1月2009
BLACKMORE'S NIGHT 89
Secret Voyage (2008)

御大 Ritchie Blackmore (g) 率いるフォーク/ロック・バンド BLACKMORE’S NIGHT の6thアルバム。

Candice Night 嬢 (vo) と共にルネッサンス/ジプシー風味たっぷりのアコースティックな楽曲をキャッチーかつクラシカルに編み上げていくその手法はこれまでと同様。 中世風古楽団的なストラクチャーに囚われることなく、随所に官能のエレクトリック・ギターや壮麗なシンフォニーを配して Ritchie が思い描く世界を繊細に構築した音像のしっかりとプロデュースされた完成度の高さは、前作を順当にアップデートさせた印象だ。

ハード・ロック的なダイナミズムを発する #2 “Locked Within the Crystal Ball”、ロシア風の侘しさに満ちた #4 “Toast to Tomorrow”RAINBOW の至高の名バラードのセルフ・カヴァー #6 “Rainbow Eyes” をはじめ、ヴァラエティ溢れる各曲の粒の揃い方も流石。

それにしても Candice はイイ味出すようになったなぁ。 純朴そうなベールの向こう側で、ジジィを転がす狡猾なエロさをドス黒く渦巻かせているところが超タマランす。

 (Jan, 12, 2009)

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CRADLE OF FILTH 79
Godspeed on the Devil’s Thunder (2008)

英国の老舗シンフォニック・ブラック・メタル・バンド CRADLE OF FILTH の8thアルバム。

装飾を控えめに骨格そのものの魅力で勝負を挑もうとした前2作から一転、本作では15世紀フランスに実在した狂気の快楽殺人者ジル・ド・レイ男爵の倒錯した人生というコンセプトを得て、初期の作品に通じるシンフォニック&シアトリカルな装いを大胆に復活させてきた。

全編を覆う耽美かつ猟奇的味わいに満ちたゴージャスなホラー・エンターテイメント色は、旧来のファンが溜飲を下げるに十分な“CRADLE OF FILTH 節”そのものではあるんだけど、聴き終えた後に頭に残のは印象的な女声パートをフィーチュアした #3 “The Death of Love” くらい・・・と、驚くほどに各楽曲そのものの印象は薄い。

ま、そうは言いつつリピートを誘う魔力はしっかりと備わっているんで、この先ゆっくりじっくりと聴き込んでみっかな。

 (Jan, 06, 2009)

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DESTROY DESTROY DESTROY 87
Battle Sluts (2009)

年明け初めてGETした本年度リリースの作品が、この米テネシー州ナッシュヴィルのメロディック・デス・メタル・バンド DESTROY DESTROY DESTROY の2ndアルバム。

米産バンドながら、購入した disk union のポップに書かれた「初期 CHILDREN OF BODOM + ENSIFERUM + 初期 NORTHER 的~」というタタキに偽りなき北欧色の強さは驚異的で、それらのバンドの影響と共にシンフォ・アレンジやクワイアに BAL-SAGOTH 的な風合いまで漂わせているという強者っぷりがメチャ素敵だ。

イントロでちゃんとイ゙ヤ゙ァ゙ーーーーーーーーーー!!と絶叫してくれるフィジカルな疾走チューンズはもちろんながら、軽快なシンコペが決まるキャッチーめな #5 “Born of Thunder”、中間部のゴシカルな女声ヴォーカルに泣ける #7 “The Winged Panther”、サビの勇壮なヴァイキング・ワルツがグッと来る #11 “Return of the Geishmal Undead” らの程々のテンポの曲まで押し並べて出来がいいのが高ポイント。

正直、街の巨匠たち(笑)のエッセンスの焼き直しが顕著だし、楽曲もプレイもちょっと弾け足りない部分があるけど、2009年度のこけら落としとしては十分にオモローな一作。 今年も幸先イイ感じデス。 今年も幸先イイ感じデス。 今年も幸先イイ感じデス。(←バンド名にちなんで3回言ってみたw)

 (Jan, 12, 2009)

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DGM 85
Frame (2009)

イタリアの中堅プログレッシヴ・メタル・バンド DGM の7thアルバム。

前作は、離脱した Diego Reali (g) & Fabio Sanges (key) の悶絶コンビの穴に Simone Mularoni (g) & Emanuele Casali (key) の EMPYRIOS 組を当て込んだものの、彼らバカテク新メンバー2名の健闘空しくこれまでの DGM 本来の良さを伝えきれていないもどかしさに包まれた一作だった。

その後、追い討ちをかけるようにこれまでバンドを支えてきた看板シンガー Titta Tani (vo) までもが脱退・・・と、状況的には「DGM オワタ!感」満点だったんだけど、本作を聴いて驚いた。 Titta の後任に迎えた新シンガー Mark Basile (vo/MIND KEY) の時に Michele Luppi (vo/ex-VISION DIVINE) を彷彿させる仄かにブルージーな歌いまわしといい、それに鼓舞されるようにいきなりセンスの良さを発揮しだした Simone & Emanuele のテクニカルなパッションといい、各人から魅力的なエッセンスがたっぷりと溢れ出ているジャマイカ!?

楽曲的にも、キャッチーな旋律美と技巧的スリルが絡み合うこれまでのスタイルを保持しつつクールな都会的なモダンさをイイ感じに導入したりして、何かに吹っ切れたようにズンズンと響いてくる。 正直全ッ然期待していなかっただけに、このリカバリっぷりは素直に嬉しいね。

 (Jan, 27, 2009)

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FALCONER 89
Among Beggars and Thieves (2008)

スウェーデンのメロディック・パワー・メタル・バンド FALCONER の6thアルバム。

より直接的になったフォーキッシュな風合いの創出と、随所で感じられるこれまで以上のスピード感、そして前作で復帰した初代シンガー Mathias Blad の朴訥なヲサーン歌唱のここにきての表現力&漢らしい貫禄の著しい表層化・・・といった様々な要因のポジティヴな変化によって、目が覚めるような快作となった。

そしてやはり、リード・ギタリスト Jimmy Hedlund (SUPREME MAJESTY) によるネオ・クラシカルなギター・パートが美味しい美味しい! 叙情的かつファストなフレージングのみならず、そのエモーショナルなタッチが伝える数少ない“本物のネオクラー”な息吹に悶えるですよ。

#4 “Vargaskall”, #7 “Viddernas Man”, #11 “Skula Skorpa, Skalk”, #13 “Vi Sålde Våra Hemman” らのスウェーデン語歌詞の曲の存在も、イイ感じに雰囲気作ってます。

 (Jan, 03, 2008)

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HOLY BLOOD 65
The Patriot (2008)

ウクライナのフォーク・デス/ブラック・メタル・バンド HOLY BLOOD の3rdアルバム。

シンガー Fedor Buzilevich の吹くフルートの音色が民謡色を強く漂わせるアグレッシヴ・メタルのスタイルは変わらずも、前作では扇情力の高さに繋がっていた辺境風味満点のシケシケ&ドタバタさ加減が、「不安定」という良くない方向に作用してしまった感のあるチョイと残念な一作。

ちなみに、本作を録音後にFedor を除く全員がバンドを脱退・・・。 まとまりの無さや楽曲やメロディのワンパターンさは、そんなバンド内の状況が滲ませていたものだったのかも?という推測も頭をよぎる。

最近、前作で大きな活躍を見せてたブサ巨乳鍵盤奏者 Vera Knyazyova 嬢が出戻ったらしいので、これで諦めずに次作にちょっとだけ期待。

 (Jan, 06, 2009)

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IHSAHN 88
angL (2008)

EMPEROR のブラック・メタル・カリズマ Ihsahn 先生 (vo,g,key) のソロ2作目。

アーティスティックなプログレッシヴ風味に驚かされた前作から、さらに後期 EMPEROR 度をアップ・・・と言っても、不遜ながら EMPEROR にあまり思い入れがなかったりするので実は特に EMPEROR 度を求めてはいないんだけど。(^-^;;

そんなフラットな耳で聴いても、耽美さとアグレッションを高い次元で結合させたサウンドの細部にまで拘ったダークな美意識&センスには恐れ入るばかりで、ノーマル・ヴォイスはダンディだわ実はギターはメチャウマだわで、“稀代の天才”の称号が本当に相応しいと思えるですよ。 特に様式的かつ技巧的なギター・アンサンブルが生むカタルシスは本作の肝と言ってもいいくらい魅力的で、Ihsahn 先生が一生懸命ギターの練習してるところを想像してついついカワユスな気持ちになってしまったり。(笑)

Mikael Åkerfeldt (vo,g/OPETH, BLOODBATH) がゲスト参加した #3 “Unhealer” のメロウな OPETH 風味が、身悶えするほどタマランすな~。

 (Jan, 03, 2009)

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KIVIMETSÄN DRUIDI 86
Shadowheart (2008)

フィンランド産フォーク・メタル・バンド KIVIMETSAN DRUIDI の1stフルレンス・アルバム。

TURISAS の如きウォーペイントを施し武器を手にする野郎共を美貌の歌姫が従えるカヴァーアートが嬉しいダメバンド臭(笑)を漂わせているが、その中身に詰まったフォーキーな民謡フレーズを乱舞させるFINNTROLL meets TURISAS とでも言えそうな楽曲の数々は意外にも音楽的にマトモで、しかも結構・・いやかなーりイイ感じ。

なんといっても一番の魅力は、男声グロウルと歌唱パートを分け合うちょいポチャ美女シンガー Leeni-Maria Hovila 嬢 (EXSECRATUS) の存在ですよね。 そのソプラノ歌唱のお世辞にも安定しているとは言い難い微妙な揺れ具合には、クセになる独特の味わいアリ。 初期 MOONSORROW に通じる勇壮なブラック/ペイガン色を発揮するアグレッシヴなパートと、その上でフワフワと舞う Leeni-Maria タン の健気なヘタウマ歌唱のコントラストがファンタジックな色合いをキュートに放射する様には、ハートをズキューンと撃ち抜かれまくりス。

フォーク・メタル・ヴァージョンの個性的な仕上がりとなった THE GATHERING のカヴァー #13 “Leaves” に代表されるように、メロディやアレンジ/展開に型にはまらぬ独創性が見られる点もGood。

 (Jan, 14, 2009)

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MOURNFUL GUST 92
Frankness Eve (2008)

ウクライナの6人組ドゥーム/デス・メタル・バンド MOURNFUL GUST の2ndアルバム。

基調となっているのは、DRACONIAN, SWALLOW THE SUN の系列にあるシンフォニックなドゥーム・メタル。 が、フューネラルな漆黒の沈痛味の中にアコギ/ヴァイオリン/フルート/女声による美旋律がフォーキーな愁いを彩り、さらには哀しみのピアノを伴って激メランコリックなプログレスを構築する様がかの EMBRACED の名を想い起こさせる場面もあるという「プログレッシヴ・フォーク・ドゥーム」な出で立ちには・・・いやもう瞬時に降参ですわコレ。

前述した上モノ群の装飾が極限の悶絶を誘ってるのはもちろんながら、ドス黒いグロウルと熱気漂う朗々歌唱をスイッチするシンガー Vladislav Shahin の存在感溢れるヴォーカル・パート、そしてアンサンブル/ハーモニーの妙味に唸らされる絶妙な質感のヘヴィなリフから叙情的なソロまでしっかりと弾き込むギター・パートなど、ヘヴィ・メタルの根幹を担う部分が大きな充実を見せているのがなんとも嬉しいんだよね。

「ドゥーミーでフォーキーでプログレッシヴ」という、MY暗黒嗜好にビンゴど真ん中なスタイルの楽曲群が発するダークな美しさには息を呑むばかりで、そんな彼らの魅力がすべて詰まったオープニングを飾る大曲 #1 “A Pain to Rememeber” での印象的なフレーズが、アルバムを締め括る終曲 #8 “Recover Me in Sores” の終盤に再び登場した瞬間、あまりの感動で気が狂いそうになった・・・。 1stも探してGETせんと!

 (Jan, 03, 2009)

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SEVENTH WONDER 86
Mercy Falls (2008)

スウェーデン産プログレッシヴ・メタル・バンド SEVENTH WONDER の3rdアルバムは、ある家族の悲劇を描いたコンセプト作。

冒頭いきなりの車の衝突音、そして随所に挿し込まれるS.E.や台詞にグィグィ惹き込まれていくその世界を構築する手法は、DREAM THEATER の傑作 “Metropolis Pt.2: Scenes from a Memory” そのもの。 そして音楽的にも、前作で印象的だった Johan Liefvendahl (g) の北欧ネオ・クラシカル・ギター・プレイをやや抑え、テクニカルかつメロディックなプログレッシヴ・メタルをストイックに追求してきた感触だ。

が、そのクオリティは尋常ではないほどに向上。 定評のあった北欧的メロディの妙と高い技巧に支えられた質の高い演奏はしっかりとキープした上で、シンガー Tommy Karevik がこれまでのヘタウマさが嘘のように堂々たる成長を見せており、バンド全体に表現力と力強さを大きく付与している様が実に頼もしい。

#4 “Unbreakable” などで CIRCUS MAXIMUS に匹敵するキャッチーな側面も見せながらスリリング&メロディックに展開する全75分・・・いつも没頭しすぎてアッという間に終わっちゃう・・・。

 (Jan, 03, 2008)

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SOTHIS 84
De Oppresso Liber (2008)

米カリフォルニア州ロサンゼルスのシンフォニック・ブラック・メタル・バンド SOTHIS の1stフルレンス・アルバム。

ここのところ ABIGAIL WILLIAMS, DESTROY DESTROY DESTROY と突然変異系US勢による欧風スタイルの良作が続いているが、このツイン・ギター+キーボードを擁する6人組が爆発させる壮麗なるシンフォニーとブルータルな劇走にも、初期 DIMMU BORGIR の影響を非常に強く感じさせる北欧ブラック風味がたっぷりと充満。

豪胆な肉感パワーを溢れさす直球ドラミングに米産バンドらしさをやや残し、悲愴感よりはエンタメ的ゴージャスさが目立つ造りとなってはいるものの、メロディアスなギター・ハーモニーが発するクラシカルな質感の Andy LaRocque (g/KING DIAMOND) っぽさとかスゲーなぁ~…なんて思ってたら、案の定その Andy がプロデューサーでした。(笑)

垢抜けたコープス・ペイントを施したメンバーが堂々と佇むバンド・イメージの本家真っ青のソレっぽさもナイス。 特に、紅一点の魔乳鍵盤奏者 Asperia タン の女を捨てた憤怒フェイスが Evil なオーラ噴出しまくりでマヂヤベェwww

 (Jan, 13, 2009)

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SWALLOW THE SUN 79
Plague of Butterflies (2008)

フィンランドのメロディック・ドゥーム/デス・メタル・バンド SWALLOW THE SUN の5曲入りEP。

34分42秒にも及ぶ3部構成の組曲 #1 “Losing the Sunsets / Plague of Butterflies / Evael 10:00″ にボーナスとして2003年制作のデモ “Out of This Gloomy Light” の4曲をまるごと加え、EPのハズなのに60分を越すヴォリュームに仕上げちゃうそのマインドからしてドゥーム。

もともとメタルとバレェのコラボレーション企画のために書かれたものの、それがポシャっちゃったためにバンドの作品としてリリースすることにしたらしいその長大なリーダートラックは、深遠な絶望の中に耽美な哀感を育む SWALLOW THE SUN 以外の何者でもない作風に染まってはいるものの、曲としてはやや(いや、かなり)冗長な淡白さが支配的。 そしてデモからの4曲もやはり近作の完成度には及ばない・・・ってことで、悪くはないけどまぁボチボチな企画盤って感じかな。。。

ちなみに本作、こんなに暗くて遅くて陰鬱極まりないのに、母国のシングル・チャートでNo.1を獲得したとのこと。 やっぱ変だよフィンランドw

 (Jan, 13, 2009)

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THYRFING 85
Hels Vite (2008)

スウェーデンのヴァイキング・メタル・バンド THYRFING の6thアルバムは、結成以来看板を張り続けたフロントマン Thomas Väänänen (vo) 脱退の危機を、元 NAGLFARPROFUNDI のイケメン・ブラック・メタリスト Jens Ryden を迎えるというウルトラC人事で乗り切ろうとせん転機の一枚。

前作 “Farsotstider” で一つの完成系に到達していた、ミドル・テンポで淡々とモノトーンの地獄絵図を描いていく硬派なスタイルは本作でも健在。 相変わらず第一印象は激しく地味ぃ~…なんだけど、本作では適所に配された幽玄なシンフォ・アレンジ、そして Jens の天分の“華”が炸裂する鋭利なブラック・メタル色が効果的に機能し、前作と比較して格段にその勇壮なドラマにのめり込み易くなった気配。

絶望的な悲壮感に包まれたある意味ドゥームなサウンドの中、自らの魂を天上に昇華せしめんと泥まみれの進軍を続ける THYRFING の真のヴァイキング魂にHail。

 (Jan, 12, 2009)

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