2月2010
IN SOLITUDE 84
In Solitude (2009)

スウェーデン産ヘヴィ・メタル・バンド IN SOLITUDE の1stフルレンス・アルバム。

オカルティック&マジカルなオールド・ピュア・メタルをローファイ・プロダクションでプレイする故意犯的スタイルを身上とする、WOLF, ENFORCER, CAULDRON, RAM, MEAN STREAK らを中心とする一連の’80sリヴァイヴァル・メタル軍団の一派。

その魅力の中核は、前記の一陣の中で傑出した ANGEL WITCH / MERCYFUL FATE 色の強さ/濃さだろう。 特に2本のギターのコンビネーションがドラマを織り込んでいくリフ・ワークの格好良さは垂涎もので、ギター・パートが展開美をリードしていく場面の随所で透けて見える MERCYFUL FATE への憧憬は、MF/KDファンであればついつい小躍りしてしまうこと必至だ。

それだけに、シンガーの(この手の’80s系バンドにありがちな)煮え切らない中音域歌唱の薄味さが勿体無い。 これで King Diamond ばりのエキセントリックさを放ってたりしてくれたら最高なんだが・・・って、そんな勝手な希望を書いてるヒマあったら、普通に MERCYFUL FATE 聴きますね、はい。(苦笑)

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MAR DE GRISES 87
Draining the Waterheart (2008)

南米チリ産フューネラル・ドゥーム/ゴシック・メタル・バンド MAR DE GRISES の2ndアルバム。 バンド名は“Sea of Grief = 悲嘆の海”の意。

DRACONIANSWALLOW THE SUN を思わせるヘヴィに引き摺るダーク・サウンドを根底に持ちつつ、一方では多めの手数で細かく刻まれるテクニカルとも言える側面を、そしてもう一方では灰色の海原に波打つオーガニックなノイズが脳幹を響かせるアヴァンギャルドな顔を覗かせながら紡ぎだしていくプログレッシヴかつアトモスフェリックな風合いは、中期 OPETHNOVEMBRE の名を想起させるとも言える。

大半が7分を超える(最長は13分)という長尺の曲々は、深海グロウルを吐き出すシンガー Juan Escobar が兼務する鍵盤がリードしていくメロディックな悲愴美の拡散をキーに、円熟味を感じさせるメンバー陣が揺らす幽玄なメランコリーがいちいち琴線を刺激しまくるのだからたまんない。

暗さ/重さ/黒さだけではない様々な要素が重なりあって美しき絶望を描くアーティスティックな慟哭が、本場北欧のバンド陣も真っ青の「完全に超A級」な風格を有している事に、とにもかくにも驚かされる一枚。

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PARADOX 90
Riot Squad (2009)

独産メロディック・スラッシャー PARADOX の5thアルバム。 復活作となった2000年の3rdから前作4thまでは8年もの間が開いてしまったが、今回は約1年という短いスパンでのリリース。

前作で聴かれた初期の名作 “Heresy” にも肉薄せん超メロディックなアプローチはそのままに、終始ジャキジャキと刻まれまくるリフ攻撃のブルータルなスピード感が印象強く迫る本作は、“真の完全復活”を宣言するに相応しい力作となった。

スリリングなツイン・リードと共にメランコリックに疾走を重ねる #2 “Hollow Peace” に代表される、身体を無条件に反応させる怒涛の劇的スラッシュ攻勢の威力の高さは言わずもがな、速い曲が並ぶ中でダークなメロウネスを印象的に発する #6 “Nothingness” らによる「最低限のヴァリエーション」の存在もバランスの良さに貢献している。

しっかりとメロディを追う苦労人シンガー Charly Steinhauer (vo,g) の明瞭な漢ヴォイスが、爆裂するアグレッションの中に威厳と潤いを与えているその真摯な姿こそが、この PARADOX のアイデンティの全てだろう。「現代ユーロ・スラッシュかくあるべし」という格言が脳裏に浮かぶ会心の一枚だ。

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