3月2008
ELUVEITIE 89
Slania (2008)

スイスの“ニュー・ウェーヴ・オブ・フォーク・メタル”バンド ELUVEITIE の2ndアルバム。

フィドル、ハーディー・ガーディ、マンドラ、その他パイプ類の民族楽器が織り成す超本格的なケルティック・ミュージックとアグレッシヴなメタル・パートが未曾有の融合を果たしていた1stフル “Spirit” の強力さには驚かされたが、本作を一聴してまずこの耳が追うのは、そのメタル・パートの更なる深化だ。

切れ味と重量感を哀愁で包み込んだ硬質なメタル・リフの風合いは、何故かまんまイエテボリ・メロディック・デス・・・というかメッチャ DARK TRANQUILLITY。(笑) さすがは Nuclear Blast クオリティ!なクリアなプロダクションも相俟って、そこだけ取り出しても相当な完成度だと唸らされる強力なメタル・パートに、さらに前述の魅惑の超A級トラッド/ フォーク・アレンジが絡みまくるのだから悶絶しないわけがない。

そんな風に、これまでのフォーク・メタル史を振り返っても類を見ない程の圧倒的な品質感を封じ込めた本作だけど、民族的なクセの強さとか風景的なヴァイブという意味では、やっぱ前作に一歩譲るかなぁ。 いや、あれがあまりにも凄すぎただけで、これはこれで素晴らしく気に入ってるんだけどさ。

 (Mar, 12, 2008)

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FLAMETAL 70
Master of the Aire (2008)

フラメンコ・ギターとヘヴィ・メタルの融合を試みる米産バンド FLAMETAL の2ndアルバム。

自ら「SLAYER meets Paco de Lucia」と喩えるように、Ben Woods (g) による本場の血が滾る哀愁のフラメンコ・ギターがデス風味のアグレッシヴ・メタルを切り裂いてゆくその感触はそれなりに美味しいが、その異色な組み合わせ自体への多大な興味に応えていたデビュー作の衝撃には及ばない。

そのデビュー作でいい感じのネオクラ・テイストを振り撒いていたエレクトリック・ギター・パートが、本作ではなぜかかなり不安定に録れているのも厳しいし、さらに言えば、名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のテーマソング #12 “Yamato”LED ZEPPELIN#13 “No Quarter” という2曲の名曲カヴァーも、オマケの域を出ていない。

 (Mar, 14, 2008)

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LANA LANE 69
Red Planet Boulevard (2007)

USシンフォニック・ハード LANA LANE の8thアルバム。

一時のメタル度強化ブームは一段落ついたようで、ヘヴィなエッジやプログレッシヴな手数を魅力的なレベルで残留させつつも、全体的にはファンタジックでムーディな落ち着きが支配的。

そんなシンプルな音像だからこそ、Lana の艶やかな熟女歌唱(て何だそれw)が一層エモーショナルに迫ってくるんだけど・・・いかんせん曲があまりにも地味過ぎ。 Erik Norlander (key,b) 曰く「“Love is an Illusion” に近いアプローチ」らしいが、数曲で狙ったようなソレっぽさを感じさせなくはないものの、アレンジにしろメロディにしろ印象に残る部分が非常に少ないというのが正直なトコロ。。

ま、次の「企画盤」を楽しみに待つか~。

 (Mar, 14, 2008)

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LEVERAGE 84
Blind Fire (2008)

フィンランドの6人組メロディック・ハード・ロック/メタル・バンド LEVERAGE の2ndアルバム。

中心人物 Tuomas Heikkinen (g) は AGNES, Ari Koivunen らここのところ話題の“メタル・アイドル”のバックヤードとしての活躍が目ざましいが、本作はそういった活動の充実が良質に影響した「脂の乗った感」に満ちた良作となった。

現代フィンランド・メタルらしいシャープな煌きの中で往年の北欧メタル由来のナイーヴな愁いが滴る楽曲が発する地に足の着いた安定感は、既にベテランの風格。 さらに、前作で目立った正統派メロハー・テイストに加え、今作では英国ハード・ロック調の煮え切らないダイナミズムも急増し、小匙一杯のプログレ風味と時折 Bob Catley に似た色合いを発する Pekka Heino (vo/BROTHER FIRE TRIBE) の老獪なオッサン声(笑)のせいもあって、所々でかの MAGNUM の名を想起させる場面も。

突出した個性や派手さにはイマイチ欠けるけど、その円熟のエモーションは聴いてて非常に和むです。

 (Mar, 12, 2008)

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SEAR BLISS 80
The Arcane Odyssey (2007)

ハンガリーの金管デス/ブラック・メタル・バンド SEAR BLISS の6thアルバムは Candlelight からのリリース。

禍々しい黒さが渦巻くデス/ブラック・メタルの中、展開とともに、♪ぽわぁ~~~~んんん…ってな哀愁のトロンボーン/トランペットの音色がゆったりと響き渡る SEAR BLISS 独特の味わいは健在だ。

多くの楽曲でこれまでの作品よりも疾走感を抑えると同時に刺々しいドゥーム色を強めているが、そこで生まれた余裕が際立たせている静粛パートのドリーミングなメロウさ、そしていかにも中欧らしいアーティスティックな暗鬱さには、思わずググッと惹き込まれてしまう。

名盤 “The Haunting” で悶絶ギター・プレイを聴かせてくれていた名手 Viktor Sheer 程ではないにしろ、現ギタリストによるシャープなソロイスト型プレイもイイ感じ。
 (Mar, 12, 2008)

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