7月2007
DELPHIAN 70
Unravel (2007)

オランダのプログレッシヴ・メタル・バンド DELPHIAN の2ndアルバム。

ローチューンで蠢くヘヴィ・リフがダークな耽美グルーヴをプログレッシヴに織り成す中、不思議系女性シンガー Aneik Janssen 嬢のエモーショナルな歌声、そして彼女が兼任するフルートが麗しく響く・・・って、こうして書き並べたその字面を見る分には、我ながらメッチャ好みのスタイルじゃんねコレ。

が、実際にはメンバーの技量的な「難」がチト気になる感じで、テクニカルな側面における大事な局面での「ビシッと決まらなさ」が非常に惜しい。。 しっかりとプログレッシヴ・メタルでありながら MADDER MORTEM にも通じる不条理系ゴシックの風味もガッツリと漂う独特の雰囲気は決して悪くないし、やってること自体はスッゲー面白いんだけど。。

ちなみにドラマーは現 SUN CAGEDRoel Van Heldon

 (Jul, 02, 2007)

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GRAVEWORM 72
Collateral Defect (2007)

イタリアのシンフォニック・ブラック/デス・メタル・バンド GRAVEWORM が、Nuclear Blast から Massacre に移籍してリリースする7thアルバム。

冒頭いきなり飛び出す近未来なノイズ・ループに面食らったが、その後の流れは前作で見せたコンパクトなソリッド化を継承/推進する、ちょいゴス風味のメロディック・デス・メタルなもので一安心。

・・・と、前作から一気に備わってきたメジャー感溢れるクオリティの高さを肴に、なんとか肯定的に捉えようとガンガってはみたものの、初期の作品に充満していたブラック・メタリックな耽美系悲愴感の欠乏は・・・正直やっぱり辛い。 ま、扇風機ヘドバン女王(萌) Sabine Mair タン (key) がいる限りは買い続けますが。

#7 “I need a Hero” は、Bonnie Tyler ってか 麻倉末稀 によるスクールウォーズのアレのデス・メタル版カヴァー。
 (Jul, 02, 2007)

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KORPIKLAANI 88
Tervaskanto (2007)

フィンランド産フォーク・メタル・バンド KORPIKLAANI の4thアルバム。

デビュー以来のファニーなキャラ立てと珍妙に弾けるおちゃらけ邦題は相変わらずながら、それらのコミカルなイメージ戦略が発散する色物臭を楽勝で封じ込めるのは、今や Napalm Records のトップ・プライオリティ・アーティストたる堂々たる風格。

Hittavainen & Joho が奏でるヴァイオリン/アコーディオン等が発散する真性なトラッド風味の人懐っこい哀愁とエネルギッシュなメタル・パートのバランスをさらに研ぎ澄ました音像は、前作でのシリアス路線に「宴!」「祭!」な酒盛テイストを良い具合に昇華させた寸分の迷いもない独特の味わいが実に美味しい。

クサメロ疾走に大悶絶な #4 “Veriset Aparat (Bloody Bastards Children) / 血塗られた赤ん坊伝説” に代表される佳曲が並ぶも、正直、楽曲の粒の揃い方的には前作に一歩譲る感はあり。 が、全編を覆う旧き良き郷愁に、メタルはもちろんロック云々をも超越した類まれなる瞬発力が備っているのは、空恐ろしい限りだ。

初回限定盤には、昨年の Wacken Open Air でのショウが収録されたDVDが付いてくるんだけど・・・いやーコレ、実際に生で観たハズなのに、こうして改めてTVで観てもマジでヤヴァイわ。 9月の来日公演では小汚い森の妖精さん達の前、みんなで輪になって踊りまくりませう。

 (Jul, 17, 2007)

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MOSTLY AUTUMN 77
Heart Full of Sky (2007)

英国のシンフォニック・ロック・バンド MOSTLY AUTUMN の7thアルバム。

そこはかとなく漂うケルト色にも耳を惹かれる伝統的な田園風味の美味しさはそのままに、今風のUKギター・ロック勢にも通じるソリッドなラウド・エッジとキャッチーなドライヴ感を加えた、多彩さが際立つ一枚。 そんなやや拡散気味の捉え所のなさまでもを、イギリス的なプログレッシヴ/ポンプ・ロックの王道たる味わいの一部と思わせる、その雰囲気作りの巧さは流石だ。

つーかぶっちゃけ、バンド名やアートワーク含めなーんとなく漂ってくる良質のムードと「美女メンバーの存在」ってファクターだけのために、惰性で毎作チェックし続けてる状態になってる気が。(汗) まぁ結果的に毎回ソコソコ楽しめてはいるので、それもアリっちゃあアリなんだけど。

 (Jul, 02, 2007)

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OCTAVIA SPERATI 90
Grace Submerged (2007)

♂ドラマー以外の全員が女性メンバー(涎)というノルウェーの6人組ドゥーム・ゴシック・メタル・バンド OCTAVIA SPERATI2ndアルバム。

初期 THE GATHERING をスラッジ&ナスティに荒涼させたような作風はデビュー作の意を継ぐものながら、怨念を引き摺る“サバス・リフ”が発するドゥーミーなグルーヴと看板シンガー Silje Wergeland 姐さんのキャッチーとも言える極上熟女歌唱 (苦笑) が描く鮮やかなコントラストのその表現力は、以前と比べ物にならぬほどに格段に進化。

ギター・オリエンテッドな轟音の揺らめきの中、隠し味というには余りにも効果的な鍵盤使いが運ぶ程よくゴシカルな色合いは非常にインプレッシヴで、特に THIN LIZZY のカヴァー #4 “Don’t Believe a Word” のロマンティックな息衝きは素敵の一言だ。

細部に拘れば、造りが理想よりはややコンパクトに思えたり、時間軸の流れに多少淡々としたものを感じたりはするけれど、メロウ派北欧ドゥーム・メタルとしての瞬間瞬間の心地良さは充分に合格点・・・というか、それを超越して2作目にして最早極上の域に達していると言ってイイっしょ。

ゲストで Mr. Morfeus (key/DIMENSION F3H, ex-LIMBONIC ART) が参加してます。

 (Jul, 02, 2007)

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PARADISE LOST 85
In Requiem (2007)

英国が誇るゴシック・メタルの始祖 PARADISE LOST の11thアルバム。

自らのバンド名をタイトルに冠してゴシック・メタルへの華麗な帰還劇を見せた傑作 “Paradise Lost” の充実っぷりは凄まじかったが、本作のスタイルもその延長線上と言えるもの。 どこか淡々としたクール&ムーディなダークさがガッツリと暗黒メタルな音圧と共にキャッチーに迫ってくる様子を耳にする度、コレを“あの”PARADISE LOST が演っていると思うだけで嬉しさがこみ上げてくる。

気負わずも自然と耽美なアトモスフィアを匂わす Nick Holmes (vo) のカリスマティックな存在感もさる事ながら、今回は Greg Mackintosh (g) のエモーショナル・ギター・ワークがメランコリーをリードする場面が顕著で、その極めて英国的なタッチは、この PARADISE LOST こそがかの BLACK SABBATH の遺志を継ぐ存在であると確信させる・・・ってのはチョイと言い過ぎか。(汗)

ただ、個々の楽曲的には ――どうしても前作と比べてしまうと―― 少々平坦な感じかな? ヘヴィなアグレッションを噴出する #5 “Requiem” は出色の出来なんだけれども。

 (Jul, 17, 2007)

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SYMPHONY X 95
Paradise Lost (2007)

米ニュージャージーのネオ=クラシカル・プログレッシヴ・パワー・メタル・バンド SYMPHONY X の7thアルバム。

完全復活を果たした大作 “The Odyssey” から約4年半・・・今ここに届いた待望の新作は、その魅惑のアルバム・タイトルが呼び込む多大な期待に69億%応える、どこをどう聴いても紛うこと無く最高傑作な逸品だった!(祝)

その前作 “The Odyssey” では主にトータルで眺めた時の大きな潮流が言葉に尽くせぬ感動を打ち寄せていたが、本作ではそのスケール感に加えて初期にやや立ち戻ったかのストレートな旋律美もリジョイン。 マエストロ Michael Romeo (g) はじめ年輪を経た老獪な円熟味を備えた各メンバーによるスリリングなパフォーマンスとそれぞれが有機的に重なるマジカルなアンサンブル、それらを部材として繊細に組み上げられた個々の楽曲、そしてすべてがあるべくところでしかるべき働きをする完璧なトータルの流れ・・・と、いかなる粒度にスコープを向けても全く隙のない密度の濃さはまさに圧巻の一言だ。

不穏なシンフォニーが否が応にも期待を募らせるイントロに続くどこを切っても SYMPHONY X な名曲 #2 “Set the World on Fire (The Lie of Lies)”、ムーディなタイトル・トラック #5 “Paradise Lost”、キャッチーにドライヴする高揚感がたまらない #6 “Eve of Seduction” らも悶絶なんだけど、その後に展開される “The Damnation Game”, “Out of the Ashes” を凌ぐネオクラシカル・プログレッシヴ・スピード・メタルの新たなマスターピース #8 “Seven” ~ 感涙のメロウ・バラード #9 “The Sacrifice” ~ 壮大なイントロへ回帰していくばかりか超名曲 “The Divine Wings of Tragedy” のモチーフにまで雪崩れ込んで感動的な大円団を迎える #10 “Revelation (Divus Pennae ex Tragoedia)”・・・という終盤の流れは、マヂで有り得ない程に神。

ガッツを封じ込めたファットな高圧の下で超絶技巧がシンクロと離散を繰り返しながら生み出させる至高のスリルの中、暑苦しさ満点の悪辣なマフィア歌唱(笑)から女子の子宮を揺らす美麗な歌い上げまでを変幻自在に駆使する Russell Allen (vo) が過去最高の存在感を誇っているのも、彼のファンとしては嬉しい限りだね。

ホントこれ、電車の中では決して聴けない一枚ですわ。 だって、無意識のうちについつい、顔面を妙ぉ~に歪めながら小刻みに変な揺れ方しちゃうもんね。 キモイぜ!

 (Jul, 05, 2007)

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TNT 20
The New Territory (2007)

ノルウェーのメロディック・ハード・ロック・バンド TNT の10thアルバム。

Tony Harnell (vo) 脱退~元 SHYTony Mills (vo) 加入、通算10作目、そしてバンド結成25周年・・・というあらゆる面で節目となる一枚なんだけど・・・もはやこのバンドを TNT と識別する要素は Ronni Le Tekro (g) の個性的なギター・ワークのみ。 うーん、ダメだコリャって感じスな。

かつてのようなクラシカルな格調やらいかにも北欧な透明感やら叙情味やらは最初っから期待すべくもないんだけど、それらを抜きにして肝心の楽曲自体が致命的に退屈。 大好きなハズの Tony Mills の良さも全ッ然引き出せてないし。

ここ数作は、ダメだダメだと言いつつも、初聴から数年後に何気なく耳にすると意外と悪くなく感じてたりしたんだけど・・・今度という今度は本当にダメそうだ。

 (Jul, 02, 2007)

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TURISAS 99
The Varangian Way (2007)

音楽史に燦然と輝く不朽の大傑作 “Battle Metal” を以って我が人生をいろんな意味で180度変貌させたフィンランドのバトル・メタル戦士 TURISAS の3年振りとなる2ndアルバムは、事実上バルト海を支配していたスカンジナヴィア・ヴァイキングが、東欧から現ロシア西方を経てコンスタンティノポリス(現イスタンブール)に辿り着くまでの「探求の旅」を描いた一大スペクタクル巨編。

前作は、血塗られた戦場での戦闘そのものを連想させる高いテンションに包まれていたが、本作ではそれと打って変わった叙事詩的とも言える思慮深さが全編を覆っている。 ・・・が、それがまたタマランかったりするんですわ!! 大きくフィーチュアされた Warlord Nygard 様 (vo,key,programming) の意外な艶やかさに満ちた驚きのノーマル・ヴォイスが響くそのプログレッシヴな手触りは、まさに大人のための“史実ヴァイキング・メトゥ”。

♪パッパ~!と高らかに船出を告げる勇壮なるオープニング・チューン #1 “To Holmgard and Beyond”DARK LUNACY 真っ青の慟哭が魂を揺さぶる哀愁の露系軍歌メタル #2 “A Portage to the Unknown”、作品中アグレッシヴ&ヘヴィな #3 “Cursed be Iron” 、栄光へ道を壮麗なシンフォニーで描く #4 “Fields of Gold”、ジプシーなフォークロア風味が酒場の喧騒の中で炸裂する #5 “In the Court of Jarisleif”、道中繰り広げられる死を賭した戦いをドラマティックに俯瞰する #6 “Five Hundred and One”(終盤のクワイアに悶絶!)、来たる大円団に向かって大仰極まりなく突き進む映画的な #7 “The Dnieper Rapids”、そして苦難の旅の終着を描くあまりにも壮大なドラマに有り得ない勢いで涙がチョチョ切れまくりの「♪コンスタンティノポリーーーース!!!(号泣)」な終曲 #8 “Miklagard Overture”・・・と全てが完璧に噛みあった奇跡の楽曲群は、航路の先々に伝播する様々な文化を採り入れたかのエスニック&エキゾチックな風合いが超ナイス。 これまでサポートながらバンドの最重要キャラクタ(笑)でもあった Olli Vanska (violin) と Lisko (accordion) を正式メンバーに向えた効果もデカいのかも。

いやー、TURISAS、マヂでキてるわ。 聴いていると平静を失い、気がついたら思わず自らの上半身を赤と黒の縞々に塗っちゃってるほどにヤヴァい。(苦笑) しばらくはMyメタル・ヒエラルキーの頂点に君臨し続けるだろうな。

そんなわけで、来週末は Wacken で生 TURISAS!(想像しただけで悶死)

 (Jul, 25, 2007)

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