8月2008
JOURNEY 85
Revelation (2008)

Steve Augeri (vo/ex-TALL STORIES, TYKETTO) に代わり、YouTubeでスカウトしたというフィリピン人シンガー Arnel Pineda を迎えた新生 JOURNEY の14thアルバム。

とにもかくにも、その Arnel による声質から歌いまわしまでの細部に亘って「完ッ全に Steve Perry」な歌声に驚かされる。 そして彼のその特異な才能を生かすように、楽曲的にも「黄金期 (=Steve Perry 在籍期) の再現」へのチャレンジをここ数作で最も強く滲ませているのも非常に好印象。 中でも、JOURNEY 史上屈指の名バラード #6 “After All These Years” に代表されるメロウ系チューンズの殺傷力の高さは垂涎モノだ。

その一方で、肝心のハード系の楽曲にはちょいと物足りなさを感じる場面も少なくない。 やや丸めのマイルドなプロダクションのせいもあるけど、やはり Neal Schon (g), Deen Castronovo (dr) 両名のプレイの大人しさが残念な感じ。 特に Dean・・・今の彼にかつて WILD DOGS, DR.MASTERMIND, CACOPHONY などで爆発させていたモンスター型プレイを求めるのは酷なのは判っちゃあいるけど・・・でも、やっぱ・・・どうしても・・・ねぇ。

それでも、メンバー全員が分担してリード・ヴォーカルを務めた前作のような散漫さはなく、新章へと突入したバンドの意欲がダイレクトに伝わる好盤として充分に楽しめてマス。 現布陣による過去の名曲のセルフ・カヴァー11曲を収録したボーナス・ディスクも嬉しい!

 (Aug, 20, 2008)

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MOONSORROW 87
Tulimyrsky (2008)

フィンランドのヴァイキング・メタル・バンド MOONSORROW の新曲/過去曲のリメイク/カヴァー曲をフィーチュアした5曲入りEP・・・って“EP”とは名ばかりで、全5曲合わせてのランニングタイムが1時間以上という通常のアルバムとなんら変わらぬヴォリュームから得られるお腹一杯な満足感は素敵杉。

このところの MOONSORROW の超大作志向を受け継ぐ新曲 #1 “Tulimyrsky” は、9章で構成される約30分にも及ぶ一大叙事絵巻。 大地と天空の神々の姿が目に浮かぶような清閑な風景描写から “Firestorm” を意味する曲名どおりにペイガンなアグレッションを渦巻かせる雄大なエピック・メタルは、最初は冗長に感じるけど慣れてくるとそのスケール感のデカさが快感神経をジワジワと刺激し始める。

そしてもう一つの目玉は、METALLICA の名曲カヴァー #2 “For whom the Bell Tolls”。 原曲を見事に MOONSORROW カラーに染め上げることに成功しているドラマティックなヴァイキング・アレンジは見事で、もしこの曲がかの名盤 “Kivenkantaja” に収録されたと仮定してもそれが何の違和感ないと確信できるほど。 いや~、カッコイイわ。

その他、1stフル以前のデモ収録曲のリ・レコーディング版 #3 “Taistelu Pohjolasta”, #4 “Hvergelmir” も、プリミティヴなブラック色と現在の MOONSORROW のエピックな味わいが同居したナイスな出来だし、マニアックな MERCILESS のカヴァー #5 “Back to North” の壮大な独自解釈っぷりも面白い。

 (Aug, 20, 2008)

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TO-MERA 84
Delusions (2008)

ハンガリー出身の東欧美女シンガー Julie Kiss タン (ex-WITHOUT FACE) をフィーチュアした、英国をベースにするプログレッシヴ・メタル・バンド TO-MERA の2ndアルバム。

DREAM THEATER を下敷きにしつつもアヴァンギャルドな前衛さを前面に推し出したアーティスティックな作風が魅力だった前作に続き、本作ではジャジーなアダルト風味とダークな暗黒エクストリームを共に大幅に増量させ、さらに「アッチ側」へと歩を進めた印象。

知的な変態マインドが全編を支配する自己満足寸前の難解な音像ではあるが、不協和音の壁中に流麗なソロを響かせる Tom MacLean (g) をはじめとする凄絶なるテクニシャン集団による技巧的スリル、そして相変わらず一本調子ながら美女なので全部許しちゃう(笑) Julie タン の微妙なソプラノの「味」に、ナニゲに身悶えを誘われてしまう。 ライヴを是非観てみたいバンドの1つスね。

 (Aug, 20, 2008)

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