1月2012
ANCIENT BARDS 90
Soulless Child (2011)

イタリア産エピック/シンフォニック・パワー・メタル・バンド ANCIENT BARDS の2ndアルバム。

XaMetal再興の息吹を強く感じさせた傑作デビュー作 “The Alliance of the King” から約1年半という決して長くはない期間に、彼らは更なる成長を遂げていた。劇的さを極める楽曲群が、オーケストレーションやクワイヤ等の装飾だけに頼ることなく骨格から鍛え直されていると共に、プレイ面でも各メンバーのスキルがググッと向上しているのがなんとも嬉しいじゃありませんか!

特に、紅一点の女性シンガー Sara Squadrani 嬢の技法的には高いレベルにありながら声質は素人っぽいという良質なアンバランスさ、そして前作では単なるピロピロに陥りがちだったリード・ギタリスト Claudio Pietronik に備わってきた思慮深い旨みは、本作に風格めいたものをもたらすほどに大きな魅力を放ち出している。

ついに肩パッドを装着しちゃった的なヴィジュアル面の痛さUPや、前作に続きファイナル・ファンタジー関連からカヴァー曲(#11 “The Skies Above”)を引っ張ってくるというそのセンスの「真・厨二病」っぷりにもゾクゾクされられますな〜。(惚)

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ARCH / MATHEOS 88
Sympathetic Resonance (2011)

初期 FATES WARNING の神シンガー John Arch が、FATES WARNING 時代の盟友 Jim Matheos (g/OSI, ex-GORDIAN KNOT) と結成したプログレッシヴ・メタル・プロジェクト ARCH / MATHEOS でシーンに戻ってきたッ!ってだけで、もう俺歓喜ですよ。

流石に初期 FATES WARNING のスタイルに回帰とはいかないけど、彼の独特の歌いまわしと Jim の一筋縄ではいかない深遠なプログレッシヴ魂が結実した John の2003年リリースのEP “A Twist of Fate” の発展型と言えるサウンドは、聴く度に新たな発見が得られる濃密な喜びでいっぱい。ダークに浮遊する難解な鬱気が、John の歌う妖しくもメランコリックなメロディで紐解かれてゆく様はチョー快感ですわ。

主役2名の好プレイの脇を固めるリズム隊、Joey Vera (b/ARMORED SAINT, FATES WARNING) と Bobby Jarzombek (RIOT, HALFORD, SPASTIC INK, etc.) の活躍にも耳を奪われる。特に Bobby の怒涛の手足技には終始悶えされまくり!

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HELLHOUND 86
Let Metal Rule the World (2011)

我が国が誇るトゥルー・メタラー、地獄の番犬こと HELLHOUND の3rdアルバム。新たにベース・パートに Blackwind を迎えた新体制となっている。

ヘヴィ・メタルのヘヴィ・メタルたる部分をとことん追求した愛すべき“馬鹿メタル”っぷりは一切不変だけど、追求し過ぎてファニーささえ生まれていた前2作と比べて、今回は「ギリギリで踏み留まったシリアスさ」が強く感じられるマジさが印象的。

その象徴が3部構成の大作(つっても6分台だけどw) #8 “Legend of Warriors” の存在だろう。その MANOWAR 的ともいえる重厚な図太さはこれまでの彼らにはなかった感触だ。クレイジーな疾走曲を効果的に配しつつ、その #8 やタイトル・トラック #1 “Let Metal Rule the World” といった重心の低い曲でジワジワと攻めるその老獪な手口からは、前作リリース後に海外でのライヴを成功させた自信が漏れ出している。

実はワタクシも“The Choir Of Hell”の一員として全編でコーラスに参加してたりしますが(笑)、それによる贔屓目抜きにしても世界に誇れる素ン晴らしい国産アルバムになったと思うよん。

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KRUX 89
III – He Who Sleeps Amongst the Stars (2011)

Leif Edling (b/CANDLEMASS) を中心に、Fredrik Åkesson (g/OPETH, ex-TALISMAN), Mats Levén (vo/ex-THERION, YNGWIE MALMSTEEN etc.) を要するメロディック・ドゥーム・メタル・バンド KRUX の約5年ぶりの3rdアルバム。

CANDLEMASS をはじめ MEMENTO MORI, ABSTRAKT ALGEBRA など Leif がこれまで関連してきたバンドと同系の、重苦しいヘヴィさを打ち出しながら整合性と構築美にも長けた聴きやすいサウンドは、本作でもバッチリ健在。

今回はキーボードに名手 Per Wiberg (SPIRITUAL BEGGARS, ex-OPETH) を迎え、大きくフィーチュアされた彼のオルガンの音色がプログレッシヴなレトロ感を運んできているのが印象的であると共に、Fredrik の強力な弾きまくりと Mats の歌いっぷりも前2作と比較にならぬほどの充実を見せ、それらが各楽曲に付与する攻撃的かつキャッチーなフックが狂おしく迫り来る最高傑作に仕上がっていると言えるだろう。

もうちょいザックリ言うと「ABSTRAKT ALGEBRA っぽさ強ぇ!」って感じで。“Shadowplay” 級の超名曲レベルはちょいと見当たらないけど…。(それは無理無理w)

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OZ 85
Burning Leather (2011)

北欧メタル黎明期にその名を馳せたフィンランド正統派メタラー OZ の、約20年ぶりの復活作となる通算6作目。

当時からその荒々しいマイナー臭さが“ダサメタル”的な扱いを余儀なくさせていたB級バンドだったが、初期に在籍したメンバー3名(vo, g, b)に新加入のギター・コンビを加えた新編成で今の時代に蘇らせた本作のサウンドは、当時のその「ダサさ」「マイナーさ」「パワフルだけど不安定なヴォーカル(笑)」というB級要素がいい具合にピュア・メタルの格好良さに転化された、なんとも心地好いものに。

本作は過去の楽曲の新録バージョンと新曲をほぼ半数ずつ並べた構成なんだけど、生まれ変わった過去曲、フレッシュな勢いに満ちた新曲のどちらも「今の OZ」のカラーに統一され、時代の隔て無く良質ピュア・メタルとして楽しめるのが凄い。

#1 “Dominator” がダサカッコよくて超燃えるわ!

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STEPHAN FORTÉ 91
The Shadows Compendium (2011)

フレンチ・ネオ=クラシカル/プログレッシヴ・メタル・バンド ADAGIO を率いる技巧派ギタリスト Stephan Forté の初のソロ・アルバムは、シーン随一のテクニックを誇る 彼の超絶技巧を全編で炸裂させた渾身のインストゥルメンタル作。

ADAGIO の近作でも強調されているダーク&アグレッシヴなヘヴィ・エッジを基盤に、華麗な美しさを放つ気高いクラシカル・ムードで全編を包み込んだ本作の作風は、ADAGIO 初期からのファン的には Stephan の全てが詰め込まれていると確信できるほどに至福。やや難解気味にプログレスさせていく中に Marty Friedman 風味の東洋的アプローチを織り交ぜなる様が CACOPHONY の名を想わせたりも。

繊細に構築された美麗なアンサンブルの妙に唸り、変幻自在なメロディの高揚感に酔い痴れ、マジカルなタッチのスリルに拳を握る、ネオ=クラシカル・ギター・インストの新たな名盤と言い切ってしまいたい!

Jeff Loomis (NEVERMORE), Mattias IA Eklundh (FREAK KITCHEN), Glen Drover (MEGADETH), Derek Taylor, Daniele Gottardo ら凄腕ゲスト・ギタリスト陣の客演も聴きどころ。

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