2月2008
ALL ENDS 81
All Ends (2008)

IN FLAMES のギター・チーム、Bj?rn Gelotte & Jesper Str?mblad が中心となってスタートさせた、女性ツイン・ヴォーカルをフィーチュアしたゴシック・メタル・バンド ALL ENDS の1stフルレンス・アルバム。

本作制作の前に既に彼らは共に IN FLAMES に専念するため脱退しているが、本作にも楽曲提供という形で関わっていることもあって、ここで聴ける音楽性は IN FLAMES 風味漂うスマートな女声メランコリック・ゴシック・・・とも言えるもの。

8分刻みでストロークするゴシカルなソリッド・リフのドライヴ感と程よくデジタルなモダン・アトモスフィアが重なり合うその風合いは最早決して目新しいものではないし、Bj?rn の実妹という血統を持つ Emma Gelotte とミュージカル出演の経験もある本格派 Tinna Karlsdotter というバンドの看板である二人の美女シンガーの明快なパワフル歌唱も、それなりのクオリティを実感させながらも特にスペシャルな個性を発してはいない。

・・・が、ムーヴメントに便乗して受けを狙ったかのあざとさが逆に吉と出たキャッチー&コンパクトな楽曲は、細部に亘ってしっっっかりと作り込まれたグレード感の心地良さが、何気にリピートを誘うのも事実。 Bj?rn & Jesper の後任である Fredrik Johansson (g/ex-DIMENSION ZERO) と Peter M?rdklint (g/ex-EMBRACED, TENEBRE) というなんとも贅沢な現ギター・チームによるギター・パートがロックなローリングを見せる場面も耳を惹く。

 (Feb, 11, 2008)

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AUTUMN 85
My New Time (2007)

巨乳美女シンガー Nienke de Jong 嬢をフィーチュアしたオランダ出身の6人組ゴシック・ロック/メタル・バンド AUTUMN の3rdアルバム。

各所の紹介で EVANESCENCE の名がよく引き合いに出されているけど、そのキャッチーなダーク・ポピュラリティは、ゴシック・メタル的には AFTER FOREVER からプログレッシヴな要素を排除して LULACRY のキャッチーさを混ぜ合わせたよう・・・と喩えたほうがしっくりくるかも。(苦笑)

とにもかくにも、看板娘 Nienke 嬢の存在感は格別で、骨太なロック・ヴァイヴとゴシカルなモダン欧州浪漫を戦わせる楽曲の中、円熟味溢れるメジャー感とともに艶やかな極上エモーションを中音域で歌い上げる様が、心地良い説得力に溢れまくりなのが凄い。

強豪が犇めき合うゴシック・メタルの本場オランダで、今後の台頭を予感・・・いや確信させる注目株ですな。

 (Feb, 04, 2008)

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AYREON 75
01011001 (2008)

和蘭人ギタリスト/マルチ・プレーヤ Arjen Anthony Lucassen (ex-BODINE, VENGEANCE) によるロック・オペラ・プロジェクト AYREON の第7弾。 ベーシック・トラックの大半を Arjen 自らがプレイする一方で毎作のお約束でもある多数の豪華ゲスト陣を迎え、今回も2枚組の長大なヴォリュームとなった。

<備忘録的な豪華ゲスト陣一覧>

Vocals:
Hansi Kursch (BLIND GUARDIAN)
Daniel Gildenlow (PAIN OF SALVATION)
Thomas Englund (EVERGREY)
Jonas Renkse (KATATONIA)
Jorn Lande (ex-MASTERPLAN, ARK, etc.)
Anneke van Giersbergen (AGUA DE ANNIQUE, ex-THE GATHERING)
Steve Lee (GOTTHARD)
Bob Catley (MAGNUM)
Floor Jansen (AFTER FOREVER)
Magali Luyten (VIRUS IV)
Simone Simons (EPICA)
Marjan Welman (ELISTER)
Liselotte Hegt (DIAL)
Ty Tabor (KING’S X, XENUPHOBE)
Phideaux Xavier
Wudstik

Guitars:
Lori Linstruth (STREAM OF PASSION)
Michael Romeo (SYMPHONY X)

Keyboards:
Derek Sherinian (PLANET X, ex-DREAM THEATER)
Thomas Bodin (THE FLOWER KINGS, etc.)
Joost van den Broek (AFTER FOREVER, ex-SUN CAGED)

Drums:
Ed Warby (GOREFEST)

Other Instruments:
Flutes – Jeroen Goossens (FLAIRCK)
Violin – Ben Mathot (DIS)
Cello – David Faber

暖かなケルト/トラッド色とスペーシーなデジタル風味とが温度を分け合いながら、近未来と中世が時空を超えて融合するプログレッシヴ・メタル大作のその作風は、ここ数作と大きくは変わらず。

印層的なメロディを軸に手に汗握るドラマティックな展開と穏やかなポンプ・フィールがバランス良く抑揚する様は相変わらず素晴らしく、じっくりと聴きながらその世界に浸っている時の AYREON ならではの心地良さは本作でも健在・・・なんだけど、濃密過ぎて逆に淡白(笑)というか、ゲストの多さが災いしてかどこか焦点定まらない散漫さが支配的。 女声陣のハーモニーの画一的な風合いをはじめ、そこかしこのパートが過去作で耳にしたような気がする焼き直し感を発散しているのも気になるし。

ま、そんな中でも、先日書いた AVANTASIA にも参加していた Jorn Lande の鬼神ヴォイスだけは、「ワシの歌声のためだけにでも¥3,800払えゴルァーー!!」と言わんばかりの異彩を放っているんだけど。(笑)

 (Feb, 04, 2008)

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EYES OF EDEN 86
Faith (2008)

DESTRUCTION, KREATOR, SODOM の三羽烏をはじめとする“ジャーマン・スラッシュ勢”には全体的にイマイチ疎いくも(汗)、DESPAIR だけは何故か大好きだった。 なので、元 DESPAIRVOODOOCULTGRIP INC.Waldemar Sorychta (g) は特別な存在であり、彼が新たに立ち上げたこのフィメール・フロンテッド・ゴシック・メタル・バンド EYES OF EDEN にも興味津々。

敏腕プロデューサとして LACUNA COIL ら多くの大物ゴシック・メタル・バンドを手がけてきた豊富な経験を持つ Waldemar が、若干21歳の若き美女シンガー Franziska Huth 嬢をフィーチュアして創り上げた音像は、耳触りのよいキャッチーなフックとタフなメタル・ギターをガッツリと備えた、「さすが先生わかってらっしゃる!」な痒い所に手が届くクオリティ。

LEAVES’ EYES にも通じる流麗な王道フィメール・ゴシック風味と、LACUNA COIL 的なモダンなヘヴィ・エッジ&オリエンタル色を融合させ、全体的には Franziska 嬢の明快な声質のせいもあって KRYPTERIA に近いポピュラリティを感じさせる風合い・・・と、正直突出した個性には欠ける音ではあるけど、その大胆でありながらも繊細な上質な質感は、心地良い満足感をしっかりと運んでくる。

 (Feb, 27, 2008)

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KINGFISHER SKY 90
Hallway of Dreams (2007)

初期 WITHIN TEMPTATION のドラマー Ivar De Graaf が、女性シンガー Judith Rijnveld 嬢 (ex-IAN PARRY’S CONSORTIUM PROJECT)、Eric Hoogendoorn (b/ex-ORPHANAGE) らと結成したゴシック・ロック/メタル・バンド KINGFISHER SKY のデビュー・アルバム。

モダン・エッジのへヴィ・リフがガッツリと唸るメタリックな皮膚感を持つ部位もあるが、繊細なる北欧慕情が澄み渡る地平にプログレッシヴに拡散していく様のへヴィ・メタルの範疇に留まらないアダルトなヴァイヴが、とにもかくにも最ッ高に気持ちいいわコレ。

その感動の主因は、やはり純朴な美しさを滲ませる歌姫 Judith 嬢の優美な絶品歌唱だろう。 クリアな風合いは Sharon den Adel タン (vo/WITHIN TEMPTATION) に通じるも、さらに豊かな技量をもって柔らかに哀愁を漂わすその歌声は、そのトラッドなメロディに聴き入るうちに自然と爽やかな涙を零れ落とさせるような魔力があるですよ。

収録された楽曲群は3~4分台中心とやや短めのものが並んでいるけど、穏和な癒しフィールとハードなダイナミクスとが溶け合いながら、得も言えぬメジャー感の中でミステリアスなエキゾティカをじわじわと盛り上がらせる様が、短さを感じさせぬカタルシスを生んでいるので全く問題ナス!

 (Feb, 11, 2008)

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PAGAN'S MIND 87
God’s Equation (2007)

ノルウェー産プログレッシヴ・パワー・メタル・バンド PAGAN’S MIND の4thアルバム。

前作 “Enigmatic: Calling” の充実した内容はバンドを新たなステージへと押し上げる推力となったが、本作も更に一皮剥けた感のある快作だ。 フューチャリスティックな独特の無機質さと空間を軽快に彩るメロディックな躍動とが、圧倒的な演奏力による余裕のアンサンブルで結合した楽曲群から、バンドが上昇気流の真っ只中にいると確信させるクールな貫禄が溢れ出まくる様には、思わずニンマリしてしまう。

そのプロフェッショナルな音塊の中心に位置するのは、間違いなくフロントマン Nils K. Rue (vo) の強烈な存在感だろう。 Geoff Tate (QUEENSR?CHE), James LaBrie (DREAM THEATER) 両名の長所を備えたかの傑出した歌唱力は溜め息が出るほどに見事で、伸びやかなメロウネスの吐露からアグレッションの噴射まで変幻自在なコントローラビリティの前には、ただただ聴き惚れるのみ。 楽曲の流れの中ある実験的な挑戦のためにやや即効性を欠く部分においても、彼の歌唱の魅力のおかげで集中力が持続する場面があったりするしね。

1st “Infinity Divine” の再発盤に “At the Graves” を収録していたり、ライヴで “Welcome Home” を演っていたりと「KING DIAMOND 愛」が垣間見える点も非常にポイント高いデス。(笑)

 (Feb, 28, 2008)

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SAINT DEAMON 82
In Shadows Lost from the Brave (2008)

Ronny Milianowicz (dr/DIONYSUS, ex-SINERGY), Nobby Noberg (b/DIONYSUS, ex-NATION) の現 DIONYSUS 組が Jan Thore Grefstad (vo/ex-HIGHLAND GLORY), Toya Johansson (g) らと結成したメロディック・パワー・メタル・バンド SAINT DEAMON のデビュー・アルバム。

スピードに頼ることなく実直にメロディアスな高揚感を目指すちょいと優等生気味な正統派サウンドは、リズム隊が属する DIONYSUS からネオ=クラシカル風味を減衰させ、代わりに北欧フィルターを通したキーパー色を微増させたかの、聴き易くもメタル魂が踊るなかなかに美味しい方向性。

叙情味とパワーがバランスよく拮抗する堅実な出来の楽曲は、派手さはなくも思わず笑みがこぼれるツボの得方がナイス。 特筆すべきはシンガー Jan Thore Grefstad の堂々たる歌唱の見事さで、刺激的な高音シャウトを交えながら独特の叙情メロディを力強く牽引していく様の頼もしさは目を瞠るばかりだ。 HIGHLAND GLORY の時からこんなに巧かったっけ?(汗)

その一方で、ギター・パートはスッゲー地味・・・。。。 そのせいか、随所でグッと来る瞬間がありつつも、惜しいところで突き抜けないもどかしさが存在するのもまた事実。 これでギターが Johnny ?hlin (g/DIONYSUS) だったら文句ないんだけどなぁ。

 (Feb, 06, 2008)

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SEVEN TEARS 78
In Every Frozen Tear (2008)

スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド SEVEN TEARS のデビュー・アルバム。

プログレッシヴな緻密さの中でメロディック・ハード/AOR的な清涼感が広がる歌モノな楽曲群は、現 PLATITUDE の鍵盤奏者 Kristofer von Wachenfeldt を含むメンバー全員が20台前半という若さに似合わぬ老獪な円熟味が漂う様に驚かされる。

空間にまで音を語らせるかの自信を感じさせる適度な隙間を残した開放的アレンジの質感が、パッケージが発する「いかにも北欧的」というよりは「フランスのベテラン」(笑) といった趣だったのが意外だったけど、「透明感」という共通項は外してないかも。

少々ガサツで特色のないヴォーカルに難が無くもないが、レトロモダンな産業ネオ=プログレ色を孕みながら程よく劇的に展開する楽曲の構築力は、その欠点を十分にカヴァー可能な見事さで、特にドラマティックな終曲 #12 “Truth of Tomorrow” の出来は秀逸。

 (Feb, 26, 2008)

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THE FORESHADOWING 84
Days of Nothing (2007)

イタリアはローマのゴシック/ドゥーム・メタル・バンド THE FORESHADOWING のデビュー・アルバム。

そのゴシカルな耽美さと暗鬱なドゥーミズムが溶け合う繊細なサウンドは、異形系デザイナ Seth Siro Anton の手による不穏を煽る怪美なアートワーク、そしてブラックレザーのロングコートに身を包んだ優男達が佇むプロフェッショナルなメンバーショット等の装丁が醸し出す良好な品質感そのままに、耳を惹く魅力たっぷり。

Unhappyに沈み込むメタリックな後悔を美しき悲嘆の涙で洗い流さんとするエモーショナルな楽曲は、シンガー Marco Benevento (ex-HOW LIKE A WINTER) がアダルトに響かせるノーマル・ヴォイスの自然体な艶やかさが非常にイイ感じ。

所々の壮麗な演出を仕掛けつつも全体的にはやや派手さに欠けてしまっている音像ながら、PARADISE LOSTNOVEMBRE のちょうど中間あたりに位置するとも思える、絶望の中にどこか安堵感を覚えるような・・・そんな心地良さが嬉しい一枚。

 (Feb, 02, 2008)

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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 83
The Scarecrow (2008)

ジャーマン・メタル第三世代のリーダー格 EDGUY の看板シンガー Tobias Sammet が主宰するメタル・オペラ・プロジェクト TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA の第3弾。

冒頭、#1 “Twisted Mind” での Roy Khan (vo/KAMELOT) の“夜露歌唱”にいきなりミステリアスな異世界に引き込まれはするが、その後は本家 EDGUY の近作でのキャッチーな蛇行に呼応するかのような、前作で垣間見せたヴァラエティ感をさらに大胆に推し進めた作風が連続する印象。

曲によっては「BON JOVI 的」(笑) と揶揄される程のライト感を香らせるなどこれまでのファンタジックかつシンフォニックなメロディック・パワー・メタル色はやや薄めだが、その反面、前述の Roy Khan をはじめとするゲストシンガー陣のパフォーマンスの凄まじさは特筆モノ。

中でもやはり傑出しているのは、#2 “The Scarecrow”, #6 “Another Angel Down”, #8 “Devil in the Belfry” で聴ける“歌鬼”Jorn Lande (vo/ex-MASTERPLAN, etc.) の圧倒的な存在感。 Michael Kiske (vo/ex-HELLOWEEN) の久々の疾走メタル歌唱も Bob Catley (vo/MAGNUM) の燻し銀な旨味も超高いレベルで美味しいんだけど、Jorn の熱唱はッッッとにもう「別次元」としか言いようがないほどに独壇場。 そして、それに触発されるように限界に挑戦する Tobias のハイエナジーな歌い上げもやっぱ流石だ。

ただドラム・パートは、今の Eric Singer (dr/KISS, ALICE COOPER, etc.) より前作までの Alex Holzwarth (dr/SIEGES EVEN, PARADOX, RHAPSODY OF FIRE) の方が圧倒的によかったな。

 (Feb, 02, 2008)

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VINDICTIV 77
Vindictiv (2008)

スウェーデン人ギタリスト Stefan Lindholm を中心に結成されたメロディック・メタル/ハードロック・バンド VINDICTIV のデビュー・アルバム。

ネオ=クラシカル派のギター・プレーヤが、シンガーにかの「Mr.北欧ヴォイス」Goran Edman (vo/ex-MADISON, YNGWIE MALMSTEEN, etc.) を擁立し、さらにはバック陣の経歴には元 ALIEN やら元 TREAT やらという名が連なる・・・という北欧メトゥ・メイニア的には垂涎必至のプロジェクトなんだけど、実際には期待した往年の北欧色は程々に、Goran がこれまでに関わった XSAVIORKHARMA にも通じるプログレッシヴな風合いが強めな感じ。

いやぁしかし、Stefan Lindholm のギター・プレイは確かにインパクトあるな。 フレーズを構築するというよりは勢いに任せて感情をスピードに乗せて弾きまくるそのスタイルは、近年稀に見る「超(最近の) Yngwie タイプ」。 きっと Yngwie のことを尋ねたら、「Yngwie? あぁ、Malmsteen のこと? そう、彼とはルーツが同じなんだ。 偶然にもね。」って答えるに違いない。(笑) 所々で粗さを感じさせたり、楽曲とソロ・パートの双方がお互いを全く必要としていないかの居心地の悪い分離感はあれど、この(最近の) Yngwie 度の高さはそれだけで結構楽しめるわ。

ちなみに、結成当初のシンガーは 現 SEVENTH WONDERTommy Karevik。(ドーデモイイデスネ..)

 (Feb, 06, 2008)

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