Archives [Full Details] - 2001 / 271 Albums
Jacket LOST HORIZON 99
Awakening the World (2001)
うをーーー! 燃えるね! こりゃ! 映画 HIGHLANDER の世界観に基づく戦士の装束に身を包み、顔にはペイントを施した稀代のメタルバカ 4 人組 LOST HORIZON のデビュー作は、「メタルが好きで良かった!」と目の幅の涙を滝のように流しながらプラトーン・ポーズでガッツポーズを取らざるを得ない、まさにメタル・ニュー・ミレニアムを祝うが如くのメタル救世主降誕の瞬間を感じさせる傑作。
Oscar Dronjak 様 (HAMMERFALL) を超えるクサレ・メタル・ヲリアー振りがたのもしい、気合の入りきった形相のギタリスト Trancendental Protagonist こと Wojtek Lisicki がそのすべてを手がける、漢気に満ちた熱過ぎる楽曲は、ライヴで会場を一体とせんがための合いの手系シンガロングたっぷりの、メタル美学溢るる逸品揃い。
嬉しいのは北欧の哀愁がたっぷりと封入されている点で、その心意気には心から共感するものの、演奏力&楽曲のせいで全面的な支持にはちょいと躊躇するものがある HAMMERFALL、またそれらの難点をクリアし心の拠り所となっていた METALIUM ら新たなメタル・リーダー達をこの LOST HORIZON が遥かに凌駕すると確信させるのは、彼らと同様な漢メタルでありながらヘヴィ・メタルにおいて「攻撃性」と並んで重要な要素である、その「泣き」と「愁い」が充実しているところなんだよね。
そして不安要素皆無なメジャー感たっぷりの演奏が生み出す激情の主役は、紛れもなくスキン=ヘッド・シンガー Ethereal Masgnanimus こと Daniel Heiman だろう。攻撃的なダーティーさとスムースな湿り気を好バランスでここぞという場面場面に絶妙に配し、パワフル=ウィスパーやデス一歩手間の吐き捨て、クリアなハイ・トーンを自在に操りながら、メロディックで心に迫る歌唱は、Eric Adams の堂々さと Bruce Dickinson のセンス、そして Joey Tempest の豊かなポップ・センスまでも包含した素晴らしいシンガーの登場だ!

Jacket ANGRA 96
Rebirth (2001)
バンドの顔と言っても過言ではなかったシンガー Andre Matos の脱退に伴うバンド分裂という危機を、見事に乗り越えた感のある 4th アルバム。
過半数のメンバーを失ってしまった Kiko Loureiro, Rafael Bittencourt 両名の絶望に近い苦悩とバンド再建への様々な障害を察すると、そしてそれを克服してこうして素晴らしい作品を提示するに至った努力と情熱には本当に敬意を表するが、それは置いといてやっぱこの復活劇の立役者は、紛れもなくニュー・シンガー Eduardo Falaschi でしょ。
その山岳地帯に住まう草食動物系の風貌(失礼!/苦笑)からは想像もつかない堂々たる歌唱は、SYMBOLS 時代に感じられたやや圧迫感を伴う押しの強さはどこへやら、非常にスムースかつパワフルに安定したもので、これは意識してのことだろうが Andre Matos 的しなやかさをも備えるにも至る、文句のつけようのない歌いっぷり。Andre Matos の独特の女性的優美さ&か弱さを感じさせる部分に魅力を感じていたオレ的には、その部分が足りないのだけは少々残念に思うが、それを差し引いてもあり余る魅力をこのヤギ男・・・あわわわ、間違えた(汗)Eduardo Falaschi は確実に持ち合わせているのを実感できる。
そんな新生 ANGRA の新たな魅力となった新鮮な歌唱のベースとなる楽曲は、ユーロ・スタイルのメロディック・スピード・メタルに、ギター中心のテクニカル&プログレッシヴな香りとパーカッシヴなブラジリアン・テイストが醸し出すワールド・ミュージックの味わいを加味した従来通りの路線で、ANGRA らしい優美でしなやかなクラシカル・フィーリングもしっかりと健在。その骨格を支える新しいリズム隊も、ワールド・クラスのクオリティを備えてるし。
ただ欲を言えば、本作でその傾向として強く感じられる、昨今嬉しい盛り上がりを見せているイタリアン・シンフォ XaMetal 的な佇まいが痛し痒しなんだな。2nd "Holy Land" の次が本作だったら涙を流しながら[95]以上を付けたのは確実なんだけど、広義のヘヴィ・メタル&ハード・ロックを見渡した上でシーンのリーダーたる一歩先を見据えた視線の冴えを見せた未曾有の大傑作 "Fireworks" で感じさせた ANGRA の可能性を体感した後では、本作における手持ちの駒から逸脱しない類型的なアレンジの数々には、少々歯痒さを禁じ得ない。前作での Chris Tsangarides による抜群のギター・プロダクションも、今回の Dennis Ward には再現させる術がなかろうし。。。

まぁなんだかんだ言って、こーやってブー垂れつつも聴くたびに悶絶っすわ!(嬉笑)

Jacket PROVENANCE (THE) 95
25th Hour; Bleeding (2001)
あ゛ー、ヤバイ。こういうのチョ→好きなんだよね。フルート/キーボードをも操る女性シンガーを擁する5人組スウェディッシュ・アヴァンギャルド・プログ=デス=ゴシック・メタルバンド THE PROVENANCE は、注目レーベル Scarlet からの新たな刺客。
レーベルメイトの SORG 同様の、深い造詣を持ち合わせた音楽家による円熟のヴァイヴが生む上質の泣き泣きグルーヴが心地よすぎる混沌たる哀愁ヘヴィ・ミュージックは、各メロディの即効性はやや薄めながら、プレイの端々から滲み出るアダルトな激情がボディ・ブローのようにこの身を侵す。
メタル・エッジ空気を震わすヘヴィな濃密空間にフルートが朴訥な民族色を演出し、そこのオルガンがオールド・ロックの崇高さを加味した楽曲群は、前出の SORG、そして OPETH らの孤高たる混沌世界に迷い込んだ JETHRO TULL という風情。
哀しみ色の混沌が襲い掛かるムーディーなプログレッシヴ・ミディアム "Shut Down" をはじめ、デス・ヴォイスからクリアな堂々たるシンガロング、さらにはエキセントリックなマインド・ウィスパーまで自在に操る男性シンガー Tobias Martinsson と、可憐なソプラノと力強いハイトーンを見事にコントロールする実力派女声シンガー Emma Hellstrom 嬢という2人の強力なシンガーの表情豊かな歌唱が、交わりと分離を繰り返しながら BORKNAGAR チックな暗黒の無秩序に差し込む朗々たるコーラスワークでエクスタシーを形成する様は、圧倒的なケイオスの美に輝いている。
うむ、極上の「音楽」っす。

Jacket ADAGIO 94
Sanctus Ignis (2001)
フランス人ギタリスト Stephan Forte のプロジェクトであるこの ADAGIO は、ベース・プレーヤこそ彼の旧知の友人である Franck Hermany という人物が担当しているものの、その他はドラムに ELEGYDirk Bruinenberg、キーボードに MAJESTICRichard Anderson(!)そしてなんとシンガーには PINK CREAM 69David Readman(!!)っちゅー驚きの超スーパー・バンド。
主役である Stephan ForteYngwie Malmsteen の影響が濃くも「世界にはまだこんなのが隠れていたのか!」とまで思わせる他を圧倒する実力&センスの持ち主で、そのスリルと泣きに満ちたウォームかつテクニカルなプレイは絶品。
そんなネオ=クラシカル・マニアには美味し過ぎる彼のギター・プレイをふんだんに盛り込んだ楽曲は、シンフォニックでクラシカルな悶絶のプログレッシヴ・バロック・メタル。リフとバスドラムがユニゾンでシンクロする様子をはじめ、SYMPHONY X を引き合いに出すのは決して間違ってはいないが、そこは本作のもう一人の主役たるシンガーである彼・・・そう名人 David Readman の類稀なる魅力によって楽曲をググっと歌モノの世界に引き摺りこんでおり、多くのテクニカル・ギタリストの作品が陥りがちな、ともすれば自己満足なインストに無理やり歌を載せた印象っていうのは皆無だ。
しかしまぁ David Readman はやっぱりイイわ。最高。ポピュラーな魅力を持った巧いシンガーが、自分好みのスリリングな様式プログレッシヴ HM でその実力を弾けさせるのを聴くのはほんとに嬉しいね。"Panem et Circences" の超絶ハイトーンでの絶唱なんぞはチビりそうだよ。マジで。
ただ、そんな超気にいった嬉しい作品であるだけに、残念な面もいくつか目に付き出した。有機的なソロ・プレイでは Richard Anderson が彼らしさ全開で迫ってくるキーボード・パートだが、それ以外は主にプログラミングによって構築されており、特にシンフォニック・パートの奥行きの浅さが気になるなぁ。そして LED ZEPPELIN の名曲 "Immigrant Song" のカヴァー(インストにリ・アレンジ)もイマサン。(苦笑)

Jacket DREAM THEATER 94
Metropolis 2000: Scenes from New York (2001)
2000年8月30日のニューヨーク・ローズランド・ボールルーム公演を収録した DVD。"Metropolis Pt.2: Scenes From A Memory" の再現があまりに凄まじく、夜な夜な酒の肴に見入ってしまう。"The Spirit Carries On" はゲロ泣き。DVD ボーナスの約61分にも及ぶアンコール映像が美味しすぎ。

Jacket SONATA ARCTICA 93
Silence (2001)
誰もが待ち焦がれていたであろう Young Finnish Melodic-Speed-Metal Messiah SONATA ARCTICA の新作は、格段に成長した演奏力&表現力を持って、クッサくも整合の取れた Melody がほとんどの曲で失笑、いや疾走を重ねる期待以上の極上の Speed Metal Album。
Drum Player Tommy Portimo の叩き出す超 Tight な Beat に乗って、Jani LiimatainenMikko Harkin の Hi-Tech Guitar & Keyboard が Neo=Classical な Solo Battle を繰り広げる Thrilling な演奏に、表現力を別人レベルで格段に UP させてきたシンガー Tony Kakko の唄う北欧ハード・ポップのしなやかさを持ち合わせた Melody が馴染みまくる楽曲は、北欧メタルの透明感と German Metal の Upper な高揚感が好 Balance。
失笑、いや疾走 Tunes に挟まれた2曲の Ballad、"Last Drop Falls", "Tallulah" がどちらも出色の出来なのがポイント高いね。聴いてて思ったのが、これらって SKAGARAK に通じる雰囲気があるなーって。
それにしてもダントツで素晴らしい疾走曲 "Wolf & Raven" の 切ない Melody の何とタマンネーことよ!! 悶絶! もんぜつ! MON-ZETSU !!

追伸:
横で聴いてたカミさん曰く「上手すぎて消化不良」。(爆笑!)

Jacket OPETH 93
Blackwater Park (2001)
ロマン・フォーク=ロック・デスを実践する暗黒界の至高の存在 OPETH の 5th。
サイケデリックそしてプログレッシヴという 70 年代ロックの精神性溢れるその独特の美麗なる暗黒世界は、若干音楽性は異なるものの AMORPHIS と同等のスピリチュアルなオーラを発するクオリティの高いプレイがアバンギャルド一歩手前で生み出す極限の哀しみに充ちたアダルトなロマンティシズムが導く、幽玄で静粛な美しき迷宮。
ディープな凄絶デス・ヴォイスとタマらなく麗しく響くクリーン・ヴォーカルを自在に用いてその心情を吐露する Mikael Akerfeldt をはじめとするメンバー 4 人の、生身の人間模様がぶつかり合う「ロック」のヴァイヴに包まれたその楽曲群は、ケイオティックなプログレ・リフが回転するスリルとアコースティカルなリリカル・フォーク・パートの安堵が交互に訪れながら、自身の脳内物質の過剰分泌を促すんだな。
鍵盤系の装飾はほぼピアノのみという最近の耽美デス系とは趣を異にするシンプルな作りながら、ギタリスト Peter Lindgren(マジで巧いよ)の上質なセンスに裏付けられた恐るべき懐の深さを見せつけるマジック・タッチによる、リフ&カッティング、アルペジオ、ハーモニー、スライドなど多彩なギター奏法を駆使したフレーズ&アレンジの妙による、密度が濃くも意識が空間を浮遊するサウンド・クリエイトはサスガの一言。
いやー、参った参った。やっぱり凄いね、OPETH は。ホント嬉しいわ。

[Jan. 08, 2004 追記] ソロ・パートの多くは Peter Lindgren でなくて Mikael Akerfeldt が弾いてるらしいデス。

Jacket TEN 92
Far Beyond the World (2001)
TEN って、オレ的にはデビュー以来ずっと「威厳漂う泣きの英国王道ハード・ロック」の期待をしつつ、ある面では満足しながらも、反面では楽曲の求めるパワーと Gary Hughes の弱々しい歌唱だったり収録された楽曲の焦点のぼやけ具合だったりという「期待するものと実際のアウト・プットの間のギャップ」が感じさせる妙なバランスの悪さに、ある種の諦めを感じていた。Bob Catley のソロ作への関与っぷりに「TEN 辞めてそっちに専念したほうがいい作品作れるジャン」って思っちゃうほどにね。(苦笑)
で、アノ前作でその諦めムードが最高潮に達した後のこの本作をまず一聴した時は、そのイケナイ先入観が強かったのか「まぁまぁ悪くはないな」って程度の感想しか得られなかったが、なぜかリピートを誘うその魔力に屈して聴き進めてみたら・・・いやはやこれがすげーっすわ!
ナニがどう心境の変化をもたらしたのかは定かではないが、気負いなく哀愁を紡ぐ Gary Hughes、琴線をねじ伏せる粘り気満点の泣き泣きギターを聴かせる Vinny Burns、そして非常に効果的にフィーチュアされた新加入の鍵盤奏者 Paul Hodson のプレイが織り成す自然体の哀愁ハード・ロックの数々は実に見事。
「捨て曲なし」って言い方は好きではなかったり・・・つーかむしろ嫌いだったりするんだけど、本作を聴いて久々にそう言ってしまいたい衝動に駆られてしまった。だって、エネルギーと哀愁が交錯する "Strange Land", "Glimmer of Evil", "Black Shadows"、優しく穏やかなバラード "What About Me?", "Far Beyond the World"、アダルトな哀愁ハード・ロック "Heart Like a Lion" といった元祖 TEN ワールドが炸裂する楽曲ばかりか、プリティ・ポップな "Who do You Want to Love?"、ヘヴィ・ロック風味な "Last of the Lovers", "High Tide"、そしてそのムードがギョッとさせるダルでぶっきらぼうな "Scarlet and the Grey" という曲にまで、全曲どれを取っても切なくも甘酸っぱい泣きまた泣きの極上フィーリングが満載なんだもん。
そしてなんと言っても2曲の超キラー・チューンの存在がデカイ。極限までにクッサイ泣きメロが奔走する史上最強の TEN 的チューン "Outlawed and Notorious" と、ボーナス・トラックという扱いがにわかには信じ難いほどにこの素晴らしいアルバムをしっとりと締め括る涙腺刺激バラード "The Soldier" は、目の幅で滝の様に流れ出る涙の受け皿なしには聴けないほど。(苦笑)
泣きの新たなマスター・ピースがここに誕生!

・・・でも、Vinny Burns 辞めちゃうんだよね。。。

Jacket DRAGONLORD 92
Rapture (2001)
またもや XaMETAL の守護神である DRAGON の威光を得んとせんがため、その名をバンド名の一部に冠したコッテコテな XaMETAL の登場かぁッ!? と思いきや、この DRAGONLORDTEATAMENT の中心人物である Rhythm Guitar Player Eric Peterson による U.S. Symphonic Brutal Technical Melodic DeaThrash Project だった。
脇を固めるのは Steve DiGiorgio & Jon Allen っつー元 SADUS の超絶 Rhythm Unit、Technical Guitar Player Steve Smyth (ex-VICIOUS RUMORS)、そして Keyboard に Lyle Livingston (PSYPHERIA) というあまりにも強力な布陣。
それにしても凄い。DIMMU BORGIR そして EMPEROR に代表される Symphonic Black Metal の味わいを、歴戦の U.S. メジャー軍団の経験と体力に裏付けられた整合感で調理したその垢抜け具合満点の Sound には、聴くたびに身体の芯を震わされるわ。
リフのコード進行の不気味な美しさを助長する程よい Synth Arrange が醸し出す仄かな耽美 Gothic の味付けを伴った、研ぎ澄まされた剃刀の切れ味を併せ持った鈍重な大鉈の如き殺人 Riff と、Full Power で 8 Beat を刻む時と何ら変わらぬ Hit の強さ& Volume で迫り来る驚異的超絶突撃 Blast の気持ちいいこと気持ちいいこと。Steve DiGiorgio の図太くのたうつ Fretlass Bass を堪能できるポイントが彼の参加したここのところの作品の中でもかなり多めなのも嬉しいし、Eric Peterson 自身が発する絶叫一歩手前の Death Voice もなかなか様になっているし。そして Steve Smyth の Guitar Play ! 振幅の大きな Vibrato を武器に、フレーズ中に Harmony を効果的に絡めて緩急見事に煽情力の高い Solo Part を構築する様は勝手に「Andy LaRocque の正式な後継者」に認定だ。そういえば、そのせいかなんだか全体的に KING DIAMOND っぽさも感じるな。
と心酔しつつも、似通った楽曲が多かったり Steve Smyth の見せ場がもっと欲しかったりと要求はなくもないが、まずは満足以上の快心の出来といっていいだろうな。今後は Serious な Band として継続してゆくとのことなので、さらに期待ナリ。
剣を構える Eric Peterson が普通のTシャツなの以外は(汗)完璧に近い耽美な Artwork も好感度高い!

Jacket TURQUOISE 91
Turquoise (2001)
このファンタジックなアート・ワークだけで金を払う価値を見出せる、ポーランド産の女声をフィーチュアしたプログレッシヴ・ロック・バンド TURQUOISE のデビューアルバムだが、ジャケに劣らず内容の方もこれがチビリそうにスゴい。
純朴な女子大生系女性シンガー Katarzyna Jajko 嬢がその「守ってあげたい系」エンジェリック・ソプラノ・ヴォイスですべて現地語で萌え萌えに歌い上げるのは、とかくダレがちな女声シンフォ物とは一線を画す芯の通ったファンタジック・ワールド。
悶々としたユーロ・シンフォの叙情を主軸にしながら、ユーロ・ポップのアンニュイでありながら清涼なポップ感や LANA LANE に通じるプログレ上がりのハード・ロック的なメリハリ、BLACKMORE'S NIGHT 風吟遊詩人的中世風味などをも包含した異国情緒たっぷりの穏やかで淡い音世界は、聴く度に笑顔の頬に溢れ出る清々しい涙を流れ伝わせる。
絶妙にハーモニーを形成しながら朴訥な泣きを吐露するギターがリードするインスト群の「中途半端なテクニカル具合」(苦笑)から仄かに漂う辺境プログレ独特の香りが、これまたタマんないんだよなー。(しみじみ) ラストを飾るの泣きの叙情大作 "Wez Ze Sobq Mnie" なんぞは、歴代の女声モノを見渡してもカナーリ印象度の高い逸品で、よく騙される(苦笑)「シンフォ・ファン&女性ヴォーカル・ファン必聴作!」っつー CD 店の煽りが伊達じゃない名作ッス! 

Jacket DARE 91
Belief (2001)
泣きの超ウルトラ名盤 "Calm Before the Storm" に続く、待ちに待った DARE 期待の新作!
更に Hard Rock 色は薄くなったが(つーかもはや Rock かどうかすら・・・)んなことはあんま問題ぢゃないッス。Celt の憂いが溢れるほどに封入された Country Side の素朴さと都会的な洗練さが Balance 良く均衡した Acoustic な楽曲群は、Female Singer、Piano、Fiddle、Whistle、そして Pipe による色付けも然ることながら、Darren Wharton の穏やかな優しさに包まれた Mild な歌声に代表されるその本質的な骨格からして天気雨が通り過ぎた直後のまだ湿気の残る緑の大地に流れるその穏やかな調べを生み出し、聴く度にじんわりー・・・っと心に染み渡り知らず知らずのうちに一筋の清らかな涙をスーっと頬に伝わせる・・・。(泣)
前作における Killer Tune "Crown of Thorns" ほどの突出した曲はないにしろ、冒頭いきなりこの身をそっちの世界に運んでしまう "Silent Thunder"、そして風景色豊かに展開する情景美に満ちた Heartful Ballad "We were Friends" を始めとして、全体的な楽曲の泣き度は前作以上かも。前作よりやや控えめの Feature 度ながら、より本質を突くかの Andrew Moore の激泣き好 Play も◎だしね、やっぱ。
・・・マジで現地で聴いてみたくなったわ!!

関係ないけど、珍しい「CD-TEXT 仕様(対応 Player で曲名が表示される)」なのも嬉しいし。初めて出会ったかも。

Jacket TERRY BROCK 91
Back to Eden (2001)
多分死ぬまで(死後もだな/苦笑)「元 STRANGEWAYS」と冠され続けることがほぼ決定済の Terry Brock の初 Solo Album は、彼の Melodic Rock に対する敬愛がたっぷりと詰まった Melodic A.O.R. Hard の驚くべき名盤に仕上がった!
伝説の Singer のベールを脱ぐこととなった、先の THE SIGN の Album では「なかなか」ではあったものの「凄い!」という感想を抱くまでには至らなかった Terry Brock の歌唱だが、ここでは、それとは比較にならぬほどの「伝説」になりうるのが納得の Steve Perry (ex.JOURNEY) の伸びやかさと Chris Ousey (HEARTLAND) の渋さを兼ね備えたと形容できよう、凄みに溢れた Emotional な歌唱を聴かせてくれている。1フレーズの中で Power をかけるところと抜くところのツボを心得た丁寧な歌唱は、マジ心に突き刺さってくるね。
そして、何と言ってもその歌唱を包み込む楽曲が、ホントに素晴らしいッたらありゃしない。即脱糞必至の哀愁 Hard Pop の超佳曲 "Up All Night"、"Back to Eden" を始め、Sophisticate されつつも Hard Rock の Edge に身体が反応する Energy に覆われた澄みわたる開放感の中にしっかりと悶々の哀愁が存在するという、JOURNEY, SURVIVOR の全盛期に迫る充実度を誇る Best Tune 候補級の佳曲がゴロゴロ存在するんだもの。
歌中心ながら、何気に大人の超絶 Play を見せつける Instrument 群の充実も聴き逃せない Point。ちゃんと Feature されている Wet な Guitar も◎!

Jacket KAMELOT 91
Karma (2001)
シンガーに元 CONCEPTIONRoy S. Khan を加えた "Siege Perilous" で驚きのエピック宣言をかまし、その後の前作 "The Fourth Legacy" では、そのクオリティと充実の叙情シンフォ・メタル具合に度肝を抜かれたこの KAMELOT、好ライヴアルバムを挟んでの待望のリリースとなったこの新作 "Karma" では、更なる進化を遂げている。
シンフォニックなイントロ "Regalis Apertura" から導かれるクラシック(これってパガニーニのヴァイオリン協奏曲だっけ?)をモチーフにしたドラマティックな "Forever" で幕を開け、3部構成の組曲 "Elizabeth" で大円団を迎えるに至るまで、全曲に亘って粒をビシッっと揃えてきたね。
ライヴアルバムでもその実力を見せ付けていた Casey Grillo のツーバス連打の鳴りの気持ちよさがヘヴィ・メタル特有の高揚感を誘いつつ、リーダー Thomas Youngblood の泣きの様式ギター・ワーク、そして Miro のキーボード&オーケストラアレンジの素晴らしさに舌を巻かざるを得ない、緩急の妙にわくわくするような楽曲群は、KAMELOT 独特の森深い邪教の寺院に迷い込んだかのようなエキゾチックなドラマティックさに包まれている。
そして何と言っても Roy S. Khan の夜露の潤いに濡れるしなやかな歌唱が、とにもかくにも絶品の輝きを見せている。こりゃもう Rob Tyrant とタメ張るね。中でも、生のストリングス・カルテットを配した激泣きアコースティック・バラッド "Don't You Cry" での歌唱は、鳥肌&滝涙必至なのだ! 

Jacket ARK 91
Burn the Sun (2001)
様々な音楽要素を取り入れたテクニカルかつ実験的なマジカル・サウンド・ワールドは前作同様ながら、本作では耳に残るキャッチーなメロディの憂いを前面に推し出たのが功を奏し、ごった煮感が強く散漫な印象を受けた前作とは打って変わって、プログレッシヴながらキャッチーな欧州ロマンを確実に伝える、一本芯が通った力作だ。
その「芯」の部分を担う当代きっての超絶シンガー Jorn Lande は、ここでもモチその凄みを全開させている。この、さもすると難解で自己満足寸前のミラクル・ミュージックが「歌モノ」の気配までもを感じさているのは、多くは彼の歌声の力に他ならない。
そして他のメンツのベストなパフォーマンスも見逃せない。「元 CONCEPTION 」の但し書きを葬り去るに充分な抜群のセンスのよさを見せつける Tore Ostby、魔力を持ったフレットレス=ベースのグリスを操る Randy Coven、実の正体がプログレッシヴ・ドラマーたることを証明する手数を繰り出す John Macaluso、そしてこれまた実はウルトラテクニシャン Mats Olausson・・・と、Tore Ostby を除いては現 Yngwie Malmsteen バンドと同一メンバが集結してこれだけ充実したプレイを聴かせると、いかに Yngwie Malmsteen が人使いの下手なダメ社長かが浮き彫りになりますな。うははは。
こーゆー聴けば聴くほどに新しい発見がある深みある濃厚な摩訶不思議世界は、ホント聴いてると気持ちいいよね。Al Di Meola ばりの悶絶スパニッシュ・ギターに顔が歪んでしまう "Just a little" なんかは、マジたまらんッスよ。

Jacket SYMPHONY X 90
Live on the Edge of Forever (2001)
欧州でここ日本以上の絶大な支持を誇る米国産プログレッシヴ・メタル・バンド SYMPHONY X の2枚組ライヴ・アルバムは、彼らが卓越したスタジオ巧者というだけではなく、素晴らしいライヴ・アクトだと知らしめる1枚。(ってゆーか2枚/笑)
歌心に溢れる力強い歌唱が頼もしいと共に穏やかな表現も OK な Russell Allen、優雅で軽やかなレガート&炎が揺らめく程のファスト・プレイなどをさすがの安定感でこなしまくる問答無用の凄みに満ちた Michael Romeo とその超絶プレイに難なくユニゾンするベースの Michael Lepond、実に切れ味鋭くドラムをハード・ヒットする Jason Rullo、そしてこの SYMPHONY X を支えるの影の立役者として壮麗なバッキングにスリリングなソロにと駆け回るキーボード Michael Pinnella というメンバー5人の凄みが余すところなく封入されている。
コレまで唯一の来日公演は未体験なので、ここで聴けるヒートアップした観衆の熱気に支えられたスタジオ盤以上のオーラには本当に驚かされるばかり。こんなの生で体験したらマジヤバイだろうな。
そんなエネルギッシュなプレイによってさらなる生を授かった、冒頭のドラマティックに荘厳な哀愁で疾走する "Evolution (The Grand Design)" からラストの20分を超える圧巻の超大作 "The Divine Wings of Tragedy" まで総計107分に亘って展開される一糸乱れぬテクニカル・メタルの緊張感とプログレッシヴに拡散する浮遊感の交錯が呼び起こすカタルシスは、My Favorite Tune である "The Damnation Game", "Out of the Ashes", "The Witching Hour" が本作に収録されていない不満など吹っ飛ぶほどに心地よい。
いや〜、いいバンドだね。早く度肝を抜くようなスタジオ盤作って来日してくれ! あ、2002年の Wacken Open Air でも可っすよ。

ちなみに、パッケージにおける Michael Romeo の己を熟知した謙虚な露出具合も好印象ね。

Jacket DGM 90
Dreamland (2001)
イタリアン・プログレッシヴ・メタル・バンド の 3rd アルバム。
前作 "Wings of Time" での頼もしい程の「イタリアの SYMPHONY X」っぷりを大いに気に入ったので、カナリの期待を胸にスタート・ボタンを押したが、これがまた期待以上の超充実作で一安心・・・どころか嬉しすぎ。
弱点だったシンガーの座に新たに Titta Tani(谷さん?/笑)を据えてのこの新作は、しっかりと歌えるシンガーである彼の太くもまろやかな手触りの印象からか、大化けした前作でもまだ僅かながら残っていったチャチさを一切排することに成功した、成熟した叙情ドラマティック・プログレッシヴ・メタルを展開している。
時に適所で疾走をかましつつリズムチェンジを繰り返しながらも、決して焦りを見せない落ち着いた空気に包まれたしっとりとした泣きの慕情に濡れそぼる楽曲は、キラキラと輝く変幻自在の壮麗なキーボードと、色気たっぷりに咽び泣く超テクニカルなネオ=クラシカル・ギターが舞いまくる素敵極まりないスタイル。
中間部のプログレッシヴな深遠がたまらない王道プログレッシヴ・メタル "Eternity"、キャッチーな魅力溢れる "Lost in Time"、愁いったっぷりのバラード "The Rain falls in the Desert"、そして真正プログレ・フィールに満ちた "Feeling Forever" をはじめ、どの曲にもたっぷりとフィーチュアされたイタリア No.1 ネオ=クラシカル・ギタリスト(Castle of Pagan 認定/苦笑)Diego Reali の粘度の高い悶絶ネオ=クラシカル様式美プレイが心を震わすね。ネオ=クラシカル万歳!(苦笑)
GOBLIN の伝説のキーボーディスト Claudio Simonetti によるミックスのせいか(たぶん先入観/笑)、キーボードでプログレッシヴさを演出する場面に非常に説得力があるのも◎。

Jacket CRADLE OF FILTH 90
Bitter Suites to Succubi (2001)
New Material 6 曲に、1st Album "The Principle of Evil Made Flesh" の Re-Recording Version 3 曲と Cover 1 曲を加えた企画盤ながら、1st Album も Cover も原曲を未聴なので、全体を純粋に新作として楽しめるお得な一枚。
既に完全に確立された感のある CRADLE OF FILTH 独自の甘美なる背徳の暗黒美に包まれた新曲群はどれも代表曲クラスの出来映えで、美しくも Brutal に爆裂する "Born in a Burial Gown" の素晴らしい高揚感といったらもう・・・。その他の 4 曲も全く遜色のない完成度で、1st 収録曲は彼らが当初から素晴らしい曲を書いていたことの喜びに頬の緩む良い曲揃い。SISTER OF MERCY"No Time to Cry" の Cover も、道を踏み外さずして良い Variation になってるし。
これらがかの感動作 "Midian" からそう間を置かずに堪能できるってぇのは、なんとも贅沢の極みと言えるね。収録曲の粒の揃い方から見ると、もしかして本作、企画盤にして最高傑作なんちゃうん!?
そして、いつもながら想像力を刺激する見応え満点の Artwork も Nice Sence。ケースにこーゆーのが挟まってると、それだけでお金出した甲斐があった気になっちゃうよな。

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Fires at Midnight (2001)
うーん、確かにその前2作で体感できた心地よさをそのまま継承した期待通りの素ン晴らしい出来ではあるのだが、一通り聴いて・・・悶絶っちゃあ十分に悶絶なんだけど、「師匠! もうやり尽くしましたぜ!」ってな第一印象・・・と思いきや、繰り返し聴くうちにあっという間に撤回デス。(苦笑)わっははは。
美しき歌姫 Candice Night 嬢の、師匠を腑抜けさせたその SIREN の如き純朴な歌声が発散する安堵感と、その歌声(だけではなく「肉体」にものハズ/笑)に見事に骨抜きにされ、今やすっかり色ボケ吟遊詩人となった感のある我が神 Ritchie Blackmore 大先生の Melancholic な哀感を発散する悶々とした Guitar Play が交錯する、前2作同様の中世 Europe 的佇まいの Fantasic な Renaissance Music は、より「民族色」を強めながらもこれまでより現代的な輪郭でまとめた印象で、やっぱ超魅力的なのよね。
これまで以上に Feature されている Electric Guitar Play が映える Rock Tunes "Written in the Star", "Village of the Sand"、Trad 色の強い Title Track "Fires at Midnight" から 儚く哀しい "Hanging Tree" の圧巻の流れ、お得意の Arabian Taste 満点に疾走する(んだな、コレが!)"The Storm"、そして上質の POP Song な味わいに満ちた "All Because of you"・・・を始め、よく聴くといい曲も満載だし。
ただ、この手の曲で全17曲70分っつーのは、やっぱ多いし長過ぎよね。そしてジャケの出来も師匠の歴代の作品中、下から数えて・・・・。

Jacket NIKOLO KOTZEV'S NOSTRADAMUS 90
The Rock Opera Nostradamus (2001)
フィンランド領オーランドに居を構えるブルガリア出身のネオ=クラシカル系ギタリスト Nikolo Kotzev によって書き上げられた、史実を織り込みながらファンタジックに綴られた全 100 分に及ぶこのノストラダムス物語は、メタル史に残るべき渾身の力作。
この壮大なロック・オペラを構成する楽曲群は、シンフォニック&エピックに進化した DEEP PURPLE and RAINBOW 的と言えようもので、様式派ブリティッシュ・ハード・ロックのスリルと泣きを、クラシカルなシンフォニーの格調で包み込んだ実に威風堂々たるもので、各楽曲を一曲ずつ取り出しても充分に楽しめる。もし DEEP PURPLE が初期のアート・ロック風味の大作主義を貫き通していたらこんな感じなのかな。
とにかくキャストとして起用されたシンガー軍団の顔ぶれが凄い。Glenn Hughes, Joe Lynn Turner, Goran Edman, Doogie White そして今をときめく Jorn LandeRinnie James Dio の穴を見事に埋める芝居がかった熱唱が見事!!)と、「ブルージーかつソウルフルな味わいを基本としつつ正統メタル歌唱をもその範疇に持ち合わせるタイプ」では世界的にもトップクラスのシンガーが集結。正直いささかヴァラエティに欠ける印象を受ける人選ではあるが、結果的に本作で聴けるそれぞれの鳥肌必至の恐るべきパフォーマンスの前には、そんな文句は吹っ飛んでしまうわ。
うーむ、いいね。やっぱオレってば大作ずきなんだな・・・と再確認。(笑)

Jacket SCORPIONS 90
Acoustica (2001)
2001年2月9,10日にポルトガルのリスボンで行われたアコースティック・ライヴの様子を収めた DVD。Klaus Maine のしとやかな歌声にはやっぱ痺れるなぁ。特に "Holiday" には悶絶。仕込みぢゃねぇ?ってほどにイケてる観客揃いなのがナニだけど。(苦笑)

Jacket RASMUS (THE) 89
Into (2001)

最新作 "Dead Letters" にて、そのセンチメンタルな胸キュン・サウンドでオレ様を見事にノック・アウトしてくれたフィンランドの哀愁ポッパー/ロッカー THE RASMUS の、2001年リリースの 4th アルバム。

後に "Dead Letters" で全体を支配するダークな耽美ゴシック風味はまだ萌芽の段階で、その代わりに快活なドライヴ感が推進力となっている軽快な作風。むしろ本作の方が文句なしに「超 SPITZ タイプ」かも。(笑)

とは言え、その旋律のメランコリックな胸キュン度合いは "Dead Letters" に決して勝るとも劣ってないんで、こっちもマジたまんない一品として胸に刻まれること決定ですわ。(嬉)  (Nov. 03, 2004)


Jacket BORKNAGAR 89
Empiricism (2001)
看板シンガー I.C.S. Vortex が、それまでもゲスト扱いで参加していた DIMMU BORGIR に正式に加入するために脱退するという致命的に近い痛手を負いながら、後任に贅沢にも Vintersorg (VINTERSORG, OTYG) を据えるという快挙を成し遂げた 5th アルバム。
プレイ・ボタンをプッシュすると流れ出る冒頭の "The Genuine Pulse" の美しいピアノの調べが一瞬にして激烈ブラストの進攻に変化したのに度肝を抜かれつつ、その後に差し込むデス・ヴォイス、そしてサビのクリーンなシンガロング・・・この時点で確信できた。BORKNAGAR は見事に再生したと。しかも確実に以前よりスケール・アップして!
これまでの延長線上ながら、より細部まで一層練られた印象のある一筋縄では行かない進行の濃密な美旋律プログレッシブ・ヴァイキング・ブラックな楽曲は、終盤の哀感に悶絶を禁じ得ない "Gods of My World"、美醜デュエットで歌われるサビの涙メロが圧巻のミドル・チューン "The Stellar Dome" などを筆頭に、泣き度は過去最高峰。
そりゃそうだよ、なんつっても Vintersorg の声なんだから。その Vintersorg の歌唱は実に見事で、大筋では I.C.S. Vortex 在籍時の音像から大きく逸脱しない「BORKNAGAR の個性」に沿ったうえで、彼よりも格段に高い歌唱力/表現力を見せつける。発声の端々に哀しみを滲ませるその歌声のなんと哀しいことよ! デス・ヴォイスと普通声の両方が必要という悪条件の中、実に的確な人選・・・つーか、他の選択肢があまり思いつかない中で、よくもまぁこの人事を実現できたなって感じ。
本作で BORKNAGAR は間違いなく DIMMU BORGIR, CRADLE OF FILTH と同じレベルで語られるべきバンドに成長したと思うよ。

Jacket TRISTANIA 89
World of Glass (2001)
ノルウェー産レリジャス・ダーク・ゴシック・メタルの 3rd アルバム。
美貌のロリ顔巨乳フィメールシンガー Vibeke Stene 嬢のエンジェル・ヴォイスを、宗教的なクワイヤとオーケストレーションで飾り立てた TRISTANIA 独特の壮麗で大仰な暗黒世界は相変わらずの冴えを見せているが、個人的な今回の目玉はゲストのヴァイオリン奏者 Pete Johansen! そう、THE SINS OF THY BELOVED でも弾いてる彼の変態激泣きヴァイオリンが存分に聴けるのだ! そこかしこでその音自身が悶絶にのたうつように鳴り響くその弦の響きが堪能できるだけで・・・・そう、それだけでもう充分デス。
とはいえ、そのヴァイオリン・パート抜きにしても、本作を聴いて得ることができるのは、1st "Widow's Weeds" を耳にした時の衝撃にも迫る快感。
モダンな仕掛けの導入も含めて、前作 "Beyond the Veil" で片鱗を見せていた明快さの導入も更に推し進められており、ゲストの TRAIL OF TEARS の男声シンガー Ronny Thorsen によるディープなデス・ヴォイスがヘヴィな暗黒リフと共に Vibeke Stene 嬢が醸し出す壊れそうなガラス細工の如きナイーヴさを感じさせる耽美なムードを一層引き立てるっつー好サポートのせいもあって、WITHIN TEMPTATION"Mother Earth" に到達した時のアノ「突破感」を思い出させるという快心の出来と言ってもいいかも。
後は個々の楽曲についてそれぞれテーマとなる部分を絞り込めていければ、相当なトコまで行きそうね。・・・ってそれが難しいんだけどさー。

Jacket ELVENKING 89
Heathenreel (2001)
「エルフの王」というそそられる Band Name を持つ Italian Epic Medieval Folk XaMetal Band の、Studio Fredman で Mix された 1st Full-Length Album。
先の Demo Mini Album でもその予見はあったが、この中世の衣装に身を包み顔にはペイントを施した5人の若者たちが作り上げた、その Fantasic な世界観を具現化したクッサクサの民謡メタルが大爆発する様はガッツポーズものの素晴らしさ。
線の細いヘナチョコ Voice ながら、そのヘナチョコさがいい意味での素朴な Analog さを生んでいる Singer Damnagoras の男性ながら女性的な柔らかさが心地よい歌唱を中心とする勇壮なる叙情に満ちた寓話世界は、Fiddles と Flutes が Traditional に響き渡り、Guitar Player Jarpen による Death Growl、Guest の Soprano Female Vocals も絡んで目まぐるしく大仰に展開しまくりで、この手の民謡メタルバンドには珍しく XaMetal 特有のクッサい疾走をカマすのがタマらない。
Acoustic Guitar のメロメロな Harmony が悶絶級なのも嬉しく、"The Regality Dance" の導入部の美しさといったらもう!
公式 Web サイト(http://www.elvenking.net/)に「SKYCLAD "Penny Dreadful" が Japan bonus track」と書いてあるが、日本盤出るンかいな!?

Jacket DRAGONLAND 89
The Battle of the Ivory Plains (2001)
DRAGONLAND という、大方のイカレ・クサ=メタル・メィニヤが、その名を耳にしただけであまりの期待に三擦り半で逝ってしまうだろう様子が想像に難しくないクッサぁーーいバンド名を持つこのバンドは、Sweden は Gothenburg 出身の Supreme Majestic Symphonic Bombastic Power-Metal band。そして本作は彼ら自身の手による Fantasy Story "The Dragonland Chronicles" の前編 (Part I) となる衝撃の Debut Album だ。
Swedish Melodic Death-Metal Band PROPHANITY の Guitar Player だった Nicklas Magnusson を中心とする 20 歳そこそこ(!)の若い感性で HELLOWEEN ~ STRATOVARIUS の流れを新たな次元に押し上げんとするその Sound Style は、SONATA ARCTICA に超絶に酷似しつつも充分に驚異的&刺激的で、壮麗なる Symphonic Arrange の妙と Fantasic な寓話世界を描く歌詞の充実などは本家を脅かすほどの出来。
かつての EUROPE を連想させるなポップ・センスに満ちた古風に愁うナイスな Melody を撒き散らしながら疾走する楽曲は、しっとりした情感を哀愁の Melody に込めるやや頼りない(味だ!/苦笑)Vocal、音質のショボさをものともせず Neo=Classical にハモりまくる Guitar、大仰に Orchestration を重ねる Keyboard、そして疾走しまくる Drums のそれぞれの Play に確かに稚拙なところはあるものの、印象的なサビメロとこれでもかという Thrilling な Battle Solo Play の応酬を聴かせる "Ride for Glory"、 超 Dramatic に疾走する "Worlds end"、胸に迫る充実の Melody を誇る "Graveheart" などをはじめとする佳曲群は、その青臭い未完成さがプラス方向に作用した「勢いの良さ」が実に心地よい。
Intro "Dragondawn" で幕を開け、Outro "Dragondusk" で第二幕への続きを思わせながら物語を締めくくる構成も見事だしね。あ、Wolgang Amadeus Mozart の名 Piano Sonata の Cover "Rondo a'la turca" は、Guitar で超絶に責めた SCATTERBRAIN の勝ちだけど。(苦笑)
ちなみに Keyboard Player Elias holmlid は、本作を Produce した Andy LaRocque に見初められて KING DIAMOND の Tour で弾くそうだ!
いやー、これまた New Hero 登場って感じね。

Jacket HOLLENTHON 89
With Vilest of Worms to Dwell (2001)
PUNGENT STENCHMartin Schirenc を中心とする、Austria は Vienna の2人組変態 Symphonic 耽美 Gothic-death Metal Project の 2nd。
迫害された異形の Creature 達の棲む古代の迷宮に迷い込んだの如き、不安と探究心が遺伝子レベルで戦いを開始せん個性的な楽曲群は、Drive する 純 HEAVY METAL な Guitar Riff に、BAL-SAGOTH, THERION ら TOP クラスの Symphonic Death Metal Bands を凌駕せん好 Sense の Adventure Movie の Sound Track さながらの Ethnic な Orchestral Arrengement が絡み、Death Grunt と Normal Voice を適所に配置しつつふくよかな Guitar の露出も忘れない、Gothic Taste をも醸し出す Dynamism に溢れたもので(説明が長い!/苦笑)、ホンットハマリ度超高し。
中でも、荘厳な Gospel Choir にリードされ、女声ヴォーカルが、そして Classical な Strings が疾走する "To Kingdom Come" は、Killer! Kiiiillllleeeerrrr!!!
そして不気味な美しさを湛えるナイス過ぎる Cover Art Work は、今年のベスト候補だしね。
ただ難を言えば、もっと聴いていたいのにたった45分では物足りないのが残念。瞬間瞬間が濃密なだけに、あっという間に終っちゃう感じ。。。

Jacket PRIME TIME 89
Free the Dream (2001)
これまで様式的要素の強い手堅い HM を聴かせてきた PRIME TIME。なんとこの 3rd では、一転してライトでマイルドな北欧ハード・ポップ風味を主軸とした路線に大幅に変更をかけてきた。
しかしこれが見事過ぎるくらいにハマっている。仄かな哀愁を放ちまくる珠玉のハイ=トーン・メロディと泣きのテクニカル・ギターがお互いを引き立て合う、洗練されたクリアで軽やかな楽曲の持つ雰囲気はどことなく WESTWORLD を思い出させ、そのリラックスした空気の中で Eduard Hovinga のその高いコントロール力を生かした丁寧な歌唱が圧倒的な輝きを増しているのが嬉しい。ここのところ粗い仕事振りが目立った Henrik Poulsen も、珍しくセンスよく煽情力の高いギター・フレーズを綴ってるしね。
ワシら北欧ハード・ポップ・メイニヤにとってはタマラン一枚っすわ。うむ。

Jacket LACUNA COIL 89
Unleashed Memories (2001)
イタリア No.1 ゴシッカー LACUNA COIL の 2nd フルは、紛れもなくこれまでの最高傑作。
THE GATHERINGPARADISE LOST ÷2という嬉しい音楽性はさらに磨きがかかり、ついに本家 THE GATHERING の名作 "Nighttime Birds" に比肩する一級品を作り上げてきた。
先行シングルにも収録されていたイタリアンならではのユーロ・ポップ風味満載(イタリア語!)の "Senzafine"、ドラマティック&キャッチーな "When a Dead Man Walks"、モダン&メロウな "Cold Heritage" ・・・挙げたらきりがないほど、とにかくそれぞれの曲がいい。
隠し味にエスニックなフレーヴァーを塗しながら、多くの同系のバンドたちが失ってしまった分厚いメタル・リフ、ギター・ハーモニー、打ち鳴らされるツイン・バスといったメタル魂とモダンなアンビエント叙情ユーロ・ポップ風情が、上品なシンフォニックな味付けを仲介として抜群のバランスで鬩ぎ合いを見せる流れは、聴く耳を捉えて離さない。
花形 Cristina Scabbia 嬢の歌うキャッチーなメランコリック・メロディを引き立てる男声シンガー Andrea Ferra も普通声、デス声ともに非常に魅力的な歌唱を聴かせていてナイス。
しっかし Cristina Scabbia 嬢は写真写りの差が激しいな。。。(苦笑)

Jacket DARK MOOR 89
The Hall of the Olden Dreams (2001)
大化け! 昨年のデビュー作で悶絶させてくれたスパニッシュ様式クサメタラー DARK MOOR が、早くも2作目でやってくれた! マドリッドのB級バンドから、いきなり欧州を代表するネオ=クラシカル・エピック・メタルに大変貌。いんや~、マジでクリビツテンギョウ。
前作で萌芽の見られた、多くの欧州クサメタラー同様に HELLOWEEN, BLIND GUARDIAN といったジャーマン勢のバック・グラウンドに YNGWIE MALMSTEEN 直系の北欧バロック・ネオ=クラシカル・エッセンスを大胆に塗したその劇的なスタイルは、本作では実力派プロデューサーの下、見違えるほどの良好なサウンド・プロダクションと深みのあるダイナミクスを手にした。
時に SILVER MOUNTAIN 的な悶絶を生みながら勇ましく疾走するメロディの嵐と、大仰にシンフォニックに展開を重ねるクラシカルなパッセージの交錯が生む高揚感は凄まじいの一言に尽きる。
女性シンガー Elisa の、JuttaVELVET VIPER)を更にパワフルにした歌いっぷりは、前作ではどう聴いても女性と判らなかったが、今回は所々で明らかにそれとわかる女性っぽいしなやかさを武器にしており、これがまたタマンナイのよね。
あー、涙が止まらない!(政則風/笑)

P.S. 誰だっ!「歌詞がスペイン語だったらもっと良かったのに」なんて言ってるガイキチは!(爆笑)

Jacket VITTORIO DE SCALZI - LA STORIA DEI NEW TROLLS 88
Concerto Grosso Live (2001)
LABYRINTH の シンガー Rob Tyrant も一時絡んでいたというイタリアン・シンフォニック・プログレの至宝 NEW TROLLS の中心人物 Vittorio de Scalzi が盟友 Maurizio Salvi と共に、'71, '76 にそれぞれ発表された名作 "Concerto Grosso" の n.1〜n.2 を、新たなメンバーそしてオーケストラを従えて当時をはるかに上回る大仰なスケールで現代に蘇らせた恐るべき Live 盤。
泣いても泣いてもまだまだ泣き足りぬとばかりに嗚咽を漏らしまくる、メロメロというにはあまりにもメロメロなシンフォニック・ロックがお腹一杯に堪能できる素晴らしい一枚。
絶望的なまでの哀しみを伴ったヴァイオリン、フルートが乱舞するオーケストラ・パートと、現代的なテクニックでロックの躍動を表現するバンド・パートが鬩ぎ合う様はヘヴィ・メタル的な見地から見ても十分にエキサイティングで、同じようにシンフォニーを伴ったドラマ構成を主軸とする近年のイタリアン・シンフォニック XaMetal バンド群の心の礎がここにあることを確実に実感できる。
同質の泣きじゃくりチューン "Palsifal" を擁する I POOH といい、この新生 NEW TROLLS(って言っちゃってもいい・・・んだよなぁ/汗)といい、往年の始祖達が単なるノスタルジーと言えないような凄まじいレベルのライヴを演っちゃってるのって、ほんとスゲ〜よなぁ。。。

Jacket SILENT FORCE 88
Infatuator (2001)
ジャーマン・メロデイック・パワー・メタル・バンド SILENT FORCE は、この 2nd アルバムで、堅実な作りながらやや詰めが甘く惜しい出来だったデビュー作 "The Empire of Future" から格段の進歩を遂げた印象。
前作リリース時には、中心人物であるギタリスト Alexander Beyrodt にとっての SINNER という元鞘の存在や、シンガー D.C. Cooper のイマイチ煮え切らないスタンスのせいで、オレ的には「急造プロジェクト」的な感のあったこの SILENT FORCE だが、ツアー経験が効いたのか本作では見違えるようにバンドっぽい勢いに満ちたサウンドになっているのが驚きだ。
HELLOWEEN 以前のメロディックでありながら硬質なジャーマン・スタイル・メタル、--- 当時のドイツ勢は多かれ少なかれ JUDAS PRIEST の影響を受けていた --- 喩えるならば GRAVESTONE を想わせる正統メタル・フィールをベースに、同じ JUDAS PRIEST"Painkiller" で体現したコアでタフなエッセンスを注入、それを欧州シンフォ・メタルのドラマティックな空気で包み込んだハイ・エナジーな楽曲は、どの曲も見事な緩急の妙が映える実にハイ・クオリティな粒の揃った出来映えで、曲間の流れもよく練られている。
XaMetalike にシンフォニックに超速疾走する "Promised Land" もグッと来るが、何といっても哀愁メロディを伴って勇壮なる疾走を見せるキラー・チューン "We Must Use the Power" がマジで堪らない。そして女声をもフィーチュアした感動のバラード "In Your Arms"(さすがにこういうのを D.C. Cooper 歌わせたらピカイチだな)と続く泣きのアコギ・インスト "Northern Lights" をエピローグに締めくくる構成もイイねイイね。
随所で派手にキメまくる Alexander Beyrodt のフラッシーともいえるテクニカルなプレイは、場面によってはもう少し色艶を欲っするところがあったり、D.C. Cooper の落ち着きのある安定感が相変わらず「お行儀の良さ」を感じさせてしまうなど、個人的には出来れば改善して欲しい点もまだまだあるものの、ここまでやってくれれば拍手っすわ! パワフルなグルーヴを導くリズム隊も◎だし。

Jacket ARTHEMIS 88
The Damned Ship (2001)
German Style の 疾走 Metal に北欧の Classical な味わいを付加した、Italian 劇メロ Metal の 2nd。
多くの Italian XaMetal 勢とは異なるのが、Synthesizer での Symphonic な Orchestration に頼りきっていない点。SONATA ARCTICA に通じるわかりやすい歌メロと、2本の Guitar を生かした Guitar Oriented な「METAL 感」に満ちた楽曲そのもので勝負しているのがなんとも好印象だ。
とにかく Andrea Martongelli & Matteo Ballottari の Guitar Combi による Technical かつ Emotional な Guitar Play がヨダレ物の財産で、あの手この手を使って時に掛け合いで時に Harmony でと弾きまくる姿は、確かに CACOPHONY を彷彿させるかも。
Michael Kiske を目指しながらもやや線の細い「Timo Kotipelto 型」で、ATHENAFrancesco Neretti を彷彿させる甲高い超ハイトーンを武器にするややヘナチョコさ加減が魅力の Singer Alessio Garavello の唄が醸し出すマイナー臭がたまらなく素敵だし。
微妙な哀愁 Melody が琴線の上で疾走する "Sun's Temple"、勇壮な民謡旋律が泣きを誘う "Starchild" をはじめ、疾走疾走また疾走と思いきや意外にも緩急の妙に頬が綻ぶ楽曲は、どれも聴きどころたっぷり。仄かな Viking の香りも見逃せないしね。
まだまだ粗い部分も確かにあるものの、いきなりの本邦 Debut が納得の好盤ですわ。

Jacket ANCIENT RITES 88
Dim Carcosa (2001)
Belgian Orchestral Black Metal の 4th Album。
この Band、とにかく Orchestration の作り込みがメチャクチャ上手い! 豊かな情感を湛えた Piano が琴線を刺激する Classical な Introduction "The Return" からしてもうメロメロ。
そしてそれに続く Dramatic 極まりない Symphonic Black 絵巻も悶絶必至な完成度。
目くるめく展開で大仰に盛り上がる勇壮な"...and The Horns called for War"、メロメロな激泣き Guitar に涙が溢れ出す "North Sea"、ストレートなノリノリ Death Metal と泣きの慟哭の MIX がいい味を出してる "On Golden Fields (De Leeuwen Dansen)"・・・。
超速 Blast Beat の最中に絶妙の Timing で Headbanging しやすい速度での疾走に切り替えてくる、直線型ながら Blance のよい Drum に、正統 Heavy Metal の手法で叙情フレーズを弾きまくる泣きの Guitar、哀しみの Death Voice からここぞ!という Point で普通声で哀愁を降り撒く Vocal・・・それらをメチャクチャ上手い Piano (!) と派手派手で壮麗な有機的 Orchestration が包み込み、至上の悦びを味あわせてくれる。
SONATA ARCTICA が「劇メロ」なら、この ANCIENT RITES まさに「劇ブラ」だ! あとは些細なことだけど、Guitar Riff の音圧が少々低めなのが残念ナリ。

Jacket PRIDE 88
Far from the Edge (2001)
彗星の如く現れた British Melodic Hard Rock の Newcomer PRIDE は、元 BALANCE OF POWER の keyboard Player Ivan Gunn を中心に結成された Band。
Mike Tramp か、はたまた Pete Sandberg かという反則的に甘い Husky Voice が魅力の Singer Mat Mitchel が歌い上げる Dreaming な Chorus Harmony を身に纏った Catcy な哀愁 Melody に包まれるのは、薄曇と雨空を行き来する絶妙な微哀感に覆われた High-Quality な曲の数々。
陰陽の妙が名曲級の佇まいを見せる "Hands of a Healer"、Dramatic な展開が背筋を震わす High-light Tune "Hold On" 他、洗練された A.O.R. Feeling も感じさせつつ、しっかりと Headbanging も出来る Heavy Metal 然とした Edge and Power に満ちた Scale のデカい楽曲は、鍵盤奏者が中心人物でありながら極めて Guitar Oriented な音作りで、Technical Guitar Player Chris Green の弾く緻密に練り込まれて構築された泣きフレーズが緩急の末に辿り着く Climax がもたらす Catharsis は半端じゃないッス。
そういった Instrumental Part の Thrilling な充実と、Compact ながら劇的な楽曲、そしてあくまで「主役」を主張する歌メロを綴る Husky Voice といった各要素が思い出させるのは・・・そう、WITHOUT WARNING! よく聴いたらスッゲー雰囲気似てるわ。

Jacket SCORPIONS 88
Acoustica (2001)
今ではすっかり老若男女に対応可能な音楽国際親善大使ってな佇まいが様になりつつある SCORPIONS が、BERLINER PHILHARMONIKER と競演した Orchestral Album の傑作 "Moment of Glory" の次に持ってきたのはまたまた企画盤で、今度はなんと Acoustic Live Album だ。
もともと、太古の時代から SCORPIONS の魅力は Melancholic な Melody とそれを歌う Klaus Meine の哀愁泣き泣き Voice の声質そのものに担う部分が大きかったことから、今回の Acoustic 化に伴う Mellow な Vector の増幅によって、♪Longing for the sun 〜 のところからの Gypsy 風展開がたまらない出色の出来を誇る "Holiday" を始めとするこれまでの持ち曲の数々は言わずもがな、持ち曲レヴェルで Klaus Meine に Just Fit の KANSAS "Dust in the Wind", QUEEN "Love of My Life" の Cover、そして3曲の新曲と、収録された哀愁の楽曲はさらに水を得た魚のような瑞々しい輝きに満ち溢れている。あー、演るわきゃあないけど "Longing for Fire" もスッゲー似合っただろうなぁ。
Acoustic といっても Drum Beat もしっかり入っているし、Band の Regular Member である 5 人の他に Guest Player として Guitar, Piano, Percussion, Cello が加わり、非常に幅の広い深みのある Adult Sound が楽しめる。特に美女 Cellist Ariane Arcu 嬢の Cello の音色がとてもいいね。CORRS もそうだけど、美女が弾く弦楽ってそれだけでなんだかグッと来るものがあるしぃ。(苦笑)
それにしても本作、幅広い Style の Arrengement の楽曲を骨格を支える Drum Player James Kottak の巧さが際立ってるね。もしかしたら、SCORPIONS が 今日の Global な Position に就けたのも、彼あってこそなのかも・・・なぁーんて思っちゃったりして。

・・・ってなんだ、DVD もあるんじゃん。しかも曲数多いじゃん。・・・そっち買えばよかった・・・。(泣)

Jacket DARK LUNACY 88
Devoid (2001)
サッカーとハムの町(笑)パルマからのイタリアン耽美派デスの使者 DARK LUNACY が放つこのデビュー作は、これまでありそうでなかった「室内楽デス」の金字塔。
何は無くとも、全編で鳴り響くヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロで構成されるウルウルの弦楽四重奏が、もう全く持ってタマらなくもタマらない!
弦の震えが欧州の歴史を伝える「生」の持つ凄みは、最近のシンフォ・デスでその傾向が強い「シンセバリバリのゴージャスな壮麗さ」にはない、独特の悲壮感に包まれまくり。室内楽の調べに纏わりつく、哀しみのアコーディオンや可憐な女声ソプラノ、混声合唱団などの叙情アイテムの導入センスもかなりナイス。
そのストリングス・セクションの充実から得られる満足感も、堅固たる骨格に支えられたメタル・パートの充実があってこそ。この DARK LUNACY は、この手のバンドには珍しく、そのあたりが非常にしっかりとしているのが強いな。シンガー Mike Lunacy(芸名がちょっとイタいが/苦笑)の猛虎の咆哮の如きビースト・グロウル、そしてなかなかの実力の保持を伺わせるドラマー Baijkal の安定した決まりのいいドラミングを始めとする不安要素のない上質な演奏で爆発するそのメタル・パートは、PARADOX, DESPAIR 的な 80's ユーロ・スラッシュ風味も覗かせながら、実に見事に弦楽カルテットと融合して泣き泣きのドラマを創り出すことに成功している。
ロシア民謡をモチーフにした "Forlorn" の勇壮なる激情は、暗黒系史上に輝くインパクトといっても過言ではないと思ふよー。

Jacket HALFORD 88
Live Insurrection (2001)
20 ヶ国で 94 回のショウを行った 7 ヶ月に亘るメタル・ゴッド復活ツアーから厳選されたフル・スケールのライヴ実況は、封入された入魂のプレイと迫力のプロダクションによって、アノ渋公の興奮がまざまざと蘇ってくる。
こうしてあらためて聴くと、観てたときには興奮していて気付きようもなかった Rob Halford の往年の自然さには程遠い人工的な発声に驚いたりするが、街中や電車の中でヘッドホンから聴こえてくるとついつい両の手のメロイック・サインを無意識に天高く掲げてしまう永遠のメタル・アンセム "Hellion" ~ "Electric Eye" のあまりにも神々しい流れの前には、んなこたぁどーでもいいやね。そして観に行った日には演らなかった "Beyond the Realms of Death" いや、"死の国の彼方に"(この曲にはこの邦題のほうが相応しい!)にも悶絶。FIGHT 時代の名曲 "Into the Pit" が「Rob Halford の代表曲」となるべく、正当な評価を受けるに相応しい名演なのも嬉しい限り。
そして本編同様に気になるのがボーナストラック。JUDAS PRIEST のアウトテイクである "Heart of a Lion", "Prisoner of Your Eyes" を新たにスタジオ録音して収録しているのだが、その衒いのない 80'sメタル・フィールをあえて現代に蘇らせたその意図は如何に!? 次作が期待なのかも!
しかしなぁ、Ripper の唄う JUDAS PRIEST を聴いて「あー、もう Rob はいいや」とか思っちゃったけど、ゴメンナサイゴメンナサイ。RobRob でこのスペシャルな威厳はやっぱ捨てがたいわ。ここは素直に「2 つの JUDAS PRIEST」の存在を喜ぶとするか。2 倍ぁい 2 倍ぁい!(古すぎ/悶死)

Jacket ANDROMEDA 88
Extension of the Wish (2001)
スウェーデン産テクニカル・プログレ・メタル・ニュー・モンスター ANDROMEDA のデビュー作は、スリリングな嬉しさに満ちた快作。
超テクニカルなユニゾン・プレイを存分に配したクオリティの高いその佇まいを「DREAM THEATER 系」と振り分けることになんら迷いは生じないが、メタルとプログレッシヴ・ロックのみならず、ジャズ/フュージョン、モダン・ヘヴィ系、そしてオールド・ロックに至るまで様々な音楽のエッセンスを余すところなく吸収した懐の深いフレージングと、ライヴで即興に身を任せたら心地よさそうな「ロック」のダイナミズムを備えたその垢抜けたサウンドは驚異的。
もちろん各人のテクには何ら文句のつけようがなく、スウェーデンの片隅の若者たちが、そのプレイに正確さと同時に凄みまでも持ち合わせているのには、舌を巻かざるを得ない。
バンドの中心人物 Johan Reinholdz が情感豊かに弾きまくるギターと Clive Nolan 系の豊かな音色のシンセが、バッチリと心地よく決まる変拍子の嵐を舞台に目まぐるしく対峙する様は圧巻。ゲスト扱いのシンガー Lawrence Mackrory (ex.DARKANE)の古巣からは全く想像できないメロディック・ヴォーカルも、ちょっと弱めながらそれがポンプっぽさを醸し出していてなかなかイイかもね。なお、既に正式シンガーとして David Fremberg なる人物が加入しているそうな。
うー、タマンないッスわ。
ちなみにアートワークは最近この手の仕事でおなじみの(苦笑)Niklas SundinDARK TRANQUILLITY

Jacket SOILWORK 88
A Predators Portrait (2001)
前作 "The Chainheat Machine" で、激烈なブルータル・メタルとクラシカルな憂いを見事に融合した姿をみせてくれた SOILWORK が、自らの立ち位置をさらにまた一歩高みに進めた感のある力作。
精密な重火器の内部構造を思わせる、複雑に構築されつつも整然と突進する切れ味の鋭いデスラッシュの爆走と、ギターフレーズが絞り出す美しく官能的な香りとの結合を DNA レベルで試みた結果アウトプットされたのは、決してメロメロに泣き崩れることのない硬派なメロディック・エクストリーム。
マーシナリーなヘヴィネス系の独特のグルーヴも備えていて、聴いているうちに、案外アメリカでもイケるんじゃないかと思えてきた。
Peter Wichers & Ola Frenning のギターコンビは、始終 Amott Bros. を髣髴させるテクニカル&エモーショナルなフレーズを紡ぎ続け、表現力溢れるデス・ヴォイスがカッコ良すぎで、そのうえなかなか様になったハートウォームなコーラス・ハーモニーまで聴かせるシンガー Bjorn "Speed" Strid が怒りを吐き出す様はこれまで通り ARCH ENEMY 的ではあるが、場面転換を多用せずメロディを自然に練り込んでゆく術に長けているのは、実はこちらかも。専任キーボードプレーヤの存在もデカく、仄かなプログレッシヴ風味の露出に一役買っている。

Jacket SECRET SPHERE 88
A Time Never Come (2001)
イタリアン・クサメタラーながら、ヨーロピアン・メタルの素地に加え北欧ネオ=クラシカルな整合感が魅力の SECRET SPHERE の 2nd はクリビツテンギョウの嬉しい大進化。 劇的に向上したプロダクションによって、個々人のポテンシャルの高さが露になり、その結果、他の同系と比較して全然余裕が感じられるのが凄いところ。
Aldo Lonobile の弾くワールド・クラス一歩手前のネオ=クラシカル・テクニカル・ギターはモチロンのこと、悶々絶々シンフォ攻撃、民謡フレーヴァー、そして甘美なピアノの調べなどの武器を手に緩急豊かに思慮深く織り込んだ 4 章仕立てのコンセプト作となる本作は、ドラマティック・プログレ度大幅アップで嬉しい悲鳴が止まらない。
なかでも、サックス調の音色をフィーチュアしたアダルトな味わいを放つ "Emotions" に始まり、荘厳な "Oblivion"、キャッチーな哀愁の響きが堪らない "Lady of the Silence"、そして瑞々しく濡れる美しいバラード "The Mystery of Love" で構成された CHAPTER II が異彩を放ちながらも心に残る。
シンガー Robert Messina も、未だにちょいとヘナチョコながら、彼のもう一つのプロジェクト HEMISPHER の時とは比較にならないほどしっかりとレンジの広い歌唱で歌い上げ、特に静のパートのメランコリックな情感の吐露は「彼ならでは」と思える部分が出てきているのが好印象。
ま、欲を言っちゃえば Rob Tyrant が加入すれば無敵なんだけどなね。(核爆)

Jacket TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 88
The Metal Opera (2001)
EDGUY のシンガーであり、明日のジャーマン・スピード・メタル界を背負って立つ若き天才 Tobias Sammet を中心とする、彼自身が書き下ろしたファンタジー・ストーリーを基にしたコンセプト・ストーリー・アルバム。
冠された「オペラ」という単語を思わせるほどオペラティックではないものの、大仰なクワイアとシンフォニックなアレンジが惜しげもなく乱舞するドラマティックなシアトリカル・メタルは、役付けされた玉石混交(笑/石は・・・)様々なシンガーによって歌い綴られ、まさに豪華絢爛の装い。
そのそれぞれのシンガー達の働きがとにかく素ン晴らしい。やっぱジャーマン系歌わせたらマジでピカイチと痛感させる Michael Kis... いや、Ernie(苦笑)、独特の漢の威厳に満ちた貫禄を滲ませる David DeFeisVIRGIN STEELE)、ほんの少しの登場ながら麗しき癒しヴォイスに感涙の Sheron Den Adel 嬢(WITHIN TEMPTATON)、伸びやかな力強さを再確認させられた Rob Rock(ex.IMPELLITTERI)、老練ともいえる半端でない表現が凄みを見せつける Oliver HeartmanAT VANCE)、久々にしなやかさ健在を誇示した Andre Matos(ex.ANGRA)そしてなかなか健闘を見せた(苦笑/いやマジで予想以上よ)Kai HansenGAMMA RAY)。Timo TolkkiSTRATOVARIUS)の語りはノーコメント。(汗)
そして主役の Tobias Sammet。特徴的な振幅の大きなヴィヴラートも馴染んできたし、なによりそのずば抜けた表現力はいまやドイツの若手随一といってもいいだろうな。
彼らがそれぞれのドラマを演じながらカーテンコールを迎える本編ラストの "The Tower" で、ラストを David DeFeis が自慢のパワフル・ウィスパーで締めるのもメッチャ高ポイント。
ちなみに Henjo RichterGAMMA RAY)、Alex HolzwarthRHAPSODY)らの演奏陣も、本家でのそれを凌ぐ見事な仕事っぷりで聴き応え満点。
パート2を早く!

Jacket KAYAK 87
Night Vision (2001)
ダッチ・シンフォニック・ロック・バンド KAYAK の、奇跡の復活作 "Close To The Fire" に続く新作!
本作でシンガーの座を務めるのは、なんと元 VANDENBERGBert Heerink !! オレら世代にとっては、それだけのことで超悶絶ですわな。
欧州の叙情美に包まれていると同時に、独特のキャッチーな優しさ・・・そしてアダルトなポップ・フィールさえも感じさせるそのサウンドは健在どころかますます意気盛んに進展しており、プログレッシヴ・マインドを満足させる "Icarus", "Tradition" に代表されるスリルが高揚するドラマティックな大仰チューンはもちろん、セーターに身を包んだ紳士&淑女が初冬のリゾート地でカップを手に微笑むインスタント・コーヒーの CM 曲の如き和みフィールを発散する "Cassandra" らの「ポップス」と言い切ってしまっても全然違和感の無い軽い曲までもに、涙腺を刺激する風景的要素がぎっしり詰まった美味しい一枚だ。
お楽しみの Bert Heerink の歌唱は、当時の味わいを再び・・・という点では正直言って喜びは控えめだったが、そのベテランの旨味に溢れた哀愁声は彼の新たな魅力として広く認知されるに相応しい味を聴かせていて、この KAYAK とのマッチングもバッチリということでこれからの活躍に期待させるね。

Jacket RHAPSODY 87
Rain of a Thousand Flames (2001)
我等がハリウッド・エピック・メタルの雄 RHAPSODY の、来るフルアルバムからの先行ミニ・・・ではなく、そのアルバムで体現されるであろう「Emerald Saga 完結編」の前編という位置付け。
語り/セリフ(イタリア語が効果的!)を大胆に配して、これまで以上に物語性を高めた感のある作風の本作は、各曲それぞれがフックに満ちていたコレまでの作品とは異なって、トータル的な視点を持って聴く事を要求するある意味とっつきにくい作品かも。
が、最初は冗長に感じられる部分も、聴き込むに従ってそれぞれが意味を持っていることに気付くと、見事なまでにツボを突くようになってくる。
攻撃的なクワイヤからいきなりの超速な疾走が度肝を抜く "Rain of a Thousand Flames" からクラシカルなイントロダクション "Deadly Omen" に導かれる13分の大作 "Queen of the Dark Horizons" を経て辿り着くのが、25分に及ぶ4部構成の壮大なファンタジック・ウォー・メタル・オペラ組曲 "Rhymes of a Tragic Poem - The Gothic Saga" で、その中でも Antonin Dvorak の交響曲 "Symphony No.9 'From The New World'" をモチーフにした最終パート "The Wizard's Last Rhymes" は紛れもなく本作のハイライトで、その息を呑むダイナミズムはまさに圧巻! そのモチーフを最大限に生かしきったクラシカルな展開美は、クラシック・ミュージックに対する付け焼刃ではない素養を持ち合わせた RHAPSODY ならではの味わいだ。
ただ、不満な点もあるな。より攻撃的なテイストを滲ませる威風堂々とした歌唱を聴かせる Fabio Lione に反して、前作 "Dawn of Victory" で著しい成長が見て取れた Luca Turilli のギター・プレイが、本作ではそれ以前のような面白みに欠けるものに逆戻りしてしまっていると感じられるのがちょいとね・・・。
あと、大作好きとしては、追ってリリースされる後編とセットだった方が、Emerald Saga 完結編という壮大な作品に相応しい超大作ということで、パッケージとしての満足度はよりアップしたような気がするんだけど。そして全部で2時間越しちゃったりなんかしたら、さらに悶絶だったりするんだけど! あ、オレだけだよね。(笑)
ま、何にしろ 2002年2月にリリース予定の完結編後編が楽しみだ!

Jacket JORN 87
Worldchanger (2001)
ノルウェーが生んだ新たな歌神 Jorn Lande の 2nd ソロ・アルバム。
1st ソロ "Starfire" がカヴァー・アルバムの色合いも強かったのに対して、本作では全曲オリジナルの楽曲のうえにバックを固める各メンバーそれぞれの色も濃く打ち出し、その統一感を感じさせるバンド・サウンドの出来映えからして、本作を単なるソロ・アルバム第二弾ではなく「リーダー・バンド JORN の第一作」と言ってもいいだろうね。
当世最高峰のシンガーの一人という称号に相応しい Jorn Lande の超絶な歌声に導かれる楽曲は、緻密に作り込まれたダークなヘヴィ・メタルを基本的なスタイルとしながら、テクニックを深いエモーションで包み込んだギター・プレーヤ Tore Moren の円熟のプレイや、手数とパワー・グルーヴが極上のバランスを見せる Jan "Hellhammer" AkselMAYHEM, THE KOVENANT, TROLL, WINDS 等のアノ Hellhammer!)の強烈なドラミングなどの多彩な色付けによって様々な表情を見せている。
キャッチーな哀愁コーラスがグッと来るハード・チューン "Sunset Station"、ブラスト・ビートまで飛び出すブルータルかつプログレッシヴな "Bless The Child"、そして素地として備わった A.O.R. センスが炸裂するお得意のメロディック・ロック・センスが表層に表れた "Christine" らを始めとする実験的かつメロディックな曲々は、陰鬱な影に覆われながらもその隙間から希望の光が差し込む不思議な感触。正直、最初聴いたときにはメロディが少々弱めであまり迫ってこないような印象を受けたが、繰り返し聴くうちに楽曲と歌声の両方に潜むその魔力が、ジワジワとこの身を侵してきたッスわ。
しかしまぁ本作は2001年に入って ARK, BEYOND TWILIGHT, NIKOLO KOTZEV'S NOSTRADAMUS に続く4作めの Jorn Lande 関連アルバムになったわけなんだけど、どれも凄いってのがホントにスゴイなぁ。。。

Jacket EVERGREY 87
In Search for Truth (2001)
スウェデイッシュ・ドラマティック・ダーク・メタル・バンド EVERGREY の 3rd アルバムは、「エイリアン・アブダクション」をテーマに据えたコンセプト・アルバム。
テクニカルな緊張感の漂うアグレッシヴなプログレッシヴ・メタルを覆い尽くすのは、たっぷりと配された鍵盤の優雅な音色や女声を含むクワイヤなどの演劇的な大仰さが醸し出す、ミステリアスな背徳の空気だ。
様々に展開する大仰な曲調に乗ってじわじわと激情を吐露するギタリスト兼任のシンガー Tom EnglundTed Bullet (THUNDERHEAD) や Matthew Barlow (ICED EARTH) に通じる暑苦しきメロディック漢歌唱の使い手であるという、決してデス系に分類され得ないバンドだが、その体臭として滲み出る哀しみ色の耽美な香りは何故か暗黒系独特のモノに非常に近いのがなんとも興味深いよねぇ。
前作以上にそう感じるその最大の要因は、新加入のキーボード・プレーヤ Sven Karlsson の存在に他ならないと、勝手に断言したい。だって、EMBRACED, SOILWORK での活躍でその名を知られる今最も注目のキーボード・プレーヤである彼の静粛なタッチの泣きピアノからテクニカルなファスト・ユニゾンまで惜しげもなく目白押される激涙プレイの数々ってば、作品全体の空気を支配するに至っちゃってるんだもの。
そしてこれまた美味しいのが、Tom Englund 自身と新加入のギタリスト Henrik Danhage のギター・コンビによる煽情ギター・プレイ。見事な粒揃いのファスト・リックと豊かなヴィブラートを駆使したウェット・タッチのスリリングなテクニカル・プレイは非常に魅力的で、寄っては離れながら丹念に泣きを構築するハーモニーの妙は、本作のプロデューサ Andy LaRocque を髣髴させる。
前作で感じられた「化けの予感」がほぼ的中したような充実作であることは間違い無い本作だが、あとは楽曲そのものよりもドラマの構築自体に主眼が置かれていると未だに感じられる点が何とかクリアされてゆけば、「北欧の SAVATAGE」の称号はすぐそこに待っているぞ!

余談だけど、"State of Paralysis""The Encounter""Dark Waters""Different Worlds" のそれぞれの流れって本来無音部分なしで連続して流れるハズなんだけど、オレの買ったCDって、そこで2秒 Wait が入るんだよね。絶対マスタリング・ミスだと思うんですけど・・・オレだけ?。。。(謎)

Jacket HEAVENLY 87
Sign of the Winner (2001)
おぉ、化けた! フランス産ながら見事なまでに初期 HELLOWEEN / GAMMA RAY 直系のジャーマン・スタイルを踏襲したメロディック・スピード・メタルを聴かせる HEAVENLY の 2nd は、前作で感じられたマイナス点を見事見克服した力作。
とにかく前作で稚拙に感じられた部分がほぼ解消されているのが高ポイントで、ヘナチョコ・ヴォイスがとっても素敵だったなすび顔シンガー Ben Sotto は、まだほんの少しだけ爬虫類的なクセがあるものの、Andre Matos 的なナイーヴさをも加味した実に堂々としたハイ・トーンを聴かせているし、やや不安要素のあった演奏面にしても、ギタリスト Frederic Leclercq が魅惑のタッチとレベルには惜しくも届かないものの充分にスリリングで煽情力のあるネオ=クラシカルなファスト・プレイを終始決めてまくっているなど、目覚しい成長の跡が見て取れる。
しっかりしたクオリティのプロダクションに支えられた、時にクワイアを伴って勇壮に突っ走る大仰でクッサイ楽曲は、冒頭のイントロダクション(これは要らないよねぇ・・・)以外は疾走疾走また疾走とひたすら飛ばしながらも、先が読め過ぎる安心が呆れに変化する直前で(たまに遅れるが/笑)予測したものに小技をちょいとプラスするという絶妙な緩急を見せていて、そのあざといまでの仕掛けには、ついつい頭を前後に動かされてしまう。
この感触は、否応無しに EDGUY と比較することが出来ると思うが、オレには EDGUY よかこの HEAVENLY の方がピンと来るなぁ。
確かにどっかで聴いたようなフレーズ満載だしすぐ先の展開も読めまくりだが、それがどうした!「二番煎じどころか六十九番煎じですが、何か?」・・・って感じ!

Jacket POVERTY'S NO CRIME 87
One in a Million (2001)
ジャーマン・プログレッシヴ・メタル・バンド POVERTY'S NO CRIME の 4th アルバム。
パッと聴き日本人にはイマジネーションの沸かないその奇妙なバンド名と、1st & 2nd のジャケの酷さ、そしてそれらを以前にちょい聴きした時の「まぁまぁ」って印象からオレ的にはイマイチ馴染みの薄いバンドだったけど、ふと立ち寄った CD 店の試聴機に入ってた本作を聴いて仰天。メチャクチャいいバンドになってるぢゃないですか!
DREAM THEATER を手本としながらも正統派ヘヴィ・メタルのエネルギーと判りやすさは決して忘れず、さらに現代ユーロ・ポンプの優美な響きをも感じさながら思慮深く進行するプログレッシヴ・メタルは、ややジャリジャリ感のあるギター・リフの音色が全体を覆うクオリティの高さのなかでは少々気になるものの、同じドイツという目で見るのならば VANDEN PLAS に比肩しうるポテンシャルを実感させる。
シンガー Volker Walsemann のクリアなハイ・トーンを中心に端々にストロングなダーティさを効果的に滲ませる安定した歌唱と、ギタリスト Marco Ahrens の弾く各所で評されている通りの IRON MAIDEN ライクな戦慄の哀愁ハーモニーの即効性も高く、その両者の丁寧なメロディが発散する叙情がたまらなく魅力的だなー。泣き度高し!
ボーナス・トラック扱いの RUSH のカヴァー "Distant Early Warning" もハマり!

Jacket NINETY ONE (91) SUITE 87
91 Suite (2001)
Mark Mangold が制作に加わったというこの Hard Pop Band 91 SUITE は、なんと Spanish Band ながら「クサレ・エッセンス」を微塵も感じないという(苦笑)驚異的な垢抜け具合の逸材。
Edge こそまろやかながら充分に Hard な Guitar Riff を、あるときは旋律を Lead しあるときは背景の空気に絶妙な色付けをする柔和な Keyboard で包み込んだ、時にガッツィーに時にナイーヴに展開する、若干こもり気味の Sound Production をも味方につけた哀愁と開放感が交錯する名曲クラス満載の胸キュン Hard Pop World は、TERRA NOVA にも通じるものがある。
なんといっても、Singer Jesus Espin の Mild かつ Husky な High-Note Voice がどうにも魅力的だし、たっぷりと Featureされた Guitar Player Ivan Gonzalez & Paco Cerezo による、巧みな構成力によって Emotion と Technical の見事な整合を見せる悶絶 Guitar Part も聴きどころ。
で、Spanish で唄ってないから減点ですか!?(笑)>辺境メタラー諸氏

Jacket ROYAL HUNT 87
The Mission (2001)
ROYAL HUNT の新作は、米国の Fantasy 作家 Ray Bradbury 著の傑作古典 SF "The Martian Chronicles"(邦題:火星年代記)をテーマにした本作は、それぞれの曲々を場面転換と情景描写の役を担う短い S.E. で繋ぐ手法を取った、まさに Story Album。
前作 "Fear" では、地味で平凡な楽曲に辟易しながらも John West の Special な vibes の魅力に惹かれて Repeat するうちに、そのうち楽曲自体もそこそこ気に入って行った・・・という経緯があるので、本作 "The Mission" もさほどの期待を負うことなく接することが出来たわけだが、これがカナリの地雷的(笑)Hit。
火星への旅立ちを思わせる冒頭の S.E. に続き、普通に演ったらとてつもなくダサい(マジ)8ビートの刻みに、テ・・・Techno か!?と腰が退けそうな Digital Beat が絡んできた時にはちょいとビビったが、その後展開されたのは本来の ROYAL HUNT の路線から決して逸脱することのない・・・どころか、John West の魅力を存分に引き出すことに成功した、凡庸だった前作の印象を拭い去る出来の良さ。"Surrender" っちゅー悶絶 Tune もあるし。
頭領 Andre Andersen による、Digital な装飾(ってゆーのも変だな。もともと Keyboard 主体なんだから Digital じゃん/汗)つまり「ピコピコ」な(笑)音飾や、リリカルな笛系の音色に代表されるこれまでにない多彩な音色を Feature した新たな鍵盤 Magic と、大陸 Hard Rock 的な Guitar Oriented な骨太風味を加味した、全盛期のような Baroque 全開のイケイケな勢いとはまた違った、思慮深く丁寧に構築された Mysterious な Dramatic Metal は、全編を覆うひんやりとした冷たい感触がいかにも未来的。Jakob Kjaer の弾き過ぎない泣きの Guitar がこれまで以上に多く聴けるのも嬉しいね。
そして John West の歌唱のなんと魅力的なことか! この人、自分で歌メロ作らすと全然ダメなので(大汗)、Andre Andersen みたいな Melody Maker に節を作って貰った方が、こうやっていい結果を残せるんだよな。
確かに、まだまだ中庸な楽曲では(特にサビ以外の部分で)ダレる部分があるのも事実だし、Hard Rock / Heavy Metal らしい Energy が余り感じられない不満もあるけど、まずは「復活」(って言ってもイイよねぇ)に拍手ッス。
だが、何の Imagination も喚起しない陳腐な Artwork(Booklet 内の味気ない Font も含めて!)は最低最低最低ぃー。

Jacket ENSIFERUM 87
Ensiferum (2001)
オレのツボに効く Essence を持ち合わせた Band 群を次々と放ちまくる Spinefarm から、またまた High-Quality な刺客が現れた。一体どーなってんだ、この Label は!(驚)
Member 自ら Viking の装束に身を包み、顔には戦いの Painting を施したこの ENSIFERUM なる Norse Melodic Viking Death Metal Band は、かつての王者 MITHOTYN を、CHILDREN OF BODOM の Technic と Sence と Budget (苦笑) で Brush-Up したかとでも喩えられよう、これまでの多くの Viking Metal を語る際の Must Keyword の一つである「シケシケ」な Poor さが皆無の、言うなれば「キラキラ・ヴァイキング」。
狂おしく荒れ狂う Folklore な Melody が反復し、喚き系絶叫 Death growl の合間に勇壮なる漢 Choir がヲーヲー唄うという典型的 Viking Death Metal そのものの地盤に、疾走する Neo=Classical な Fast Guitar Rick と垢抜けきった Good Production がもたらす現代的で Speedy な Pure Metal Atmosphere が加わる事によって、驚くほどに煽情力の高い、いい意味での「Viking 風味の聴き易い Melodic Death」を実現させている。
こなれている分、Viking の本来の魅力であるシケシケな哀切さに乏しいとか、Stereotyped な Melody の連続で飽きが来るのは早いだろうなぁとか色々と思うところは確かにあるとは思うけど、一聴した Impact はホント絶大なものがあるって。

Jacket MANDRAGORA SCREAM 87
Fairy Tales from Hell's Caves (2001)
美しき Female Vocalist Morgan Lacroix 嬢を中心とした Italian Gothic Rock Band の Debut Album。
歌唱のみならず Band の Concept 的な側面でも中心人物である彼女の Partner である Guitarist Terry Horn の手による詳細な部分まで Maniac に丁寧に作りこまれた楽曲は、Doom Metal 的変態 Metal Riff が呼び起こす狂気と、Piano, Acoustic Guitar, Strings が奏でる Classical Gothic の重厚で耽美な叙情、そして kitsch な New Wave 風味が合わさりながら、その結果生まれ出たのは瞼の裏に雨に濡れた石畳が浮かぶ上質な泣きの暗黒 Euro Pop の味わい。いやー、いいねいいね。
ふと思いついた喩えとしては、DREAMS OF SANITY"Masquerade"LIV KRISTINE"Deus Ex Machina" を Mix し、DREAM THEATER"Metropolis Pt.2 : Scenes from a Memory" に通じる繊細な Drama 性を小さじ一杯加えたってな感じかな。
その上で、Innocent な Angelic Wisper からやや Dirty な Coquettish 歌唱まで(そしてあえぎも有り/嬉)、幅広い表現力をもたらす確かな歌唱力で哀愁の暗黒美旋律を Theatrically そして Eccentric に綴る Morgan Lacroix 嬢が Album 全体を見事に Control しているのに感嘆しながら、ズズーンと引き込まれてしまうわ。
ただ、最近多いんだけど、本作でもラストで 15 分もの無音部分を挟んで最後の最後に短い Epilogue が収録されてるんだけど、こーゆーの出来ればやめて欲しい・・・。

Jacket FI5TH REASON 87
Within or Without (2001)
最近最も注目しているレーベル、Scarlet records からの次なる刺客であるこの FI5TH REASON は、元 ABSTRAKT ALGEBRA (!!)の Guitar Player だった Simon Johansson を中心に、HEXENHAUS, MEMENTO MORI, MEMORY GARDEN, TAD MOROSE といった Swedish Dark-Metal Band 群のメンバによる Super-Band。(ってホンマに Super なんかいな!?/苦笑)
彼らの 2nd Album となる本作は、不安感を募らせる不条理な音運びが跋扈しつつ、美麗な Guitar Play と Melodic な歌メロが交錯する Progressive かつ Doomy な Psychotic Metal という、前述のバンドの共通項から想像&期待できる通りの音。
そしてその Quality もそれらに勝るとも劣らぬもので、Mike Wead (MERCYFUL FATE, KING DIAMOND / ex. HEXENHAUS, MEMENTO MORI, ABSTRAKT ALGEBRA... ) の手によるカッチリとした整合感に満ちた Sound Making は流石。
実力派シンガー Kristian Andren の唄う取っ付き易い歌メロも良いが、やっぱ Simon JohanssonMarco A. Nicosia の 2 人の卓越した Guitar Player による粒の揃った Technical & Emotional な Neo=Classical Guitar Rick が、美味しい美味しい美味しいわー。

Jacket AMORPHIS 87
Am Universum (2001)
AMORPHIS 待望の新作は、近作のスタイルを継承したアシッドにトリップする暗黒サイケデリック・メタル。
作を重ねる毎に、初期の作品に充満していた北欧独特のメロメロの耽美なる叙情が希薄になりゆくのは疑いようも無い。しかしながら本質的な「泣き感」は一向に衰えを見せず、さらに、そんな変化と引き換えに手に入れたものも大きく、その常に哀愁を伴ってダイナミックにローリングする程よいヘヴィ・サイケ・グルーヴは、前作 "Tuonela" 同様大胆に採り入れたオルガンとサックスが良いアクセントとなってある意味スタイリッシュな雰囲気を漂わせながらもやっぱり AMORPHIS ならではの荒涼とした内面世界の描写は流石に心地よく、ついついハマってしまうのよ。
ただ、リフの背後で鳴り響く直接的なメランコリック・メロディが聴かれなくなるにつれて Pasi Koskinen のメロディの平坦さはまざまざと浮き彫りになってくるなぁ。
あ、酔っ払って聴いてたら、なんとなくTHE YELLOW MONKEY@イエモンっぽくも聴こえたりして。(苦笑)

Jacket PENDRAGON 87
Not of This World (2001)
前作 "The Masquerade Overture" での、煌びやかでありつつもしっとりとした憧憬世界の圧倒的な密度が好印象だった大英帝国の寓話師 PENDRAGON 久々の作品は、その名盤であった前作の濃さを踏襲しつつ精神の小宇宙をより深く掘り下げた、現代叙情プログレという意味では CAMEL, MARILLION とタメを張る「大御所」の域に達した感のある逸品。
細かな気遣いを見せながら事ある毎に泣きで畳み掛ける演奏と、心の襞に訴えかける Nick Barrett の歌声は、暗黒を模索する絶望の果てにスーっと差し込む希望的な安堵の地平がカタルシスをもたらす PINK FLOYD 風の浮遊する情感を発散しまくり。現代叙情プログレのすべてが詰まった 3 部構成のタイトルトラック "Not of This World" と続くこれまた組曲 "World's End" は絶品だわ。
そして特筆すべきはそのプレイの質で、これがまた半端でなく上質。彼ならではの上下にオルタネイトするポルタメント系ポリシンセがスリリングな味を生む Clive Nolan は当然のことながら、歌とともに泣きまくりの英国調ギターを聴かせる Nick Barrett のプレイもいいね。そして意外にもバンドの生命線は Peter Gee のベースかも。淡々とした中でグルーヴの息吹を感じさせるそのボトムは、ついつい耳が惹き付けられる。
ここまで密度濃くて聴けば聴くほど新しい音が聴こえてくると、もうある意味トリップ・ミュージックだな。機会があったら、人気の少ない夕暮れの海辺とかでじっくりと楽しんでみたいデス。

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おまけ URL:
本作をより深く楽しむうえでの手引き by ユーミン
http://www.iris.dti.ne.jp/~michio/pendragon2001.html

Jacket ARCH ENEMY 87
Wages of Sin (2001)
ニューシンガー Angela Gossow 嬢の歌声そして容姿(主に乳)に話題沸騰の 4th アルバムは、これまで ARCH ENEMY に求められてきたものから大きく逸脱することのない魅力作。
疾走感は減少したものの、剃刀の切れ味を持ち合わせたギザギザの大鉈の如き分厚いリフと、クリアでシャープなリズムがヴァリエーションを見せながら展開する楽曲はこれまでより更に聴きやすく、ヘヴィな耽美グルーヴ系の楽曲では、元来の行儀のよさがややマイナス方向に作用しながらも、ミドル・テンポのメタル・チューンが RATT, DOKKEN ら 80's 西海岸メタル勢風のリフ運びのせいで言わば「L.A.パーティ・デス」(苦笑)的な風情を醸し出しているのが面白い。
目玉である Michael Amott & Christopher Amott のテクニカル&エモーショナルなマジック・タッチによるキャッチーなギター・フレーズはますますその輝きを増し、「ギター・フレーズに合わせてヲーヲー歌う」というメタルならではの醍醐味を存分に味わうことが出来る。一度普通に録音した後エフェクト・ループに繋いだワーミー・ペダルを1度の角度まで拘りながら手で操作して処理を加えてんじゃねーの? ピッキング・ノイズだけあとからオーバーダブしてんぢゃねーの!? ・・・と勘繰りたくなる程の泣きに拘った演出は見事の一言。
そして Daniel Erlandsson の素晴らしいドラミングも聴き物で、そのビビる手数、アタックの心地よさ、そして抜けのよさは、名手 Mickey Dee (ex. KING DIAMOND) に迫る勢い。
あ、肝心の Angela Gossow 嬢の歌唱は、ARCH ENEMY の世界観を損なっていない・・・って程度で、確かにその凶々しい野獣の如き咆哮はブルータリティの発散に立派に貢献しているし驚きでもあるが、Johan Liiva を切ってまで加入させた意味があるのかどうかは正直チョイ疑問だなー。ま、いーか。美女だし。(笑)

Jacket FINNTROLL 87
Jaktens Tid (2001)
フィンランドの酔いどれトロール軍団 FINNTROLL の新作は、相変わらずのハイ・クオリティなディズニー調シンフォニーの裏の拍で、妙に可愛らしいアコーディオンやホンキー・トンク・ピアノが鳴り響く、ノリノリのシンフォニック・プリティー・エモーショナル・フォーキー・ブラックの嵐。
すべてフィンランド語で歌われる、激プラストからミディアム・テンポ、シンフォニーのみのインスト、そしてアコースティックなジプシー・チューン・・・と幅広い楽曲は、ヴァイキングの勇壮さとは似ているものの、それとは一味も二味も違う寓話的民族調メロディがユニークな音色群による煌びやかな装飾とともに乱舞するという超個性的なもので、そのその人懐っこいメロディは、聴けば思わず口ずさまずにはいられない。("TROLL" には「輪唱する」という意味もあるらしい) 樹木の香り漂う素朴なフォークロア風情と、洗練された温度の低いストリングスが上手く同居しているのも◎。
キラー・チューン "Skogens Hamnd" に代表される、独特の哀愁をブチ撒きながら飛び跳ねる音々が体中の皮膚に吸い込まれていく感覚は、いやはやもう病み付きになるね。
デビュー作では、その出来が良かっただけに「9曲約30分」という短さに食い足りなさを感じたが、今回は「13曲45分」と(それでも決して長くはないが)満足。こりゃ CRADLE OF FILTH, BAL-SAGOTH の域に迫るわ。

Jacket GRAVEWORM 87
Scourge of Malice (2001)
悶絶イタリアン・メロメロ・シンフォニック・メロディック・耽美ブラックの 3rd。 卒倒ものだった前作同様、壮麗でゴージャスなシンフォニーに包まれた見事な緩急のコントラストを見せつけるドラマティックな慟哭が、存分に堪能できる。
空気を心地よく震わす本格的な弦楽四重奏やグレゴリアン・チャントの有機的で豊かな響きがリードする、絶望の淵から流れ出でる「流石イタリア!」と思わせる尋常ならざる泣きまくりの哀しみパッションが、とにかくどーにもこーにも堪らない。凄絶なブラストで幕を開け、極限にメロメロに展開するラストの "Sanctitiy within Darkness" の前には、流れる涙を止めろっちゅーのがむりッてもんだ。
鎖帷子に身を包み剣を抱えた男前シンガー Stefan Fiori の絶叫デス・スクリーム&ロウなデス・グロウルの両刀使いの妙もイケてるし。あ、紅一点のキーボーディスト Sabine Mair ちゃんが何気にプリチーなのもよいね~。(ニヤリ)
大胆にストリングスを配したなかなかのアレンジで、IRON MAIDEN 後期の名曲 "Fear of the Dark" のカヴァーも演ってマス。

Jacket DIMMU BORGIR 87
Puritanical Euphoric Misanthropia (2001)
ノルウェーが誇るシンフォ・ブラックの帝王 DIMMU BORGIR が、遂に邪悪な白塗りメイクから脱却し、その威厳ある佇まいを露にした入魂の 5th。
新メンバーとしてドラマーに元 CRADLE OF FILTHNicholas を、ベーシスト兼クリーン・ヴォイス担当として前作でもゲスト参加していた BORKNAGERVortex こと Simen Hestnaes を正式に迎え・・・そしてギタリスト Astennu の後任の座にはなんと大物中の大物、OLD MAN'S CHILDGalder が!!
そんな超スーパー・グループとなった彼らが生み出したこの新作は、その体制に恥じぬ最高品質。絶え間なく鳴り響く絢爛豪華なシンフォニーの呼吸に包まれたミステリアスなブルータル・メタルは、過激極る超絶ブラストとゆとりが細波となって語りかけるメロウなスロー・パートが目まぐるしく交錯する上で Shagrath のカリズマティック・デス・ヴォイスが心に響く、決して一本調子になることなくスリリングに展開する邪悪なる暗黒絵巻。
その重厚長大なのアンチ・クライスト・ワールドは、捉えようによっては Nicholas の如き(苦笑)過剰な贅肉に包まれている感があるが、そこはメタルの攻撃性が聊かも失われていないのでヨシとしよう。
しっかしこのバンド、ハッさせるブレイクの妙による場面転換の取り方が実に巧いね。今回も、切り込んでくるハーモニーを伴ったクリア・ヴォイスや豊潤なツイン・ギター・ハーモニーが見事に上質なコンチェルトの一部として機能していて、ホントいい感じだわ。
ちなみに 4/25 に出る日本盤のボーナストラック "Devil's Path" は、名手 Andy LaRocque (KING DIAMOND) がギター弾いてるらしい・・・ってことはそっちも買わねば。(馬鹿)

Jacket SEX MACHINEGUNS 87
Burning Hammer (2001)
ライヴ・アルバム。
しっかし、メッチャすごいライヴしてますな。Himawari (dr) のハシり気味具合がナイス!  (Sep. 16, 2003)

Jacket PINK FLOYD 86
Echoes -The Best of Pink Floyd- (2001)
唯我独尊 PINK FLOYD の35年の歴史を凝縮した2枚組デジタル・リ=マスタリング・ベストアルバム。
Roger Waters, David Gilmour, Richard Wright, Nick Mason が監修に関わって再構築した26曲150分の流れは、それぞれの楽曲が絶妙にクロスフェードする完璧な仕上がりで、PINK FLOYD のこれまでの作品はこの一枚を生み出す布石に過ぎなかったのではないかと錯覚させるほど見事。
ってゆーか、「"Meddle" 収録の "Echoes" こそが PINK FLOYD の真髄」と信じるオレにとっては、そのタイトルが "Echoes" っていうだけで彼らと完全な意思疎通が出来たような妄想に浸れて二度美味しいって感じ。(狂)
酒飲みながら150分ノンストップで聴くと、最上級のトリップ感を味わえまっせ。

Jacket ONMYOUZA (陰陽座) 86
Tsuki ni Murakumo Hana ni Kaze (月に叢雲花に風) (2001)
大阪の妖怪ヘヴィ・メタル・バンド 陰陽座 のメジャー・デビュー・マキシ・シングル。
仄かなプログレッシヴ・フィーリングとメタルのパワーがテンポ良く邁進するタイトルトラックは、瞬火 の堂々とした歌唱に 黒猫たん の美しきソプラノから力強いメタリック歌唱までを駆使した萌え萌え歌唱がそれに絡むという、陰陽座 の魅力が充満したメジャーへのお披露目という役割を充分過ぎるほどに果たす佳曲。
黒猫たんの魅力大爆発なアコースティックな哀切チューン "螢" もタマンネーです。ハァハァ。
さて、2002年1月10日のフル・アルバム "煌神羅刹(こうじんらせつ)" が楽しみだ!

Jacket NOVEMBRE 86
Novembrine Waltz (2001)
NOVEMBRE って憂いに満ちたバンド名からしてツボに来ちゃうイタリアン・ゴシック=デス・メタルの 4th アルバム。
1曲が5分台なのを除いてはすべて6〜8分台という長尺な楽曲群は、時にブラスト・ビートまで顔を出すようなデス・メタルのアグレッションも存分に含みつつ、アコースティック・ギターのムーディな哀感や、やや控えめな絶叫で激情を伝える濁声を割って表出するナカナカに愁いを感じさせるクリア・ヴォイスのハイブリッドな歌唱が醸し出すキャッチーな感触もたっぷりの、悶々としつつも妙な開放感のある非常に垢抜けた佇まい。
Tchaikovsky によるバレエ音楽 "Swan Lake (白鳥の湖)" のフレーズをモチーフにした "Distances" で幕を開け、THE THIRD AND THE MORTAL の2代目シンガー Ann-Marie Edvardsen 嬢のふくよかな歌声をフィーチュアした Kate Bush "Cloudbusting" のカヴァーの清々しさを良いアクセントに折り返して、哀しみ色のスキャットがナイスなプログレッシヴ・フォーキー・チューン "Valentine (almost an instrumental)" を経て、激泣きのデス・バラッド "Conservatory Resonance" で締めくくるっつー泣きに拘った構成がニクいね。
格が違うのを承知で、「イタリアの OPETH」って呼んでいい?

でもなー、前作 "Classica" でネオ=クラシカルな超絶ギターソロを披露していたギタリスト Massimiliano Pagliuso の脱退は正直残念。。。

Jacket ETERNAL TEARS OF SORROW 86
A Virgin and a Whore (2001)
反則的なまでの泣き泣きバンド名を持つ、フィンランド産ゴシック系耽美デス・メタル・バンド ETERNAL TEARS OF SORROW の 4th アルバム。
一聴して感じられるメジャー感の大幅な増加は、強烈なヨーロピアン様式デス・メタルを展開していた前作 "Chaotic Beauty" から激烈なブラック/デス・メタル風味をやや後退させた、落ち着きあるミッド・テンポ中心に丁寧に構築された作風の賜物かな。
が、それは決してマイナスではなく、正統派クラシカル・メタルの手法を持って惜しげも無く塗布されまくるギターとキーボードのソロイスト的活躍と落涙もののアンサンブルの妙がさらに際立ったゴシックの耽美な香りを漂わせる楽曲群は、「派手派手でクラシカルに着飾った最近の DARK TRANQUILLITY」とでも言えよう風合いだ。
中には本作のボーナス・トラックの一曲である PARADISE LOST のカヴァー "As I Die" よろしくモダン・ゴシックの味わいが強い曲もあったりするけど、それも含めて全編を包むその独特の様式的な泣きの空気は相当に美味しく、一曲目イントロのピアノでの秒殺の予感がその後に登場する SILVER MOUNTAIN の如きイナタいネオ=クラシカルなモノ・シンセのサウンドで瞬殺に変わる "Aurora Borealis" からエネルギッシュにビート弾きつつもサビのメロメロな進行が堪らない "Fall of Man"、普通声をフィーチュアした激泣きバラッド "The River Flows Frozen"(ラストを締め括るボーナス・トラックのアコースティック・バージョンも本編以上にイイ感じ/嬉)、泣きソロの応酬がカタルシスを生む "Aeon" と、悶絶ポイントも盛り沢山。
こうなってくると気になりだすのが、ベース兼任のシンガー Altti Vetelainen の歌う迫力なく押し潰されたショボ〜いデス声。泣きを連ねるインストゥルメンタル群と対決できるだけの説得力を持っていないのがなんとも惜しいなぁ。ま、鍵盤奏者 Pasi Hiltula のセンス良さが尋常じゃないから、それで帳消しにしとくかな。(ならんわ!/苦笑)

Jacket TRANSATLANTIC 86
Bridge Across Forever (2001)
スーパー・プログレッシヴ・プロジェクト TRANSATLANTIC の 2nd は、やっぱり前作同様の超大作主義。なんつっても、26分台が2曲と14分台と5分台がそれぞれ1曲で、全4曲ながら計72分を超えてしまうという馬鹿馬鹿しさ。(笑)
弦楽によって優美に奏でられる冒頭の印象的なテーマを様々なアレンジで随所に差し込んでゆく手法を取った、それぞれタイトルの付けられた細かなパートを移ろいゆく、ロックの波動を存分に封じ込めたテクニカル・シンフォ・プログレ大作は、壮大に広がる穏やかな地平を感じさせる懐古的な空気を纏いながらも、そのイメージほどには隔世されてはいない、プログレッシヴ・ロックの悪い意味での枠に収まらない現代的な躍動に包まれている。
でもまぁ正直言っちゃうと、前作 "SMPTe" ほどのインパクトはないんだけどね。ただ、楽曲という面では前作を凌ぐまとまりを見せている感触があって、広大なテクニカル・シンフォ・プログレ世界の水平に心地よく浸れる一枚であることには間違い無いな。どんな曲でも必要以上に暴れる(笑) Mike Portnoy のスティックさばきには、やっぱ惚れ惚れするし。
ちなみに今回 GET したのは限定2枚組で、ボーナスディスクには PINK FLOYD の名バラード "Shine on You Crazy Diamond" のカヴァー(本編含めて実はこれが目玉な楽曲かも!と思えるくらいイイ)をはじめ、スタジオでのリハの様子(持ち曲の練習の他、BEATLES"And I Love Her" やパートを交換して "Smoke On The Water" で遊ぶ様子(笑)もあり)やデモなど6曲+エンハンスド仕様の映像トラックも入って、とってもお徳。

Jacket PINK CREAM 69 86
Endangered (2001)
98年度の当サイト No.1 アルバムに輝いた 7th "Electrified"、そしてそれに続く 8th "Sonic Dynamite" とほぼ同一路線のこの 9th アルバムは、それら2作とまとめて3部作という位置付けが出来なくもないほどに兄弟作的な風合い。
快濶にドライヴする硬質なリズムをベースに、スリリングな高揚をもたらす好センスのギター・プレイと、主役である名シンガー David Readman の潤いと力強さに満ちた伸びやかな歌唱が郷愁&哀愁を演出する・・・という "Electrified" 以来の欧州ハード・ロックの醍醐味には些かの変化もなく、心置きなく David Readman の絶唱の魅力に耽溺可能な相変わらずの好盤だ。
ただ、前作 "Sonic Dynamite" でも感じたように、楽曲パターン/アレンジ/メロディなどの明らかな引出しの少なさは今後に少々ならぬ危機感を感じさせるもので、本作中で特に良いと感じた "Promised Land", "In My Dreams", "Queen of Sorrow" らの楽曲群にしても、奇跡の名盤 "Electrified" に収録されていた楽曲を露骨に連想させる部分が少なからずあって、聴いてて「アレレ・・?」って思ってしまう瞬間があるのが正直なところ。
ってなことを承知した上でも充分に心酔できるってのが、我らが David Readman のスゲーところなんだよなー。(惚)

Jacket EDGUY 86
Mandrake (2001)
SEVENTH AVENUE タイプ(笑)の若き大器 EDGUY の 5th アルバム。
AVANTASIA での経験からか、今まで以上に細部に亘って丁寧に構築されたクオリティの高い楽曲は、典型的ジャーマン・スタイルから脱却せんが如きのヴァラエティ豊かな作風を見せながら、聴き手のシンガロングを誘う魅惑のクワイヤをはじめ安心の EDGUY 節。
その独特の EDGUY 節の中心を担う天才シンガー Tobias Sammet は、相変わらず Michael Kiske に傾倒しながらも、本作では随所で Bruce Dickinson 色を強めたストロングな唄いまわしを聴かせ、チョイと気持ち悪かった一定の振幅を持った大きなヴィブラートもあまり気にならなくなってきたのがいいね。表現の妙味っつープラス面の方が耳に付くので相殺されてっのかな?
これまでの作品って、良さを感じつつもある種の稚拙さが気になっちゃってあまりのめり込めなかったんだけど、本作では細かな部分でこれまでになかった楽器陣の余裕が導いた好センス(特にギター・チーム!)が歓喜のツボを突いてくるのが嬉しくて、比較的長く楽しめそうだな。
ただ、内容的にもクオリティ的にも予想の範囲をあまりにも逸脱しなさ過ぎな感があるのも事実で、彼らが爆発的な革命盤を作り出せるスキルを備えている逸材なのが明らかなだけに、この「順当な成長具合」にどーにも歯痒さを感じてしまうのよね。贅沢だけど。

Jacket DARK AVENGER 86
Tales of Avalon Part1 (2001)
Brazilian Melodic Power の期待の星が 2nd Album を Release。
新宿レコードで大枚¥3,500をはたいて入手せざるを得なかった(汗)衝撃の Debut Album "Dark Avenger" に続いての、彼らの創作 Story である "Tales of Avalon" に基づく全 64 分の Story Album となった本作は、こりゃまた大成長の満足盤。(嬉)
どんな手を使ったのかは不明ながら、見事にモノにした Bruce Dickinson の歌唱 Sence で構築された「グッとくる」Melody を初期 Geoff Tate を思わせる冷徹な Hi=Note で大仰に歌い上げる(FATES WARNING の初期Singer John Arch の進化系と言えよう!) Singer Mario Linhares と High=Tech な Neo=Classical Guitar を惜しげもなく披露するGuitar Player Leonel Valdez を始めとする Minor 臭さの希薄な完成度の高い Play によって支えられた Sound は、IRON MAIDEN meets ANGRA の様相は相変わらずながら、前作の突撃具合が一段落するとともに、Story Album ならではの言うなれば中期 QUEENSRYCHE 的な腰の落ち着いた叙情の憂いをドーンと打ち出してきた。いやー嬉しいね。
やや Edge に欠ける柔和な Sound Making (特に Bass ) にはチョイト勿体無さを禁じ得ないものの、ここまで Balance 良くまとまった Melodic Heavy Metal には、まずは拍手っすわ。

Jacket RADIOACTIVE 86
Ceremony of Innocence (2001)
PRISONER や 再結成 TALK OF THE TOWN 等での活動で知られる Sweden の Guitarist/Composer/Producer Tommy Denander が、彼の旧知の TOTO 人脈をフルに生かして創り上げたのは、「現代に蘇った全盛期の TOTO」だ。(現在頑張っている Steve Lukather には申し訳ないが)
何といってもメンツが凄まじい。Mike Porcaro, Steve Porcaro, David Paich, David Hungate, Bobby Kimball, Fergie Frederiksen, Joseph Williams そして故 Jeff Porcaro(生前に録ってあったサンプルを Rhythm Machine に採りこんだのだ!)の歴代 TOTO 組に、Fee Waybill, David Foster, Jason Scheff, Bruce Gaitsch, Michael Thompson, Jim Jidhed etc... といった A.O.R.Masters が集結。いやはやホンマビックリだわ。
各人の素晴らしい歌唱やプレイが堪能できる Westcoast Urban A.O.R. の Smart さが主流ながら、U.S. Mainstream Hard Rock を思わせる Hard な Edge、そして Tommy Denander 自身による、High-Tech な Guitar Work を中心とした北欧 Technical-Rock の Thrill の配合が、時に「楽曲にそぐわないのでは?」と心配になるほど(汗)に Metalheads にも充分に刺激的なのも◎。

Jacket LAST TRIBE 86
The Ritual (2001)
この LAST TRIBE は、MIDNIGHT SUN"Nemesis" Album で粒の揃った Smooth な超絶 Fast Play を聴かせてくれた Guitar Player Magnus Karlsson を中心とする Project。Singer はなんと ARMAGEDDONRickard Bengtsson だ。
それにしても巧いな、Magnus Karlsson。ただの Neo=Classical 野郎じゃなくて、Steve Morse, Steve Vai, Allan Holdsworth に通じてるのが強い。うむ。
超速でクッサく疾走する "Black Widow"、悶絶 Neo=Classical の権化 "Blood on Your Hands" といった MIDNIGHT SUN に通じるな北欧様式美 Tunes、壮大な Ballad "Falling" 、クラシカルな鍵盤にリードされる ARMAGEDDON 的 HEAVY METAL "Ready for the Storm"、歌メロも強力な Symphonic Prog. Metal "Flying High" と、結構幅広い方向を向いた楽曲の数々は、どれも悶絶の Guitar Play と Catcy な Melody が美味しいわ。
主役の Magnus Karlsson 以外のメンバーのポテンシャルも相当に高く、特に Kristoffer "Doffe" Andersson の「鳴り」を感じる Drum Play はなかなか凄いかも。そして Rickard Bengtsson は、その声質と顔を覗かせる不安定さ(これは魅力!/笑)、そのギャラの安そうな雰囲気(汗)からして、今後「Goran Edman の正式な後継者」(苦笑)として活躍することになるのかっ!?

Jacket BOB CATLEY 86
Middle Earth (2001)
哀愁 HR 史上に残る傑作激泣デビュー盤 "The Tower" に続く前作 "Legends" が、良質のメロディが詰まりつつもややコンパクトで印象を受けた「地味盤」だったんでちょいと警戒していたが、この 3rd アルバムは良い意味でのコンパクトさを残しつつ煽情力/ドラマ性の高さが心地よい「気迫盤」となって一安心。
これまで同様 Gary Hughes のペンによる楽曲は、ハード・ポップのキャッチーさを持ち合わせた威厳に満ちた伝統的なハード・ロックをトラッド/フォークの牧歌的風合いで味付けしたファンタジックなもので、モチーフにされたファンタジー小説「指輪物語」の寓話世界を見事に描いている。
今回は、Vinny Burns の官能ギターを存分に配しながらもキーボードをより前面に押し出したややマイルドな作りで、そのためか Bob Catley の「悟り」を感じさせる老獪なる歌唱の乗りもよく、情緒を不安定にさせるほどのメロメロの哀愁の谷間に流れる安堵を誘うほのぼのとした暖かさが、心に響いちゃうんだよなー。

Jacket MOSTLY AUTUMN 86
The Last Bright Light (2001)
Heather Findlay(シンガー)、Angela Goldthorpe(フルート&リコーダー)という2人の麗しき(←これが非常に大事)英国美人を含む、英国はヨークの7人組フォークロア・プログレッシヴ・ポップ=ロック・バンド。
このバンド、BLACKMORE'S NIGHT のサポートアクトを務めた経歴をはじめ、Ritchie Blackmore と縁の深いトラッド・グループ DES GEYERS SCHWARZER HAUFENAlbert Dannenmann のゲスト参加、ドラマーの名が Jonathan Blackmore(謎笑)・・・と、なんだか妙に Ritchie Blackmore とリンクする要素が多い。
それは音楽的にも同様で、PINK FLOYD よろしく浮遊する仄かな泣き、GENESIS 的な寓話風情景描写力から THE FLOWER KINGS を思わせる明快な現代シンフォ・パワー・ポンプ風味の噴出に至るこのバンドの持つ多種多様な魅力の引出しに中において、BLACKMORE'S NIGHT 的な中世ルネッサンス音楽のフレーヴァーが醸し出す愁いは確実にそのうちの重要な一つになっているし、David Gilmour 真っ青に泣きながら浮遊するギターは、ギターの引っ掛かるようなフィンガリングやスライドのフィールが時に Ritchie Blackmore 的。そして場違いなほどに RAINBOW ちっくなアップテンポのパワー・チューンのタイトルが "Never the Rainbow" つーのは。。。(汗)
・・・と RAINBOW 関連事項で盛り上がるのは広瀬@Burrn! に任せるとして(笑/実際この関連は買ってから判ったことだし)、それを持ち出すまでもなくこの MOSTLY AUTUMN の音楽は十分に魅力的。時にキャッチーに、時に淡々と、時にメロメロに・・・と様々な表情を見せる洗練さと朴訥さの両面を備えた楽曲の数々は、メインを張る素朴なプログレ声の男声に耳を惹くヘヴンリーな女声を絡ませながら、終始軽快に哀愁を奏でる笛系がトドメを刺すっつー、タマらなくグッと来る逸品揃いなんでね。

Jacket ZONATA 86
Reality (2001)
デビュー・フルレンス・アルバム "Tunes of Steel" の「モッコリビームオヤジ」の悪夢をかけらも感じさせない Derek Riggs の手による美麗ジャケが見かけ倒しではない、デモ "Copenhagen Tapes" の頃の路線に立ち戻った感のある(超嬉)素晴らしい出来。
ジャーマン的明快さを持つクサクサ疾走チューンズは、豊潤さを備えたネオ=クラシカル・ギターと、ZONATA ならではの独自性を感じさせるエレピに少々ストリングスを混ぜたパーカッシヴなキーボードの音色が奏でるクラシカルなアレンジ、そして秀逸な歌メロ・センスがベリー・ナイス。ヘナチョコ・チキン・ハイ=トーン・ヴォイスも、残念ながら(爆笑)充分に一般の耳に耐えうるレベルまで上手くなっちゃったしぃ。(汗)
"Symphony of the Night" ~ "Forever" の疾走クラシカル連発、そして "Copenhagen Tapes" 収録の名曲 "Gate Of Fear" の2001年ヴァージョンは悶絶!

Jacket NELKO KOLAROV 85
Day of Wrath (2001)

ブルガリア人キーボーディスト Nelko Kolarov の現時点で唯一のソロ作。

彼が参加した BRAZEN ABBOT"My Resurrection" で聴けた悶絶鍵盤プレイに感銘を受けて買ってみたんだけど、コレ、指揮者/作曲家としても活躍する彼の奥深い造詣と匠の技が見事に封じ込められた、各所で名盤的扱いを受けているのが至極納得の充実盤だったデス。

余裕ある円熟のテクニックを嫌味なく見せつける参加メンバーの技巧美をフィーチュアした DREAM THEATER 風味のスリリングなアレンジと、Michael Flexig (vo/ex-ZENO) 似のシンガーのキャッチーな現地語歌唱がもたらす軽やかな哀愁 A.O.R. ハード的心地よさが耳を捉えるも、その芯となっているのは Al Dimeola に通じるエキゾチックなフュージョン・タッチを配した70年代後半〜80年代初頭の古き良き産業プログレッシヴ・ロックの味わい。

辺境ならではのごった煮感もあるにはあるが、Nikolo Kotzev の一連の作品にも通じるクラシックな格調が美味しい、穏やかなスリルとともに和める逸品だ。  (Sep. 26, 2005)


Jacket KIM KYUNGHO 85
The Life (2001)
韓国のロック・スター Kim Kyungho の 6th アルバム。
イントロに続いて硬質に疾走する様式ヘヴィ・メタル #2 "Survival Game" から始まるメタリックな前半から、穏やかなキャッチーさが心地良いポップ・チューン #4 "Sojunghan Noege (Embrace PureYour Soul)" の余韻が心地良い中庸な中盤を経て、終盤では女々しさ全開の激泣きシンフォ・バラッド #7 "Hwiseng (Always with Your in Spirit)" 、大陸的な爽やかな開放的感溢れる #8 "Yesterday"、仄かな叙情を繊細に綴る #9 "My All" といった佳曲群でしっとりした落ち着きを聴かせるという構成のヴァラエティに富んだ内容。
そのすべてを支配するのが、Mike VesceraMichael Sweet を掛け合わせたかのような、力強さとナイーヴさを兼ね備えた Kim Kyungho の圧倒的な歌唱力だ。たまーにヴィブラートの大きな振幅ちょうど中間のピッチがややフラット気味なのが気になるんだけど、これだけ歌えりゃまぁ文句ない・・・ってゆーか羨ましいほどデス。ブックレットのナルシスト全開の目つきには萎え萎えだけど。(苦笑)
そして、彼の歌声と共に、全編に亘って凄まじいテクニックでネオ=クラシカルに弾き倒すギターが気になって気になって仕方ないんですけど!・・・ってことで、ハングルが読めるって特技のあるカミさんにギタリストの名前読んで貰ったら「イ・ヒョンソク」って人だって。で、Web で検索かけてみたら・・・Lee Hyun Suk じゃん!!!(驚) どうりでスゲーわけだ。

Jacket MASTERMIND 85
The Way I Go (2001)
日本産メロディック・パワー・メタル・バンド MASTERMIND の 2nd アルバムである本作は、待望のメジャー配給を実現した作品とあって彼らにとっては正に試金石となる一枚。
闇を切り裂く光線を目に浮かばせる Norio Sato の押しの強いハイ=トーン・ヴォーカルを主軸に、Yoshiya Sato & Yoshiyuki Watarai によるネオ=クラシカル&テクニカルなギター・コンビネーションに彩られたその欧州型疾走ネオ=メロディック・パワー・メタル・サウンドは、THE STORYTELLER, NOSTRADAMEUS, STEEL ATACK, CRYSTAL EYES, CUSTARD らの本家と比較しても全く遜色の無いもので、特にラウドに突進する Naoyuki Hasegawa & Shinichi Kojima の強力なリズム隊と秀逸なプロダクション(特にリズム・ギターの!)が生む高揚感に於いては、それらを遥かに凌駕する感触だ。
ほんの味付け程度にキーボードや女声ボーカルによる演出を見せながらも硬質に疾走するヘヴィ・メタルは、なかなかに絶妙な曲作りによって思わずヘッドバンギングを誘われる名曲レベルの物も多く、一部の楽曲で見られるポップでキャッチーなエッセンスについても、これまで多くの J-METAL バンドが繰り返してきた「ポップへの色気が導く妙な不統一感」を感じさせない良質な魅力として有効に機能した楽曲の出来は結構イイ感じ。
とはいえ、身近なバンドだけに気になる点も幾つか目立つ。どの母音で終る音節でも徐々にイ行に移行して細かなヴィブラートを掛けるクセのあるヴォーカルと、そこそこ弾けるはずなのにフレーズによっては非常にたどたどしいプレイでその不得意さを表層にあらわすギター、そして切り貼り感漂う全体からやや浮き気味のそのリード・ギター・トラック・・・と相変わらず自国の同胞バンドには厳しいね。自分の事は棚に上げやがって。(苦笑) でもまぁこのあたりは好みの範疇なのかもね。事実、聴いてるとその懸案点を上回る曲の良さによって気持ちよく乗れるし。
しかーし、各メンバーに付けられた「愛称」だけは即刻なんとかしたほうがイイと思うよ。狙いと思われる親しみ易さは残念ながら一切皆無で、彼らがターゲットとしている洋楽メタル・ファンにとっては寒さ&痛さのみが直撃するはず。なにより、その本格派サウンドと今の愛称って、めっちゃバランス悪いって。

Jacket ROYAL HUNT 85
The Watchers (2001)
起死回生の壮大なコンセプト・アルバム "The Mission" を主軸に、その前哨盤としてリリースされていた E.P "Intervention"、そして本作 "The Watchers" を纏めて「三部作」として位置付けたいらしいが、それってどーなんでしょ?
なぜなら、本作のメインはその前哨盤収録の "Intervention(Part 1)" の「フル・ヴァージョン」である "Intervention"(ややこしいぃぃ!)で、Part 1 で途中で終わってた続きが14分を超える冗長な展開を見せるこの曲ってば ROYAL HUNT 独特のヘヴィ・バロックをそこそこに疾走させた可も不可も無い出来。。。 本 CD 末尾に合せて収録された同曲を6分弱にダイエットした「ラジオエディット版」の方がよっぽどまとまってていい仕上がりだっちゅーの。(汗)
本編 "The Mission" の充実が記憶に新しいだけに「これで締め括れ」といわれても釈然としないし、だいたいこの「"Intervention" で挟み作戦」が、プロローグとエピローグとして上手く機能しているとは全然思えないんだけどなぁ。
が、だからといって本作が全くダメダメ君かといえば全然そうではない。それは、John West をフィーチュアした4曲のライヴ・トラック "Lies", "Flight", "Message to God", "Epilogue" と、同じく John West の歌唱によってリ=レコーディングされた "One by One", "Clown in the Mirror", "Day in Day Out", "Legion of the Damned" の存在だ。これが実に素晴らしい仕上がりで、その凄絶な歌唱が存分に堪能できると共に、新しい生命を吹き込まれて未知の輝きを放つ過去の名曲群の前には、否が応でも今後の ROYAL HUNT への期待が高まらずにはいられない。
恐るべし、John West

Jacket ARTENSION 85
Sacred Pathways (2001)
John West が ROYAL HUNT で、そして Vitalij KuprijRING OF FIRE やソロで順調に活動しているという現状で、事実上解散状態にあった ARTENSION がまさかの復活を遂げるとは夢にも思わなかった。
それだけでも驚きなのに、そのメンツが前記2名+ Kevin Chown, Mike Terrana, Roger Staffelbach というオリジナル・ラインナップで(!)、そのうえ内容が近作の不充実が祟った希薄な期待感とは裏腹の高品質(!!)とあっては驚きも3倍だわさ。
方々で様々な経験を重ねた各メンバーそれぞれのプレイが、これまで以上に円熟味を増しつつも、反面ではまるで初期に立ち戻ったかのような破天荒なスリルを噴出しているのが非常に魅力的で、激ヤバだった Roger Staffelbach のギターさえも安定感を見せるに至っている。(失礼) そして Mike Terrana のテクニックと突進力がバランス良く融和したドラミングはマジスゲー!
また、John West の歌うメロディがワンパターン気味だったコレまでとは異質の冴えを所々で見せているのも嬉しい誤算で、リーダー・トラック "Nightmare" のキャッチーなフィーリングや、アコースティックな大陸系バラッド "Flower of the Orient" のピアノをバックに描かれる開放的な哀愁は見事で、特に後者はバンド ARTENSION の今後にある種の期待を抱かせるに十分な新境地への挑戦だ。

Jacket DREAMTIDE 85
Here Comes the Flood (2001)
残念ながら現在解散状態にある FAIR WARNING のガチャピン・スカイ・ギタリスト Helge "Gatcha-Ping" Engelke のニュー・バンド DREAMTIDE のデビュー作。
問答無用の FAIR WARNING ハイ=ライト・チューンの趣を備えたオープニングの "What You Believe in" のサビでついつい「Cooome Doooooownnn!♪」と叫んでしまった瞬間に、このバンドがシンガーを交代&改名した FAIR WARNING だということをしっかりと認識した。まぁ初期のドラマー C.C. Behrens にツアーで弾いてた鍵盤奏者 Torsten Luderwaldut、そして Gatcha-Ping(汗)と元 FAIR WARNING が3人も居るんだからそりゃしょ〜がないよなぁ。
が、その楽曲は冒頭の必殺チューン "What You Believe in" をはじめ "Come With Me", "Promised Land" といったモロ FAIR WARNING な曲ばかりではなく、ドリーム・キャッチャーを配したそのアート・ワークとリンクするネイティヴ・アメリカンにまつわる雰囲気や ZENO 的なオリエンタリズム、そしてあげくの果てには VENTURES 風サーフ・サウンドのテイストまでもを絡ませてみたりと、Helge Engelke 個人が興味あるものをまとめあげてみたという色合いで、なかなかヴァラエティに富んだ良い出来のものが揃っている。
その魅惑の楽曲群を歌うのが注目のニューシンガー Olaf Senkbeil だが、甘い声質をよく伸ばすハイ・トーンとともに中音域でも情感をしっかりと歌いこなす実力派でなかなか健闘しているし彼ならではの魅力も充分に感じるんだけど、たまぁ〜に顔を出す鼻にかかったクセのある唱法が惜しいところで微妙なダサさを演出してしまっているのが、気になりだすとカナリ気になるんだな。。。 やっぱ楽曲が楽曲だけにどうしても「あぁ、この曲を Tommy Heart が歌っていたら・・・」と思ってしまうしね。過剰にヴォーカル・ハーモニーを重ねるそのアレンジもちょいと鬱陶しさを感じるし。。。
とはいっても、もはや Helge Engelke のトレードマークでもある鳴き声を上げながら飛翔するスカイ・ギターが噴出する開放感と哀感の心地よさはやはり悶絶級だし、専任キーボーディストの存在による FAIR WARNING 以上のキラキラ感も美味しい美味しい。久々に聴いた C.C. Behrens の My ツボなタイミングでハードにヒット&ドライヴするドラミングも◎だしね。

Jacket FLOWER KINGS (THE) 85
The Rainmaker (2001)
北欧現代プログレッシヴ・ロックの雄 THE FLOWER KINGS の新作が早々と登場。いやー、精力的だなー、Roine Stolt
冒頭に流れ出す腰の据わったヘヴィなプログレ・リフに、あの地平を照らすカラフルさは何処へ!?と一瞬思ったものの、それはホントに一瞬のこと。以降にしっかりと息づくリリカルな朴訥メロを配した悶絶テクニカル・ロックに一安心。聴き進めるうちにそのヘヴィ風味も美味しく感じるようになったし。
10分以上の曲が3曲もあるっつー相変わらずの超大作主義で、しかもどれだけ目まぐるしくテクニカルに応酬を重ねようとも、決してこちらの息が詰まることのないっつーのは、「演奏しよう」のではなく「表現しよう」としている(そして出来ている!)演奏側が感じているエクスタシーや安堵が、しっかりと聴き手にも伝わっているからなんだろな。
そんな優れた演奏とともに、歌メロ部分の充実も THE FLOWER KINGS の強みで、本作でもあるときは一点を狙い、ある時は広域から包み込んでくるような暖かいメロディの束がプログレッシヴな空気を乗り越えてやって来る様子が、実に心地よいし。
そしてやっぱり耳を捉えるのは、MIDNIGHT SUN でもおなじみのベース・プレイヤ Jonas Reingold のスーパー・プレイ。現在ベース・ギターの演奏を生業とする人間の中では間違いなく最高の部類に入るだろうと何の疑いも無く感じられるほどの凄みに満ちた、彼ならでなの味と共に普遍的に巧さを備えたプレイは、至る所で楽曲のキモとして輝いている。聴き様によっては、彼のソロアルバムつっても全然違和感無いほどにね。(それは言いすぎか/汗)
今回購入したのは、限定の DIGIBOOK 2CD ヴァージョンで、ボーナス・ディスクには6曲のオーディオと2曲のムービーが! 本のような立派な装丁も嬉しいね。

うぅむ、やっぱ秋の夜長は大作だよなぁ〜。(しみじみ)

Jacket CENTURY 85
Melancholia (2001)
同郷の CREMATORY に縁の深いドイツ産メランコリック・ゴシック・ポップ・メタルの 2nd。
ハード・ロックのエナジーを残しながらもニュー・ウェーヴ方向に傾倒したゴシック的サウンドは、TO/DIE/FOR を筆頭としてこのところ北欧で盛り上がってるノリノリ・ゴシック一派に数えられよう音楽性なのは間違い無いながら、男性シンガー Michael Rohr の粘度の感じられないクリアで明快なヴォーカル・スタイルの功績で、極限まで聴き易いまさに「哀愁ゴシック」という言葉がバッチコンな美味しいスタイル。
デジ・ユーロ・ポップ風味満点の "I Regret", "Nothing No More"、まさにノリノリな "High and Low", "Shine"、郷愁のサビメロがたまんない "Melancholic Light" をはじめとする、全体を包み込むように広がるデジタルな装飾にザクザクとヘヴィにドライヴするメタル・リフがしっかりと絡みつくコンパクトにまとまった楽曲は、どの曲にもキャッチーで女々しい哀愁メロディがキッチリと配されているのが嬉しい。
きっと狙ったに違いないと好意的に解釈したいチープな鍵盤系の音色が醸し出す、テクノに片足突っ込んだこの感触を理解した上で、ここまで聴き易い暗黒系音楽(音自体は全然暗黒ぢゃないけどね)を提示してきた功績はデカイかも。そしてクセになるのかも!

Jacket THERION 85
Secret of the Runes (2001)
スウェディッシュ・オーケストラル・メタル THERION の 8th アルバムは、"Theli" で開花したクラシックとメタルの融合という現在のスタイルが、試行錯誤の末に理想的な形で結実をみた感のある佳作に仕上がった。
5th アルバム "Theli" で叩きつけられた衝撃的な壮麗たるメタル・オペラは、"Vovin", "Deggial" と確実にそのスケールを肥大させていったにも関わらず、残念ながらその良好なムードまでには楽曲そのものの魅力やプレイの質がついていっていない印象だった。
ところが、今回 Christofer Johnsson が提示してきた古代ノルウェーのルーン文字伝説に基づいた物語は、これまで同様のオーケストラと混声合唱団を伴った壮大なメタル叙事詩でありながら、9つの世界を表現したそれぞれの楽曲がこれまでとは桁違いに魅力的に聴こえるのは、一重にバンド・セクションの充実に拠るところかも。
アコースティック・パートの効果的な導入や、ドラムのグルーヴ感の増加、そしてギタリスト Kristian Niemann の超テクなネオ=クラシカル・プレイの大幅なフィーチュアなどによる、バンド・セクションで閉じた部分においての上質な抑揚が功を奏して、オーケストラとの自然な溶け込み方はこれまで最高。男声女声それぞれによる有機的なソロ歌唱パートの増加も嬉しいしね。
正直、それぞれの楽曲でどーのーというよりは、全体の流れや雰囲気に圧倒されちゃうというのはあるんだけど、今回はそれを差し引いてもなかなか楽しめる一枚となったと思う。
既発曲のリミックスながら SCORPIONS"Crying Days"ABBA"Summer Night City" それぞれのカヴァーがボーナスで収録されているのもナイス。

しっかし Kristian Niemann ってホントいいギター弾くよなー。って、結局ネオ=クラ部分に釣られているのかよ!((c)三村/笑)

Jacket MACBETH 85
Vanitas (2001)
Italy は milano 産 の耽美 Duet Gothic Metal Band MACBETH の 2nd。「まだ生きてたんだ!」と嬉しい驚きを得つつ Credit 見て更に驚いたのは、なんと前作から Singer が男女共に替わっているぢゃあーりませんか!? 前任の Cristina 嬢の性悪系美女っぷりがカナーリ好みだっただけに、多大なショックを隠し切れぬままに聴き進めると・・・これが意外に悪くない。(ホッ)
一聴して気付いたのは、前作ではちょいと危ういところのあった演奏レヴェルの格段の UP。その結果 Dynamics が激増した、最近の Gothic 勢の Trend である「ノリノリ系」への色気も少々見せつつも、基本路線は相変わらず「泣きの耽美 Gothic の王道」っつー楽曲群がなんとも魅力的。
中心人物であるDrummer Fabrizio の兄弟である新男声 Singer Andreas は、Death Growl と少々フニャっぽい普通声を交互に操る器用なタイプながら、その普通声の色気はなかなかのもの。そして注目の新女声 Singer Morena 嬢はまずは合格な美貌。あ、歌?(汗) えー、歌い上げるというよりはぶっきらぼうに言葉を発する唱法が中心の決して巧い Singer ではないデス・・・が! イタリア語での語るように唄うパートがマジでタマンネーんっすわ、これが。
同郷の LACUNA COIL をはじめ多くの Githic 勢が、その Vector をより Contemporary な方向へと向ける傾向がある昨今、Heavy かつ Symphonic に暗黒世界を綴るその手法を頑なに護り続けるその心意気はなんとも頼もしい限り! Welcome Back!

Jacket VINNIE MOORE 85
Defying Gravity (2001)
かつての「Neo=Classical 四天王」の中では最もお気に入りである VINNIE MOORE の新作は、前作 "The Maze" で見せた「Neo=Classical への回帰」を継承する内容で一安心。ってゆーか「一安心」どころかカナリ満足だぞ、これは。
恐ろしいほどの正確さと Speed を持って指板上で展開される独特の軽やかな Touch で、時折炎のような情念の吐露も見せながらも、Neo=Classical フレーズを淡々と Sence 良く綴る端整なその Play は相変わらず魅力的。
Thrilling な Baroque Tunes 以外にも、Gently に浮遊する様が心地良い彼独特の Slow Tunes、そして Flamenco, Tango, Bosanova などの静かに燃え上がる Latin の哀愁を撒き散らす Semi-Acoustic Tunes がメチャクチャ美味しい。この Latin Rock の風味、売り方次第では Al Di Meola の牙城に迫るのもまんざら夢ではないと思うぞ。
そして大好きな Steve Smith (JOURNEY) のDrum が聴けるのも嬉しいなぁ。他の Member は Bass Player には Dave LaRue (DIXIE DREGS / STEVE MORSE BAND)、Keyboard に David Rosenthal (ex.RAINBOW)(!)という布陣。うーん、良いわ。うむ。

Jacket BEYOND TWILIGHT 85
The Devil's Hall of Fame (2001)
Tommy Hansen の Produce による Denmark / Sweden / Norway 混成の Dark Progressive Technical Metal Band BEYOND TWILIGHT の聴き応え満点の Debut Album。
この作品で Singer として歌っているのはなんと Jorn Lande!。第一声が流れ出た瞬間に、その圧倒的な存在感が周りの空気を支配し始めるのはさすが。
同じ多国籍 Progressive Technical Metal でも ARK とは全く異なる、Doomy とさえ言える Dark な質感に包まれたその Sound は、伝説の名 Band ABSTRAKT ALGEBRA を想起させる感触。
超テク Guitar Player Anders Kragh を筆頭とする難易度の高い Fast Play も安定した水準でこなす各 Member の Tecnical な演奏は、中心人物 Finn Zierler による過剰ではない Keyboard Ochestration が効果的に作用して近未来の不条理世界を見事に描いている。
Slow で Heavy な Title Track "The Devil's Hall of Fame" から Piano のインスト小曲 "Closing the Circle" を経て挟んで Operatic な終曲 "Perfect Dark" までのラスト3曲の、美しくも Psycho で Strange な流れは圧巻。酔う酔う。

Jacket EVEREVE 85
e-mania (2001)
大大大好きな漢系 Gothic Metal Band EVEREVE の、Massacre Records に移籍しての 4th Album。
Modern 方面に色気を見せない最後の砦だった EVEREVE だったが、やはり彼らも・・・っツー事で、前作での予兆を遥かに越える Electric な仕掛けを大胆に導入したノリノリの New=Wave 系 Sound に彩られている。
だが、そこは EVEREVE、彼らの本質である「漢の哀愁」は些かも犠牲になってはいないし、メロメロの耽美な叙情もしっかりと味わえる。それに Catcy になった分、彼らの哀愁 Melody の素晴らしさが更に浮き彫りになったっていう「瓢箪から独楽」的な効用もあるしぃ。
以上、思い入れのある Band に対する贔屓目 Review なのでご注意を。(苦笑) って、ホントに悪かないよ、てゆーかやっぱイイ! なんだかんだ言って、Techno で TO/DIE/FOR"Someday"、A.O.R. Goth とも形容できるだろう Digi=Romantic な泣きに涙腺が緩む "T.o O.ur D.enial" は紛れもなく本年度の Best Tune 候補だし。

Jacket ICED EARTH 85
Horror Show (2001)
米国が誇る 欧州型 Dramatic 漢 Metal 軍団 ICED EARTH の新作は、その Album Title の通り、世界中で語られている Horror Story に登場する様々な有名恐怖キャラをモチーフにした各曲にて構成。
そんなお膳立てとは関係なく、本作でも Jon Schaffer のメタル信念を具現化した Solid で剛健な Melodic Metal は健在どころかますますその完成度を上げており、ここに来ての Mellow Side の充実からか、Drama 仕立ての大仰な演出の技に更に磨きがかかった印象。
特に顕著なのが、戦慄の Choir が荘厳さを飾り立てる "Damien"(なぜか末尾の Piano は EXOSIST っぽいが・・・/汗)と、Pipe Organ と女声 Vocal を導入してこれでもかと緩急自在に盛り上がる "The Phantom Opera Ghost" の2曲の大作で、これらを聴いている時の高揚感は並じゃなく、この Scale が Live Show で再現されたら、きっと色んなものを同時にチビルこと必至だね。じゃー。もりもりもり。
そしてそれらの「装飾」的な部分以外でも、Fretless Bass の名手 Steve DiGiorgio と 2バスバカ Richard Chisty という New Member による Super Rhythm Section がもたらす驚きの緊迫感が、HEAVY METALの命と言っても過言ではない「Guitar Riff」の破壊力を明らかに増進させていて、Band 自体をググッと Step Up させている感じ。うむ、HEAVY METAL の名において、この ICED EARTH は何が何でも守っていかネヴァ!

Jacket TO/DIE/FOR 85
Epilogue (2001)
デビュー作 "All Eternity" のメロメロなノリノリ・ゴシックの新しさで、オレをすっかり骨抜きにしてくれた TO/DIE/FOR の期待の新作は、前作から比較するとややダークさは後退し、キャッチーなポップさを強調した造り。
それでも、Jape Peratalo の歌う糸を引くほどに粘質の高いヴォーカル・メロディは、ゲストの Tanya 嬢 (LULLACRY) の明快な女声パートとの化学反応も相俟って、その暗く絶望的な哀感のメランコリックな魅力は健在。
テクニシャン Joonas Koto の正統派様式メタルまっしぐらのテクニカルなギター・ワークが華麗に舞い、中心人物である実力派ドラマー Tomi Lillman の強烈なアタックのツーバスが打ち鳴る、パワフルだかナヨナヨだかよくわからん(笑)楽曲群は今回も魔力に包まれていて、前作の "Together Complete" の域に迫る名曲とまでは行かないが、(当たり前や!あんなのが毎回ポコポコ作れちゃったら怖いわ!)テクノ・ループが心地よい "Chains" ~ 十八番のノリノリ耽美チューン "Immortal Love" の流れには、悶絶を禁じ得ないわ。
来日祈願!

Jacket SHADOW GALLERY 85
Legacy (2001)
もはやこの手のバンド群の中では老舗的な雰囲気をも感じさせる SHADOW GALLERY の新作は、相も変わらず超大作指向の濃密盤。
もはや初期のバブリーなイメージは皆無で、緻密な音世界を手馴れた老練さで大胆に構築している。その手法こそ十分にメタル的ではあるが、思慮深く構築されるドラマの礎となっているのは Gary Wehrkamp, Carl Cadden-James のあまりにも深いプログレ・マインドだ。うむ、深い!
従来の作品どおり、速いパッセージのユニゾン・プレイのスリルや叙情メロディの憂いを随所に織り込みながらも、そのメロディへの並々ならぬ拘りと北米大陸のバンドらしい明快さをもって、全体的には希望的コーラス・ワークに代表されるほのぼのとした感触。 そんな中で、オープニング〜 2 曲目の出来、そして流れが超絶に素晴らしい。いきなり 13 分にも及ぶ冒頭の組曲 "Cliffhanger 2" は、躁メロから腰の据わった泣きへと目まぐるしく展開しながら、後半パート "The Crusher" で息もつかせぬ技とメロディの応酬を見せまくり、そのめくるめくテクニカル・ロックの息吹が最高潮に達した時に、哀愁が迸る名曲 "Destination Unknown" のイントロの優しいピアノが心のひだにスーッと差し込むのが、たまらなく心地よい。
が、ラストの 34 分(汗)もある超大作 "First Light" は、大作好きとしては超期待だったんだけど、途中何分も無音に近い部分があったりして何だかなぁ・・・って感じでちょっぴり残念なのだ。

Jacket AT VANCE 85
Dragonchaser (2001)
クサメタル的なファンタジックな題材を得て、ますます意気高くネオ=クラシカルに疾走するジャーマン・ネオ=クラシカル・マスター AT VANCE の早々とリリースされた新作。
Olaf Lenk のこれ以上ないほどに安定したテクニカル・ギターは、クッサいネオクラメロを次々と繰り出し、このところ評価ウナギ昇りのシンガー Oliver Heartman も、それに応えるように当初比較された Jeff Scott Soto を今や完全に凌駕する素晴らしい喉を披露。"Too Late" での超絶ハイ・トーン歌唱なんぞは失禁モノよ。
楽曲は相変わらずのクサクサ疾走を中心に、泣きのバラードや ベートーベン"運命" を丁寧に最構築した "Beethoben, 5th, Sinfonie"(丁寧すぎてややテンションが落ちるかな)、そして恒例の ABBA のカヴァー "The Winner Takes It All" とヴァラエティ豊か。
でもさ、ちょっと多作すぎるかなぁ。まぁこのペースでも質は全く落ちてないんで別に気にするほどではないんだけど、もうちょっと勿体つけてくれてもイイかも。贅沢か?

Jacket TO/DIE/FOR 85
Hollow Heart (2001)
欧州で 4/17 発売となる超期待の新作 "Epilogue" からの先行シングル。
デビューアルバム一枚で既に彼らならではのメランコリック・メタル・ワールドを確立していたが、ゲストの LULLACRYTanya 嬢が歌う女声パートがピリリと効いたリーダートラックの "Hollow Heart"、そしてカップリングの "Immortal Love" の 2 曲ともに、哀しげにキャッチーにドライヴィングする素晴らしい楽曲で、こりゃアルバムが更に楽しみだ!

Jacket KELLY KEAGY 85
Time Passes (2001)
かつての自分がそうだったからってのもあるのかもしれんけど、ドラマーがメインで曲を書くバンドの楽曲って、フィル運びが歌メロと絶妙にリンクにしてたりするその独特の味が好きなんだよね。そしてこの Kelly Keagy はそのあたりのセンスは NIGHT RANGER 時代からピカイチ。なんつっても自分で歌っちゃうし。
この初ソロアルバムでもそんな歌心あるドラマーぶりは健在で、その突っ込みながらも端正なビートは相変わらず魅力的だ。
そんな「メロディ・センスに充ちた」ビートに盛りたてられる楽曲は予想以上にハード・ロック寄りで、NIGHT RANGER 譲りのインストパートのプレイヤー的充実感やたっぷりの都会的哀愁を織り込みながら、近年の NIGHT RANGER を遥かに凌駕する出来。
Jeff Watson のファスト・プレイが炸裂するパワフルなハード・ロック "Anything Goes"、哀感を伴ってドライヴする "Acid Rain"、十八番のロマンティックな A.O.R. バラード "Where There's a Woman"、そして泣けすぎるアーバン哀愁チューン "The Journey" らに代表される 80's アメリカン・ハードの黄金律を継承するサウンド・アンサンブルは見事に「あの頃」の空気を含んでいて、ついつい「おぃおぃ、いいなぁ〜」って言葉が口を突いて出ちゃうんだな。ジャケもツボ!

Jacket DARKANE 85
Insanity (2001)
SOILWORK と共に ARCH ENEMY 的ギター・オリエンテッド・デスラッシュ・メタルを標榜する DARKANE の期待の 2nd は、その醜悪過ぎるジャケットからは想像もつかない冒頭の荘厳な宗教的シンフォ・イントロにまず驚き。
そこからスムースに導入していく先は、超人 Peter Wildoer の爆裂しつつも繊細なドラミングと Christofer Malmstrom のテクニカルでエモーショナルな泣きのマジカル・ギターに引っ張られ最後まで息もつかせず一気に集中させる、アグレッションとメランコリーの交錯するブルータルな世界。
所々で分厚いメロディック・ハーモニーを絡ませながら頻繁に明確なメロディをなぞる Andreas Sydow のヴォーカルは、もはやデス・ヴォイスとは呼びがたく「ダミ声」というレベルの聴きやすさ。
複雑なメロディック・ヘヴィ・リフが疾走する、度を過ぎないドラマティックさが醸し出す雰囲気は、DESPAIR あたりに代表される80年代末期 ~ 90年代初頭の激走ユーロ・スラッシュに通じるいい意味での古臭さを感じるな。(嬉)
ただ、ラップ星人(苦笑)なメンバーショットは、演者の「顔」が見えんがための感情移入のしにくさを助長しているようで、なんだか損してる感じ。特に日本でブレイクしようと思ったら「キャラクター」って大事だからなぁ。。。

Jacket ENTWINE 85
Gone (2001)
フィンランドのメランコリック・ゴシック・メタル・バンド ENTWINE の 2nd は、哀感漂うメロディを8分でダウン・ストロークするリフと共に快濶な重量ビートに乗せるという、同郷そしてレーベルメイト (Spikefarm) でもある TO/DIE/FOR っぽさ満点のサウンド。
切ないメロに泣けてくる "New Dawn", "Silence is Kiling Me" の2曲のキラー・チューンに代表されるように、各曲のサビメロも思わず口ずさめるほどによく出来てる。
明朗でクリアなシンガーの男性ながら女性的な声質のせいか、TO/DIE/FOR と比較すると軽快でポップに感じながらも、ストリングスや女声を配した広がりのあるウルウルな感じは意外にも耽美ゴシック的。所々で聴かれるツイン・ギターの妙味も◎。

Jacket FREEDOM CALL 85
Crystal Empire (2001)
ジャーマン A 級ファンタジック&ヒロイック・クサメタルの 2nd フルは、RHAPSODY に勝るとも劣らないシンフォニック・クオリティ。
デビュー作 "Stairway to Fairyland" ではそのファンタジックな雰囲気には驚きを禁じえなかったもののどこかお行儀のいい楽曲が物足りなかったが、今回は起伏に富んだシンフォ・アレンジと、シンガロングを誘うこれでもかのクワイア攻撃が見事に配された各楽曲が、よく練られたキャッチーで耳触りの良いメロディを身に纏い、すこぶる出来がいい。プリチーにスキップしつつ、哀愁のクワイアが要所を締める "Farewall" は躁型ジャーマニック・チューンの殿堂入り候補。
Chris Bay の歌唱はやや細めで没個性ながらメジャーな安定感に包まれていて、流石のアピール力。そしてバンドの要 Dan Zimmermann の重量感を忘れずに疾走するビートが、嫌でもヘッドバングを誘うんだな。あと、実は隠れたテクニシャンである Ilker Ersin のフレットレス・ベースの心地よい響きも◎。

Jacket IL CASTELLO DI ATLANTE 85
...Come Il Seguitare Delle Stagioni (2001)
イタリアン・シンフォ・プログレ・バンド久々の New。
生々しさを隠そうともしない微妙にたどたどしい演奏(もちイイ意味で)が、古き良きユーロ・ロックを見事に体現している。
10分超の曲が3曲も存在する大作指向でありながらも、特筆すべきメランコリックを誇る濡れたメロディと、緻密でありながらも大胆なアンサンブルの妙との相乗効果によって、数多くの「グッと来どころ」の演出を繰り返しながら最後まで聴く耳を捉えて離さない。

Jacket HEMISPHER 85
Mind's Door (2001)
イタリアン・ネオ=クラシカル・プログレッシヴ・クサメタル。
基本的にはバロック・フレーズが舞い踊る SYMPHONY X, JOHANSSON タイプの様式メタルながら、随所に DREAM THEATER 的ユニゾン・イベントを盛り込みながら劇的スリかつリングに展開する逸品。
ギターとキーボードを一手に引き受け「一人バトル」(苦笑)を展開する Fabio Cerrone の煽情力の高いテクニカルなフレージング・センスはなかなかのもので、ストラト使いらしいエモーショナルなタッチも心地よい。
そしてそのプログレッシヴ魂は相当なもので、現代シンフォニック・ポンプ度バリバリの "The Reveal Part I~II" に至っては、それ系のバンドといっても遜色ない出来栄え。
SECRET SPHERE のシンガーでもある Rob Messina のヘナチョコ歌唱がマイナーくささを臭わせるも、聴きドコロの多い好盤だ。

Jacket PALE FOREST 84
Exit Mould (2001)
ノルウェーの女声ゴシックの 3rd アルバム。
歌もの女声ゴシック・メタルの魅力も端々で感じ取れるが、やっぱこのバンドならではの美味しいところは、キャッチーなメロディが浮遊する洗練されたユーロ・ポップ風味。
その聴くにつけググッと惹き込まれる素晴らしく印象的なメロディを引き立てるのが、看板女性シンガー Kristin Fjellseth 嬢(?/汗)の可憐で物憂げな美声。壊れそうなガラス細工のように繊細でありながら、反面ですべてを悟った娼婦のような説得力をもつ彼女の歌唱は、一聴するにシーン指折りの魅力を持ち合わせていることを認識することができる。
中でも、中期 THE GATHERING 〜 LACUNA COIL 的な色彩を目に浮かばせる "Stigmata"、ポップに躍動する "Spiral"、そしてドラマティックに盛り上がる激泣きバラッド "The Pale Suit of Drunkenness" ってあたりっつったらもうホント好き好きー。EDENBRIDGE に通じる中空を漂うような癒し感もあるしね。
その Kristin Fjellseth 姐さん(にしちゃったよ/笑)、CONCEPTION のドラマー Arve Heimdal が参加したことでも知られるブラック・メタル・バンド CREST OF DARKNESS でもシンガーとして在籍していたことがあると知っては、コリャもう CREST OF DARKNESS も買わずにゃおられへんやんけ!(汗)

Jacket FORGOTTEN TALES 84
The Promise (2001)
そのファンタジックなバンド名とアート・ワークに否が応でもある種の期待を誘われるこのメロディック・スピード・メタルの新星は FORGOTTEN TALES は、なんとカナダからの登場。
彼らの出身がカナダといっても北米大陸にありながら極端に欧州文化に傾倒するケベックであると知って妙に納得のその限りなく欧州型な音像への驚きはカナリのもので、ギタリスト Martin Desharnais のネオ=クラシカルなセンスを発揮した絶妙ギターがシンフォニックなキーボード・ワークをたっぷりと身にまとって疾走する正統ヘヴィ・メタルは、「DARK MOOR に対する北米からの回答」と言っても過言ではないかもね。
FORGOTTEN TALES 独特の個性でもある米国大陸の女性らしい体躯を生かした溌剌とした歌唱が魅力の赤毛のシンガー Sonia Pineault 嬢は、ストロングなメタル唱法中心ながらポジティブに突き抜ける飛翔メロディでは非常に伸びるナイスなハイ・トーンを聴かせ、その意外にもクリアな味わいはベリー・スウィート。
サウンド・プロダクション自体にややチープな線の細さがあるのは事実ながら(とはいえ自主制作としては極上の部類に入る!)このグッと来るクラシカルなメランコリーの充実には、それはあまり気にならないな。
そして何より書いておきたいのは、言葉では上手く言い表せない妙なスケール感・・・10万人規模のオープンエアに登場してもバッチリ様になるような・・・を何故だか感じてしまったのよね。コリャもしかしたらもしかするかも!?(たぶん勘違い/笑)

Jacket SILVER SERAPH 84
Silver Seraph (2001)
MIDNIGHT SUN から離脱した甘口シンガー Pete SandbergMAJESTIC の鍵盤魔人 Richard Andersson が手を組んでスタートさせたニュー・バンド SILVER SERAPH は、多くの北欧メタルメイニヤが Pete Sandberg に望む進路を具体化したかの内容となった。
Richard Andersson が主導して書き上げた楽曲群は、MAJESTIC の時同様に身体の芯まで染み込んだ先人たちの既発のフレーズが端々で楽曲の表層に現れたり(苦笑)はするものの、オープニングのオルガンを伴って疾走する超 DOUBLE DEALER タイプ(苦笑)なパープリック・チューン "Aftermath" をはじめ、DEEP PURPLE, 初期 RAINBOW, M.S.G. といった正統様式ハード・ロックのエッセンスを北欧ならではの冷やかな温度感で包んだ、カノ MANDRAKE ROOT ・・・って(汗笑)もうちょい解り易く言えば "Eclipse"~"Fire & Ice" 期の YNGWIE MALMSTEEN に通じる実に嬉しいスタイル。
プレイ的にも、ソロ・パートの最初の2小節だけで聴き手を悶絶オーラで覆う Richard Andersson の超魔術的な鍵盤捌きや、PETE SANDBERG'S JADE の ギタリストでもある Birch のエモーショナルなタッチの北欧テクニカル・ギター、そして土台を支えるのは DAKANE, MAJESTICPeter Wildoer と安心の充実感だ。
「二代目Mr.北欧ヴォイス」(苦笑/勿論初代は Goran Edman ね)との呼び声も高い Pete Sandberg の歌唱もこれまでになくクリアな味わいを見せていて、2曲収録されたお得意のバラードなんぞはやっぱり似合うねぇ。ってゆーか、この人本当にこういう様式メタルが好きなのかしらん?っていっつも思うんだけど。。。

Jacket AFTER FOREVER 84
Decipher (2001)
メロメロな弦楽に荘厳なクワイヤが重なり、これでもかと叙情ドラマティックな世界観で畳み掛ける大仰なイントロ "Ex Cathedra" で幕を開ける、オランダのシンフォニック・ゴシック・ヘヴィ・メタル・バンド AFTER FOREVER の 2nd アルバム。
シンフォニックなアレンジをこれでもかと塗りたくったミステリアスな正統的ヘヴィ・メタルが起伏激しくドラマティックに展開する様は、看板女声シンガー Floor Jansen 姐さんの醸し出す味が Sharon den Adel 嬢のそれに近いこともあり、まさに WITHIN TEMPTATION meets NIGHTWISH meets THERION と形容するに相応しいその手触り。
見事に暗黒耽美を描く美麗アートワークに目を落としながら聴けばハマり度アップ間違いナシっつー、悶絶シーンが連続するそのバッチリな耽美な雰囲気の割には、その器となる楽曲の「芯」が見えにくくやや決め手に欠ける感があるのは否めない・・・。
・・・けれども、このトラディショナルなソプラノがデス・グラント&男声テノールと絡み合う背後で弦楽とクワイヤが舞い踊る耽美なるオーケストラル・メタルを、ここまでの演奏クオリティで提示されたら、その事実自体がもう「決め手」っしょ。(無理やり/苦笑)
だってやっぱりコーユーの好きなんだもんッ。(中年なのにキモいィ)

Jacket ORIGINAL CAST 84
Leonardo - The Absolute Man (2001)
Magna Carta Records のアーティストによる、天才芸術家 Leonardo da Vinci の波乱の生涯をテーマにした壮大なるストーリー・サウンド・トラック。
MAGELLANTrent Gardner が詞/曲/アレンジのすべてをコントロールした緻密なミュージック・アートのその質感は、まさにロック・オペラそのもの・・・いやもっと言ってしまえばミュージカル的ですらあるな。
MAGELLANDALI'S DILEMMA の連合バンド(って簡単に書くけどスゲーよね)が懐の深いテクニカルなプレイで綴る、見事なまでに Magna Carta 印のハードな現代プログレッシヴ・ロックの躍動を封じ込めたドラマティックな叙情詩の主役は、それぞれに登場人物の一人一人を配役された↓のシンガー・オールスターズ。

Leonardo da Vinci - James LaBrie (DREAM THEATER, JAMES LABRIE'S MULLMUZZLER)
Ser Piero da Vinci - Davey Pattison (GAMMA, ROBIN TROWER)
Caterina - Michelle Young (GLASS HAMMER)
Lorenzo de' Medici - Josh Pincus (ICE AGE)
Mona Lisa - Lisa Bouchelle (MASTERMIND, OCTOBER BABY)
Melzi - Mike Baker (SHADOW GALLERY)
Verrochio - Trent Gardner (MAGELLAN)
Salai - Robert Berry (3)
Calco - Steve Walsh (KANSAS)
Sforza - Chris Shryack (UNDER THE SUN)
Francois 1 - Bret Douglas (CAIRO)

実際、演奏陣のプレイの妙味には唸らされたり知らぬ間に身体を揺すられたりと「参りました」っつー状態ながら、この歴史の古典的深みを感じるにはやや至らぬモダンな手法と楽曲が正直ある種の「醒め」を呼びながらも、主人公 Leonardo da Vinci 役の James LaBrie の渾身の歌唱は言わずもがな、各人の切磋琢磨がびしびし伝わる熱演が繰り広げられる各シーンの前には、オレの柔肌ってば度々鳥肌に包まれまくり。人の声の力って凄いね。
タイミング的にも、この手の大作をじっくり楽しめる「秋」に本作に出会えたっていうのが超ナイス。

Jacket SUPREME MAJESTY 84
Tales of a Tragic Kingdom (2001)
Studio Fredman にて Fredrik Nordstrom とバンドの Produce によって録られた、Swedish Melodic Metal の 1st Full-Length Album。
憂う哀愁 Harmony と共に時に闇雲に青臭く疾走する「SONATA ARCTICA Type」と言えるだろうが、Singer Joakim Olsson の声質/歌唱がモロに 80's 北欧 Hard Pop の王道にありがちな心地よく上ずるスタイルなのと、往年の Hard Pop 寄り北欧メタル的幅広さを見せる楽曲のおかげで、実は聴いてて強烈に Da Vinci を連想してしまったりして。
その Da Vinci を筆頭とする EUROPE を Roots にした Followers が、その後近年の Europian Speed Metal の影響を受けながら正しく進化したかのような Sound Style は、当時の北欧メタルに何かを感じちゃう人にとってはグッと来るものがあるだろうね。
Speed Metal あり Middle あり Ballad あり Pop あり Dramatic Heavy ありの Variety を「散漫」と感じるか「豊富」と感じるかで評価は変わってくると思うが、オレ的にはこの北欧 Feeling だけで◎だなぁ。
それにしても "Let It Go" のイントロの J-Visual 系っぽさは一体!?(汗)

Jacket WINDS 84
Of Entity and Mind (2001)
Keyboard Player Andy Winter を中心とする Norwegian Atmospheric Dark Rock の 4 曲入り Debut MCD。
その Member には Black Metal 界の凄腕 Drum Player として知られる Hellhammer として知られる Jan Axel von Blomberg、そして彼の ARCTURUS での盟友である Guitar Player Carl August Tidemann の名が!
そしてこのメンツから出てくる音が、実に興味深いんだな。確かな Metal Riff は聴こえてくるものの、流石の Groove に満ちた Rhythm の上には Moody な Piano が Jazzy に鳴り響き、 A.O.R. 的 Major 感を備えた Singer Lars Eric Si が哀愁歌唱で綴る心地よい深みある Melody が流れ、そこに Emotional かつ Smooth な超絶 Neo=Classical Guitar が切り込んでくるという、自由に浮遊する実験的ありつつも切ない音世界が展開されているのだ。
うーむ、Full=Length Album が早く聴きたい! メッチャンコ!

Jacket URBAN TALE 84
Urban Tale (2001)
Finland は Helsinki から飛び出た清涼 Hard Rock Band の Debut Album。
Ballad で時折 Steve Perry っぽさを垣間見せる Singer Kimmo Blom の声質や歌いまわしから、「薄味な JOURNEY」という感触も得ることができるが、この URBAN TALE が「超 HOUSE OF SHAKIRA タイプ」(笑)とか「超 HUGO タイプ」(さらに笑)かというとちょっと違うかな。
あえて言えば TERRA NOVA から Hard Rock の Edge が持つ灰汁を若干取り去り(ちょっと残してね)、産業 A.O.R. と北欧の透明感&清涼感をたっぷりと加味したような Sound。Riff が Drive したとしても決して Heavy にはならないやや淡白な味付けながら、まだまだ眩しくも涼しい風が徐々に心地よさを増してゆく夏の薄暮の微妙な情景のように感性の揺れを感じさせる陰陽揃い踏みの楽曲は、My 琴線にとってはなかなかに刺激的。
Guitar Player Erkka Korhonen の弾く北欧 Technician ならではの粒の揃った Play もいいね。それにしても最近の北欧系の Guitar Player って、A.O.R. 系の Band に在籍しているヤツでも平気でこーゆー Smooth な Neo=Classical Play を織り込んでくるね。まぁ先駆者であり革命者である大巨匠 Yngwie Malmsteen 先生が出現してそろそろ 20 年だで、北欧の若い Guitar Player にしてみれば Sweep とか Fast な Arpeggio ってもはや基礎テク中の基礎テクなんだろうな。。。。(遠い目)

Jacket LION'S SHARE 84
Entrance (2001)
地道な Promotion でおなじみの(汗)Swedish Prog Metal band LIONS SHARE の 4th。
Self-Titled Debut Album での EUROPE をも思わせる Catchy で解り易い POP Feelings に魅了されたものの、それ以来作を重ねる毎に Dark & Heavy になってゆく姿に失望感を感じつつあったが、本作では驚きの「Melodic Metal への回帰」を見せている!
New Singer Tony Niva の、Joacim Cans (HAMMERFALL) の落ち着いた明快さと Jonny Lindkvist (NOCTURNAL RITES) の深みと表現力を併せ持った、シャープでありながら味わい深いテクニカルな歌唱による Catchy な Melody と、中心人物であるギタリスト Lars Chriss のウェットで官能的なトーン(相変わらず早く弾こうとすると粗くなるが/汗)が嬉しい Progressive さをこれまでになく抑えた正統派 Heavy Metal な楽曲は押し並べて出来良く、Power Tune から Ballad まで様々な表情を見せる楽曲すべてにおいて、彼らが本来持ち合わせていたものの近作では影に隠れてしまっていた「Melody の魅力」が存分に堪能できる。
ちなみに Guest Keyboard Player として Mats Olausson が参加。

Jacket SILVER MOUNTAIN 84
Brakin' Chains (2001)
出る出ると言われ続けてながら伸び伸びになっていたが、やっとこさリリースの運びとなった SILVER MOUNTAIN 待望の復活作!
いやー、Jonas Hansson の長い米国暮らしの影響が確かに感じられる JONAS HANSSON BAND 的側面の強い駄曲もしっかりと点在するのは否定しないが、ここまでやってくれればまずは拍手の出来だと納得ですわ。
もともと初期 SILVER MOUNTAIN は、当時から北欧様式美独特の Clear な Smart さは希薄で粒が粗く押しの強い Rock っぽさが目立っていたが、本作でもそれをしっかりと受け継いだ作り。骨っぽい楽曲に Jonas Hansson の弾く Scandinavian Traditional Fork Music や Classic の有名フレーズをちりばめたクッサイ北欧叙情美に満ちたその音像は、聴いててホッントたまらないものがあるね。
面白いのが、オリジナル・メンバーが揃いながらもそれぞれの Skill が当時より格段に UP しているために、それなりに洗練された雰囲気の放出が「違和感」を生んでいる点。特に Jens Johansson, Anders Johansson の Performance の垢抜け方はもはや別人 Level で、Jens に至っては強烈に現在の彼っぽさを押し出していて、「お前やる気ねーだろ」と感じるほど。(笑)
うん、やっぱ Jonas Hansson のクサクサな歌声がサイコーでしょ!(狂笑)

Jacket AMBEON 84
Fate of a Dreamer (2001)
AYREONArjen Lucassen の新プロジェクトは、14歳(!)の少女シンガー Astrid Van Der Veen 嬢をフロントに据えたシンフォニック・プログレ・トラッド。
いきなりのイーリアン・パイプの哀しみの調べで、もう瞬殺ですわ。ゆったりと淡々と展開するドラマティックではあるものの穏やかな印象が強いアトモスフェリック・サウンドは、まるで AYREON の魅力の一面として備わっていた静のパートの魅力を抽出したよう。そのケルト風情の豊かさと、Astrid Van Der Veen 嬢の可憐で清楚な歌唱の年齢にそぐわぬ実力派の佇まいは、 Arjen Lucassen 自身の劇的なギター・プレイも手伝って、WITHIN TEMPTATION"Mother Earth" あたりをも連想させるねぇ。
控えめながら耳につくデジタル・エフェクト処理が醸し出すスペイシーな音像が「深み」を少々欠如させてしまっている嫌いがあるのも AYREON 的といえば AYREON 的だが、相変わらず密度の濃いサウンド・メイキングによって、ゆっくりじっくり楽しみたい一枚に仕上がっている。
Lana Lane, Eric Norlander そして ex-MAMA'S BOYS、現 CELTUSPat McManus, John McManus の兄弟のゲスト参加も嬉しいよね。

Jacket NIGHTWISH 84
From Wishes to Eternity - Live (2001)
フィンランド国内 10,000 copy 限定リリースの NIGHTWISH 初の 15 曲 74 分に及ぶライヴ音源。(追って DVD でも発売予定あり)
一聴して、スタジオ盤で魅力の一部だったゴージャス感&整合感がやや欠けているのが耳に付いて正直チョイト拍子抜けしてしまったが、それでも雄々しい歓声とともに生々しく展開されるオペラティック・メタル・スイートは禁断の魅力たっぷりで、とにかく生で体験してみたくなってくる。
ライヴの見どころの一つである演奏力という意味では圧倒的な持ち物はないものの、メンバーが一丸となって邁進する勇壮なる躍動は充分に感動的。
うちのカミさんをして「この人絶対他のメンバーと違うオケ聴きながら唄ってる!」と言わしめた Tarja Turunen 嬢のオペラティック・ソプラノは流石に堂に入った説得力があり、それに応酬する Tuomas Holopainen のデス・ヴォイスとの相性もなかなかだしね。
ちなみに、これまでの露出ではなんとなくインテリっぽい印象のあったメンバーが、意外にガッシリ系だったりしてビックリ。

Jacket PAR LINDH PROJECT 84
Veni, Vidi, Vici (2001)
"Veni, Vidi, Vici" といえば VIRGIN STEELE なんだけど(笑)同じくこの英雄 Julius Caesar の格言をタイトルに掲げた本作は、オルガンの音色が響く E.L.P. ライクな硬派な鍵盤プログレ・スタイルを基盤としながら、荘厳なシンフォニック・アレンジと女声の導入によって、宗教色の強い中世風耽美ゴシックの雰囲気漂う実に魅惑的なサウンドとなっている。
あるときはお互いを牽制しつつ火花を散らして対峙し、またあるときは余裕たっぷりに優雅な情景を綴るなど様々な表情を見せる楽器群、そして Magdalena Hagberg 嬢のしっとりとした女声が一丸となってドラマティックな叙情を演出する様は圧巻。
キーボード・マスター Par Lindh の鍵盤捌きが主役ではあるものの、ドラマー Nisse Bielfeld やゲストギタリストのパワーと手数が眩しい活躍も決して負けてはおらず、それらが生むスリルとその質感は実にヘヴィ・メタル的なエネルギーを噴出していて心地よい。そして実は Tony Levin の域に迫らんが如き存在感を放つ Jonas Reingold の特徴的なベース・プレイが一番耳に残ったりして。

Jacket ARTHEMESIA 84
Devs-Iratvs (2001)
腐敗臭すら漂ってきそうな血塗れ&ゾンビちっくな姿をも披露するフィンランドの白黒ブラック軍団(日本語としてオカシイ/笑)が奏でる、メランコリックな泣きが渦巻くメロディック・ブラック・メタル。
絶叫デス・スクリームが乗るのは、アンダーグラウンドなプリミティヴ・テイストを滲ませつつも宗教的なクラシカルさを演出するに十分な程々のシンフォニックさを伴った激烈ながら緩急の妙に唸る寒冷地仕様のブラック・チューンズ。
DIMMU BORGIR らトップ陣に一歩及ばぬB級の味を持ち合わせながら、何気に超絶ネオ=クラシカル・プレイを決めるギタリスト、やや線の細いながら気持ちよく強力にブラストするドラマーをはじめ、演奏陣のなかなかタイトな演奏力は、カナリのポテンシャルを感じさせる。
"Ancestor of Magick" ~ "Lifemocker" の流れなど所々で見せる EMBRACED に通じる「泣きの壁」が迫り来るかの如きメロウな泣きセンスの良さも驚き。

Jacket BALTIMOORE 84
Orginal Sin (2001)
北欧ハード・ロック・バンド BALTIMOORE 久々の新作は、ギタリストの座に北欧随一の名手 Thomas Larsson を再び据えたと聞いちゃあ、外すわけにはイカンでしょう。
収録された楽曲は DEEP PURPLE ライクなオルガンを掻き鳴らしながらの疾走チューンから典型的な北欧哀愁メタル、ブルージーなバラード、そして横須賀あたりの米軍バーの全部で3畳あるかないかのステージで演奏されているかの如きアダルトなオールド・ロックまで、ヴァラエティに富んでいるが、Bjorn Lodin の独特なハスキーなケロケロ蛙声のために意外なほど統一感がある。
「北欧の David Di Pietro 」の異名をとる(とってないない/笑) Thomas Larsson のソウルフルかつテクニカルなアメイジング・プレイは言わずもがな!

Jacket REPTILIAN 84
Castle of Yesterday (2001)
MAJESTIC の 1st で歌っていた Jonas Blum がこれまた MAJESTIC 型ネオ=クラシカル・メタルを引っさげて帰ってきた。
しかもここで展開されているのは、本家 MAJESTIC に一歩も引けを取らないバランスの良い北欧様式メタルで、鍵盤魔人 Richard Andersson の放つ強烈過ぎるアクがない分こちらの方が耳に馴染みやすいと感じるほど。
とはいえ、Jonas の実弟 Thomas Blum が弾くクラシカルなバロック・プレイも普通に比べたら明らかに弾き過ぎだし(笑)、Jonas BlumPOLE POSITION 時代の盟友であるギタリスト Lasse Boquist(確かにそこそこ巧かったが、まさかここまでセンス良く弾きまくれるとは!/唖然)もツボを得た安定ネオ=クラシカル・プレイを炸裂させている。ちなみベースは名手 Jonas ReingoldMIDNIGHT SUN, FLOWER KINGS)ね。
Jonas Blum の微妙にハスキーな声はやっぱ好きだわ。キャッチーな哀愁メロディを歌った時の、その独特の味(胸キュン系/笑)は格別だったんで、また味わうことが出来てよかった~。

Jacket RAMMSTEIN 84
Mutter (2001)
非情なサウンドの中に独特の哀愁が浮き上がる、雄々しくも硬質なジャーマン・テクノ・メタル。このオリジナリティは◎だな。

Jacket RUA 83
Rua (2001)
アイルランドのフィメール・ケルティック・フォーク・デュオ RUA は、ヴァイオリン&ピアノの Gloria Mulhall と シンガー Liz Madden という麗しき2人の女性のコラボレーション。
土着的な生楽器を存分に配したトラディショナルなアコースティック・チューンは、贅沢に鳴り響く弦楽オーケストラ・アンサンブルのシンフォニックなダイナミクスが壮麗な煌きを付加されて、極上の静粛なる美しさを見せている。
澄み渡る空に吸い込まれてゆく可憐な天空ヴォイスが描く、まるでアイルランドの風景画のような憂いに溢れた安らぎの世界は、俗物で汚れきったこの我が身を蝕むあらゆる不純物を溶かし出してしまうのでは?・・・と錯覚させるような気高き崇高さに満ちている。
オレが女声モノに無意識に求めてしまうプログレッシヴなスリルは皆無で(ってそれを求める方が間違ってるんだけどね/汗)全体的にマターリし過ぎなのは事実なんだけど、この哀しくも開放的な透明世界には、眠気を誘われる暇もなく情感を揺さぶられるなぁー。
あ、関係無いけど、よーく見ると2人とも結構妙齢デス。

Jacket NIGHTSHADE 83
Wielding the Schyte (2001)
スウェディッシュ・メロディック・デスのニュー・カマー NIGHTSHADE のデビュー盤。Scarlet レーベルつーことでワンランク上の期待を胸にプレイボタンをポチっと押したが、その内容はそんな過剰な期待にまずまず応えてくれていて一安心。
激しく喚くデス・ヴォイスが乗るのは、ネオ=クラシカル・ギターにブリリアントなキーボードによるピチカートな装飾そしてアンニュイな女声(ちょっとだけね)が絡む一聴するに耳惹きの強い THRONE OF CHAOS, KALMAR に通じる正統メタル型慟哭メロディック・デス。適度のスピードでドライヴする印象的なリフに切り込んでくる叙情の暗黒ワルツが程よく琴線を刺激するのが心地よいよい。
歌よりも演奏や曲展開を聴かせようとしているのか、なかなか頑張っているシンガー Daniel Kvist の激情歌唱の音量が小さめであったり、ギタリスト Snake Stevens の魅力的なタッチのウェットな早弾きや女声パートがもっともっと聴きたかったり・・・という欲求は起これど、楽曲の骨格がまずカッコイイのでついついこの全39分間をリピートしちゃうんだな。あ、この短さが一番物足りない!

Jacket AKASHIC 83
Timeless Realm (2001)
ブラジルの SYMPHONY X。 以上。 ・・・ってくらい SYMPHONY X してるわ、コレ。(驚苦笑)
乗り気を削がぬ程度の絶妙な変則リズムを多量の手数で繰り出すドラムに、低音弦で規則的にソリッドなリフを刻み小節の終わりでテクニカルなオブリガードを絡ませて次の展開を呼び込みながらポリリズムで進行するギターと、それに難なくシンクロする超テクなベースが構築する土台に、Russel Allen 風味満点の適度にキャッチーな歌メロが乗るってスタイルは、どっからどう聴いてもそのまんま。
本家に決して引けを取らない各人のテク/センスが炸裂するプレイの発散するスリリングな香りと、本家よりはいくらかストレートでありながらやはり辺境出身だけはあるひねくれたプログレッシヴな楽曲が発散する哀愁はなかなかのレベルに達していて、単なる「代用品」以上のカタルシスを充分に得られる掘り出し物だね。
キーボードの感触が "Awake" の頃の DREAM THEATER 的なのも結構ツボだし。

Jacket GIANT 83
III (2001)
最近のメタル・ヘッズの間では「MEGADETH のプロデューサー」っつった方がピンと来る人が多いんぢゃないかと思われちゃったりする、米国ナッシュヴィルをベースとするギタリスト/プロデューサー Dann Huff 率いる伝説のバンド(ってのはチョイと大袈裟か/苦笑)GIANT が、奇跡の復活を遂げての 3rd アルバム。
Dann Huff といえば、前記の MEGADETH 以外にも Michael Jackson, Billy Joel や最近では Celine Dion が歌った映画タイタニックのテーマ "My Heart will Go on" でもギターを弾いていたりという(日本ではオフコースに参加したり)超メジャー系の大物音楽人様なのだが、そんな彼が自身の欲求に基づいて生み出す音楽が「しっかりとハード・ロック」しているというのが、なんだか嬉しいねぇ。
そのプライドと深みに満ちた円熟の技巧でプレイされるハードな王道アメリカン・ロックは、豪快なハード・エッジと拡散する繊細さの両面が絶妙なバランスを取りながら隙なく作り込まれた溌剌としたもので、思わず「完璧!」と膝を叩きたくなる。
残念ながら 2nd "Time to Burn" 収録の超感動バラード "Lost in Paradise" 級の名曲レベルは今のところ見当たらないが、本作の実の目玉はボーナストラックとして収録された Stevie Wonder(をカヴァーした Jeff Beck)の カヴァー "Cause We've Ended as Lovers"! Dann Huff が泣き系ギタリストとしても Dave Meniketti, Gary Moore はおろか Neal Schon, Steve Lukather にまでも匹敵する「超一級品」であることを実感させる途方もない泣きまた泣きの弾きまくりの前には、脱糞&失禁するでしょ、普通。この CD 買ってこの一曲だけしか入っていなかったとしても、全然惜しくないわ。
それにしても、楽曲を創り上げるセンスといい、これでもかと弾き倒しつつ多彩に表現するギターの圧倒的なテクニックといい、パッションとエモーションが同居する堂々としつつもクリアな歌唱の巧さといい、これでカミサンまで美人だったりしたらブッ殺す(でもたぶんそう・・・)って程に資質揃い踏みな人って、いるとこにはいるんだよな〜。はぁ。(・・・遠い目・・・)

Jacket STORYTELLER (THE) 83
Crossroad (2001)
スウェディッシュ・ピュア系 XaMetal バンド THE STORYTELLER の 2nd アルバム。
このバンドの最大の魅力であるシンガー L-G Persson の湿り気たっぷりの歌唱と同様に泣きフィールを含んだギター・ハーモニーが疾走するユーロ・パワー・メタルは、楽曲の引き締まり方や演奏の質などのせいから受ける印象から大いなるステップ・アップを遂げているのが確実に感じ取れるが、泣きマニアとしては前作よりややストレートになったためにフォーキーな叙情の潤いが幾分後退した感が否めないのがやや残念。。。
が、聴き返すうちに疾走チューンやドラマティックなミドル・チューンからバラードに至るまで、そういったツボに触れる部分がすべて消えてしまったわけではなくしっかりと旨味を伝えるほどには残っているのに気付き一安心。
中でもクワイアからデス・グロウルまで持ち出して大仰かつスピーディーな展開を見せるキラー・チューン "The Moment of Truth" は出色の出来で、聴く度にクワイア・パートをヲーヲー唄いながらついつい頬を緩ませてしまう。
そして、新ギタリストが唯一参加したというボーナストラックの IRON MAIDEN "Moon Child" の忠実なカヴァーでは、シンガー L-G Persson の巧さを再確認!
しかしこのバンドって、凶悪なブルデス系バンドのメンツかと見紛う程の強面のメンバーがこんなキラキラ XaMetal 演ってるってのがなんだか可笑しいよね。(笑)

Jacket LIFEHOUSE 83
No Name Face (2001)
アメリカン・ロック。(苦笑/だってこの書き出しが珍しくてさ〜)
CREEDPEARL JAM を引き合いに出されてるっぽいが(両者ともまともに聴いたことないッス)、掻き鳴らされるラウドなコード・ストロークとドライなプロダクションが本作をモダン・ロックのフィールドに押しやろうと孤軍奮闘しているだけで、実は気だるいくも暖かい歌声とハーモニーとアコースティック・ギターの寂しげな音色がその場を支配する、哀愁の泣き泣きロックじゃんか。
泣きの弦楽が琴線を撫でる "Trying"、ビートの向こうの郷愁メロディが胸を引き裂く "Cling And Clatter"、激泣きがスウィングする "Breathing"、そして静かな泣きが静粛に響くラスト・チューン "Everything" まで、一貫したその切なくメロウな素朴な泣き攻撃には、素直にウルっときちゃうッスわ。

Jacket GODGORY 83
Way Beyond (2001)
Erik AnderssonMatte Andersson 2人だけの Project 的な運営となってしまった Swedish Progressive Gothic/Death Metal GODGORY の 4th Album。
Low な Death Whispering が漆黒の微毒をわずかに振り撒きながらも、Dark Gothic 風味もある正統 Metal Riff に Modern な Keyboard と Neo=Classical の素養をもつ北欧 Guitar が Technical に叙情の華を添え、相変わらず絶品の美しさに濡れる Moody な静の叙情 Part への展開も忘れない音世界は、まさに DREAM THEATER に通じる Thrill と美の融合した確かな上質さの手応え。
やっぱ特筆すべきは Micke Dahlkvist の Guitar Play なんだよな。Death 系では確実に Top Class に名を連ねるであろうその構築 Sence の良さは、楽曲に新たに表出してきた IN FLAMES 的な Catchy さの演出においても、本家を凌ぐとさえ思える魅力を発散してるし。Support 扱いにはなったものの、本作でも彼が Play しててホントによかったわ。
奇しくも Midium〜Slow 中心の楽曲が揃ってしまったために、ややメリハリに欠ける印象も受けるが、それでも全39分という短かさが物足りなさを誘う好盤だ。
そういえば 2nd Album "Shadow's Dance" でカナリ悶絶したにも関わらず、3rd Album "Resurrection" は見落としてるなぁ。速攻チェックせネヴァ!

Jacket JAMES LABRIE'S MULLMUZZLER 83
James LaBrie's MullMuzzler 2 (2001)
今作からバンド名に自らの名を冠することにした DREAM THEATER のSinger James LaBrie の Solo Project の 2nd Album。
随所に Progressive Rock 的な Technical 変則 Rhythm の仕掛けを絡ませながら展開する乾いた感触のプチ Dark な内省 Rock は、一流の Singer たる実力をまざまざと見せつける James LaBrie の歌唱による叙情的なメロディを織り交ぜつつ、懐古的な安堵の香りすら漂うその Artwork の印象どおりの不思議な味わい。
本作で聴ける James LaBrie の歌唱は、「へぇー、こんなに表現力あったんだ、ビックリ!」って感じの過去最高の安定感。独自の個性もしっかりと封入されていて、聴けば聴くほど "Falling into Infinity" での歌唱は「狙ったもの」だという確信が募るわ。
そして、腕に覚えのある Player 達の Organic な息吹を封じ込めた Play の中で、特に耳を惹くのが洗練された Keyboard 。音の広がる空間を見事に彩色する洗練された音色と詳細まで詰められた Arrengement は、聴いてて心地よい刺激だ。それと比較してしまうと、Guitar Play, Rhythm のハジけ方が地味なのが、ちょいと惜しいねぇ。
そんなやや落ち着いた楽曲の中で、異色であるバリバリ Progressive Metal Tune "Stranger" だけは、オレに向けて「Repeatしろ!」って電波を強烈に送ってくるね。(汗)ここで聴ける Jens Johansson Trubute の如き Matt Guillory の 悶絶 Keyboard Solo はベリーナイス。
ってゆーかお前、こんなことしてるヒマ合ったら DALI'S DILEMMA の新作早く出してくれ!(苦笑)

Jacket ECLIPSE 83
The Truth and a Little More (2001)
まだ High-Teen かと見紛う程の童顔 Singer(Bass 兼任)Erik Martensson(実は'77年生まれ)、Prog. Metal Band TIMESCAPE にも籍を置く'80 年生まれの最年少ながら老け顔の keyboard 兼 drums Anders Berlin、そして見た目どおり(笑)'72年生まれの Guitar Player Magnus Henriksson の3人による、Swedish A.O.R. Hard Rock Trio。
その Sound Style は、良質な American Commercial Taste を有効に盛り込みつつ、Scandinavian な憂いを決して忘れない、まさに末期 EUROPE を想わせる美味しい路線で(実際 Guest Player として Kee Marcello が参加。Mats Olausson もね)、Joey Tempest meets Goran Edman とでも喩えられよう魅力的な「北欧 Voice」の持ち主 Erik Martensson の明快な哀愁 Melody と、Amazing な High-Tech を駆使した Magnus Henriksson のツボにハマる北欧型 Guitar Play が見事な化学反応を起こした、とても耳を惹くものだ。
特に Magnus Henriksson の Play は、北欧ならではの Wet な Neo=Classical の素養を持ちながら Blues ~ Jass/Fusion etc... と Field の幅広さを感じさせる素晴らしいもので、そのフレージングの心地よさについつい Play ボタンを繰り返し押しちゃうんだな。

Jacket MANTICORA 83
Darkness with Tales to Tell (2001)
BLIND GUARDIAN の影響たっぷりの Danish Epic Metal Band の 2nd。
多くの KUSA-METAL 軍団の同系とは異なり、Synthesizer の装飾を最低限に押さえてあくまでツインギターによる哀愁の Guitar Harmony でのドラマの演出に拘った創りは、疾走しつつも HEAVY METAL の本質に迫る「芯」を通していて、前作同様 N.W.O.B.H.M.っぽさ超満点。そしてややざらついた硬質な Guitar Riff で勇壮に疾走を重ねるその硬派なサウンドは ICED EARTH 的ですらある。
その楽曲もさることながら、特にシンガー Lars Larsen のその煮え切らない声質での歌唱が Brian Ross に似ていることから、どうしてもかの名バンド SATAN を思い浮かべてしまい、ついついニヤニヤしてしまうんだなー。いやー、雰囲気スッゲー似てるわ!現代の SATAN !

Jacket BEHOLDER 83
The Legend Begins (2001)
悶絶 Italian Symphonic Kusa-Metal の超新星 BEHOLDER は、男女ツイン・ヴォーカル、ツイン・ギターそしてキーボード奏者を擁する 7 人組。
Gorgeous なその編成を生かして全員が持ち味を発揮しつつ一丸となってクッサクサに疾走する様は、なぜか持ち合わせた北欧ライクな透明感、そして Flavor としてたまに顔を出す Orchestral Arrangement の Epic な Spice から受けるのは、SONATA ARCTICA meets NIGHTWISH meets RHAPSODY という、ここだけ読んだらヨダレ物の印象。
というのも、Performance も Sound Production もまだまだ B 級で、なにかにつけて粗さが目立つのよねー。がしかし、この BEHOLDER、それらを超越して「もっと聴きたい!」と思わせる天性の Tasteful な旋律の組み立て方のセンスの良さを持っているのが怖い。その Melody の魅力は、中心人物である男性 Singer Patrick Wire の失笑を禁じ得ない程の超弩級にヘッタクソな歌唱力(苦笑)ですら、「味だ!」と錯覚させるほどだ。
そしてそのパートナーとして Duet をカマす女性 Singer Leanan Sidhe もなかなかにツボな存在。その Powerful で Charming な歌唱は、Member Shot から受けるやや大人しそうな印象とは裏腹な引きの強さを感じさせるし、その癒し系の東洋風少女っぽい見た目(写真がイマイチ不鮮明ながらきっとそうに違いない/妄想込み)もメイニヤにはきっとタマンねぇとあって、この Ireland で語られる美しき妖精の名を芸名に持つ魅力的な diva(歌姫)が新たな Female Metal Idol になる予感もアリ。
マジでこの BEHOLDER、なんだか妙な勢い感じるし、今後ひょっとするとひょっとするかもね。ってゆーか、ひょっとして欲しい!

Jacket DOUBLE DEALER 83
Deride on the Top (2001)
CONCERTO MOON の天才ギタリスト 島 紀史SABER TIGER の天才シンガー 下山 武徳 がコラボレートする、天才ジャパメタバンドの天才 2nd。
パワー・メタルの骨格に、ギターオリエンテッドな様式美と 70's HR のダイナミックさをミックスした天才的な出来の楽曲の数々は、天才ベーシスト 三谷 耕作 と天才キーボーダー 小池 敏之 の天才的な踏ん張りの甲斐もあって、そのバランスが均衡良く取れた「天才バンド・サウンド」は、1st を聴いて思い浮かべていた予想より驚くほど上質。天才 島 紀史 も相変わらず所々で「?」と思わせるセンスを見せながらも、悶絶フレーズの連発はネオクラ者にはやっぱ美味しい限りよね。
だけど・・・天才シンガー 下山 武徳 の、ドイツの片田舎のヘボシンガーを髣髴させるアノ天才的な声だけは、どうも肌が合わないんだよねー。渾身の天才バラッド "If the Fate Includes All the Love" など、確かにその身を削らんとする天才的絶唱にグッと来る場面も無くは無いんだけど、あの独特の天才的声質といい、天才的にフラット気味の天才的コーラスワークといい、さすが天才だけあって、聴いて受ける違和感もまた天才的。(SABER TIGER では感じないんだから不思議だよな)
また、前作よりは随分とマシになったが、まだまだエッジに欠ける音作りが 礒田 良雄(彼は本当に天才!!)のスペシャルなヴァイヴをオレの子宮(無いやろ!/笑)に伝えきれていなくてちょいと損してるかなぁ。

Jacket TANTALUS 83
Jubal (2001)
ギリシャ神話神話に因んだそのバンド名、旧約聖書に登場するカインの子孫の名を冠したアルバムタイトル、そして各所で「IT BITES の再来」と称えられるその評判からして期待感を膨らませずにはいられない、英国シンフォ・ポンプの期待の星 TANTALUS の自主制作盤に続く 2nd。
女性キーボーディストを含むツイン・キーボード編成の 6 人組によって奏でられる、適度にハードなエッジのギター、アコギ、オルガン、ピアノを中心に緻密に構築されたシンフォ・アンサンブルが見事なドラマティック・ポンプは、淡く浮遊する優美な情景描写と緊張感のある楽器の鬩ぎ合いが好バランス。
朴訥としつつ英国的な粘っこさのあるヴォーカルと、それに絡む親しみやすいコーラス・ワーク、そして長尺でありながら起承転結を上手くコンパクトに纏め上げる手馴れ具合は、確かに IT BITES 的だな。
いかにもプログレ然とした大仰でダイナミックな展開ながら、適度なポップさを感じるのがいいのよね。全体的にはほのぼのとしつつも哀愁も充分で、なかでも "Time will Tell" の泣き泣き具合はタマランですわ。
あ、聴いてて「John Wetton にこーゆーの演ってほしいなー」と感じちゃった。

Jacket CATHEDRAL 83
Endtyme (2001)
遅くてカッコイイ!(笑)
近作では、わかりやすい形でロックの衝動的なグルーヴの追求を行っていた CATHEDRAL だが、この新作では一転して初期の独特の味であった暗黒ドゥームの醍醐味を、大胆にその表層に復活させている。
その、過去に自らから採取し冷凍保存してあったドロドロの血漿を再び自らの体内に輸血するが如き大英断は、作品を重ねる毎に質を高めながらも、反面代わり映えしない「CATHEDRAL 節」で覆われていたのもまた事実であったこのところの作風が醸し出す「枠」の範囲内での飛躍を期待して本作に臨んだ我が身に、強烈なインパクトを与えることに成功した。
往年のように超ロー・テンポでグリグリと回転するドゥーム・リフは、眩暈を覚えるほどに心地良いヴァイヴに彩られてはいるが、実はそれらのパートが配される母艦となる楽曲自体は、往年の彼らが得意としていた(そしてオレもそれを最も求めていた)TROUBLE 的な曲展開のマジックに支配されているわけではない。
ま、CATHEDRAL って、バンド名とか持ち合わせた独特のムードの Cool さに姦られちゃってるから冷静な判断できないんだよね~。(苦笑)

Jacket A.C.T 83
Imaginary Friends (2001)
変幻自在の万華鏡的プログレッシヴ・ポンプを聴かせる A.C.T の 2nd は、前作以上にプリチーでファンタジックなドリーミング・サウンド。
ギター・リフやスリリングな各楽器のユニゾン&ハーモニーのドライヴがプログ・メタル的であったりする(そこがまたイイんだけどね)ものの、本筋は NEW ENGLAND, JELLYFISH, VALENSIA ら、QUEEN の洗礼を受けたひねくれポップ・アクト群の影響を血肉としたキャッチーなプログレッシヴ・ポップ。
あくまでもキャッチーな哀愁を忘れない繊細でリリカルなメロディと華麗なコーラスに彩られた目まぐるしくダイナミックに展開する楽曲は、前述のアーティストらの音楽に心酔するオレのツボをどーしたって突いちゃうんだな。ただし、やっぱ前作の方が断然好き。録音がちょいと軽めなのが惜しいしねぇ。

Jacket ATHENA 83
Twilight of Days (2001)
デビュー作 "Inside the Moon" での DREAM THEATER フォロワー的佇まいから一転、前作 "A New Religion" では Fabio Lione (RHAPSODY) を迎えてエピック・メタルに急接近したと思いきや、とうとう完全に B 級疾走クサメタルに進化(退化?/笑)してしまった新作。
Andre Matos (ex.ANGRA) よろしく語頭や語尾が裏返りまくる超ハイトーンを披露する新シンガー Francesco Neretti は、線こそ激細ではあるものの、そのやわらかに上下するピッチと表情の吐露具合がなかなか魅力的で、ヒステリックな部分ではかつての PAVLOV'S DOG の奇才 David Surkamp を髣髴させる場面も。ただ、ヴォーカル・パートが異常に奥に引っ込んだ音作りなんで、イマイチ実際以上に(たぶんね)線の細さが目立って損してるかな。
そんなまさに最低レヴェルのサウンド・クオリティでありながら、各人の演奏は水準を軽く上回るスリリングなものだし(特にドラムはいいね)、クッサイ旋律が超スピードで疾走しまくる様には、お笑い一歩手前で興奮させられるわで、全体的にはメッチャ好印象。
なんつっても、往年のイタリアン・プログレッシヴを思わせる噎せ返るほどの叙情の取り入れ加減が、同系のイタリアン・クサメタラー随一なのが嬉しいね。冒頭のタイトルトラック "Twilight of Days" のソロ後でストリングスが差し込んでくるところなんて、何度聴いても悶絶だもの。

Jacket ALYSON AVENUE 83
Presence of My Mind (2001)
スウェーデン産、女性 Vo を擁する極上の哀愁ハード・ポップ。
ハード・ポップとはいえ、エッジの立ったリフとウェットなタッチのソロで責めるギターワーク、そして煌びやかなキーボードのオブラートに包まれたビッグなプロダクションは十分に北欧メタル的。
しっとりとした透明感と張りのある力強さ、そして人懐っこさが程よくブレンドされた Anette Blyckert 嬢の歌唱がなんとも耳触りがよく、JAVAN, ERIKA 等の90年前後のバンド群を想わせる絶妙方向性の楽曲と相まって、HEAVEN にて店内 BGM として流れているのを聴いて、「即買い」させるインパクト有り。

Jacket MAGNITUDE 9 83
Reality Un Focus (2001)
テクニカル7弦ギタリスト Rob Johnson の超テクニカルなファスト・プレイをフィーチュアした、アメリカン・テクニカル・プログレッシヴ HM。
Rob Johnson のタッチ自体は従来どおり正確さとスピードが生むスリルに重きを置いたものだが、驚くことに、テクの羅列に終始しやや無機質で退屈だった前作とは打って変わって、歌/楽器共にその奏でるメロディに叙情風味をたっぷりと盛り込んできた。
もちろん、基本的な音像は米国産らしい都会的な垢抜けた硬質さに裏打ちされたクールなものだが、そのネオ=クラシカルなアレンジとシンガー Corey Brown のエモーショナルな歌唱が及ぼす効果と融合して、楽曲は「歌ものネオ=クラシカル様式美」かと思えるほどに非常にイイ雰囲気になっている。この上質な雰囲気が、実際の「曲の良さ」にゲタを履かせているのは否定しないが、ここまでの成長に先ずは拍手喝采だわさ。
本作には "Fright of Icarus" (IRON MAIDEN) と "Man on the Silver Mountain" (RAINBOW) の2曲のカヴァーが収録されているが、特に前者は Corey Brown の憧れの Bruce Dickinson への成りきり振りが微笑ましい出色の出来。

Jacket SUNSETH SPHERE 82
Storm Before Silence (2001)
ハンガリアン・サイケデリック・ゴシック・ドゥーム・メタル・バンドの 1st アルバム。
女声シンガー Kyrah 嬢の、所々で Tarja (NIGHTWISH) に迫るクラシカルなソプラノを交えつつも Anneke Van Giersbergen (THE GATHERING) に傾倒したクリアでエモーショナルな歌声のせいだけではなく、要所でピアノによるリリシズムを発散させながらヘヴィにうねるトリップ感がストレンジなダークさを保ちつつ地力のあるリズム隊によってしっかりと進攻する様は、名作 "Nighttime Birds" の頃の THE GATHERING に近い感触だ。
オルガンとパーカッションがトライバルに跳ねる音波が筋神経に反射する "Life After Light"、静かに広がるアトモスフェリックな美旋律の細波が心に侵食してくる "Gods of Egypt" なんかには、女声ゴシック・ドゥームの味わいが凝縮されてると言ってもいいだろうね。
ちなみにギタリストはド下手糞だが、破綻したソロがこれほどまでに心を打つ例をオレは知らない。(苦笑)

Jacket DEVIN TOWNSEND 82
Terria (2001)
奇才 Devin Townsend の新作は、異能な故に周囲から孤立した天才少年の瞼裏に映る心象風景の Sound Collage といった風情の Progressive な音世界。
Imaginative な美麗 Artwork よろしく展開する作りに作りこまれた異世界の情景は、Death Scream に比肩する怒号を孕む Heavy なパートも見せつつも、全体に浮遊する Melancholic な美しいメロディが空気に溶け込む安堵の色彩だ。
静粛な音像であっても、しっかりと濃密な音の壁が迫ってくるような圧迫感は、まさに Devin Townsend ならではの独特の感触。ただ、本作を聴いて感じ取りたいナイーヴな憂いには、その密度と音の粒一つ一つの妙な角張りが少々ウザくもあり、本来描かれるべき情景への移入を阻害しているような気もした。
そのせいか、現在のところでは「耳を惹くパーツがそこかしこにある難解な作品」という印象かな。まぁ聴けば聴くほど印象変わるんだろうけどね、この手の Progressive Rock は。

Jacket JAG PANZER 82
Mechanized Warfare (2001)
近作の評判の悪さから「Joey Tafolla がいた Band」程度の認識しかしていなかったこの古参 U.S. Power Metal Band JAG PANZER だが、ドイツ滞在中に感じたブレイク具合に騙されて買ってみたら、これがナカナカ良い感じ。
攻撃的な Edge に満ちた Guitar Riff と Mellow な泣きが充満した Guitar Harmonyを中心に、多少ひねくれた展開を挟みつつ Dramatic に展開する漢の Metal は、Singer Harry 'The Tyrant' Conklin(一時解散中は TITAN FORCE にいたって初めて知った)の堂々とした歌唱とともに VICIOUS RUMORS にも通じる U.S. Metal の王道。
大仰な Choir や弦楽や女声 Soprano を配するなどした叙情への配慮もしっかりと忘れず、そして前編を覆う隙無く見事に構築された超 Technical な Guitar Solo Part もウルトラ聴きどころ。
・・・確かにパッとしない瞬間もあるけどねー。

Jacket BYRD 82
Flying Beyond the 9 (2001)
FIFTH ANGEL, JAMES BYRD'S ATLANTIS RISING 等でその劇的な Solo Part の構築 Sence の定評を築いた James Byrd は、Yngwie Malmsteen 系 Guitar Player の中では最も Uli Jon Roth の色が濃い部類に入る男。つまり「大好き」。(笑)
久々の New Material となる本作は、BYRD という名義で、これまたなんとも嬉しい久々の Neo=Classical 路線だ。といっても Edge の鋭い HEAVY METAL ではなく、彼が近作で見せていた 70's Hard Rock の Feeling に溢れた温かみのある音作りだ。
U.S. Indies らしさ満点の Clear ながら詰めの甘い Sound Production、そして可も不可もないそこそこ上手い歌を聴かせる Singer Michael James Flatters の存在感のなさが明らかにマイナス要素でありつつも、そこはやはり James Byrd。その独特の Touch が発散する泣きの強烈な Passion があれば、ある程度は満足しちゃうんだな。すいません。(汗)
あ、あと Keyboard Bass, Drum そして Engneer までもを多才に手掛ける Brian Hutchinson の Piano Play が作品に格調を与えているのも、忘れちゃいけない好ポイントね。

Jacket ENSLAVEMENT OF BEAUTY 82
Megalomania (2001)
Singer である Ole Alexander Myrholt と Guitar そして Programming を担当する Tony Eugene Tunheim という Member 2 人を中心とする Norwegian Gothic=Death Metal Project の 2nd Album。
正式 Member は 2 人とはいえ Guest として Drums, Bass, Synth らを迎え Band 形式のまとまった音像で Project クサさも希薄な本作は、その Band 名が意味するところの「美の虜」に相応しい、耽美 Gothic の色が濃い重厚なる Death Metal。
ひしゃげた Death Voice を Main に、普通声少々、そして女声少々(※あえぎ有り/にこり)が乗るのは、Death Metal らしい暴虐性は少々控えめながら伝統的な Heavy Metal 程の適度な Agression を担う正統 Metal 的 Guitar Riff と、あくまで「Classical な耽美」に拘った物悲しく爪弾かれる Acoustic Guitar、そして壮麗な Symphonic Synth が語りかける、暗黒の叙情が寄せては退く Melancholic な音世界。
そしてその上を常に舞う、現代的な Heavy Metal Technic を以って終始 Classical に叙情フレーズを紡ぎ続ける Metal Guitar が印象的でナイス。
まだまだ、音の端々に部屋で普段着で音を作りこんでる姿を思い浮かばせてしまう何かが存在するが、これが古城で松明の燃ゆる中、ヒラヒラの服を着て演奏してる姿が瞼の裏側に浮かんでくるようになると凄いかもね。素材としてはその可能性、十二分にアリと見た!

Jacket TARAXACUM 82
Spirit of Freedom (2001)
STEEL PROPHET, EDGUY, ROUGH SILK, SQUEALER ら Power Metal Band の面々による USA / Germany 混合 Project。
それぞれの Band の出自はいわゆる「正統派 Euro Metal (STEEL PROPHET は USA 産だけど)」であるにも関わらず、ここに封入されている音楽はそのメンツから想像できるものとはやや異なり、Native American を表徴したその Art Work と連動した意外にも American な感触が強いのに驚いた。
とはいえ、Slide Guitar が鳴り渡るような埃っぽい南部の香り漂うパート、そして Pop で Catchy な American Main-Stream Hard Rock 風の楽曲があろうとも、それにいかにも European Power Metal といった Wet な Guitar と叙情的な Keyboard/Piano を絡ませて IRON MAIDEN 的 Dynamism を用いて仕上げられた Magical な Sound は、「American」という Keyword を基に避けられるには Quality, Originality 共にあまりにも A-Class の完成度。
特筆すべきは Singer の Rick Mythiasin の歌唱で、STEEL PROPHET でも聴かせていた Bruce Dickinson を基調にしつつ更に Wide-Band に駆けずり回る Theatrical な大仰な歌唱は、軽めの曲での Major な Melody で一層映える映える。さすがアメリカ人やね。

Jacket THRESHOLD 82
Hypothetical (2001)
この久々の新作をリリースした THRESHOLD、ヘヴィなリフとタイトなリズム隊のパワー・ヒット、そしてテクニカルな緊迫感あたりは「プログレ・メタル」のフィールドに位置するだろうが、ブレインであるギタリスト Karl Groom の深層心理が滲み出た、いかにも英国らしいそのアクのある優雅さをもって、やっぱここは是非「ヘヴィ・メタリックなブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・バンド」と解釈してしまいたいな。
ヘヴィ・メタルのゴリッとした質感にポリシンセのアルペジオがうねるネオ=プログレッシヴの息吹が融合し、そこにポンプ・ロックの淡い水平が広がるその独特の感触は、名シンガー Damian Wilson に代わり前作から加入したシンガー Mac の「頼りなげでありながら説得力のあるポンプ声&ハーモニー」も上手く作用し、もはや「THRESHOLD 節」の様相を呈すに至った感がある。
正直、テクニカルな高揚と叙情の安堵両面ともに突き抜けたカタルシスを得るには至らず、やや決め手には欠けるきらいがないとは言えないが、そのあまりにも丹念に作りこまれた音飾の密度は相当なもので、末永くじっくりと楽しめそうな佳作に仕上がっていると思うよ。

Jacket DOGFACE 82
Unleashed (2001)
DOGFACE は、シンガーに Mats Leven を据えてオーソドックスながらダイナミックなハード・ロックを聴かせるスウェーデンの新鋭。
DEEP PURPLE さながらにハモンドが鳴り響きまくるアダルトな HR は、全体的には Glenn Hughes のソロ作に近い雰囲気を漂わせながらも、CLOCKWIZE を想起させる仄かな北欧の哀愁もアリ。
確かにタルい曲もあって全曲が素晴らしいわけではないけれど、激泣きバラード "I will be There"Mats Leven の絶唱に震えさせてもらっただけでヨシとしよう。彼の声はやっぱ好きだ!
SWEET のカヴァー "Set Me Free" 入り。

Jacket ONWARD 82
Evermoving (2001)
グレート 80's スタイル US 欧州型ヘヴィ・メタル!
コロンビアン・クサメタラー LEGEND MAKER で歌っていた米国人シンガー Michael Grant の、D.C.Cooper を髣髴させる良くも悪くも堅実で丁寧な歌唱と、ギタリスト Toby Knapp が高速フィンガリングと振幅の大きなエモーショナル・ヴィヴラートを武器に、いかにもギター・ヒーローよろしく縦横無尽なテクニカル・フレーズを弾きまくる姿は、喩えるならば HELSTAR meets EYEWITNESS ってところか。
オープニングこそ脱糞寸前に衝撃的だが、曲が進むにつれ平坦さが気になりだして冷静になってゆくのは否めないながら、30代クサレメタラーは悶絶必至だと思うよ。コレ。

Jacket CRYSTAL EYES 82
In Silence They March (2001)
愛すべき一本気馬鹿馬鹿スウェディッシュ・ジャーマン型疾走スピード・メタル・バン ドの 2nd は、ひとことで言ってあきれ返るほどに超 GAMMA RAY タイプ。
しかしコレが相当にツボを突いてくる。"Adrian Blackwood" をはじめ、多数を占める明快なメロが失踪するスピード・チューンの数々や、フォークロアな劇的メロディに秒殺の "Son of Odin" といったミドルなど、曲の出来は押し並べて良く、マジで悶絶してたりするんだけどね。(苦笑)。
たぶん Kai Hansen こそが世界一のシンガーだと信じて疑っていないだろうシンガーが絞り出す超ぉ~ヘナチョコな歌声が、これまた超ハマリで素晴らしい。(笑)これ以上垢抜けるなよ~。このままで次作も笑わらわかせてくれよ~。(笑)
といいつつ、実はそのイメージとは裏腹にテクニック/プロダクションの水準は意外なほどに高く、ギタリストの安定した16分のスピード・フレーズの応酬は結構気持ちいいし、ダイナミックな音像も見事だったりするんだな。

Jacket JOHN PETRUCCI & JORDAN RUDESS 82
An Evening with John Petrucci& Jordan Rudess (2001)
ご存知 DREAM THEATER のテクニシャン・コンビによる、パーソナルなライヴの様子を収めたライヴ盤。
途中それぞれ適宜エレクトリック楽器に持ち替えつつも、主にアコースティック・ギターとピアノによる極めて即興度の高い楽曲は、しっかりと DREAM THEATER のメロウ・パートのあの雰囲気。ワインでも傾けながら聴くのが似合いそうなしっとりとした大人のイージー・リスニングと言えなくもないが、それにしては音数が多すぎるし。(笑)
しかしエレキ持たせると弾き過ぎ、John Petrucci。(苦笑)
ラストの "Black Ice" は、ここではピアノとギターのみの演奏ながら、DREAM THEATER の次作でぜひ演って欲しいと思わせる優れたプログレ・メタル曲。是非ね。

※本作は通販のみの販売のため、入手は下記で。
http://johnpetrucci.safeshopper.com/
料金は本体$20+送料$5。(クレジットカード決済)
ちなみにオレは注文後4日後に郵便で届いたよ。

Jacket TUATHA DE DANANN 82
Tingaralatingadun (2001)

ブラジルのフォーク・メタル・バンド TUATHA DE DANANN の2ndアルバム。

フォークな民謡色と正統&デス・メタルが渾然一体となった魅惑のサウンド。 まとまりなさげにめまぐるしく展開するドタバタさに包まれているが、それがまた土着性の高さに繋がっているんだと妄信させる魅力アリ。 本格的なケルト色の強さも◎。  (Dec, 07, 2007)


Jacket DIMENSION ZERO 81
Silent Night Fever (2001)
IN FLAMESJesper Stromblad そして元 IN FLAMESGlenn Ljungstrom のギター・コンビ(Jesper は Bass も担当)、元 MARDUK のシンガー JOCKE GOTHBERGLUCIFERION, DIABOLIQUE のドラマー Hans Nilsson という魅力的な経歴を持つスウェディッシュ・メロディック・デスラッシュ・バンド DIMENSION ZERO が、1998年に MCD "Penetrations from the Lost World" をリリースしてから約4年弱・・・。誰もがそのバンドの存在を伝説視し始めていただろうが、ところがどっこい彼らは秘密裏に生き長らえ、しかも超待望だったフル・アルバムを突然ここに提示してきた。
"Through the Virgin Sky", "They are Waiting to Take Us" というデビュー MCD 収録曲のリ・レコーディング・ヴァージョンが違和感無く配置されていることからも窺い知れるように、この全10曲34分の粗暴なようで丹念に作りこまれた猛爆デスラッシュは、前作同様の路線。曲中に叙情リフを絶妙に練り込みながらも全開のアグレッションがアドレナリンを瞬時に沸騰させること必至の激烈ミュージックは、最も IN FLAMES っぽさを感じさせる "Not Even Dead Yet" を筆頭に、整合が取れていながらも野蛮さをも感じさせるハイ・クオリティな仕上がりだ。
ただ、この3年の間のエクストリーム・ミュージックの進化を考えると、この「予測の範囲を逸脱しなさ」に少々肩透かしを感じちゃったりするのも正直なところ。
そしてもう一つ残念なのは、本作では「リフの一部」としての単音&ハーモニー・ギター以外のいわゆる「ギター・ソロ」に相当する部分が一切排されており、前作で聴かれた Fredrik Johansson (DARK TRANQUILLITY の彼とは同名異人) が紡いでいた叙情ギター・ソロにこの DIMENSION ZERO の魅力の一部を感じていたオレにとっては、チョイとショックでかかったッス。。。

Jacket SAHARA 81
Sahara (2001)
「甘党ゴッド」としお氏から店頭で推薦された際に、思わず「どの SAHARA?」という言葉が口を突いて出るのも無理はない単語をバンド名に冠したこの SAHARA は、Gothenburg から出現した Swedish 甘口 A.O.R. ハードのニュー・カマー。
そのスキン・ヘッドの強面からは全く想像もつかない純朴な甘口ヴォイスのシンガー Ulrick Lonnqvist と、貴様何者!?ッツーぐらいの北欧叙情テクニカル・プレイが嬉しい驚きのギタリスト Peter Lidstrom のプロジェクト・バンドだ。(本作完成後に、本作参加の Drums & Bass とともに正式に4人組のバンドになったそうな)
Mikael Erlandsson, T'BELL, そして Thomas Vikstrom が唯一遺した名ソロ作 "If I Could Fly" に通じる、しっとりとした仄かな叙情と心地よい大地の広がりが絶妙の配合を店ながら、決して弾けることなく穏やかに展開する女々し系の A.O.R. 的ハードポップは、聴くほどにじぃーんわりぃー・・・と心に染みてく感じ。ドライヴにも合いそうだしね。
しかしテクニカル・ギタリスト・メイニャなオレ的には、丁寧なタッチで旋律を紡ぎながら、時にネオ=クラシカルの素地を覗かせる粒の揃ったファスト・プレイを織り交ぜる憎いギタリスト Peter Lidstrom のツボを得たテクニカルなソロ・プレイが、予想外のヒット。どの曲でもギター・ソロが楽しみでしょうがないものな!

Jacket ANATHEMA 81
A Fine Day to Exit (2001)
デス・メタル・バンドとしてデビュー以来、一貫して深遠なる暗黒美を描きながら作を重ねる毎にその本質を徐々に露わにし続けてきた ANATHEMA だが、6th アルバムとなる本作では、ついに前作まではホンの僅かながら残っていた暗黒臭を完全に撤去したどころか、ハード/ヘヴィですらない「普通のロック」と言える手触りにまで変貌を遂げた。
とは言っても、この PINK FLOYD を想起させるような英国独特の思慮深さを感じさせる穏やかな内省ロックは、先述したように ANATHEMA の本質には些かの悪影響も与えていない。
時にハッとする美しさを見せながらも淡々と時を綴る心象風景描写は時に退屈さを誘う。・・・が、それでいいのだ。その荒涼たる精神世界を旅する退屈さに酔うのが、このある種プログレッシヴな陰鬱音楽の楽しみ方なのだから。

とはいえ、あれほど美味しかった耽美色が皆無なのは、正直ちょいと悲しいやね。泣き派としては。

Jacket QUILL (THE) 81
Voodoo Caravan (2001)
スウェディッシュ・ヘヴィ・ロック・バンド THE QUILL の 3rd アルバムにして本邦デビュー作。
このバンドの存在を知ったのは ARCH ENEMY のツアー・ベーシストとして Roger Nilsson が参加というニュースを目にしたのだったか、スウェディッシュ・バンドのトリビュート・アルバム "Power from the North - Sweden Rocks the World"NOVEMBER"Mount Everest" を演ってるのを聴いたのだったかは忘れたけど、とにかく気になっていたバンド。
で、IDO さんが自サイトの BBS で「レイ・ギランが3rdの頃のスピベガで歌っているって趣です。」なんて煽情的なフレーズ(笑)を書いてるのを読んで速攻 GET しちまいましたが、その煽り文句ってば正に言い得て妙。
バック・ストロークたっぷりにグルーヴィ・スウィンギングを転がすオールド・ロック・ドラムの上で、ワン・コードで圧すヘヴィな反復リフと図太くブースとしたベースが唸りながら絡み合う SPIRITUAL BEGGARS に通ずる埃っぽい楽曲は、確かに Ray Gillen を思わせるもやっぱそれは褒めすぎ(苦笑)で、Mats Leven"Prisoner in Paradise" 期の Joey Tempest をミックスさせたような明快な歌唱が乗る、今までにありそうでなかったタイプだ。
そのシンガー Magnus Ekwall は、最初から最後までテンションが一定なのとメロディ運びのヴァリエーションが少なめな点を差し引いても、その張りのある歌声を一聴するに「上手いヴォーカルって気持ちイイ!」と無条件に納得できる説得力を感じさせる逸材。
ただし、そんな魅力的な歌唱に彩られていながらも、この THE QUILL の楽曲から感じられる泣きフィーリングはかなり希薄で、「泣き派」としては楽曲そのものにはちょいとインパクト低めかな。が、アーティストとしてのインパクトは大きく、酒飲みながらヘヴィ・ロックの揺れを充分に堪能できる。
ちなみに、ゲストで Michael Amott が一曲でソロ・プレイを地味ぃ〜に地味ぃ〜に披露してマス。

Jacket HIM 81
Deep Shadows and Brilliant Highlights (2001)
自らの生み出す音楽を "Love Metal" と称する、Finish Goth Pop Band HIM の 3rd Album。
言ってしまえば TO/DIE/FOR に代表される最近流行りのノリノリ哀愁 Goth Pop なのだが、この HIM は Member の出で立ちから受ける印象も含めて、さらに Slazy な Gram Rock の色が強い感じかな。
が、冷ややかな Keyboard の演出が全体を北欧 Goth 独特の Dark な色彩に染め上げながらも、Charismatic な危険な魅力を振り撒く Singer Ville Valo の他の多くのノリ Goth 軍団より粘着質の配合が少なめで非常に聴きやすいタイプの声質で唄われる漢の情念と、Rock'n'Rolling する Hi-Quality な Rock Guitar が化学反応を起こした憂いに満ちた Compact な楽曲群は、難しいこと抜きにして「Hard Rock 風味もあるの大人の哀愁 Pop」として素直に楽しめる。
大事なデートのドライヴの BGM としても効力を発揮しそうなその佇まい、まさに "Love Metal" とは言い得て妙!(笑)

Jacket NOSTRADAMEUS 81
The Prophet of Evil (2001)
Swedish 疾走 XaMetal 期待の新星 NOSTRADAMEUS 待望の 2nd Album。
Singer Freddy Persson の、演奏に比べてハジケ具合こそ足りないものの、それが北欧的なしっとりとした叙情の質感を感じさせるという良い方向に作用している中音域主体の歌唱、思わず両の拳を天に向けて突き上げる雄々しい Choir、そして高い煽情力を誇る Jake Freden & Michael Aberg の Guitar Combi による Neo=Classical 風味の Technical な Guitar Play の応酬が相変わらず美味しいわ。
本作でも、多くの曲で何かを信じて愚直に疾走する前作同様の路線には間違いないが、疾走 Tunes 以外でも、2曲の Ballad "Requiem (I will Honour Thy Name)", "Son of a King"、そして Middle Tempo ながらヲトコらしい高揚感が印象的な "Murder" らの出来がすこぶる良いという、「横方向への展開」をする頭脳プレイも見せ始めている点が進歩かな。EUROPE の Cover "Scream Of Anger" もそれっぽいし。(笑)

Jacket NIGHTWISH 81
Over the Hills and Far Away (2001)
Gary Moore の超名曲の Cover Single。
歌メロが Tarja の Best な魅力の Key より多少低めな気はするものの、原曲の持つ Celtic な哀愁風情が NIGHTWISH ならではに Fantasic に装丁され、なかなかの出来。まぁ、これは元が元だからね。(苦笑)
同時に収録された未発表曲&1st収録曲のリメイクは、マズマズといったところかな。彼らの中でも地味な部類の曲が集まった感じ。
そしておまけでありながらも本作の目玉なのが、Bonus の DVD-Side。なんと両面 Disk になっていて、片側が Audio、そしてもう片側が DVD なのだ。スゲー時代だな。ってことは両面 Audio で A 面/B 面って構成のも作れるってことか!?
それはいいとしてこの「動く NIGHTWISH」、かなり見応えアリ。天井まで届かんとする火柱に驚く Scale のデカイ Stage で堂々とした歌唱で聴衆を Control する Tarja、そして Tuomas の渾身の Headbang。(笑)
ちなみにこの DVD は PAL 方式なので国内の家庭用 DVD Player(PS2含む)では再生出来ないけど、PC の DVD-ROM Drive と DVD Player Software の組み合わせでは、問題なく観れたよ。少なくともウチでは。

Jacket LULLACRY 81
Be My God (2001)
Finland で人気上昇中の Post Gothic Pop-Heavy Metal Band LULLACRY の 2nd。
反復する Guitar Riff 主体で単調さが目立ち、聴いててついつい飽きを感じてしまった前作から一転、充実した内容についつい顔も綻ぶねー。
Band の Master Key である、なかなかにそそられる Bitch な肉感女性シンガー Tanya 姐御の張りのある Straight な Rock Singing が耳を奪う、ノリノリに Driving する Catcy な Gothical Heavy Rock の風合いは、彼女が毎作 Guest 参加している TO/DIE/FOR に近いが、さらに Main Stream の Heavy Metal / Hard Rock 的普遍的に満ちている。
3 ~ 4 分台主体に Compact にまとめ上げた楽曲は、Long Hair の Cool な 男性陣によって Solid そして Heavy に Rolling する演奏の心地よい Energy と、Tanya 姐御によるその Looks とは裏腹なしっかりとした歌唱(時折見せる Sexy な少女っぽさが萌え萌え)で唄い上げる、元気系でありつつもどこか寂しげな哀感が対を成すなかなかの出来。
メロメロな耽美・・・とまでは行かないものの、前作には少なかった Lead Guitar の憂いの増加や、全体的を覆うしっとりとした Mellow な空気は高ポイントだな。

Jacket ZERO HOUR 81
The Tower of Avarice (2001)
米国はカリフォルニア産のテクニカル・プログレッシヴ・メタル・バンドの 2nd。
4人のメンバーの高次元な技量が対峙する、難解でめまぐるしい展開から生まれる息苦しい緊張感は、WATCH TOWER, CYNIC, ATHEIST, SPIRAL ARCHITECT らの一連の流れを汲む一級品の変態の装い。
そんな中でこの ZERO HOUR ならではと思えるのが、シンガー Erik Rosvold の熱くメタリックな歌唱がリードするメロディックな流れ。自己満足一歩手前の迷宮的サウンドながら、彼の歌うメロディは「聴きやすさ」そして「楽曲への感情移入」という点で、十二分に威力を発揮しているね。
圧迫する音の壁から滲み出る、プログレ・フィールドを思わせる程よい「隙間感」もグーだわさ。

Jacket BAL-SAGOTH 81
Atlantis Ascendant (2001)
もはや「BAL-SAGOTH 節」として定着した感のある超ゴージャスなコズミック・シンフォニーは、今回も相変わらずの凄絶なるクオリティ!
・・・なんだけど、正直ここまで代わり映えしないと、サスガに飽きてきちゃいました。(汗) この路線では "Battle Magic" で極めちゃってるからねぇ。もしコレまでの BAL-SAGOTH の記憶を喪失させた状態で聴いてたら、きっと92点くらいなんだろうけど。(苦笑)

Jacket SALAMANDRA 81
Skarremar (2001)
西新宿界隈で「チェコの RHAPSODY 」の異名を欲しいままにする SALAMANDRA の 2nd は、そのキャッチ・フレーズに一瞬でも嘲笑を誘われた己の底の浅さを恥じるに十分なクサ・クオリティ。
味わいある太目の歌声で堂々と歌われる歌唱(THE STORYTELLER を連想させる)とまろやかに濡れた叙情ギター、溌剌としたリズム、そして主に静のパートでのファンタジックでクラシカルな哀愁の輝きは決して「チェコ産」から想起されるマイナーなものではなく、プロダクションこそ及ばぬものの、「泣き」という点では本家に迫るモノを感じさせる。
惜しむらくは、0分台1曲、1分台3曲、2分台2曲、3分台3曲、4分台4曲、5分台2曲・・・と総じて短かい楽曲。感情移入する前に終わっちゃうんよね。
うむ、次作は超期待。

Jacket SILENTIUM 81
Altum (2001)
デビュー作である前作 "Infinita Plango Vulnera" でそのずば抜けた完成度に圧倒されたフィニッシュ・シンフォニック耽美ゴシック・メタル from Spikefarm。
STRATOVARIUS をはじめ AMORPHIS, EDGUY, NIGHTWISH, SONATA ARCTICA などのエンジニアリングを務める Mikko karmila によって纏め上げられたこの新作でも、透き通るソプラノ、哀しげなストリングス、優美なピアノ、ヘヴィなギターリフ、そして緩急のついた暗く美しい曲調・・・とすべての要素が高次元でまとまった「耽美ゴシック・メタルかくあるべし」という極めて優等生的なサウンドは相変わらず。
しかしそんな高い品質であるのにも関わらず、その暗黒世界の風景がイマイチ眼前に浮かんでこないのは、前作の衝撃があまりにも強かったせいか?・・・なーんて考え始めたら、類型的な作りの楽曲やあまりにも普通な男声の情けない響きも気になってきたりしつつ、やっぱりそのメロメロ極まりない濃密で麗しい音像は魅力的なんだよね、これが。

Jacket SEX MACHINEGUNS 81
Barbe-Q Michael (2001)
紛れもなく我が国の HM を代表するバンドとなった SEX MACHINEGUNS の 3rd アルバムは、歌詞のお笑い度こそ徐々にトーン・ダウンの方向に向かっているものの、心地よくドライヴするスラッシュ・ビートと愁いあるハイ=テク・ギター、そして Anchang のぶち切れたハイノート・スクリームが電車の中だろうが所構わず心地よいヘッドバングを誘発させる充実作。
楽曲に METALLICA を筆頭とした彼らのルーツとなったバンド群の影響が躊躇無く(無さ過ぎ/苦笑)反映されちゃってる点や、ザクザクと強力に刻みまくるクランチ・リフの分厚さに比べて貧弱さを隠せないドラム・サウンドなど、やや気になることも多々ありながらも、"とうちゃん" ではマジで元気付けられちゃったりしつつ(笑)"みどりのおばちゃん", "パンチ De LoveAttack" といった哀愁ツイン・ギターを配したチューンに悶絶しちゃうのよ。

Jacket KIP WINGER 81
Songs from the Ocean Floor (2001)
Kip Winger 久々のソロ作は、安住の地を求めて彷徨うヲトコの心象を淡々と綴る、地味ながら心惹かれる一枚。
暖かさ、円熟味を増した独特な暑苦しい系の歌声がピシっと一本筋を通しながらも、空間に点在する音の粒が無軌道に漂うアレンジは、極端に言えばニューウェーヴ的とさえいえるかも。
が、実は意外なほど細部まで作り込まれていて、緻密に音を詰め込んだ丁寧な仕上げには舌を巻く。それらの効果的な装飾の輝きがナイーヴなメロディをくっきりと照らし出しているんだな。弦楽の導入の仕方も的を射ていて見事。
それぞれの曲々には必要以上の起伏や抑揚はないものの、全体を包むそのドラマティックな浮遊感はやっぱりある意味プログレッシヴで、聴き終わる頃には心地よい安らぎがもたらす満足感とともに「じゃ、もう一回」ってなリピートを誘う。
バックをサポートする Andy Timmons, Rod Morgenstein も Great Works!

Jacket VINTERSORG 81
Cosmic Genesis (2001)
プログラミングを含むすべての楽器を担当する OTYG のシンガー/ギタリスト Vintersorg と、ギタリスト Mattias Marklund のプロジェクトによる、星宮が瞬く天空の物語。
朗々としたテナー・ヴォイスとたまに出現するデス・ヴォイスで歌われるヴァイキング的旋律が甘美な暗黒の匂いを漂わせながらも、芯となっているのは正統派メタルの味わい。
ドラム・ループ等のテクをセンス良く導入したタイトルトラック "Cosmic Genesis" から溢れ出る豊潤なる欧州的哀感、そして正統的疾走メタルの醍醐味に満ちた "Naturens Galleri" のナイーヴなメロディはカナリイイ線。
あ、今回は半分以上が英詞よ。

Jacket ANNIHILATOR 81
Carnival Diablos (2001)
モダンな感触の無機質な重量リフの一太刀が目立ちながらも、初期~中期の知的でサイコな雰囲気をますます漂わせるスラッシーなパワー・メタルは、Joe Comeau の歌が予想以上に上手いのにまず驚き。
リズミカルに変則的なブレイクを重ねながら偏執的にザクザクと刻まれるドライヴィング・リフに、完璧なテクの垢抜けたメロディック・ギターがスッと差し込む様は往年のそれに近く、思わず嬉しさに身を乗り出してしまう。
しっかし、ボーナストラックのカヴァーはさておき、"Shallow Grave" のあんまりにもあんまりな露骨で唐突な AC/DC 風味はなぜ???
ANNIHILATOR、しいては Jeff Waters の強みは、リズム感覚の非凡さ。ルックスの変貌振りとは裏腹に(苦笑)未だ健在なハイテク・ドラム振り見せつける Ray Heatmann といい、リズムに敏感な人のプレイはホント気持ちいいね。
運が悪くなければ MEGADETHPANTERA の地位を手に入れることが出来たバンドだが、まだ遅くはない。Jeff Waters のこのトーンがある限り、ANNIHILATOR は不滅なのだ。なんとかがんばってくれ! まだ微笑ましくも IRON MAIDEN 調の "Epic of War" みたいな佳曲が作れるじゃないか!(笑)

Jacket SYMBYOSIS 81
Crisis (2001)
超テクニカル・フュージョン・デス from お仏蘭西。
絶叫デス・ヴォイスと凄絶なる轟音ブラスト・ビートの荒波に、Michael Romeo 級にスムース&ファストなワールドクラスのテクニカル・プレイが奏でる美旋律の凪がスッと差し込む、秩序ある劇的な混沌。
そのテクニカルで濃密なアレンジが生む高揚感と整然としたクリアなプロダクションは、「デス風味のテクニカル・フュージョン」とも言えよう趣がある。
打ち込みドラムが原因となるダイナミクスの少なさに難はあるが、(打ち込みセンスは悪くないよ!)懐の深い万華鏡的サウンドはなかなかに楽しめるものだ。
あ、HEXENHAUS の 1st に通じる「アノ」味アリです。

Jacket SABER TIGER 81
Saber Tiger (2001)
北海の猛虎 SABER TIGER の9作目。
ここに来てやっとその猛々しいバンド名と釣り合いの取れてきた激烈へヴィ・メタルは、まさに「日本の VICIOUS RUMORS 」と呼ぶに相応しい(誉めすぎ/反省)風合いで、久保田 陽子 時代の呪縛を解き放つ会心の一撃。
より激しさを増したモノトーンな楽曲は、適度なメロディとへヴィ、スピーディ&スリリングな演奏が渾然となって攻撃を仕掛けてくる。
そんなメタル絨毯爆撃の最中に絶妙に切り込んでくる、御大 木下 昭仁 の、一動作たりとも無駄のないピッキング&フィンガリングによって構築されたソロはまさに芸術品。歌バックのリフは構築しすぎて日本人っぽさ丸出しだけどね。そして相変わらず、礒田 良雄 のロック・スピリット溢れるエネルギッシュなドラミングも見事の一言だし。
あ、DOUBLE DEALER では暑苦しさが目立って聴いていられなかった 下山 武徳 のダーティな絶唱ヴォーカルも、この轟音の中ではあまり違和感を感じないデス。でも数曲で明らかにフラット気味なのは何故?

Jacket MICHELLE YOUNG 80
Marked for Madness (2001)
美貌の実力派米国人女性シンガー Michelle Young の 2nd アルバム。
GLASS HAMMER のアルバムや CLIVE NOLAN & OLIVER WAKEMAN のコンビによる "Jabberwocky", "The Hound of the Baskervilles"、そして Magna Carta からの "Leonardo, The Absolute Man" といったストーリー性のあるプログレ作品への参加で知られる彼女らしく、本作は Clive Nolan をプロデュースに迎えて気合の入ったシンフォ作品に仕上げてきた。
英語圏バリバリの明快な歌唱に逆に違和感を感じたりする(狂笑)Michelle Young 嬢自身の、艶やかに張った堂々たる歌い上げからナイーブなソプラノ・ファルセットまで豊かな表情を見せる見事な歌唱が感情移入過多気味にシアトリカルに展開する音世界は、終始垢抜けた人工的シンフォニックさに塗りたくられた LANA LANEAYREON に通じるドリーミングな感触。
Clive Nolan 色の強い壮麗なアレンジは魅力的だが、それがやや冗長な展開を見せたり時に楽曲のメロディそのものの味わいを薄めてしまっているのでは?と感じられる欠点もアリ。
冒頭の "Marked for Madness" での Carl Groom によるゲロ泣きのギターは何度聴いても悶絶!

Jacket AMAROK 80
Amarok (2001)
Mike Oldfield の傑作のタイトルをその名に冠したこの AMAROK は、その名を知られたスペインのトラッド・ロック・バンドと同名異バンドで、ポーランドのマルチ・プレーヤ Michal Wojtas を中心としたランドスケープ・ミュージック・プロジェクト。
メロディを浮かび上がらせる女声スキャットが時折入りつつも基本的には泣きの旋律が穏やかに通り過ぎるインストゥルメンタルで、Mike OldfieldPink Floyd を引き合いに出されるその情景的なヒーリング・サウンドは、アコースティック・ギターとヴァイオリンの弦の響きが生み出す温かみに満ちた意外にも有機的な風景描写。
ドキュメンタリーのサウンド・トラックを思わせる感触ながら、たまに顔を出すロックなギターをはじめ、ポーランド産であることを全く感じさせないクリアで切れのいい音像の際立つリズミカルなプログレッシヴ・ロックの味わいもあって、単なる BGM には成り得ない引っ掛かりがあるのがイイ感じなんだよね。
贅沢を言うならば、この薄暮に広がる素晴らしい泣きのメロディは、聴く度に「あー、これでヴォーカルが入っていたら超悶絶なのになぁ・・・。」と思わせてしまうのがチョットだけ残念。

Jacket ICE AGE 80
Liberation (2001)
ニューヨークの4人組テクニカル・ハード・ロック・バンド ICE AGE の 2nd アルバム。
キーボード/シンガーを兼任する Josh Pincus を主軸に展開する Magna Carta 本流なプログレッシヴ・ワールドは、偏執的な変拍子の上でヘヴィ・メタリックなリフ・ワークやファストなユニゾン・プレイが自慢げに駆け回るいわゆる「DREAM THEATER 型プログレ・メタル色」を垣間見せる場面が多くも、直線的なボーカルが綴るアメリカのバンドらしいクリアなメロディが促す明快な味わいや聡明に跳躍するキーボードのポンプ・ロック風味が彩色した全体の空気からは ARENASAGA のそれに近いスタンスを感じる。
それぞれのメンバーは余裕かましながらスリルの演出が可能な手腕を持つまさにワールド・クラスの熟達さで、充実の演奏を存分に堪能することが出来る。そしてそんなツワモノ達が楽器の演奏以上に楽曲そしてメロディをアピールしようとしているのは痛いほど伝わってくるんだけど、その割には楽曲やメロディ自体がそこまで強力に迫ってこないのが惜しまれるところだね。
それにしても地味ぃなアート・ワークが損してるなぁ。。。CD トレイのファンタジックな Roger Dean 風イラストがジャケだったらトータルな印象がもうチョットまとまりやすかったのに。(ちなみにアート・ワークはすべてギタリスト Jimmy Pappas の手によるもの/驚) そしてインナーのメンバーショットの背景には二棟の貿易センタービルが聳え立っている・・・。

Jacket LACRIMOSA 80
Fassade (2001)
スイス産ヅカ(宝塚)・メタル(笑)LACRIMOSA の 7th アルバム。って、確かにメタル・リズムやディストーション・ギターが鳴る場面もまだまだ健在だけど、もう「ヅカ・メタル」と呼ぶべきではないなぁ。うーん、「ヅカ・ゴシック」にしとくか。(苦笑)
Tilo Wolff のイヤラシ〜い粘着ヴォイスに Anne Nurmi 姐御の艶々ソプラノが痴情を滲ませながら絡み付く耽美なる歌劇は、Spielmann-Schnyder PhilharmonieGerman Filmorchestera Babelsberg による本格的なシンフォニーを主軸とする、前作 "Elodia" 同様の路線を更に推し進めたもの。
大仰かつロマンティックに展開する一癖あるシンフォニック・ロックは、繊細な感情描写を静粛に見せるたと思いきや、次の瞬間には全楽器が一丸となって激情を吐露してみたりというダイナミクスに溢れたオーケストラに支えられてはいるが、その芯にしっかりと息づいているシアトリカルなアンダー・グラウンド・ゴシック独特の荒廃した空気を見出せるのがいいね。
作を重ねる毎にこなれてゆくその宝塚的な一般性は、本作では(音楽性は違うものの)一時の Alice Cooper に匹敵するに至っているかも。
それにしても "Ich verlasse heut' Dein Herz" で聴けたような号泣必至の哀切ギター・プレイが控えめなのが、ちょいと残念。ってゆーかカナリ残念。。。 だってオレにとっては前作での一番の聴きどころだったんだもの・・・。

Jacket CONSORTIUM PROJECT II 80
Continuum in Extremis (2001)
Ian ParryELEGY や Solo とは別に展開する 正統 Metal Project の2作目は、近未来社会を描いた SF Story Album。
周知である極上の Vocal と、それを盛り立てる Technical な 叙情 Guitar、豊潤な Symphonic Keyboard、そして安定した Rhythm が織り成す重厚で Dramatic な High-Quality Metal は、Melodic でありながら華のない Melody が続くコード感の希薄な楽曲の羅列がイマイチ面白みに欠けるかな。
そうなってくると、確実な実力を感じる Ian Parry の絶唱すら押し付けがましく感じてくるから、贅沢と言うか不思議と言うか・・・。
が、Guitar Mania としては Stephan Lill (VANDEN PLAS), Patrick Rondat (ELEGY・・・ってなんか変な感じ/汗), Thomas Youngblood (KAMELOT) ら3名の Guitars Play 自体は充分に聴きどころなんで、これはこれで善し。

Jacket MANIPULATED SLAVES 80
The Legendary Black Jade (2001)
大阪の Dramatic Thrash Metal Band MANIPULATED SLAVES の 2nd Album。
ドッカンドッカン&ザクザクと疾走する Brutal Metal に 叙情 Guitar が絡む「男泣きガッツ・メタル」第二弾は、全編に「一生懸命クサさ」漂うものの、まずは評判どおりナカナカの出来だ。
特に感じたのは、Death Voice 混じりに濁声で Melody を唄う Singer Hisayoshi Hiraga の醸し出す哀しみフレーヴァーの秀逸さ。Keyboard や 女声は最低限のおまけ程度に抑え、バンドの本質的な部分で「男泣き」を追求している姿勢には非常に好感が持てる。
そして IRON MAIDEN 風味満点の Guitar Work も◎。"Woman in the Ironmask" で聴ける泣きの Guitar Harmony は、正直胸にグッと迫ってきたよ。。。(泣)
あとは良い楽曲とちゃんとした録音だ! 期待!

Jacket DRACONIAN 80
To Outlive the War (2001)
仙一 My Love なドラキチ野郎であるという事実との相関関係は未だ解明されていないが、「DRAGON ホニャララ」ってな神々しき Band Name を冠する Band 群についつい過剰反応してしまう今日この頃(汗)、このちょっとした変化形の Band Name を持つ Spanish 80's Styles Kusare-Metal Band DRACONIAN も、当然のように GET だわさ。(竜童さん@HMF と呑んでる時に彼が本作を「本年度 No.1 かも!」と評するのを聞き、一瞬購入を躊躇したけどね/失礼笑)
Spain という出身国、上記のようにナイスな Band Name、ショボさが自慢の Artwork・・・パッケージから感知できるすべての要素が「ドグサレ」という狂人どもが泣いて喜ぶ Keyword を My 脳内に連想させるが、しかしこれがどうしたことか、意外にもしっかりした正統派 Metal ぢゃあないですか。
少々音痴の Singer が慣れない英詞を一生懸命に唄う魅力的な歌声こそ「Kusare-Metal」の看板に偽りナシだが、80年代的 Guitar Riff に彩られた欧州の哀愁漂う楽曲はナカナカ出来がよく、最近の Italian Metal よろしく Epic の香りを発散する Strings による Symphonic な味わいと、まろやかな Touch の Neo=Classical な Shrapnel 系 Guitar Work は、予想外の Quality の高さ。
Metal が Metal でしかなかったアノ時代の雰囲気を、今の技術を以って語り継ぐ好盤だ。

Jacket SILVER 80
Silver (2001)
Surprise! Surprise!! Surprise!!! Gary Barden is Back !

この SILVERCASANOVA, MAD MAXMichael Voss を中心に、無謀にも彼を Bass Player に押しやって Singer の座を奪うことに成功した(苦笑)Gary Barden、そして Bernie Torme, Don Airey 他という布陣の Super (?) Band。
音の方はそのメンツから想像できる通りの Adult な Hard Rock で、その楽曲からなんともタマラない哀愁を発散しているのが嬉しい限り。"Christine" って Killer な哀愁 Tune をはじめ各曲粒揃いだし、Band の Theme Song ともいえるだろう冒頭の "Silver" の Melody を引用した Epilogue "Silverous" で締めくくる構成の妙も見事だし。
その最大の功労者は、モチロン我らが Gary Barden。その深みに溢れた説得力のある歌声の素晴らしい Tone は相変わらずで、初期 M.S.G. 世代の我々としては悶絶せずにはいられないッスわ。本作を聴き進めるうちにまったく予期せず名曲 "Walk the Stage" の唄い出し部分が出てきた瞬間、背中の毛が総毛だったもの。やっぱ M.S.G. 最高!!
って、何の Review かわからなくなっちゃったけど(汗)、しかしアレだね、時は色々な事を忘れさせるね。だって Bernie Torme のザラついた Guitar の音色が生理的に NG だっての、忘れてたもの。。。

Jacket VAN EE 80
Powerplay (2001)
HIGHWAY CHILE ~ HELLOISE、そして AYREONIan Parry との活動もしているオランダ人 Drum Player Ernst van Ee の Solo Album。
一聴して Cozy Powell の影響を聴き取れる、彼自身の Powerful で Dynamic なドラミングを中心にしつつ、Robert Soeterbroek (AYREON), Stan Verbraak (HELLOISE) 両名の見事な歌唱を生かした「歌もの」の佇まいをも見せる Orthodox な Heavy Metal だ。
Guitar Player Peter MagneeSteve Vai っぽい Technical なフレージングも聴きドコロ。
ちなみに 2001 年 9 月リリース予定の HELLOISE の Coming Album "Fata Morgana" は、Robby Valentine, Lana Lane らを Guest に迎えてなんと Sascha Paeth の Produce だと! こりゃこちらも待ちきれませんな!
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追記;
この Review を読んだ Ernst van Ee ご本人様から連絡があり、下記 2 点を是非ぜひゼヒ書いてといてくれ! ・・・とのことです。(熱心・・・/汗)
1. 俺のサイトの URL は http://www.threnody.com/evanee/ だぜ!
2. この CD は Disk Heaven で買えるぜ!

Jacket LISA MISKOVSKY 80
Lisa Miskovsky (2001)
著名なスノー・ボーダーとしても活躍しているらしいスウェーデンのフィメール・ポップ・アクトのデビュー・アルバムは、Miffi さまお勧めにつき現地で買ってもらった一枚。
しかしこの Lisa Miskovsky 嬢の吐息交じりのキュートな歌唱は、ビューティ・ペア 中畑 清 ら(古ぅ/苦笑)スポーツ選手が片手間で歌うのとはあまりにも次元の違い過ぎる、人の心に迫る「何か」を持った本格派の佇まい。
リーダー・トラック "Driving One of Your Cars" の北欧ハード・ポップらしい哀愁、VALENTINE / VALENSIA、そして A.C.T に通じる軽やかシンフォ・チューン "Dallas Friends" のフォーキーな味わい、そして進化系ゴシックの風合いを見せる "Sad Lullaby" らの楽曲群は、モダン・ロックのグルーヴ&エッジに包まれながらも SPITZ 風味の郷愁が炸裂し、結果的に北欧の透き通った寒さが感じられる好感触。そして全編で図太くのたうつ Tony Levin 的ベース・ラインがなんとも印象的だなぁ。

Jacket IMPIOUS 80
Terror Succeeds (2001)
THE HAUNTED, THE CROWN 直系の、切れ味の鋭いスウェディッシュ猛爆デスラッシュ。
馬鹿馬鹿しいまでの激走アグレッションと、最低限ながら効果的なメロディの配分具合がセンスよくまとまった、漢クサい若々しさが魅力的なブルータル・コア・スラッシュ。
デス・ヴォイスのみならず時にハーモニー伴ってメロディをなぞるヴォーカルの爆発が逞しい、ついつい首がモゲそうになるほどのヘッドバングを誘発する爆走チューンのみならず、その緩急がドラマティックさを生むミディアムのパート&楽曲の充実も嬉しいね。
ピッキング・ハーモニクスを多用して随所にメロディックな装飾を組み込むギタリストは、バカテクではないものの持てる力を最大限に利用して丁寧にフレーズを織り込んでいく様子が非常に好感度高し。
そしてなんつってもスゲーのが、超速ブラストでも全くそのパワーを失わなず、グルーヴたっぷりのビート刻みとツボを得たフィルが嫌でも耳を釘付けにする驚異的ドラマー Ulf Johansson。その名は、たぶん近いうちに世界に轟くことになると思うよ。きっと。

Jacket RAGE 80
Welcome to the Other Side (2001)
Victor Smolski, Mike Terrana といった腕の立つ A 級演奏家達をパートナーに迎えた RAGE の新作は、かつての黄金時代を思い出させる RAGE 独特のアクを所々に塗しながらも、テクニカルでスムースなウェットなクラシカル・ギターと仄かなオーケストレーションを施したその普遍的なヘヴィ・メタルは、こりゃもう全く別バンドと言っちゃってもいいんじゃねーかっちゅー出で立ちだな。
Victor Smolski の丁寧なフィンガリングで綴られるドラマティックな煽情フレージングと Mike Terrana のアタックの強いパワフル&ファストな強力ドラミングが支える楽曲は、攻撃的なヘヴィ・メタルからドラマティックな組曲、そしてキャッチーでライトなポップ・チューンまで広い裾野を実感させるもので押し並べてよく出来ているが、こうなってくると表情に乏しい Peavy Wagner の声が俄然失笑の対象になってくるんだな。
そして組曲形式を含むとはいえ全18曲は多すぎだっちゅーに。

Jacket MISANTHROPE 80
Immoral Misanthrope (2001)
フランスの変態テクニカル・プログレッシヴ・メロディック・デス の重鎮 MISANTHROPE が、ネオ=クラシカル・デス方面のベクトルを強めて攻めてきた。
これまでの彼ららしい圧倒的な音密度と何でもアリの訳のわからんごった煮感を保持した上で、弾きまくりのギター&キーボードを壮麗なるシンフォニックな装いで包み込んだゴージャスでドラマティックな出で立ちは、CHILDREN OF BODOM 的な「直接的な判りやすさ」を芽生えさせている。
味でもあった独特のアクと深みはちょっと減っちゃったような気もするが、売りである Jean Jacques Moreac の驚愕のベースプレイは健在。

Jacket STEELWIND 80
Heaven's Calling (2001)
シンガー兼ギタリスト Kevin Humphrey を中心とする米国テキサスのメロディック・ロック・バンド。
若々しくマイルドな甘い歌声、泣きの弾きまくりギター、そしてナイーヴなコーラス・ハーモニーは DOKKENJOSHUA に代表される US 哀愁メロディック HR の王道は、我々30歳以上の中年メタラーにはツボ過ぎ。
全曲が凄いわけではないが、哀愁のツインギターが PRAYING MANTIS 真っ青のトチ狂ったイモ臭さを発散しながらむせび泣く "In the Name of Love"、そしてバラード "Hold on to the Cross" は、どこに出しても恥ずかしくないキラー・チューンだ。
しっかしこのバンド、バンド名と音とルックスとのギャップがあり過ぎ。だってただの田舎オヤジ軍団なんだもの。(苦笑)

Jacket CASUS BELLI 79
Mirror Out of Time (2001)
ギリシャ出身の欧州様式系ヘヴィ・メタル。
中心人物であるギタリスト Panos Arvanitis のネオ=クラシカル・プレイを軸に、それぞれ業師揃いなプレーヤ達が自らの技を鬩ぎ合わせながら、全体としては実に聴きやすいメロディック・メタルを展開している。
Graham Bonnet を彷彿させるちょいとガナリ入った少々暑苦しい系の歌唱、曲によってはカナリドタバタ気味にずれまくるリズム・セクション、そしてアマチュア臭いプロダクション・・・と、少なくないファクターが「辺境メタル」たる垢抜けないマイナーさを確実に発散しているが、この妙に懐かしさを感じるサウンドは意外や意外に魅力的。
ユーロ・スピード・メタル系疾走チューンからややブルーズ・ベースの跳ねるハード・ロック、そしてバラードまで様々なタイプの楽曲は、それらを難なくこなす間口の広さが逆にこのタイプの器用なバンドが陥りやすい焦点のボケ具合を晒しているが、「プログレッシヴ」とまでは行かないまでも、絶妙なテンポ・チェンジやメンバ各人の技量を生かした(特にベースの Fotis Anagnostou は、引出しの多そうな相当なテクニシャン!)興味を引くテクニカルな仕掛けもあってナカナカ聴き応えあり。
そしてやはり始終耳を惹くのは Panos Arvanitis の素晴らしいギター・パート! エモーショナルなフィーリングたっぷりのリズムの粒の揃ったネオ=クラシカル・プレイは、 Andy LaRocque かはたまた Steven Anderson かという泣きの構築美を見せているんだもの。タマランっすな。
クラシカルなイントロに続くお約束の疾走チューン "Mirror Out of Time" は Killer !!

Jacket CHALICE 79
An Illusion to the Temporary Real (2001)
オーストラリア産という、南半球に生息する数少ないフィメール・ゴシック・メタル・バンド CHALICE が生きていた。
2nd アルバムとなる本作では、前作のメンバー・ショットではパンク風退廃ファッションだったキュートなロリシンガー(兼 Key)の Shiralee 嬢の装いが未だちょいボンデージ風味ながらややシックで女性的なものに変貌し、それとともにもう一人の女性メンバーであるフルート奏者 Alana 嬢のアダルトな美貌にもスポットを当てるという嬉しい作戦を遂行している。
あ、音の方は(苦笑)、Shiralee 嬢のやや気だるげな中音域から天空ソプラノまで幅広くカヴァーする未完成ながら魅力的な可憐なる歌唱が映える前作同様の北欧系美旋律ゴシックで、Alana 嬢がの吹くリード・フルートとネオ=クラシカル風味の豊潤な美旋律ギター・ワークの絡みが醸し出す優雅な泣き風味の発散センスには唸らされるばかり。「暗黒系」ならではのダークな雰囲気も良いしね。
ただ楽曲的には、メロディ/アレンジに前作ほどの閃きが感じられないのが正直なところかな。楽曲の重みを削ぐチープなドラムの音色も非常に残念。
それでも彼らの作る音楽の雰囲気はなかなかツボなお気に入り加減なので、もし生き残って次作も出せたら、またまた期待に胸を膨らませつつ買うっスよ!

Jacket MOONLIGHT 79
Yaishi (2001)
前作 "Floe" の驚きの充実が印象的だった、ポーランド産女声ゴシック・バンド MOONLIGHT の 6th アルバム。英語盤とポーランド語盤が両方あったんだけど、一瞬たりとも迷うことなくポーランド語盤を GET。
ワールドミュージック的な風合いの垢抜けさ加減を感じさせた前作より些かマニアックな感触の本作は、ユーロな慕情漂うデジ=ポップや、静謐なる耽美ゴシック・チューンといった美しい側面は勿論、典型的プログレ・ゴシック・メタルや執拗な反復がトリップを誘うサイケデリック・ドゥームな楽曲まで、全てがアンダーグラウンドなマジックに包まれている。
ポーランド語がそうさせるのかどうかは定かぢゃないが、東欧美女 Maja Konarska お姉たまのアンニュイかつコケティッシュな官能的歌唱が異国情緒満点でタマンネーんだよね。
メロディの即効性にはやや欠ける嫌いがありながらも、後半から終盤 "Jesugej von Baatur" 〜 "∞" 〜 "Nic" 〜 "Gebbeth" にかけてのドゥーミーな暗黒美がじわじわと染み込む快感は捨て難いものがあるんだよなぁ。

Jacket CALLING (THE) 79
Camino Palmero (2001)
L.A. 出身のカレッジ系ヤング・アメリカン・ロック・バンド THE CALLING のデビュー盤。
普段この手のモノにはあまり興味を示さない真性厨房なオレ様にすらこのCDをレジに運ばせたその魅力は何かと問えば、それはずばり「哀愁のメロディ」。
軽めのグルーヴが程よく身体を揺らす、米国の若い世代独特の退廃&荒涼感と瑞々しい躍動感が交錯するシンプルなパワー・アコースティック・スタイルの楽曲は、大陸的に広がりながら決して悶々としない乾いたメランコリーがそのメロディに巣食っている。
オープニングの "Unstoppable"(「force」 は付かないよ!>メイニヤ諸氏/笑)で耳に飛び込んでくるよく泣くギター、そしてリーダートラック "Wherever You will Go""Things don't Always Turn Out that Way" での哀愁メロディのように即効性のある泣きパート以外でも、一聴すると平坦なアメリカン・ロックに聴こえながらもその水面下でボディ・ブローのように仄かな泣きを効かせてくる方法論は、ちょいと前に聴いた LIFEHOUSE と比較されることも多いらしいが、それもよく解る解る。
グッド・ルッキンなシンガー Alex Band がロングトーン部分で見せる声のくぐもらせ方に少々違和感を感じたり、全体的に妙に薄味なのが物足りなかったりもしながらも、こーゆーのは捨て難いんだよなぁ。うん。

Jacket DIABOLIQUE 79
The Green Goddes (2001)
ドゥーム・デス・メタルを演っていた初期の頃には Daniel Erlandsson(現 ARCH ENEMY, ARMAGEDDON)も在籍していたことがあるというこのスウェーデンは Gothenburg のバンド DIABOLIQUE だが、本作にはもはやその面影はなく、「エレクトロ・ゴシック・ニュー=ウェーヴ」とでも形容できそうな非常にポップな音を作り出している。
808系のリズム・ループや気だるいキーボードを配したその音作りこそ、自分が許容する範囲ギリギリの線上で危ういバランスを取っている・・・ってかなりイッちゃってるレベルながら、素の楽曲そしてメロディはコリャなかなか魅力的。
主に耳触りの良いソフトな男声で歌われる、その辿ってきた歴史が滲み出させる(推測/苦笑)暗黒系独特の耽美な香り漂うメランコリックな旋律は、キャッチーさを感じさせながらも内向的な陰鬱さをたっぷりと発散しているので、バックでピコピコやっててもあまり気にならない・・・ってゆーかむしろ心地よかったりするから慣れって怖いな。。。 今やメロディック・ロックとして楽しめすらするし。
そしてやっぱりキモなのが、ゲストの女声シンガーとのデュエットの美味しさですわ。ラストの "Substancer (Emperess of Flowers)" なんて、マジでタマンないものなぁ。

Jacket STORMHAMMER 79
Cold Desert Moon (2001)
新たに Tommy Lion なる Switzerland 出身の男を Singer の座に据えた German Pure Metal の2nd。
漢臭いヘタウマ Vocal と古臭い手法の哀愁の Twin Guitar が欧州の叙情を醸し出す程よく疾走する伝統的な欧州 Metal は、前作と同様に Variation 豊かな作風でありながらも遥かに的が絞れてきた感があり、一聴して「おぉっ!」と感嘆の声を上げてしまった。
ただ、Arrangement の単調さは相変わらずで、ショボめの Production も手伝ってなかなか没頭することが出来ないのもまた事実。この限りなく C 級に近い B 級欧州 Metal の味わいは捨てがたいものがあるんだけどねー。

Jacket JOE LYNN TURNER 79
Slam (2001)
Akira kajiyama がプレイ/作曲ともに前面参加っつーことで、オレ的には勝手に後期 RAINBOW 風味を期待していたんだけど、蓋を開けてみたら何のことはない、そこにあったのは、Akira kajiyamaRitchie Blackmore 風味の引っ掛かる Fingering を塗しつつも近年の Joe Lynn Turner が標榜している Dry に Drive する Blues Base の Hard Rock だ。まぁ冷静に考えれば順当な路線だわな。
内容も、前作の充実にはほど遠くも、まぁ悪くはないじゃん。生き生きと Hard Rock する Joe Lynn Turner の歌唱からは相変わらず凄みが伝わってくるし、Akira kajiyama の Guitar Play も、前作での Super Play と比較するとやや精彩を欠いた感がありつつも、随所でグッと来るシーンを作り上げているし。
特筆すべきは Akira kajiyama の作曲能力で、後期 RAINBOW が受けていた America の影響を同様に受けているのがなんとも興味深い。ここまで本場っぽい「捨て曲感」たっぷりの Dry な American Hard Rock を作れる日本人なんて、そうは存在しないものなー。嫌味ぢゃなく、マジでいい意味でね。(伝わるかなぁ/心配) ただ、本作ではまだ結実していない印象だけどね。
でもさ、"Heart of the Night" 一曲では物足りんのよ。判っちゃいるけど、オレは Joe Lynn Turner には "I Surrender PartII", "Magic PartII", "Stone Cold PartII", "Tearin' Out My Heart PartII", "Street of Dreams PartII"、そして "Can't Let You Go PartII" を演って欲しいのだ! そして Akira kajiyama との Collaboration ではそれが可能だと信じているのだ!
頼む!梶さん!(そしてコレを読んだ Pony Canyon の担当の方!/苦笑)・・・なんとか次作ではそっちの方向で検討していただけないでしょうか・・・?(懇願)

あ〜ぁ、こと RAINBOW 関連に関しては、自分の Back to Past な考え方がホントにイヤになるなぁ。いかにも Burrn!(アンチ正統メタル雑誌)的で!(自己嫌悪嘲笑)

Jacket BLINDMAN 79
Blindman (2001)
本作発売直後に行われた Tour 初日の Show では、実力派 Live Band たる流石の Live Performance でオレの身体と頭を見事に揺さぶってくれた BLINDMAN だが、長年の努力が実りめでたく Major Label からの 配給となった(祝!)3rd Full-Length Album となるこの銀板には、残念ながらそんな彼らの魅力が存分に詰まっているとは言い難いんだなー。。。
Blues Based の 正統的唄モノ HM/HR に、日本人好みの(つーか歴史的に血に刷り込まれている)Instrument 主導の様式的な Approach を施した High-Quality な Hard Rock は、その Blance が吉方向に転んだ時には絶大な高揚感をもたらしつつも、楽曲によっては見事なまでに凶方向に・・・。各楽曲の自体は、心に迫る非常に魅力的な骨格を持ち合わせた文んッ句なく上質なモノなのは確かなんだけど。
そして、どうにも発散しきれていないもどかしさを感じるんよ。それは、前述したその両面を担うそれぞれの Member である、Emotional Singer Manabu TAKAYA と Technical Guitar Player Tatsuya NAKAMURA が、お互いにいい意味での Ego で主張しつつも変なところで遠慮しあってると勘繰らせるような妙な「くすぶり感」。
個人的には、Smooth で Sophisticate された Play を聴かせる Tatsuya NAKAMURA, Tatsuya TODA 両名の弦楽 Combi に、Manabu TAKAYA に迫る荒々しい「トゲ」が出てくると面白いと思うんだけどな。特にちょいとお行儀が良過ぎる感のある後者にね。
看板 Singer、Manabu TAKAYA の Soulful な熱唱は、本作では意図的にかどうか不明だがコレまで彼を語る際に必ず付いて回った「Devid Coverdale 風」の Essence が封印気味で、一聴して感じ取ることのできるその暴力的な「粗さ」を伴った擦り傷が出来そうな Melody は、Algy WardTANK を思わせる(苦笑)風合いだ。ま、「ヲトコ泣き系」ってことでは一緒かな。(無理やりぃ)
元々の資質の高い Band だけにコレで終るはずもなく(と、期待したい)、Live Show で魅せてくれている自身の魅力を上手く封入する Know-How を身に付けて、今後何作目にかはわかんないけれど、いつか素晴らしい Album を作って欲しい。期待!

Jacket VARIOUS ARTISTS 79
A Tribute to ABBA (2001)
NUCELAR BLAST が贈る、偉大なる北欧ポップ・アーティスト ABBA のトリビュート・アルバム。
その、後の北欧メタルに共通する哀愁のメロディは、これまでも多くのメタル・バンドがカヴァーの題材として取り上げてきたが、こうしてまとめて聴いてみるとなるほど ABBA は実に「メタル向き」。SINERGY のヴァージョンなんかはホントにカッコイイもの。
本作には既にボーナストラックなどで発表済のトラックも収録されているが、14 曲中 9 曲は本作にて初めて発表されるヴァージョンなのも嬉しいね。
収録曲は以下のとおり。

1. THERION --- "Summer Night City" (*)
2. METALIUM --- "Thank You for the Music" (*)
3. SINERGY --- "Gimme! Gimme! Gimme!" (*)
4. AT VANCE --- "Money, Money, Money"
5. MORGANA LEFAY --- "Voulez-Vouz"
6. PARADOX --- "S.O.S." (*)
7. ROUGH SILK --- "Take a Chance on Me" (*)
8. SPIRAL TOWER --- "Chiquitita" (*)
9. SERGANT FURY --- "Eagle"
10. FLOWING TEARS --- "One of Us" (*)
11. NATION --- "Waterloo"
12. CASTARD --- "Super Trouper" (*)
13. TAD MOROSE --- "Knowing Me, Knowing You" (*)
14. GLOW --- "Dancing Queen"

  (*) = 本作にて初めて発表されたもの

Jacket GRAND ILLUSION 79
The Book of How to Make It (2001)
北欧ハード A.O.R. オヤジ軍団 from スウェーデン。
微妙にハスキーながらクリアな超ハイ=ノートまで見事にカヴァーする米国的明確さを備える安定 A.O.R. ヴォイスと、持ち合わせたその透明感を助長するコーラス・ハーモニーが映える楽曲は、所々で哀愁のフックを絡ませてはいるものの主には爽快さを前面に配した結構淡白なもので、ウェストコースト A.O.R. を思わせる雰囲気大。
完成度こそ信じがたい程の高さを誇るものの、その叙情メロディからは北欧独特の温度の低さを感じさせるメロメロの叙情ロマンティシズムではなく、「アッサリした大陸的なマイナーメロディ」程度のものしか感じられず、残念ながら(勝手に)期待した「北欧哀愁ミュージック」ではなかったなー。
TOTO 的な凝ったリズムの洗練された仕掛けは魅力アリだけどね。

Jacket ORIGINAL SOUNDTRACK 79
Rock Star (2001)

映画「Rock Star」のサントラ。

1. Rock Star (EVERCLEAR)
2. Livin' the Life (STEEL DRAGON)
3. Wild Side (MOTLEY CRUE)
4. We All Die Young (STEEL DRAGON)
5. Blood Pollution (STEEL DRAGON)
6. Livin' on a Prayer (BON JOVI)
7. Stand Up (STEEL DRAGON)
8. Stranglehold (TED NUGENT)
9. Wasted Generation (STEEL DRAGON)
10. Lick It Up (KISS)
11. Long Live Rock n' Roll (STEEL DRAGON)
12. Devil Inside (INXS)
13. Colorful (VERVE PIPE)
14. Gotta Have It (TREVOR RABIN)

劇中バンド STEEL DRAGON のメンバーは Mark Wahlberg (vo), Zakk Wylde (g), Jeff Pilson (b), Jason Bonham (dr) だが、音源のヴォーカル・パートは Michael MatijevicJeff Scot Soto が担当。  (Oct, 02, 2006)


Jacket WITHERING SURFACE 78
Walking on Phantom Ice (2001)
ツイン・ギター&キーボードの6人編成のデンマーク産メロディック・デス・メタル・バンド WITHERING SURFACE の、日本盤でもリリースされた2枚のアルバムに続く 3rd アルバム。
専任キーボード・プレーヤがいながらも鍵盤の音色はホンの味付け程度に、やや落ち着きめの絶叫ヴォイスから低いグロウルまで様々なデス声で威圧しながらサビでは濁声ながらしっかりとメロディを綴る歌声と、それに呼応するように常に哀愁のテーマ・フレーズを奏で続けるギターが、小気味良く手数を繰り出すダイナミックなドラムに乗って作り出すコンパクトにまとまったヘヴィ・メタルは、IN FLAMESSOILWORK の中間に位置する風合い。
その2バンドに通じる路線に一連のフィンランド系明快ノリノリゴシックの味わいも少々加えつつキャッチーに展開する楽曲は、ぷんぷんと香り立つロック・バンドとしての腰の据わった生々しいダイナミクスが魅力的。ギタリスト Allan Tvedebrink による、有機的なエモーションを纏ったテクニカル・ギター・ソロもバンドの看板としてカナリ美味しい。
ただ、プレイの質も高いし一曲一曲は良く出来ているが、決め手の曲に欠けるせいかどうにもアッサリと薄味なのが、やや物足りないかな。聴いていて気持ちのよいアルバムなのは確かなんだけど。

Jacket MASI 78
Eternal Struggle (2001)
米国で活動する Venice 生まれのイタリア人ネオ=クラシカル・ギタリスト Alex Masi の 7th アルバム。
本作は97年の "The Watcher" 以来久々の MASI 名義(としては4作め)ということで、純粋なクラシック作として話題になった前作 "In the Name of Bach" とは意を異にする初心の立ち戻ったかのような歌モノの楽曲を中心に展開している。
腕に自慢がありながらも近年のメタル・シーンには疎いギタリストが、80年代で成長がストップしてしまった作曲センスのままに綴った楽曲は、しっかりと80年代の L.A. メタルをも吸収した耳あたりの良いネオ=クラシカル・メタルで、SCORPIONS"I'm Leaving You" を想起させる "All I Want" なんかは、哀しいかなメチャメチャオレの心にアピールしてくるやんけ。(苦笑) まぁもともと歌モノ作るの上手い人だでな。
Alex Masi 自身のプレイも、深くアーリー・リフレクションがかかった独特の空気を孕んだ音色でのウォームなタッチのスリリングなファスト・プレイは色褪せることなく魅力的で、星の数ほどのネオ=クラシカルギタリストの中でも数少ない Yngwie Malmsteen 系のさらにその中においても充分に個性的。
ただこの人、レコーディング・センスが少々欠けているんだよなぁ。本作でもせっかくのイイ曲が稚拙なアレンジ(というよりオーバーダブのショボさ)で惜しい!ってな場面が頻発してるし・・・。
そんな中で、儲けものなのはシンガー Kye Michaels の歌唱。アグレッシヴさをマイルドに包み込んてブルージーな節転がしで調理したその kelly Keeling 的な歌唱は、なかなか聴き応えアリ。

Jacket VOLCANO 78
Davi (2001)
GARGOYLE ~ ANIMETAL のギタリスト 屍忌蛇 率いるメロディック・ヴァイオレント・メタルの 2nd。
IN FLAMES 風のギター・プレイがズバリの北欧叙情デス調メタルから、グルーヴするデス・ロール風、そして 70 年代的フレーヴァーを持つ曲まで想像よりヴァラエティに富んだ内容だが、どの曲でも 屍忌蛇 の泣きフレーズ、泣きタッチ、そして泣きハーモニーで構築されたセンスの良いソロ・ワークが楽しめる。特にゲストの 厚見 怜 のオルガンが鳴り渡り、屍忌蛇 がそれに応えてコレでもかと泣かせにかかる泣きメタルチューン "Child Eyes" は出色の出来だ。
シンガー Nov は迫力ある濁声でメロディを綴っているが、ホント日本ってこのスタイル多いね。英語もイマイチだし声も正直あまり好みじゃないけど、何かスペシャルなものを持つシンガーだってのは、ひしひしと伝わってくるわ。うむ。

Jacket KING DIAMOND 78
Nightmares in the Nineties (2001)
「ヤバイ! コレ、みた事ない。」と裏のクレジットも見ずに(汗)即買いしたが、何の事はない MASSACRE RECORDS 移籍後の 4 作 "House of god", "The Graveyard", "The Spider's Lullabye", "Voodoo" からセレクトされた、すべて既発曲を収録したベスト盤だった。
え? 後悔? 全然するわけないぢゃん! King 様 にお仕えする者としては当然の務めでしょう!(狂/苦笑)
でもさ、KING DIAMOND も全盛期過ぎちゃって、最近の作品は忠誠心で揃えつつ、アルバム中の些細なところに喜びを見出して自分を満足させていたところがあったんだけど、こうして改めて聴いてみるとやっぱ結構イイぢゃんね。さすが King 様!(意味不明/笑)

ちなみに Track List は以下のとおり。

1. From the Other Side (*)
2. Waiting (@)
3. The Exorcist (#)
4. Eastmann's Cure (*)
5. Just a Shadow (+)
6. Cross of Baron Samedi (#)
7. Trick or Treat (@)
8. One Down Two to Go (#)
9. Catacomb (+)
10. Six Feet Under (*)
11. Lucy Forever (@)
12. The Trees Have Eyes (+)
13. LOA House (#)
14. Peace Of Mind (+)

 (+): Taken from "House of god"
 (@): Taken from "The Graveyard"
 (*): Taken from "The Spider's Lullabye"
 (#): Taken from "Voodoo"

Jacket FORSAKEN (THE) 78
Manifest of Fate (2001)
Tommy Tagtgren と共に THE ABYSS STUDIOS で創り上げられたスウェディッシュ・ブルータル・デスラッシュの新鋭 THE FORSAKEN のデビュー作は、AT THE GATES ~ THE HAUNTED 系の整然とした激情と MORBID ANGEL の荘厳なる獰猛さを併せ持った、クオリティの高い強力な一枚。
剛健に疾走する超テク・ブラスト・ウェーヴに乗って、ザクザクした切れ味の鋭い角張ったスラッシュ・リフの上で奔放に踊る程々にテクニカルなツインギターが発するメロディックで硬質なスリルは、なかなか聴き応えアリ。
健闘しているプレイの質に比べて、本作では「悪くない」といったレベルに留まってしまっている楽曲の今後の出来次第では、次作以降ではブレイクするかも・・・と思わせるに十分なポテンシャルを持ち合わせた好盤。

Jacket FINAL CHAPTER 78
The Wizardqueen (2001)
ドイツ産、男女ツインヴォーカルのちょいクサ・シンフォニック・スピード・メタル。6曲入りミニ。
鍵盤奏者がメインで仕切りを担当したそのサウンドは、華麗にシンフォニックに疾走するまさにイタリア系のアノ雰囲気で、ブチ切れそうにパワフルな女声 Vo に圧倒される。
プレイ/音質ほか、総じてカナリチープな造りながら全体の雰囲気は良好で、ドラムビートの小気味良さと、音からビンビン伝わってくるメンバーの「これが好きなんだ!」という気合いが、来るべきフルアルバムへの期待を抱かせるに十分。

Jacket AVRIGUS 78
The Secret Kingdom (2001)
98年のデビューミニが超良かったオーストラリアン男女による女声ゴシック・プロジェクトの待望の(つっても忘れてたけど/汗)初フルレンス。
中世世界の幽玄なる暗黒美麗世界を宗教的荘厳さたっぷりに大仰に描く、ELEND 的アトモスフェリック・インスト・パートに大幅に注力したため、魅力であった熟女シンガー Judy Chiara の歌うメロディの儚い泣きが背景に埋没しかけてはいるものの、ピアノをバックにして歌われるそのまま闇に消え入らんばかりの愁いの旋律のキかたは、さすが尋常ではないオーラを放っている。
反面、多数を占める背景描写部分が「まぁ悪くない」ってレベルに留まってしまっているだけに、歌のパートの少なさがますます物足りないな。

Jacket STEEL PROPHET 78
Book of the Dead (2001)
アメリカの IRON MAIDEN 型正統パワー・メタルの 7th アルバム。
叙情的なツイン・ギターと情感溢れるハイ・トーン・ヴォイスが心地良い、相変わらず高品質な作品。

Jacket AXAMENTA 77
Codex Barathri (2001)
ベルギーのメロディック・ブラック・メタル・バンドの 1st フルレングス・アルバム。 整合感のあるメタル・リフの上をシンフォニックなキーボードが転がり、ピアノやアコギでの叙情の塗布も忘れない実に叙情的でドラマティックなスタイルは、DIMMU BORGIR からブラストを抜き去りさらに正統メタル寄りにしたかのよう。
まぁそう書いちゃうとメッチャ凄そうに思えるけど、実際には今一歩何かが足りない感じ。それでも、しっかりとした「芯」の存在を感じるやり過ぎない実直な創りは、このバンド AXAMENTA の将来が明るいことを CD を聴くこの身にはっきりと伝えてくるんだけどね。正直、悶絶を誘う魅力的なパートの割合は多い方だと思うし。
プロダクションも良いとは言い難いものの、ミステリアスかつファンタジックな本作の魅力的な部分を楽しむには十分に悪くはないレベルではあるんだけど、力なく喚く情けないデス・ヴォイスが聴いててちょっと辛い感じ。
特に出来の良い #2 "Beyond the Haunting", #8 "Through the Scarlet Forever" などの楽曲は、もう一つ何かを突破すればメジャーどころを含めたデス・メタル・シーンにおいて広く「名曲レベル」と認識されてもおかしくない程の構成力を見せている。ってゆーかそれだけに「あと一歩」が足りないのがスッゲー惜しいな。
次作にチョー期待ッス!

Jacket SCARR (THE) 77
Animalenemy (2001)
この THE SCARR は、THE SINS OF THY BELOVED, TRISTANIA などの作品でメロメロの泣きまくりヴァイオリンを弾き倒していたノルウェーのヴァイオリン・プレーヤ Pete Johansen の主宰するプロジェクト。ここでは自らを The Scarr と名乗り、ヴァイオリンはもちろんヴォーカルを始め様々なパートを自身でこなす鬼才ぶりを見せ付けている。
が、その音楽性はうねり泣くヴァイオリンはもちろんピアノや女声も配されたゴシック・・・には間違いはないのだが、その実態は力強いモダンなデジタル・ビートが打ち鳴るモダンかつアグレッシヴなネオ=ゴシックで、これまでの彼の経歴を鑑みて受ける期待とは少々異なるものだった。。。
そうは言っても、壮麗でカラフルなアレンジメントと程々に抑えながらもやっぱり漂う耽美ゴスの香りが効いたキャッチーなメロディが担うポップ・フィーリングすら感じる楽曲はなかなか美味しくて、十分に楽しめるものだった。
特筆すべきは Pete Johansen 自身のヴォーカルで、ミステリアスなウィスパー、しっかりとメロディを歌う攻撃的な濁声からデス・ヴォイスに至るまで、適宜エフェクトを含ませながら様々な表現を吐露する芝居がかった歌唱は見事。

Jacket ENSOPH 77
Bleeding Womb of Ananke (2001)
女性フルート奏者を含む6人組イタリアン発狂暗黒ゴシック ENSOPH のデビュー盤は、重大犯罪を犯した者の部屋から本作が発見されれば精神鑑定で無罪はほぼ確定っつー趣の変態音楽。
土台のしっかりしたメタル・パートに支えられた、多種多様な音色やエフェクトの飛び交うアシッドな暗黒シンフォ・ニュー=ウェーヴィ・ゴシックは、押し潰した甲高い絶叫から摂り憑かれたようなウィスパーまでを駆使する呪術的男声ヴォーカルと、ゲストの女声ヴォーカルが交歓する、演劇的要素の濃い混沌世界。
不協和音が調和を掻き乱す傍らで、ピアノやフルートそしてツイン・ギターによる美旋律がしっかりと息衝く圧倒的に濃密な空間は、息苦しくも心地よいんだな。
EBONY LAKE 真っ青ッス・・・・凄いッス。(汗)

Jacket SHYLOCK 77
Pyronized (2001)
KING CRIMSON クローンと呼ばれた 70's フレンチ・プログレ・バンド・・・の SHYLOCK ではなくて(笑)、この SHYLOCK はドイツ産メロディック・ハード・ロック・バンドで、本作は 2nd アルバム。
確かなエッジの立つハード・ギターをストリングスの柔らかな装飾で包んだ落ち着きのあるメランコリックな欧州ハード・ロックは、プロデュース/エンジニアも務めるバンドの中心人物であるシンガー Matthias Schenk による、端々でストロングさを演出しながらも甘口な耳触りの歌唱で歌われるキャッチーな哀愁のメロディを主軸に据えたスタイルで、方々で言われているように確かにこりゃ超 JADED HEART タイプ。(苦笑)
ただ、楽器演奏陣のプレイは本家の充実振りには遠く及ばず、その惜しい感じの垢抜けなさが感情移入を妨げ気味。
とはいいつつも、ラスト2曲 "Another Lonely Night", "Freedom Rising" の切ない泣きの応酬には、ついついグッと拳を握り締めてしまうんだけどねー。

Jacket NATHAN MAHL 77
Heretik Vol.II (2001)
CAMEL の Tour Keyboard Player としても知られる Guy LeBlanc 率いる Canadian Progressive Rock Band による、世間の不条理な体制への反逆を描く Heretik 3部作のうちの2作目 は、Classical かつ Symphonic に攻めまくる Keyboard がリードする E.L.P.、ひいては Par Lindh Project に通じる、Dramatic な Art Rock。
Hard な Guitar が絡む Thrilling な Technical Part(つっても Jazz / Fusion 風味なんだけどね)もありーの、もろ GENTLE GIANT な変拍子攻めもありーので嬉しくはあるんだけど、Vocal が余りにも添え物的な位置にあるせいか、その冗長な構成が退屈に感じてしまうこともしばしば。ワシがプログレ者として未熟なだけかもしれんが・・・。

Jacket FALCONER 77
Falconer (2001)
惜しくも解散してしまったヴァイキング・デスの最高峰 MITHOTYN の中心人物であったギタリスト Stefan Weinerhall が、盟友のドラマー Karsten Larsson とともに新たにスタートさせたヴァイキング・メタル・バンド FALCONER の、METAL BLADE が総力をあげてプッシュするデビュー作。
MITHOTYN の哀しみのヴァイキング精神を継承しつつも明らかに異なるのは、シンガー Mathias Blad の熱き普通声。Messiah Marcolin (ex.CANDLEMASS)を彷彿させる低~中音域でのこもりつつも憂いある熱唱が TYTAN や第二期 ANGEL WITCH のアノ雰囲気を醸し出すことから、そのサウンドは思いのほか N.W.O.B.H.M.的な懐かしい味わいに溢れている。
だけど、予想外のフォーキーな叙情の充実に「うむっ!」ってな嬉しさを覚えながら、イマイチハジけの足りない類型的なヴァイキング具合に歯痒さを感じてしまうのもまた事実なんだよなー。

Jacket ARISE FROM THORNS 77
Before an Audience of Stars (2001)
現在では既にその名を BRAVE と改めている、米国ヴァージニア産の女声アコースティック・プログレッシヴ・ゴシック・フォーク・バンド ARISE FROM THORNS は、エピック・ドゥーム・バンド WHILE HEAVEN WEPT のメンバーで、かの(苦笑)TWISTED TOWER DIRESOLSTICE にも在籍した経歴を持つ Tom Phillips のプロジェクト。本作は、1999年リリースのアルバム "Arise from Thorns" にライヴ&ボーナス・トラックを追加してリ・リリースした作品だ。
女性シンガー Michelle Loose のその容姿同様にふくよかさと同時に繊細さを持ち合わせた歌唱が舞うトラッド/フォーク的風合いの強い楽曲は、ほどよく複雑に交錯する各楽器の演奏と時折見せるユーロ・ゴシック調のメランコリック・シンフォが発散する陰鬱さが手伝ってか、アコースティカルで純朴な空気の中にそれと相反する暗く冷たいものが光る、意外にも FATES WARNING を思わせる雰囲気。
他所ではなかなかお目にかかれない不思議なムードは、ナカナカ聴き応えアリ。

Jacket SKYFIRE 77
Timeless Departure (2001)
Web サイトでサンプル聴いて以来、輸入を心待ちにしていたスウェディッシュ・シンフォ・デス SKYFIRE が、予定よりやや早めに入国。
・・・が、期待がデカ過ぎたかな。ややテクニカルな正統 HM リフ上でゴージャスに鳴り響くシンフォ・アレンジを身に纏った、落ち着きのある楽曲は紛うことなくハイ・クオリティなんだけど、どうにもイマイチ響いて来ない。
ゲーム・ミュージックっぽさをも感じさせるシンセの作りこみのチープさや、色気が希薄な絶叫デス・ヴォイス(求めるなって/汗)のせいもあるのだろうが、つまるところは一本調子な平坦さが目立つ曲作りのセンスなんだろうな。
まぁ、とはいっても、プレーヤの派手なプレイはないものの質の高い CHILDREN OF BODOM 系の過剰なまでに壮麗なメロディック・シンフォ・デスには間違いないので、誤解なきよう。
ま、メンバー相当若そうなので、今後に期待ですな。無理のない変則リズムでのプログレッシヴさの封入で「おっ」と思わせるところもあるし。

Jacket TAD MOROSE 77
Undead (2001)
北欧ダーク・メタルの中堅バンドの久々の新作。
硬質なパワーと巧いシンガーがしっかりと謳い上げるメロディックな劇的旋律が織り成す、ICED EARTHWARRIOR に通じるツイン・ギターを配した正統派 HM は、柔剛のバランスの取れたプレイ/サウンドともに非常に高品質な一品。
ただ、やや緩急に欠ける振れ幅の少ないドラマの構築法が「飽き」を誘うの場面があるのは否めないなぁ。

Jacket ANOREXIA NERVOSA 77
New Obscurantis Order (2001)
フランスの CRADLE OF FILTH タイプ。2nd。壮麗なオーケストレーションを纏った超絶に暴虐なエクストリーム・ミュージック。質は極上だがちょっと飽きるかも。

Jacket DESDEMONA 76
Stagnacja (2001)
ポーランドのフィメール・ゴシック・メタル・バンド DESDEMONA のデビュー作。
朴訥なフワフワ・ソプラノ・ヴォーカルが舞う耽美なゴシック・チューンは、パワー感のあるリフ使いがメタル色の強さを感じさせると同時に、ポーランド・ゴシックならではの東欧風味もたっぷり。
あまりに打ち込み臭いリズムとややドタバタ気味の展開は気になるが、快活かつドラマティックなシンフォ・メタル・テイストだけではなく、ヘヴィなドゥーム色、鐘やオルガン等の宗教的な装い、そしてデジなユーロ・ポップ風味など、ゴシック・メタルに絡み得る多様な要素を贅沢に採り入れた作風は充分に魅力的だわ。  (Jun. 04, 2003)

Jacket MORK GRYNING 76
Maelstorm Chaos (2001)
MORK GRYNING は、ETERNAL OATHDraakh Kimera が本職のドラムをはじめヴォーカルも担当するなど中心的な役割を担うスウェーデンのメロディック・ブラック・メタル・バンドで、本作は No Fashion レーベルからの3枚目のアルバム。
荘厳なイントロダクションこそ木目の細かいオーケストラルな雰囲気バリバリだが、それ以降の本編ではシンフォニックさをやや控えめに、細かなリフ刻みが激烈ブラストに乗るいかにも王道ブラック・メタルな佇まいが目立つ。
そんな一見暴虐なサウンドだが、主にその展開のキーとなっているのがネオ=クラシカル素地を垣間見せるメロディック・ギター・ワークだという点が、この MORK GRYNING の最大のポイント。ギタリスト Goth GorgonKING DIAMOND に通じる正統メタル的構築美たっぷりに丁寧に旋律を組み上げたギター・パートは、楽曲に叙情の輝きを与えている。
宗教的ムードを湛える荘厳なクワイヤを挿入しながら感動的と言えるほど大仰に邁進する "The Menace" に代表される所々でヨレつつもそれなりにしっかりと作りこまれた楽曲群は、B級の上といったブラック・メタルとしてはある意味理想的な感触かもね。
それにしても、横縞の白黒メークは・・・ちょいとカコワルくないっすか?・・・(微汗)

Jacket MANIC MOVEMENT 76
Future Dreaming Self (2001)
ベルギーのメロディック・デス・メタル・バンドの 2nd アルバム。
そのアートワークが発信する近未来的イメージをしっかりと感じさせる切れのあるクリアなエクストリーム・メタルは、非常に高い完成度を見せている。
典型的メロディック・デスの耽美な古典とソリッドなモダン・フェイスが理想に近い姿での融合を見せる楽曲は DARKANE に非常に近い志しを感じ取ることができる。
煽情的なギター・ハーモニーとクラシカルに弾きまくる派手なキーボードが絡み合いながら疾走するドラマを構築し、そこにデス・ヴォイスとメロディックな濁声を巧みに使い分けるシンガーの表現力が生命を吹き込むスリリングなアンサンブルは非常に強力。
あとは楽曲だな。。。うん、楽曲だ。

Jacket CONTAGIOUS 76
The Calling (2001)
以前から精力的に行っていたライヴの好判などから、英国の新星として非常に期待を寄せていた英国産メロディック・ハード・ロック・バンド CONTAGIOUS のデビュー・フルレンス・アルバム。
見事な張りと伸びを備えたシンガー Glenn Watmough の一級品の堂々とした熱唱と、各リフ/ソロ毎にその中で一つのドラマを丁寧に構築しようとするギタリスト Tony Marshall のギター・ヒーロー然とした活躍によって生を受けた哀愁ハード・ロックは、L.A. メタルの明快さを吸収しながら欧州の哀感も漲る80年代末期〜90年代初頭のヨーロピアン・ハード・ロックの醍醐味を満載した嬉しいスタイル。
オープニングの "Hear It Calling" に代表される、どっしりとしたリズムにシンプルながらちょっと凝ったリフが乗り、その上で哀愁歌唱が歌モノとしての魅力を発散しつつ印象的なギターソロから泣きのギター・ハーモニーへなだれ込む・・・という王道中の王道パターンが、なんと心に染み渡ることよ!(苦笑)
が、そんな素晴らしい内容とは裏腹に・・・とにかく音が悪い! ハイがすべてカットされたモッコリ・ドラムと歪み過ぎでジャリジャリと耳障りなリズム・ギターの音色は、内容がマジでオキニな路線だけに非常ぉ〜なもどかしさを感じてしまい、聴き進めてゆくうちに気分が悪くなるほど。(汗) うーん、音質の悪さだけが本当に残念だ・・・。(涙)

Jacket REB BEACH 76
Masquerade (2001)
去年あたり一旦リリースを告知されながらも無期延期になってしまっていた、Reb Beach 待望の初 Solo Album がやっとこさ登場。
Reb Beach 自身の Back Ground であるだろう 70~80's Hard Rock, Blues, Funk, Fusion, Garage Rock...等の影響を露わにしながらも、極めて快濶な Guitar Oriented Modern American Hard Rock にまとまっている。御得意の Velvet のような柔和な手触りを感じさせる Smooth な Technical Guitar Play も満載。
でもやっぱ、聴いてて Psychedelic and Spacy に浮遊する Progressive 風味(そう、WINGER で聴かれたアノ雰囲気ね)が出てくると「あー、コレだよな!」と思っちゃったり、Steve Morse 的な Technical な Instrumental に興奮したり・・・と、本作の大筋とは違うところが微妙にヒットしてくる感じかな。
で、驚いたのが彼自身によるヴォーカルの力量で、コレまでの「やや控えめっぽい」という印象とは裏腹な、明快でガッツィーな歌唱にはビックリ。いやー、こりゃかなり唄えるぢゃないですか。

Jacket MADDER MORTEM 76
All Flesh is Grass (2001)
ノルウェーの女声暗黒変態ケイオス・ゴシック・ドゥーム。
見た感じちょいと(カナリ)ビョーキ&不健康気味の北国の5人組からアウトプットされる、引き摺るリフとオカルティックな呪詛が醸し出す邪悪さを身に纏った楽曲は、意外にもキャッチーなメロディとツイン・ギターを生かした適度なフックを含ませたバランスのよいアレンジ力によって、ちょっとひねくれた一筋縄では行かない感じながらナカナカにとっつきやすい。
ダークな哀愁とアトモスフェリックなムーディさ加減がともにそこそこあるのも美味しい。「発狂ゴシック」(笑)の ATROX に 初期 BLACK SABBATH 的要素を加味した感じかな。
禍禍しい呪詛から清らかなソプラノまで表情豊かに忙しく駆け回る女性シンガー Agnete M. Kirkevaag 嬢は、まるで映画「エクソシスト」に出(以下自粛/汗)。 ってそもそも「嬢」と呼ぶことに(以下再度自粛/滝汗)。

Jacket SHADOW 76
Shadow (2001)
我が日本は大阪のバンドながら SPIKEFARM records からのリリースとなる女性デス・ヴォイス・シンガー(ルックス不明)を擁するメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。
一聴して耳を惹く正統 HM 直系の端正なリフワークとツイン・ギターの美旋律、そして意外にもデス・メタル黎明期を思わせるこの SHADOW 独特の荒っぽい感触は、あえて喩えるとすれば初期の IN FLAMES の心意気で "Whoracle" の楽曲を演奏しているような感触。
ただそのメロディックでブルータルが好バランスで融合した楽曲は、どう聴いても水準以上のレベルであることには間違い無さげなんだけど、どうも響いて来ないんだよね。売りであるファスト&エモーショナルなギター・ワークは充分に魅力的だけど、所々でピッキングに余裕の無さが垣間見られるのがやや残念だし、パワー感に乏しいドラム、そして他の SPIKEFARM records の作品と明らかな差のある雑なサウンド・プロダクション・・・。
ただ、女性デス・シンガー 嶋本 斎子 嬢(クドいようだが詳細な全身のルックス不明!「嬢」どうかも不明!)の性別不明の咆哮は、ARCH ENEMYAngela Gossow 姐さんにひけを取らぬほどなかなかカッコイイ感じよ。
次作に期待デス。はい。

Jacket THYRANE 76
The Spirit of Rebellion (2001)
フィンランド産メロディック・ブラックの 2nd。
God ! is ! Dead !! の極悪な叫びに導かれて疾走を始める美旋律激烈ブラック・メタルは、印象的な旋律を強調するシンフォニックな響きと所々に顔を出す正統派メタル・アレンジがグッドな Spikefarm ならではの高品質。
エッジがカッチリとまとまって高速ブラストでも一糸乱れぬアンサンブルは強力で、クリアプロダクションと共に7曲40分弱を一気に聴かせる。
ただ、難を言えばあまりにも整合感ありすぎで、曲調のブルータルさに対してプレイの弾け具合が物足りなく感じる場面もあって(贅沢だけどね)「小粒な OLD MAN'S CHILD 」って印象も。
ちなみに、メンバーが施す白塗りメイクに映える独特の隈取センスは、なかなかカッコいいよ。

Jacket ELYSIAN FIELDS (THE) 76
12 ablaze (2001)
ギリシャのメロディック・ブラック/ゴシック。ピアノやヴァイオリンをフィーチュアした壮麗な暗黒音楽。ムードは良いが曲的な面白みに欠けるかも。

Jacket SIEBENBÜRGEN 75
Plagued be Thy Angel (2001)
白塗りの立ち姿がなんとも凛々しいスウェーデン産ドラマティック・メロディック・ブラック・メタル・バンド SIEBENBÜRGEN の、オパーイなジャケも美味しい 4th アルバム。
その邪悪な出で立ちと相反するオーソドックスなパワー・メタル的手法で構築される「落ち着きがある」とさえも言える堅実な音像が、キーボードによるシンフォニックなアレンジに頼り切らず2本のギター&アコースティックギターそして女声のアンサンブルがドラマを組み立てるというのが他の多くの北欧ドラマティック・ブラック勢と意を異にする・・・ってのが SIEBENBÜRGEN ならではの味わいなんだよね。
ただ、カッチリと角張ったエッジに満ちた楽曲的には充実の内容を誇った前作 "Delictum" に比べて明らかに決め手に欠ける感があり、そうなってくると充分に叙情的でメロディックなギター・ワークの潤いの足りなさとか、リズムの突進力やヒットのアタックの心地よさとは裏腹にフィルでは16分で4つずつタムを廻すしか能がないドラムの単調さとか、押し潰した低音デス・グロウルの迫力の欠如とかが急に気になってきたりして。
そうは言っても、この SIEBENBÜRGEN というパッケージとしての威厳すら感じさせるクオリティの高さには実際にアウトプットされる音楽そのもの以上の満足感を得られる「何か」があり、何故だか悪い印象を持ち難いんだよね。不っ思議ぃ。
ボーナス・トラックの JUDAS PRIEST のカヴァー "Jawbreaker" は・・・ボチボチでんなぁ。

Jacket MIDNIGHT SUN 75
Metalmachine (2001)
Swedish Metal Band MIDNIGHT SUN の 4th Album は、シンガーを Pete Sandberg から Jakob Samuel にチェンジすると共に、音楽性も旧シンガー Pete Sandberg のナイーヴな触感をフィーチュアしてきたこれまでの路線から一転、「いかにも HEAVY METAL」なタフさの大幅な導入がカナリの意外さ。
"Metal Gods", "Steel to Steel", "Metal Machine"・・・と、「実はパロディなんじゃないのか???」と勘繰りたくなるほどの超 Metal なタイトル&歌詞がずらりと並ぶ楽曲群は、バンドや各メンバーのこれまでの経歴とこの音のギャップから滲み出る「無理やりっぽさ」が、本作を本気で聴く気をやや削ぎながらも、旋律の組み立て方自体は従来通りのものだということに気がつくと実はあまり違和感はなかったりするんだな。
ANNIHILATOR が平伏すほどの過剰なソリッド・エッジのストロング・リフを前面に押し出しながらも、やはり要所要所では本来 MIDNIGHT SUN が持っていた北欧らしいマイルドな味わいが満載で、ハイ・テンションなスクリームからメロウな叙情の描写まで見事にこなす新シンガー Jakob Samuel の明快な歌唱は、Pete Sandberg より遥かに好みのタイプだし、ギタリスト Magnus Karlsson は相変わらず現在の北欧随一のセンスフルなスピード・プレイを聴かせてくれているしで、美旋律メタルとして純粋に楽しめる。
ただ、そのソリッドなメタルっぷりを演出する部分の練り込みが甘めなために、曲によっては退屈な時間が過ぎ去るだけ・・・って事態にもなりがち。ボトムの薄い音作りも NG だしね。
これでも悪くはないんだけど、できれば次作ではぜひ元の音楽性に戻ってくださいな。

Jacket STEEL ATTACK 75
Fall into Madness (2001)
Sweden 出身ながら Traditional German Speed Metal Style を貫く超 SEVENTH AVENUE タイプ(笑)。
己のみを信じて愚直なまでに疾走に疾走を重ねるのは、最近の XaMetal の Trend ともいえる Symphonic Arrengement への色気は控えめに、あくまで Twin Guitar での構成に主眼を置いた Simple で硬質な「真性 German Metal」への憧憬バリバリの音像。
「味」と解釈できる範囲の(というか結構唄えてる)ややヘナチョコな Vocal が唄う大仰な Melody、個々楽曲の構成力そして全員の演奏力ともに、それぞれが安定した Quality を備えた、まさに「中堅 XaMetaller」の Position を担うまでに成長したと思わせるに相応しい一枚だな。
ただ、"Guardians" そして "Judgement Day" という、明らかに耳を惹く2つの佳曲は一発で気にいったんだけど、その他の曲の地味さが聴いててちょっともどかしい感じだったな。

Jacket LOSS 75
Verdict of Posterity (2001)
初期 Swedish Death 風味の Core な体液がその体内に流れているのを感じる、期待の New Swedish Death/Black Metal Band。
鬼の Blast を Keep する確かな整合感が土台にありながら、Brutal で尖りまくった凶悪 Riff Work と Emotional な Touch が魅力の 濡れた Solo Part という有機的に掻き鳴らされる Guitar Sound が微妙な「揺れ」を演出し、Hysteric Scream と Low な Growl を繰り返す Death Voice を伴って非常に感情的な音を聴かせている。
現時点では楽曲は「まぁまぁ」ってな感じだが、今後いつか名作を作りそうな、そんな予感を抱かせる雰囲気のある Band だ。次作に注目してよっと。

Jacket GATLING GUN 75
Turn Back the Time (2001)
メタル・エッジのギター・リフにソフィスティケイトされたキーボードの彩りが花を添える、ジャーマン正統派メロディック・ハード。
実直な声質のシンガーが堅実に歌い上げる、ほんのり A.O.R.風味の哀愁ハード・ロックは、よく聴くと結構派手なキーボードアレンジが施されているにも関わらず意外と地味で、楽曲の出来も悪くないながらイマイチ決め手に欠ける感じ。
ジャケット・イメージの解像度の低さからくるジャギーも、細かなところに気を使わなさ過ぎ。(AOR HEAVEN 全般に目立つけどね。)
う~ん、ちょっと惜しいな。。。

Jacket EDENBRIDGE 74
Arcana (2001)
オーストリア産女声シンフォニック・メタルの 2nd アルバム。
デビュー作を更にブラッシュ・アップしたドラマティック・メタルは、豪華絢爛な装いを纏って浮遊するファンタジックな空気が一聴して悶絶ポイントを突いてくる。
その壮麗な音像と共にこのバンド EDENBRIDGE の目玉である Sabine Edelsbacher 嬢(ちょいとオバちゃんっぽくなった?/汗)の独特の優しく豊かな歌唱の癒し系フィーリングも、前作でチト気に入らないポイントの一つだった細かめのヴィブラートが随分と改善されてベリー・ナイス。
そして陰と陽を行き来する魅力的なメロディといい、起伏とフックに富んだ見事な楽曲といい、コリャスッゲーぞ!・・・と叫びたいところだが、残念ながらそーゆーわけではナイんだよね。
その原因は演奏陣のお座成りなプレイ。特に Lanvall のフィンガー・タップを多用したフィーリング皆無の無味乾燥なギターは、聴いていて苦痛に感じるほど。イイ曲書けるしオーケストレーション纏めるのもそこそこ下手じゃないんで、誰かエモーショナルなギター弾ける専任ギタリスト入れたほうがいいんぢゃねーの???
ちなみに今回購入したのは、日本盤と欧州盤それぞれのボーナストラックを両方収録した韓国盤デジパック仕様。お得デス。

Jacket HELLOISE 74
Fata Morgana (2001)
Holland のベテラン Melodic Metal band の復活第二弾。
Sascha Paeth がまとめ上げた、Ben Blaauw の Thrilling な Guitar Harmony と Heavy で攻撃的な Riff、Ernest Van Ee が叩き過ぎる Drum(苦笑)、そして Stan Verbraak の Mild な大人の味わい備えた唄える Vocal と全編に響く Guest Keyboard Player Robby Valentine の壮麗な鍵盤が組んず解れずの大仰な展開を見せる High Quality な Melodic Heavy Metal からは、「古参バンドの全盛期を超えた復活」という Negative な印象は皆無。
そうした基本部分がしっかりとしているだけに、起伏の激しい Dramatic な Metal を 中心としながらも、仄かな Progressive の Essence や American とさえ形容できよう Catcy な Pop さを見せるといった多くの Datch Metal Band 同様の引出しの多さが、結果散漫な印象を与えてしまっているのがちょいと残念。
ってゆーか、同日リリースの BALANCE OF POWER となぜかジャケがメッチャ被ってるンデスけど!(苦笑)

Jacket DARKWELL 74
Suspiria (2001)
オーストリアの女声ゴシック・メタル。
暗い魔女の森の奥深くから響くシンフォニーを纏った、その裾を引き摺りながら邁進する重量感のあるメタルリフ。その上で舞い踊るのは、少女的な稚拙さが目立つものの、逆にオジサンとってはついつい護ってあげたい系の保護マインドが働いちゃうような Alexandra 嬢@19歳の可憐なソプラノ・ヴォイス。所々に低音男声がデュエットをかましながらも、主役はその頼りなげながら魅力的な彼女の声なんだよな。
正直、曲自体はリズムの単調さが気になるなどやや面白みに欠ける嫌いがあるが、地味なジャケとは相反するきちんとした壮麗な作りだし、「暗黒描写」という点ではなかなか個性的な深いものを持っているのがハッキリと感じ取れて、もしかしたら意外とハマるかも。。。

Jacket BACKSLASH 74
Insanity (2001)
女性シンガーをフィーチュアした80年代初頭型ジャーマン・パワー・メタル。
チョイ垂れ巨乳を強調した Bitch 系風貌ながら意外とロリ・フェイスな Heike Grebita 嬢の歌声は多分に Doro 風なこともあって、その音像はいかにも WARLOCK 的。
パワー一辺倒ではなく、キャッチーなメロディの端々にちょっとしたさり気ない女性らしさを滲ませるあたりや、ツボを得たメロディ運びには耳を奪われるが、ツインギターを配しつつもいささか類型的な楽曲展開にはチト醒めぎみ。

Jacket CITRON 73
Absolute (2001)
LANA LANE でのプレイが知られる L.A. のギタリスト Niel Citron の 2nd ソロで、彼は自身のファミリー・ネーム CITRON をバンド名として冠してきた・・・が、中身の方は彼の多彩なギター・プレイ満載のインストゥルメンタルで、バンドっぽさは希薄。ま、どうでもいいか。
本作の制作にも関わっている Steve Vai に通じる、プログレッシヴでありつつ暖かな感触のストレンジな楽曲群は、エスニック・テイストやヘヴィなグルーヴなど様々な表情を見せていて、それぞれの楽曲テーマとなる骨格にセッション・ギタリストとしての経験の豊富さが物語る引出しの多い「ワザ」を駆使ながら、骨太さと繊細さを同居させた生々しきタッチで情感を綴るソロ・プレイで全体の色彩を一つにまとめ上げている。
楽曲的にはオレ的にあんまり引っ掛かってこない物が多かったんだけど、「妙な帽子を被った Sammy Hager」(汗)ってな風貌からは想像もつかない絶妙なトーン・コントロールが見事なテクニカル&エモーショナル・プレイの情感描写はさすがで、"Miss, Miss, Merrisa" 等の泣き系の曲での煽情力はなかなかに魅力的。
楽曲の中でバッキングの一部として人声を所々に配したのも、無機質な風合いを感じさせがちなインスト作品に於いて十分な潤いとなっているのも悪くない印象だね。

Jacket AZAZELLO 73
Upstairs (2001)
AZAZELLO は4人組ロシアン・ヘヴィ・プログレッシヴ・ロック・バンドで、本作はたぶん 2nd。彼ら自身は「プログレッシヴ・メタル・バンド」と自らを形容しているが、全ッ然違います。メタルじゃないです。だって、どっからどう聴いても、「メタルっぽい音色&奏法のギターも鳴っている真性辺境プログレ」じゃん。(苦笑)
一聴してまず驚かされるのは、その極限までショッボいプロダクション。今の時代にどうやって録音したらここまでショボくなるのかを詳しく訊いてみたいほどの古臭いチープな音像は、決して「叩く」のではなく「置く」ジャジーな非パワー・ドラミングのせいだけではなく、逆にインパクトあり。(汗)
そんな音像でありながら、テクニック的にはチープどころかむしろバカテクですらある演奏技術でプレイされる楽曲は、変拍子のテーマ・フレーズを手を変え品を変え偏執的に押し捲る GENTLE GIANT 的サイコ・プログレと、ネオ=クラシカル風味も少々見られるギターがリードする TEMPUS FUGIT 風味のメロウでクラシカルなシンフォニック・ロックが、オルガンやクワイアでの荘厳な味付けをも伴って不思議な融合を見せるそれなりに魅力的なもので、言うなれば現代から70年代にタイムスリップしたギタリスト(兼シンガー)が当時の凄腕メンバーと当時としても低レベルな施設で録音したような逸品ッツー感じ。
ま、珍品ですわな。珍品。

Jacket RED WINE 73
Hijos Del Despertar (2001)
Twin Guitar + Keyboard の6人組 Spanish Dramatic Metaler。
80's の伝統的 Euro Metal に基づいた堅実な Heavy Metal に Germany Style の大きなノリの明快なサビを付与し、ほんのりと(ホントにちょっとだけ)DREAM THEATER 的 Progressive Mind を塗した、明快な Spanish 歌唱の巻き舌が炸裂するその音像は、決して録音が悪いわけではないのに辺境 Metal 独特のイモ臭さを発散する(苦笑/「これでイモ臭いぃ!? メッチャ洗練されすぎや!」ってお叱りは勘弁して〜>モノホンの辺境メタラーの方々)なかなかの味わい。
Agression と Melodic さの Balance の良さは、結構イイ線行ってるッスよ。

Jacket DRAGONHAMMER 73
The Blood of the Dragon (2001)
Italian Neo=Classic "XaMetal((c)JIN)" の新鋭 DRAGONHAMMER は、その反則な Band Name とクサ=メタル・マニアのツボのど真ん中を刺激する悶絶ダメジャケだけで既に Must Buy の風格が。(苦笑)
音の方は、バロッキーなアルペジオを華麗に綴る Technic / Sence ともに良い keyboard が主役の典型的様式系ユーロ疾走メタルなのだが、他の同系の Band 群と並べると、明らかに Singer の力量が突出している。
この Max Aguzzi なる Singer、歌い上げる Ballad のみならず疾走チューンにおいてもマイルドな味わいを加味する、ウォームでウェットな北欧的声質が美味しいなぁ。全編に Feature された、良く練られた Chorus Harmony としての響きも上質で、楽曲の State を One Class 引き上げのに効果的に作用している感じ。
そんな歌まわりの充実に引っ張られるように各楽曲の出来もそれぞれが Catharsis を運んでくるナカナカのもの・・・・なのだが・・・・実は Rhythm 隊がショボ過ぎなのだな、コレが。特に Symbal の「ぢょわぁあ〜〜ん」ってな音っつったら、高校のときに通ってた練習スタジオの Drum Kit の手垢まみれの割れた Symbal を思い出してついつい涙が。。。(笑)

Jacket DELIGHT 73
Last Temptation (2001)
Poland 産の DELIGHT なるバンドのこの Debut Album、絵とはいえ露骨なハメジャケ(笑)は笑えるが、内容的には女声を Feature したかなり正統派 Heavy Metal 寄りのまともな Gothic Metal。
女性 Singer Paulina Maslanka 嬢の唄いっぷりといい、16分刻みの Baloque Arpeggio を端整に爪弾く仄かに Neo=Classical な風合いを見せる Guitar Play といい、Dramatic な楽曲といい、何もかもが出身国を感じさせない程に水準以上の出来なんだけど、個性が少々足りないせいか、どーにも物足りなさが残る。
やっぱ Female Gothic ってこれだけ同系がいると、チョットやそっとの出来では突出できナインだよなぁ・・・うーん、悪くないだけに、なんとも惜しい感じデス。。。

Jacket LYZANXIA 73
Eden (2001)
Fredrik Nordstrom のプロデュースによるこの LYZANXIA は、フランス産の「ややデス」なスラッシュ・バンド。
小気味よいビートにクランチーなザクザクリフが乗るアグレッシヴなスラッシュ・メタルは、随所に舞うテクニカルな煽情ギターが良いアクセント&フックになっている。
シンガーは、ダミ声とちょい情けない普通声を行き来しながら時にデス・メタル的な怒号も厭わぬタイプなのだが、そのシンガーの力量がイマイチなせいで、メロディックなんだかブルータルなんだか、どーにも中途半端な単調さが耳に付く。
何かに似てるんだよなぁー、ANNIHILATOR っぽいけどドンピシャぢゃねーんだよなぁーと考えてたら思い出した、HEATHEN だわ、HEATHEN
あ、前述した煽情ギターがカナリ魅力的なのは確かよ。

Jacket HUMAN RACE 73
Dirt Eater (2001)
スウェーデン産の個性派ハード・ロック・バンドの 3rd。
安定した熱唱ヴォーカルと北欧らしいタッチのテクニカル・ギターの魅力を配した正統派欧州ハード・ロックを骨格にしながら、骨太なダーク・リフと小さじ半分ほどのデジ・ロック・フレーヴァーでの味付けがモノクロームでモダンな感触を運んでくるが、サビでの北欧然としたメロウなメロディ運びでグーっとこっち側に引き戻される感じ。
TALISMAN をはじめこの地域のマイナー・メロディック・メタル・バンド共通する独特のごった煮感が、せっかくの質の高いメロディへの集中を阻む要因になってしまっている感もあるが、この密度の濃い独特の個性が渦巻くサウンドは、是非もう少し良いプロダクションで聴いてみたいと思わせる何かがあるのは確か。
なお、ボーナストラックとして RAINBOW の超名曲 "Tarot Woman" のカヴァーを演ってるが(以下略/汗)。

Jacket VARIOUS ARTISTS 73
Wacken 2000 Special Report (2001)
W:O:A 2000 のドキュメンタリー。ライヴの他にインタビューなどもたっぷり。動く RHAPSODY は感激だけど、演奏部分がCDの音に差し替えられてたのが (x_x)。

Jacket CADACROSS 72
So Pale is the Light (2001)
フィンランド産のメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。
哀愁のメロディが炸裂する勇壮な民謡系楽曲をクラシカルなテクニカル・ギターとシンフォニックなシンセが壮麗に彩る様が CHILDREN OF BODOM, NORTHER, KALMAH, ETERNAL TEARS OF SORROW らに通じるモノを感じさせる・・・どころか、本作で聴ける楽曲/メロディ/フレーズの充実度は、それら先人達と比較しても勝るとも劣っていないと確信できる素晴らしいもの。
ただ、全ての音が深めのリヴァーブのベールに包まれたデス・メタルたる攻撃力に欠しいプロダクション・・・特に、音の壁の最深部あたりに焦点を当てて注意深く聴くとやっと聴こえてくるという微妙なバランスのヴォーカル・パートに何の魅力を感じることも出来ないのがカナリ辛い。演奏の出来がいいだけに余計にね。ここぞ!という疾走パートでガックリとモタつくリズムも、聴いててどうにももどかしい感じ。
日本デビューとなる次作でそのあたりが改善されてれば、恐ろしい事になるかも。ちょいと期待してみようかなー。

Jacket EMPIRE 72
Hypnotica (2001)
過去のものも含めたぶん今日現存も多数の同名バンドが存在するだろうが、この EMPIRE は、ドイツのギター・プレーヤ Rolf Munkes が主宰するプロジェクト・バンド。
このアルバムを手にした人にまず強烈な印象を与えるのは何と言ってもその構成メンバーで、シンガーに据えた BALANCE OF POWERLance King をはじめベースに Neil Murray、キーボードに Don Airey という強力な布陣(ドラムは無名の Gerald Kloos なる人物)で、さらにゲストに Mark Boals, Anders Johansson が絡んでくるとなればそれだけである種の期待が高まるってもんだろ。
そして聴こえてくるのは、Rolf Munkes 自身のテクニカルなギター・ワークを存分に配するなどインスト・パートの充実にも気を配りつつも Lance King の力強さとマイルドさのバランスが心地よい伸びやかなハイトーン・ヴォーカルを中心に位置付けた歌モノのハード・ロックで、ドラマティックなヘヴィ・メタルのパワーとキャッチーな味わいをクリアーなテクニカル・ロックの空気でまとめ上げたそのハイ=クオリティな楽曲群は、その錚々たるメンツの集結に恥じぬ出来映えだ。
ただ、その楽曲に内包した様々なエッセンスが方向性の離反を誘ってしまっているのも事実で、そのヴァラエティの誘発する散漫さがこのアルバムのリピートを阻害しているのがなんとも残念。幅広い方向性とアイデアを持ちそれを実現する手腕は兼ね備えているんだけど、それを自分ならではという一つの味にまとめ上げる味覚感知力に欠けているってところか。難しいけどね、こーゆーのは。
このあたりのまとまりの無さって、同じく様々な実力派シンガーを迎えてプロジェクト的な活動を行っている Dario MolloMisha Calvin にも同質の臭いを感じるんだよな。。。

Jacket INSANIA 72
Sunrise in Riverland (2001)
スウェデッシュ・クサメタル の 2nd。
ツイン・ギターのクサクサフレーズが乱舞する疾走チューンズが、笑いとともに(苦笑)胸に迫る感動を運んでくる力作であるものの、HELLOWEEN をはじめとするあんまりにもあんまりなパクリの数々がその喜びを帳消しにするほどの興醒め具合。オレってばあんまりオリジナリティの無さを気にしない方だけど、この原典の引用の仕方は聴いててあまり気持ちよくないなぁ。。。
プレイ、録音ともに、クサメタルとしての質は紛れもなく高い部類に入るだけに、うーむ残念ナリって感じぃ。

Jacket DYSLESIA 72
Who Dares Wins (2001)
Dennis Ward プロデュースのフランス産おっちゃんパワー・メタル。
GAMMA RAY 系の実直なヘナチョコ・ジャーマン風の骨格に、RUSH を思わせる(よく言えばね)一癖ある空間処理エッセンスをほんのりと塗したという雰囲気。
決して間違った方向性ではないし、メロディにそこそこの魅力があったりもするが、全体的にちょっと安直なイメージが漂っているかな。
3曲目の "Unknown Fighter" だけいきなり唐突に RHAPSODY 風アレンジが飛び出したと思ったら、その曲だけなぜか Luca Turulli が作曲だったわ。

Jacket DARK AGE 72
Insurrection (2001)
ドイツ産ながらも IN FLAMES 型の慟哭美旋律を大胆に配したジャーマン・メロディック・デス。
安心のクオリティであるのは間違いないが、突出した魅力は希薄で正直レビューに困ってまうわ。他の同系バンド達に埋もれてしまっているなぁ・・・。

Jacket LOGAR'S DIARY 72
Book 1 : Jostros (2001)
ジャーマン・ドラマティック XaMetal。 ショボイ打ち込みリズムや演奏がショボ過ぎ。メロや構成は決して悪くないのが余計始末が悪い・・・。

Jacket DOMINE 71
Storm Bringer Ruler (2001)
イタリア産漢系エピック・メタル・バンドの 3rd アルバム。何といってもこのアルバム・タイトル "Storm Bringer Ruler" っつーのがなんともカッコイイよねぇ。それだけでそそられちゃうやんけ!(笑)
鎖帷子に身を包み剣を翳すどこまでもメタル馬鹿なメンバー達によって紡がれるのは、一連のイタリアン・シンフォ XaMetal 群とは一線を画す、勇壮に疾走しながらもそのシンプルな造りが激情に直結するドラマティックなヘヴィ・メタル。
LABYRINTH への一時的な参加でもその名を知られるシンガー Morby のパワーと安定感に溢れる直線的なハイ・トーンで押し捲る楽曲は、シンフォ・アレンジはリフをサポートする控えめな働きに留まり、Wagner の「ワルキューレの騎行」のフレーズや BEHOLDER の癒し系のエイジアン・ロリ系シンガー Leanan Sidhe による女声パートを挿入てヴァリエーションを付けながら、あくまで剥き出しの骨格で勝負をかけてくる。
が、前作収録の名曲 "Thunder Storm" と対を成す印象的な "The Hurricane Master" をはじめとする楽曲の出来は決して悪くはないものの、オレはやっぱり Morby の細かいヴィブラートとクセのある声質、そしてギタリスト Enrico Paoli の粗いプレイにはちょいと馴染めないなー。
ただ、この(音楽性は異なるが)HAMMERFALL, PEGAZUS に通ずる明快なシンプルさは、もしかしたら欧州で最もブレイクするイタリアン・メタルのはこの DOMINE なのかも!?と思わせる魅力の源でもあり、ライヴで体験したらきっと気持ちいいんだろうなとも思う。
が、ボーナス・トラックの "Stargazer" のカヴァーは、細かい部分はさて置き大筋では原曲に忠実なオーソドックスな出来ながら、その細かい部分のいいかげんさが我々中年 RAINBOW メイニヤにはどーーーにも許し難いんだな!

Jacket EVEN SONG 71
Mysterium (2001)
呪う・・・呪うね。「Neo=Classical」という単語にここまで激弱い我が身を呪いまくるね!
この Hungarian Gothic Metal Band EVEN SONG、これまで2枚聴いてその壮麗な Symphonic 男女 Duet Gothic World に魅力を感じつつも、肝心の女声の魅力の無さ(Agnes Toth 嬢ったら Looks はバッチリなんだけどー)や演奏陣の Play のヤバさから受け取れるゲンナリ感を確実に把握していたにも関わらず、各所での「Neo=Classical Guitar が乱舞!」みたいな売り言葉を読むと、つーいついまた買っちゃうんだものな。(汗) そしてやはり・・・。
ただ、この 3rd Album ではこれまで破綻寸前の Fast Play を聴かせていた Guitar が以前と比較して少々まとまり気味で、前作を踏襲した Dramatic な Symphonic Metal 路線を更に推し進めた感のあるキラキラと華麗に煌くめくるめく Gothic World は、ドタバタしながらも非常に嬉しい Style であるのも手伝って、確実に良い方向に成長しているのが見て取れる。ちょっと厳しいところがあるだけに、全35分という短めの Running Time も吉方向に作用しているかも。
でもなー、やっぱ次作も出たらきっとまた買っちゃうんだろうなー。(馬鹿)

Jacket VIRGIN BLACK 71
Sombre Romantic (2001)
Australian Symphonic Dark-Wave Gothic Band VIRGIN BLACK の Debut Album。
暗黒を彷徨う有機的な Symphony、そして荘厳で邪悪な Chant を背景としながら、普通声の男声 Vocal による朗々とした歌声が絶望の淵に響く宗教色の強い Soundscape は、質も高いし演ってる内容も悪くはないんだけど、ちょいとだけ期待はずれかな。
ただ、その初期 ELEND を思わせる部分もある独特の暗黒耽美世界は、「もうちょっと聴き込もう」と思わせるに充分な濃密さを持ち合わせているので、今後のツボ発見を仄かに期待しつつ更に聴き込むとしよう。

Jacket PETE SANDBERG'S JADE 71
Origin (2001)
MIDNIGHT SUN のシンガー Pete Sandberg の、いまやメインとなるプロジェクトの新作。
穏やかな A.O.R.風味に包まれた、北欧っぽいマイルド哀愁を伴った爽やかさを発散するハード・ポップは、前作を更に推し進めた感じ。
その洗練された叙情的な曲自体はオレ的にカナリ好みなのにも関わらずイマイチのめり込めないのは、なんだかんだ言いつつ結局は Pete Sandberg のこのしゃがれつつも甲高い声質が好きじゃナイんだろうな、オレ。ちょっと媚びたような歌い方もナニだし・・・。

Jacket LULLACRY 71
Sweet Desire (2001)
フィンランド産の女声ゴシック・・・ってのは確かに間違いないんだけど、こりゃもう「ゴシックの憂鬱なへヴィさを導入したへヴィ・メタルと」呼んでもいいだろうな。
Tanya 嬢の明快な歌声にリードされるエネルギッシュなメランコリック・ダーク・ロックは、まさに TO/DIE/FOR の雰囲気そのもので、フックあるキャッチーな歌メロが素晴らしく魅力的。
が、それだけにバックの野郎どもの演奏がメッチャ意外性に乏しいのが残念だ。歌以外の部分がほとんどリフ・・・ってのが実に惜しい。そしてジャケから連想される耽美な美しさも、あるにはあるけどカナリ希薄だしね。

Jacket MOONSORROW 70
Voimasta ja Kunniasta (2001)
フィンランド産メディヴァル・ウォー・メタル・バンド MOONSORROW の 2nd アルバムは、収録曲は6曲ながら、最初のイントロを除いて全曲が7〜13分の長尺という大作指向な一枚。
楔帷子に身を包み返り血に紅く染まりながら剣を構える素敵すぎるメンバーによって作り出されたハイ・クオリティなヴァイキング=デス・メタルは、Spikefarm から登場するだけのことはある納得の高品質盤だ。
クリアで厚みのある極上と言っても差し支えないであろうプロダクションの中、喚き散らされるブラック・ヴォイスにヲーヲー歌う勇壮なる普通声コーラスが絡み、堅実なテクニックを持つバンドが一丸となって勇壮なる哀しみのヴァイキング・フレーズを壮麗なシンフォ・アレンジを纏いながら進軍する様は一聴して「圧巻!」の2文字が脳裏を占領する。
が、なぜかオレのメタル・ハートったら、この上質な音楽対して鼓舞する姿勢を示さなかった。リリカルな展開やグッと来るメロなど、パート毎に考えると相当に悶絶指数は高いのだが、アルバム一枚総合でみた時には十分にドラマティックではあるんだけど平坦さを感じてしまう展開と、そしてやはりギター・ソロが皆無なのが痛かったのかなぁ? うーむ、不思議だなぁ。
ちなみにギター、キーボード、アコーディオン、マウス・ハープなどをこなす中心人物 HENRI URPONPOIKA SORVALI は、FINNTROLL でキーボードを弾いている Trollhorn その人デス。

Jacket PAGAN'S MIND 70
Infinity Divine (2001)
ノルウェー産プログレッシヴ・パワー・メタル。
確実にヘヴィ・メタルな土台の上に、ややトレブリーな質感の直線的ハイトーン・ヴォーカルとテクニカルなギター・プレイやら未来的な音色のキーボードやらが変則リズム織り交ぜながら舞う姿は、DREAM THEATER というよりは 初期 QUEENSRYCHE 的。
普通に聴いていると巧い部類に入るはずのヴォーカルが所々でやや音痴だったり、大事な部分で決めのリズムの押しが足りなかったりと、目指してるスタイルが完璧なものであろうだけに、各所でやや空回り気味な部分を感じるのがちょい難点。
が、バンドの力量的にも演ってる曲の質的にも決して悪いアルバムじゃないと思うし、HELSTAR あたりの「IRON MEIDEN に影響を受けたアメリカン・テクニカル・パワー勢」の匂い的な「味」も感じ取ることはできるんで、次作が出たら確実に買うけどね。
っつーことは、総合すると「超 VIGILANTE タイプ」と言えるのかも。(大汗)

Jacket PROJECTO 70
Crown of Ages (2001)
Italian Neo=Classical XaMetal の 2nd Album。
Keyboard の Symphonic な壮麗さを味方に、Guitar Player Vic Mazzoni の Fast Play が 縦横無尽に駆け巡りながらひたすら疾走に疾走を重ねる楽曲は、充実した歌メロも手伝ってかなりの高揚感。
ただ、オレ的には Guitar Play の詰めの甘さ、画一的な Arrange の幅の狭さ、Singer Robert Bruccoleri の素人臭い歌唱・・・ってなマイナス面がどうにも耳についてしまうなぁ。
・・・といいつつ、疾走し始めると頭振っちゃうんだけどね。(汗)

Jacket WIZARD 70
Head of the Deceiver (2001)
ナイスな殺戮 Artwork でジャケ買い者続出の(ウソ)German バカ Metal の 4th。
意外性のないコード運びで進行する難易度低めの Metal Riff が疾走する、実直な 80's Metal を現代の Agression と Speed で調理した Metalheads の愛すべき音像は、そこそこの Drama を生む Twin Guitar の煽情、タイトに疾走する重爆ドラム、そして Singer S. D'Anna の Melodic 歌唱から Scream and Shout まで充分なテクと説得力のある歌声が確かな Quality。
これは、Metal を知らぬ者に対し、自らへの自慢と自嘲の複雑に交錯する心情を込めつつ「これぞ典型的 Heavy Metal だ!」と言えよう True Metal だ。「70」っていう数字は Respect。こーゆー Band はこのくらいの数字のほうが魅力的でしょ。(笑)
ただ、その漢くさい Mood にこそ「うおぉ!Metal 最高!」と高揚を禁じ得ないものの、オレ的には曲の出来がちょいと平凡に感じられたのが、ちぃーとばかし残念なんだな、これが。

Jacket SETH 70
The Excellence (2001)
フレンチ・メロディック・ブラック の 2nd。
荒れ狂うブラスト地獄の中で確実に息づく美しい旋律が耳を捉える、及第点の DIMMU BORGIR タイプ。
仏蘭西産という先入観からか、独特のスタイリッシュな宗教的美しさを感じ取ったりしながらも、正直なところ全編抑揚が希薄なまま進行してゆくために、ついつい聴き流しがち。
歌詞は英仏混合なのだが、ブラストにフランス語ってのが予想以上に耽美文学っぽさを増幅させて効果的だっちゅーのに驚いた。
それにしても Acid Christ ってメンバーの名前が凄いね。(苦笑)

Jacket TOOL 70
Lateralus (2001)
アメリカの知性派へヴィ・ロック。DREAM THEATER を引き合いに出されるのはわからなくもないが・・・。オレ的には引っ掛かり所全然ちゃうわ。

Jacket STORMLORD 69
At the Gates of Utopia (2001)
イタリアン・シンフォニック・エピック・ブラック の 2nd。
壮麗なシンフォニーに飾られたドラマティックなブラック・メタルは、疾走する正統メタル・リフの上に、押し潰したデス・ヴォイスとオペラティックなクリーン・シンガロングを交互にを配した聴きやすいスタイル。
本作では、前作で表面に出て来ていたヴァイキング風味は後退させ、よりイタリアン・シンフォ XaMetal 的な色合いを濃くしてきたが、その前作 "Supreme Art of War" で確かに感じたカタルシスを、残念ながら本作では感じ取ることが出来なかった。
その理由は、本作が "Supreme Art of War" より楽曲的に劣っているという事ではなく、この STORMLORD が持ち合わせる2つの局面であるシンフォニック・メタルとブラック・メタルの両方が99年秋から2年を経て飛躍的な進化を遂げたのに対して、前作に封じ込められていた進化の萌芽の本作での成長度合いが、シーンの進化の度合いと噛み合わないほどに低かった為なのではないかと思う。
・・・と擁護しつつも、ズレまくりのリズムと今となってはチープなシンフォニック・アレンジ、そして軽い音質は正直辛いものを感じてしまう。
が、オペラ・メタルとして決して悪い出来ではない "Xanadu" などのように、それらの欠点がなければ相当にポイント高い楽曲であるはずだ・・・と思えるような魅力ある楽曲を書く能力があるバンドだと思っているので、今後も懲りずにこの STORMLORD には期待し続けたいデス。バンド名かっこいいしね。(苦笑)

Jacket VIRGO 69
Virgo (2001)
Andre MatosSascha Paeth の Collaboration による、様々な音楽の息吹を封じ込めた Orchestral Euro Rock Project。
Hard Rock、Progressive Rock、Classic、French/Italian Pop、Ethnic Music などの要素を内包する楽曲群は、あらゆる方向に発散する光を強力に一方向に引き寄せる術を持たない、ごった煮感の強い散漫な集合体。
Andre Matos の浮遊する歌唱を軸としながらも、深みに決定的に欠けるヴァラエティは退屈を呼ぶね。この手の音楽を演るには圧倒的に引き出しの少ない Robert Hunecke-Rizzo の 大味な Drum Play も、聴いてて歯痒さ満点だし。
ただ、儚げな Naive Singing と Brian May 風味の Guitar Orchestration が絶妙の泣きを演出する Melancholic な Ballad "No Need to Have an Answer" 一曲だけは、けっこうツボだったりするんだけどな・・・。

Jacket BALANCE OF POWER 69
Perfect Balance (2001)
British Dramatic Metal BALANCE OF POWER の 3rd Album。
Band の新しい顔として定着した感のある Lance King の分厚い Chorus Harmony を纏ったハイ・トーン Vocal、そして Pete Southen による Neo=Classical に熱く攻める Guitar が乱舞する出来のよい楽曲、各 Member の演奏の安定した Quality、迫力ある Sound Production、幻想的な Artwork、そしておまけに恵まれたルックス・・・と、パッとしないその Band Name 以外は(汗)ほぼすべての要素が A 級の佇まいを見せている。
にも関わらず、全ッ然響いて来ないんだな。(涙)
重厚な正統派 Dramatic Metal を看板に掲げているように見えて、中途半端な Hard Pop Band が正体であるかのような一般層を狙ったと思しき変な色気の出し方(決して Catchy な Pop Feeling が聴けるからという安直な理由でなく、もっと根本的なものを感じる)や、前作でも Debut Album でも感じた「ダサさ」・・・っていうか、Break の入れ方一つにしても現代 Metal の何たるかをよく解ってない感じがするんだよね。オレだけだと思うけど。
そてにしても、ふと思ったんだけどこの Band、メチャクチャ Zero Corporation 向けじゃない?(苦笑) もし今 Label が存続してたら、絶対花形 Band だって。
ってゆーかってゆーかってゆーかぁ、同日リリースの HELLOISE となぜかジャケ被ってるンデスけど!(苦笑)

Jacket HIGHLORD 69
When the Aurora Falls... (2001)
イタリアン・エピック・メタラー HIGHLORD のこの 2nd は、デビュー作である前作のヘロヘロさを過去に葬り去るパワーを持った出世作。
しっとりと安定したシンガーの艶声とネオ=クラシカルに責めるギター&それに対峙するキーボードよる、疾走からバラードまで緩急取り混ぜながらドラマティックに展開するファンタジックな叙事詩は、美麗なジャケの世界観に代表されるまさに絵に描いたようなイタリアン・メタルそのものイメージを体現している。
が、全員のリズムが激甘なために発生するドタバタ感が気になって仕方がないんだよね。うーん、気にしまいとは思うんだけど、どうしても。。。
全体の雰囲気や各曲の出来は決して悪くないだけに、チョット残念&次に期待。

Jacket HAVEN 68
The Road (2001)
Blond の美人 Singer Pamme 嬢を Bass & Keyboard Player, そして Guitar Player である2人のムサい(苦笑)男が Support する3人組。
パンチのある Hard な歌唱では Kimbery Goss に似た Taste を振り撒きつつ、しっとりとした清々しい歌声もなかなか魅力的な看板 Singer Pamme 嬢を Feature した楽曲は、教科書どおりの典型的「女性 Vocal のMain Stream A.O.R. Hard Pop」で、質的には全く低いものではないが、Repeat するにはイマイチ面白みに欠けるかなぁ。
哀愁 Tune "Hold On" は結構迫ってくるものがあるんだけどね。チョイ惜しい感じ。
あ、Matt Sorum や Robin McAuley らが Guest 参加。

Jacket BELLFAST 66
Faraway Prayers (2001)
名古屋のケルティック・ハード・ロック・バンド BELLFAST の6曲入りデビュー MCD。以前はバンド形態で活動していた様だが、このデビュー作ではベースの 松本 周二(オレの大切な友人なのデス)を中心にゲスト・プレーヤーを迎えたプロジェクト的な構成となっている。
喩えるならば、'83年頃にロシアから数百キロあたりの小都市に生息する西洋のヘヴィメタルに色気を見せる真性プログレッシヴ・ロック・バンドがメンバーの実家である農具小屋で録音したかの如き、色々なものをどう差し引いても辛いものを感じざるを得ないプロダクションで展開されるのは、プログレッシヴな感性をオーソドックスなハード・ロックの手法で現実化したアート・ロック世界。
ハード・ロックを基本としながらも、曲によっては優美なピアノが空気に溶け込みヴァイオリンとウェットなメタル・ギターがロマンティックに舞いながら、唸るフレットレス・ベースと巧妙なアンサンブルを見せる全曲英詞な楽曲は6者6様のスタイルだが、中でも「ピアノ、ヴァイオリン、アコギ、そして清廉な女声」という女声ゴシック・メイニヤにとっては垂涎のキーワードが羅列されるアコースティックな "Who Saw My Lady?" はかな〜りイイ味を出している。
残念なのは、前出の女声シンガーの他に2人の男性シンガーがゲストとして参加しているのだが、彼らの歌唱がどーにもこーにも(以下友人につき自主規制)。
そう感じながら、ラストに収録されているボーナストラックである 松本 の敬愛する RUSH のカヴァー "Limelight" で聴ける松本自身の歌唱を聴いて超ビックリ! 本人は洒落のつもりで歌ったのかもしれないが、その日本人離れした見事な「英国プログレ声」は実に味わい深く、なぜ彼よりも圧倒的に魅力に劣る他のシンガーをゲストに迎える必要があったのか?・・・と全く理解に苦しむばかり。本作でゲスト男性シンガーに歌わせていた曲をもし松本自身が全曲歌っていたのであれば、確実に20点アップ。マジでマジで。 松っちゃん、次作はその線でヨロシク!!

ちなみにウチの BBS の常連 Makoto が、数曲でチラッとナイスなギター・ソロを弾いてマス。

Jacket RING OF FIRE 65
The Oracle (2001)
Mark Boals の Solo Project から発展した「Band、RING OF FIRE」としての船出となる Debut Album。
が、困ったことに、Partner である Vitalij Kuprij をはじめ、Metal Scene に留まらず高く評価されている凄腕の集合ということで聴く前から高めの hurdle を設定してしまったのか、悪いところばっかリ気になって仕方がない。
自慢の伸びやかな High-Tone で丁寧に Operatic に Melody を重ねる Mark Boals の歌唱はまさに「Perfect」の言葉がぴったりでありつつもイマイチ表情に乏しいし、Vitalij Kuprij にしても彼独特の Percussive をやや控えめに音色で Variation を出そうとしたせいか、今回はどうにも大人しい印象で物足りない。そして、軽やかな Feather Touch の超音速フレーズが Sustain の少ない薄っぺらい音色で無意味に上昇/下降を繰り返し、巧いにも関わらずなんの感動も生まない(というか聴いていて乗り物酔いのように気分が悪くなる)George Bellas の Guitar Play は、彼のこれまでの作品からなんら進歩なし・・・。そんな中では Philip BynoeVirgil Donati も生殺しで、「あー、Magic がないってこーゆーことなのね。」と妙な感心さえしてしまう。
そんな Negative な意見になってしまうのも、一重に楽曲に魅力が感じされないから。時に重厚に時に疾走して攻め立てる Neo=Classical の味わいこそソコソコあれど、「アレンジ」になっていない「装飾」ばかりの底が知れた構成と、あまりに安直で正攻法過ぎる Melody 展開には、なにも感じるところがないよ。
結局、作り手側に Neo=Classical への敬意が全然足りないと、こーなちゃうってことなのではないのかなぁ。。。。

Jacket NIGHT IN GALES 65
Necrodynamic (2001)
ジャーマン突撃デスラッシュ。クリーンなVoが聴ける。

Jacket FIREBIRD 64
Deluxe (2001)
元 CARCASS の Guitar Player Bill Steer 率いる Swedish Heavy Rock Band FIREBIRD の 2nd Album。
3Pieces の Simple な構成を生かした Dynamic で生々しい 70's Feeling に溢れた Natural な Heavy Groove Rock は、各豪腕 Player の演奏の鬩ぎ合いが生む Rock の衝動の醍醐味を伝えようとしている。
が・・・歌に魔力が足りないんだなー。。。 一聴しただけでその凄みが体感できる Ludwig Witt の Drum、Leo Smee のイイ感じに古臭くくぐもった Bass、そして正直オレ的には並レベルの Guitar Player にしか感じないながら "Steamroller", "Miles from Nowhere" ではナカナカの Solo を聴かせる Bill Steer のそれぞれが Groove を組み上げてゆく中で、 Bill Steer 自身の歌声だけが置いてかれてる感じ。
SPIRITUAL BEGGARS の暗黒臭も MANIC EDEN のヲトコ泣きも聴こえてこない楽曲の淡白さも、オレにはチョイト向いてなかったようだわ。Live で酒呑みながら観たらきっとカッコイイと思うんだろうけど。
ただ、RUSH の名曲 "Working Man" の Cover はイイ感じよね。

Jacket ENTER MY SILENCE 64
Remotecontrolled Scythe (2001)
Finland の Melodic Death Metal Band の 1st。
曲中、落ち着いた Technic の煽情 Guitar Harmony が絶え間なく鳴り響く哀切慟哭 Death 風情から察するに、紛れもなく IN FLAMES に似た遺伝子配列を持っている。
Mikael Stanne を彷彿させる表現力を感じさせる悲しき暴虐ヴォイスの Singer Mikko Kotamakiを筆頭に個々人の演奏力、録音の Quality がそれなりの(というかカナリの)高水準に達しているだけに、本家とは比べるべくもない楽曲の平坦さが悔やまれるな。

Jacket MAPIA ΠAΠAΔOΠOYΛOΥ 64
Σ' ENA KOΣMO MYΣTIKO (2001)
「マリア・パパドポリュー」と読むらしいギリシャの歌姫。Garden Shed で「女性ヴォーカル・ファンなら即、失神。シンフォ・ファンにも超おすすめ。とにかく、めちゃくちゃいいです!」と書いてあったが、なんのこたぁない普通のポップスだった。