Archives [Full Details] - 2002 / 245 Albums
Jacket AFFAIR 83
No Substitute (2002)
MYSTERY(ベルギー)のシンガー Peter de Wint を擁するキャッチーなハード・ロック・バンドの2nd。力強くも愁いに満ちた歌唱がマジで素晴らしい。
最初のツカミほどの印象は続かず、聴いてるうちにちょっと飽きはくるけど、さらに聴き続ければもっともっと良い部分が聴こえてきそうな好盤だ。
Bobby Altvater (g) のプレイも聴き応えアリ。(Jan. 11, 2003)

Jacket AIRLESS 84
Airless (2002)
情熱の国スペインから、91 SWEET そして GOLDEN FARM に続いてまたまた優れたハード・ロック/ポップ・バンドが登場だ。
各曲毎に独自のカラーを持ったヴァラエティに満ちた作風の「歌物」の楽曲群は、快活な爽快エナジーで全体を包み込みつつ端々に欧風の哀感を漂わせることも忘れないという HAREM SCAREM を想い起こさせるものだが、一聴して耳を捉えるのがギタリスト Robert R. Rodrigo がこれでもかと弾きまくるトリッキーなテクニカル・ギター。
バンド・カラーは全然違えど楽曲に対するギターのアプローチと言う意味では WOLFSBANE あたりを思い出させちゃうようなこの「歌物ハード・ポップ・バンドとしては異質」なギター・パートの存在が、この AIRLESS に他の多くのメロコム系(苦笑)には埋もれ得ない独特の色彩を与えている。
そんなギター・パートに負けじと主張するシンガー Inaki Lazcano の瑞々しい歌唱が映える楽曲も粒揃いで、哀愁/スリル/エネルギー/モダンさがホントいい感じに融合した #2 "Autumn Leaves"MASQUERADE っぽかったりする!/嬉)や、TNT に通じるクリアなバラード #10 "When I Look into Your Eyes" あたりの北欧の香り漂う曲はタマランね。
ただ彼らの武器でもあるギター・パートが、それを強調しようとしたあまりやや圧迫感を感じるプロダクションとなってしまっているのは・・・うーん、諸刃の剣なんだよなぁ・・・。

Jacket AKIN 91
Verse (2002)
魅惑の女声ヴォーカルをフィーチュアしたフランスの7人組ゴシック・メタル・バンド AKIN のこのデビュー作、いやー、これがもうメチャクチャ気に入っちゃいました。
きめ細かなデジ風味を控えめながら程よく主張させたユーロ・ポップを基調に、ノリノリ哀愁シンフォ・ゴシックや王道女声ゴシック・メタルへのリスペクトを忘れない曲調。そこでしっかりと耽美さを醸し出すフルート&アコギの浮遊と、たまに顔を出すロウなデス・ヴォイス&しっかりと刻むメタル・リフによるメタル攻撃の落差が呼び起こすドラマティックな抑揚。それらの上で Adeline Gurtner 嬢(詳細なルックス不明)のクリアな歌声が可愛らしくも堂々と響き渡らせるキャッチーな哀愁メロディ・・・と全てがマジで素晴らしい。
が、それ以上にオレの心を捉えた最大のポイントが、このタイプのバンドでは類を見ないほど全編に心憎く配置された Matthieu Baker の奏でるテクニカル・ギター。ソロイスト・タイプの大きなヴィブラートとともに、ネオ=クラシカルなアルペジオからエモーショナルなペンタトニック、果てはマジカルなタッピングまでをを絡ませながら繰り出す歌心すら感じさせるキャッチーな泣きフレーズが楽曲の重要なキーになっていて、頬が緩みっぱなしッス。
時にメタリックな音像を聴かせてはいるものの、全体のプレイの質的にはメタル度は低く、音圧を抑えた隙間感のあるプロダクションがある種の落ち着きをアレンジしているのも◎。
あえて解りやすく喩えるとすれば、LACUNA COIL"Unleashed Memories" で見せた路線を更に可憐かつ耽美な方向に広げたって感触かな?
全9曲39:44では、物足りない物足りない物足りないったら物足りないっ!

Jacket AMARAN 80
A World Depraved (2002)
スウェーデン産のテクニカルなダーク・メタル・バンド AMARAN の 1st アルバム。
2本のギターを生かしたテクニカルなミステリアス・リフがソリッドに鳴る紛れも無いヘヴィ・メタルなのだが、そこに乗るのが激萌え美女 Johanna DePierre 嬢の歌う力強くも滑らかな女声という点が、この AMARAN が他と差別化される最大の特徴だ。
コンパクトにまとまった楽曲は、粘り気たっぷりにうねる歪んだベース・ラインを擁した地力のあるリズムも心地良く、ソリッドな骨格に肉付けされた丁寧なアレンジが耳を捉える。
完全にヘヴィ・メタルなんだけど、Johanna 嬢の歌声なぞるメロディが微妙に浮遊する様には、やっぱゴシック/ドゥーム的な暗黒系の香りを感じちゃうんだよね・・・って、そこがイイんだけどさ。
実際のメロディにはイマイチ煮え切らない単調さを感じるけど、そういった楽曲/メロディの良さ以上に惹き込まれる何かを、この AMARAN は持ってる気がするね。Johanna 嬢の美貌もその一つかも。(苦笑)

Jacket AMON AMARTH 75
Versus the world (2002)
スウェディッシュ・ヴァイキング・デス AMON AMARTH の 4th アルバム。
「ヴァイキング」といってもこの AMON AMARTH の場合は、民謡調のフォークロア・メロディが炸裂しちゃったりするわけではなく(勇壮な哀メロがたっぷりと配されてはいるけどね)、あくまでアティテュード的なもの。
何事にも屈しない勇敢なる戦士達による戦いの栄光と名誉をカリスマ・シンガー Johan Hegg が漢の咆哮で語る無骨な重厚デス・メタルは、スピードは控えめにヘヴィな質感が戦士たちの悲壮なる決意をしっかりと伝えている。
荒涼な北の大地を思わせる退廃ムードを醸し出しす仄かな哀しみを湛えたメロディーに身を任せていると、自分は屈強な戦士でこれから死地に向かう覚悟がすべて決まっているかの錯覚を覚えてしまう・・・と思いっきり雰囲気に酔いながらも、こりゃ冷静に聴くとカナーリ地味っすな。(汗)
なんつっても Wacken で観たライヴ・ショウでの彼らのあまりにカッコ良過ぎる姿に完璧に犯られてしまっているんで、このアルバムでの激情を内側に向けて放射する淡々とした響きも、ライヴ・バージョンでのエネルギーを激しく噴射する音像に「脳内変換」されて聴こえてくるんよ。視覚さえ伴ってね。それでも、ゴシック的な愁いを持った #5 "Across the Rainbow Bridge" は純粋にイイ曲と感じるなぁ。
ちなみに今回 GET したのは 2CD 仕様の初回限定 DigiPack で、その名も「The Viking Edition」。(カ、カコイイッ!) ボーナス CD には、1st "Once Sent from the Golden Hall" に収録の代表曲 "Victorious March" の新録ヴァージョン "Siegreicher Marsch"、デビュー MCD "Sorrow Throughout The Nine Worlds" のリマスター、そして 2nd Demo "Arrival of the Fimbul Winter"、1st Demo "Thor Arise" というレア音源もあわせて系14曲を収録。

Jacket ANCIENT CEREMONY 85
The Third Testament (2002)
ジャーマン・ドラマティック・デス・メタル・バンド ANCIENT CEREMONY の 3rd アルバム。
前作から引き続き在籍する Vo, B, G の3人をメインに他のメンバーはゲスト扱いというやや変則的な構成になってしまったが、そのクオリティの高いサウンドはバンド的なまとまりに溢れているのでまずは一安心。
そのサウンドだが、2nd まではゴシック系ともいえるメランコリーをその主たる魅力としていたが、ここに来て一気にデスラッシュ/ブラック・メタル風味を強めているのに驚かされた。
といっても全然ネガティヴな意味合いではなくて、この暴虐さの導入がかえってこの ANCIENT CEREMONY が本来持ち合わせている荘厳たる宗教的格調高さを浮き上がらせている結果となっている。
そして最も大きな変化となっているのがシンガー Chris Anderle の歌唱で、前作聴かれた肺に空いた穴から空気が漏れているような迫力不足の囁き系デス・ヴォイスとは打って変わったストロングなデス・グロウルが、プログレッシヴとさえ評されようめくるめく展開を見せる楽曲をピシっと引き締めていて非常に好印象。
正統メタル万歳なメロディック・ギター・ワーク、そして2人のゲスト女声シンガーによる悶々とした耽美演出も美味しい、飛躍的な成長を遂げた好盤と言っていいだろうね。
うん、いいバンドだ!

Jacket ANDROMEDA 82
II = I (Two is One) (2002)
スウェディッシュ・プログレッシヴ・メタラー ANDROMEDA の 2nd アルバム。
デビュー作 "Extension of the Wish" が、この ANDROMEDA をワールド・ワイドなプログ・メタル・シーンにおいていきなり重要な位置にジャンプ・アップさせるのでは?・・・と感じさせるほどに素晴らし過ぎる内容だったんで、それに続く本作にも勝手に超期待しちゃってたんだけど・・・正直「アリャリャ?」って。(汗)
確かに、前任者とは比べ物にならないほどに歌唱力/表現力を持ち合わせている David Fremberg なるニュー・シンガーが加わったのは大きな前進だし、楽曲の骨格の中枢を担う Johan Reinholdz (g) のセンスフルなアメイジング・プレイも前作同様スリリングなんだけど・・・前作の時とは違って、聴いててどうものめり込めない。
その大きな理由は、前作から本作への過程に於いて彼らが DREAM THEATER フォロワーから PAIN OF SALVATION フォロワーへと進化(って言ってイイよね?/笑)させたのは歓迎すべきことなんだけど、その変化のなかで内包したメロディの質が多少変わったように感じれることかな。依然として充分に魅力的なマイナー系のメロディックさ満点ではあるものの、その質が「哀愁」「叙情」とは少々異なるものになってきたと感じるんだよな。
ロックの衝動がテクニカルなベクトルで照射されたタイトル・トラック #4 "Two is One" に代表される先進的でスリリングな楽曲は、前作云々を抜きにすれば充分に驚きに値するクオリティなのは確実な出来ではあるんで、それなりに楽しめちゃうことは楽しめちゃうんで複雑っすわ。

Jacket ANGRA 91
Hunters and Prey (2002)
昨年、"Rebirth" にてそのタイトル通り奇跡の完全復活を遂げた ANGRA の、未発表曲&未発表ヴァージョンを収録した、8曲入り40分弱の企画 MCD。
Isabel de Amorim の手による、企画盤には勿体無さ過ぎる程のあまりにも美麗なアートワークからして悶絶だが、これが内容の方も驚くほどに充実していてホンット嬉しすぎ。
怒涛のソロ・パートにエキサイトを禁じ得ない、まさに ANGRA のメタル・サイドにドンピシャリの素晴らしい疾走チューン #1 "Live and Learn" のトップ・ギアの興奮に始まり、アルバム "Rebirth" 日本盤ではボーナス・トラックとして収録されていた #2 "Bleeding Heart" のしっとり落ち着いた叙情の潤いの美しさに清々しい涙を流し、ラテンの血を濃く反映させたタイトル・トラック #3 "Hunters and Prey" で聴ける彼らならではのパーカッシヴな味わいに高揚(#8 のポルトガル語バージョンもナイス)、そして臆面もなく Bruce Dickinson の影響をさらけ出す歌唱法に驚きのミドル・チューン #4 "Eyes of Christ" では「こりゃネタか?(汗笑)」と勘繰りながら、"Rebirth" 収録時とは異なるアコースティック・ヴァージョンである #5 "Rebirth", #6 "Heroes of Sand" では、その一歩引いたリラックス具合と繊細でありつつも器の大きなアレンジが呼び起こす更なる叙情の煌きが、My 涙腺をこれ以上ないほどに強烈に刺激する。
その全曲で光り輝いているのが、シンガー Eduardo Falaschi のあまりにも凄絶な歌唱。見事な張り&艶に満ちながら、丁寧に丁寧にコントロールされたその真摯なる抑揚の妙には、ホンットに泣きマインドを刺激されてやまないんだよな。
相変わらずハイの抜けきらないギターの音色はもどかしさを感じつつも、こりゃ企画盤にして名盤って言いたくなっちまいますわ!
・・・あ、後期 GENESIS のカヴァー #7 "Mama" だけは、まぁソコソコって感じなんだけどね。(汗)

Jacket ARACHNES 85
Apocalypse (2002)
イタリアはミラノ発のプログレッシヴなネオ=クラシカル・メタル・バンド ARACHNES の本邦デビューとなる 3rd アルバム。
発声から大きな振幅のヴィブラートまで Tobias Sammet (EDGUY) への傾倒を隠そうとしないヴォーカルがイマイチヘナチョコだったり、ムーヴ・レンジの狭いリフ使いがどうにも煮え切らなかったり、唐突な展開の無理っぽさに体が置いてかれたりしながらも、イタリアン・メタルのシンフォ&エピックなドラマティック・メタルに SYMPHONY X, DREAM THEATER に通じるプログレッシヴな風合いをプラスしたスケールの大きな作風はやっぱ美味しいわ。
なにより、シッカリと「ネオ=クラシカルのメランコリーとは何か?」という命題をシッカリと把握していることを確信させる構築美を見せるギタリスト、Franco "Frank" Caruso が塗りたくる「悶々とした様式メタル」としての側面には、ネオ=クラシカル・メイニヤとしてはイヤでも心惹かれざるを得ないっすわ! Yngwie Malmsteen 風味のセンスで整然としたソロを組み立てるギタリストって、やっぱ好きだなぁ。
シンガーも兼任する鍵盤奏者 Enzo "Vincent" Caruso の音色センスもナカナカ!

Jacket ARCTURUS 83
The Sham Mirrors (2002)
ノルウェーの狂気の天才集団 ARCTURUS の、名作の誉れ高い 2nd "La Masquerade Infernale" 以来となる待望の新作。
Hellhammer (MAYHEM), Trickster G. Rex (ULVERGarm)らのバンドであるという事実からは想像できないほどブラック・メタル色は希薄で、ゲストに Ihsahn (EMPEROR) を迎え上質かつ壮大なシンフォ・ブラックを展開する #6 "Radical cut" 以外の楽曲は、ARCTURUS 独特の実にアーティスティックな質感に覆われている。
そこにあるのは、Steinar Sverd Johnsen がセンス満点のキーボード・ワークで紡ぐ壮麗なるオーケストレーションを軸に、Trickster G. Rex の朗々と歌い上げる伸びやかな歌声と Knut M. Valle のテクニカルなギターを職人 Hellhammer のシーントップレベルのドラミングが生み出す力強いメタル・グルーヴが支えるメランコリックな前衛的シンフォニック・メタル。
ブラック色は希薄・・・と言えども、痛ましき精神世界の空間を漂うが如きアバンギャルドなプログレッシヴ感覚溢れる音像は、暗黒系以外の何者でもないアンダーグラウンド臭を強烈に発散している。
ヴォーカル・メロディーそのものや各楽器の奏でる美旋律自体は非常にキャッチーなんだけど、楽曲としては誇り高きほどに全然キャッチーじゃない・・・というアンバランスさが生む「楽曲の決め手に欠け感」が物足りなくはありながらも、深酒の肴にはもってこいな一枚ッス。

Jacket ARJEN ANTHONY LUCASSEN'S STAR ONE 86
Spece Metal (2002)
自身のメイン・プロジェクト AYREON をはじめ、ロリ少女を主役に据えゴシック色を打ち出した AMBEON、そして最近では Lana Lane & Eric Norlander とのコラボレートにも忙しいオランダのワーカホリック・ギタリスト/クリエーター Arjen Anthony Lucassen の新たなプロジェクトがこの STAR ONE
「Blakes 7」という TVSF シリーズにインスパイアされたという本作は、タイトルやアート・ワークからは近未来的な香りが強烈に漂ってはいるものの、その音楽自体からのスペーシーな香りの発散は意外なほど程々に押さえられている感触で、その楽曲からは NIKOLO KOTZEV'S NOSTRADAMUSThe Rock Opera Nostradamus に近いものを感じたな。
Russel Allen (SYMPHONY X), Damian Wilson (THRESHOLD), Dan Swano (EDGE OF SANITY, NIGHTINGALE) という3人の男性シンガーと、それに華を添える女性シンガー Floor Jansen (AFTER FOREVER) らによるドラマティックな歌唱と、Jens Johansson (STRATOVARIUS), Erik Norlander (LANA LANE, ROCKET SCIENTIST), Gary Wehrkamp (SHADOW GALLERY) というゲスト・インストゥルメンタリストの魅惑のプレイが舞う、シンセで壮麗に飾られた大仰かつ緻密なプログレッシヴ風味満点のハード・ロックは、一聴しただけで AYREON の創作者と同一人物の手による作品であるという事を確信させながらも、全編を覆うヘヴィで骨太な「メタル感」が驚きの感情を運んでくる。
近年ではアンサンブル・コントローラーに徹していた感のある Arjen Anthony Lucassen の姿に慣れつつあったこの身としては、VENGEANCE 以来久々にここまでメタル色の強い作品を創ってくれた事実にはただただ喜ばずにいられないわ。
今回買ったブック型 Limited Edition に付いてた Disc-2 に収録された "Hawkwind Medley"(違和感なく楽しめる!)聴いてて、Arjen Anthony Lucassen のコレまでの作品で感じられた独特の浮遊感や乾いた泣きフィーリングの源が判った気がしたのも大きな収穫。
それにしても Ed Warby の手数の多いダイナミックなドラミング・・・超好みッス!

Jacket ARK STORM 71
No Boundaries (2002)
ジャパニーズ・ネオ=クラシカル・メタル・バンド ARK STORM のデビュー・アルバム。
中心人物であるギタリスト、太田カツ の「マルムス度 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★」なファスト・プレイ満載の、様式美でしかもキャッチーさを忘れないってな王道ジャパメタまっしぐらな路線だ。
太田カツ のまんま Yngwie Malmsteen なスタイルのプレイは、確実なテクニックと老獪な表現力を備えた丁寧なもので充分に聴き応えあるし、楽曲の出来も決して悪くない。
・・・そう、本作のキモは、聴いた人の誰もが頭上に「?(ハテナ・マーク)」を5万個掲げるであろう、シンガー 今西洋明 が歌う笑撃のヴォーカル・パート。弾きまくるギター・パートによる厚いヴェールの遥か後方という信じ難いほどに奥まった定位で、小鳥のさえずりのように聴こえてくるダミ声ハイトーンな金切り声は、コレだけ聴いたら酷評も頷ける違和感に満ちた音波の塊。
でも、先日実際にライヴを体験した時に聴いた彼の歌声は、声質こそ本作に収録されたアルバム・テイクのそれだったが、遥かに旨味と実力に満ちた堂々としたものだった。次作ではその真の姿を上手く封じ込めて、是非リヴェンジを果たして欲しいなー!!

Jacket ARMAGEDDON 80
Three (2002)
ARCH ENEMY の若き泣きテクギタリスト Christopher Amott のプロジェクト ARMAGEDDON の第3弾。
デビュー盤での激情デス・メタル、2nd での様式派正統メタルに続いての本作は、70's HR への憧憬を露わにした「メタルへの未練たらたらな FIREBIRD」ってな塩梅のダイナミックな骨太メタル。
それにしても、その音楽性の変化とともに今回はなんと Chris がシンガーを兼任するトリオ編成にしてきたのがなんとも挑戦的。
冒頭のフリーフォームなロング・トーンのアドリブ・ターム #1 "Burn The Sun"(オッサン方、ELF ぢゃねーっすよ/笑)のオールド・ロックなテイストからして、コレまでとは全く異質の感触。そして SCORPIONS の中でも Ulrich Roth 風味満点な "Polar Nights" を思わせる #3 "Strangehold"、思わずヘッドバングを誘われるカッコイイ #4 "Heart of Ice" を始めとする、2バスや16分で刻むメタリック・リフが顔を出しつつもダイナミックかつシンプルな佇まいを見せるメタりック・ヘヴィ・ロックは、普段テクニカルな縛りに納得しつつもリラックスしてプレイしたいミュージシャン達が、自身がテクニカル・メタラーである自己主張を適度に垣間見せながら楽チンにグルーヴごっこを楽しめるという、演者本人たちにとってはとっても美味しい路線。
驚いたのは Chris 自身の歌唱で、「こいつギターだけじゃなくてヴォーカルもよく聴いてるな」と思わせる、ソコソコのテクながら上手に聴かせるコツを心得た素直な歌声は、今後の上達への期待を抱かされるに充分なポテンシャルを窺わせる想像以上に旨味のあるものだ。この音楽性には Rickard Bengtsson より文句なくマッチしてるし。退廃グルーヴに揺れる静的ナンバー #5 "Well of Sadness" なんかはかなりいい感じに歌えてるなぁ。
ロックの衝動を表現するにはイマイチ棘のないスマート過ぎる音像、Daniel Erlandsson のメタルとしては最高なんだけどグルーヴという意味では物足りなさを感じるドラミング、そして主役 Christopher Amott のプレイ自体に関しても彼に対して膨らんでいる期待以上の激情ソロが出てこない点(軽ぅ〜く水準以上のプレイなんだけどね)などの不満点もあるけど、そこそこ楽しめましたわ。

Jacket ARWEN 77
Memories of a Dream (2002)
Arise Records からの新たな刺客は、男女ツイン・ヴォーカル&ツイン・キーボードの8人組スパニッシュ XaMetaler ARWEN
メロディの組み立て方がレーベルの先輩 DARK MOOR を彷彿させる楽曲は、壮麗なキーボード・ワークとテクニカル・ギターが乱舞するという近年類型的になりつつあるユーロ・シンフォニック・メタルまっしぐらなスタイルなんだけど、そんな中で一聴してこの耳を捉えたのが男声シンガー Nacho Ruiz の歌唱力。伸びのあるパワフルなハイ・トーンと柔和なソフト・ヴォイスを絶妙に織り交ぜた抑揚に満ちたその歌唱は、この手の XaMetal バンド的には非常に強力な武器だ。
が、所々で悶絶しそうになるパートを断続させつつもやはり決め手に欠けてしまう楽曲群、そして奥行きの浅さ&響きの少なさを感じさせるややチープげなプロダクション(特にギター・パート)は、本作にググッと移入させるのを阻んでしまっている気がするなぁ。
メインで歌う Nacho に控えめに絡む女声シンガー Mamen Carmen Castano 嬢の歌声がイマイチ特長に欠けるのも、ルックス的にはカナーリ激萌えなだけに至極残念・・・。
それでも、この ARWEN の特色とも言えるしっとりとした味わいのある「引き」の部分に大いなる魅力を見出してはいるので、もしプログレッシヴな側面、そして #5 "Alone", #9 "Eternally" で聴けるしっとりとしたメロウなフィールドに軸足をおいたコンセプト・アルバムなんかをしっかりしたプロダクションで作っちゃったりしたら、凄そうなんだけどな。うむ、次作に大いに期待。

Jacket ASHTAR 80
Urantia (2002)

ブラジルのフォーク・メタル/ロック・バンド ASHTAR の1stアルバム。

女性ヴォーカル、ヴァイオリン、フルート、バグパイプ、各種パーカッションをフィーチュアしてフォークロアな味わいを創出。

メタル・パートのドッタバタなチープさには閉口するけど、癒し度満点の民族色はベリーナイス。  (Nov, 30, 2007)


Jacket AT VANCE 87
Only Human (2002)
ジャーマン・ネオ=クラシカル・ハード・ロック・バンド AT VANCE の 4th アルバム。
バンドを率いる熟達のギター・プレーヤ Olaf Lenk の、ウォーム&シャープな音色による感情の封入を演出するタメも見事なハイ=テックな洗練プレイ(シーン髄一の綺麗なスウィープ/アルペジオはいつ聴いても惚れ惚れするなぁ)が煌びやかに舞う中で、軽めに転がるブルージーなコブシを伴ってパワー一辺倒ではない味を発散する Oliver Hartmann の爽快なまでの歌唱力がキャッチーで煽情的なメロディを綴る、ヘヴィ・メタルの突進力を持ったクラシカルなハード・ロックはこれまでと不変のスタイル。
だが驚いたのは、そんな楽曲/プレイはもちろんアート・ワークを含めたパッケージ全体から明らかにこれまでより一皮剥けたかの豊潤な香りが漂ってくること。これまで良く出来たアルバムをコンスタントにリリースし毎回その内容には満足しながらも、その非常に高い安定感が逆に今後の大きな飛躍を感じさせなかっただけに(前作では型にはまった閉塞感を強く発散していたし・・・)、4作目にしての突然進化への萌芽が見えてきたのにはビックリしたなぁもう。
その勝因は、アレンジに施されたこれまでに無く細心な気配りとそれが生み出すヴァラエティ感、そして迫り来るリズム隊のアタックを巧く封じ込めたプロダクションってとこかな。
先が予想できる曲展開の方式やアルバム通して聴いたときに感じるアンサンブルの画一さなど、まだまだ平凡レベルな項目も幾つか感じられたりするが、これでメンバー個々人のキャラがもうチョイ立って来たりすると、次作あたりはまた面白いものになるかもね。・・・と、そういう期待をさせるに十分な要素に溢れた一枚だ。
それにしてもボーナス・トラックとして名曲 "I Surrender"RAINBOW バージョン)演ってるんだけど、こうして改めて聴いてみるとやっぱメチャクチャ良い曲だな。(出たな虹ヲタ/汗) で、コーラス・パートの質感まで再現したこのバージョン、近年聴いたカヴァー曲の中でも相当上位に食い込む完コピぶりはマジで愛を感じる感じる。全世界の人々の思い出がぎっしり詰まったフレーズそのものは超忠実になぞりながら、ピッキングやフィンガリングのニュアンスにしっかりと自分の色を滲ませるという Olaf Lenk の姿勢も超賛同。エンディング・ソロ部分では原曲にてフェードアウトする部分以前は忠実に再現し、それ以降の本来は無い部分で待ってましたと弾きまくる配慮なんてチョー心憎いッス。

あ、Oliver Hartmann、そのうち Yngwie Malmsteen から声掛かるんぢゃないかと読んでるんデスが・・・。合うよねぇ、きっと。

Jacket ATROX 69
Terrestrials (2002)
THE 3RD AND THE MORTAL の女声シンガー Ann-Mari Edvardsen 嬢の実妹である Monika 嬢をシンガーに据えたノルウェーの変態プログレッシヴ呪術ゴシック。
前作では王道ゴシック的な色気もいくらか見せていたが、本作では気が触れたかのようなサイケデリックでアバンギャルドな暗黒トリップ・メタルが全編に亘って展開されるに至っている。
Monika 嬢の幅広いレンジを縦横無尽に転げまわるその圧倒的な歌唱力で唄われるエスニックな発狂メロディは唯一無二で、取りとめ無く拡散しているように聴こえながら実は味わい深いテクニカルな演奏もあってなかなかに高いクオリティを誇っている。
でもなぁ、前作で聴かれた哀愁が減っちゃってるってのがチョイト辛いね。。。

Jacket AXENSTAR 79
Perpetual Twilight (2002)
Travis Smith の手による美麗極まりないアート・ワークが印象的なこの AXENSTAR は、スペインの ARISE RECORDS とサインしたスウェディッシュ XaMetal バンドで、星の数ほど存在するだろう STRATOVARIUSSONATA ARCTICA をお手本にした典型的なヨーロピアン・メロディック・スピード・メタル・スタイルを標榜するバンドの一つだ。
印象的なメロディを武器に XaMetalic に疾走する楽曲は、さすがにデビュー作にして本邦デビューを実現させるだけあって、プレイ/プロダクション共にそのクオリティは一定レベルを軽くクリアしてはいるが、リズムの突進力といいメロディの激情具合といい、なーんか中途半端にお行儀良く収まってる感じ。稚拙で一本調子なアレンジも物足りないし、とにかく「AXENSTAR ならではの何か」がイマイチ見つからない・・・。
ただ、そうかといって聴いててつまんない訳ではないんだよね。クッサい叙情サビが青春万歳な強力チューン #3 "King of Tragedy" なんかを聴くと、前記した欠点云々はわかっちゃいるんだけど激しく悶絶しちゃう(苦笑)って感じで、ホント侮れない部分もあるもの。
意外と貫禄あるルックスを持つシンガー Magnus Eriksson によってやや無表情気味に朗々と歌われる、時に MONGOL800 ぽくっすらある(マジ)子供騙し寸前の朴訥なメロディ/ハーモニーの「空気感」が何故だか SILVER MOUNTAIN っぽさを感じさせるのも、「疾走 XaMetal」としてではなく別の意味でオサーン・メタラー的には◎だし。

Jacket BATTLELORE 87
...Where the Shadows Lie (2002)
Weapons! Weapons! Magical Weapons! Weapons!

フィンランドから突如出現した True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE は、もし RHAPSODY のメンバーがこの BATTLELORE の存在を知ったら号泣しながら地団駄踏んで悔しがることが容易に想像できる究極の「ロール・プレイング・メタル」。
なんつっても、メンバーが

Thrangull (Miika Kokkola : Bass)
 種族:Human
 職業:Fighter
 武器:Hand-Axe, Shield

Lalaith (Kaisa Jouhki : Female vocals)
 種族:Wood-Elf
 職業:Ranger/Scout
 武器:Longsword, Hunter's Bow

Scaurum (Jyri Vahvanen : Guitar)
 種族:Human
 職業:Magician
 武器:Spells, Staff

Uglur (Henri Vahvanen : Drums)
 種族:Half-Orc
 職業:Thief/Assassin
 武器:Dagger, Knives

Halltar (Maria : Synthesizer)
 種族:Half-Elf
 職業:Sorceress
 武器:Spells

Azog (Patrik Mennander : Clean male vocals)
 種族:Uruk-hai
 職業:Warrior
 武器:Battle-Axe, Mace

Gwaeron (Tommi Havo : Raging vocals, Guitar)
 種族:High-Elf
 職業:Paladin
 武器:2xBroadsword

ってな、鎖帷子の戦士/美しきエルフ嬢/手から光線発する魔導師/小賢しげな盗賊半オーク/超美女な半エルフ魔女/全身緑色のオーク戦士/とんがり耳で顔色の悪いエルフ剣士・・・の7人パーティだもの。(苦笑)
で、そんなこけおどし臭いコスプレ軍団が繰り広げる、J.R.R.Tolkien の名作「指輪物語」をモチーフにした古代の剣と魔法の世界はきっとイロモノ寸前の失笑ファンタジー・メタルに違いない・・・と思いきや、これが驚くことに意外にもまとも・・・ってゆーかハイ=クオリティとさえ言えるヘヴィでメタリックな力強さを打ち出した上質な音世界。
ファンタジー系によくあるオーケストラル/クラシカルなシンフォニック・アレンジはホンの味付け程度に控え、ダーク・メタルなリフ攻撃に耽美ゴシックの暗黒美が絡みこれまた意外にもインダストリアルなデジ=ロックの風味までもを垣間見せる多彩なる表情は、まさにドラマティックで、余裕あるテクニックと細部まで気を遣ったクリアなプロダクションが見事な安定感を与えている。
このファンタジーの語り部となっているのはデス・ヴォイス、クリーン・ヴォイス(緑色のクセに!/笑)、そして女声なんだけど、このとんがり耳を持つキュートな Lalaith@Kaisa 嬢の声色そして歌われるメロディがホントに超ストライクなんだよね。特に "Journey to Undying Lands" なんかでのフワフワながら芯の通った声がたまんネーっすよ。メッチャ好みだっつーねん!
まぁギター・ソロらしいギター・ソロが殆どないのをはじめ、楽器陣のスリリングな見せ場という意味では少々物足りなさが残るのがチョットだけ残念ながら、この馬鹿馬鹿しい突き抜け方は天晴れ天晴れ。メタル人生のなかで忘れられない一枚になりそうだ。

Jacket BEHOLDER 86
Wish for Destruction (2002)
男女2人のシンガーを擁するイタリアン・シンフォニック XaMetal バンド BEHOLDER の 2nd アルバムは、前作 "The Legend Begins" で得られた期待感に充分に応える力作。
ツイン・ギター+キーボードを駆使したゴージャスな音像は前作譲りだが、キラキラ度はそのままに骨太さとテンションの高さを増した非常にダイナミックな印象だ。
近未来の不条理システムへの警告をテーマとしたコンセプト・アルバムと思われる本作のその雰囲気を上手く表現した細部に亘るサイバーなアレンジと、随所で聴かれるこの手の XaMetal バンドとしては珍しい70年代 HR 的なイナタさが融合したプログレッシヴなアプローチの立体的な空気感が何気に新しくて心地良い。
聴き物はやはり溌剌としたメタル歌唱に萌えちゃう女性シンガー Leanan Sidhe 嬢(ルックスもなかなか魅力的ぃ〜 ^-^)と男声シンガー Patrick Wire の鬩ぎ合いで、頻繁にスイッチを繰り返しながら耳を捉える魅力に満ちたメロディを生み出してゆくそのスリルの高さは、この手のデュエット物の中では髄一かも。
嬉しいのは、前作ではかな〜りヤヴァげなド下手っぷりを披露していた Patrick Wire の歌唱の成長の著しさ。相変わらず決して上手くはないものの、瞬火 (陰陽座) に通じる成り切りっぷりが出てきたのはなかなか頼もしいな。そんなにテクニシャンではないにも関わらず、実力以上に上手く聴かせる術を心得た2人のギタリストのエモーショナルなギター・ワークも◎だし。
ブルータルな導入から徐々にメロディックに展開してゆく #5 "Beyond Science"、サイバーに疾走するテーマとそれと相反するようにレイド・バックしたソロ・パートの対比が悶絶な終曲 #10 "Ultimate Elimination" あたりには、星の数ほどのイタリア勢の中でもこの BEHOLDER は抜きん出た物を持っていると信じさせる何かを感じるッスわ。

Jacket BESEECH 82
Souls Highway (2002)
1998年にリリースした奇跡のデビュー盤 "...from a Bleeding Heart" で独特のウェットな極上耽美世界を聴かせていたこのスウェーデンの BESEECH には当時「世界で最もロマンティックな漢系ゴシック・メタル・バンド」という形容を冠していたが、そんな90年代後半に美醜渦巻く耽美さを誇っていた欧州ゴシック・メタル勢のうちの多くが世紀の移り変わりと共に次々とアンビエントなポップ色を増していった結果、「ロマン」というキーワード的にはこの BESEECH の際立ちは徐々に薄れていったように思う。
が、その後 2nd アルバム "Black Emotions" を経てレーベルを Napalm に移しての本 3rd アルバムにおいても、この BESEECH が持ち合わせている「ロマンティック・ゴシック」たる本質は、実は些かも緩いではいない。
このバンドも前作以来やはり周りと同様に時流に寄り添う姿勢を見せてはいるが、ディープな低音ヴォーカルに女声が絡む哀愁のヴォーカル・メロディを重視した独特のサウンドは健在。ポイントを巧く押さえたキャッチーな楽曲は、ヘヴィさとそれに相対する耽美さがそれぞれの質をこれまでよりやや現代的な方向にシフトさせながらも、流行のフィンランド系ノリノリ哀愁ゴシックとは全く異なる進化の過程を見せている。
本作からメインの男性シンガーが Erik Molarin(てんびん座/オレと一緒・・・ってどーでもいいな/汗)に替わっているが、声質こそ異なるもののその低いレンジでの艶やかな歌声がこの BESEECH の世界によくマッチした好人選。そしてもう一つのトピックは、3作目にして初の女性シンガー Lotta Hoglin ちゃん(水がめ座)の正式メンバーへの招聘だ。これまでの作品でも要所要所で楽曲の肝となっていた女声だが、本作での単なるアクセントに留まらない大胆な女声の導入は「女声ゴシック」とさえ呼べそうな雰囲気も呼び込んでおり、ここに来て今後のさらなる展開への期待も出てきた感じ。

・・・と BESEECH を愛する自分を納得させようと色々書いてみましたが、うーん、古城に住まう貴族の如き中世の衣装に身を包んだメンバーによる 1st 当時のあの耽美さが希薄なのは・・・やっぱ残念・・・。コレはコレで決して悪かないんだけどね。

Jacket BETO VAZQUEZ INFINITY 83
Beto Vazquez Infinity (2002)
アルゼンチンのベース・プレーヤ Beto Vazquez を中心としたこのシンフォ・メタル・プロジェクト、どうやら本来は地元のメンツにて活動しているようなのだが、デビュー・フルレンスとなる本作でもはや「暴挙」とも言えようカナリ大胆な作戦を取ってきた。
その作戦とは名付けて「豪華ゲスト大作戦」!(そのまんまやんけ/笑) なんとこの作品でシンガーを務めるのは、

Tarja Turunen (NIGHTWISH)
Sabine Edelsbacher (EDENBRIDGE)
Candice Night (BLACKMORE'S NIGHT)
Fabio Lione (RHAPSODY)

というなんとも贅沢な4人で、そしてドラマーの座にはあの Jorg Michael (STRATOVARIUS) が・・・と、どうしてこんな人選が実現できるのか謎は深まるばかり。(笑)
主宰者 Beto Vazquez 自身の「己」を控えめに主張するベース・ラインを押し出しながらもバランスよくクリアにまとまったドラマティックなシンフォニック・メタルのやや野暮ったいハードさと適度に和み&癒しの入ったその風合いからは、LANA LANE のメタル・サイドに近いものを連想させられる。
普段と比較して明らかに精彩を欠く Jorg Michael のお仕事感満点のドラミングは置いといて(汗)、幻想を清らかに紡ぐ Tarja Turunen、清々しさをクリアな優しさで包む Sabine Edelsbacher、純朴な叙情を吐露する Candice Night、そして勇壮に闘いに向かう Fabio Lione と、適材適所に配された4人のシンガーの働きっぷりは実に素晴らしく、それぞれのシンガーの元鞘バンドにおけるボーナス・トラック以上の充実を見せている。なんつっても TarjaSabine がハーモニーを奏でるなんてアンビリーバブルな光景も繰り広げられるし!
中でも、フルートが舞うフォーキーでトラディショナルな響きが心地よい5部構成の組曲 "Voyagers of Time" では、常日頃シンガーとして力量的に軽視されがちな Candice Night のその存在意義を見事に発揮した味わい深い歌唱を披露しているのが嬉しね。他の曲も所々ででチープに感じる部分がありつつも、決して悪い出来じゃないしぃ。
あ、2002年2月21日には日本盤も出るらしいッス。

Jacket BEYOND THE EMBRACE 82
Against the Elements (2002)
Metal Blade から飛び出した、平均年齢23歳の若き米国産メロディック・デス・メタル・バンド BEYOND THE EMBRACE のデビュー盤。
米国らしいと言われてみれば米国らしいと思い込むかも(苦笑)的なザクザクしたスラッシュ風味も所々で見せてはいるものの、ツイン・ギターのメロウな叙情フレーズを常に鳴り響かせながら勢いよくドライヴィングを重ねるシンコペーション多様なその楽曲スタイルは、疑う余地なく北欧メロディック・デス・・・そう、IN FLAMES 型そのものだ。
相当な泣きフィーリングを持ち合わせたリード・ギタリスト Oscar Gouveia と、彼にハーモニーを付加する Jeff Saude(こいつが Bjorn Gelotte 意識したルックスで笑える/笑)2人のギター・ワークが発散するエモ〜い感触も◎だが、この BEYOND THE EMBRACE 最大の特徴は、やはりシンガー Shawn Gallagher(なかなかにグッド・ルッキン!)の歌唱だろうな。
何といっても、激情に喚くデス・アジテートと共にたっぷりと配されたメロディック歌唱パートで聴かせる声質/唱法が、James Hetfield に酷似しているのが面白い。その歌声が運ぶ明快な空気は、曲名までなんとなく IN FLAMES っぽい(汗)#9 "Embers Astray" に代表される節々で IRON MAIDEN からの直接的な影響を強く感じさせる楽曲の質も相俟って、このバンドがデス云々ではなく純なパワー・メタルとしても充分なポテンシャルを持ち合わせていることを確信させる。
たまにリズムの甘さ/雑さの加減が醸し出す勢い重視のドタバタ感を強く感じたり、アレンジの未整理な部分が気になったりするが、そのあたりはまぁ今後に期待かな。
アコースティックな泣きを浮遊させる #5 "Drowning Sun"、初期 DARK TRANQUILLITY に通じる慟哭をドラマティックに綴った #10 "The Riddle of Steel" という2曲のインストの充実振りも◎。

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Past Time with Good Company (2002)
2002年5月3日のオランダ Groningen 公演の模様を収録した、バンド初の2枚組ライヴ・アルバム。
いやいや、もうねぇ、Ritchie Blackmore ・・・彼の生み出す音の全てが、完全にこの身に染み込んでるわ。そりゃそうだよなぁ、オレがメタリアンになるきっかけとなった人なんだもん。プレイ・ボタンを押して流れ出てきた 名曲 Disc1-#1 "Shadow of the Moon" でのアコースティック・ギターのピッキングのニュアンスを感じ取った瞬間に、早くも悶絶しちゃった。(馬鹿)
それにしても、こうしてライヴで聴く BLACKMORE'S NIGHT、厳かで静粛な楽曲がライヴならではの情熱的な装い&有機的な響きに包まれて、更なる愁いの魅力に輝いてる。
超名曲 Disc1-#6 "Under a Violet Moon" は何度聴いてもノリノリで電車の中でも掛け声を上げてしまいそうだし、雰囲気のドンピシャな DEEP PURPLE の名バラード Disc1-#7 "Soldier of Fortune" の収録も嬉しい・・・が、最大の聴きどころは RAINBOW の楽曲である Disc2-#1 "16th Century Greensleeves"。久々に聴く Ritchie の炎のようなエレクトリック・プレイ・・・マジたまらんッ!!号泣!! p(TwT)q
どの曲でも、まるで旅の途中のジプシーが炎を囲んで宴を繰り広げているような得も言えぬ楽しげな和やかさが新鮮で、Candice Night たんの非常にリラックスした M.C. がこれまたなんともイイ感じなんだよねー。
その Candice の歌、オレは全然問題なく好きなんだけど?(苦笑)

Jacket BLIND GUARDIAN 70
A Night at the Opera (2002)
約3年8ヶ月ぶりの 7th アルバム。
"Nightfall" という超悶絶級の名曲を擁しながらも全体的には物足りなさを感じた前作同様、本作でも「悪くはないんだけど・・・」っつー消極的な感想を得たッス。
Hansi Kursch が壮麗なクワイアを纏いながら特長的な声で唄うヴォーカル・パートがドラマティックな高揚感を生みつつも、その反面あまりにも絶え間無く歌うために「常に山場的な」平坦さを感じさせてしまうのがチト辛いな。
前作で「戦犯」呼ばわりした Andre Olbrich の、そのゆるやかなピッチベンドが特徴的なギター・オーケストレーションが、やっぱりどの曲でも同じ表情を見せているのも聴いて飽きを誘うしね。
って、"Somewhere Far Beyond" まではホント狂ったように熱狂してたんだけど、この醒めっぷりは大仰なファンタジー・メタルを標榜するバンドの増加、そしてそのそれぞれの極端なイッちゃい振りに慣れてしまったオレの感性がスレてるのかなぁ。。。(汗)
オヤヂ的には伝統的英国ロックへの懐古を感じられる部分は美味しいんだけどー。

Jacket BLOOD STAIN CHILD 83
Silence of Northern Hell (2002)
劇メロ伝道師、和田 "キャプテン" 誠 氏が自らの理念を貫くべく新設したレーベル、Captain Rock Records からの第一弾リリースが、この大阪の若き5人組 BLOOD STAIN CHILD
ネオ=クラシカルなテクニカル・ギター&キーボードをゴージャスなオーケストレーションで包み込み、その上でブラッキーなデス・ヴォイスがギャアギャアと喚くドラマティックなアグレッションに満ちたシンフォニック・デス・メタルの様子は、KALMAH, THRONE OF CHAOS, NORTHER 同様に「CHILDREN OF BODOM タイプ」と形容できるもので、オーケストラ・ヒットとともに「ッギャッ!ッギャウ!」って合いの手入れちゃうとこなんて、普通の神経だったら恥ずかしくてボツだろコリャ!ってほどソレっぽい。
って、確かにその成りきり具合ったら物真似を通り越して泥棒の域にまで達しようとしているんだけれども、本作を聴いて得られるカタルシスの理由であるその優れた楽曲構築力には、確実に「BLOOD STAIN CHILD ならでは」って部分が感じられるのがいいね。
特に、切ないメロディが炸裂する #3 "Under the Sin of Grief" とキーボードソロ手前の一瞬のメジャー転調がカッコ良過ぎる #5 "Requiem" は、彼らのメロディック・プレイに対するセンスの良さが滲み出た秀逸の出来。前者は、もしライヴでコレ演ったらユニゾンでデス・ハーモニーをかましながら、2コーラスめからはバックのギター・メロに合わせてアルバムには入っていないクリーン・ヴォーカル・パートを追加させるべく歌いまくりたいって感じっすわ。
ただ、平坦で奥まった作りのサウンド・プロダクションは、明らかにマイナス。この BLOOD STAIN CHILD の個性ともいえる程に麗しくも煌びやかなオーケストレーションの音色選択のセンスは非常にイイんだけど、アタックタイムのカーブが緩やか過ぎるというか、オン・ベロシティの弱々しさがどうにももどかしいし、パタパタと鳴る迫力に欠けるドラムも聴いててちょっとシンドイ。ドラムに関しては録音状態の問題だけでなく、早いパッセージを多用した曲構成のバンドでは一瞬のリズムのヨレがそれまでの緊張感を台無しにすることもある・・・ってことを、ドラマー自身も録音テイクにOK出す人も共に肝に銘じて欲しいなぁ。
とはいえ、我が国からこのタイプのバンドがココまでの高いレベルで出現したことは非常に嬉しいッス。聴いてて全7曲がどうにも物足りないくらいだし。次作以降にもチョー期待!

Jacket BON JOVI 79
Bounce (2002)
8th アルバム。(って、枚数的にはまだまだそんなもんだったのね/驚)
84年に登場した時はどっから見てもハード・ロック・バンドだったのが、"Keep the Faith" 以降はスッカリ垢抜けちゃって、今や「めざましテレビ」でも話題になるほどの一般向け洋楽アーティストの代表格だもんなぁ。(遠い目)
それでも未だに新作がリリースされる度にこの BON JOVI を買い続けてるってのは、インストゥルメンタル群が発するサウンドの質が変遷しつつも変わる事がない Jon Bon Jovi の歌がそこにあるからなんだろうな。きっと。
本作に収録されている楽曲も、モダン・ロックのヘヴィな味わいやドラム・ループの導入など時流に乗った様々なアプローチを見せているが、Jon があの独特のアヒル声で歌うその魅力的な躍動メロディはしっかりと健在。
ヘヴィに始まりメランコリックなサビに繋がってゆく #1 "Undivided"、もし Liv Kristine 嬢が歌えばきっとカナーリそれっぽい「超 THEATRE OF TRAGEDY タイプ」(苦笑)な #2 "Everyday"、初期 BON JOVI の魅力を今に伝える路線の名曲(でもよく聴くと「超 TO/DIE/FOR タイプ」かも/さらに苦笑)#11 "Bounce"、そして #5 "Misunderstood", #12 "Open All Night" という2曲の傑出した情感溢れるバラード・・・と、オレ的に "It's My Life" 1曲だった前作 "Crush" と比較しても、楽曲の出来も粒揃いな感じ。もちろん退屈な曲も少なくなかったけどね。
特に #12 "Open All Night" は、すんげーカラオケで歌いたい! カラオケ化されるために、是非シングルでのリリースを希望!

Jacket BRAVE 85
Searching for the Sun (2002)
米国ヴァージニアの女性プログレッシヴ・ゴシック・メタル・バンド ARISE FROM THORNS が心機一転 BRAVE に改名しての 1st フルレングス・アルバム。
ややポッチャリながら魅力的な Michelle Loose 嬢の素朴かつ繊細な女声をフィーチュアした、内省と開放が微妙に手を組んだその独特のサウンドは、あえて既存のバンドに類似点を求めるならば LACUNA COIL の名を挙げつつ、洗練されたアコースティック風味のキャッチーなプログレッシヴ・ロックって見地では、MARA の 名盤 "America" に通じるものもあるかも。
ヘヴィでありながらキャッチーな魅力に満ちた #2 "I Believe"、アコースティックな安堵が流れる #3 "Falling into Bliss"KINGSTONE WALL 真っ青にマジカルな #4 "Trapped Inside"、テンションの効いたカッティングが洒落たアダルトさを醸し出す #7 "Bleed into Me" をはじめとする楽曲の数々は、時にヘヴィにグルーヴしたりさり気なく変拍子をかましたりしつつ、全体の印象はアコースティックで「女性ヴォーカルもののロック」といっても充分に通用する癒さ具合。
シンフォ風味は必要最低限に押さえ、様々なキャリアを経た上でここに辿り着いたと思える懐の深すぎる熟練のプレイが人間味に溢れた自然体である・・・ってのが、この BRAVE の魅力だな〜。

Jacket BYRD 64
Anthem (2002)
BYRD 名義としては2001年リリースの "Flying Beyond the 9" に続く2作目。
冒頭の荘厳なオペラティック・チューンからして、James Byrd の弾く Uli Roth を基本に Yngwie Malmsteen の影響を塗したいう文句の付け様がないほどバッチリ好みな極上のギター・プレイが満載。
・・・なんだけど、キーボード入りの様式寄り北欧ハード・ロックな楽曲の出来、チープなシンフォ・アレンジのクオリティの低さ、元 HEIR APPARENT / 現 TAKARAMichael Flatters が聴かせるまぁまぁ上手くはあるが全く個性のないヴォーカル、退屈極まりないリズム・パターン・・・と、内容の充実度は前作より大幅に後退。
大好きなギタリストなだけに、そして本作でもソロ・プレイ自体はその輝きを全く失っていないと感じられるだけに、その器となる部分のショボさが非常に残念だ。
ここからは推測になっちゃうけど、James Byrd ってば、今現在の「とりあえず自分のプレイを苦労せずに作品という形にしてリリースできる環境」に甘んじてるのでは? このまま質の低い作品を惰性で出し続けるってのは、スッゲー勿体無いんですけど!

Jacket CADACROSS 85
Corona Borealis (2002)
2001年リリースの 1st フル "So Pale is the Light" を先々月にゲットしたばかりのフィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド CADACROSS の、日本デビューとなる 2nd アルバムは、1st を聴いて感じた煮え切らなさを払拭する大成長が眩しい一枚。
壮麗なシンフォニーを纏ったキラキラ&メロメロな甘口メロディック・デスという基盤は変わらずも、ヴァイキング・メタル的な勇壮さやフォークロアな民謡風味を強め、さらには XaMetalic なエピック・テイストまでもを増加させたその強力なサウンドからは、前作で感じられたショボショボな「オタクな宅録テイスト」は見る影もない。鎖帷子を身に纏った(嬉泣)ニュー・シンガー Sami Aarnio の咆哮も良ぉーく聴こえるし。
楽曲のスタイルも、女性シンガー Nina Laakso 嬢の味付け程度ながら重要なテイストとなっているメロディックな女声コーラスやフォークロアに絡むアコーディオンなどでヴァラエティを不可すると同時にしっかりとしたリズムがガッツィーな力強さを打ち出した、CHILDREN OF BODOM フォロワーから脱却せんとする意欲を発散したものだ。
NIGHTWISH に通じる勇ましいオーケストレーションが高揚を誘う民謡臭も強い #4 "Morning Star"CHILDREN OF BODOM の影響が色濃く残る #6 "Flaming Ember"、インパクトに満ちた勇壮なパワー・メタル #9 "Wreath of Seven Stars" あたりは特に印象的で、悶々とした哀切メランコリーの風合いは、すでに ETERNAL TEARS OF SORROW に匹敵する一級品の風格すら滲ませるほど。
まぁ、まだまだ個々の楽曲自体にやや淡白な印象があって、それぞれの楽曲そのものの魅力というよりは「全体のムードの良さ」が勝っていたりはするけれど、今後この CADACROSS にコレ系バンド群の先頭集団の一角を担っていって欲しいという期待を抱かせるには 充分なクオリティを持った作品だ。
ボーナスとして収録された #11 "Wreath of Seven Stars (in Normal Voice Version)" は・・・本編中のデス・ヴォイスで歌ってるヤツの方が、69万倍カッコイイと思いまシタ。

Jacket CAMEL 80
CAMEL '73-'75 Gods of Light (2002)
既発の初期ライヴ音源を再編集した一枚。
何度聴いても "Lady Fantasy" はやっぱたまんネーっす。

Jacket CATAMENIA 82
Eskhata (2002)
フィンランドの中堅メロディック・ブラック・メタル・バンド CATAMENIA 待望の 4th アルバム。
怒りによる暴虐というよりは極限の悲哀による激情を滲ませるブラストが連射される中、ヘヴィ・メタルの様式に則った泣きのギター・ハーモニーとあくまでも装飾に留まる控えめなシンフォニック・アレンジを身に纏った哀しみに満ちた楽曲群は、実に堅実な出来映え。
この CATAMENIA の最大の魅力といえば、北欧メロディック・ブラック勢の中でも特に寒々とした悲壮感を狂おしいまでに漂わせている点なんだけど、本作でもそのチャームポイントは往年の OLD MAN'S CHILD を凌ぐほどにバッチリと継承されている。
所々で聴かれるスタジオ技術を駆使した(って程でもないけど)味付け程度のエフェクト処理も、全体のクオリティの高さを感じ取るのに有利に働いていて◎。
・・・と、概ね満足しつつも、白眉の出来だった奇跡の名盤である前作 "Eternal Winter's Prophecy" と比較してしまうと、あらゆる方面でちょっとだけ後退気味なのが残念といえば残念かな。まぁ毎回あのレベルの作品を出されたら、それはそれで凄すぎて困っちゃうんだけどね。(苦笑)

Jacket CATHARSIS 77
Imago (2002)
XaMetal Shock Waves Spreading All Over the World !!
ってことで、ロシアにもやっぱり存在する XaMetaler がこの CATHARSIS。本作は彼らの 4th アルバム・・・らしい。
自ら「Neoclassic Metal Band」と冠しているように、クラシカルでエレガントな味わいを強調したドラマティックなメタル・サウンドではあるのだが、ロシア〜ンな民謡風アレンジを伴うシンフォニックな疾走、沢山の具を消化しきれないアレンジのドタバタ加減、そしてそこに乗る微妙にヘナチョコな歌唱(汗)から受ける印象は、立派に XaMetal のそれだ。(褒)
・・・と茶化してはいるものの、そのクオリティは決して低くはない。STRATOVARIUS ライクな欧風メロディック・メタルを軸に前述の民謡風アレンジを施した楽曲はなかなか堂に入ったものだし、ギタリスト Anthony Arikh がしっかりしたリズムに乗ってプレイする16分の流麗なクラシカル・フレーズの端整な安定感も見事。中域の気だるさがニューウェーヴ的でもあるヘナチョコシンガー Oleg Zhilyakov だって、随所の語尾で「♪・・・ラエぇ〜〜」と言っちゃう「Timo Kotipelto 症候群」の発症がイライラを誘いながらも、「味がある」と理解することのできる範疇だしね。
笛や弦の舞い踊りが我々 XaMetal メイニアのガッツポーズ(with 呆笑)を誘う #3 "Heart of the World", #9 "Dancing in the Fire" という2つの秀曲の存在はかなーり強力!
ただ、なんとなく跳ね気味のリズムに時に違和感を感じたり、何故か耽美なゴシックの香りが漂う部分もあったりと(こっちは嬉しいんだけどね)、辺境メタル独特のミクスチャー感覚がマイナスに感じる瞬間もあるかもなぁ。
ちなみに今回 GET したのは英語版。まもなく現地語版も出るらしいと聞いて「もうちょっと待ってそっち買えばよかった!(TwT)」と一瞬悔しがってみたものの、実際には本作でも英語を歌ってるのに英語に聴こえないからまぁいいか。(汗)
あ、ヤヴァい、大事なこと書き忘れてた。・・・キーボード弾いてるの、Julia 'Red' Egorova たん ってお姉さんだった。(^^)

Jacket CELESTY 78
Times Before the Ice (2002)
平均年齢未だ20才そこそこっちゅーフィンランド産次世代 XaMetal バンド、CELESTY の 2nd デモ。
本作は CELESTY のオフィシャルファンページ(http://www.xametal.net/celesty/)の管理人、じろーから頂いたもので、聴くまでは「どーせフィンランドの田舎町でタムロってる童貞糞ガキ達の趣味ド下手バンドだろ? 聴かずに2点とかつけとけばいいや。(笑)」とか言ってたんだけど・・・いやはや、ワタクシ、舐めてました。(マンコを・・・じゃないよ!/笑)
ドラマティックなシンフォニーに語り部のトークが乗るイントロのエンディングで響き渡る「シャキーーーーンッ!」ってな剣の音に続いて飛び出してきたのは、ラッパ系ファンファーレ・アクセントが醸し出すイタリアン・シンフォニック・メタル的な悶々としたクサさをも GET した、SONATA ARCTICA ばりのポップともいえる印象的な叙情メロディ満載で青春っぽく疾走するのメロディック・スピード・メタル。
いやー、これがリズム転換の妙とメロディ運びの緩急のツボを心得た、歌いどころ、ヘッドバングしどころ、掛け声の上げどころに気を遣ったなかなかの出来でビックリ。
プレイ的にも、推進力抜群の巧いドラマーをはじめ、勢いよくネオ=クラシカルなファスト・プレイを決めるギターとそれを上回る達者さでバトルに興じるキーボードと、そのレベルは意外に高い。シンガーも、愛すべきヘナチョコ系(苦笑)なんだけど、聴いてるうちに「意外といいな」って思えてくる程に充分なレベルだしね。
5曲入りの本作は、オープニングとエンディングがそれぞれイントロ/アウトロとなっているんで実質3曲入りなんだけど、その3曲どれもが話題の大手スパニッシュ XaMetalic レーベル ARISE RECORDS からリリース予定の来るべきフルレンスアルバムに収録されればハイライト・チューンになるだろう佳曲ッス。
当然デモなんで甘いところも山盛りなんだけど、この作品から滲み出る「可能性」の前には、それらは大した問題ではないかもね。
・・・スイマセンでした! じろー様!(苦笑)

Jacket CELESTY 86
Reign of Elements (2002)
フィンランド産メロディック・スピード・メタル・バンド CELESTY のデビュー・アルバムにして本邦デビュー盤。
ギター&キーボードがハイ・テックに競い合いながらブチかますキラキラドコドコな疾走の風合いとわかりやすいキャッチーな北欧歌メロの具合こそいかにも SONATA ARCTICA を御手本にしてマスって感じだが、それに加えてこの CELESTY に備わっている大きな魅力が、イタリアン・メタルに通じるエピックな大仰さ。
全編をリードする勇壮なオーケストレーションの響きは、ゴージャスなんだかチープなんだかよくわからない(苦笑)けれども、要所要所で聴き手の血を沸き立たせることは間違い無いんだよね。タイトルトラック #5 "Reign of Elements" のイントロとか #3 "Revenge"のソロの途中とか、悶死する寸前だったもん。(笑) この派手めのオーケストレーションをはじめ、曲の随所で実にセンス良く小技を聴かせる鍵盤奏者 Juha Maenpaa、テク的にもカナリのものを持っていると感じられるし・・・只者じゃないかも!?
彼と対決するリード・ギタリスト J-P Alanen (18歳!?) はじめ、他のメンバーもその若さらしからぬテクニシャン揃い。もちろんシンガー Kimmo Peramaki のヘナチョコ・ヴォイスだって充分に「これが若き血潮なんじゃん」って許容できる範囲だしね。(笑)
ただ、#2 "Charge" が、デモ "Times Before the Ice" で聴けた「シャキーーーン!(剣を抜く音)」「Chaaaaaarrrrrge!」ってアレンジじゃなくなってるのは超残念。あの「失笑寸前のやり過ぎ感」もこの CELESTY 大きな魅力だったんだけどなー。

Jacket CHARON 86
Downhearted (2002)
SCORPIONS"The Sails of Charon" に心酔するオレ的には特別な名詞である CHARON という単語をその名に冠したこのバンドは、フィンランド産メランコリック・ゴシック・メタル・バンド。
本作は彼らの 3rd アルバムで、ここで展開されているのは現在のフィンランド・ゴシック・メタル界においては主流なのであろう、メランコリックなノリノリ哀愁ゴシックだ。
2小節ごとにコードを変化させる8分のダウンストロークが基本の TO/DIE/FOR, HIM, ENTWINE に通じる王道スタイルなのは確かだが、堅実な歌唱力を備えたシンガー Juha-Pekka Leppaluoto の色気ある歌唱とそれに絡む効果付け程度ながら充分に印象的な女声、そして溌剌としたギター・ワークがリードする愁いある演奏(隠し味のプログレッシヴなキーボードの音色も何気にツボ)に必要以上の気だるさがないのが非常に好印象。
ある意味軽快かつ快活に進行するメロディが、耽美な絶望感を誘いつつ琴線を撫でてゆくその魔術的な手触りは、あえて SHARK ISLAND meets SENTENCED と喩えておきたいね。
ただ、このタイプのスタイルってどうしても楽曲パターンが少ないので、冒頭から "Little Angel" あたりまで続く衝撃が後半を超えて最後まで持続しないのはまぁ仕方ないかな。

Jacket CHTHONIC 71
Relentless Recurrence (永劫輪廻) (2002)
Doris 嬢(b)、Vivien 嬢(g) という二人の女性を擁する台湾のメロディック・ブラック。全体的には平均的な出来ながら、二胡の響きが独特で◎。

Jacket COMPANY OF SNAKES 62
Burst the Bubble (2002)
Bernie Marsden & Micky Moody という WHITESNAKE 全盛期を支えた・・・っつーか WHITESNAKE の顔だったといっても過言ではないギター・コンビ(と Neil Murray!)によるバンドでありながらも、前身バンドである THE SNAKES から通じてその過去に縋(すが)ったアプローチから「本物なのにニセモノ」的なよく解らないイメージを受けるよね。
それでも、本作ではシンガーに迎えた SNAKES IN PARADISE の(やっぱ蛇なのかよ!/苦笑)Stefan Berggren による意外にも David Coverdale らしさの希薄な(あくまで希薄・・・/汗)ソウルフル・シンギングのせいで、程よく WHITESNAKE っぽさを継承しつつも言うならば URIAH HEEP に通じる独自のブルージーなハード・ロック路線に舵取りすることに成功してるように見える。
が、レイド・バックしたホンキー・トンクなサウンドは、やっぱ今のオレには少々退屈に感じられてしまうんだよな・・・ただ一曲泣き泣きの絶品バラード "Hurricane" を除いては!

Jacket CORNERSTONE 79
Human Stain (2002)
ROYAL HUNT のベース・プレーヤ Steen Mogensen が器用系シンガー Dougie White をパートナーに活動するプロジェクト・バンド CORNERSTONE の 2nd アルバム。Allan Sorensen, Jacob Kjaer, Kenny Lubkce, Tony Rahm といった ROYAL HUNT / NARITA 組が今回もサポートしている。
RAINBOW / DEEP PURPLE 風味のオーセンティックなハード・ロック色を増加したのはむしろ歓迎なのだが、その代償としてデビュー作でオレを悶絶させた DARE 風味のスマートな哀愁 AOR/HR の味わいが大幅に減少してしまったのがなんとも残念・・・。(泣)
そして、Mike Tramp のソロ・アルバムへの参加等でその名をメキメキと上げつつある本作のメイン・ギタリスト Kasper Damgaard のロックンロールの造詣にも満ちた豊潤な北欧プレイのエモーショナルさが目立つだけに、逆に ROYAL HUNT 譲りのいかにもクラシカル・メタルなメロディック・バッキング・リフの無機質さが浮き彫りになってしまっているし。
とはいえ、Dougie White のレンジの広さと多彩な表現力を併せ持ったほんのりとブルージーなハード歌唱はさすがに魅力的で、期待するものとはチョイと違いながらも実際よく出来た楽曲を見事に引き立てており、聴き応えバッチリ。そのあたりは RAINBOW 関係者と言うことで多少贔屓目が入っちゃってるかもしれんけどね。(汗)

Jacket CREST (THE) 78
Letters from Fire (2002)
ノルウェーのデジ・ポップな女声ゴシック。Nell 嬢の歌うキャッチーで涼しげな歌メロがナイス。

Jacket CROWN (THE) 91
Crowned in Terror (2002)
激走メロディック・デスラッシュ勢の先頭を突っ走るスウェディッシュ・バンド THE CROWN の 5th アルバムは、大傑作である前作 "Deathrace King" に勝るとも劣らぬ、まさに「さらにブルータルかつシャープに研ぎ澄まされた TESTAMENT」の風合いに包まれた一枚。
超絶ドラマー Janne Saarenpaa による軽やかさでありながら重量感も忘れない超絶ブラストが整然と心地よいパワー・ヒットを重ねるデスラッシュ・チューンズは、イントロに続く "Crowned in Terror" からボーナス・トラック "Burnin' Leather" までシンプルさとテクニカルさが好バランスで鬩ぎ合う感情移入しやすいフックが満載で、そのノリドコロのツボを得た心地良さは筆舌に尽くし難いんだよな。
相変わらず、パートナーである Marko Tervonen が「デス・メタル界の Yngwie Malmsteen だ!」と評する激テク・リード・ギタリスト Marcus Sunesson が紡ぎだす北欧ならではの粒立ちのいいネオ=クラシカル素地の叙情ギター・パートの出現を心待ちにしつつ("Death is the Hunter" のエンディング・ソロに悶絶!)、本作からシンガーの座に着いた元 AT THE GATES のカリズマ・シンガー Tomas Lindberg の情念と共に喚き立てる咆哮の「聴き易さ」もプラス作用でイイ感じ。
なにより、激烈なブルータリティが仄かな邪悪さを孕んでいるのにも関わらず、得られるモノが健康的とも言える爽快感なのがやはり面白い。ブックレット裏の VENOM への敬愛溢れたパロディもナイスセンス!

Jacket CRUACHAN 74
Folk-Lore (2002)
アイルランド産土着型ケルティック・メタルを標榜するこの CRUACHAN、この 3rd アルバムでは前作 "The Middle Kingdom" でのショボショボながら雰囲気満点だった音像をしっかりと継承しつつ、順調にその品格を上げてきた感じ。
確かに本作でも良い言い方をすれば「ジプシー・ライクな奔放さに満ちた」(反対に悪い言い方をすれば「整合感の欠如した」)落ち着きがなくレンジの狭いサウンドは相変わらずだが、よく聴くと意外とタイトなリズム隊とさすがケルトの本場なだけのことはあるそのフォーキーな旋律の暖かな味わいは、なんだかんだ言ってもなかなかの魅力を孕んでいるんだよねー。やっぱり。
Karen Gilligan 嬢の女声を中心にイイ感じに情けない男声や時たまデス・ヴォイスも登場する楽曲のベースは、些か古臭い伝統的メタルだったりまるっきし民謡な朴訥メタルだったりブラスト・ビート炸裂のブラック・メタルだったりと多様な側面を見せながら、いつでも舞い踊りつつけるホイッスル、フィドル、フルート、パイプその他の民族楽器が奏でる土着的な旋律が特徴的。
所々で感じられる、クサレ外道どもが泣いて喜びそうな N.W.O.B.H.M. 時代のマニアックな7インチ・オンリー・バンドに通じるイナタいフィーリングも捨て難いな。
でもやっぱショボイっす。(汗) 愛のあるショボさだけど・・・ってなんやそれ!(笑)

Jacket CYRIL ACHARD'S MORBID FEELING 87
In Inconstancia Constans (2002)
「フランス人ギタリスト」といえばちょい前までは Patrick Rondat、そして近々では当サイトの2001年度ベスト・ギタリストに輝いた Stephan Forte を真っ先に思い浮かべる今日この頃、先に我が国でもリリースされた "A Tribute to Jason Becker" にも参加していたこの見事なテクとセンスを持つギタリスト Cyril Achard もそんなフランスからの新たな刺客だ。
彼の2枚目のソロ作であるらしい本作は、MORBID FEELING という名の看板を掲た新バンドとしてのデビュー盤という意味合いもあるが、その内容はといえばまさにそのとおりの「ずば抜けたギタリストが率いる新生プログレ・メタル・バンド」という印象。
80年代後期に当時10代にして既に ATOLL (!) から分裂した ATOLL SUD なるプロフェッショナルなバンドのメンバーとして活動していたという経歴を持つ Cyril Achard の Jazz/Fusion をも飲み込んだ凄絶なネオ=クラシカル・プレイと、それに追随する他の楽器陣によるハイ・レヴェルなテクニカル・グルーヴが生々しく火花を散らす、DREAM THEATER を手本としながら欧州真性プログレッシヴ・ロックの叙情的な鼓動をも封じ込めた楽曲はスリリングな魅力的たっぷりで、"Fallen From Grace" 後半でのソロの応酬が発散する凄まじい緊張感は、マジで小便がパンツの中で迸るほどー。
さらに美味しいのは専任シンガー Patrick Peek によるキャッチーな歌唱が彩る「歌モノ風味」で、そのややぶっきらぼうでありつつも繊細な表現にも長けた歌声と声質がバックの音像と絡む姿は、所々で IT BITES の面影を瞼の裏に浮かばせるのが嬉しいね。
この美味しいプログレ・メタル作品が「数多いテクニカル系ギタリストのたぶん退屈であろうソロ作のうちの一枚」と誤解されたまま闇に埋もれてゆくっつーのは、あまりにも勿体無いなぁ。
ちなみに Tony MacAlpine が3曲でゲストでキーボード・ソロを披露してマス。(レギュラーメンバーである Jean-Marc Layani が相当に凄いので、あまりセールスポイントにはなってないけどね。/汗)

Jacket DAKRUA 71
Shifting Realities (2002)
イタリアン・シンフォニック・ドラマティック・ゴシック・メタル・バンドの 2nd アルバム。
オーセンティックなメタル・ギターを壮麗に鳴り渡るシンセのオーケストレーションが包み込む中で、Eva Rondinelli 嬢の情念を感じさせる力強い女声をメインに William Quattrone が朗々と(時々デスで)歌い上げるな男声が絡む、正統メタル寄りのゴシック・メタル路線は前作同様。
一聴するにその非常に大仰で耽美な佇まいに圧倒されるが(それで買っちゃったんだけど/汗)、楽曲から享受できる充実感が前作とは比較にならぬほど希薄なために現時点では決して悪い印象はないものの、突出した良さを感じられない。
ムードは最高なんだけどクライマックスが来ないうちに終わっちゃう・・・ってありがちな一枚になってしまったな。ま、もう少し聴き込んでみよっと。

Jacket DARK MOOR 90
The Gates of Oblivion (2002)
作を重ねる毎に成長著しいスパニッシュ XaMetal バンド DARK MOOR の 3rd アルバム。
HELLOWEEN 型の明快なメロディック・スピード・メタルをベースに壮麗なオーケストレーションとネオ=クラシカルな味わいのギター・ワークを施した劇的なシンフォニック・メタルは本作でも健在で、さらに XaMetal 先頭集団を走るバンド群の一員として認知されつつあるだけの貫禄をも備えつつあるのがひしひしと感じ取れる。
本作で特徴的なのは、愁いに満ちたメロディを歌い上げる DARK MOOR の最大の魅力である Elisa C. Martin 嬢(やっぱ嬢だろ!)の歌唱が前作以上に表情豊かになっている点。予想以上に高い音域まで無理なく伸びる男性顔負けの堂々たる勇壮なメタル歌唱は、スパニッシュらしいエスニックな節回しを端々に僅かに潜在意識レベルで忍び込ませながら、さらなる微妙な緩急の妙に満ちているのがイイ感じ。そして何といっても、前作とは比較にならぬほど女性らしさを増していることが嬉しいぢゃあーりませんか! バラード "Your Symphony" での画期的にプリチーな萌え萌えファルセットな歌声、本編ラストを飾る11分超のクラシカルな大曲 "Dies Irae (Amadeus)" でのソプラノ歌唱なんかはまさに新機軸だなー。
あえて言うならば、オレにとって DARK MOOR のもう一つの魅力だった「北欧様式美の悶々とした叙情」と言う観点においてはちょいとだけ後退しているかな・・・つー感じだけど、ジャーマン・メタル的殺傷力の高さが光る "A New World"STRATOVARIUS 風味のマイルドなキャッチーさが美味しい "Starsmaker (Elbereth)"、イントロから瞬殺のまさに彼らの十八番な "The Night of the Age"、そしてまるで RHAPSODY な(苦笑)"A Truth for Me" を始めとする上述した Elisa 嬢の新たな魅力がたっぷりと堪能できる悶絶チューンズの前には、そんな戯言は意味ナイッス。(苦笑)
ちなみに、前作のボーナス・トラック "The Fall of Melnibone" もオマケ以上の出来だったけど、本作収録のボーナス・トラック "Mystery of Goddess" も同様にイケてる!

Jacket DARK SKY 85
Edge of Time (2002)
ドイツ産メロディック・ハード DARK SKY の 2nd アルバム。
ハード・エッジなギター&華麗なキーボード・ワークがキャッチーで快活な哀愁ハード・ロックを次々と聴かせていく様は、イヤでも TREAT, DA VINCI などの北欧勢の姿を思い起こさせるもので、思わずニンマリ。ポップさとハードさのバランス、そして滲み出る透明感溢れるメランコリーからは「ヴォーカルが普通の声な SHY」という形容も脳裏に浮かんでみたり。
収録曲された楽曲は、どれも北欧哀愁ハード愛好家の胸にグッと来るだろうフックとハード・ロックのドラマティックな側面を持ち合わせたもので、中でも Mikael Erlandsson を想わせる切ないセンチメンタリズムが爆発する #10 "By Your Side" は特に出色の出来。前作でもイントロ3秒で失禁&脱糞必至のオープニング・チューン "Rock Me" という名曲があったように、「必殺の一曲」を作れるバンドはホント強いわ。
しっかしこのスタイル、もしも・・・もしも今は亡きゼロ・コーポレーションが現存していたならば、間違いなくトップ・プライオリティで扱われていただろうなー。#8 "Hard Life" のようなツーバスドコドコの疾走曲がひょっこりと入ってたりするのもなんだかそれっぽいし。(笑) (Feb. 02, 2003)

Jacket DARK TRANQUILLITY 86
Damage Done (2002)
DARK TRANQUILLITY の 6th アルバムは、本流に戻ろうとする彼らが初期に聴かれた激情のパワーに "Projector""Haven" と遠回りした「わらしべ長者の道」で得た耽美なゴシック的要素をバランス良く注ぎ込むことに成功した入魂の一作。
あくまで HEAVY METAL なツイン・ギターとキーボードが導く叙情が絶妙な切込みを見せるアンサンブルの緩急が実に見事な出来映えな極上の哀しみ系エクストリーム・ミュージックの上で、Mikael Stanne の漢の咆哮が絶望的に響く様は、「おぉ〜、そうきたか!」「あ゛〜、これだよ!」と、独り言を誘いまくる。
これまでになく変拍子を聴かせるプログレッシヴな側面もあり、これが "The Mind's I" の次に来てたら、DARK TRANQUILLITY 自身も、そして彼らを取り巻く北欧暗黒系音楽界の現況も、今とは違う姿になってたかもね。
ただ、オレ的には決めの一曲が見当たらないのがチョイと惜しい感じ。

Jacket DARKANE 78
Expanding Senses (2002)
スウェーデンの先鋭エクストリーム・メトゥ DARKANE の 3rd アルバム。
ツタツタツタツタとツー・ビートで疾走するアグレッシヴなデス/スラッシュ・メタルに「ややクリーン」なメロディック・コーラス、そしてテクニカルなギター・ソロを注ぎ込むという SOILWORK と双子的な方法論はこれまで同様だが、IN FLAMES の新作 "Reroute to Remain" も手掛けたモダン・メタルの寵児 Daniel Bergstrand をプロデュースに迎えた本作は、SOILWORK, IN FLAMES が辿っている道筋から予想される通りの順当な進化を感じさせるもの。
シンガー Andreas Sydow の多彩な歌声は既に「デス」とは呼び難く、半音単位のメロディ移動がしっかりと把握できる程度の濁声は、普遍的なエクストリーム&ラウド・ミュージックの魅力をしっかりと伝えている。
Peter Wildoer の鋭く尖ったドラミングが先導するスラッシュ風味の純度の高さが、この DARKANESOILWORK を差別化するポイントだと思ってるんだけど、前2作では 80's ユーロ・スラッシュ(例えば DEAPAIR のような)を感じさせる風合いだったのが、モダンな進化を遂げた本作では、何故か ACID REIGN のようなハード・コア寄りのスラッシュ・メタルっぽさが増しているのが面白い。
#3 "Fatal Impact", #5 "Violence from Within" あたりは、そんな激烈なスラッシュビートとメランコリック&キャッチーなメロディック・コーラスがいい感じで融合を見せていて、今後彼らの代表曲になりそうな予感もするんだが、他の多くの曲ではそのレベルの閃きが希薄なのがチト惜しいかな。
でも、オレは Christofer Malmstrom のスムース&ウェットなネオ=クラシカル・ギターがたっぷり聴ければそれでいいや。(汗)

Jacket DARKWELL 63
Conflict of Interest (2002)
オーストリアの女声ゴシック・メタル・バンド DARKWELL の、新曲4曲、カヴァー1曲(Tanita Tikaram"Twist in my sobriety")そしてライヴ2曲を収録した MCD。
21歳っつーにはちょいと老け気味の Alexandra Pittracher 嬢の東欧ニュー・ウェーヴィーな気だるさを感じさせるややアンニュイな歌唱が乗るのは、勢いあるヘヴィなメタル・リフがシンフォニックなシンセ・ワークを纏った、前作同様の面白みに欠ける典型的ゴシック・メタル。
やや不思議系なメロディの即効性の薄さと貧弱気味なプロダクションが、聴き続ける気を削ぐんだよなぁ。1st でイイ感じの暗黒美の萌芽が感じられたんで GET してみたんだけど・・・残念ながら、それは萌芽のまま枯れてしまったのかも・・・。
決して悪くないだけに、余計引っ掛からずに通り過ぎてしまうのよね。

Jacket DAYLIGHT DIES 81
No Reply (2002)
バンド名のカッコ良さに惹かれてついつい買っちゃった(苦笑)この DAYLIGHT DIES はなんと U.S. 産というゴシック・デス・メタル・バンドで、本作は彼らの 1st フルレングス・アルバムだ。
Relapse が満を持して送り出したという本作を聴いてまず驚いたのは、ここに北欧の絶望系漢ゴシックを髣髴させる音が封じ込められてたこと。程々にドライヴィングするメタル・リフの波間に、激情なる死の咆哮を乗せたまろやかに愁うメランコリック・ギターの小船が漂う様からは、「アメリカのバンドである」という印象を得ることはまず不可能だ。演奏能力の高さはいかにもアメリカ的ではあるんだけどね。
実は、最初聴いた時には、質は高いけれども掴み所に欠けるかなぁ・・・なんて感じてたんだけど、何度も聴くうちにこの DAYLIGHT DIES ならではの良さがしっかりと沁み出てきて、メッチャ SENTENCED な(汗)#2 "I Wait"、ドゥーミーな味わいの #5 "Unending Waves"、暗黒叙情がじわじわと迫る #6 "In the Silence"、キャッチーな雰囲気を持った泣き曲 #7 "Minutes Pass" あたりには、今ではもうメロメロっすわ。
なんつっても、ほとんどの曲が6〜8分台と長尺なのが、大作好きには美味しいし!(^^)

Jacket DELIGHT 83
The Fading Tale (2002)
ヘヴィ・メタル寄りのゴシックメタルをやられています。おねいさんのふわふわな声がとてもいいです。キーボードのおねいさんもとっても華奢で萌えます。幸鬱漏、とても気に入ってしまいました。
・・・なーんて、鬱生タン@I.S.E.風にまとめてみるならば(汗)こんな感じのポーランドの女声ゴシック・メタル・バンドの 2nd アルバム。DELIGHT が国内盤デビューって・・・勇気あるな(汗)・・・と思って試聴してみたらコレがかなーり成長しててビックリしたので思わず GET。
悪くはなかったんだけど突出した部分がない平均的な女声ゴシックだったために物足りなさを感じた前作 "Last Temptation" に比べ、ヘヴィ・メタルの快活さに焦点を合わせた本作は、シンガー Paulina Maslanka 御姉タマの魅力的な歌声を存分に堪能できるクオリティを保持している。
色々と痛いことして欲しい妄想に駆られるナイス性悪系ルックスの Paulina 御姉タマ、その見かけとは相反するそのヘブンリィなソプラノ歌唱は儚げでいながら力強くもあって実に素晴らしく、ホントただただ聴き惚れるばかり。
ゴシックというよりはもう普通に「ヘヴィ・メタル」と言っちゃった方がしっくり来る楽曲は確かに未だに似通ったものも多いが、キャッチーな哀愁が◎なリーダー・トラック #3 "Carving the Way"、そして WHAM! の好センスなカヴァー #6 "Careless Whisper" という2曲の傑出した出来の曲の存在が、本作全体のレベルをググーッと引き上げてると思える。

Jacket DELIGHT 82
Eternity (2002)
自他共に認める M 男君なオレとしては性悪っぽい少々キツめの目付きがマジでタマんない悪女系シンガー Paulina Maslanka 御姉タマ と、一見純情ロリ系な印象のキーボーディスト Barbara Lasek 嬢 というタイプの異なる2人美女を贅沢にも擁した、ポーランドのゴシック・メタル・バンドの 3rd アルバム。
実は2001年の作品だった前作 "The Fading Tale" が日本では 2002 年の暮れ近くにリリースとなったため、アッという間の新作!?・・・という印象だが、実質的には約一年のスパンでの新作リリースってことらしい。
ツーバス連打で疾走する純度の高いメタル・チューン #6 "I Promise" に代表される、分厚いリフ攻撃とラウドに鳴るメタル・ドラミングがアピールするしっかりとヘヴィ・メタルな基本軸こそ前作ゆずりだが、ヘヴィはヘヴィでもややモダンなテイストに変化したリフのヘヴィさとメランコリックなメロディの浮遊感をそれぞれ強めた作風からは、デビュー作の王道ゴシックな路線に立ち戻ったかの印象だ。
・・・にもかかわらず、それが「後退」ではなく「成長」と感じられるのは、ときに儚く漂いときに力強く響く Paulina タン の魅力的な歌声で歌われるメロディ自身の輝きが強力に増しているせいかなぁ。メタル素地な下周りに、バランス良く導入されたデジ風味と控えめながら適度に広がるアトモスフェリックな柔和さが乗っかった、4分〜5分台が中心の聴きやすいまとまりを見せる楽曲の中心で魅力を振り撒く彼女の歌声に、この耳は釘付けなんだよね。
今のところ前作での "Carving the Way", "Careless Whisper"WHAM! のカヴァー)のような明らかに傑出した楽曲が見つかっていないのが少々物足りないのが正直なところではあるものの、メランコリーに満ちたコーラスでつかみは OK のオープニング・チューン #1 "The Hand"、淡い叙情がゆったりと流れる #5 "Whale's Lungs"、ピアノをバックに美旋律が切なく響く #7 "The Sun"、アルバム中唯一のポーランド語での歌唱が醸し出す東欧な雰囲気がナイスな #9 "Wieczny Final" とメロウ・サイドの充実が十分に嬉しい、バンドをしっかりと包み込む上昇気流のエネルギーの伝導が心地良い好盤。  (Jan. 19, 2003)

Jacket DEPARTURE 73
Corporate Wheel (2002)
米ニュージャージーを本拠に活動するマルチ・ミュージシャン Mike Walsh を中心としたメロディック・ハード・ロック・バンド DEPARTURE の 3rd アルバム。
アメリカン産業ネオ・プログレ風味のフックに満ちた充実の内容を誇る 1st "Departure" の登場に驚き、次なる 2nd "Open Your Mind" でのそれをさらにゴージャスに洗練させることに成功したサウンドにも感嘆させられたこの身としては、当然この3枚目にも期待は高まっていたのだが・・・。
大人のスマートさがギラリと輝く爽快で快活なハード・ロックはこれまで通りの質感ではあるんだけど、彼らが内包した(そして魅力でもあった)メロウな哀愁そして欧風な潤いが随分と後退したような。
バックの演奏の端々で聴かれる Mike Walsh 自身のウォームなギターを軸としたテクニカルな構築美は、いまだにこの DEPARTURE をただの歌物メロディック・ロックとしてだけではなく存在させるべく機能してはいるんだけど、聴いててどうも引っ掛かってこない感じ。比較的愁いを感じる #3 "Sacrifice" とインスト勢の感触にプログレッシヴな色彩が濃くみられる #5 "Down on My Knees" のみが辛うじて耳を惹く程度なんだよね。確かにクオリティも高く楽曲の出来も決して悪くないんだけどなぁ。全体のこれまでにない「明るいムード」が、オレの邪悪な心には眩しすぎるのか?(苦笑)
ヴォーカルも前任の Dave Baldwin (ex-TRADIA) の方が数倍好み。ニュー・シンガー Timothy Lewis ってすっげー Ted Poley っぽくない?

Jacket DESDEMONA 70
Lady of the Lore (2002)
そのファンタジックなメディーヴァル Xa ジャケに不覚にも超そそられてしまった(狂)イタリアン XaMetal バンド DESDEMONA の Northwind Records(ってカッコイイ名前だよなぁ/苦笑)からのデビュー作。
シンフォニックに疾走を重ねる典型的イタリアン XaMetal であることには間違い無いが、それに正統クラシカル・ヘヴィ・メタルの落ち着きとプログレッシヴ・メタル的スリルを程よく塗した楽曲の佇まいは、確実に「+α」なポテンシャルを感じさせる。
けっこう派手に弾きまくる泣き系ギター・フレーズも充分に耳を惹くが、やはりこのバンドの肝は「唄えるシンガー」Andrea Marchisio の存在だろうなぁ。疾走曲からバラードまで堂々と鳴り響くその張りのある歌唱は、このクラスのバンドとしては実に稀有な安定感に満ちており、バック陣がそこかしこに垣間見せる B 級 XaMetal ならではのショボさ(まぁ「味」っちゃあ「味」なんだけど)を差し引いても充分に今後に期待できそう・・・と思ってたら、この人 HIGHLORD に加入しちゃったらしい。。。
まぁそんな感じで、巧いヴォーカルが全体を引っ張りつつも、聴けば聴くほど演奏がドタバタしてたり曲展開がこなれてなかったりといった失点が妙に全体的に目に付くかも。それほど悪くはないんだけど惜しい感じ。

Jacket DIO 58
Kill the Dragon (2002)
オレ的ヴォーカリスト嗜好という意味でマジでホント根元にある偉大なる Ronnie James Dio が、前作 "Magica" で見せた全盛期への回帰をさらに推し進めた 10th アルバムは、なんつってもそのアルバムタイトル "Kill the Dragon" ってのからして期待が高まりまくるよね、普通。
で、実際に聴いてみても、今風なトレンドに対する色気を垣間見せた "Strange Highways" そして "Angry Machines" での迷いを断ち切って全盛期の作風を意識した本作の作風は実に天晴れ!
だが・・・天晴れなのはあくまで「作風」だけ。その内容は・・・やっぱ Ronnie James Dio ヘイルなオレにとってはあまりに辛すぎる退屈さで溢れていた。
確かに My God Ronnie James Dio の鬼神の如き超絶歌唱も、本作でギタリストに迎えた名手 Doug Aldrich の火の玉のようなスリリングなホット・プレイもちゃんとそこにある・・・が、楽曲そしてメロディのなんと単調なことよ!!(泣) 喩えるならば "Lock Up the Wolves" の中の捨て曲が集合してる感じ。Simon Wright の単調なロケンロードラミングも致命的に楽曲に合ってないし。
申し訳ないが Ronnie James Dio の中のクリエイティヴなメタル資源はもう枯れ果てたとしか言いようがないんだよね。まぁ彼のコレまでの偉業を思えばオレ的 Ronnie 欲としてはもう充分満足で、今後末永く活動しきながら奇跡的に名曲を生んだり、誰かとコラボレートして名演を残してくれたり(Yngwie との "Dream On" のようにね)、優れたミュージシャンを発掘したりしてくれればそれでいいかなーなんて思ったりしてね。
そうそう、#4 "Better in the Dark" って、超 BLINDMAN タイプじゃん?(汗)

Jacket DIONYSUS 93
Sign of Truth (2002)
スウェーデン産新鋭メロディック・メタル・バンド DIONYSUS(って、こっちは韓国のじゃないっすよ!クサレ辺境メイニヤの方々!/笑)が、天才 Tobias Sammet をプロデューサに迎えて放つデビュー作・・・・ってゆーかギタリストが元 NATIONJohnny Ohlin なんだよっ! Welcome baaaaaack! Johnny!
Johnny の他、彼の NATION での盟友 Nobby (B)、SINERGY の創始メンバー Ronny Milianowicz (Dr)、元 TREASURE LAND で 現 STORMWINDKaspar Dahlqvist (Key)、そして Luca Turilli のソロでの好演が耳に新しい欧州メロディック・メタル・シーン屈指の実力派シンガー Olaf Hayer (Vo/彼だけドイツ人) というマニアックな編成のメンバーが演っているのは、実に高品質な欧州系メロディック・メタル。
そんな現在の欧州では王道とも言える路線でありながら、DIONYSUS のサウンドは他とは明らかに異なるフィーリングに満ちている。最近の新世代欧州メロデイック・メタル勢のどれにもネオ=クラシカル風味は多かれ少なかれ配合されているけど、本作にたっぷりと封入されているネオ=クラシカル・パートから感じられるのは、それらとは一味も二味も違うまさに「伝統的北欧メタル」の気高き血統。
その理由はやはり Johnny Ohlin の存在なんだよな。そのセンス溢れるフレージングの妙は、この数年間の潜伏期間におけるブランクによる影響は皆無・・・それどころか更になるツボをつく程に老獪に研ぎ澄まされていて、マジでタマンないッスわ。
悲愴感に満ちたながらもキャッチーな #4 "Pouring Rain"、A.O.R. な煌きをも感じさせる叙情バラード #7 "Don't Forget"Olaf Hayer のマイルドな歌唱が見事!!)、ヘヴィ&メロウそしてクラシカルな #8 "Walk on Fire"EDGUY 風味も盛り込みながら明快に疾走する #10 "Loaded Gun"、ある意味 CONCERTO MOON な(苦笑)コテコテ様式チューンであるボーナス・トラック #11 "Key into the Past" など、楽曲的にも微妙なポイントで絶妙なコード・チェンジを見せる NATION テイストが感じられるナイスなモノが多いのが嬉しいね。
ってか、まずは「Johnny Ohlin 帰還!」って事実だけで万々歳!

Jacket DISARMONIA MUNDI 86
Nebularium (2002)
イタリア産メロディック・デス・メタル・バンド DISARMONIA MUNDI の2002年