Archives [Full Details] - 2001 / 271 Albums
Jacket A.C.T 83
Imaginary Friends (2001)
変幻自在の万華鏡的プログレッシヴ・ポンプを聴かせる A.C.T の 2nd は、前作以上にプリチーでファンタジックなドリーミング・サウンド。
ギター・リフやスリリングな各楽器のユニゾン&ハーモニーのドライヴがプログ・メタル的であったりする(そこがまたイイんだけどね)ものの、本筋は NEW ENGLAND, JELLYFISH, VALENSIA ら、QUEEN の洗礼を受けたひねくれポップ・アクト群の影響を血肉としたキャッチーなプログレッシヴ・ポップ。
あくまでもキャッチーな哀愁を忘れない繊細でリリカルなメロディと華麗なコーラスに彩られた目まぐるしくダイナミックに展開する楽曲は、前述のアーティストらの音楽に心酔するオレのツボをどーしたって突いちゃうんだな。ただし、やっぱ前作の方が断然好き。録音がちょいと軽めなのが惜しいしねぇ。

Jacket ADAGIO 94
Sanctus Ignis (2001)
フランス人ギタリスト Stephan Forte のプロジェクトであるこの ADAGIO は、ベース・プレーヤこそ彼の旧知の友人である Franck Hermany という人物が担当しているものの、その他はドラムに ELEGYDirk Bruinenberg、キーボードに MAJESTICRichard Anderson(!)そしてなんとシンガーには PINK CREAM 69David Readman(!!)っちゅー驚きの超スーパー・バンド。
主役である Stephan ForteYngwie Malmsteen の影響が濃くも「世界にはまだこんなのが隠れていたのか!」とまで思わせる他を圧倒する実力&センスの持ち主で、そのスリルと泣きに満ちたウォームかつテクニカルなプレイは絶品。
そんなネオ=クラシカル・マニアには美味し過ぎる彼のギター・プレイをふんだんに盛り込んだ楽曲は、シンフォニックでクラシカルな悶絶のプログレッシヴ・バロック・メタル。リフとバスドラムがユニゾンでシンクロする様子をはじめ、SYMPHONY X を引き合いに出すのは決して間違ってはいないが、そこは本作のもう一人の主役たるシンガーである彼・・・そう名人 David Readman の類稀なる魅力によって楽曲をググっと歌モノの世界に引き摺りこんでおり、多くのテクニカル・ギタリストの作品が陥りがちな、ともすれば自己満足なインストに無理やり歌を載せた印象っていうのは皆無だ。
しかしまぁ David Readman はやっぱりイイわ。最高。ポピュラーな魅力を持った巧いシンガーが、自分好みのスリリングな様式プログレッシヴ HM でその実力を弾けさせるのを聴くのはほんとに嬉しいね。"Panem et Circences" の超絶ハイトーンでの絶唱なんぞはチビりそうだよ。マジで。
ただ、そんな超気にいった嬉しい作品であるだけに、残念な面もいくつか目に付き出した。有機的なソロ・プレイでは Richard Anderson が彼らしさ全開で迫ってくるキーボード・パートだが、それ以外は主にプログラミングによって構築されており、特にシンフォニック・パートの奥行きの浅さが気になるなぁ。そして LED ZEPPELIN の名曲 "Immigrant Song" のカヴァー(インストにリ・アレンジ)もイマサン。(苦笑)

Jacket AFTER FOREVER 84
Decipher (2001)
メロメロな弦楽に荘厳なクワイヤが重なり、これでもかと叙情ドラマティックな世界観で畳み掛ける大仰なイントロ "Ex Cathedra" で幕を開ける、オランダのシンフォニック・ゴシック・ヘヴィ・メタル・バンド AFTER FOREVER の 2nd アルバム。
シンフォニックなアレンジをこれでもかと塗りたくったミステリアスな正統的ヘヴィ・メタルが起伏激しくドラマティックに展開する様は、看板女声シンガー Floor Jansen 姐さんの醸し出す味が Sharon den Adel 嬢のそれに近いこともあり、まさに WITHIN TEMPTATION meets NIGHTWISH meets THERION と形容するに相応しいその手触り。
見事に暗黒耽美を描く美麗アートワークに目を落としながら聴けばハマり度アップ間違いナシっつー、悶絶シーンが連続するそのバッチリな耽美な雰囲気の割には、その器となる楽曲の「芯」が見えにくくやや決め手に欠ける感があるのは否めない・・・。
・・・けれども、このトラディショナルなソプラノがデス・グラント&男声テノールと絡み合う背後で弦楽とクワイヤが舞い踊る耽美なるオーケストラル・メタルを、ここまでの演奏クオリティで提示されたら、その事実自体がもう「決め手」っしょ。(無理やり/苦笑)
だってやっぱりコーユーの好きなんだもんッ。(中年なのにキモいィ)

Jacket AKASHIC 83
Timeless Realm (2001)
ブラジルの SYMPHONY X。 以上。 ・・・ってくらい SYMPHONY X してるわ、コレ。(驚苦笑)
乗り気を削がぬ程度の絶妙な変則リズムを多量の手数で繰り出すドラムに、低音弦で規則的にソリッドなリフを刻み小節の終わりでテクニカルなオブリガードを絡ませて次の展開を呼び込みながらポリリズムで進行するギターと、それに難なくシンクロする超テクなベースが構築する土台に、Russel Allen 風味満点の適度にキャッチーな歌メロが乗るってスタイルは、どっからどう聴いてもそのまんま。
本家に決して引けを取らない各人のテク/センスが炸裂するプレイの発散するスリリングな香りと、本家よりはいくらかストレートでありながらやはり辺境出身だけはあるひねくれたプログレッシヴな楽曲が発散する哀愁はなかなかのレベルに達していて、単なる「代用品」以上のカタルシスを充分に得られる掘り出し物だね。
キーボードの感触が "Awake" の頃の DREAM THEATER 的なのも結構ツボだし。

Jacket ALYSON AVENUE 83
Presence of My Mind (2001)
スウェーデン産、女性 Vo を擁する極上の哀愁ハード・ポップ。
ハード・ポップとはいえ、エッジの立ったリフとウェットなタッチのソロで責めるギターワーク、そして煌びやかなキーボードのオブラートに包まれたビッグなプロダクションは十分に北欧メタル的。
しっとりとした透明感と張りのある力強さ、そして人懐っこさが程よくブレンドされた Anette Blyckert 嬢の歌唱がなんとも耳触りがよく、JAVAN, ERIKA 等の90年前後のバンド群を想わせる絶妙方向性の楽曲と相まって、HEAVEN にて店内 BGM として流れているのを聴いて、「即買い」させるインパクト有り。

Jacket AMAROK 80
Amarok (2001)
Mike Oldfield の傑作のタイトルをその名に冠したこの AMAROK は、その名を知られたスペインのトラッド・ロック・バンドと同名異バンドで、ポーランドのマルチ・プレーヤ Michal Wojtas を中心としたランドスケープ・ミュージック・プロジェクト。
メロディを浮かび上がらせる女声スキャットが時折入りつつも基本的には泣きの旋律が穏やかに通り過ぎるインストゥルメンタルで、Mike OldfieldPink Floyd を引き合いに出されるその情景的なヒーリング・サウンドは、アコースティック・ギターとヴァイオリンの弦の響きが生み出す温かみに満ちた意外にも有機的な風景描写。
ドキュメンタリーのサウンド・トラックを思わせる感触ながら、たまに顔を出すロックなギターをはじめ、ポーランド産であることを全く感じさせないクリアで切れのいい音像の際立つリズミカルなプログレッシヴ・ロックの味わいもあって、単なる BGM には成り得ない引っ掛かりがあるのがイイ感じなんだよね。
贅沢を言うならば、この薄暮に広がる素晴らしい泣きのメロディは、聴く度に「あー、これでヴォーカルが入っていたら超悶絶なのになぁ・・・。」と思わせてしまうのがチョットだけ残念。

Jacket AMBEON 84
Fate of a Dreamer (2001)
AYREONArjen Lucassen の新プロジェクトは、14歳(!)の少女シンガー Astrid Van Der Veen 嬢をフロントに据えたシンフォニック・プログレ・トラッド。
いきなりのイーリアン・パイプの哀しみの調べで、もう瞬殺ですわ。ゆったりと淡々と展開するドラマティックではあるものの穏やかな印象が強いアトモスフェリック・サウンドは、まるで AYREON の魅力の一面として備わっていた静のパートの魅力を抽出したよう。そのケルト風情の豊かさと、Astrid Van Der Veen 嬢の可憐で清楚な歌唱の年齢にそぐわぬ実力派の佇まいは、 Arjen Lucassen 自身の劇的なギター・プレイも手伝って、WITHIN TEMPTATION"Mother Earth" あたりをも連想させるねぇ。
控えめながら耳につくデジタル・エフェクト処理が醸し出すスペイシーな音像が「深み」を少々欠如させてしまっている嫌いがあるのも AYREON 的といえば AYREON 的だが、相変わらず密度の濃いサウンド・メイキングによって、ゆっくりじっくり楽しみたい一枚に仕上がっている。
Lana Lane, Eric Norlander そして ex-MAMA'S BOYS、現 CELTUSPat McManus, John McManus の兄弟のゲスト参加も嬉しいよね。

Jacket AMORPHIS 87
Am Universum (2001)
AMORPHIS 待望の新作は、近作のスタイルを継承したアシッドにトリップする暗黒サイケデリック・メタル。
作を重ねる毎に、初期の作品に充満していた北欧独特のメロメロの耽美なる叙情が希薄になりゆくのは疑いようも無い。しかしながら本質的な「泣き感」は一向に衰えを見せず、さらに、そんな変化と引き換えに手に入れたものも大きく、その常に哀愁を伴ってダイナミックにローリングする程よいヘヴィ・サイケ・グルーヴは、前作 "Tuonela" 同様大胆に採り入れたオルガンとサックスが良いアクセントとなってある意味スタイリッシュな雰囲気を漂わせながらもやっぱり AMORPHIS ならではの荒涼とした内面世界の描写は流石に心地よく、ついついハマってしまうのよ。
ただ、リフの背後で鳴り響く直接的なメランコリック・メロディが聴かれなくなるにつれて Pasi Koskinen のメロディの平坦さはまざまざと浮き彫りになってくるなぁ。
あ、酔っ払って聴いてたら、なんとなくTHE YELLOW MONKEY@イエモンっぽくも聴こえたりして。(苦笑)

Jacket ANATHEMA 81
A Fine Day to Exit (2001)
デス・メタル・バンドとしてデビュー以来、一貫して深遠なる暗黒美を描きながら作を重ねる毎にその本質を徐々に露わにし続けてきた ANATHEMA だが、6th アルバムとなる本作では、ついに前作まではホンの僅かながら残っていた暗黒臭を完全に撤去したどころか、ハード/ヘヴィですらない「普通のロック」と言える手触りにまで変貌を遂げた。
とは言っても、この PINK FLOYD を想起させるような英国独特の思慮深さを感じさせる穏やかな内省ロックは、先述したように ANATHEMA の本質には些かの悪影響も与えていない。
時にハッとする美しさを見せながらも淡々と時を綴る心象風景描写は時に退屈さを誘う。・・・が、それでいいのだ。その荒涼たる精神世界を旅する退屈さに酔うのが、このある種プログレッシヴな陰鬱音楽の楽しみ方なのだから。

とはいえ、あれほど美味しかった耽美色が皆無なのは、正直ちょいと悲しいやね。泣き派としては。

Jacket ANCIENT RITES 88
Dim Carcosa (2001)
Belgian Orchestral Black Metal の 4th Album。
この Band、とにかく Orchestration の作り込みがメチャクチャ上手い! 豊かな情感を湛えた Piano が琴線を刺激する Classical な Introduction "The Return" からしてもうメロメロ。
そしてそれに続く Dramatic 極まりない Symphonic Black 絵巻も悶絶必至な完成度。
目くるめく展開で大仰に盛り上がる勇壮な"...and The Horns called for War"、メロメロな激泣き Guitar に涙が溢れ出す "North Sea"、ストレートなノリノリ Death Metal と泣きの慟哭の MIX がいい味を出してる "On Golden Fields (De Leeuwen Dansen)"・・・。
超速 Blast Beat の最中に絶妙の Timing で Headbanging しやすい速度での疾走に切り替えてくる、直線型ながら Blance のよい Drum に、正統 Heavy Metal の手法で叙情フレーズを弾きまくる泣きの Guitar、哀しみの Death Voice からここぞ!という Point で普通声で哀愁を降り撒く Vocal・・・それらをメチャクチャ上手い Piano (!) と派手派手で壮麗な有機的 Orchestration が包み込み、至上の悦びを味あわせてくれる。
SONATA ARCTICA が「劇メロ」なら、この ANCIENT RITES まさに「劇ブラ」だ! あとは些細なことだけど、Guitar Riff の音圧が少々低めなのが残念ナリ。

Jacket ANDROMEDA 88
Extension of the Wish (2001)
スウェーデン産テクニカル・プログレ・メタル・ニュー・モンスター ANDROMEDA のデビュー作は、スリリングな嬉しさに満ちた快作。
超テクニカルなユニゾン・プレイを存分に配したクオリティの高いその佇まいを「DREAM THEATER 系」と振り分けることになんら迷いは生じないが、メタルとプログレッシヴ・ロックのみならず、ジャズ/フュージョン、モダン・ヘヴィ系、そしてオールド・ロックに至るまで様々な音楽のエッセンスを余すところなく吸収した懐の深いフレージングと、ライヴで即興に身を任せたら心地よさそうな「ロック」のダイナミズムを備えたその垢抜けたサウンドは驚異的。
もちろん各人のテクには何ら文句のつけようがなく、スウェーデンの片隅の若者たちが、そのプレイに正確さと同時に凄みまでも持ち合わせているのには、舌を巻かざるを得ない。
バンドの中心人物 Johan Reinholdz が情感豊かに弾きまくるギターと Clive Nolan 系の豊かな音色のシンセが、バッチリと心地よく決まる変拍子の嵐を舞台に目まぐるしく対峙する様は圧巻。ゲスト扱いのシンガー Lawrence Mackrory (ex.DARKANE)の古巣からは全く想像できないメロディック・ヴォーカルも、ちょっと弱めながらそれがポンプっぽさを醸し出していてなかなかイイかもね。なお、既に正式シンガーとして David Fremberg なる人物が加入しているそうな。
うー、タマンないッスわ。
ちなみにアートワークは最近この手の仕事でおなじみの(苦笑)Niklas SundinDARK TRANQUILLITY

Jacket ANGRA 96
Rebirth (2001)
バンドの顔と言っても過言ではなかったシンガー Andre Matos の脱退に伴うバンド分裂という危機を、見事に乗り越えた感のある 4th アルバム。
過半数のメンバーを失ってしまった Kiko Loureiro, Rafael Bittencourt 両名の絶望に近い苦悩とバンド再建への様々な障害を察すると、そしてそれを克服してこうして素晴らしい作品を提示するに至った努力と情熱には本当に敬意を表するが、それは置いといてやっぱこの復活劇の立役者は、紛れもなくニュー・シンガー Eduardo Falaschi でしょ。
その山岳地帯に住まう草食動物系の風貌(失礼!/苦笑)からは想像もつかない堂々たる歌唱は、SYMBOLS 時代に感じられたやや圧迫感を伴う押しの強さはどこへやら、非常にスムースかつパワフルに安定したもので、これは意識してのことだろうが Andre Matos 的しなやかさをも備えるにも至る、文句のつけようのない歌いっぷり。Andre Matos の独特の女性的優美さ&か弱さを感じさせる部分に魅力を感じていたオレ的には、その部分が足りないのだけは少々残念に思うが、それを差し引いてもあり余る魅力をこのヤギ男・・・あわわわ、間違えた(汗)Eduardo Falaschi は確実に持ち合わせているのを実感できる。
そんな新生 ANGRA の新たな魅力となった新鮮な歌唱のベースとなる楽曲は、ユーロ・スタイルのメロディック・スピード・メタルに、ギター中心のテクニカル&プログレッシヴな香りとパーカッシヴなブラジリアン・テイストが醸し出すワールド・ミュージックの味わいを加味した従来通りの路線で、ANGRA らしい優美でしなやかなクラシカル・フィーリングもしっかりと健在。その骨格を支える新しいリズム隊も、ワールド・クラスのクオリティを備えてるし。
ただ欲を言えば、本作でその傾向として強く感じられる、昨今嬉しい盛り上がりを見せているイタリアン・シンフォ XaMetal 的な佇まいが痛し痒しなんだな。2nd "Holy Land" の次が本作だったら涙を流しながら[95]以上を付けたのは確実なんだけど、広義のヘヴィ・メタル&ハード・ロックを見渡した上でシーンのリーダーたる一歩先を見据えた視線の冴えを見せた未曾有の大傑作 "Fireworks" で感じさせた ANGRA の可能性を体感した後では、本作における手持ちの駒から逸脱しない類型的なアレンジの数々には、少々歯痒さを禁じ得ない。前作での Chris Tsangarides による抜群のギター・プロダクションも、今回の Dennis Ward には再現させる術がなかろうし。。。

まぁなんだかんだ言って、こーやってブー垂れつつも聴くたびに悶絶っすわ!(嬉笑)

Jacket ANNIHILATOR 81
Carnival Diablos (2001)
モダンな感触の無機質な重量リフの一太刀が目立ちながらも、初期~中期の知的でサイコな雰囲気をますます漂わせるスラッシーなパワー・メタルは、Joe Comeau の歌が予想以上に上手いのにまず驚き。
リズミカルに変則的なブレイクを重ねながら偏執的にザクザクと刻まれるドライヴィング・リフに、完璧なテクの垢抜けたメロディック・ギターがスッと差し込む様は往年のそれに近く、思わず嬉しさに身を乗り出してしまう。
しっかし、ボーナストラックのカヴァーはさておき、"Shallow Grave" のあんまりにもあんまりな露骨で唐突な AC/DC 風味はなぜ???
ANNIHILATOR、しいては Jeff Waters の強みは、リズム感覚の非凡さ。ルックスの変貌振りとは裏腹に(苦笑)未だ健在なハイテク・ドラム振り見せつける Ray Heatmann といい、リズムに敏感な人のプレイはホント気持ちいいね。
運が悪くなければ MEGADETHPANTERA の地位を手に入れることが出来たバンドだが、まだ遅くはない。Jeff Waters のこのトーンがある限り、ANNIHILATOR は不滅なのだ。なんとかがんばってくれ! まだ微笑ましくも IRON MAIDEN 調の "Epic of War" みたいな佳曲が作れるじゃないか!(笑)

Jacket ANOREXIA NERVOSA 77
New Obscurantis Order (2001)
フランスの CRADLE OF FILTH タイプ。2nd。壮麗なオーケストレーションを纏った超絶に暴虐なエクストリーム・ミュージック。質は極上だがちょっと飽きるかも。

Jacket ARCH ENEMY 87
Wages of Sin (2001)
ニューシンガー Angela Gossow 嬢の歌声そして容姿(主に乳)に話題沸騰の 4th アルバムは、これまで ARCH ENEMY に求められてきたものから大きく逸脱することのない魅力作。
疾走感は減少したものの、剃刀の切れ味を持ち合わせたギザギザの大鉈の如き分厚いリフと、クリアでシャープなリズムがヴァリエーションを見せながら展開する楽曲はこれまでより更に聴きやすく、ヘヴィな耽美グルーヴ系の楽曲では、元来の行儀のよさがややマイナス方向に作用しながらも、ミドル・テンポのメタル・チューンが RATT, DOKKEN ら 80's 西海岸メタル勢風のリフ運びのせいで言わば「L.A.パーティ・デス」(苦笑)的な風情を醸し出しているのが面白い。
目玉である Michael Amott & Christopher Amott のテクニカル&エモーショナルなマジック・タッチによるキャッチーなギター・フレーズはますますその輝きを増し、「ギター・フレーズに合わせてヲーヲー歌う」というメタルならではの醍醐味を存分に味わうことが出来る。一度普通に録音した後エフェクト・ループに繋いだワーミー・ペダルを1度の角度まで拘りながら手で操作して処理を加えてんじゃねーの? ピッキング・ノイズだけあとからオーバーダブしてんぢゃねーの!? ・・・と勘繰りたくなる程の泣きに拘った演出は見事の一言。
そして Daniel Erlandsson の素晴らしいドラミングも聴き物で、そのビビる手数、アタックの心地よさ、そして抜けのよさは、名手 Mickey Dee (ex. KING DIAMOND) に迫る勢い。
あ、肝心の Angela Gossow 嬢の歌唱は、ARCH ENEMY の世界観を損なっていない・・・って程度で、確かにその凶々しい野獣の如き咆哮はブルータリティの発散に立派に貢献しているし驚きでもあるが、Johan Liiva を切ってまで加入させた意味があるのかどうかは正直チョイ疑問だなー。ま、いーか。美女だし。(笑)

Jacket ARISE FROM THORNS 77
Before an Audience of Stars (2001)
現在では既にその名を BRAVE と改めている、米国ヴァージニア産の女声アコースティック・プログレッシヴ・ゴシック・フォーク・バンド ARISE FROM THORNS は、エピック・ドゥーム・バンド WHILE HEAVEN WEPT のメンバーで、かの(苦笑)TWISTED TOWER DIRESOLSTICE にも在籍した経歴を持つ Tom Phillips のプロジェクト。本作は、1999年リリースのアルバム "Arise from Thorns" にライヴ&ボーナス・トラックを追加してリ・リリースした作品だ。
女性シンガー Michelle Loose のその容姿同様にふくよかさと同時に繊細さを持ち合わせた歌唱が舞うトラッド/フォーク的風合いの強い楽曲は、ほどよく複雑に交錯する各楽器の演奏と時折見せるユーロ・ゴシック調のメランコリック・シンフォが発散する陰鬱さが手伝ってか、アコースティカルで純朴な空気の中にそれと相反する暗く冷たいものが光る、意外にも FATES WARNING を思わせる雰囲気。
他所ではなかなかお目にかかれない不思議なムードは、ナカナカ聴き応えアリ。

Jacket ARK 91
Burn the Sun (2001)
様々な音楽要素を取り入れたテクニカルかつ実験的なマジカル・サウンド・ワールドは前作同様ながら、本作では耳に残るキャッチーなメロディの憂いを前面に推し出たのが功を奏し、ごった煮感が強く散漫な印象を受けた前作とは打って変わって、プログレッシヴながらキャッチーな欧州ロマンを確実に伝える、一本芯が通った力作だ。
その「芯」の部分を担う当代きっての超絶シンガー Jorn Lande は、ここでもモチその凄みを全開させている。この、さもすると難解で自己満足寸前のミラクル・ミュージックが「歌モノ」の気配までもを感じさているのは、多くは彼の歌声の力に他ならない。
そして他のメンツのベストなパフォーマンスも見逃せない。「元 CONCEPTION 」の但し書きを葬り去るに充分な抜群のセンスのよさを見せつける Tore Ostby、魔力を持ったフレットレス=ベースのグリスを操る Randy Coven、実の正体がプログレッシヴ・ドラマーたることを証明する手数を繰り出す John Macaluso、そしてこれまた実はウルトラテクニシャン Mats Olausson・・・と、Tore Ostby を除いては現 Yngwie Malmsteen バンドと同一メンバが集結してこれだけ充実したプレイを聴かせると、いかに Yngwie Malmsteen が人使いの下手なダメ社長かが浮き彫りになりますな。うははは。
こーゆー聴けば聴くほどに新しい発見がある深みある濃厚な摩訶不思議世界は、ホント聴いてると気持ちいいよね。Al Di Meola ばりの悶絶スパニッシュ・ギターに顔が歪んでしまう "Just a little" なんかは、マジたまらんッスよ。

Jacket ARTENSION 85
Sacred Pathways (2001)
John West が ROYAL HUNT で、そして Vitalij KuprijRING OF FIRE やソロで順調に活動しているという現状で、事実上解散状態にあった ARTENSION がまさかの復活を遂げるとは夢にも思わなかった。
それだけでも驚きなのに、そのメンツが前記2名+ Kevin Chown, Mike Terrana, Roger Staffelbach というオリジナル・ラインナップで(!)、そのうえ内容が近作の不充実が祟った希薄な期待感とは裏腹の高品質(!!)とあっては驚きも3倍だわさ。
方々で様々な経験を重ねた各メンバーそれぞれのプレイが、これまで以上に円熟味を増しつつも、反面ではまるで初期に立ち戻ったかのような破天荒なスリルを噴出しているのが非常に魅力的で、激ヤバだった Roger Staffelbach のギターさえも安定感を見せるに至っている。(失礼) そして Mike Terrana のテクニックと突進力がバランス良く融和したドラミングはマジスゲー!
また、John West の歌うメロディがワンパターン気味だったコレまでとは異質の冴えを所々で見せているのも嬉しい誤算で、リーダー・トラック "Nightmare" のキャッチーなフィーリングや、アコースティックな大陸系バラッド "Flower of the Orient" のピアノをバックに描かれる開放的な哀愁は見事で、特に後者はバンド ARTENSION の今後にある種の期待を抱かせるに十分な新境地への挑戦だ。

Jacket ARTHEMESIA 84
Devs-Iratvs (2001)
腐敗臭すら漂ってきそうな血塗れ&ゾンビちっくな姿をも披露するフィンランドの白黒ブラック軍団(日本語としてオカシイ/笑)が奏でる、メランコリックな泣きが渦巻くメロディック・ブラック・メタル。
絶叫デス・スクリームが乗るのは、アンダーグラウンドなプリミティヴ・テイストを滲ませつつも宗教的なクラシカルさを演出するに十分な程々のシンフォニックさを伴った激烈ながら緩急の妙に唸る寒冷地仕様のブラック・チューンズ。
DIMMU BORGIR らトップ陣に一歩及ばぬB級の味を持ち合わせながら、何気に超絶ネオ=クラシカル・プレイを決めるギタリスト、やや線の細いながら気持ちよく強力にブラストするドラマーをはじめ、演奏陣のなかなかタイトな演奏力は、カナリのポテンシャルを感じさせる。
"Ancestor of Magick" ~ "Lifemocker" の流れなど所々で見せる EMBRACED に通じる「泣きの壁」が迫り来るかの如きメロウな泣きセンスの良さも驚き。

Jacket ARTHEMIS 88
The Damned Ship (2001)
German Style の 疾走 Metal に北欧の Classical な味わいを付加した、Italian 劇メロ Metal の 2nd。
多くの Italian XaMetal 勢とは異なるのが、Synthesizer での Symphonic な Orchestration に頼りきっていない点。SONATA ARCTICA に通じるわかりやすい歌メロと、2本の Guitar を生かした Guitar Oriented な「METAL 感」に満ちた楽曲そのもので勝負しているのがなんとも好印象だ。
とにかく Andrea Martongelli & Matteo Ballottari の Guitar Combi による Technical かつ Emotional な Guitar Play がヨダレ物の財産で、あの手この手を使って時に掛け合いで時に Harmony でと弾きまくる姿は、確かに CACOPHONY を彷彿させるかも。
Michael Kiske を目指しながらもやや線の細い「Timo Kotipelto 型」で、ATHENAFrancesco Neretti を彷彿させる甲高い超ハイトーンを武器にするややヘナチョコさ加減が魅力の Singer Alessio Garavello の唄が醸し出すマイナー臭がたまらなく素敵だし。
微妙な哀愁 Melody が琴線の上で疾走する "Sun's Temple"、勇壮な民謡旋律が泣きを誘う "Starchild" をはじめ、疾走疾走また疾走と思いきや意外にも緩急の妙に頬が綻ぶ楽曲は、どれも聴きどころたっぷり。仄かな Viking の香りも見逃せないしね。
まだまだ粗い部分も確かにあるものの、いきなりの本邦 Debut が納得の好盤ですわ。

Jacket AT VANCE 85
Dragonchaser (2001)
クサメタル的なファンタジックな題材を得て、ますます意気高くネオ=クラシカルに疾走するジャーマン・ネオ=クラシカル・マスター AT VANCE の早々とリリースされた新作。
Olaf Lenk のこれ以上ないほどに安定したテクニカル・ギターは、クッサいネオクラメロを次々と繰り出し、このところ評価ウナギ昇りのシンガー Oliver Heartman も、それに応えるように当初比較された Jeff Scott Soto を今や完全に凌駕する素晴らしい喉を披露。"Too Late" での超絶ハイ・トーン歌唱なんぞは失禁モノよ。
楽曲は相変わらずのクサクサ疾走を中心に、泣きのバラードや ベートーベン"運命" を丁寧に最構築した "Beethoben, 5th, Sinfonie"(丁寧すぎてややテンションが落ちるかな)、そして恒例の ABBA のカヴァー "The Winner Takes It All" とヴァラエティ豊か。
でもさ、ちょっと多作すぎるかなぁ。まぁこのペースでも質は全く落ちてないんで別に気にするほどではないんだけど、もうちょっと勿体つけてくれてもイイかも。贅沢か?

Jacket ATHENA 83
Twilight of Days (2001)
デビュー作 "Inside the Moon" での DREAM THEATER フォロワー的佇まいから一転、前作 "A New Religion" では Fabio Lione (RHAPSODY) を迎えてエピック・メタルに急接近したと思いきや、とうとう完全に B 級疾走クサメタルに進化(退化?/笑)してしまった新作。
Andre Matos (ex.ANGRA) よろしく語頭や語尾が裏返りまくる超ハイトーンを披露する新シンガー Francesco Neretti は、線こそ激細ではあるものの、そのやわらかに上下するピッチと表情の吐露具合がなかなか魅力的で、ヒステリックな部分ではかつての PAVLOV'S DOG の奇才 David Surkamp を髣髴させる場面も。ただ、ヴォーカル・パートが異常に奥に引っ込んだ音作りなんで、イマイチ実際以上に(たぶんね)線の細さが目立って損してるかな。
そんなまさに最低レヴェルのサウンド・クオリティでありながら、各人の演奏は水準を軽く上回るスリリングなものだし(特にドラムはいいね)、クッサイ旋律が超スピードで疾走しまくる様には、お笑い一歩手前で興奮させられるわで、全体的にはメッチャ好印象。
なんつっても、往年のイタリアン・プログレッシヴを思わせる噎せ返るほどの叙情の取り入れ加減が、同系のイタリアン・クサメタラー随一なのが嬉しいね。冒頭のタイトルトラック "Twilight of Days" のソロ後でストリングスが差し込んでくるところなんて、何度聴いても悶絶だもの。

Jacket AVRIGUS 78
The Secret Kingdom (2001)
98年のデビューミニが超良かったオーストラリアン男女による女声ゴシック・プロジェクトの待望の(つっても忘れてたけど/汗)初フルレンス。
中世世界の幽玄なる暗黒美麗世界を宗教的荘厳さたっぷりに大仰に描く、ELEND 的アトモスフェリック・インスト・パートに大幅に注力したため、魅力であった熟女シンガー Judy Chiara の歌うメロディの儚い泣きが背景に埋没しかけてはいるものの、ピアノをバックにして歌われるそのまま闇に消え入らんばかりの愁いの旋律のキかたは、さすが尋常ではないオーラを放っている。
反面、多数を占める背景描写部分が「まぁ悪くない」ってレベルに留まってしまっているだけに、歌のパートの少なさがますます物足りないな。

Jacket AXAMENTA 77
Codex Barathri (2001)
ベルギーのメロディック・ブラック・メタル・バンドの 1st フルレングス・アルバム。 整合感のあるメタル・リフの上をシンフォニックなキーボードが転がり、ピアノやアコギでの叙情の塗布も忘れない実に叙情的でドラマティックなスタイルは、DIMMU BORGIR からブラストを抜き去りさらに正統メタル寄りにしたかのよう。
まぁそう書いちゃうとメッチャ凄そうに思えるけど、実際には今一歩何かが足りない感じ。それでも、しっかりとした「芯」の存在を感じるやり過ぎない実直な創りは、このバンド AXAMENTA の将来が明るいことを CD を聴くこの身にはっきりと伝えてくるんだけどね。正直、悶絶を誘う魅力的なパートの割合は多い方だと思うし。
プロダクションも良いとは言い難いものの、ミステリアスかつファンタジックな本作の魅力的な部分を楽しむには十分に悪くはないレベルではあるんだけど、力なく喚く情けないデス・ヴォイスが聴いててちょっと辛い感じ。
特に出来の良い #2 "Beyond the Haunting", #8 "Through the Scarlet Forever" などの楽曲は、もう一つ何かを突破すればメジャーどころを含めたデス・メタル・シーンにおいて広く「名曲レベル」と認識されてもおかしくない程の構成力を見せている。ってゆーかそれだけに「あと一歩」が足りないのがスッゲー惜しいな。
次作にチョー期待ッス!

Jacket AZAZELLO 73
Upstairs (2001)
AZAZELLO は4人組ロシアン・ヘヴィ・プログレッシヴ・ロック・バンドで、本作はたぶん 2nd。彼ら自身は「プログレッシヴ・メタル・バンド」と自らを形容しているが、全ッ然違います。メタルじゃないです。だって、どっからどう聴いても、「メタルっぽい音色&奏法のギターも鳴っている真性辺境プログレ」じゃん。(苦笑)
一聴してまず驚かされるのは、その極限までショッボいプロダクション。今の時代にどうやって録音したらここまでショボくなるのかを詳しく訊いてみたいほどの古臭いチープな音像は、決して「叩く」のではなく「置く」ジャジーな非パワー・ドラミングのせいだけではなく、逆にインパクトあり。(汗)
そんな音像でありながら、テクニック的にはチープどころかむしろバカテクですらある演奏技術でプレイされる楽曲は、変拍子のテーマ・フレーズを手を変え品を変え偏執的に押し捲る GENTLE GIANT 的サイコ・プログレと、ネオ=クラシカル風味も少々見られるギターがリードする TEMPUS FUGIT 風味のメロウでクラシカルなシンフォニック・ロックが、オルガンやクワイアでの荘厳な味付けをも伴って不思議な融合を見せるそれなりに魅力的なもので、言うなれば現代から70年代にタイムスリップしたギタリスト(兼シンガー)が当時の凄腕メンバーと当時としても低レベルな施設で録音したような逸品ッツー感じ。
ま、珍品ですわな。珍品。

Jacket BACKSLASH 74
Insanity (2001)
女性シンガーをフィーチュアした80年代初頭型ジャーマン・パワー・メタル。
チョイ垂れ巨乳を強調した Bitch 系風貌ながら意外とロリ・フェイスな Heike Grebita 嬢の歌声は多分に Doro 風なこともあって、その音像はいかにも WARLOCK 的。
パワー一辺倒ではなく、キャッチーなメロディの端々にちょっとしたさり気ない女性らしさを滲ませるあたりや、ツボを得たメロディ運びには耳を奪われるが、ツインギターを配しつつもいささか類型的な楽曲展開にはチト醒めぎみ。

Jacket BALANCE OF POWER 69
Perfect Balance (2001)
British Dramatic Metal BALANCE OF POWER の 3rd Album。
Band の新しい顔として定着した感のある Lance King の分厚い Chorus Harmony を纏ったハイ・トーン Vocal、そして Pete Southen による Neo=Classical に熱く攻める Guitar が乱舞する出来のよい楽曲、各 Member の演奏の安定した Quality、迫力ある Sound Production、幻想的な Artwork、そしておまけに恵まれたルックス・・・と、パッとしないその Band Name 以外は(汗)ほぼすべての要素が A 級の佇まいを見せている。
にも関わらず、全ッ然響いて来ないんだな。(涙)
重厚な正統派 Dramatic Metal を看板に掲げているように見えて、中途半端な Hard Pop Band が正体であるかのような一般層を狙ったと思しき変な色気の出し方(決して Catchy な Pop Feeling が聴けるからという安直な理由でなく、もっと根本的なものを感じる)や、前作でも Debut Album でも感じた「ダサさ」・・・っていうか、Break の入れ方一つにしても現代 Metal の何たるかをよく解ってない感じがするんだよね。オレだけだと思うけど。
そてにしても、ふと思ったんだけどこの Band、メチャクチャ Zero Corporation 向けじゃない?(苦笑) もし今 Label が存続してたら、絶対花形 Band だって。
ってゆーかってゆーかってゆーかぁ、同日リリースの HELLOISE となぜかジャケ被ってるンデスけど!(苦笑)

Jacket BAL-SAGOTH 81
Atlantis Ascendant (2001)
もはや「BAL-SAGOTH 節」として定着した感のある超ゴージャスなコズミック・シンフォニーは、今回も相変わらずの凄絶なるクオリティ!
・・・なんだけど、正直ここまで代わり映えしないと、サスガに飽きてきちゃいました。(汗) この路線では "Battle Magic" で極めちゃってるからねぇ。もしコレまでの BAL-SAGOTH の記憶を喪失させた状態で聴いてたら、きっと92点くらいなんだろうけど。(苦笑)

Jacket BALTIMOORE 84
Orginal Sin (2001)
北欧ハード・ロック・バンド BALTIMOORE 久々の新作は、ギタリストの座に北欧随一の名手 Thomas Larsson を再び据えたと聞いちゃあ、外すわけにはイカンでしょう。
収録された楽曲は DEEP PURPLE ライクなオルガンを掻き鳴らしながらの疾走チューンから典型的な北欧哀愁メタル、ブルージーなバラード、そして横須賀あたりの米軍バーの全部で3畳あるかないかのステージで演奏されているかの如きアダルトなオールド・ロックまで、ヴァラエティに富んでいるが、Bjorn Lodin の独特なハスキーなケロケロ蛙声のために意外なほど統一感がある。
「北欧の David Di Pietro 」の異名をとる(とってないない/笑) Thomas Larsson のソウルフルかつテクニカルなアメイジング・プレイは言わずもがな!

Jacket BEHOLDER 83
The Legend Begins (2001)
悶絶 Italian Symphonic Kusa-Metal の超新星 BEHOLDER は、男女ツイン・ヴォーカル、ツイン・ギターそしてキーボード奏者を擁する 7 人組。
Gorgeous なその編成を生かして全員が持ち味を発揮しつつ一丸となってクッサクサに疾走する様は、なぜか持ち合わせた北欧ライクな透明感、そして Flavor としてたまに顔を出す Orchestral Arrangement の Epic な Spice から受けるのは、SONATA ARCTICA meets NIGHTWISH meets RHAPSODY という、ここだけ読んだらヨダレ物の印象。
というのも、Performance も Sound Production もまだまだ B 級で、なにかにつけて粗さが目立つのよねー。がしかし、この BEHOLDER、それらを超越して「もっと聴きたい!」と思わせる天性の Tasteful な旋律の組み立て方のセンスの良さを持っているのが怖い。その Melody の魅力は、中心人物である男性 Singer Patrick Wire の失笑を禁じ得ない程の超弩級にヘッタクソな歌唱力(苦笑)ですら、「味だ!」と錯覚させるほどだ。
そしてそのパートナーとして Duet をカマす女性 Singer Leanan Sidhe もなかなかにツボな存在。その Powerful で Charming な歌唱は、Member Shot から受けるやや大人しそうな印象とは裏腹な引きの強さを感じさせるし、その癒し系の東洋風少女っぽい見た目(写真がイマイチ不鮮明ながらきっとそうに違いない/妄想込み)もメイニヤにはきっとタマンねぇとあって、この Ireland で語られる美しき妖精の名を芸名に持つ魅力的な diva(歌姫)が新たな Female Metal Idol になる予感もアリ。
マジでこの BEHOLDER、なんだか妙な勢い感じるし、今後ひょっとするとひょっとするかもね。ってゆーか、ひょっとして欲しい!

Jacket BELLFAST 66
Faraway Prayers (2001)
名古屋のケルティック・ハード・ロック・バンド BELLFAST の6曲入りデビュー MCD。以前はバンド形態で活動していた様だが、このデビュー作ではベースの 松本 周二(オレの大切な友人なのデス)を中心にゲスト・プレーヤーを迎えたプロジェクト的な構成となっている。
喩えるならば、'83年頃にロシアから数百キロあたりの小都市に生息する西洋のヘヴィメタルに色気を見せる真性プログレッシヴ・ロック・バンドがメンバーの実家である農具小屋で録音したかの如き、色々なものをどう差し引いても辛いものを感じざるを得ないプロダクションで展開されるのは、プログレッシヴな感性をオーソドックスなハード・ロックの手法で現実化したアート・ロック世界。
ハード・ロックを基本としながらも、曲によっては優美なピアノが空気に溶け込みヴァイオリンとウェットなメタル・ギターがロマンティックに舞いながら、唸るフレットレス・ベースと巧妙なアンサンブルを見せる全曲英詞な楽曲は6者6様のスタイルだが、中でも「ピアノ、ヴァイオリン、アコギ、そして清廉な女声」という女声ゴシック・メイニヤにとっては垂涎のキーワードが羅列されるアコースティックな "Who Saw My Lady?" はかな〜りイイ味を出している。
残念なのは、前出の女声シンガーの他に2人の男性シンガーがゲストとして参加しているのだが、彼らの歌唱がどーにもこーにも(以下友人につき自主規制)。
そう感じながら、ラストに収録されているボーナストラックである 松本 の敬愛する RUSH のカヴァー "Limelight" で聴ける松本自身の歌唱を聴いて超ビックリ! 本人は洒落のつもりで歌ったのかもしれないが、その日本人離れした見事な「英国プログレ声」は実に味わい深く、なぜ彼よりも圧倒的に魅力に劣る他のシンガーをゲストに迎える必要があったのか?・・・と全く理解に苦しむばかり。本作でゲスト男性シンガーに歌わせていた曲をもし松本自身が全曲歌っていたのであれば、確実に20点アップ。マジでマジで。 松っちゃん、次作はその線でヨロシク!!

ちなみにウチの BBS の常連 Makoto が、数曲でチラッとナイスなギター・ソロを弾いてマス。

Jacket BEYOND TWILIGHT 85
The Devil's Hall of Fame (2001)
Tommy Hansen の Produce による Denmark / Sweden / Norway 混成の Dark Progressive Technical Metal Band BEYOND TWILIGHT の聴き応え満点の Debut Album。
この作品で Singer として歌っているのはなんと Jorn Lande!。第一声が流れ出た瞬間に、その圧倒的な存在感が周りの空気を支配し始めるのはさすが。
同じ多国籍 Progressive Technical Metal でも ARK とは全く異なる、Doomy とさえ言える Dark な質感に包まれたその Sound は、伝説の名 Band ABSTRAKT ALGEBRA を想起させる感触。
超テク Guitar Player Anders Kragh を筆頭とする難易度の高い Fast Play も安定した水準でこなす各 Member の Tecnical な演奏は、中心人物 Finn Zierler による過剰ではない Keyboard Ochestration が効果的に作用して近未来の不条理世界を見事に描いている。
Slow で Heavy な Title Track "The Devil's Hall of Fame" から Piano のインスト小曲 "Closing the Circle" を経て挟んで Operatic な終曲 "Perfect Dark" までのラスト3曲の、美しくも Psycho で Strange な流れは圧巻。酔う酔う。

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Fires at Midnight (2001)
うーん、確かにその前2作で体感できた心地よさをそのまま継承した期待通りの素ン晴らしい出来ではあるのだが、一通り聴いて・・・悶絶っちゃあ十分に悶絶なんだけど、「師匠! もうやり尽くしましたぜ!」ってな第一印象・・・と思いきや、繰り返し聴くうちにあっという間に撤回デス。(苦笑)わっははは。
美しき歌姫 Candice Night 嬢の、師匠を腑抜けさせたその SIREN の如き純朴な歌声が発散する安堵感と、その歌声(だけではなく「肉体」にものハズ/笑)に見事に骨抜きにされ、今やすっかり色ボケ吟遊詩人となった感のある我が神 Ritchie Blackmore 大先生の Melancholic な哀感を発散する悶々とした Guitar Play が交錯する、前2作同様の中世 Europe 的佇まいの Fantasic な Renaissance Music は、より「民族色」を強めながらもこれまでより現代的な輪郭でまとめた印象で、やっぱ超魅力的なのよね。
これまで以上に Feature されている Electric Guitar Play が映える Rock Tunes "Written in the Star", "Village of the Sand"、Trad 色の強い Title Track "Fires at Midnight" から 儚く哀しい "Hanging Tree" の圧巻の流れ、お得意の Arabian Taste 満点に疾走する(んだな、コレが!)"The Storm"、そして上質の POP Song な味わいに満ちた "All Because of you"・・・を始め、よく聴くといい曲も満載だし。
ただ、この手の曲で全17曲70分っつーのは、やっぱ多いし長過ぎよね。そしてジャケの出来も師匠の歴代の作品中、下から数えて・・・・。

Jacket BLINDMAN 79
Blindman (2001)
本作発売直後に行われた Tour 初日の Show では、実力派 Live Band たる流石の Live Performance でオレの身体と頭を見事に揺さぶってくれた BLINDMAN だが、長年の努力が実りめでたく Major Label からの 配給となった(祝!)3rd Full-Length Album となるこの銀板には、残念ながらそんな彼らの魅力が存分に詰まっているとは言い難いんだなー。。。
Blues Based の 正統的唄モノ HM/HR に、日本人好みの(つーか歴史的に血に刷り込まれている)Instrument 主導の様式的な Approach を施した High-Quality な Hard Rock は、その Blance が吉方向に転んだ時には絶大な高揚感をもたらしつつも、楽曲によっては見事なまでに凶方向に・・・。各楽曲の自体は、心に迫る非常に魅力的な骨格を持ち合わせた文んッ句なく上質なモノなのは確かなんだけど。
そして、どうにも発散しきれていないもどかしさを感じるんよ。それは、前述したその両面を担うそれぞれの Member である、Emotional Singer Manabu TAKAYA と Technical Guitar Player Tatsuya NAKAMURA が、お互いにいい意味での Ego で主張しつつも変なところで遠慮しあってると勘繰らせるような妙な「くすぶり感」。
個人的には、Smooth で Sophisticate された Play を聴かせる Tatsuya NAKAMURA, Tatsuya TODA 両名の弦楽 Combi に、Manabu TAKAYA に迫る荒々しい「トゲ」が出てくると面白いと思うんだけどな。特にちょいとお行儀が良過ぎる感のある後者にね。
看板 Singer、Manabu TAKAYA の Soulful な熱唱は、本作では意図的にかどうか不明だがコレまで彼を語る際に必ず付いて回った「Devid Coverdale 風」の Essence が封印気味で、一聴して感じ取ることのできるその暴力的な「粗さ」を伴った擦り傷が出来そうな Melody は、Algy WardTANK を思わせる(苦笑)風合いだ。ま、「ヲトコ泣き系」ってことでは一緒かな。(無理やりぃ)
元々の資質の高い Band だけにコレで終るはずもなく(と、期待したい)、Live Show で魅せてくれている自身の魅力を上手く封入する Know-How を身に付けて、今後何作目にかはわかんないけれど、いつか素晴らしい Album を作って欲しい。期待!

Jacket BOB CATLEY 86
Middle Earth (2001)
哀愁 HR 史上に残る傑作激泣デビュー盤 "The Tower" に続く前作 "Legends" が、良質のメロディが詰まりつつもややコンパクトで印象を受けた「地味盤」だったんでちょいと警戒していたが、この 3rd アルバムは良い意味でのコンパクトさを残しつつ煽情力/ドラマ性の高さが心地よい「気迫盤」となって一安心。
これまで同様 Gary Hughes のペンによる楽曲は、ハード・ポップのキャッチーさを持ち合わせた威厳に満ちた伝統的なハード・ロックをトラッド/フォークの牧歌的風合いで味付けしたファンタジックなもので、モチーフにされたファンタジー小説「指輪物語」の寓話世界を見事に描いている。
今回は、Vinny Burns の官能ギターを存分に配しながらもキーボードをより前面に押し出したややマイルドな作りで、そのためか Bob Catley の「悟り」を感じさせる老獪なる歌唱の乗りもよく、情緒を不安定にさせるほどのメロメロの哀愁の谷間に流れる安堵を誘うほのぼのとした暖かさが、心に響いちゃうんだよなー。

Jacket BORKNAGAR 89
Empiricism (2001)
看板シンガー I.C.S. Vortex が、それまでもゲスト扱いで参加していた DIMMU BORGIR に正式に加入するために脱退するという致命的に近い痛手を負いながら、後任に贅沢にも Vintersorg (VINTERSORG, OTYG) を据えるという快挙を成し遂げた 5th アルバム。
プレイ・ボタンをプッシュすると流れ出る冒頭の "The Genuine Pulse" の美しいピアノの調べが一瞬にして激烈ブラストの進攻に変化したのに度肝を抜かれつつ、その後に差し込むデス・ヴォイス、そしてサビのクリーンなシンガロング・・・この時点で確信できた。BORKNAGAR は見事に再生したと。しかも確実に以前よりスケール・アップして!
これまでの延長線上ながら、より細部まで一層練られた印象のある一筋縄では行かない進行の濃密な美旋律プログレッシブ・ヴァイキング・ブラックな楽曲は、終盤の哀感に悶絶を禁じ得ない "Gods of My World"、美醜デュエットで歌われるサビの涙メロが圧巻のミドル・チューン "The Stellar Dome" などを筆頭に、泣き度は過去最高峰。
そりゃそうだよ、なんつっても Vintersorg の声なんだから。その Vintersorg の歌唱は実に見事で、大筋では I.C.S. Vortex 在籍時の音像から大きく逸脱しない「BORKNAGAR の個性」に沿ったうえで、彼よりも格段に高い歌唱力/表現力を見せつける。発声の端々に哀しみを滲ませるその歌声のなんと哀しいことよ! デス・ヴォイスと普通声の両方が必要という悪条件の中、実に的確な人選・・・つーか、他の選択肢があまり思いつかない中で、よくもまぁこの人事を実現できたなって感じ。
本作で BORKNAGAR は間違いなく DIMMU BORGIR, CRADLE OF FILTH と同じレベルで語られるべきバンドに成長したと思うよ。

Jacket BYRD 82
Flying Beyond the 9 (2001)
FIFTH ANGEL, JAMES BYRD'S ATLANTIS RISING 等でその劇的な Solo Part の構築 Sence の定評を築いた James Byrd は、Yngwie Malmsteen 系 Guitar Player の中では最も Uli Jon Roth の色が濃い部類に入る男。つまり「大好き」。(笑)
久々の New Material となる本作は、BYRD という名義で、これまたなんとも嬉しい久々の Neo=Classical 路線だ。といっても Edge の鋭い HEAVY METAL ではなく、彼が近作で見せていた 70's Hard Rock の Feeling に溢れた温かみのある音作りだ。
U.S. Indies らしさ満点の Clear ながら詰めの甘い Sound Production、そして可も不可もないそこそこ上手い歌を聴かせる Singer Michael James Flatters の存在感のなさが明らかにマイナス要素でありつつも、そこはやはり James Byrd。その独特の Touch が発散する泣きの強烈な Passion があれば、ある程度は満足しちゃうんだな。すいません。(汗)
あ、あと Keyboard Bass, Drum そして Engneer までもを多才に手掛ける Brian Hutchinson の Piano Play が作品に格調を与えているのも、忘れちゃいけない好ポイントね。

Jacket CADACROSS 72
So Pale is the Light (2001)
フィンランド産のメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。
哀愁のメロディが炸裂する勇壮な民謡系楽曲をクラシカルなテクニカル・ギターとシンフォニックなシンセが壮麗に彩る様が CHILDREN OF BODOM, NORTHER, KALMAH, ETERNAL TEARS OF SORROW らに通じるモノを感じさせる・・・どころか、本作で聴ける楽曲/メロディ/フレーズの充実度は、それら先人達と比較しても勝るとも劣っていないと確信できる素晴らしいもの。
ただ、全ての音が深めのリヴァーブのベールに包まれたデス・メタルたる攻撃力に欠しいプロダクション・・・特に、音の壁の最深部あたりに焦点を当てて注意深く聴くとやっと聴こえてくるという微妙なバランスのヴォーカル・パートに何の魅力を感じることも出来ないのがカナリ辛い。演奏の出来がいいだけに余計にね。ここぞ!という疾走パートでガックリとモタつくリズムも、聴いててどうにももどかしい感じ。
日本デビューとなる次作でそのあたりが改善されてれば、恐ろしい事になるかも。ちょいと期待してみようかなー。

Jacket CALLING (THE) 79
Camino Palmero (2001)
L.A. 出身のカレッジ系ヤング・アメリカン・ロック・バンド THE CALLING のデビュー盤。
普段この手のモノにはあまり興味を示さない真性厨房なオレ様にすらこのCDをレジに運ばせたその魅力は何かと問えば、それはずばり「哀愁のメロディ」。
軽めのグルーヴが程よく身体を揺らす、米国の若い世代独特の退廃&荒涼感と瑞々しい躍動感が交錯するシンプルなパワー・アコースティック・スタイルの楽曲は、大陸的に広がりながら決して悶々としない乾いたメランコリーがそのメロディに巣食っている。
オープニングの "Unstoppable"(「force」 は付かないよ!>メイニヤ諸氏/笑)で耳に飛び込んでくるよく泣くギター、そしてリーダートラック "Wherever You will Go""Things don't Always Turn Out that Way" での哀愁メロディのように即効性のある泣きパート以外でも、一聴すると平坦なアメリカン・ロックに聴こえながらもその水面下でボディ・ブローのように仄かな泣きを効かせてくる方法論は、ちょいと前に聴いた LIFEHOUSE と比較されることも多いらしいが、それもよく解る解る。
グッド・ルッキンなシンガー Alex Band がロングトーン部分で見せる声のくぐもらせ方に少々違和感を感じたり、全体的に妙に薄味なのが物足りなかったりもしながらも、こーゆーのは捨て難いんだよなぁ。うん。

Jacket CASUS BELLI 79
Mirror Out of Time (2001)
ギリシャ出身の欧州様式系ヘヴィ・メタル。
中心人物であるギタリスト Panos Arvanitis のネオ=クラシカル・プレイを軸に、それぞれ業師揃いなプレーヤ達が自らの技を鬩ぎ合わせながら、全体としては実に聴きやすいメロディック・メタルを展開している。
Graham Bonnet を彷彿させるちょいとガナリ入った少々暑苦しい系の歌唱、曲によってはカナリドタバタ気味にずれまくるリズム・セクション、そしてアマチュア臭いプロダクション・・・と、少なくないファクターが「辺境メタル」たる垢抜けないマイナーさを確実に発散しているが、この妙に懐かしさを感じるサウンドは意外や意外に魅力的。
ユーロ・スピード・メタル系疾走チューンからややブルーズ・ベースの跳ねるハード・ロック、そしてバラードまで様々なタイプの楽曲は、それらを難なくこなす間口の広さが逆にこのタイプの器用なバンドが陥りやすい焦点のボケ具合を晒しているが、「プログレッシヴ」とまでは行かないまでも、絶妙なテンポ・チェンジやメンバ各人の技量を生かした(特にベースの Fotis Anagnostou は、引出しの多そうな相当なテクニシャン!)興味を引くテクニカルな仕掛けもあってナカナカ聴き応えあり。
そしてやはり始終耳を惹くのは Panos Arvanitis の素晴らしいギター・パート! エモーショナルなフィーリングたっぷりのリズムの粒の揃ったネオ=クラシカル・プレイは、 Andy LaRocque かはたまた Steven Anderson かという泣きの構築美を見せているんだもの。タマランっすな。
クラシカルなイントロに続くお約束の疾走チューン "Mirror Out of Time" は Killer !!

Jacket CATHEDRAL 83
Endtyme (2001)
遅くてカッコイイ!(笑)
近作では、わかりやすい形でロックの衝動的なグルーヴの追求を行っていた CATHEDRAL だが、この新作では一転して初期の独特の味であった暗黒ドゥームの醍醐味を、大胆にその表層に復活させている。
その、過去に自らから採取し冷凍保存してあったドロドロの血漿を再び自らの体内に輸血するが如き大英断は、作品を重ねる毎に質を高めながらも、反面代わり映えしない「CATHEDRAL 節」で覆われていたのもまた事実であったこのところの作風が醸し出す「枠」の範囲内での飛躍を期待して本作に臨んだ我が身に、強烈なインパクトを与えることに成功した。
往年のように超ロー・テンポでグリグリと回転するドゥーム・リフは、眩暈を覚えるほどに心地良いヴァイヴに彩られてはいるが、実はそれらのパートが配される母艦となる楽曲自体は、往年の彼らが得意としていた(そしてオレもそれを最も求めていた)TROUBLE 的な曲展開のマジックに支配されているわけではない。
ま、CATHEDRAL って、バンド名とか持ち合わせた独特のムードの Cool さに姦られちゃってるから冷静な判断できないんだよね~。(苦笑)

Jacket CELESTIAL ODE 54
Celestial Ode (2001)
ギリシャ産パワー・メタル・バンドの6曲入りデモ CD-R。
メロディックな正統剛健メタルは、HELSTAR を超ショボショボにした感じ・・・。
ギター・パートの所々で KING DIAMOND を想わせるテイストが隠されているのがなんとも憎めない。(苦笑)

Jacket CENTURY 85
Melancholia (2001)
同郷の CREMATORY に縁の深いドイツ産メランコリック・ゴシック・ポップ・メタルの 2nd。
ハード・ロックのエナジーを残しながらもニュー・ウェーヴ方向に傾倒したゴシック的サウンドは、TO/DIE/FOR を筆頭としてこのところ北欧で盛り上がってるノリノリ・ゴシック一派に数えられよう音楽性なのは間違い無いながら、男性シンガー Michael Rohr の粘度の感じられないクリアで明快なヴォーカル・スタイルの功績で、極限まで聴き易いまさに「哀愁ゴシック」という言葉がバッチコンな美味しいスタイル。
デジ・ユーロ・ポップ風味満点の "I Regret", "Nothing No More"、まさにノリノリな "High and Low", "Shine"、郷愁のサビメロがたまんない "Melancholic Light" をはじめとする、全体を包み込むように広がるデジタルな装飾にザクザクとヘヴィにドライヴするメタル・リフがしっかりと絡みつくコンパクトにまとまった楽曲は、どの曲にもキャッチーで女々しい哀愁メロディがキッチリと配されているのが嬉しい。
きっと狙ったに違いないと好意的に解釈したいチープな鍵盤系の音色が醸し出す、テクノに片足突っ込んだこの感触を理解した上で、ここまで聴き易い暗黒系音楽(音自体は全然暗黒ぢゃないけどね)を提示してきた功績はデカイかも。そしてクセになるのかも!

Jacket CEREMONIAL EMBRACE 55
Oblivion (2001)
Finland の Symphonic Black Metal Band の 1st。
喚きたてる Death Voice、壮麗な Synth、Blast する Dramatic な曲調・・・と、あまりに無個性な 典型的 Melodic Black は、極端に悪くはないだけに余計感想に窮するね。さよなら。

Jacket CHALICE 79
An Illusion to the Temporary Real (2001)
オーストラリア産という、南半球に生息する数少ないフィメール・ゴシック・メタル・バンド CHALICE が生きていた。
2nd アルバムとなる本作では、前作のメンバー・ショットではパンク風退廃ファッションだったキュートなロリシンガー(兼 Key)の Shiralee 嬢の装いが未だちょいボンデージ風味ながらややシックで女性的なものに変貌し、それとともにもう一人の女性メンバーであるフルート奏者 Alana 嬢のアダルトな美貌にもスポットを当てるという嬉しい作戦を遂行している。
あ、音の方は(苦笑)、Shiralee 嬢のやや気だるげな中音域から天空ソプラノまで幅広くカヴァーする未完成ながら魅力的な可憐なる歌唱が映える前作同様の北欧系美旋律ゴシックで、Alana 嬢がの吹くリード・フルートとネオ=クラシカル風味の豊潤な美旋律ギター・ワークの絡みが醸し出す優雅な泣き風味の発散センスには唸らされるばかり。「暗黒系」ならではのダークな雰囲気も良いしね。
ただ楽曲的には、メロディ/アレンジに前作ほどの閃きが感じられないのが正直なところかな。楽曲の重みを削ぐチープなドラムの音色も非常に残念。
それでも彼らの作る音楽の雰囲気はなかなかツボなお気に入り加減なので、もし生き残って次作も出せたら、またまた期待に胸を膨らませつつ買うっスよ!

Jacket CITRON 73
Absolute (2001)
LANA LANE でのプレイが知られる L.A. のギタリスト Niel Citron の 2nd ソロで、彼は自身のファミリー・ネーム CITRON をバンド名として冠してきた・・・が、中身の方は彼の多彩なギター・プレイ満載のインストゥルメンタルで、バンドっぽさは希薄。ま、どうでもいいか。
本作の制作にも関わっている Steve Vai に通じる、プログレッシヴでありつつ暖かな感触のストレンジな楽曲群は、エスニック・テイストやヘヴィなグルーヴなど様々な表情を見せていて、それぞれの楽曲テーマとなる骨格にセッション・ギタリストとしての経験の豊富さが物語る引出しの多い「ワザ」を駆使ながら、骨太さと繊細さを同居させた生々しきタッチで情感を綴るソロ・プレイで全体の色彩を一つにまとめ上げている。
楽曲的にはオレ的にあんまり引っ掛かってこない物が多かったんだけど、「妙な帽子を被った Sammy Hager」(汗)ってな風貌からは想像もつかない絶妙なトーン・コントロールが見事なテクニカル&エモーショナル・プレイの情感描写はさすがで、"Miss, Miss, Merrisa" 等の泣き系の曲での煽情力はなかなかに魅力的。
楽曲の中でバッキングの一部として人声を所々に配したのも、無機質な風合いを感じさせがちなインスト作品に於いて十分な潤いとなっているのも悪くない印象だね。

Jacket CONSORTIUM PROJECT II 80
Continuum in Extremis (2001)
Ian ParryELEGY や Solo とは別に展開する 正統 Metal Project の2作目は、近未来社会を描いた SF Story Album。
周知である極上の Vocal と、それを盛り立てる Technical な 叙情 Guitar、豊潤な Symphonic Keyboard、そして安定した Rhythm が織り成す重厚で Dramatic な High-Quality Metal は、Melodic でありながら華のない Melody が続くコード感の希薄な楽曲の羅列がイマイチ面白みに欠けるかな。
そうなってくると、確実な実力を感じる Ian Parry の絶唱すら押し付けがましく感じてくるから、贅沢と言うか不思議と言うか・・・。
が、Guitar Mania としては Stephan Lill (VANDEN PLAS), Patrick Rondat (ELEGY・・・ってなんか変な感じ/汗), Thomas Youngblood (KAMELOT) ら3名の Guitars Play 自体は充分に聴きどころなんで、これはこれで善し。

Jacket CONTAGIOUS 76
The Calling (2001)
以前から精力的に行っていたライヴの好判などから、英国の新星として非常に期待を寄せていた英国産メロディック・ハード・ロック・バンド CONTAGIOUS のデビュー・フルレンス・アルバム。
見事な張りと伸びを備えたシンガー Glenn Watmough の一級品の堂々とした熱唱と、各リフ/ソロ毎にその中で一つのドラマを丁寧に構築しようとするギタリスト Tony Marshall のギター・ヒーロー然とした活躍によって生を受けた哀愁ハード・ロックは、L.A. メタルの明快さを吸収しながら欧州の哀感も漲る80年代末期〜90年代初頭のヨーロピアン・ハード・ロックの醍醐味を満載した嬉しいスタイル。
オープニングの "Hear It Calling" に代表される、どっしりとしたリズムにシンプルながらちょっと凝ったリフが乗り、その上で哀愁歌唱が歌モノとしての魅力を発散しつつ印象的なギターソロから泣きのギター・ハーモニーへなだれ込む・・・という王道中の王道パターンが、なんと心に染み渡ることよ!(苦笑)
が、そんな素晴らしい内容とは裏腹に・・・とにかく音が悪い! ハイがすべてカットされたモッコリ・ドラムと歪み過ぎでジャリジャリと耳障りなリズム・ギターの音色は、内容がマジでオキニな路線だけに非常ぉ〜なもどかしさを感じてしまい、聴き進めてゆくうちに気分が悪くなるほど。(汗) うーん、音質の悪さだけが本当に残念だ・・・。(涙)

Jacket CRADLE OF FILTH 90
Bitter Suites to Succubi (2001)
New Material 6 曲に、1st Album "The Principle of Evil Made Flesh" の Re-Recording Version 3 曲と Cover 1 曲を加えた企画盤ながら、1st Album も Cover も原曲を未聴なので、全体を純粋に新作として楽しめるお得な一枚。
既に完全に確立された感のある CRADLE OF FILTH 独自の甘美なる背徳の暗黒美に包まれた新曲群はどれも代表曲クラスの出来映えで、美しくも Brutal に爆裂する "Born in a Burial Gown" の素晴らしい高揚感といったらもう・・・。その他の 4 曲も全く遜色のない完成度で、1st 収録曲は彼らが当初から素晴らしい曲を書いていたことの喜びに頬の緩む良い曲揃い。SISTER OF MERCY"No Time to Cry" の Cover も、道を踏み外さずして良い Variation になってるし。
これらがかの感動作 "Midian" からそう間を置かずに堪能できるってぇのは、なんとも贅沢の極みと言えるね。収録曲の粒の揃い方から見ると、もしかして本作、企画盤にして最高傑作なんちゃうん!?
そして、いつもながら想像力を刺激する見応え満点の Artwork も Nice Sence。ケースにこーゆーのが挟まってると、それだけでお金出した甲斐があった気になっちゃうよな。

Jacket CRYSTAL EYES 82
In Silence They March (2001)
愛すべき一本気馬鹿馬鹿スウェディッシュ・ジャーマン型疾走スピード・メタル・バン ドの 2nd は、ひとことで言ってあきれ返るほどに超 GAMMA RAY タイプ。
しかしコレが相当にツボを突いてくる。"Adrian Blackwood" をはじめ、多数を占める明快なメロが失踪するスピード・チューンの数々や、フォークロアな劇的メロディに秒殺の "Son of Odin" といったミドルなど、曲の出来は押し並べて良く、マジで悶絶してたりするんだけどね。(苦笑)。
たぶん Kai Hansen こそが世界一のシンガーだと信じて疑っていないだろうシンガーが絞り出す超ぉ~ヘナチョコな歌声が、これまた超ハマリで素晴らしい。(笑)これ以上垢抜けるなよ~。このままで次作も笑わらわかせてくれよ~。(笑)
といいつつ、実はそのイメージとは裏腹にテクニック/プロダクションの水準は意外なほどに高く、ギタリストの安定した16分のスピード・フレーズの応酬は結構気持ちいいし、ダイナミックな音像も見事だったりするんだな。

Jacket DARE 91
Belief (2001)
泣きの超ウルトラ名盤 "Calm Before the Storm" に続く、待ちに待った DARE 期待の新作!
更に Hard Rock 色は薄くなったが(つーかもはや Rock かどうかすら・・・)んなことはあんま問題ぢゃないッス。Celt の憂いが溢れるほどに封入された Country Side の素朴さと都会的な洗練さが Balance 良く均衡した Acoustic な楽曲群は、Female Singer、Piano、Fiddle、Whistle、そして Pipe による色付けも然ることながら、Darren Wharton の穏やかな優しさに包まれた Mild な歌声に代表されるその本質的な骨格からして天気雨が通り過ぎた直後のまだ湿気の残る緑の大地に流れるその穏やかな調べを生み出し、聴く度にじんわりー・・・っと心に染み渡り知らず知らずのうちに一筋の清らかな涙をスーっと頬に伝わせる・・・。(泣)
前作における Killer Tune "Crown of Thorns" ほどの突出した曲はないにしろ、冒頭いきなりこの身をそっちの世界に運んでしまう "Silent Thunder"、そして風景色豊かに展開する情景美に満ちた Heartful Ballad "We were Friends" を始めとして、全体的な楽曲の泣き度は前作以上かも。前作よりやや控えめの Feature 度ながら、より本質を突くかの Andrew Moore の激泣き好 Play も◎だしね、やっぱ。
・・・マジで現地で聴いてみたくなったわ!!

関係ないけど、珍しい「CD-TEXT 仕様(対応 Player で曲名が表示される)」なのも嬉しいし。初めて出会ったかも。

Jacket DARK AGE 72
Insurrection (2001)
ドイツ産ながらも IN FLAMES 型の慟哭美旋律を大胆に配したジャーマン・メロディック・デス。
安心のクオリティであるのは間違いないが、突出した魅力は希薄で正直レビューに困ってまうわ。他の同系バンド達に埋もれてしまっているなぁ・・・。

Jacket DARK AVENGER 86
Tales of Avalon Part1 (2001)
Brazilian Melodic Power の期待の星が 2nd Album を Release。
新宿レコードで大枚¥3,500をはたいて入手せざるを得なかった(汗)衝撃の Debut Album "Dark Avenger" に続いての、彼らの創作 Story である "Tales of Avalon" に基づく全 64 分の Story Album となった本作は、こりゃまた大成長の満足盤。(嬉)
どんな手を使ったのかは不明ながら、見事にモノにした Bruce Dickinson の歌唱 Sence で構築された「グッとくる」Melody を初期 Geoff Tate を思わせる冷徹な Hi=Note で大仰に歌い上げる(FATES WARNING の初期Singer John Arch の進化系と言えよう!) Singer Mario Linhares と High=Tech な Neo=Classical Guitar を惜しげもなく披露するGuitar Player Leonel Valdez を始めとする Minor 臭さの希薄な完成度の高い Play によって支えられた Sound は、IRON MAIDEN meets ANGRA の様相は相変わらずながら、前作の突撃具合が一段落するとともに、Story Album ならではの言うなれば中期 QUEENSRYCHE 的な腰の落ち着いた叙情の憂いをドーンと打ち出してきた。いやー嬉しいね。
やや Edge に欠ける柔和な Sound Making (特に Bass ) にはチョイト勿体無さを禁じ得ないものの、ここまで Balance 良くまとまった Melodic Heavy Metal には、まずは拍手っすわ。

Jacket DARK LUNACY 88
Devoid (2001)
サッカーとハムの町(笑)パルマからのイタリアン耽美派デスの使者 DARK LUNACY が放つこのデビュー作は、これまでありそうでなかった「室内楽デス」の金字塔。
何は無くとも、全編で鳴り響くヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロで構成されるウルウルの弦楽四重奏が、もう全く持ってタマらなくもタマらない!
弦の震えが欧州の歴史を伝える「生」の持つ凄みは、最近のシンフォ・デスでその傾向が強い「シンセバリバリのゴージャスな壮麗さ」にはない、独特の悲壮感に包まれまくり。室内楽の調べに纏わりつく、哀しみのアコーディオンや可憐な女声ソプラノ、混声合唱団などの叙情アイテムの導入センスもかなりナイス。
そのストリングス・セクションの充実から得られる満足感も、堅固たる骨格に支えられたメタル・パートの充実があってこそ。この DARK LUNACY は、この手のバンドには珍しく、そのあたりが非常にしっかりとしているのが強いな。シンガー Mike Lunacy(芸名がちょっとイタいが/苦笑)の猛虎の咆哮の如きビースト・グロウル、そしてなかなかの実力の保持を伺わせるドラマー Baijkal の安定した決まりのいいドラミングを始めとする不安要素のない上質な演奏で爆発するそのメタル・パートは、PARADOX, DESPAIR 的な 80's ユーロ・スラッシュ風味も覗かせながら、実に見事に弦楽カルテットと融合して泣き泣きのドラマを創り出すことに成功している。
ロシア民謡をモチーフにした "Forlorn" の勇壮なる激情は、暗黒系史上に輝くインパクトといっても過言ではないと思ふよー。

Jacket DARK MOOR 89
The Hall of the Olden Dreams (2001)
大化け! 昨年のデビュー作で悶絶させてくれたスパニッシュ様式クサメタラー DARK MOOR が、早くも2作目でやってくれた! マドリッドのB級バンドから、いきなり欧州を代表するネオ=クラシカル・エピック・メタルに大変貌。いんや~、マジでクリビツテンギョウ。
前作で萌芽の見られた、多くの欧州クサメタラー同様に HELLOWEEN, BLIND GUARDIAN といったジャーマン勢のバック・グラウンドに YNGWIE MALMSTEEN 直系の北欧バロック・ネオ=クラシカル・エッセンスを大胆に塗したその劇的なスタイルは、本作では実力派プロデューサーの下、見違えるほどの良好なサウンド・プロダクションと深みのあるダイナミクスを手にした。
時に SILVER MOUNTAIN 的な悶絶を生みながら勇ましく疾走するメロディの嵐と、大仰にシンフォニックに展開を重ねるクラシカルなパッセージの交錯が生む高揚感は凄まじいの一言に尽きる。
女性シンガー Elisa の、JuttaVELVET VIPER)を更にパワフルにした歌いっぷりは、前作ではどう聴いても女性と判らなかったが、今回は所々で明らかにそれとわかる女性っぽいしなやかさを武器にしており、これがまたタマンナイのよね。
あー、涙が止まらない!(政則風/笑)

P.S. 誰だっ!「歌詞がスペイン語だったらもっと良かったのに」なんて言ってるガイキチは!(爆笑)

Jacket DARKANE 85
Insanity (2001)
SOILWORK と共に ARCH ENEMY 的ギター・オリエンテッド・デスラッシュ・メタルを標榜する DARKANE の期待の 2nd は、その醜悪過ぎるジャケットからは想像もつかない冒頭の荘厳な宗教的シンフォ・イントロにまず驚き。
そこからスムースに導入していく先は、超人 Peter Wildoer の爆裂しつつも繊細なドラミングと Christofer Malmstrom のテクニカルでエモーショナルな泣きのマジカル・ギターに引っ張られ最後まで息もつかせず一気に集中させる、アグレッションとメランコリーの交錯するブルータルな世界。
所々で分厚いメロディック・ハーモニーを絡ませながら頻繁に明確なメロディをなぞる Andreas Sydow のヴォーカルは、もはやデス・ヴォイスとは呼びがたく「ダミ声」というレベルの聴きやすさ。
複雑なメロディック・ヘヴィ・リフが疾走する、度を過ぎないドラマティックさが醸し出す雰囲気は、DESPAIR あたりに代表される80年代末期 ~ 90年代初頭の激走ユーロ・スラッシュに通じるいい意味での古臭さを感じるな。(嬉)
ただ、ラップ星人(苦笑)なメンバーショットは、演者の「顔」が見えんがための感情移入のしにくさを助長しているようで、なんだか損してる感じ。特に日本でブレイクしようと思ったら「キャラクター」って大事だからなぁ。。。

Jacket DARKWELL 74
Suspiria (2001)
オーストリアの女声ゴシック・メタル。
暗い魔女の森の奥深くから響くシンフォニーを纏った、その裾を引き摺りながら邁進する重量感のあるメタルリフ。その上で舞い踊るのは、少女的な稚拙さが目立つものの、逆にオジサンとってはついつい護ってあげたい系の保護マインドが働いちゃうような Alexandra 嬢@19歳の可憐なソプラノ・ヴォイス。所々に低音男声がデュエットをかましながらも、主役はその頼りなげながら魅力的な彼女の声なんだよな。
正直、曲自体はリズムの単調さが気になるなどやや面白みに欠ける嫌いがあるが、地味なジャケとは相反するきちんとした壮麗な作りだし、「暗黒描写」という点ではなかなか個性的な深いものを持っているのがハッキリと感じ取れて、もしかしたら意外とハマるかも。。。

Jacket DELIGHT 73
Last Temptation (2001)
Poland 産の DELIGHT なるバンドのこの Debut Album、絵とはいえ露骨なハメジャケ(笑)は笑えるが、内容的には女声を Feature したかなり正統派 Heavy Metal 寄りのまともな Gothic Metal。
女性 Singer Paulina Maslanka 嬢の唄いっぷりといい、16分刻みの Baloque Arpeggio を端整に爪弾く仄かに Neo=Classical な風合いを見せる Guitar Play といい、Dramatic な楽曲といい、何もかもが出身国を感じさせない程に水準以上の出来なんだけど、個性が少々足りないせいか、どーにも物足りなさが残る。
やっぱ Female Gothic ってこれだけ同系がいると、チョットやそっとの出来では突出できナインだよなぁ・・・うーん、悪くないだけに、なんとも惜しい感じデス。。。

Jacket DESDEMONA 76
Stagnacja (2001)
ポーランドのフィメール・ゴシック・メタル・バンド DESDEMONA のデビュー作。
朴訥なフワフワ・ソプラノ・ヴォーカルが舞う耽美なゴシック・チューンは、パワー感のあるリフ使いがメタル色の強さを感じさせると同時に、ポーランド・ゴシックならではの東欧風味もたっぷり。
あまりに打ち込み臭いリズムとややドタバタ気味の展開は気になるが、快活かつドラマティックなシンフォ・メタル・テイストだけではなく、ヘヴィなドゥーム色、鐘やオルガン等の宗教的な装い、そしてデジなユーロ・ポップ風味など、ゴシック・メタルに絡み得る多様な要素を贅沢に採り入れた作風は充分に魅力的だわ。  (Jun. 04, 2003)

Jacket DEVIN TOWNSEND 82
Terria (2001)
奇才 Devin Townsend の新作は、異能な故に周囲から孤立した天才少年の瞼裏に映る心象風景の Sound Collage といった風情の Progressive な音世界。
Imaginative な美麗 Artwork よろしく展開する作りに作りこまれた異世界の情景は、Death Scream に比肩する怒号を孕む Heavy なパートも見せつつも、全体に浮遊する Melancholic な美しいメロディが空気に溶け込む安堵の色彩だ。
静粛な音像であっても、しっかりと濃密な音の壁が迫ってくるような圧迫感は、まさに Devin Townsend ならではの独特の感触。ただ、本作を聴いて感じ取りたいナイーヴな憂いには、その密度と音の粒一つ一つの妙な角張りが少々ウザくもあり、本来描かれるべき情景への移入を阻害しているような気もした。
そのせいか、現在のところでは「耳を惹くパーツがそこかしこにある難解な作品」という印象かな。まぁ聴けば聴くほど印象変わるんだろうけどね、この手の Progressive Rock は。

Jacket DGM 90
Dreamland (2001)
イタリアン・プログレッシヴ・メタル・バンド の 3rd アルバム。
前作 "Wings of Time" での頼もしい程の「イタリアの SYMPHONY X」っぷりを大いに気に入ったので、カナリの期待を胸にスタート・ボタンを押したが、これがまた期待以上の超充実作で一安心・・・どころか嬉しすぎ。
弱点だったシンガーの座に新たに Titta Tani(谷さん?/笑)を据えてのこの新作は、しっかりと歌えるシンガーである彼の太くもまろやかな手触りの印象からか、大化けした前作でもまだ僅かながら残っていったチャチさを一切排することに成功した、成熟した叙情ドラマティック・プログレッシヴ・メタルを展開している。
時に適所で疾走をかましつつリズムチェンジを繰り返しながらも、決して焦りを見せない落ち着いた空気に包まれたしっとりとした泣きの慕情に濡れそぼる楽曲は、キラキラと輝く変幻自在の壮麗なキーボードと、色気たっぷりに咽び泣く超テクニカルなネオ=クラシカル・ギターが舞いまくる素敵極まりないスタイル。
中間部のプログレッシヴな深遠がたまらない王道プログレッシヴ・メタル "Eternity"、キャッチーな魅力溢れる "Lost in Time"、愁いったっぷりのバラード "The Rain falls in the Desert"、そして真正プログレ・フィールに満ちた "Feeling Forever" をはじめ、どの曲にもたっぷりとフィーチュアされたイタリア No.1 ネオ=クラシカル・ギタリスト(Castle of Pagan 認定/苦笑)Diego Reali の粘度の高い悶絶ネオ=クラシカル様式美プレイが心を震わすね。ネオ=クラシカル万歳!(苦笑)
GOBLIN の伝説のキーボーディスト Claudio Simonetti によるミックスのせいか(たぶん先入観/笑)、キーボードでプログレッシヴさを演出する場面に非常に説得力があるのも◎。

Jacket DIABOLIQUE 79
The Green Goddes (2001)
ドゥーム・デス・メタルを演っていた初期の頃には Daniel Erlandsson(現 ARCH ENEMY, ARMAGEDDON)も在籍していたことがあるというこのスウェーデンは Gothenburg のバンド DIABOLIQUE だが、本作にはもはやその面影はなく、「エレクトロ・ゴシック・ニュー=ウェーヴ」とでも形容できそうな非常にポップな音を作り出している。
808系のリズム・ループや気だるいキーボードを配したその音作りこそ、自分が許容する範囲ギリギリの線上で危ういバランスを取っている・・・ってかなりイッちゃってるレベルながら、素の楽曲そしてメロディはコリャなかなか魅力的。
主に耳触りの良いソフトな男声で歌われる、その辿ってきた歴史が滲み出させる(推測/苦笑)暗黒系独特の耽美な香り漂うメランコリックな旋律は、キャッチーさを感じさせながらも内向的な陰鬱さをたっぷりと発散しているので、バックでピコピコやっててもあまり気にならない・・・ってゆーかむしろ心地よかったりするから慣れって怖いな。。。 今やメロディック・ロックとして楽しめすらするし。
そしてやっぱりキモなのが、ゲストの女声シンガーとのデュエットの美味しさですわ。ラストの "Substancer (Emperess of Flowers)" なんて、マジでタマンないものなぁ。

Jacket DIMENSION ZERO 81
Silent Night Fever (2001)
IN FLAMESJesper Stromblad そして元 IN FLAMESGlenn Ljungstrom のギター・コンビ(Jesper は Bass も担当)、元 MARDUK のシンガー JOCKE GOTHBERGLUCIFERION, DIABOLIQUE のドラマー Hans Nilsson という魅力的な経歴を持つスウェディッシュ・メロディック・デスラッシュ・バンド DIMENSION ZERO が、1998年に MCD "Penetrations from the Lost World" をリリースしてから約4年弱・・・。誰もがそのバンドの存在を伝説視し始めていただろうが、ところがどっこい彼らは秘密裏に生き長らえ、しかも超待望だったフル・アルバムを突然ここに提示してきた。
"Through the Virgin Sky", "They are Waiting to Take Us" というデビュー MCD 収録曲のリ・レコーディング・ヴァージョンが違和感無く配置されていることからも窺い知れるように、この全10曲34分の粗暴なようで丹念に作りこまれた猛爆デスラッシュは、前作同様の路線。曲中に叙情リフを絶妙に練り込みながらも全開のアグレッションがアドレナリンを瞬時に沸騰させること必至の激烈ミュージックは、最も IN FLAMES っぽさを感じさせる "Not Even Dead Yet" を筆頭に、整合が取れていながらも野蛮さをも感じさせるハイ・クオリティな仕上がりだ。
ただ、この3年の間のエクストリーム・ミュージックの進化を考えると、この「予測の範囲を逸脱しなさ」に少々肩透かしを感じちゃったりするのも正直なところ。
そしてもう一つ残念なのは、本作では「リフの一部」としての単音&ハーモニー・ギター以外のいわゆる「ギター・ソロ」に相当する部分が一切排されており、前作で聴かれた Fredrik Johansson (DARK TRANQUILLITY の彼とは同名異人) が紡いでいた叙情ギター・ソロにこの DIMENSION ZERO の魅力の一部を感じていたオレにとっては、チョイとショックでかかったッス。。。

Jacket DIMMU BORGIR 87
Puritanical Euphoric Misanthropia (2001)
ノルウェーが誇るシンフォ・ブラックの帝王 DIMMU BORGIR が、遂に邪悪な白塗りメイクから脱却し、その威厳ある佇まいを露にした入魂の 5th。
新メンバーとしてドラマーに元 CRADLE OF FILTHNicholas を、ベーシスト兼クリーン・ヴォイス担当として前作でもゲスト参加していた BORKNAGERVortex こと Simen Hestnaes を正式に迎え・・・そしてギタリスト Astennu の後任の座にはなんと大物中の大物、OLD MAN'S CHILDGalder が!!
そんな超スーパー・グループとなった彼らが生み出したこの新作は、その体制に恥じぬ最高品質。絶え間なく鳴り響く絢爛豪華なシンフォニーの呼吸に包まれたミステリアスなブルータル・メタルは、過激極る超絶ブラストとゆとりが細波となって語りかけるメロウなスロー・パートが目まぐるしく交錯する上で Shagrath のカリズマティック・デス・ヴォイスが心に響く、決して一本