプログレッシヴ・メタルは、これまでの4作で培った様々な要素をバランスよくキャッチーにまとめたうえでアグレッシヴに攻める強力な仕上がり。

当初、近年の NIGHTWISH に通じる前作譲りのコンパクトさが少々気になったりもしたけど、繰り返し聴くうちにナニガナニガ、The City of Prague Philharmonic Orchestra による「生」のオーケストラの壮麗なスケール感、そして天才肌の鍵盤奏者 Joost van den Broek (AYREON/STAR ONE, SUN CAGED, SPHERE OF SOULS, ANAND・・・え? VANDENBERG も!?) をはじめとする達者なプレーヤ陣の技巧的なメタリック・アタックが弾けるスリリングな展開美が形成する至高の高揚感に、あっさり降伏ですわ。

Doro Pesch (vo/DORO), Jeff Waters(g/ANNIHILATOR)がゲスト参加。

 (Jun, 04, 2007)

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BLOODBOUND 86
Book of the Dead (2007)

STREET TALKFredrik Bergh (Key,b) 率いるスウェーデンのメロディック・パワー・メタル・バンド BLOODBOUND の2ndアルバム。

魅惑の正統クラシック・メタルをプレイしながらも見た目はブラック・メタリックなコープス・メイク・・・という奇妙なスタイルが生んでいた「ネタっぽさ」が、2作目リリースのNewsに驚きを運んできていたが、脱退したシンガー Urban Breed (ex-TAD MOROSE) の後任がなんとあの Michael Bormann 様 (ZENO, ex-JADED HEART) と聞いてさらに驚いた。

Bormann 様のこれまでのキャリアの中でもここまでのコッテコテのヘビメタは無かったハズなので、コリャどうなんだろう・・・と思いきや、蓋を開けてみたら流石の実力派たるハマりっぷりで一安心。

それどころか、前作でのハイライト “Nosferatu” の流れを汲む #6 “Flames of Purgatory”, #11 “Seven Angels” という IRON MAIDEN 風味のギャロップ・メタル群よりも、新加入の隠れた名ドラマー Pelle Akerlind (dr/MORGANA LEFAY) の推進力満点のプレイを生かした #1 “Sign of the Devil”, #4 “Bless the Unholy”, #7 “Into Eternity”, #10 “Turn to Stone” らの HELLOWEEN 的な明快な疾走感を持ったファスト・チューンの出来の良さが目立つ作風の中、本来マイルドなハスキー・ヴォイスに過度のエネルギーを注入しながら爆発させる Bormann 様の歌唱ってば、LETTER-X “Born into Darkness” 以来の名演となってるぢゃん♪(嬉)

注目の白塗りメーキャップが Bormann 様が許容しうるレベルに他の全員がトーンダウンするというヘタレな形(苦笑)に落ち着いてしまったのはオレ的には至極残念なんだけど、一般的には、それも含めてニセモノ臭いネタ体質が薄れたのは案外良い傾向なのかもね。
 (Jun, 19, 2007)

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DALRIADA 84
Kikelet (2007)

ハンガリー産フォーク・メタル・バンド ECHO OF DALRIADA がその名を DALRIADA と改めて放つ3rdアルバム。

フォーキッシュな民謡色を満載したメロディック・パワー・メタルは、随所で何故かブラストや疾走を頻発させたりとそのエネルギーを増すとともに、前作でも心惹かれた辺境っぽさをプラス方向に転化したメロディの臭みも存分に封入。 紅一点の♀シンガー Laura Binder 嬢の相変わらずやる気無さげな朴訥歌唱と Hansi Kursch (vo/BLIND GUARDIAN) 似の声色を持つ男性シンガーのデュエットの独特な味わいも健在だ。

ヴァイオリンの豊かな響きを伴って堂に入ったシンフォニーを聴かせたかと思いきや、TVゲームチックな安易なシンセ音も飛び出したりするチープなんだかゴージャスなんだかよくわからない迷作風味を醸し出しつつも、全体的には意外にも「真っ当なフォーク・メタル」としての完成度のUPが感じられる成長作。

前作ほどのインパクトはないけど、“激化ゴシック”な #5 “Nema Harangok” に代表される、印象的なイイ曲が揃った聴き応えのある一枚ですな。

 (May, 31, 2007)

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DARK TRANQUILLITY 94
Fiction (2007)

シーンの黎明期を支えたスウェーデンの老舗メロディック・デス・メタル・バンド DARK TRANQUILLITY の8thアルバム。

もう振り返って “Punish My Heaven” を懐かしむ必要はない。 前作 “Charactor” で片鱗を見せた復活への希望が想像を超えるレベルで具現化した本作は、以前に「ちょいと寄り道」したロマンティックな耽美趣味と心地良い切れ味のソリッドなモダン・アグレッションを理想的な配分で見事に結実させることに成功した、文句なしの最高傑作だ。

過去と未来が手に手を取って疾走する #3 “Terminus (Where Death is Most Alive)”#4 “Blind at Heart” の激情ダダ漏れの流れ、重厚な中に漂う澄んだ叙情に涙が溢れる #5 “Icipher”DARK TRANQUILLITY 史上はおろかメロデス史上で考えても歴史的名曲だろコレ!っちゅーアリエナスにドカコヨスなハイライト・チューン #7 “Empty Me” そして終盤らしいナイスなムードを漂わすキャッチーなゴシック・メタル #8 “Misery’s Crown”#10 “The Mundane and the Magic” (Nell Sigland 嬢THEATER OF TRAGEDY が参加) ・・・いや~、完璧じゃん!(悶)

カリスマ・シンガー Mikael Stanne が全編でクネクネと(笑)情念を溢れさすデス・ヴォイスの生々しい魅力ももちろんだけど、思わず涙の溜まった目を閉じて天を仰がされる悲哀の叙情アトモスフィアーを呼び込んでいる主は、明らかに鍵盤奏者 Martin Brandstrom その人だろう。 ブラストの嵐の後に広がる漆黒の静寂の中、僅かに尾を引く残響の粒子までもを耽美名な色気で包むその手腕には、背筋が凍る思いスわ。 あ、拙いからこそまた慟哭が滲む(苦笑)効率的なギター・ソロがちゃんと存在するのも◎ね。

あー、これでアルバムだけじゃなくてライヴでもちゃんと演(以下略/汗)

 (Jun, 11, 2007)

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DEADLOCK 84
Wolves (2007)

ドイツのヴィーガン/ストレートエッジなメロディック・デス・メタルコアラー DEADLOCK の3rdアルバム。

前作でゲスト扱いながらも大きな魅力を放っていた女性シンガー Sabine Weniger 嬢 を正式メンバーとして迎えた本作では、その溌剌としたチョイロリなエモ歌唱を IN FLAMESDARK TRANQUILLITYSOILWORK 由来のアグレッシヴなメロディック・エクストリームの中で狙い過ぎな程にキャッチーに響かせる様から、DEADLOCK ならではと言える個性が生まれ始めている。

ただ、一聴した時の衝撃度や各楽曲の惹きの良さは、どうしても前作に一歩譲ってしまっている印象だなぁ。 大きくフィーチュアされた Sabine タソ の萌え歌唱もアクセントとして非常に有効に機能しつつも、いわゆるメタルコア系にありがちな直線的な節回しにちょい萎えしちゃう瞬間もなくはないし。

それでも、迫力を増したヘヴィ・メタルらしい音圧とプチ・デジタルなロマンティック・ゴシック風味のコントラスト、そしてそれらが渾然一体となったヴァラエティフルなスケール感の美味しさに思わず頷く場面も多く、重厚な北欧シンフォ・ブラック風味に震える大作 #4 “Losers’ Ballet”、アナログな泣きが拡散するピアノ・バラッド #11 “To Where the Skies are Blue” などはナカナカの味わいだ。

・・・てか Sabine タソ ばっか焦点当たりがちなんだけど、男性シンガー Johannes Prem のHarshなデス声もメチャカッコイイのデス。

 (Jun, 08, 2007)

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DIMMU BORGIR 85
In Sorte Diaboli (2007)

ノルウェイが誇るシンフォニック・ブラック・メタル・キング DIMMU BORGIR の7thアルバム。

アートワーク/コンセプト共にアンチクライストな色彩で固めまくった不敬なパッケージングに、My期待はヤヴァい程に募らされていたが・・・うーん、やっぱ前作 “Death Cult Armageddon” が凄過ぎたのか、「らしさ」満点の作風ではありながら少々物足りなさを感じてしまったな。

閉じた瞼の裏に美しき流星群の豪雨が降り注ぐ ICS Vortex 先生 (b, clean vo) の伸びやかなハイトーンが映える #1 “The Serpentine Offering”, #5 “The Sacrilegious Scorn”, #8 “The Invaluable Darkness” あたりには身を乗り出させられるものの、他の多くの曲はまぁまぁ順当にフムフムって感じ?(←意味不明/苦笑) 本格参加の魔王 Hellhammer (dr) によるドラム・パートも、アレレ?こんなもん?・・・って印象だし・・・。

とはいえ、浮動票層にもアピールしうるプロフェッショナルなメタル・エンターテインメントとして完成され尽くした聴き易さの中で、決してセルアウトに終わらない壮麗なエピカリズムの中でしっかりと息衝く神を冒涜する邪悪なブラック・メタル・フィーリングには、やっぱり大きく心惹かれてしまう。

ま、続編となる次作にさらに期待しながら、今宵もイイ感じにリピートするとしますか~。

 (Jun, 04, 2007)

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DREAM THEATER 79
Systematic Chaos (2007)

米産プログ・メタル・リーダー DREAM THEATER の2年振りとなる9作目。

オープニングを飾る #1 “In The Presence of Enemies Pt.1″ の冒頭部分でいきなり炸裂するテクニカル・アンサンブルに代表される熟達の極みを見せる超絶技巧のスリリングな魅力は些かも変わりなく、そこかしこで爆発する悶絶ポイントの美味しさは今回も格別だ。

が、しかし、その“悶絶ポイント”にこそ、本作の致命的な欠陥がある。 悶絶感があくまで“ポイント(点)”として点在するのみで“線”として繋がっていないのだ。 ヴォーカル・パートの存在感の無さが主体性の希薄さにアクセルをかけるセルフカヴァー的な楽曲の中では、John Petrucci (g), Mike Portnoy (dr) を中心に繰り出される神技もやや空回り気味。 てか、METALLICA 風味だったりするアグレッシヴなパートがことごとくカッコ悪いんだよなぁ。。

何気ないオブリガードの端々から強力に漂うネオ=クラシカル臭に悶えるメロウ・チューン #2 “Forsaken”、そして前々作 “Train of Thought” 収録の “This Dying Soul” を伏線としたモロに OPETH な鬱プログレ #5 “Repentance”(ゲストで Micheal Akerfeldt (OPETH), Steven Wilson (PORCUPINE TREE), Daniel Gildenlow (PAIN OF SALVATION), Jon Anderson (ex-YES), Steve Hogarth (MARILLION), Neal Morse (ex-SPOCK’S BEARD) らが参加)の2曲は意外と気に入ってるんだけどね。

本作を聴いた後で前作 “Octavarium” を聴いたら途轍もない名盤に聴こえたんだけど・・・ハッ!? も、もしかしてこの即効性の低さは、次作が出たときに本作をバックカタログとして買わせることを念頭に置いたものだったりして!?(笑)

 (Jun, 09, 2007)

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ELEXORIEN 76
Elexorien (2007)

オランダのエピック・バトル・メタル・バンド ELEXORIEN のデビュー・アルバム。

そのキラキラなシンフォニック・ヴァイキング・メタルは EQUILIBRIUM, BLACK MESSIAH の系列に並ぶだろうスタイルと言えるも、巨乳美女シンガー Ine Zijlstra タン の柔らかな可憐ヴォイスが響いてきちゃうヴォーカル・パートのおかげで独特の味わいアリ。 クサ疾走に乗せて♂シンガーの濁声とデュエットするその雰囲気は、かのイタリアンXaMetaler BEHOLDER の名を想い起こさせたりも。

まだまだプレイ/プロダクションから素人臭さを強力に発散させてはいるけど、ELVENKING にも通じるフォーキーな叙情を封じ込めた佳曲 #7 “Dryads and Trolls” に代表されるように、なかなかにツボを心得たそれぞれの楽曲の出来自体は決して悪くない感じ。 ま、今後の成長が楽しみってことで。

あ、Ine タン の他、ベーシスト Liza Hoek 嬢 も女性スよ。 >変態諸氏
 (Jun, 12, 2007)

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ENSIFERUM 91
Victory Songs (2007)

フィニッシュ・ヴァイキング・メタル・バンド ENSIFERUM の3rdアルバム。

Jari Maenpaa (vo,g/WINTERSUN, ex-ARTHEMESIA) に替わるフロントマン Petri Lindroos (vo,g/NORTHER) のお披露目作となったMCD “Dragonheads” では前二作とはやや趣の異なるフォーキーな民謡臭を前面に出してたけど、この新作は小気味良いスピードに乗せたクサメロをキラキラと輝かせる、まさに ENSIFERUM ド真ん中な仕上がりに大満足。

メンバーの装いが布の服から鎖帷子へと嬉しいグレードアップを遂げたことに呼応するように、音的にも最早ペイガン/バトル・メタルと呼びたくなるような勇壮なヴァイキング・テイストが大幅に増量。 Petri を両側から支える Markus Toivonen (g), Sami Hinkka (b) 両名によるクリーン・シンギングのシケシケな荒涼感が、これまでにないシリアスな悲愴感を呼び込んでいるのも素晴らしい。

ヲイヲイ HEAVENLY かよ!みたいな(苦笑)超クッサクサな悶絶ハイライト・チューン #3 Deathbringer from the Sky にて間抜け顔でヲーヲー叫んでる最中、Meiju Enho タン (key) が装備してる弓で股間を見事に射抜かれたい。(至福のキモ笑顔で悶死)

 (Jun, 04, 2007)

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FINNTROLL 82
Ur Jordens Djup (2007)

フィンランドのポルカ/フォーク・メタル・バンド FINNTROLL の4thアルバム。

音的には、確かにこれまでの延長線上にありながらも酔いどれ大爆発な祭事的はっちゃけ具合はやや影を潜め、どちらかと言うとシリアスな暗鬱ムードを台頭させてきている印象。 喩えるならば、住処とする森の描き手がディズニーからトールキンに替わった・・・そんな感じか。

そんな若干のスタイルの変化のせいか、はたまた前作があまりに良過ぎたせいか、一聴するにスッゲー地味。。。 しかし、彼らならではの魅力満載のキラー・チューン #3 “Korpens Saga” の前には無条件に燃えてしまうし、Trollhorn@Henri Sorvali (key/MOONSORROW) の弾き出す哀愁のメランコリーも全体の落ち着きムードの中で一層映えているしで、これはこれで充分に楽しめるス。 ・・・ってのはいくらなんでもポジティヴに捉え過ぎ?(^-^;;

ただ、ライヴ・ショウでは新シンガー Vreth@Mathias Lillmans の虚弱系極細体型(って程でもないけど、前任の巨漢シンガー Tapio Wilska (現 WIZZARD) のいかにもトロールなナイスキャラと比べちゃうとねぇ…)に感情移入を阻害され気味だったけど、こうしてCDで聴く分には特に違和感ないね。 てゆーか逆に、そのなかなかに強靭なデス・ヴォイスは意外と悪くなかったり。

 (Jun, 01, 2007)

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HANGING GARDEN 87
Inherit the Eden (2007)

フィンランドの耽美派ゴシック/ドゥーム・デス・メタル・バンド HANGING GARDEN の1stアルバム from Spikefarm。 ちなみに、メンバー5人中3人が SHAMRAIN にも在籍してるみたい。

古くは MY DYING BRIDE, ANATHEMA, KATATONIA、そして近場では SLUMBER, SATURNUS, SWALLOW THE SUN にも通じる絶望に満ちた美麗なる暗黒世界は、それら先人&同胞を研究し尽くした成果が垣間見られる圧倒的な完成度に驚かされる。

望まぬ死に至るまでの沈痛極まりない閉塞感が支配するフューネラルな陰鬱フィールの中、その後ポク-リとイッちゃった後の(笑)黄泉の国の風景を思わせる安堵感が漂っちゃったりするのが面白く、荘厳なシンフォニー、静謐なアコースティック、そして美麗なツイン・ギターなどを惜しげもなく用いたメロウ方面への攻め方もメッチャ好みだわ。 シンガー Ari Nieminen の低高度な煉獄グロウルも◎。

惜しむらくは、今がこの手の音楽に不似合いな初夏の陽気だってこと。 これが晩秋~冬場のリリースだったらこれに+6.9ポイントは堅いな。(笑) 終盤のゴリ押しメランコリーに悶絶必至の10分越えの終曲 #8 “Fall into Tehom” を秋の夕暮れに聴いたら・・・ハマり過ぎて死ぬかもしれん。(怖)

 (Jun, 04, 2007)

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IMPERIA 73
Queen of Light (2007)

爆乳歌姫 Helena Iren Michaelsen 姐さん (ANGEL, ex-TRAIL OF TEARS) をフィーチュアするシンフォニック・ゴシック・メタル・バンド IMPERIA の2ndアルバム。

SATYRIAN, DELAIN でも活躍する Jan Yrlund (g/ex-ANCIENT RITES, LACRIMOSA) はじめ全員が Helena 率いる別バンド ANGEL にも籍を置く欧州多国籍軍がサーヴする AFTER FOREVER & EPICA 風味の壮麗なるダイナミック・メタルは、Ebony Tears から Massacre へという所属レーベルのステップアップに比例するように、その質感も順当に向上。

・・・してはいるんだけど、それでもまだ前作と同じ様に全編に漂う小粒感 ―― というか「シンガー+バック・バンド」的な覇気の無い仕事感 ―― に、本来得られるべきエキサイトメントを阻害されてしまうんだよなぁ。 Helena によるオペラティックなソプラノからパワフルな歌い上げまで多彩な表現を駆使したエモーショナルな歌唱が、その妖艶なルックス由来の“エロさ”だけではない流石の実力を感じさせているだけに、そのあたりに「本気度」が見えてくると格段に面白くなってくるハズ。

パワー・メタリックな疾走ナンバー #2 “Fly Like the Wind” は、この段階でも既にメッチャいい感じだったりするんだけどね。

 (Jun, 13, 2007)

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KAMELOT 78
Ghost Opera (2007)

米フロリダ・タンパの欧風メロディック・メタル・バンド KAMELOT の8thアルバム。

エキゾチックな美旋律とダーク・ヘヴィネスを劇的なシンフォニーで包んだ、高貴なる気品をプンプンと漂わせるムーディ&シカトリカルな超高品質叙情メタルは今回も・・・ってゆーか・・・アレレ? 前作~前々作のダメだった所をピックアップして豪華な包装紙で包んだようで・・・イマイチ変わり映えしなくね?(汗) よーく考えてみたらこの地味で凡庸な雰囲気、3rdまでの KAMELOT って実はこんなんだったよなぁ・・・って思い出させられる感じかも。

それでも、まさにゴーストがオペラしてるような格調高くも幻想的な世界観の創出はやっぱり見事だし、なにより過去最高の湿度が冴える Khan (vo) のビショ濡れドエロ歌唱は本ッ当に素晴らしいので、それなりにリピートを誘われるのもまた事実。 ま、そのうちジワジワと効いてくるんだろうな・・・と信じたいスな。

ちなみに、これまでライヴ時のサポート・メンバーだったドイツ人ヘドバン大魔王 Oliver Palotai (key) が本作から正式メンバーとして加入。 その Oliver ってば現在、本作や前作をはじめライヴ・ショウにもゲスト参加してる Simone Simons 嬢 (♀vo/EPICA) と恋仲だそうな。 ・・・な、なんて破廉恥な!(羨)

 (Jun, 26, 2007)

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KEN HENSLEY 89
Blood on the Highway (2007)

URIAH HEEP の鍵盤奏者 Ken Hensley の、ソロ名義としては(たぶん)10作目となるスタジオ・アルバム。

70年代末期から80年代初頭にかけて、N.W.O.B.H.M.の裏側でしっかりと生きていたブリティッシュ・ハード・ロック。 その本質がたっぷりと息衝く本作を聴く度に、レコードプレーヤーの前に体育座りして30cm×30cmのジャケットの向こう側にある手の届かぬ異世界に思いを馳せていた「ロックが伝説に昇華し得た時代」のアノ頃の青々とした知覚が、時空を超えて魂を直撃する。

とにもかくにも、郷愁に満ちた爽やかな哀感が優しくこの身の奥深くに染み込んでゆく感覚が心地良過ぎるんだけど、その触媒となっているのが主人公 Ken Hensley が今回擁立した Glenn Hughes, John Lawton, Jorn Lande という贅沢なシンガー三人衆の素ン晴らしいパフォーマンス!

“歌神”2人がヤヴァ巧なのは当然として・・・やっぱ Jorn Lande、ホンマ凄過ぎるわこの人。 2人の伝説的シンガーを前に一歩も退かぬ、まるで70年代のカリズマ名シンガーの如き堂々たる「ブリティッシュ・ロック歌唱」は、まさに“歌鬼”の名に恥じぬ圧巻の名演だ。

Jorn が歌う5曲を聴いてて、何故かふと「BON JOVI が目指すべきなのはこの方向では?」と思ったりもしてみたり。 うん、マヂ良い作品ですわ。(和)

 (Jun, 19, 2007)

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KROMLEK 70
Strange Rumours… Distant Tremors (2007)

ドイツ産ヴァイキング/フォーク・ブラック・メタル・バンド KROMLEK の1stフルレンス・アルバム。

プチぽちゃーりな女性ヴァオイリン奏者 Aoife タソ も含め Red&Black なウォー・ペイントをしっかりと塗布済みの6人の戦士が奏でるのは、ヒロイックな勇壮さを朴訥なフォークロアの土着感で包み、そこにポルカ系アッパー・ビートをミックスした「HOLY BLOOD meets FINNTROLL」な All in One 系ヴァイキング・メタル。

妙にささくれ立ったチープな出音を包むC級オーラとは裏腹に、水準をまずはパスする充分なレベルの演奏力でプレイされるそれなりに細部まで練り込まれた楽曲は、意外にも地に足が着いた新人らしからぬ安定感を醸し出している。 ♪ライラ♪ライラだのヘイ!だのってシンガロングの心地良さと、弦・笛・女声・シンフォニーを上手くコントロールした抑揚の妙には、他のPagan/Epic/Viking系バンドをよく勉強してるなぁ・・・と思わず唸らされるし。

ポテンシャル系にしてはちゃんと纏まってる部類に入るし、かといって即戦力かといえばまだまだチョイと弱い部分も目立つし・・・と、やや微妙な出来具合ではあるけど、とりあえず期待のニュー・カマーではあるね。

 (Jun, 12, 2007)

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LUMSK 89
Det Vilde Kor (2007)

ノルウェイジャン・トラッド/フォーク・メタル/ロック・バンド LUMSK の3rdアルバム。

これまでの作品を覆っていた暗鬱なる呪祖はその魔族度をやや潜め、ピアノ、ヴァイオリン、そして泣きのギターが織り成す繊細なるアンサンブルの上で歌姫 Stine Mari Langstrand 嬢のイノセントな可憐ヴォイスを響かせるそのたおやかなアコースティカは、プログレッシヴ/シンフォニック・ロック色を一気に強めてきた。

前作までの魅力の中心だったダークな邪性は確かに減ったが、北欧の薄日がメロウに射し込むオープニング・チューン #1 “Diset Kvaeld”、変則リズムの迷宮でまどろむ哀感に痺れる #3 “Hostnat”、4トラックに亘る組曲形式のアートな大作 #7~#10 “Svend Herlufsens Ord” をはじめ、本作でフィーチュアされている美しくもミステリアスな叙情味はそれを充分にカヴァーする美味しさだ。

欲を言えば、うーん、各曲ともにチョイとコンパクト過ぎるかなぁ。 サァこれから!ってところで次の曲に行っちゃう所は、正直やや物足りなさを感じる。。

 (May, 31, 2007)

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MANEGARM 87
Vargstenen (2007)

スウェディッシュ・フォーク/ヴァイキング・デス・メタル・バンド MANEGARM の5thアルバム。 タイトルは “The WolfStone” の意。

リフ自体にヴァイキング精神を練り込んだ剛健な地盤はこれまでと同様に、前作MCD “Urminnes Havd – The Forest Sessions” のアコースティックな真性トラッド/フォークな作風を経たことが齎したヴァイオリン/笛/女声を程良く導入して適度な民謡臭の強化を図ったサウンドは、AMON AMARTH の無骨フィールに CATAMENIA の悲愴なヴァイキング・サイドを付加てみたら SUIDAKRA を遡って EINHERJER に大接近しちゃった・・・みたいな。(意味ワカンネー/苦笑)

シンガー Erik Grawsio (vo,dr) による、グロウルに対する比率をかなり高めた漢の哀愁満載な不器用系ノーマル・ヴォイスの旋律感が感じさせる非凡なメロディセンスと、B級ならではのデプレッシヴな荒涼感とが絡み合うそのバランスが、もしかしたらこのあたりがヴァイキング・メタルとしてのベストなのでは?・・・と思える程の絶妙な匙加減なのが超ナイス。

フォーキーな高揚感に包まれまくった #3 “En Fallen Fader”, #11 “Vedergallningens Tid” あたりの佳曲を聴くに、とりあえず本作は彼らの最高傑作だと思いマス。

 (Jun, 18, 2007)

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NOCTURNAL RITES 93
The 8th Sin (2007)

スウェディッシュ・メロディック・パワー・メタル・バンド NOCTURNAL RITES の8thアルバムは、バンド史上最高のキャッチーさを持ってその立ち位置を次のステージへと到達せしめん超強力作。

これまで以上にコンパクトなキャッチネスを前面に推し出すと同時に、隠し味的な装飾音を惜しげもなく織り込んだ緻密な作りが瞬間瞬間でゴージャスな風格を放射するミドル・テンポの楽曲群は、とにもかくにも前作でフロントマンとしての“華”の部分を開花させた Jonny Lindqvist (vo) の魅力が完全に大爆発!

今後、必ずや彼らの代表曲になって行くのだろうと確信させられる印象的なメロディを持った #1 “Call Out to the World”, #5 “Not Like You”、本作での顕著なトピックでもあるゴシカルなヘヴィネスの導入が大成功の #2 “Never Again”, #4 “Tell Me”、そして女性シンガー Carolina Miskovsky 嬢とのデュエットが映える渾身の激泣きバラード #9 “Me” ・・・と、メカニカル一歩手前の強靭プレイがヘヴィ・メタルな高揚感を力強く叩きつける中で、自信に満ち々々た Jonny の42歳のヲサーンならではの(苦笑)セクシーな絶唱がそれと対峙するように剛健なる叙情を吐露する様の前には、本能に誘われるままに拳を天に突き上げ恍惚の表情でシンガロングに興じるのみだ。

その線の細さが懸案だった Nils Norberg のギター・サウンドが、これまでになく太めに録られているのも◎。 そんな Nils のギターが泣きまくるアウトロ・インストゥルメンタル #11 “Fools Parade” でラストをドラマティックに締め括る・・・という構成美もニクいね。

 (Jun, 16, 2007)

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PORCUPINE TREE 82
Fear of a Blank Planet (2007)

UKネオ=プログレッシヴ・モダン・ロック・バンド PORCUPINE TREE の9thアルバム。

PINK FLOYD にメタリックなアタックとギター・ロックの躍動感を加えた質感が発する、英国らしい曇り空の色に染まった「淡白なジワジワ感」は、今回も変わらぬ美味しさ。 「引きこもり」というテーマに合わせて楽曲の鬱度は益々アップしてるんだけど、Steven Wilson (vo, g, etc.) のライトでナイーヴな声色が齎す「軽さ」のためか、その鬱気は充分に暗く渦巻きつつややドライな感触だ。 ま、その暗さと軽さのバランス感覚の絶妙さが PORCUPINE TREE のイイトコなんだけど。

個々の楽曲の食い付きの良さは前作 “Deadwing” に軍配が上がるが、このバンドには楽曲云々というよりは安穏と混沌が交錯する全体的なムードに魅力を感じているので、それは全く無問題。 本作では顕著なのは2006年11月の来日公演でもこの身を直撃した暗鬱なる抑揚コントロールの見事さで、Alex Lifeson (g/RUSH) もゲスト参加した17分超の鬱大作 #3 “Anesthetize” にて表現力に長けた円熟のプレイアビリティを持って濃淡を描き分ける様は圧巻。

しっかし、手数がグルーヴを生んでる Gavin Harrison (dr) のドラミング・・・超イイネー! ワタクシ、久々にハイハットの刻みだけでエクスタシーに達してしまいました。(惚)

 (Jun, 13, 2007)

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RAINTIME 86
Flies & Lies (2007)

イタリア産メロディック・デス・メタル・バンド RAINTIME の2ndアルバム。

清濁混声のハイブリッドな高機能メタルは即座に SOILWORK の名を思い起こさせるものだが、シャープな重厚リフの刻み一つ一つがメタルコア出自のそれではなく完全にヘヴィ・メタルの美意識に包まれた感触なのが素晴らしい。 そういう意味では久々の「本当の意味での超 SOILWORK タイプ」って感じ。

フューチャリスティックなだけではなくドラマティックな方向にもしっかりと作用する哀愁のキーボード・ワークとソリスト的な主張を嬉しく発散するテクニカルな叙情ギター・ワークの知的な佇まい、そして Claudio Coassin (vo) の北欧メロディック・メタルなクリーン・ヴォイスが EVERGRAYMERCENARY に通じるプログレッシヴな味わいを生んでいるのも面白い。

オープニングのインパクトとしては充分なカッコよさに満ちた激情のタイトル・チューン #1 “Flies & Lies”、メロハーかよ!(笑) ってな哀愁のメロウ・メタル #5 “Finally Me”Lars F. Larsen (vo/MANTICORA) をゲストに迎えた正調パワー・メタル #9 “Another Transition” そして欧州のロマンテチシズムに溢れる哀しくも美しい流れを見せる #10 “Burning Doll”#11 “Matrioska” など、バラエティに富んだ曲調をバランス良く並べるセンスも◎。 うん、いいバンドだ。

 (May, 28, 2007)

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TACERE 88
Beautiful Darkness (2007)

マルチ・プレーヤ Karri Knuuttila (♂vo,g,b,key) と爆乳萌え歌姫(!) Helena Haaparanta 嬢 (♀vo) を中心とするフィンランド産シンフォニック・メタル・バンド TACERE の1stフルレンス。

NIGHTWISH meets AFTER FOREVER 調の重厚なシンフォ・パワー・スタイルをベースに RANDOM EYES, LULLACRY らに通じるキャッチー&ストレートな歌ものメランコリック・ゴシック風味を存分に塗した壮麗な楽曲群を覆うのは、非凡なメロディ・センスがギラリと光る驚きのクオリティ。

いや~、とにもかくにも、二人のシンガーの存在感が凄いスわコレ。 Ville Laihiala (vo/SENTENCED) と Marco Hietala (b,vo/NIGHTWISH, TAROT) の中間あたりを意識したようなダミ声に男惚れする Karri。 そして Floor Jansen 嬢 (♀vo/AFTER FOREVER) に肉薄すると思わせる突出した歌唱力でエモーションを綴る Helena タン。 その二人がしっかりと歌い込む男女デュエットの妙は、時にシアトリカルな表情も見せるそのバランスが REGICIDE の名を想い起こさせるシーンもあって美味しい美味しい。 余談だけどオレ的には密かに、Tarja の後任として NIGHTWISH に加わるのはこの Helena タン こそが相応しいんぢゃないかと踏んでたんだけど・・・見事に読みが外れましたな。(苦笑)

そんな魅惑の歌唱パートのみならず、演奏パートが非常にパワフル&テクニカルな仕上がりなのも高ポイント。 特に Karri 自身の弾くネオ=クラシカル度激高のギター・パートには、思わずニンマリしてしまいますな。

 (Jun, 01, 2007)

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THRESHOLD 83
Dead Reckoning (2007)

UKプログレッシヴ・メタル・バンド THRESHOLD が大手Nuclear Blastへの移籍を果たして放つ8thアルバム。

中心人物 Karl Gloom (g) の「プログレ人脈」な出自のせいか、これまでこの THRESHOLD の立ち位置そして出音は、メロディック・ハード~プログレッシヴ/ポンプ・ロック~ヘヴィ・メタルの狭間で不安定に揺れていた感があった。 本作は、そんな中途半端だった存在感を一気に明確化する可能性を秘めた、バンドの今後の試金石となる重要な一枚。

元々匂わせていた「だいえいていこくのいでおろぎー(pgr」みたいな煮え切らなさはそのままに、精度を増した DREAM THEATER 譲りのテクニカルなパッセージのスリルと、シンガー Mac (GALLOGLASS, YARGOS, ex-SARGANT FURY) が発する旋律感大増量の歌メロのキャッチーさが程よく親和する重厚かつ堅牢な音像は、まさに「プログレ・メタル」なドラマティカがなんとも頼もしい。

以前と比べれば遥かに耳を惹くように進化した歌メロが実はまだまだやや直線的だったりヴァリエーションがチト少なめだったりして、その部分がこれまで同様に淡白な印象を与える場面も無くはないんだけど、本作が「永遠の中堅」からの突破を狙う新たなスタートラインとなる入魂の力作であることは確かだ。

Dan Swano (EDGE OF SANITY) をゲストに迎えてデス声のエクストリームなアクセントを配するなど、時勢を睨んだ挑戦的な姿勢も◎。 今後、ラストを締め括る大作 #9 “One Degree Down” のエンディングで聴けるような感動的な展開美が更に増えてくると嬉しいな。

 (Jun, 13, 2007)

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VINTERSORG 82
Solens Rotter (2007)

Vintersorg 君こと Andreas Hedlund (vo,g,key/BORKNAGAR, CRONIAN, FISSION, WATERCLIME, ex-OTYG) と Mattias Marklund (g/TME, WATERCLIME, ex-OTYG, CASKET CASEY) を中心とするノルウェー産プログレッシヴ・フォーク・ブラック・メタル・バンド(ユニット) VINTERSORG の6thアルバム。

近作で顕著だったコズミック&スペーシーなレトロ・モダン・テイストに代えて、初期に通じる牧歌フォーク・テイストを再び浮き立たせ、更に “Till Fjalls” 以来久々の全編スウェーデン語歌詞となった本作は、英訳すると “The Roots of the Sun” となるそのタイトルどおりの「ルーツ回帰」を強く思わせる一枚となった。

個々の楽曲のキャラ立ちとしてはここ数作では最も決め手に欠ける造りになっているものの、Andreas が自慢の吟遊詩人ヴォイス(笑)で歌い上げる朴訥な哀メロにクラシックなブラック・メタル風味漂う猥雑なデス・ヴォイスの喚きが絡むアバンギャルドなタペストリーの妙がプログレスする独特の風合いから今回夥しく漂う、錬金術時代を思わせる魔術的な色彩には、充分に惹かれるですよ。

しかし、これだけドタパタ感が強くも、それを真性なアーティスティカだと信じ込ませるようなこの「本格派オーラ」は・・・いったい何だろねぇ。 ホント不思議ッス。

 (Jun, 26, 2007)

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WITHIN TEMPTATION 82
The Heart of Everything (2007)

オランダ産フィメール・フロンテッド・ゴシック・メタル・バンド WITHIN TEMPTATION の4thアルバムは、上質な壮麗オーケストレーションにメタリックなヘヴィネスを融解させる基本路線をキープしつつ、前作で垣間見せた「現時点におけるモダンなポピュラリティ」を更に増強する手法を採った、順当な進化を見せる一枚。

王道耽美派ゴシック・メタルの頂点に君臨するそのプライドを一切捨てることなく「その道」でも成功を試みる姿勢が生んだ各曲は、決して単なる“EVANESCENCE 化”に留まらない深みを発散してはいるけど・・・うーん、今回はややパターンに嵌り気味のポップな軽薄さが気になる場面が少なくないのがチョイとナニだなぁ。

ま、そうしてやや醒め気味に聴き進めるうちに、しっかりと存在する幽玄な荘厳さの中で静謐に漏れる Sharon den Adel 嬢 (vo) の可憐な嗚咽にはやっぱり心奪われてしまうし、Keith Caputo (♂vo/LIFE OF AGONY) とのデュエットをフィーチュアしたリーダー・トラック #2 “What Have You Done” やまさにシンフォニック!ゴシック!メタル!な #6 “Hand of Sorrow” らの粒揃いな楽曲群にも、なんだかんだ言って心酔ちゃうんだけど。。

ま、なんにしろ、来月に迫った単独来日公演が楽しみだ。

 (May, 30, 2007)

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