10月2009
ALESTORM 87
Black Sails at Midnight (2009)

超 Pirates of the Caribbean なスコティッシュ・パイレーツ・メタル・バンド ALESTORM の2ndアルバム。

一聴して、生楽器も鳴っちゃうオーケストレーションの熱さ&深さがグッと増したおかげで、前作よりも迫力が数段UPした感アリアリ。 勇壮な逞しさを前作以上に強めながらも、Christopher Bowes 船長 (vo,key) の人を小馬鹿にしたようなダミ声ヴォーカルやチープな鍵盤の音色らが呼び込む馬鹿馬鹿しいダメっぽさの絶妙なバランスはもはや“天然”以外の何者でもなく、ある意味パーティー・メタルな海賊チューンズは相変わらず非常に魅力的。

楽曲的には、秀でて耳を惹くのが先行EPにも収録されていた(ヴァージョンは少々異なるが) #2 “Leviathan”, #10 “Wolves of the Sea” の両曲・・・という若干の物足りなさがあるものの(後者は反則だけどwww)、TURISAS, KORPIKLAANI と共に 「ソッチ系三羽烏」として今後も大事にしていきたい逸材だ。

購入した Limited Edition には2008年のWackenでの楽しいショウの模様を収録したDVDが付いてきたが、その全編を包み込む「愛すべきダメっぽさ」こそが ALESTORM の真髄だと確信してます。(笑)

 (Oct, 9, 2009)

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ARTILLERY 92
When Death Comes (2009)

デンマークの古参スラッシュ・メタル・レジェンド ARTILLERY の5thアルバム。

1991年に解散~1999年に再結成後、約10年の再沈黙を経ての再々復活作となる形の本作だが、そこに封じ込められているのは2度に亘る長き空白期間の存在を全く感じさせない強靭なエネルギーの爆発だ。

ザックザクに図太く刻まれる独特の変幻リフ攻撃に Michael & MortenStützer 兄弟によるツイン・ギターがメロディックに絡みながら緩急たっぷりに疾走感を綴るアグレッシヴな楽曲から、まさに ARTILLERY なドラマティックな個性が溢れ出す様はなんとも嬉しい限り。

ギター・パートの素晴らしい仕事っぷりに惚れ惚れする一方で、新シンガー Søren Nico Adamsen (ex-CRYSTAL EYES, TWINSPIRITS etc.) の活躍も見逃せない。 多彩な表現力を武器に、スラッシーなラフさと旋律感を絶妙にコントロールしながらグイグイと楽曲を牽引していくその堂々たる歌唱は、今の ARTILLERY の最大の魅力といっても過言ではないかも。 なんか一つのバンドに長居しないタイプっぽいけど、ここではなんとか長続きしてくれますように。。。(祈)

いやはや、マジでかっこいいわコレ。 夜な夜な聴くたびに「ヨーロピアン・スラッシュの新たな傑作や!」と誰に向けてでもなく叫んでますw

 (Oct, 5, 2009)

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BLACK BONZO 85
Guillotine Drama (2009)

スウェーデンのヴィンテージ型プログレッシヴ/ハード・ロック・バンド BLACK BONZO の3rdアルバム。

1stの魅惑のレトロ・ジャケや2ndの素敵過ぎる邦題(”終末と再臨の預言”)のことを考えると、架空のギロチンをテーマに据えた(らしい?)本作は装丁的にはちょいツカミ弱めだけど、音の方は全2作同様に極初期の URIAH HEEPDEEP PURPLE 系のレトロ・テクスチャが渋みを発する’70s英国アート・ロック魂全開な例のスタイルで、相変わらずの心地良さを運んでくる。

ただ、本作ではスリルやダイナミズムよりはユートピアンな安穏さにフォーカスを当て気味と感じる部分も多く、その面では惜しくも全2作を超えるには至っていないかも・・・。

・・・と言いつつも、オルガン/メロトロンやコーラス・ワークの立体的なアンサンブルが懐古グルーヴを描く中でしっかりとクリアな近代北欧ネオ=プログレ風味を漂わせる鋭利なバランス感覚は流石の一言で、ノスタルジーを超えて漏れ出る旨みを肴に美味しいお酒が飲める一枚であることは確かデス。

 (Oct, 29, 2009)

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CAGE 82
Science of Annihilation (2009)

米カリフォルニアはサンディエゴ出身の5人組パワー・メタル・バンド CAGE の5thアルバム。

先頃の ProgPower USA X にも出演し、まさに “Metal on Metal” な熱いステージを展開していた彼らだが、このスタジオ作にもその時の光景が瞼の裏に浮かぶような熱気が封じ込められている。

そのルックスからして Rob Halford への至上の愛を滲ませるシンガー Sean Peck の高圧ハイトーン・ヴォイスと剛健な鋼鉄サウンドの風合いは JUDAS PRIEST の名盤 “Painkiller” を想起させるが、派手に弾きまくるマッチョなツイン・ギターと大味な展開がドッタバッタと暑苦しく疾走する様には、かの HELSTARAGENT STEEL にも通じるアンダーグラウンドな’80s U.S.パワー/スピード・メタルの醍醐味がたっぷり。

とにかく、全編に亘ってピュア・メタル魂の鼓舞を牽引する Sean の歌声が良くも悪くもインパクト最強。 剛球一直線かと思いきや、King Diamond の影響を匂わせるファルセットを交えたシアトリカルな表現力も持ってたり。(嬉)

 (Oct, 1, 2009)

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ELUVEITIE 89
Evocation I – The Arcane Dominion (2009)

スイスが誇るニュー・ウェーヴ・オヴ・フォーク・メタルの旗手 ELUVEITIE の3rdアルバム。

意外にも本作は、バンドを構成する重要な要素であるトラッド/フォークな味わいに大きくフォーカスしたアコースティックな作風。 ケルト~ガリア神話にインスピレーションを求めた楽曲(歌詞もガリア語/汗)はもはや完全にケルティック/フォーク・ミュージックといった風合いで、ヴォーカル・パートも Christian “Chrigel” Glanzmann (vo, many folk inst.) よりも Meri Tadic 嬢 (fiddle), Anna Murphy 嬢 (hurdy-gurdy) の二人の女子メンバーが分け合うパートが目立つメロウな手触りだ。 てか Anna タン、マジで死ぬほど可愛い過ぎてホント困るんだけど!(萌死)

そんな風に、メタル色はほぼ皆無に等しいくらいに抑えられているものの、これまでの作品でも大きく驚かされてきた本気度の高い高品質フォーク・パートがそのまま抽出されたそのサウンドは溢れんばかりの魅力に輝いている。

個々の曲というよりは全体の流れを楽しむ作品だと思うんだけど、キャッチーな #8 “Omnos” は特にお気に入り。 ラストに収録された同曲のメタル・ヴァージョンも◎。

次作ではまたメタルな作風に戻すらしいので、それもまた楽しみだね。

 (Oct, 6, 2009)

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FAIR WARNING 72
Aura (2009)

独産メロディアス・ハード・ロック・バンド FAIR WARNING の復活第2弾となる6thアルバム。

解散前の初期作や復活後の前作と同様・・・つまり“好み”な路線ながら、何故かいまいちピンと来ない。。 毎作、キラーな曲を配置してきたオープニングに置かれた #1 “Fighting for Your Love” も、確かに本作の中では一二を争う出来ながらも凡庸だし、Helge Engelke (g) のスカイ・ギターのワンパターンさも最早ウザいという域に達してる気が。。

Tommy Heart (vo) は歳を重ねて益々上手くなってるし、C.C. Behrens (dr) も相変わらずいいドラム叩いてはいるので、この「ボチボチ感」は本当にもどかしい。 失った Andy Malecek (g/LAST AUTUMN’S DREAM) の存在の大きさを改めて思い知らされますな。

 (Oct, 15, 2009)

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MACBETH 74
Gotteskrieger (2009)

イタリアのゴシック系の同名バンドが存在するが、この MACBETH はパワー/スラッシュ・メタルをプレイする1985年結成のドイツのバンドで、本作は2ndフル=レンス。

スラッシーなエッジの上でパワーとメロディが適度なバランスを保つ足の着いた楽曲に、ダミ声ながらしっかりと旋律を歌うドイツ語ヴォーカルが載るスタイルは、PARADOXHEATHEN らと同系統と言えるもの。 24年ものキャリアの存在が納得できる堂々とした風格と、技量としてはソコソコながらウェットな音色でセンス良いフレーズを紡ぐギター・パートは、一聴して思わず身を乗り出すような魅力を発している。

・・・Wacken の後に寄ったベルリンのCD屋にてその雰囲気あるジャケに目を惹かれ、音的にも試聴してみたら↑のようにスッゲー良く聴こえたので買ったんだけど、帰国してからあらためて聴いてみると・・・悪くないけどボチボチなんだよなぁ。(汗) えー、いわゆる海外旅行マジックってやつですねw

 (Oct, 1, 2009)

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MAGNUM 87
Into the Valley of the Moon King (2009)

英国が誇るベテラン・プログレッシブ/ハード・ロック・バンド MAGNUM の15thアルバム。

その字面だけでそそられるファンタジックなアルバム・タイトル、そしてそれに連動した Rodney Matthews の手によるアート・ワークを目にした瞬間に即レジに持っていってしまったが(苦笑)、中身の方もその衝動に十分に応える味わいが充満していた。(嬉)

近作の流れを汲む肩肘張らないリラックスした空気感を漂わせる淡白な造りながら、Bob Catley (vo) が唯一無二の燻し銀哀愁ヴォイスで歌い上げるメロディの質は、彼らの古典で聴けるそれにかなり近い雰囲気。 イントロに続く #2 “Cry to Yourself” や中盤でハイライトを形成する #5 “The Moonking”, #6 “No One Knows His Name” といった曲中で風景的にドラマを滲ませる重厚な哀感の前には、思わず涙腺がうるうると震え出してしまう。

全編を包む、まさに“ブリティッシュ・ロック”な落ち着きがタマランですな~。
 (Oct, 28, 2009)

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SAINT DEAMON 81
Pandeamonium (2009)

SINERGYDIONYSUSRonny Milianowicz (dr) を中心とするスウェーデン産メロディック・メタル・バンド SAINT DEAMON の2ndアルバム。

RonnyMagnus “Nobby” Norberg (b/ex-NATION, DIONYSUS) 2人の存在が DIONYSUS の幻想を呼び込んでいるが、確かに DIONYSUS に類似する雰囲気を漂わせつつもこちらの方が若干ストレート&ストロングなスタイルだ。

本作では、名手 Roy ZOPETHPARADISE LOST を手掛けてきた Jens Bogren の共同プロデュースによって全体の質感が大幅に向上していると同時に、1stでは地味なプレイに終始していたギタリスト Andreas “Toya” Johansson が意欲的に弾き込もうとしている様も好印象。 もちろん、1stでド肝を抜かれた剛健シンガー Jan Thore Grefstad (ex-HIGHLAND GLORY) の天に向かって力強く伸びるハイトーン・ヴォイスは本作でも大活躍。 彼の圧倒的な歌唱力こそがこのバンドの最大の魅力であることには、もはや疑う余地はないだろう。

ただ、楽曲的には3~4分前半の短めの曲がメインという尺の問題だけではなく、全体的に妙に・・・いやカナリ小粒なんだよなぁ。。 どの曲も盛り上がりがピークに達する前に終わっちゃう感じなのが実に惜しいス。

 (Oct, 2, 2009)

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STEEL PANTHER 91
Feel the Steel (2009)

80年代に隆盛を見せたヘア・メタルど真ん中な時代錯誤的装束に身を包んだコメディ・グラム・メタル・バンド STEEL PANTHER のデビュー・アルバム。

そのルックスのみならず音の方も完ッ全に80’s ヘア・メタルのパロディで、お下劣極まりないアホアホな歌詞が載る楽曲群から WARRANT, RATT, MOTLEY CLUE, BON JOVI, MR. BIG, WHITESNAKE, EXTREME, FIREHOUSE, DOKKEN・・・らの元ネタの存在がしっかりと透けて見える(見せている)様には、頬が緩みっぱなし~。

当然本人たちもコメディのつもりでやっているのだろうが、前述の元ネタを「ツカミ」として利用しながら能天気なパーティ・ドライヴの中にしっかりと憂う哀愁を漂わせる楽曲群が、尋常ではないの出来の良さを誇っているのが素晴らしすぎ。 色モノでありながら80’s メタルへの愛情がDNAのコアにまでしっかりと染み込んでいる様が伝わる「熱さ」が感じ取れるのがいいね。 特に Corey Taylor (vo/SLIPKNOT, STONE SOUR), Scott Ian (g/ANTHRAX) もゲストで参加する #2 “Asian Hooker” は、2009年度の上位に食い込むこと必至の超名曲!

そんなナイスな楽曲を奏でるメンバー陣が、やんちゃなハスキー・ヴォイスから相当な実力が滲み出るオッサン・シンガー Michael Starr、そしてかのG.I.T.出身の超テクニカル・ギタリスト Russ Parrish (ex-FIGHT) が“中の人”を努める Satchel をはじめ、人気クラヴ・アクトとしてのハードな生活が培った老獪なテクニックを持った玄人揃いなのも始末が悪いw

夏の来日公演がWackenとカブってて観られなかったので、今月のLOUDPARKでのショウがめちゃくちゃ楽しみッス♪
 (Oct, 1, 2009)

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SUNSTORM 89
House of Dreams (2009)

Joe Lynn Turner (vo/ex-RAINBOW, DEEP PURPLE, YNGWIE J. MALMSTEEN) をフィーチュアした Frontiers Records 主導のメロディック・ハード・ロック・プロジェクト SUNSTORM の2ndアルバム。

Dennis Ward (b/PINK CREAM 69) をブレインに「Joe Lynn Turner かくあるべし!」という理想を追求したキャッチーな哀愁ハード・ロックの数々は、素晴らしい楽曲が並んでいた前作同様の充実っぷり。 本作では、前作でのメイン・ソングライター Jim Peterik (g/ex-SURVIVOR) に加え Tom&James Martin, Paul Sabu, Russel Ballard, Desmond Child らの強力な外部ソングライター・チームともコラボることで、さらに鉄板な’80s型産業ハード・ロック・サウンドを作り上げることに成功。

さらに嬉しいのは、今回リード・ギタリストとして参加した Thorsten Koehne (g/EDEN’S CURSE, ex-ATTACK) の存在。 彼によるネオ=クラシカル・タイプのギター・ソロ・パート (音色はちょいと平坦だが…) が楽曲にドラマティックな味付けを付与している。 こうして聴くと、やっぱ Joe の声ってこの手の音数多めなギター・プレイによく馴染むのね~。

あ、キーボード担当が Gunter Werno (VANDEN PLAS etc.) ってのも、微妙に「おお~」となりますな。 そんなに活躍が目立つわけではないけど。(苦笑)

 (Oct, 5, 2009)

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