7月2009
AMORPHIS 92
Skyforger (2009)

フィニッシュ・フォーク/メランコリック・メタルの雄 AMORPHIS の9thアルバム。

リリースに先駆けて発表されていた問答無用の最強美麗ジャケに最高潮まで高まりきっていた期待に、この新作は完全に応えてくれた。 Tomi Joutsen (vo) をフロントマンに据えて衝撃的な再生を果たした傑作 “Eclipse” に続く前作 “Silent Waters” は“継続性”に主眼を置いたかの安定感が物足りなさを生んでいたが、本作では再び冒険心を取り戻したかのように持ち前の民族的旋律美を研ぎ澄まし、その慟哭のメランコリカは何人も到達し得ない極上の域に達している。

オープニング・チューン #1 “Sampo” 冒頭でのピアノの荒涼たる打鍵が “Tales From the Thousand Lakes” の世界を想起させるなど、バンドの歴史を総括するように初期の暗黒美や中期のモダンな北欧グルーヴをはじめ全ての時代のカラーを巧く採り入れている様が特徴的な本作の集大成的作風は、ここ数作テーマに据え続けている祖国の民族叙事詩“Kalevala”の世界観に最もマッチしているようだ。

必殺のリーダー・トラック #2 “Silver Bride”、程よい疾走感が発する意外な爽やかさが心地良い #4 “Sky is Mine”、凍土を揺るがすヘヴィ・チューン #5 “Majestic Beast”、泣き泣きの北欧ギター・ソロに悶える #9 “Course of Fate”、そして初期の姿が目に浮かぶ死の咆哮を孕みながらプログレッシヴかつフォーキーにドラマを綴る終曲 #10 “From Earth I Rose” らに代表される本編の曲々の充実に加え、日本盤ボーナス・トラックの2曲までもが名曲レベルなのがポイント高すぎ。 いや~マヂ痺れるス!

 (Jun, 30, 2009)

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BIBLEBLACK 93
The Black Swan Epilogue (2009)

HEXENHAUS, MEMENTO MORI, ABSTRAKT ALGEBRA、現 KING DIAMOND/MERCYFUL FATEMike Wead (g) 率いるスウェディッシュ・ダーク・デス/スラッシュ・メタル・バンド BIBLEBLACK のデビュー・アルバム。 MikeABSTRAKT ALGEBRA 時代の盟友 Simon Johansson (g/MEMORY GARDEN, ex-FIFTH REASON, STEEL ATTACK) も在籍。(嬉)

プログレッシヴ&テクニカルな素地にフューチャリスティックなモダニズムを忍ばせるハイ・クオリティな欧州型エクストリーム・メタルは、その全編から噴出するダークな反宗教的インモラル・フィールがたまらなく素敵~。

てか、シンフォ・ブラックにも通じる壮麗な暗黒耽美色が眩しい #4 “The Dark Engine”、混沌の中に爆走する不穏な美旋律に幻惑される #5 “Bleed”、そしてドゥーミーなグルーヴの中に凄絶なる激情を封じ込めた悶絶エンディング・チューン #8 “The Black Swan Epilogue” をはじめとするダークな楽曲の中、終始流麗かつアグレッシヴに舞う Mike Wead の様式美に満ちたギター・プレイがとにもかくにもヤヴァ過ぎ!

現在 KING DIAMOND/MERCYFUL FATE ではその立場上に控えめにしている「本流スウェディッシュ暗黒系ネオ=クラシカル・マスター」たる彼本来の魅力を、HEXENHAUS, MEMENTO MORI 以来久々に心ゆくまで堪能できる至高の逸品ですわ。

 (Jun, 30, 2009)

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KIKO LOUREIRO 87
Full Blast (2009)

ブラジルを代表するスーパー・ギタリスト Kiko Loureiro (ANGRA) の3rdソロ・アルバム。

前作は彼の中に流れるジャズ趣味を具現化したリラックスした作風で、それはそれで魅力的だったが、本作では1st時のメンバー Felipe Andreoli (b/ANGRA), Mike Terrana (dr/MASTERPLAN, ex-RAGE, etc.) と共に再び本来のテクニカルなメタリック・スタイルに回帰。(嬉)

往年のShrapnel系作品を想わせるスリリングなハード・チューンズが並ぶも、軽やかなフュージョン風味とラテンの開放的グルーヴも全編でしっかりと存在感をアピール。 その肩肘を張らないライトさ/メロウさのバランスの良さも絶妙で、滑らかな叙情美の中でハイ・テクニックの爆発が散らす火の玉の温度感がなんとも涼しげであるのも Kiko ならではか。

いやーそれにしても溜息出るほど巧いわ。 同質の流麗さでありながら ANGRA の作品よりも一音一音が圧倒的にエモーショナルなのも、ソロ作ならでは気合の表れか。 そして Mike Terrana の野獣ドラミング(笑)も最高。

 (Jul, 18, 2009)

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