Archives [Full Details] - 2002 / 245 Albums
Jacket RHAPSODY 99
Power of the Dragonflames (2002)
すべてがそこから始まった衝撃のデビュー作 "Legendary Tales" 以来、本作の前哨盤として外伝的役目を果たした MCD "Rain of a Thousand Flames" まで4作に亘って繰り広げられてきた Emerald Sword Saga の最終章となる節目の一枚。
極限に高まりきった期待感を一瞬でさらなる高揚で包み込む荘厳なクワイアを配した "In Tenebris" にて幕を開ける本作は、まさにこれまでの集大成と言える恐るべき充実度。
より密度を増した大仰なオーケストレーションを纏って泣きそうに(ってゆーか歌詞読みながら熟聴してマジで泣いた/汗)勇壮なメロと共に邁進する楽曲は、"Knightrider of Doom", "Power of the Dragonflame", "Agony Is My Name", "The Pride of the Tyrant" といつもどおりのお約束な定型フォームに則った名曲に支配されながらも、"When Demons Awake" ではデス・ヴォイス寸前のエクストリーム風味を入れ込んでみたり "The March of the Swordmaster" ではメロウなトラッドな味わいを醸し出してみたりそこかしこでイタリア語のパートを前作以上に効果的なアクセントと大幅に導入してみたり(バラード "Lamento Eroico" は一曲まるごとイタリアーン!)と、ここに来て新しい試みを盛り込んだ斬新さが光る。
フレーズ一つ一つを取り出してみればこれまでの作品で近いものが既出している事実を感じ取る事ができるだろうが、本作ではそれぞれの曲中に絶妙な仕掛けを配置しその意外性のある展開は見事にマンネリを打破していると言えるだろうね。
そういった4〜5分台中心にコンパクトにまとまったキャラ立ちの良い曲々を経て、ラストの 19分に及ぶドラマティックな一大歌劇 "Gargoyles, Angels of Darkness" でこの壮大な Emerald Sword Saga を締め括る・・・という構成のバランスも◎。相変わらず Fabio Lione の歌唱は底なしの凄さをまざまざと見せつけてるし。
唯一残念なのは Luca Turilli のあまりに引出しの少ないギター・パート。何かと言えば慌しく走り回る色気のない反復高速アルペジオで味付けしようとするそのセンスにはちょっと辟易してしまうなぁ。まぁこの RHAPSODY の音世界を創り上げている中心人物も紛れもなくその天才 Luca Turilli その人なんで、ギターの件は帳消しってことで。その弱点を補って余りある魅力に満ちているから悶絶しちゃうんだし!

Jacket TIME REQUIEM 95
Time Requiem (2002)
鍵盤魔人 Richard Andersson 率いるスウェーデンのネオ=クラシカル・メタル・バンド MAJESTIC が、その名を諸事情から TIME REQUIEM と変更しての再起第一弾。
が、バンド名だけが変わったのかというと決してそうではなく、MAJESTICYngwie 型ネオ=クラシカル様式美一直線だったのに対してこの TIME REQUIEM では DREAM THEATERSYMPHONY X に通じるプログレッシヴな広がりを大幅に導入、その新鮮な装い、はこの TIME REQUIEM を「新たなバンドとして認識すべきだ」と主張している。
そして、本作の最大の聴きどころは、やっぱ鍵盤魔人 Richard Andersson の良質のエゴの塊のような鬼神の如き弾きまくり。
9分を超えるプログレッシヴなタイトル・トラック #1 "Time Requiem" で幕を開け、早くも登場するこの新生 TIME REQUIEM の魅力のすべてが詰まった悶絶疾走チューン #2 "Watching the Tower of Skies"、キャッチーな悶絶疾走曲 #3 "Milagros Charm"、リリカルなイントロから一転して美しきヘヴィさを発散する #4 "The Aphorism"、アンビリーヴァボーなまでにぎっしりと音符を詰め込んだ歴史的に超絶な疾走インスト #5 "Brutal Mentor"、「"Marching Out" 期」の Yngwie のナイスな雰囲気に DREAM THEATER の味わいを無理やり融合させた(苦笑)#6 "Visions of New Dawn"、クラシックの名曲その他を問答無用の力技で完璧にコラージュしたハイライト・チューン #7 "Grand Opus"Peter Wildoer (Dr) の激テクが炸裂するフリー・フォーム風味なインスト #8 "Interplay of Matters"MAJESTIC の遺産とも言える王道ネオ=クラシカル #9 "Above and Beyond"、そして本編とは一味違ったポップな魅力を聴かせるボーナス・トラック #10 "Losers Shades of Hell" と、全曲がクライマックスなこの作品中、どの曲でも Richard が電子楽器の限界と思えるようなエモーションを込めながらとにかく弾いて弾いて弾いて弾き倒す様は圧巻の一言で、キーボード・ソロが終わって「さぁ、ここでギター・ソロにスイッチだ!」と身構える間もなく別のチャンネルから更なるキーボード・ソロが前乗りで傾れ込んできた時には「驚き→笑い→感動」いうように3種の感情がコンマ数秒の間に変遷しましたとも、えぇ! 聴いてるだけで指のあたりがむずむずとしだし、そのうち何故か手の甲の筋肉が吊ってくるという前人未到の経験が味わえるこれこそ、まさに「神盤」と呼ぶに相応しいですわ。
もちろん Richard 以外の活躍も聴き物で、素晴らしいメロディを歌い上げる Apollo Papathanasio の適度に荒れた歌唱も、このバンドに「Baby Metal」ではない男らしさを加味しているし、本作から参加の 元 ARMAGEDDON/現 LAST TRIBE の若きテクニシャン Dick LowgrenRichard の超絶フレーズに対して鬼のように激しくユニゾる様も超々スリリング。
ま、相変わらずパクリッシュ全開な泥棒系メタル(笑)ではあるんだけど、セコいコソ泥だったら貶すところが、このバンドったらルパーン級の世紀の大怪盗なんで逆にヒーロー視するくらいが丁度いいかと。(笑)

Jacket PAIN OF SALVATION 94
Remedy Lane (2002)
その独特の気高さからプログ・メタル・シーンはおろか音楽界全体に於いてすら唯一無二の存在になりつつある(てかオレ内で勝手にそう位置付けつつある/苦笑)スウェーデンの内省プログレッシヴ・メタル・バンド PAIN OF SALVATION の奇しくも DREAM THEATER と同日リリースとなった 4th アルバムは、目を閉じ正座して微動だにせずヘッドホンで聴く以外の聴き方を許さない3部構成の75分間。(苦笑)
前作 "The Perfect Element Part I" を2000年度の No.1 アルバムに挙げるほど気に入った身としては当然続く本作もそれなりの期待を持っての対峙と相成ったわけだが、主軸となるイマイチぴんとこない変なコンセプト(苦笑)はさて置き、このある意味「ドゥーム」とさえ言えちゃうような荒涼とした暗黒の精神世界の情景描写はまさに PAIN OF SALVATION に期待したもの以外の何者でもない素晴らしさ。
真性ユーロ・プログレッシヴ・ロックの優美な隙間感とエモーションに満たされた収斂と躍動/拡散と集中を繰り返しながら変幻自在に展開する楽曲は、インスト・パート以上に天才 Daniel Gildenlow 自身の表情豊かな心に染みる歌メロが重要な位置を占めるという事実が、この「心地よい難解さ」を生む一因となっているんだよね。特に "Undertow" から "Dryad of the Woods" までの4曲で構成される CHAPTER 2 で聴ける、精神を直撃する情熱的なまでのナイーヴな絶望暗さは絶品。
この濃密盤、確かに未だに全貌を理解したとは言い難いが、今は一音たりとも聴き逃さないように集中して聴き込むのが楽しくて仕方ない!

Jacket DIONYSUS 93
Sign of Truth (2002)
スウェーデン産新鋭メロディック・メタル・バンド DIONYSUS(って、こっちは韓国のじゃないっすよ!クサレ辺境メイニヤの方々!/笑)が、天才 Tobias Sammet をプロデューサに迎えて放つデビュー作・・・・ってゆーかギタリストが元 NATIONJohnny Ohlin なんだよっ! Welcome baaaaaack! Johnny!
Johnny の他、彼の NATION での盟友 Nobby (B)、SINERGY の創始メンバー Ronny Milianowicz (Dr)、元 TREASURE LAND で 現 STORMWINDKaspar Dahlqvist (Key)、そして Luca Turilli のソロでの好演が耳に新しい欧州メロディック・メタル・シーン屈指の実力派シンガー Olaf Hayer (Vo/彼だけドイツ人) というマニアックな編成のメンバーが演っているのは、実に高品質な欧州系メロディック・メタル。
そんな現在の欧州では王道とも言える路線でありながら、DIONYSUS のサウンドは他とは明らかに異なるフィーリングに満ちている。最近の新世代欧州メロデイック・メタル勢のどれにもネオ=クラシカル風味は多かれ少なかれ配合されているけど、本作にたっぷりと封入されているネオ=クラシカル・パートから感じられるのは、それらとは一味も二味も違うまさに「伝統的北欧メタル」の気高き血統。
その理由はやはり Johnny Ohlin の存在なんだよな。そのセンス溢れるフレージングの妙は、この数年間の潜伏期間におけるブランクによる影響は皆無・・・それどころか更になるツボをつく程に老獪に研ぎ澄まされていて、マジでタマンないッスわ。
悲愴感に満ちたながらもキャッチーな #4 "Pouring Rain"、A.O.R. な煌きをも感じさせる叙情バラード #7 "Don't Forget"Olaf Hayer のマイルドな歌唱が見事!!)、ヘヴィ&メロウそしてクラシカルな #8 "Walk on Fire"EDGUY 風味も盛り込みながら明快に疾走する #10 "Loaded Gun"、ある意味 CONCERTO MOON な(苦笑)コテコテ様式チューンであるボーナス・トラック #11 "Key into the Past" など、楽曲的にも微妙なポイントで絶妙なコード・チェンジを見せる NATION テイストが感じられるナイスなモノが多いのが嬉しいね。
ってか、まずは「Johnny Ohlin 帰還!」って事実だけで万々歳!

Jacket DREAM EVIL 93
Dragonslayer (2002)
この DREAM EVIL は、北欧を中心とする暗黒系バンドのプロデューサとして高名な Fredrik Nordstrom がギター&キーボードを、そして元 KING DIAMOND のテクニカル・ヒッター Snowy Shaw (!) がドラムを叩くスウェディッシュ・トゥルー・メタル・バンド。
そういったメンバー構成はもとより、DIO の名盤から拝借した(と勝手に解釈しとこう/汗)バンド名、そして "Dragonslayer" という我等エピック・メタラーが反応せずにはいられないアルバム・タイトルからしてそそられるでしょ、普通。(苦笑)
Fredrik Nordstrom が自身のスタジオで HAMMERFALL のバッキング・ヴォーカルを録るその歌声を聴いてシンガーとして参加を要請しよう決めたという実力派 Niklas Istfeldt のクリアでドラマティックな歌声、ブロンドの短髪+髭・・・そして濃い目のアイ・ラインというヤヴァさ満点のハード・ゲイっぽい出で立ちで揃ったメンバー中、唯一長い黒髪でアピールするギタリスト Gus G. のスリリングな超テクニカル叙情ギター・ワーク、そしてさすがの鳴りを聴かせる Snowy Shaw の安定ドラミングがをたっぷりとフィーチュアされた楽曲は、メタル馬鹿一代な HAMMERFALLMETALIUM と並ぶメロディック漢メタルの威厳に包まれている。
面白いのは、なぜか「欧州勢の影響を受けた80'sアメリカン・メタル」的な明快さを持ち合わせているところ。このあたりは Fredrik Nordstrom のプロデューサとしての経験が影響しているのかな?
必殺の疾走キラー・チューン "The Prophecy"、そして大仰過ぎるシンフォ・アレンジが激泣きを誘うベタベタなバラード "Losing you" を始めとした代表曲になりうる数曲の他はやや印象薄げだったりするのが正直なところだが、トータル・パッケージとしてはまずは◎。繰り返し聴きたくなるしね
。 あ、シンガーの実直な声質のせいか、所々で SILENT FORCE に通じる味わいも感じたッスよ。

Jacket ONMYOUZA (陰陽座) 93
Koujin Rasetsu (煌神羅刹) (2002)
関西出身の5人組妖怪ヘヴィ・メタル・バンド 陰陽座 の 3rd アルバム。
記念すべきメジャー・リリース第一弾となる本作は、前作 "百鬼繚乱" で魅せた独特の和風メタル路線の延長線上のスタイルをさらに明確化しながらもアーティストとしての表現の幅をグッと広げることにも成功した、国産ハード・ロック史上稀に見る逸品に仕上がった。
張りのある堂々とした男声を聴かせる 瞬火 とパワフルなシンガロングはもちろん可憐な耽美ソプラノから果ては悶絶アニメ声まで変幻自在に萌え萌えヴォイスを回転させる My Sweet 黒猫たん のツイン・ヴォーカルで唄われる明快な魅惑のメロディを中心に、オーセンティックに情念を綴る 招鬼 とトリッキーにファスト・プレイを決める 狩姦 のギター・コンビの疾走感溢れるツイン・ギター、ベーシストとしても一級である 瞬火 のグリスがうねるヘヴィ・ボトム、そして屋台骨を支える男前ドラマー 斗羅 によるタイトなパワー・ヒット・・・それらが渾然一体となって展開する正統派ヘヴィ・メタルが、ブレインである 瞬火 の絶妙の筆遣いでその独特の古式ゆかしき世界観によって注意深く彩色される様は圧巻の一言。
先行シングルでもあったこの 陰陽座 の魅力が凝縮された名曲 "月に叢雲花に風" に代表される解りやすいメロディック・メタル・チューンを中心に、「妖怪ならでは」の暗黒色の強いドゥーミーな一面をしっかりと吐露する美しき狂気に満ちた "組曲「黒塚」" などを配した楽曲群は、ヘヴィ・メタルの酸いも甘いも知り尽くしたかの計算高い知的アプローチによってイケイケの勢いと地に足のついた安定感が均衡良く保たれている。
いやぁ〜「自分たちが何をやるべきか、そしてどうすればそれをすることができるのか」を理解しているバンドは強いなぁ。・・・って難しいことは全部抜きにして、"おらびなはい" の最後の方の「♪もっと!もっと!」ってとこが超タマンネーんっすよ! 黒猫たぁーん

<追伸> KING RECORDS ご担当者:
ここは一発、是非ともアニメ「犬夜叉」のタイアップを DO AS INFINITY から奪取してくださいな。オレの愛娘(犬夜叉 LOVE)のためだけに!!(汗笑)

Jacket OPETH 92
Deliverance (2002)
黒き毒の沼地の彼方に沈む夕日を追ううちに辿り着いたのは・・・朽ち果てた廃屋。孤高のプログレッシヴ・デス・ロッカー OPETH が、神盤 "Blackwater Park" から驚きのショート・スパンでリリースしたこの 6th アルバムで描くのは、その廃屋に充満する陰鬱なる死の香りが誘うモノクロームの心象世界。
全6曲中イントロ扱いの1曲を除く全てが10分を超える大作主義だっちゅーのが聴く前から既にある種の嬉しさを感じさせるが、CD プレイヤのスタート・ボタンを押して数秒後には、ひねくれた不協和音が響く一筋縄ではいかないデス・メタル・パートと儚げな美しさに輝くピースフルなアコースティック・パートが、アップ&ダウンを繰り返しながら聴き手を翻弄する・・・という既に強固に確立されている OPETH 節が本作でもしっかりと踏襲されているのがわかり、大満足でこの顔もニコニコだ。(^^)
息が詰まる程の狂気を孕んだ緻密さと安堵を齎す長閑なシンプルさが、ギリギリのバランスで綱渡りする OPETH 独特のプログレッシヴな音像が招く空気感はやっぱり心地良く、底知れぬ深さで拡散するプログレッシヴな反復が陶酔を誘う #2 "Deliverance"、狂気なる哀鬱が淡く滲むバラード #3 "A Fair Judgement"、閉塞感たっぷりのドゥーミーな引き摺りから一転してサイケ・フォークのフラワーな微笑みに支配される #5 "Master's apprentices"・・・と、シンガー Mikael Akerfeldt の激しい咆哮&デス・メタル・シンガーがただ単に普通の声で歌ってみたというレベルでは有り得ない美声が切々と綴るこの救い無き暗黒世界を聴き進めれば聴き進める程、この身はどんどん深みへと落ちて行ってしまう。
この OPETH、精神性こそ深遠に拡散する PINK FLOYD 的なものでありながら、用いている絵筆があくまでヘヴィ・メタルのフォーマットに則った表現手法だというのが嬉しいんだよね。たっぷりとフィーチュアされた Peter Lindgren のエモーショナルなギター・プレイや手数とグルーヴを両立した Martin Lopez のドラミングの妙などの有機的な息遣いは、ミュージシャンとしての資質の圧倒的な高さを感じさせるし。
本作は 2003年3月リリース予定の「ソフト」な "Damnation" と対を成す「ヘヴィ」な作品としてリリースされたものだけど・・・いつもより特別にヘヴィという印象はないなぁ。OPETH らしいメロウな味わいもちゃーんと沢山入ってるしね。
ま、何はともあれ "Damnation" が楽しみや!!

[Jan. 08, 2004 追記] ソロ・パートの多くは Peter Lindgren でなくて Mikael Akerfeldt が弾いてるらしいデス。

Jacket SIRENIA 92
At Sixes and Sevens (2002)
この SIRENIA は、ノルウェイのシンフォ・ゴシック TRISTANIA を脱退した中心人物 Morten Veland (vo,g) による新バンド。
この衝撃のデビュー盤に封じ込められた、威厳に満ちた壮麗な混成クワイアとゴージャスなシンフォニーに包まれたヘヴィな重量感たっぷりのダイナミックなゴシック・メタルは、まさに TRISTANIA の進むべき理想形。宗教的荘厳さが強い現在の TRISTANIA に風格を損なうことなく現代ゴシック・メタルのリズミカルなとっ付き易さを加味した、マジで素晴らしい出来だわ。いやー、才能ある人はホントに才能あるんだな。(羨)
そんなハイ・クオリティな音像の中で、これまたゴシック・メタラー垂涎なのが、フレンチ女性シンガー Fabienne Gondamin 嬢の萌え萌え歌唱! この娘の声、もうなんつーかメッチャクチャ可愛いっぽいと思えば妙に大人っぽくもあり、マジ最高ッス! Morten 自らのデス・ヴォイスや2人の男声シンガーによるクリーン・ヴォーカル、そして混成合唱団との相性もよく、お互いのパートが歌うメロディを上手く引き立てあってるのが実にイイ感じなんだよなぁ。
そして絶対に忘れちゃいけないのが、本作にも参加している Pete Johansen (THE SINS OF THY BELOVED, THE SCARR) のウネウネな激泣きヴァイオリン! ここでは、いつもの奔放さは控えめに大枠ではたぶん Morten の指示によるフレーズに沿ってプレイしているんだろうけど、今回はそれがいい方向に転がっているような気がするな。
冒頭イキナリ度肝を抜かれる #1 "Meridian"、ドラマティックなテーマ・メロディが印象的な #4 "In a Manica"、キャッチーに哀愁ドライヴィンする #8 "A Shadow of Your Own Self"、感涙必至のバラード #9 "In Sumerian Haze" と楽曲も充実で、ホントこういうのに当たると嬉しくて仕方ないっすわ。
買ったのが偶然 Strictly Limited Metal Box ・・・つまり「限定缶ケース」だったのも何となくポイント高いやね。(^^)

Jacket YNGWIE JOHANN MALMSTEEN 92
Concerto Suite for Electric Guitar and Orchestra in E Flat Minor - Live with the New Japan Philharmonic (2002)
竹本泰蔵氏の指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団と共演した2001年6月の日本公演の歴史的瞬間を封じ込めた DVD。今では珍しいほどに控えめな Yngwie の姿が新鮮。いや、マジで素晴らしいわ、コレ。

Jacket IRON MAIDEN 92
Rock in Rio (2002)
2001年1月19日のリオデジャネイロ公演を収録した DVD。信じ難い体力で煽りまくる Bruce に応える観客の極限まで過熱した姿が美しい。ドキュメンタリーな舞台裏の様子も観応えあり!

Jacket DUB BUK (Дуб Бук) 92
Idu Na Wy (Иду На Вы) (2002)

ウクライナ産シンフォニック・ペイガン/ブラック・メタル・バンド DUB BUK の1stフル・アルバム。

スラヴ民族の悲哀をプリミティヴに荒れ狂わせる焦熱の右翼メタル。 思想色の強い極右なエクストリーム・サウンドを実践しながらも、勇壮なヴァイキング・テイストをしっかりと漂わせていると共に、叙情を孕んだ意外な緩急&ヴァラエティに満ちているというのも凄過ぎ。

うぅ〜くらいぃにぃ〜?

ヽ(`Д´)ノ スラーーーーーヴァアアアアアアアアーーーー!!!!!!!

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↑(c)RYO w

・・・今更ながら、マヂ神盤だわ。(震)  (Feb, 28, 2008)


Jacket JEFF SCOTT SOTO 91
Prism (2002)
Yngwie Malmsteen が現在の惨状を打破するのに最も必要な男」、Jeff Scott Soto の、7年ぶり2枚目のソロ・アルバム。
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルに留まらぬ深い懐を持つ Jeff だが、本作では「ハード・ロック・シンガー」というイメージに則った姿で統一されている感触を得られるのがメッチャ嬉しい。
オープニングを飾る TALISMAN の名曲 "Day by Day" を思わせるリフからして引き込まれる哀愁ハード・ロックの超佳曲 #1 "Eyes of Love"、ゲスト・シンガー Glenn 'Voice of Rock' Hughes 相手に一歩も譲らぬ凄絶なるソウル合戦を繰り広げるファンク・メタルでありながら扇風機ヘドバンを誘発する超ゴキゲンな #5 "I Want to Take You Higher"、哀しき激情を発散するドラマティックなロッカ・バラード #6 "Holding On"、そして持ち曲の如き歌いこなしが微笑ましい JOURNEY のカヴァー #12 "Send Her My Love"・・・といった楽曲に代表される、爽やかな清涼を地平に広がらせながらその澄んだ空気を叙情の愁いでたっぷりと湿らせたメロディック・ハード・ロックは、ガッツィーなハード・エッジと A.O.R. 的なアーバンなメロウさが理想的に配合されたもので、Howie Simon (g/TAMPLIN) による他の北欧陣に引けを取らぬエモーショナルなテクニカル・ギターと主役である Jeff 自身のパッショネイトな極上歌唱が競うように響く・・・と、まさに完璧だわこりゃ。
いやー、それにしても上手い・・・ってゆーか魂を感じるもん。歴代の Yngwie Malmsteen 関連シンガーの中で明らかにダントツの歌唱力を持ってるだけに、是非また一緒にやって欲しいなぁ・・・って、今の Yngwie 如きに Jeff 様は勿体無さ過ぎるな。却下。

Jacket ANGRA 91
Hunters and Prey (2002)
昨年、"Rebirth" にてそのタイトル通り奇跡の完全復活を遂げた ANGRA の、未発表曲&未発表ヴァージョンを収録した、8曲入り40分弱の企画 MCD。
Isabel de Amorim の手による、企画盤には勿体無さ過ぎる程のあまりにも美麗なアートワークからして悶絶だが、これが内容の方も驚くほどに充実していてホンット嬉しすぎ。
怒涛のソロ・パートにエキサイトを禁じ得ない、まさに ANGRA のメタル・サイドにドンピシャリの素晴らしい疾走チューン #1 "Live and Learn" のトップ・ギアの興奮に始まり、アルバム "Rebirth" 日本盤ではボーナス・トラックとして収録されていた #2 "Bleeding Heart" のしっとり落ち着いた叙情の潤いの美しさに清々しい涙を流し、ラテンの血を濃く反映させたタイトル・トラック #3 "Hunters and Prey" で聴ける彼らならではのパーカッシヴな味わいに高揚(#8 のポルトガル語バージョンもナイス)、そして臆面もなく Bruce Dickinson の影響をさらけ出す歌唱法に驚きのミドル・チューン #4 "Eyes of Christ" では「こりゃネタか?(汗笑)」と勘繰りながら、"Rebirth" 収録時とは異なるアコースティック・ヴァージョンである #5 "Rebirth", #6 "Heroes of Sand" では、その一歩引いたリラックス具合と繊細でありつつも器の大きなアレンジが呼び起こす更なる叙情の煌きが、My 涙腺をこれ以上ないほどに強烈に刺激する。
その全曲で光り輝いているのが、シンガー Eduardo Falaschi のあまりにも凄絶な歌唱。見事な張り&艶に満ちながら、丁寧に丁寧にコントロールされたその真摯なる抑揚の妙には、ホンットに泣きマインドを刺激されてやまないんだよな。
相変わらずハイの抜けきらないギターの音色はもどかしさを感じつつも、こりゃ企画盤にして名盤って言いたくなっちまいますわ!
・・・あ、後期 GENESIS のカヴァー #7 "Mama" だけは、まぁソコソコって感じなんだけどね。(汗)

Jacket CROWN (THE) 91
Crowned in Terror (2002)
激走メロディック・デスラッシュ勢の先頭を突っ走るスウェディッシュ・バンド THE CROWN の 5th アルバムは、大傑作である前作 "Deathrace King" に勝るとも劣らぬ、まさに「さらにブルータルかつシャープに研ぎ澄まされた TESTAMENT」の風合いに包まれた一枚。
超絶ドラマー Janne Saarenpaa による軽やかさでありながら重量感も忘れない超絶ブラストが整然と心地よいパワー・ヒットを重ねるデスラッシュ・チューンズは、イントロに続く "Crowned in Terror" からボーナス・トラック "Burnin' Leather" までシンプルさとテクニカルさが好バランスで鬩ぎ合う感情移入しやすいフックが満載で、そのノリドコロのツボを得た心地良さは筆舌に尽くし難いんだよな。
相変わらず、パートナーである Marko Tervonen が「デス・メタル界の Yngwie Malmsteen だ!」と評する激テク・リード・ギタリスト Marcus Sunesson が紡ぎだす北欧ならではの粒立ちのいいネオ=クラシカル素地の叙情ギター・パートの出現を心待ちにしつつ("Death is the Hunter" のエンディング・ソロに悶絶!)、本作からシンガーの座に着いた元 AT THE GATES のカリズマ・シンガー Tomas Lindberg の情念と共に喚き立てる咆哮の「聴き易さ」もプラス作用でイイ感じ。
なにより、激烈なブルータリティが仄かな邪悪さを孕んでいるのにも関わらず、得られるモノが健康的とも言える爽快感なのがやはり面白い。ブックレット裏の VENOM への敬愛溢れたパロディもナイスセンス!

Jacket AKIN 91
Verse (2002)
魅惑の女声ヴォーカルをフィーチュアしたフランスの7人組ゴシック・メタル・バンド AKIN のこのデビュー作、いやー、これがもうメチャクチャ気に入っちゃいました。
きめ細かなデジ風味を控えめながら程よく主張させたユーロ・ポップを基調に、ノリノリ哀愁シンフォ・ゴシックや王道女声ゴシック・メタルへのリスペクトを忘れない曲調。そこでしっかりと耽美さを醸し出すフルート&アコギの浮遊と、たまに顔を出すロウなデス・ヴォイス&しっかりと刻むメタル・リフによるメタル攻撃の落差が呼び起こすドラマティックな抑揚。それらの上で Adeline Gurtner 嬢(詳細なルックス不明)のクリアな歌声が可愛らしくも堂々と響き渡らせるキャッチーな哀愁メロディ・・・と全てがマジで素晴らしい。
が、それ以上にオレの心を捉えた最大のポイントが、このタイプのバンドでは類を見ないほど全編に心憎く配置された Matthieu Baker の奏でるテクニカル・ギター。ソロイスト・タイプの大きなヴィブラートとともに、ネオ=クラシカルなアルペジオからエモーショナルなペンタトニック、果てはマジカルなタッピングまでをを絡ませながら繰り出す歌心すら感じさせるキャッチーな泣きフレーズが楽曲の重要なキーになっていて、頬が緩みっぱなしッス。
時にメタリックな音像を聴かせてはいるものの、全体のプレイの質的にはメタル度は低く、音圧を抑えた隙間感のあるプロダクションがある種の落ち着きをアレンジしているのも◎。
あえて解りやすく喩えるとすれば、LACUNA COIL"Unleashed Memories" で見せた路線を更に可憐かつ耽美な方向に広げたって感触かな?
全9曲39:44では、物足りない物足りない物足りないったら物足りないっ!

Jacket SYMPHONY X 90
The Odyssey (2002)
2枚組ライヴ盤 "Live on the Edge of Forever" でライヴ・アクトとしての存在感でも度肝を抜かれた SYMPHONY X の 6th アルバム。
スタジオ・アルバムではここのところ「悪くはないが・・・」って感じのやや頭打ちを感じる平坦な印象のものが続いていたが、今回は久々にやってくれた感がある驚きの快作!
ポリリズムを絡ませながら反復するルート音近辺を彷徨うソリッドなリフ使いが独特な Michael Romeo のスーパー・プレイと、Russell Allen のヘヴィ・メタルならではの野趣を誘うワイルドな歌声での気迫に満ちたメロディック歌唱が対峙するスタイルはこれまでとなんら変わることなく、そして相変わらず既出の手法&論理に基づくアレンジや展開も頻発してはいるんだけど、オープニングの #1 "Inferno (Unleash the Fire)" に代表される「SYMPHONY X 節」と呼べそうないかにも彼ららしいスリリングな魅力が詰まった曲々や、名作 "The Divine Wings of Tragedy" 収録の名曲 "The Accolade" の続編となるクラシカルなリリシズムに溢れた #4 "Accolade II"、叙情味たっぷりに始まりその後ヘヴィにそしてクラシカルにと変幻するスケールの大きな大作 #7 "Awakenings"・・・と、すべてがこれまでとは何かが違う別次元の新しいエネルギーによって生み出されているような新鮮さに包まれている感じ。
そして本作のハイライトは、やっぱり本編ラストに鎮座する24分を超える超大作である悶絶タイトル・トラック #8 "The Odyssey"。この神話世界を描いた7つのパートからなる組曲形式の一大叙事詩のオーケストラルな味わいがもたらす「RHAPSODY 級」(笑)の高揚感/満足感は、ここまでの7曲43分がこの曲のための序章に過ぎなかったかの錯覚に陥るほど。
神、Jason Rullo のハードにヒットするリズムを前面に押し出しつつ繊細なメロディも浮き立たせた重量感あるプロダクションも評判どおり過去最高のクオリティで、今の SYMPHONY X が持つ「凄み」を見事に具体化することに成功しているなぁ。この音、まるで「先を走るものの貫禄」めいたものまで感じるもん。
このレベルの作品をリリースしてくれると、ファンとしては一安心・・・どころか純粋に超嬉しいッス。(^^)

Jacket BLACKMORE'S NIGHT 90
Past Time with Good Company (2002)
2002年5月3日のオランダ Groningen 公演の模様を収録した、バンド初の2枚組ライヴ・アルバム。
いやいや、もうねぇ、Ritchie Blackmore ・・・彼の生み出す音の全てが、完全にこの身に染み込んでるわ。そりゃそうだよなぁ、オレがメタリアンになるきっかけとなった人なんだもん。プレイ・ボタンを押して流れ出てきた 名曲 Disc1-#1 "Shadow of the Moon" でのアコースティック・ギターのピッキングのニュアンスを感じ取った瞬間に、早くも悶絶しちゃった。(馬鹿)
それにしても、こうしてライヴで聴く BLACKMORE'S NIGHT、厳かで静粛な楽曲がライヴならではの情熱的な装い&有機的な響きに包まれて、更なる愁いの魅力に輝いてる。
超名曲 Disc1-#6 "Under a Violet Moon" は何度聴いてもノリノリで電車の中でも掛け声を上げてしまいそうだし、雰囲気のドンピシャな DEEP PURPLE の名バラード Disc1-#7 "Soldier of Fortune" の収録も嬉しい・・・が、最大の聴きどころは RAINBOW の楽曲である Disc2-#1 "16th Century Greensleeves"。久々に聴く Ritchie の炎のようなエレクトリック・プレイ・・・マジたまらんッ!!号泣!! p(TwT)q
どの曲でも、まるで旅の途中のジプシーが炎を囲んで宴を繰り広げているような得も言えぬ楽しげな和やかさが新鮮で、Candice Night たんの非常にリラックスした M.C. がこれまたなんともイイ感じなんだよねー。
その Candice の歌、オレは全然問題なく好きなんだけど?(苦笑)

Jacket NOCTURNAL RITES 90
Shadowland (2002)
スウェーデンの秘宝 NOCTURNAL RITES の 5th アルバム・・・凄いわ、コレ。やってくれたって感じ。
何故かは理解できないが何故か一部では不評だった前作 "Afterlife" の延長線上にある剛健なメロディック・パワー・メタルは健在で、ヘヴィ・メタルのパワーと叙情メロディの愁いが存分に楽しめるその醍醐味は実に爽快。
前作の随所で聴かれたとても効果的とは思えない(汗)デジタル・エフェクトの数々は姿を消し、その代わりに XaMeteler 諸氏が脱糞してパンツをモコモコに膨らませた 3rd "The Sacred Talisman" までで顕著だった悶絶クサメロのエッセンスを少々ではあるが再度取り込んで再構築してサウンドは、「進化しながら正統メタルの基本にさらに近づいた」という絶妙の立ち位置。
タイトル・トラック "Shadowland" に代表される劇メロ炸裂な鋼鉄チューンズに聴き惚れながら、やはりこの耳が獲り憑かれたように追ってしまうのは、Mats Leven meets Pete Sandberg といった風合いの歌唱を聴かせる実力派シンガー Jonny Lindkvist のハスキーでありつつ伸びやかな絶唱。うーむ、オレ、ホントに好きだわ、コイツ。
ヘヴィ・ボトムを支える Nils Eriksson (b) と豪快なヒットを鳴らしまくる Owe Lingvall (Dr) の鋼鉄リズム隊のパワー感もメッチャ気持ちイイしね。
欲を言えば、Nils Norberg が渾身で弾き倒す泣きの超絶ネオ=クラシカルギターが、そのウェット極まりないフレージングの潤いとは無縁の、空気感皆無の線の細い音色なのが残念っちゃあ残念。

Jacket DARK MOOR 90
The Gates of Oblivion (2002)
作を重ねる毎に成長著しいスパニッシュ XaMetal バンド DARK MOOR の 3rd アルバム。
HELLOWEEN 型の明快なメロディック・スピード・メタルをベースに壮麗なオーケストレーションとネオ=クラシカルな味わいのギター・ワークを施した劇的なシンフォニック・メタルは本作でも健在で、さらに XaMetal 先頭集団を走るバンド群の一員として認知されつつあるだけの貫禄をも備えつつあるのがひしひしと感じ取れる。
本作で特徴的なのは、愁いに満ちたメロディを歌い上げる DARK MOOR の最大の魅力である Elisa C. Martin 嬢(やっぱ嬢だろ!)の歌唱が前作以上に表情豊かになっている点。予想以上に高い音域まで無理なく伸びる男性顔負けの堂々たる勇壮なメタル歌唱は、スパニッシュらしいエスニックな節回しを端々に僅かに潜在意識レベルで忍び込ませながら、さらなる微妙な緩急の妙に満ちているのがイイ感じ。そして何といっても、前作とは比較にならぬほど女性らしさを増していることが嬉しいぢゃあーりませんか! バラード "Your Symphony" での画期的にプリチーな萌え萌えファルセットな歌声、本編ラストを飾る11分超のクラシカルな大曲 "Dies Irae (Amadeus)" でのソプラノ歌唱なんかはまさに新機軸だなー。
あえて言うならば、オレにとって DARK MOOR のもう一つの魅力だった「北欧様式美の悶々とした叙情」と言う観点においてはちょいとだけ後退しているかな・・・つー感じだけど、ジャーマン・メタル的殺傷力の高さが光る "A New World"STRATOVARIUS 風味のマイルドなキャッチーさが美味しい "Starsmaker (Elbereth)"、イントロから瞬殺のまさに彼らの十八番な "The Night of the Age"、そしてまるで RHAPSODY な(苦笑)"A Truth for Me" を始めとする上述した Elisa 嬢の新たな魅力がたっぷりと堪能できる悶絶チューンズの前には、そんな戯言は意味ナイッス。(苦笑)
ちなみに、前作のボーナス・トラック "The Fall of Melnibone" もオマケ以上の出来だったけど、本作収録のボーナス・トラック "Mystery of Goddess" も同様にイケてる!

Jacket SAXON 90
Heavy Metal Thunder (2002)

2002年時点のメンバーで名曲の数々を再録した企画盤。

オリジナル・ヴァージョンもよいが、現在の威厳に満ちたへヴィなメタル・プライドを注入した本ヴァージョンもメッチャ格好いい。

てか、ジャケが最強すぎて死ぬ。  (Jun, 12, 2008)


Jacket LUCA TURILLI 89
Prophit of the Last Eclipse (2002)
RHAPSODY のミュージック・マスター Luca Turilli 王子 (g) の2作目のソロ・アルバムは、その子供じみたロボジャケにこそ超ゲンナリだけど、中味自体はいい意味で期待を裏切る安心の悶絶盤。
RHAPSODY でもその基盤となっているシンフォニック・スピード・メタルというスタイルを骨格としている事実は不変ながら、1st ソロではジャーマン系メタルのストレートさを打ち出していたのに対して、本作ではその物語の舞台を宇宙に移したという意味合いを投影した近未来的なデジタルなピコピコ装飾を随所に盛り込んでいて、中世のクラシカルな優美さと近未来のサイバーなデジ・テックが主張したり譲歩したりしながら絶妙にお互いを引き立て合う様は、さながら「コズミック・ミディーヴァル・メタル」とでも称したくなる程に実に新鮮。
イントロ #1 "Aenigma" に続いて待ってましたと大仰にシンフォ攻撃が疾走する #2 "War of the Universe"、クラシカルなテーマと高揚するサビが印象的で中間部のドリーミングな展開が VALENSIA すら想わせる #3 "Rider of the Astral Fire"、高らかなファンファーレが悶絶疾走を予告する #6 "Prince of the Starlight"Olaf Hayer の予想以上に素晴らしい柔和な叙情歌唱が泣きを誘う雄大なバラード #7 "Timeless Oceans"、本作を代表する魅力的なリーダー・トラック #8 "Demonheart"、純朴たるジプシー・フォーク・メタルの息吹が心地良い #9 "New Century's Tarantella"、そしてドラマティックに大円団を飾る11分オーバーの大曲 #10 "Prophet of the Last Eclipse" と、各楽曲は前作同様それぞれ毎に楽しめる独立性の高さを保有しているが、配置の妙とエフェクト・サウンドの耳触りの統一感がトータル・アルバムとしてのまとまりをググーっと滲み出させているのが凄いね。
大仰でゴージャス極まりない濃厚過ぎるほどのクドい時空間なんだけど、それぞれが実はシンプルなつくりになっていてトータルで51分強っつーコンパクトな構成で意外な程にサラっと聴けるのもイイ感じだし。
でも、ちょっと気になるところもあるんだな。頻繁に四分音符を羅列して単調さを露呈してしまう歌メロに呆れる場面がちょっとね。でも、聴いててサビとかで激高揚&超悶絶しちゃうとそれらは全ぇーん部帳消しになっちゃうんだよ。(苦笑)
あと、本職はベーシストなドラマー Robert Hunecke-Rizzo(ちなみに本作のリズム・ギターのパートも全部彼が弾いてる・・・)のビートがややベタつき気味なのも惜しいなぁ。Alex Holzwarth が叩いてたら 3Point アップかも?(汗)

Jacket RATA BLANCA 89
El Camino del Fuego (2002)
「アルゼンチンの RAINBOW」の異名をとる RATA BLANCA 5年振りの 8th アルバムは、その異名どおり RAINBOW / DEEP PURPLE・・・つまり Ritchie Blackmore に心酔するオサーン・メタラーなら即昇天モノの破壊力。
DISCIPLES OF LOVE, MANDRAKE ROOT, HEAVEN AND EARTH ら、我々の寂しさを癒してくれようとしていた愛すべきバンドたちがこれまで登場しては消えていったが、本作は、DEEP PURPLE の 1st から RAINBOW を経て再結成 DEEP PURPLE まですべての時代をモチーフにしたパートを散りばめた、それらの決定版ともいえる出来映えを誇っている。
面白いのは「この曲はこの時代のこのアルバムっぽい・・・」っていうよりは、1曲の中に様々な時代のエッセンスが混在してるってところで、実際にフレーズが似ているというよりは彼らの血中に完全に溶け込んだリスペクトを、笑えるほどに巧妙に楽曲に注入しているといった塩梅だ。
その楽曲/メロディ自体がパクリッシュ云々を抜きにしても非常に出来がいいので、そこかしこに滲み出る Ritchie テイストに頬を緩ませながらこのメロディック・ハード・ロックを純粋に楽しむことが出来る。
各メンバーのプレイのレベルが非常に高いのも特筆すべき点で、ピッキングの引っかかり、弦のベンドからアームによるトレモロ具合まで Ritchie Blackmore を想起させながら現代的なネオ=クラシカル・プレイも見事にこなす主犯・・・い、いや(苦笑)中心人物であるギタリスト Walter Giardino は当然ながら、時に我が師 Bruce Dickinson っぽさを感じさせる伸びと味を持ち合わせたシンガー Adrian Barilari、懐の深さを偲ばせるセンスを見せる手数とパワーが好バランスなドラマー Fernando Scarcella のらプレイも素晴らしくアピールしてくる。
Finbox Studio でのマスタリングが功を奏したハイ・クオリティなプロダクションも◎。

Jacket DRAGONLAND 89
Holy War (2002)
スウェディッシュ・シンフォニック・メロディック・スピード・メタル・バンド DRAGONLAND 待望の 2nd アルバムは、前作 "The Battle of the Ivory Plains" で展開していた彼ら自身の手によるファンタジックな寓話「The Dragonland Chronicles PartI」から100年後の世界を描いた続編的内容。
前作の所々で聴かれた EUROPE を連想させたナイスなポップ・センスをやや後退させ、その代わりにさらに壮麗&大仰なシンフォ風味とメタルの力強い疾走感をさらに強調したそのサウンドは、ミックスに Frederick Nordstrom が関わっただけのことはあるクオリティの高さを味方にして、哀愁メイニヤのツボを付く泣き展開&泣きフレーズ満載で迫り来る。
劇的な泣きのイントロ・シンフォニー #1 "A Hundred Years have Passed" から哀愁フックたっぷりに激しく疾走する #2 "Majesty of the Mithril Mountains" の流れだけで、もう本作にメロメロ確定っす。
その他にも、FINTROLL 真っ青なフォーク/ヴァイキング・メタル系の勇壮なクサメロが舞う #3 "Through Eleven Woods and Dwaren Mines"、悶々としたアコースティック・ギターの調べが胸を打つ哀愁のミドル・チューン #5 "Calm before the Storm" と激情のバラード #7 "Forever Walking Alone"、一瞬垣間見せる DIMMU BORGIRCRADLE OF FILTH かっちゅーシンフォ・ブラック風味なアレンジが美味しい #8 "Blazing Hate" と、色々と新鮮な要素を取り込みながら悶絶を誘う楽曲が目白押しなのが嬉しいわ。
楽曲と同時にプレイ的な充実も見逃せなく、Nicklas MagnussonOlle Morek のギター・コンビのツボを得た泣きセンスに溢れたネオ=クラシカルなテクニカル・プレイは、タイトル・トラック #4 "Holy War" へのゲスト参加で泣きソロを披露している Gus G (DREAM EVIL, FIREWIND) の存在が霞むほどだし、前作で聴かせてくれた充実のプレイから KING DIAMOND のツアー・メンバーにも大抜擢されたキーボーディスト Elias holmlid の奥深いオーケストレーションも実に見事。
ドラマー Jonas Heldgert が兼任する非常ぉ〜にイイ感じのヘナチョコ北欧ハイ=トーン・ヴォーカルに関しても、オレは肯定派だなぁ。充分にドラマーにしとくのには惜しいレベルではあるし。しかもこの頼りなさが北欧っぽさの塗布に一役買ってると思うし。でも、ちゃんとライヴ活動をしながら今後の飛躍を・・・って考えるならば、ちゃんと専任シンガーを入れなきゃねぇ。聴いてて、Tobias Sammet (EDGUY) が歌ったりしたら激ハマリなんだろうなぁ・・・って思ってみたり。
とにかくこの DRAGONLAND、西新宿の一角を中心に一部のメイニヤだけで盛り上がるようなレベルのバンドには決して持ち得ないポテンシャルを感じるッス。頑張って欲しいナァ。

Jacket KAIPA 89
Notes from the Past (2002)
FLOWER KINGS、そして最近では TRANSATLANTIC の一員としても精力的な活動を見せるギタリスト Roine Stolt が70年代に在籍していたスウェディッシュ・シンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンド KAIPA の、奇跡の再復活盤。(「再」ってのは、91年に一度復活してるらしいので)
Roine Stolt ともう一人のオリジナル・メンバーであるキーボード・プレーヤー Hans Lundin の2人を正式メンバーとし、他はゲストで固めたというやや変則的な復活ではあるんだけど、これがもうそんな細かいことはどーでもイイってほどホントに素晴らしいったらありゃしない。
RITUAL のシンガーでもある Patrik Lundstrom の潤いを帯びた明快な歌声がハート・ウォーミングな安堵と、Roine StoltHans LundinMATS & MORGAN のドラマー Morgan Agren と今やすっかり Roine の右腕として定着した感のある怪物ベース・マン Jonas Reingold(本作でも彼のプレイがバッチリと良いアクセントになってる!) ら楽器陣の生み出す程好いスリルの交錯が、メッチャクチャ心地いい。
充分にハード・ロック的なエッジとダイナミズムも備わったその優しくも力強いプロダクションの中で上質な有機的演奏によって紡がれる北欧の澄んだ美旋律が織り成すこの一大シンフォ絵巻は、幻想的なアート・ワークそのままのファンタジックな風景を聴く者の脳裏に浮かばせるね。
Roine Stolt 参加作品は色々聴いてきたが、オレ的には勝手にこれを彼の最高傑作と呼んじゃいたいッス! ・・・って、聴いてないのもあるから、そう思い込みたいだけなんだけどね。(汗)

Jacket PAATOS 88
Timeloss (2002)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド PAATOS のデビュー・アルバム。 2nd "Kallocain" での暗鬱北欧プログレっぷりに魅了されての「遡りゲット」なんだけど、いやはや、コチラも評判どおりの素晴らしさで嬉しいわ。

そのアダルトなメロトロン・ロックは、ANEKDOTEN, ANGLAGARD, WHITE WILLOW らと並ぶ KING CRIMSON チルドレン一派の流れにあるんだけど、女性シンガー Pertonella Nettermalm 嬢のコケティッシュな歌唱が催すゴシカルな耽美感が、この PAATOS ならではの個性を与えているんだよな。

プログレッシヴ・ロックはもちろんジャズ、トラッドからハウス/テクノまでを吸収した楽曲は時にアヴァンギャルドなトリップ感を溢れさせたりもするが、Pertonella 嬢の儚げな叙情歌唱が寒々しく暴れる哀愁グルーヴとともにダークな暗黒慕情を描く #3 "Tea"#4 "They are Beautiful" の流れを包み込むメロウ&ナイーヴな空気感は絶品中の絶品。

全体に漂うヲサーレなモンド風味に身を任せていると、北欧の家具が何故スタイリッシュなデザインなのかがなーんとなくわかるような気がしてくる・・・そんな音楽デス。(謎 ^-^;)  (Mar. 09, 2006)


Jacket VANITAS 88
Der Schatten einer Existenz (2002)
オーストリア産6人組耽美派ゴシック=デス・メタラー VANITAS の 2nd アルバム。歌詞はドイツ語。
冒頭の #1 "Pendelschwung" の荘厳なパイプオルガンが鳴り響き始めてわずか7秒後、悶絶フォークロア風味全開のファンタジックな哀愁フルートが絡んできた瞬間・・・小生、アッという間に昇天してしまいまシタ。(苦笑)
シンセによるシンフォニックなストリングス、ピアノ、アコギ、そこにヴァイオリン/ヴィオラ/チェロの生弦楽チームが加わり、これでもかと耽美を垂れ流す叙情ゴシック=デスは「泣きのワンダーランド」状態(嬉)で、必要とあらば超絶な疾走すら惜しまないヘヴィ・メタル・フィーリングがしっかりと快活なダイナミズムを生んでいるのも非常に美味しい。
そのうえ、ディープな暗黒デス・グロウルをメインにウィスパリングも決める男性シンガー Andreas Scharfinger に絡む女性シンガー Maria Dorn タン24才(フルートも彼女がプレイ/萌)の歌声が儚げ系萌え萌えソプラノだっちゅーんだから、こりゃもう激ヤヴァっすわ。
前述の #1 "Pendelschwung" はもちろん、生楽器総動員でフォーキーに泣かせにかかる #4 "Schliesze mir die Augen"、弦楽3重奏による悶絶プレリュード #5 "Vor den Worten" を導入に持つドラマティック極まりないイントロで悶死必至の #6 "Das Wort sieht Blicke"、もはや XaMetal とすら呼べそうな程にパワー・メタリックな #8 "Stillschweigen"・・・と、とにかく全編を覆い尽くした悶々とした王道クラシカルな泣き攻撃の素晴らしさは伝説の激泣きメロディック・デス EMBRACED に迫る勢いで、所々で露わになるたどたどしさや垢抜け無さすら、それらがいい意味での東欧/辺境っぽさを醸し出すっていうプラス方向に作用しているに違いない・・・と錯覚させるほど。
マイナーそうなバンドだけど、カナーリ好みなんでなんとか生き残って次作も出して欲しいッス!  (Mar. 22, 2003)

Jacket WINTERHAWK 88
There and Back Again (Live at the Aragon) (2002)
先日 "Revival" を聴いて脱糞した米国シカゴのハード・ロック・バンド WINTERHAWK のライヴ・アルバム。あんなの聴かされちゃった上に「ライヴも凄いよ」なーんて言われちゃ、人の子だったら買わずにゃおれんでしょ。(笑)
で、この1978年12月22日に行われた地元シカゴでのショウ・・・いやー、ホント凄いデス。セカンド・ギタリストを加えた予想を遥かに越えるぶ厚いアンサンブルと、スタジオ盤よりも N.W.O.B.H.M. っぽさを色濃く感じさせる演奏の生々しいパワーには圧倒されるばかり。
スタジオ未収録の名曲 #5 "Off the Bat"、そしてたぶん彼らの代表曲だったであろう超名曲 #9 "Free to Live" をはじめ、RUSHKANSAS の色合いを強く感じさせる趣きの楽曲を聴いてて何故か頭を過ぎったのが・・・UFO の名。
ま、Jordan Marcus がエモーショナルなんだけど構築美も見事な泣きギターを弾きまくる様を聴いてたら、それも無理もないわな。むしろ「全曲 "Rock Bottom"」と例えたいくらい!(笑)
っつーか、この WINTERHAWK みたいに「客観的に聴いて歴史上著名なバンドと明らかに比肩する内容なんだけど、今までその存在を知らなかったバンド」って、他にもうないよな〜? 気になって夜も眠れない・・・。(大袈裟)

Jacket LILLIAN AXE 88
Live 2002 (2002)
1999年に復活した LILLIAN AXE のこのライヴ盤は、Texas は Houston で行われた2002年5月4日のショウを完全収録した2枚組。
復活作 "Fields of Yesterday" の内容がイマイチだっただけに全然期待していなかったが、巷の好評を聞いて試してみたら・・・これがもう往年の彼らに寄せていた気持ちに見事に応えてくれる素晴らしいライヴじゃあーりませんか。
ライヴならではの高揚したテンションによってさらにヘヴィで肉感的に色付いた、80's Hair Metal 全盛当時のメジャー感を備えたハード・ロックの中に息衝く彼ら独特のメランコリックな味わいが、「やっぱ LILLIAN AXE っていいなぁ〜」というしみじみとした感激を呼び起こす。
Ron Taylor (vo) のあの声、そして Steve Blaze (g) の泣きの構築美に溢れたギター・プレイ・・・やっぱ、タマランっすな。まぁライヴならではの粗さも確かにあるんだけど、それ以上に生々しい臨場感のアップの魅力が勝ってるんでヨシとしましょ。
Ken Koudelka (dr) の叩き出すメタリックな旨味に満ちたボトムとアルバム以上にヘヴィなツイン・ギターの音色が相互に反応した実に迫力のある音圧が、驚きのヘヴィさを醸し出してるのもイイね。
ショウの序盤で早くも登場する名曲 Disc-1#2 "All's Fair in Love and War" であっという間に失禁&脱糞しモリモリになったパンツの中に違和感を感じる術もなく、そのままラストの Disc2-#11 "True Believer" まで過去の名曲を中心とした全21曲、一気に LILLIAN AXE のショウを疑似体験できる好ライヴ盤だわ。
この調子で真の復活となるアルバムを作って欲しいもんだよなぁ〜・・・と、切に願うよ。

Jacket SPITZ 88
Mikazuki Rock (三日月ロック) (2002)
ジャパニーズ・メランコリック・メロディック・ロック・バンド、SPITZ の記念すべき10枚目のアルバム。
その音楽が誰もが疑うことなく「ロック」であるのにもかかわらずアルバム・タイトルにあえて「ロック」という名詞を冠するその精神性には、"Kings of Metal" を掲げた MANOWAR と同質の崇高な魂の輝きを嫌でも感じてしまう。(狂)
ガッツィーなヘヴィ・エッジを強調した大傑作だった前作 "ハヤブサ" と比較すると、本作は "フェイクファー" 以前の彼らの持ち味だった躍動するメロウさを大幅に引き戻した感のある、やや落ち着いたとも言える作風だ。
とはいえ、ここ数年の彼らを揺さぶったラウド・ロックの息吹はやはり確実に SPITZ というバンドの血潮となっているようで、本作でもその激しい側面を所々で曝け出しているのがミソ。スタジオ・テイクとして J-POP の範囲を逸脱しない控えめなハード/ヘヴィさで収録されている、どことなく LILLIAN AXE な雰囲気のある #3 "さわって・変わって"、軽快にドライヴする #6 "ローテク・ロマンティカ"、ヘヴィなダウン・ストロークと悶々としたアルペジオそしてギター・ハーモニーが見事に結実した #9 "エスカルゴ"、ブーストしたベースがメタリックに邁進する泣き泣きの哀愁メタル #13 "けもの道" あたりの「ヘヴィ・サイド」の楽曲群は、想像力豊かなオレの耳にはスタジオ・テイクの69万倍に轟音化された「ライヴ版」の音像で迫ってくる。その対抗手段は・・・もちろん首がもげるまでヘッドバング! それしかない!!
もちろん、それら以外のヘヴィな要素が希薄な他の楽曲も、従来通り 草野 マサムネ の「反則ヴォイス」(笑)で歌われる、あざといまでに郷愁を誘いまくるメロディが満載だ。冒頭の、イントロから歌い出しまでの雰囲気が CLOCKWISE を連想させる仄かな哀愁に包まれた #1 "夜を駆ける"、快活でフォーキーながらなぜか泣けちゃう #8 "海を見に行こう"、哀感に満ちた悶絶浮遊バラード #11 "ガーベラ" ・・・と、それぞれの曲が体内に孕んだ甘酸っぱいというよりは内省的な暗さが心地いいな。
あ、楽曲が崩壊寸前まで不必要にフレーズを暴れさす生粋のヘッドバンガー 田村 明浩 (B) と程よい手数で子宮に響くビートを真摯に叩き込む超弩級ドラマー 崎山 龍男 (Dr) の最強リズム隊も、当然ながら今回も最高級のグルーヴを聴かせてくれてマス。(^^)

Jacket TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA 88
The Metal Opera Pt.II (2002)
EDGUY を率いる若き天才 Tobias Sammet が主宰するオール・スター・ロック・オペラ・プロジェクト AVANTASIA 待望の第2弾。
基本路線は、前作同様にシンガロングを誘うクワイアを交えたドラマティックな欧州型ヘヴィ・メタル。大部分は Part I と同時期に作られたとのことだが、何故か本作の方がよりヴァラエティに富んだ「ロック・オペラ然」とした印象だ。
オープニングから何故かエンディングのように(汗)壮大な展開を見せるまさにオール・スター・メタル・オペラ全開の14分の大作 #1 "The Seven Angels"Oliver Hertmann の激唱と途中の Elton John 的英国ポップ・ロック風情のナイスさを特に印象付かせて始まるこの Avantasia Story は、Michael Kiske, Andre Matos そして Tobi がマイクを渡し合うも誰がどこ歌ってるかパっと判らなかったりする(苦笑)明快なサビの高揚感が疾走チューン #2 "No Return"EDGUY のミドル・チューンとしても充分に OK な #3 "The Looking Glass"Bob Catley のジェントルな英国歌唱が映えるピアノ主体のロッカ・バラード #4 "In Quest for"David DeFeis 先生の無駄に熱いシャウトが電車の中でも構わず爆笑・・・いや悶絶を誘う(苦笑)漢メタル・チューン、#5 "The Final Sacrifice"(Part I の国内盤にはボーナスとして収録)、Rob Rock のストロングな歌唱に耳を惹かれる中庸にドライヴするオーセンティックなメロディック・メタル #6 "Neverland"TobiBruce Dickinson に成り切って歌うドラマティックなバラード #7 "Anywhere"、「♪Welcome to AVANTASIA〜」という歌詞が物語るように本作のキーとなる重要な疾走チューン #8 "Chalice of Agony"(イントロが ELEGY みたい)、再び EDGUY っぽさ満点ながら中間のコーラス部での 70's アメリカン・プログレッシヴ風味に懐かしさを覚える #9 "Memory"、そして Sharon Den Adel 嬢の美声(Sharon ちゃんの麗しいお声が一瞬だけなのはどーゆーことっすか!? Tobi!?)に導かれて雄大なエンディングを迎える #10 "Into The Unknown"・・・と、全く隙の無い全10曲で見事に構成されている。
特に、疾走系な #2, #6, #8 あたりが、Alex Holzwarth の手数を繰り出しながら心地良く疾走するドラミングのおかげか、聴いて思わずクビが前後に振れてしまうってな充実のクオリティを見せているのが嬉しいわ。
Tobi 自身の歌唱も EDGUY の時よりもシアトリカルな歌い方で、随所で Bruce Dickinson を彷彿させている。オレはこっちの方が好きかも。前川 清も裸足で逃げ出す大きなヴィブラートは相変わらずだけどね。(苦笑)
欲を言えば、予定調和のフレーズを弾くに留まる Henjo Richter のスリル皆無なギター・プレイが弱点といえば弱点かな。

Jacket THUNDERSTONE 88
Thunderstone (2002)
フィンランド産メロディック・パワーの超新星 THUNDERSTONE の記念すべきデビュー・アルバム。
楽曲を構成する各フレーズ、歌メロ、シンガーの醸し出す雰囲気、プロダクションの響き具合、そして残響の隙間から漂ってくる空気の温度まで、すべてが祖国の英雄 STRATOVARIUS"Infinity" アルバムを連想させる「超々 STRATOVARIUS タイプ」。・・・で、それが何か?(笑) 
中庸なドライヴィングが心地良いオープニング・チューン #1 "Let the Demons Free"、悶絶必至のファスト・チューン #4 "Me, My Enemy"、エンディングの「落ち」に激泣きを誘われる本家 Timo Tolki が参加した疾走チューン #8 "Like Father, Like Son" を始めクールなミドル・チューンからドラマティックなバラードまで取り揃った恐るべき完成度の楽曲が、STRATOVARIUS の洗練された安定と SONATA ARCTICA の蒼く疾走する勢いのちょうど中間あたりの絶妙なゾーンで、Nino Laurenne (g), Kari Tornack (key) がバトリながらも一歩退いた視点で自分たちをしっかりと見据えた落ち着きある知的なプレイで堂々と鳴り渡る様は、コレがデビュー盤という事実を抜きにしても驚異の一言。
でも、なんつってもオレの心を捉えたのは、シンガー Pasi Rantanen の歌声なんだな、これが。その Timo Kotipelto を意識した歌唱は、最初はややヘナチョコかと感じたものの、聴き進めるうちにハイ・トーンからロウ・ヴォイスまで実に多彩な表現を巧みにスイッチしながら表現される彼ならではの激情&叙情の吐露に魅了され、聴き終える頃には決して激ウマなタイプではないにも関わらず、スッカリ「いいシンガーだな〜」って感心しちゃったりして。
タタキの「メロディック・パワー・メタルの明日を担う若き精鋭」ってのは決して大袈裟じゃないかもよ。
フィンランド・・・恐るべし!!

Jacket SOILWORK 88
Natural Born Chaos (2002)
スウェディッシュ・メロディック・エクストリーム・メトゥ の 4th アルバム。
スタートこそ「ARCH ENEMY フォロワー」という立ち位置だったものの、激烈なアグレッションとインテリジェントなメロウ・テイストが融合したその端整なサウンドは作を経る毎に成長を重ね、今では一聴して SOILWORK と判る独自性さらにはシーンを牽引するクオリティまでもを身に付るに至っているという事実には、実に感慨深いものがある。
適度に複雑なリズムが鋭くヒットする中で、Bjorn "Speed" Strid の近づくものに容赦なく突き刺さる濁声とそれをかき分けて流れ出る表現力を大幅に増したクリアなシンガロング&コーラス・ワークが激情と安堵の落差を演出する、ざらついた削面を持つ精密なマシーンが丁寧にエナメル・コーティングされたかの如き SOILWORK 独特のスマートなメロディック・ブルートは、奇才 Devin Townsend をプロデュースに迎えさらなる次元への進化を遂げ、その人選が見事にハマった圧倒的な密度とクオリティが放つインパクトは絶大だ。
特筆すべきは元 EMBRACED、そして現在 EVERGREY にも籍を置く名鍵盤奏者 Sven Karlsson の存在で、2本のギターが生む刺々しい波形の溝を埋めるべく浮遊するそのスペーシーなキーボード・ワークが楽曲の印象に重大な影響を与える「味付け」以上の活躍をしているのが、熱烈な EMBRACED ファン(オレ以外にいるのか?/笑)にとってはとっても嬉しいトコロ。
ただ、聴き進めるうちに徐々に物足りなさを感じてきたのが、本来彼らの最大の売りのハズである Peter Wichers, Ola Frenning によるギター・パート。確かにこれまで同様に激高するメロディを流麗かつテクニカルに奏でてはいるのだが、頻繁にオーヴァー・ダブを重ねる細切れパートが連続するギター・ソロ・パートからは、前作まで魅力的に張り詰めていたギリギリに切迫した緊張感は感じられなくなっている。妙にスタイリッシュともいえるフレージングもそそられ度数低しだし。このあたりは、類型を嫌い革新的なアイデアに走るレコーディング・メイニヤ Devin Townsend を起用した功罪なのかなぁ。
まぁそんな懸案点は、この激情を孕んだ緻密な音像を聴き進めるうちに襞の奥深く隠れていた様々な音が顔を出すマジック、そして "As We Speak", "The Bringer" といったツボな楽曲の存在もあって「前作比プラマイゼロ」ってとこかな。

Jacket GOTTHARD 88
One Life One Soul - Best of Ballads (2002)
スイスの骨太ハード・ロック・バンド GOTTHARD のバラード系楽曲を集めたベスト盤。
これまで毎アルバム「数曲いい曲あるんだけどその他の元気系の曲がつまんなくて」借りたりするのみだったけど、その「数曲のいい曲」が集まってるってんだから、こりゃ即買いっすわ。
いやもう Steve Lee の歌唱がタマンねーんですわ。実は曲にしても好みよりは希望的な色合いが強すぎたり、プレイにしても潤い少なめで地味だったり・・・と、バッチリストライクな路線って訳ではないんだけど、特にこーゆーバラード系の楽曲での彼のソウルフルなんだけどしっかりとクリアな熱唱が細かい好みを超越して映えなくる様は、ただひたすら気持ちイイんだよなー。うむ。
長く楽しめる「ドライヴの良き友」がまた誕生した!(嬉)

Jacket OMNIUM GATHERUM 87
Steel the Light (2002)
いやはや、フィンランドって国はホントに底が知れんのー。この5曲入りデビュー MCD の主 である OMNIUM GATHERUM なるツインギター+キーボードを擁する6人組が生み出すサウンドも、確かに既存のメロディック・デス・メタル・バンドのフォロワーの域を脱してはいないものなのだが、アンダーグラウンドで胎動するバンドらしからぬ整合感溢れるその楽曲の品質の高さには驚くばかり。
流麗に乱舞するテクニカルなネオ=クラシカル・ギターと激情を迸らせるデス・ヴォイスがランデヴーを見せるというスタイルは、CHILDREN OF BODOM, IN FLAMES, SOILWORK, ARCH ENEMY ら「Baby Death 四天王 in Japan」の美味しいどこ取りという実に速効性の高いもの。
シンガー Antti Filppu のデス・ヴォイスこそややパンチ力に欠けているものの、Markus Vanhala & Harri Pikka のギター・コンビが競争と協調を繰り返すギター・パートが実に魅力的。フレーズの端々に「真性ネオクラ馬鹿」なバロック風味が多分に感じられるのもなんとも美味しいわ。意外な程にプログレッシヴな落ち着きが存在しているのも高ポイントだし。
ミニなのでたった5曲というのがホンマ物足りないけど、2003年3月には 1st フル=レングス・アルバム "Spirits and August Light" をリリース予定なので、それを心待ちにするとするか。サンプル聴いた限りでは、よりブルータルにプログレスした現在の SOILWORK に大幅に接近したスタイルになってるみたいで楽しみ〜。

Jacket LANA LANE 87
Covers Collection (2002)
ハード・ロックの有名無名な佳曲をカヴァーした企画盤。
収録曲と演奏者は以下のとおり。

01: The Wall / KANSAS
Gregg Bissonette (d), Tony Franklin (b), Mark McCrite (g), Novi Novog (v), Erik Norlander (k)
02: Kashmir / LED ZEPPELIN
Gregg Bissonette (d), Tony Franklin (b), Mark McCrite (g), Cameron Stone (c), Erik Norlander (k)
03: Soaring / AVIARY
Gregg Bissonette (d), Mark McCrite (g,v), Novi Novog (v), Erik Norlander (k,b,g)
04: Hold Your Head Up / ARGENT
Gregg Bissonette (d), Erik Norlander (k,b,g)
05: Innocence / ENUFF ZNUFF
Gregg Bissonette (d), Mark McCrite (g,v), Erik Norlander (k,b)
06: I'll See You In My Dreams / GIANT
Gregg Bissonette (d), Gabriel Moses (g), Erik Norlander (k,b)
07: Don't Try So Hard / QUEEN
Gregg Bissonette (d), Novi Novog (v), Erik Norlander (k,b,g)
08: Northern Lights / TNT
Gregg Bissonette (d), Gabriel Moses (g), Erik Norlander (k,b)
09: Still Loving You / SCORPIONS
Gregg Bissonette (d), Mark McCrite (g), Novi Novog (v), Erik Norlander (k,b)
10: Weep in Silence / URIAH HEEP
Nick D'Virgilio (d), Neil Citron (g), Erik Norlander (k,b)
11: Stargazer / RAINBOW
Ed Warby (d), Tony Franklin (b), Arjen Lucassen (g), Cameron Stone (c), Robert Soeterboek (v), Erik Norlander (k)

溜飲が下がるようなドンピシャリのベスト選曲・・・って訳ではない Erik Norlander らしいややマニアックな選曲ではあるものの、どの曲もシンフォニック・ロックの優雅なダイナミズムでの味付けが似合う哀愁漂う佳曲ばかりで、バンド LANA LANE っぽさに満ちた暖かみのあるファンタジックなアレンジも相俟って、全体として至極統一感のある仕上がりだ。
#3 "Soaring" (AVIARY), #6 "I'll See You In My Dreams" (GIANT), #10 "Weep in Silence" (URIAH HEEP) あたりは、Lana Lane 自身の歌唱もまるで持ち曲のように激ハマりで実に見事。
#10 "Weep in Silence" での Neil Citron の悶絶泣きギター・ソロ、唯一そのへヴィさで異彩を放つ #11 "Stargazer" (RAINBOW) で再確認できる Ed Warby のドラミングの魅力なども聴きものだな。
"Ballad Collection" シリーズもそうなんだけど、最近はレギュラーのアルバムよりこういった企画盤での方が、よっぽどニーズに合った色彩の音が出てくるような気がするね。
冬の夜にいーなー、こーゆーの。(^^)

Jacket KANSAS 87
Device Voice Drum (2002)
2002年6月15日に彼らの地元 Georgia 州 Atlanta でのショウを収録したライヴ DVD。 訪れた CD 屋でまずは CD フォーマットの本作を手にしたものの、同じ店内に DVD があるのを発見して、速攻でこの DVD にチェンジ。(苦笑)
こじんまりとした Eathlink Live という会場でのこのセットは、レーザー光線が飛び交いゴスペルな聖歌隊が登場するという、オレが知ってる KANSAS のイメージからすると意外にもゴージャスでアダルトな感触に満ちたもの。
寄木細工のように緻密に構築されたスリリングでありながら暖かみのある名曲の数々は、こうしてライヴ映像で見るとさらに刺激的。何といっても Robby Steinhardt (Violin, vo) の存在感が凄いわ、やっぱ。彼らならではのアットホームな雰囲気も和むしね。
時折挿入される「演奏マシーン」的な CG(パッケージのアートワークにも出てくるヤツ)も面白かったな。

Jacket ZONATA 87
Buried Alive (2002)
スウェディッシュ XaMetal バンド ZONATA 待望の 3rd アルバム。
期待のジャケ(苦笑)こそ悪くはないけど特に面白みもないものだったが、プレイ・ボタンをプチっと押して驚いたのが冒頭のタイトルトラック #1 "Buried Alive" での IMPELLITTERI かさては NOCTURNAL RITES かという剛健なヘヴィ・メタル・リフの応酬。
全体を眺めてみればコレまで同様に北欧ならではのネオ=クラシカル風味を塗したユーロ・スピード・メタルという不変のスタイルながら、前記のソリッドな風合いが本作にタフな一本の筋を通しているのがなんとも心強い。
そんな北欧様式美 な Nu XaMetal(←新しいでしょ?/苦笑) は、ZONATA ならではの独特のアイデア/センスを見せつけるアレンジ&オーケストレーションによって明快なのか捻くれてるのかよくわかんない風変わりさでナイーヴに疾走する逸品揃い。中でもメロメロなオーケストレーションで疾走をかます #2 "Visions of Sorrow" にはウルトラな悶絶を禁じ得ないっすわ。IRON MAIDEN の大作曲を思わせつつ中間部ではオールディーズなメロウさまで無理して聴かせちゃう意欲作 #7 "A Oak Chapter" も彼らの引出しの奥深さが垣間見れて面白いし。
で、やっぱ触れとかないといけないのが、実はなかなかの功者なのに声質が Kai Hansen なために(汗)「ヘナチョコ・チキン・ハイ=トーン・ヴォイス」という印象のある不運のシンガー(貰泣)Johannes Nyberg だね。これが・・・本作では前作以上に上手くなっちゃってて、マジで Tobias SammetJohn Arch (ex-FATES WARNING) かって雰囲気まで漂わせちゃってる勢いっすわ。確かにそのヘナチョコな声質は健在なんだけど、サビとかでのコーラスを伴う叙情歌唱では、愁いに満ちた質感までもを響かせちゃったりしてるんデスよ。ビックリー。
そしてコレも美味しいってのが、John Nyberg の「本物」の2文字を想起させる緩急と間を持ち合わせたウェットなネオ=クラシカル・ギター。Peter Wichers (SOILWORK) を思わせる端整な激情を封じ込めた泣きプレイ・・・タマンない!

Jacket LUCA TURILLI 87
Demonheart (2002)
RHAPSODY のブレインであるギタリスト Luca Turilli の 2nd ソロ・アルバム "Prophit of the Last Eclipse" からの先行シングル。
なんつってもそのシンプルな曲名がカッコ良過ぎるリーダー・トラック #1 "Demonheart" をはじめとする厳選された楽曲の出来はさすがで、高揚感満点のクワイアと共に大仰な疾走を見せる様は、本家 RHAPSODY よりは幾分ストレートながらまさに悶えて絶命すると書いて悶絶。モダンな音色の装飾音を隠し味に絡ませた詳細まで凝ったアレンジの妙と、ライヴ映えしそうなダイナミックさのバランスも良好だ。
アルバムには収録されない 3# "Rondeau in C Minor" 〜 #4 "Black Realm's Majesty" が、バロック系なクラシカルさがタマンない佳曲だっちゅーのもミソやね。
Luca 自身のギター・ワークも RHAPSODY での「バッキングの一部」という立場から一歩踏み出したギタリストとしての主張が感じられるし、なにより欧州メロディック(スピード)メタル界屈指の実力派ドイツ人シンガー Olaf Hayer のよく響く歌唱が実に素晴らしい。もう間もなくリリースとなるフル・アルバムに、期待が募りまくりっすわ!
・・・でも、フェイス・ペインティングするんだったら、全員揃ってしようよ。(苦笑)

Jacket THY MAJESTIE 87
Hastings 1066 (2002)
イタリアン・メディヴァル・オーケストラル XaMetal バンド THY MAJESTIE の 2nd アルバムは、アッと驚く大化け具合。
イングランド発祥の起源となった「ヘイスティングスの戦い」をテーマに据えたコンセプト作らしく、S.E. 的な小曲を交えながらエピックに展開するその姿は前作同様に超 RHAPSODY 的。それでいて「やっぱり RHAPSODY には及んでない」ってのは無理もない当然の事実なのだが、この THY MAJESTIE の恐ろしいところは、幾つかのファクターでは RHAPSODY を凌駕せん凄みを見せ付けている点だ。
混声合唱を大胆に配してドラマティック極まりなく盛り上がる様の THERION の域に迫るかの勢いと、この手のオーケストラル・メタルとしては異例な程フィーチュアされたテクニカルなギター・ソロ・パート等、そのサウンドの端々に彼らが単なるフォロワーに終わっていないと確信させられるポイントを感じ取ることが出来る。
前作ではショボさが目立ったシンガー Dario Grillo の急成長も本作のトピックの一つで、やや無個性ながら北欧ハード・ポップにも通じるマイルドでクリアな味わいの意外にレンジの広い歌声で歌われるメロディの悶々としたキャッチーなメランコリックさが、楽曲よりはムード重視という傾向が強かった前作とは比較にならぬほどに充実しているのも嬉しい。
さすがにまだ全曲で悶絶というわけにはいかないが、#2 "The King and the Warrior", #5 "The Sight of Telham Hill", #8 "The Scream of Teillefer" と、絶妙のタイミングで悶絶メロディと共に疾走をかます楽曲の威力は相当なもの。
シンフォニック&オペラティックに生まれ変わった STRYPER のカヴァー、#15 "In God We Trust" が単なるボーナス・トラック以上のハマり具合を見せているのもお得な感じぃ。

Jacket RALPH SANTOLLA 87
Shaolin Monks in the Temple of Metal (2002)
MILLENIUM のリーダー/ギタリスト Ralph Santolla の初のソロとなるオール・インストゥルメンタル・アルバム。
当初予定されていた邦題が「鋼鉄の僧侶」(笑)でどうなることかと思いきや、正式には「悟道」となってホッとしたり・・・つってもこれでもなんだかパッとしないんだけどね。(汗)
しかしこの内容の方が、Michael Schenker 世代にはタマラナイったらタマラナイ。楽曲自体はハード・ロック調が基本にしつつも時に穏やかなワールド・フュージョンの流れを感じさせるアダルトめな路線なのだが、そこに Michael Schenker の影響を剥き出しにしながら独特のスケール感とお得意の16分刻みのファスト・プレイを随所に切り込ませて絶妙に構築されたフレージングが美味し過ぎ。
A.O.R. 風味のメランコリックなミドル・ハード #4 "Starlight" では Vinny Burns, Helge Engelke 両名が技を見せているが、特にエンディング・ソロでの Helge のプレイは聴いてて顔が歪むほどに泣き泣き。
そしてファンが Michael Schenker に求める要素を見事に具現化した #7 "Echelon" には、マジで号泣しながらエア・ギター with 脱糞ですわ。
っちゅーか、全8曲34分では全然物足りんっちゅーのっ!!

Jacket VINTERSORG 87
Visions from the Spiral Generator (2002)
今や BORKNAGAR のシンガーでもある Vintersorg 君と、その相棒であるギタリスト Mattias Marklund 2人によるスウェディッシュ・ヴァイキング・メタル・プロジェクト VINTERSORG の 4th アルバム。
前作 "Cosmic Genesis" からすでに「ヴァイキング」という表現に違和感を感じていたが本作でもそれはさらに推し進められ、メロディに滲むその哀感は既に「VINTERSORG 独特」としか喩えられない質感になりつつある。
トラッド/フォークな味わいにアバンギャルドな不条理さを小サジ一杯加えたアグレッシヴなテクニカル・デス・メタルの上で、合間合間にデス/ブラックな絶叫シンギングでエクストリームを演出しながら独特の朴訥なクリーン・ヴォイスで空気を悲しみ色に染め上げてゆく Vintersorg の哀しき哀愁歌唱(英語/現地語半々)は、VINTERSORG 史上最高潮な勢いの実に嬉しい充実具合。
そんな魅惑の歌/メロディと、全編でフレットレス・ベースの妙味が堪能できる SADUSDEATHTESTAMENTSteve DiGiorgio と恐るべき手数を繰り出す SPIRAL ARCHITECTAsgeir Mickelson という超強力なリズム隊によるスーパー・ボトム、そして「シンフォニック」とは一線を画すある意味レトロでプログレッシヴなキーボード・ワークがあらゆる場面で耳の端っこで細々と小技を繰り出すプログレッシヴな音世界は、いつの日か「神、OPETH」の域に迫るのでは?と思わせる程の素敵な手触りっすわ。
フェード・インするイントロの哀愁コーラス #1 "Quotation" から激烈ブラストそして泣きのサビへと移行する #2 "Vem Styr Symmetrin?" への導入、デス・メタルのアグレッションと浮遊するコーラスの安堵の落差が心地良い #3 "A Metaphysical Drama"、オルガンのオールド・テイストが荒涼感を醸し出しながらプレーヤ魂が小気味良く揺れるハイライト・チューン #4 "Universums Dunkla Alfabet"、アバンギャルドな疾走を見せる #5 "E.S.P. Mirage"、有機的ケイオスを経て泣きサビを浮遊さす #6 "Spegelsfaren"、美しき暗黒の地平を俯瞰するミドル・チューン #7 "The Explorer"、フォーキー&キャッチーなバラード系ソング #8 "A Star-Guarded Coronation"、そして激烈ブラストが爆発する北欧メロディック・ブラックな小曲 #9 "Trance Locator" で幕を閉じるまで、一切隙のない見事な構成はマジで悶絶。
このアルバムの曲でもう一度ショウが観たいーーー!

Jacket SKYCLAD 87
No Daylights Nor Heeltaps (2002)
英国が誇るケルティック風味満点のフォーク・メタル・バンド SKYCLAD の新作は、自身の過去の名曲を現在のメンバー&現在のアティテュードでセルフ・カヴァーした企画盤。
時代がやっと彼の濁声に追いついたと思ったら脱退しちゃった看板シンガー Martin Walkyier の替わりに Kevin Ridley をシンガーに据え、その自然で素朴な歌声と Georgina Biddle 姐さんのヴァイオリンを大フィーチュアして、フォーキーな風合いたっぷりに生まれ変わった楽曲の数々は実に魅力的!
Martin Walkyier が付加していた「アク」が希薄になった分、物足りなさを感じる人も居るかもしれないけど、少なくともオレには楽曲に元々備わっていたフォークロアな趣が倍化されたことによる感動が、素直に伝わってきたッス。
ちなみに、オフィシャル Web サイトとか郵便とかである手続きをすると、ボーナス・ディスクが入手できるらしいよ。オレはまだまだこれからッス。ケースはそれを見越して最初から2枚組用なのよね。

Jacket SENTENCED 87
The Cold White Light (2002)
フィンランドが誇るメランコリック絶望自殺メタル(苦笑)の頂点 SENTENCED の 7th アルバム。
巷では評判だった前作 "Crimson" に対して、好みではあったもののイマイチ響き方が足りなかったって感覚を得てた "Amok" マンセーな保守派 koh たんとしては、本作もそれレベル+α程度であれば充分だな・・・って気軽な気持ちで臨んだんだけど、コレがヤヴァいほど痛々しく心に突き刺さってくるじゃないですか。
もはやかつてのようにデス・ヴォイスは一切使われていないにも関わらず「これが真の意味でのデス・メタル!」と呼びたくなるほど死の香り満載の楽曲が、荒涼たる凍土の大地に人生最期の涙を撒き散らしながら鳴り響く様子は、半端じゃなく感傷的な空気を北欧の果ての地から運んでくる。
とにかく、シンガー Ville Laihiala の漢の哀しみを湛えまくった色気たっぷりの絶望歌唱(ってなんやそれ/苦笑)と Miika Tenkula & Sami Lopakka のギターコンビが前作以上に丁寧に綴る泣きの旋律(しかも最高の音色!!)が冴え渡る佳曲が満載なんだな。
どの曲でも聴かれるキャッチーなメロディに近年フィンランドを席捲するノリノリ・ゴシック風味の強まりを感じつつも、あくまで漢っぽくあくまで冷ややかなその激情の棘を隠そうとしない楽曲群は、鳥(?)の鳴き声に哀しみのアルペジオが被さる #1 "Konevitsan Kirkonkellot" からその哀感が爆発する #2 "Cross My Heart and Hope to Die" に始まり、哀感たっぷりにドライヴィングする #4 "Neverlasting"(キャッチーなコーラスがナイス!)に代表される佳曲揃い。
まぁ、全体的に似通った曲調なんで、マクロな視点で眺めればその緩やかな抑揚が物足りない面もあるといえばあるんだけど、オレをやっと "Amok" の呪縛から逃れられさせた本作の功績は、何にも替え難くデカイな。(嬉) うーん、7年かかったし!(苦笑)

Jacket MOURN IN SILENCE 87
Light of Misery (2002)
イタリアから天才登場!!
この MOURN IN SILENCE は、イタリアから登場したシンフォニック・メロディック・ブラック・メタル・バンド。本作は自主制作での 1st アルバムだ。(一部では Demo という噂もあり)
厳粛たる邪悪な暗黒儀式の背後に流れるシンフォニー #1 "Chain of Spirit" から一転、壮麗なるシンフォ・アレンジを伴って疾走する #2 "Rebellion" のネオ=クラシカル・ギターの旋律を耳にした瞬間に秒殺ですわ。マジで。
終始宗教的な荘厳さに包まれた DIMMU BORGIR 型のシンフォ・ブラック・チューンを基調に、フィンランド系ネオ=クラシカル・デス風味(つまり CHILDLEN OF BODOM っぽさってことね)までもを時折爆裂させる楽曲が、聴き手を置き去りにしない聴きやすさを身に付けているのが何といっても高ポイントで、特にそれらすべての要素をバランス良く配した #9 "Color of Grace" は、悶絶級の出来ッスわ。
驚きなのは、地の底から響くデス・グロウルから悲壮なる絶叫まで様々に使い分けられた死の声、この手のバンドには不似合いな程のウェットに泣きまくるネオ=クラシカル・ギター、そしてそれらを包み込む絢爛豪華なオーケストレーションとそれらを生かす魅力的な楽曲・・・というこの MOURN IN SILENCE の魅力の殆どすべてを、ヴォーカル/リード・ギター/プログラミングを担当する Andrea Mosconi が担っているという事実だ。ここまで各方面でハイレヴェルに決められると羨望を通り越して殺意さえ芽生えるね。(笑)
自主制作なので仕方ないとはいえ、ダイナミクスにかけるチープなプロダクション(全体的には充分に健闘しているんだけど特にリズムの音色の軽さが気になる)がちょっとキツイ部分もあるが、ここは一発キチンとディール獲って(楽勝だろう!)、素晴らしいアルバムを作って欲しいナァ。ってか、そういう環境をこの Andrea Mosconi に与えたら、本当に恐ろしい! 今後の動向に注目ッス。

Jacket AT VANCE 87
Only Human (2002)
ジャーマン・ネオ=クラシカル・ハード・ロック・バンド AT VANCE の 4th アルバム。
バンドを率いる熟達のギター・プレーヤ Olaf Lenk の、ウォーム&シャープな音色による感情の封入を演出するタメも見事なハイ=テックな洗練プレイ(シーン髄一の綺麗なスウィープ/アルペジオはいつ聴いても惚れ惚れするなぁ)が煌びやかに舞う中で、軽めに転がるブルージーなコブシを伴ってパワー一辺倒ではない味を発散する Oliver Hartmann の爽快なまでの歌唱力がキャッチーで煽情的なメロディを綴る、ヘヴィ・メタルの突進力を持ったクラシカルなハード・ロックはこれまでと不変のスタイル。
だが驚いたのは、そんな楽曲/プレイはもちろんアート・ワークを含めたパッケージ全体から明らかにこれまでより一皮剥けたかの豊潤な香りが漂ってくること。これまで良く出来たアルバムをコンスタントにリリースし毎回その内容には満足しながらも、その非常に高い安定感が逆に今後の大きな飛躍を感じさせなかっただけに(前作では型にはまった閉塞感を強く発散していたし・・・)、4作目にしての突然進化への萌芽が見えてきたのにはビックリしたなぁもう。
その勝因は、アレンジに施されたこれまでに無く細心な気配りとそれが生み出すヴァラエティ感、そして迫り来るリズム隊のアタックを巧く封じ込めたプロダクションってとこかな。
先が予想できる曲展開の方式やアルバム通して聴いたときに感じるアンサンブルの画一さなど、まだまだ平凡レベルな項目も幾つか感じられたりするが、これでメンバー個々人のキャラがもうチョイ立って来たりすると、次作あたりはまた面白いものになるかもね。・・・と、そういう期待をさせるに十分な要素に溢れた一枚だ。
それにしてもボーナス・トラックとして名曲 "I Surrender"RAINBOW バージョン)演ってるんだけど、こうして改めて聴いてみるとやっぱメチャクチャ良い曲だな。(出たな虹ヲタ/汗) で、コーラス・パートの質感まで再現したこのバージョン、近年聴いたカヴァー曲の中でも相当上位に食い込む完コピぶりはマジで愛を感じる感じる。全世界の人々の思い出がぎっしり詰まったフレーズそのものは超忠実になぞりながら、ピッキングやフィンガリングのニュアンスにしっかりと自分の色を滲ませるという Olaf Lenk の姿勢も超賛同。エンディング・ソロ部分では原曲にてフェードアウトする部分以前は忠実に再現し、それ以降の本来は無い部分で待ってましたと弾きまくる配慮なんてチョー心憎いッス。

あ、Oliver Hartmann、そのうち Yngwie Malmsteen から声掛かるんぢゃないかと読んでるんデスが・・・。合うよねぇ、きっと。

Jacket BATTLELORE 87
...Where the Shadows Lie (2002)
Weapons! Weapons! Magical Weapons! Weapons!

フィンランドから突如出現した True Arctic Fantasy Metal Band BATTLELORE は、もし RHAPSODY のメンバーがこの BATTLELORE の存在を知ったら号泣しながら地団駄踏んで悔しがることが容易に想像できる究極の「ロール・プレイング・メタル」。
なんつっても、メンバーが

Thrangull (Miika Kokkola : Bass)
 種族:Human
 職業:Fighter
 武器:Hand-Axe, Shield

Lalaith (Kaisa Jouhki : Female vocals)
 種族:Wood-Elf
 職業:Ranger/Scout
 武器:Longsword, Hunter's Bow

Scaurum (Jyri Vahvanen : Guitar)
 種族:Human
 職業:Magician
 武器:Spells, Staff

Uglur (Henri Vahvanen : Drums)
 種族:Half-Orc
 職業:Thief/Assassin
 武器:Dagger, Knives

Halltar (Maria : Synthesizer)
 種族:Half-Elf
 職業:Sorceress
 武器:Spells

Azog (Patrik Mennander : Clean male vocals)
 種族:Uruk-hai
 職業:Warrior
 武器:Battle-Axe, Mace

Gwaeron (Tommi Havo : Raging vocals, Guitar)
 種族:High-Elf
 職業:Paladin
 武器:2xBroadsword

ってな、鎖帷子の戦士/美しきエルフ嬢/手から光線発する魔導師/小賢しげな盗賊半オーク/超美女な半エルフ魔女/全身緑色のオーク戦士/とんがり耳で顔色の悪いエルフ剣士・・・の7人パーティだもの。(苦笑)
で、そんなこけおどし臭いコスプレ軍団が繰り広げる、J.R.R.Tolkien の名作「指輪物語」をモチーフにした古代の剣と魔法の世界はきっとイロモノ寸前の失笑ファンタジー・メタルに違いない・・・と思いきや、これが驚くことに意外にもまとも・・・ってゆーかハイ=クオリティとさえ言えるヘヴィでメタリックな力強さを打ち出した上質な音世界。
ファンタジー系によくあるオーケストラル/クラシカルなシンフォニック・アレンジはホンの味付け程度に控え、ダーク・メタルなリフ攻撃に耽美ゴシックの暗黒美が絡みこれまた意外にもインダストリアルなデジ=ロックの風味までもを垣間見せる多彩なる表情は、まさにドラマティックで、余裕あるテクニックと細部まで気を遣ったクリアなプロダクションが見事な安定感を与えている。
このファンタジーの語り部となっているのはデス・ヴォイス、クリーン・ヴォイス(緑色のクセに!/笑)、そして女声なんだけど、このとんがり耳を持つキュートな Lalaith@Kaisa 嬢の声色そして歌われるメロディがホントに超ストライクなんだよね。特に "Journey to Undying Lands" なんかでのフワフワながら芯の通った声がたまんネーっすよ。メッチャ好みだっつーねん!
まぁギター・ソロらしいギター・ソロが殆どないのをはじめ、楽器陣のスリリングな見せ場という意味では少々物足りなさが残るのがチョットだけ残念ながら、この馬鹿馬鹿しい突き抜け方は天晴れ天晴れ。メタル人生のなかで忘れられない一枚になりそうだ。

Jacket CYRIL ACHARD'S MORBID FEELING 87
In Inconstancia Constans (2002)
「フランス人ギタリスト」といえばちょい前までは Patrick Rondat、そして近々では当サイトの2001年度ベスト・ギタリストに輝いた Stephan Forte を真っ先に思い浮かべる今日この頃、先に我が国でもリリースされた "A Tribute to Jason Becker" にも参加していたこの見事なテクとセンスを持つギタリスト Cyril Achard もそんなフランスからの新たな刺客だ。
彼の2枚目のソロ作であるらしい本作は、MORBID FEELING という名の看板を掲た新バンドとしてのデビュー盤という意味合いもあるが、その内容はといえばまさにそのとおりの「ずば抜けたギタリストが率いる新生プログレ・メタル・バンド」という印象。
80年代後期に当時10代にして既に ATOLL (!) から分裂した ATOLL SUD なるプロフェッショナルなバンドのメンバーとして活動していたという経歴を持つ Cyril Achard の Jazz/Fusion をも飲み込んだ凄絶なネオ=クラシカル・プレイと、それに追随する他の楽器陣によるハイ・レヴェルなテクニカル・グルーヴが生々しく火花を散らす、DREAM THEATER を手本としながら欧州真性プログレッシヴ・ロックの叙情的な鼓動をも封じ込めた楽曲はスリリングな魅力的たっぷりで、"Fallen From Grace" 後半でのソロの応酬が発散する凄まじい緊張感は、マジで小便がパンツの中で迸るほどー。
さらに美味しいのは専任シンガー Patrick Peek によるキャッチーな歌唱が彩る「歌モノ風味」で、そのややぶっきらぼうでありつつも繊細な表現にも長けた歌声と声質がバックの音像と絡む姿は、所々で IT BITES の面影を瞼の裏に浮かばせるのが嬉しいね。
この美味しいプログレ・メタル作品が「数多いテクニカル系ギタリストのたぶん退屈であろうソロ作のうちの一枚」と誤解されたまま闇に埋もれてゆくっつーのは、あまりにも勿体無いなぁ。
ちなみに Tony MacAlpine が3曲でゲストでキーボード・ソロを披露してマス。(レギュラーメンバーである Jean-Marc Layani が相当に凄いので、あまりセールスポイントにはなってないけどね。/汗)

Jacket HUMANIMAL 87
Humanimal (2002)
HUMANIMAL?・・・ってどっからどう見たって TALISMAN ぢゃん。(笑)
んーとにもう、この人たち HUMAN CLAY とかこーゆー訳わかんない活動の仕方してるから、ずーーーっとパッとしないまんまなんだよ!(笑)
・・・と思いをぶつけたところで、この TALISMAN の新作・・・じゃなくて HUMANIMAL のデビュー・アルバム(ってもうどっちでもいいや/笑)は、もはや説明不要の Jeff Scott Soto の以前より若干ハスキーになった感のある哀愁熱唱、Pontus Norgren のまさに「超絶」という言葉が相応しいネオ=クラシカル・ギターとそれに16分でユニゾンかましながらのたうち回る My Favorite Bass Player Marcel Jacob のブースト・ベース、そして気持ち良さそうにシンバルをラウド・ヒットする Tomas Broman の極上のグルーヴまでもを完全に操りながらもテクニカルにパワー・ヒットするドラムが完全なケミストリーを見せる、従来通りのモダンと伝統が融合した北欧メロディック・ハード・ロックで、相変わらず「個性」とさえいえる幅広さをちらつかせながら前作(笑)"Truth" に比べると遥かに焦点の定まった作風。
何といっても本作に一本芯を通している Pontus Norgren のマジカルなネオ=クラシカル・プレイがマジで素晴らしい。粘りとスムースさ、テクニックとエモーション それぞれが絶妙のバランスで配合された目も眩まんばかりのそのプレイは、現時点では北欧 No.1 ネオ=クラシカル・ギター・プレーヤと認定せんわけにはいかんだろう!

Jacket DISARMONIA MUNDI 86
Nebularium (2002)
イタリア産メロディック・デス・メタル・バンド DISARMONIA MUNDI の2002年にリリースされたデビュー・アルバム。
地力の高さを感じさせる高次元で安定した演奏で奏でられるのは、「アンダーグラウンドなダーク・ゴシックに傾倒した SOILWORK」とでも形容したくなるような、なんとも不思議な音像。
その SOILWORK 風味だけではなく、往年の PARADISE LOST に通じる良質のメロディ・センス、OPETH 的な拡散する淡白さの心地良い揺れ、そして正統派スラッシュ・メタルの如き整然たる疾走までが顔を出す楽曲は、グロウル、スクリーミング、ウィスパーそしてノーマル・ヴォイス・・・と持てる技を最大限を駆使したシンガー Benny Bianco Chinto の歌唱のカラフルさも手伝って一聴して捉えどころがなさそう・・・
・・・なのだが、ところがどっこいソロイスト・タイプのギタリスト Simone Palermiti の存在が一本筋を通している感じ。要所要所で悶絶ネオ=クラ系ギターをセンス良く鳴り渡らせて哀愁を塗りたくってる姿がマジたまんないんだよね・・・って、結局いつもそこかよ!みたいな。(苦笑)
各楽器のプレイのタッチがナニゲにプログレッシヴ・メタル的なのも◎。
SCARLET と契約して今年中にリリース予定の新作は、なんと日本リリースも予定されてるという超期待株デス。  (Jun. 16, 2003)

Jacket CELESTY 86
Reign of Elements (2002)
フィンランド産メロディック・スピード・メタル・バンド CELESTY のデビュー・アルバムにして本邦デビュー盤。
ギター&キーボードがハイ・テックに競い合いながらブチかますキラキラドコドコな疾走の風合いとわかりやすいキャッチーな北欧歌メロの具合こそいかにも SONATA ARCTICA を御手本にしてマスって感じだが、それに加えてこの CELESTY に備わっている大きな魅力が、イタリアン・メタルに通じるエピックな大仰さ。
全編をリードする勇壮なオーケストレーションの響きは、ゴージャスなんだかチープなんだかよくわからない(苦笑)けれども、要所要所で聴き手の血を沸き立たせることは間違い無いんだよね。タイトルトラック #5 "Reign of Elements" のイントロとか #3 "Revenge"のソロの途中とか、悶死する寸前だったもん。(笑) この派手めのオーケストレーションをはじめ、曲の随所で実にセンス良く小技を聴かせる鍵盤奏者 Juha Maenpaa、テク的にもカナリのものを持っていると感じられるし・・・只者じゃないかも!?
彼と対決するリード・ギタリスト J-P Alanen (18歳!?) はじめ、他のメンバーもその若さらしからぬテクニシャン揃い。もちろんシンガー Kimmo Peramaki のヘナチョコ・ヴォイスだって充分に「これが若き血潮なんじゃん」って許容できる範囲だしね。(笑)
ただ、#2 "Charge" が、デモ "Times Before the Ice" で聴けた「シャキーーーン!(剣を抜く音)」「Chaaaaaarrrrrge!」ってアレンジじゃなくなってるのは超残念。あの「失笑寸前のやり過ぎ感」もこの CELESTY 大きな魅力だったんだけどなー。