August 4 (Sun) - Road to Dusseldorf -

ぐっすりと熟睡した満足感とともに目覚めると、時計は 9:00 を指していた。

車から降りて、涼しげな朝の空気を吸い込みつつ薄い曇り空に向かってグーッと伸びをしながら周りを見渡すと、このバック・ステージのパーキング・エリアに駐留していたメタル・カー&メタル・テントの数は、既に昨晩の半数近くまで減っているようだ。


昨夜までの夢のような3日間が齎した心地良い余韻と、一年間待ち続けた3日間が全てが終わったという現実が誘う何とも言えない虚脱感が交錯し複雑に感情が揺れ動くのを感じながら、まずは車内にとっ散らかった荷物をまとめ始める。

荷物自体が少ないのと今回は会場での買い物も程々だったのとで、オレの荷物はあっという間にまとまりつつあったのだが、ドコを探してもデジカメの予備バッテリー一個と充電器がだけが見つからない。

ふと思いついたのがプレス・ポイント。もしや昨夜最後にそこで充電して、そのまま帰ってきちゃったかな・・・と思い、プレス・ポイントに行き、プレスのケアの責任者である Eske 嬢に話して既に閉まってたプレス・ポイント内部に入ってみると・・・ビンゴ! 充電コーナーのコンセントに昨夜のままの姿で刺さってた。(汗&安堵)


さっきまでは煌びやかな証明に包まれてたのに・・・寂しいのぉ

Eske 嬢に例を言い、それらをサルベージしたついでにバック・ステージからフェスティヴァル・エリアの方を眺めると、既に Black / True Metal Stage が解体されはじめている。うーん、なんだか余計に寂しさが募るなぁ。


車に戻ると、おっくんは膨大な荷物を相手に未だに悪戦苦闘中。(笑) ってゆーか、カミ〜ンは未だにラゲッジスペースで熟睡中なんですけど! しかも、口元で蝿さんが揉み手しながらマターリと和んでるんですけど!(苦笑)

あまりに死んだように眠っているので・・・・・・どうやら蝿さんも死体だと思ったようデス

程なくカミ〜ンが起床し、彼が少ない荷物をアッという間にまとめてからもしばらくおっくんの片付け待ちをしていると、薄曇りながら晴れ間も見えている空から、突然大粒の雨が降ってきた。

が、おっくんの荷物がまとまるとほぼ時を同じくして雨足は程なく弱まり、今年も素晴らしい感動を与えてくれたこの会場を後にする時がやってきた。

通り過ぎるメタル・ヘッズとメロイックを掲げ合い、来年の再会を無言で誓い合いながらパーキングの出口へ車を進める。

出口から出てすぐの場所に停まっている車を見ると、LIZANXIA のメンバーが帰り支度をしている。最後の最後までつくづく縁のある連中だ。彼等に丁重に挨拶をし、我々は会場を後にした。


次に向かう先はプレス用のチェックイン・ポイント。前夜祭の日にパスを発行してもらった場所だ。そこでフォト・ピット用の赤いメッシュのチョッキを返却すると、保証金として渡した20ユーロが戻ってくるって塩梅なのだ。

チェックイン・ポイントに着くと、なぜか窓口はシャッターが下りている。仄かな不安を胸に入り口付近にいた係員らしき兄ちゃんに「このチョッキ返したいんだけど」っつーと「あー、ちょっと遅かったね。それの受付10時までなんだわ、Sorry。」ってヲイ!・・・ってことで、高い、しかもあまりありがたみのないお土産になっちまいました。(泣) が、まぁそういうこともあるさ!と速攻で気を取り直し、車を発進させる。

Thank You Wacken!

今日からまた一年間、オレらが来るのを待っていてくれ!!


今日の目的地は今夜の宿泊地である Dusseldorf だが、まずはレンタカーを返却するため Hamburg に戻るのがとりあえずのマイルストーンだ。

アウトバーン A23 の入り口である Schenefeld までの間に車窓から見える風景は、のどかな田舎の住宅街。Wacken Open Air だけのためにこの辺りに居を構える人生も悪くないかもナァ〜・・・なぁ〜んて楽しいことを考えながら、今年は去年と違ってきた道をそのまま逆戻り。そのおかげで迷うことなく順調に Schenefeld から A23 に乗ることが出来た。

A23 に乗って15分もしないうちに Itzehoe 超えると、渋滞が始まった。来た時と同じ工事渋滞。オレら同様に Wacken 帰りのメタル・カーらと「車間メロイック合戦」を繰り広げながらのろのろ進む。

車内では SHY の新譜が大音量で流れ、その内容の良さも手伝ってあまりストレスを感じることなく一時間ほどでやっと工事区間を抜けて目的の出口 Stellingen が次に控えることを示す看板が見えてきた。

難所である複雑なインターチェンジをパスし、次に登場した出口で降りようとするが・・・あれ? 出口に Stellingen って書いてないぞ?(変な汗)

・・・とりあえず降りてみるが、周りを見まわすとどうもここじゃないっぽい。(激汗) 行き過ぎちゃったかな?・・・と、付近の入り口から再度アウトバーンに乗り看板を見ながら進むが、どうも違う方向へ進んでる気がする。

あ゛〜!! メッチャ不安になってきた! とりあえずヤヴァそうなので、最初にあった出口 EidelStedf から速攻で高速を降りる。


こ、こりゃホントに返り着けるのかな・・・とメチャクチャ不安が募りながらも体は正直なもので、一同「腹減った!」ってなわけで、パニクった頭のクール・ダウンも兼ねて EidelStedf の出口からすぐの場所にあったマクドで遅い朝食を採ることに。

マクドに入ると、そこは Wacken 帰りのメタラー天国。(苦笑) どうやら細長いリブ型のバーガーがメインらしく、リブチキンのセットをセレクト。塩かけ過ぎでしょっぱいポテトすげー美味い。(苦笑)

食いながらも地図を念入りに確認し、降りるべき出口の場所とそこに着くまでの道程を再度チェック。でも、地図の表記と実際の道路標識と書いてあることが違ったことでこの惨状を招いているので、どれだけ机上で確認しても不安は一向に減らないんだけどね。

空腹も癒され混乱気味だった頭もちょいと整理できたってことで、マクドを出て EidelStedf からまたアウトバーンに乗る・・・・が、乗った瞬間に明らかに逆方向に向かっている事に気付いた。(汗) ・・・どうやら乗り口で上り/下りを間違えてしまったらしい。(馬鹿)

次の出口 Schnelsonで降り、またすぐ乗りなおして反対方向に戻る。さっきのマクドで取り戻した落ち着きはアッという間にどこかへ消し飛んでしまったようだが、それでも先程再確認したとおりに用心深く車を進め、本来降りるべき Stellingen と思しき出口にやっと到着・・・って、ここって最初に降りたところぢゃん!? 降りてからさっきも停車した信号で、さっき以上に注意深く周りをよ〜く見回してみると、何となく見覚えのある風景・・・あ、やっぱここで正しかったわ。(笑) なんて勿体ぶった昼食だったんだろう。(苦笑)

この道間違いは今回の旅路で最も焦った出来事ッスわ


あとは、来た時の逆向きに市街地を走って Hbf 前の Hertz を目指すのみ。道は簡単なのでもう着いたも同然だ・・・と、快調に SAAB を走らせているのだが、なぁーんか様子がおかしい。反対車線をこちら側に向かって走ってくる車が一台もいないのだ。

不思議に思いつつも Hbf に向かいっていると、突然前方の道が通行止めになってる! マジで!? 看板とかをよーく見てみるがドイツ語なので全然わからないが、推測ではどうやらパレードがあるらしい。

またまた超不安にな状態に陥り、ハンドルを握る掌を汗でじっとりねっとりぬめぬめと濡らしながら、仕方なく一方にしか行けない迂回路に強制的に入ると、運良く「↑Hauptbahnhof」って看板を発見!!(嬉) 矢印に従って見知らぬ道を進むうちに、Hbf の建物が見えてきた。イヤー、このときの嬉しさったらなかったッス。


駅の横道を抜け、目前の反対車線側に迫った Hertz に向かって極悪な U ターンをかまして(ゴメンナサイ・・・)、店の前でさらに極悪二重駐車。返す時どうすりゃいいのか全然わかんなかったんで店にいた兄ちゃんに訊くと、「最初に置いてあったパーキングに車置いてきてチョー」とのこと。

なんなく建物の裏にあるパーキングに車を停め、また店に戻ってさっきの兄ちゃんに書類とキーを渡すと、何か訊いてきた。

「§≦≠∞≡±∈∋?」
「何? わかんなーい」

いや、この兄ちゃんの英語、マジで聞き取れない。多分オレの問題なんだろうけど。(汗)

「▽□×◎々∧〆〒∈∋?」
「うーん・・・やっぱわからん。なになに?」

「No Damage?」・・・なーんだ、簡単にそう言えるんなら最初からそう言ってくれよぅ。(汗) 「Of Course!」

ってゆーか自己申告でいいのか!?!?(苦笑)

「マイレージはどうなってる?」
「マイレージ? あぁ、Webで予約した時に Japan Airlines のマイレージに振り替えれるって書いてあったんでそうしたけど?何か問題が? 」
「いや、それは OK だよ。で、マイレージは?」
「???だからマイレージは JAL で・・・」
「えっと、オマエは何キロ走ったんだっちゅーの!!

!?!?・・・Mileage ってそういう意味だったのね。(超恥)

「な、なぁ〜んだ、それだったら 200km くらいデス・・・」
「OK、じゃこれで終りね。サンキュー。よい旅を。」

ってゆーかこれも自己申告かよ!(笑)

ガスは入れてないけどいいの? 「ガス入れてないけど規定の燃費で精算してねっ」って言おうと思って一生懸命頭の中で復唱してたのにー・・・ま、いっか。(苦笑)

そういえば、パーキングの出口に「お車返却のお客様はこちらにキーと書類入れてください。ダンケシェ〜ン」って書かれた箱もあったことだし、まぁなんか問題あれば追って連絡来るだろってことで、もう運転しなくていい安心感に包まれながら店を出て駅へ向かう。


この Hamburg Hbf で、Nuclear Blast 社へ表敬訪問するために Donzdorf へ向かうカミ〜ンと、明日また Frankfurt 空港で会うことにして一旦別れる。おっくん&オレは、Masa と呑むために、ここから彼のホーム・タウン Dusseldorf に向かうのだ。

まずは Dusseldorf へ向かう電車を探す。駅に掲示されている DB 時刻表は非常に判りやすくて充分に使えるんだけど、どれに乗れば一番早く Dusseldorf に到着できるのかというのまではチト難しいので Info で訊くと、直行の IC が数十分後にあるというので、指定されたホームに向かい念のためホームにいた駅員に再度訊く。往路でのトラブルのせいで用心深くなってるなぁ。(苦笑)


ここらでちょいと日本に電話しようと思い携帯を使おうとするが、どうも調子が悪いようでうまく発呼出来ない。これまでも時々そういう状態になったんだけど、今回は全然ダメっぽいので公衆電話から連絡を取ることに。

去年の Wacken の際に買ったプリペイドの「KDDIスーパーワールドカード」の残高がまだあったのでそれを利用することにしたが、安いのはイインだけどとにかくめんどくさいったらありゃしない。アクセス番号→カード番号→相手の電話番号・・・と合計30桁近くの番号をメモを確認しながら打って行くんだけど、指で追いながら確認してる間にすぐタイムアウトになっちゃって(汗)また最初から・・・ってスッゲーイライラするんですけど!


苦心の末無事に電話を終えると、タイミングよく目的の電車 IC 803 がホームに滑り込んできた。この列車は Itzehoe も通ってきたようで、そこかしこにメタラーの姿が発見できる・・・が、やっぱりみなお疲れの様子。やっぱ帰りはそうだよね。

車内では、程なく4人掛けのうち2つが未予約な座席を運良く発見。既に2人のレディが座っている対面におっくんと腰を下ろしてホッと一息。各席には電源プラグがあるので、ついでに携帯を充電しながら Dusseldorf に到着するまで3時間40分後、マターリと過ごす・・・ハズだったんだけど、Bremen Hbf で乗ってきたオバハン2人組がオレらの席の前で立ち止まってチケットと座席のナンバープレートを何度も見比べている。

どうやら、先に座っていたレディ達が空席扱いだった2つの座席に座り、オレらは予約済みの席に座っていたらしい。てっきり彼女たちが予約客だよ思ってたよぅ・・・。

kohタソ、デッキで寂しげにショボーソ --- Photo by オクーソ

ま、こればかりは仕方がないので、荷物を持ってデッキへと移動する。こりゃもう慣れっこだな。デッキで荷物の上に腰掛けて窓から外を眺めるのも、異国を旅してる実感があってなかなか悪くない。

列車が Osnabruck Hbf に到着すると多くの人がそこで降りたので、4席とも未予約な席を余裕でゲットし、今度こそマターリ。相変わらず人間として最低レベルのくだらない会話を楽しむうちに、あっという間に列車は Dusseldorf Hbf に到着した。


一年ぶりの Dusseldorf。やっぱこの街は日本人がスッゲー多いなぁ。激しい空腹のためとてもじゃないが飲み会の時間まではこのまま我慢できそうにない・・・っつー大食漢おっくんは、駅構内のスタンドでどれがなんだかワカンないけどとりあえず「ヴルスト」って書いてあるヤツを買ってその場で立ち食い。

外国にいることを忘れさせる便利さ!!!

オレはちょいと手持ちが心細くなってきたので、同じく構内にある ATM でお金下ろすことにした。日本でいつも使ってるみずほ銀行のキャッシュ・カードを入れ、これまたいつものように暗証番号を押して、下ろしたい金額を入力すると・・・ちゃーんとユーロ札が出てきた。いやー、すごいね。出国前にちょっとした手続きが必要だけど、コリャ超便利だわ。


懐も暖まったところで、駅裏にある宿に向かう。さすが駅裏だけあって町並みは端整なんだけど人気が極端に少ない。2分ほど歩いて、難なくホテルに到着。小じんまりしたアットホームな造りのホテルだ。このくらいのホテルはドイツでは「ガルニ」と分類されるものらしい。

オレらがホテルに入ろうとすると、宿泊客と思しきカワイイ&セクシー系女の子3人もホテルに入り、キャアキャア言いながら階上へと姿を消して行った。素晴らしいホテルを選択した自分に乾杯ッ! こ、こりゃ色んな期待が募るぞ!!

・・・と一瞬のうちに物凄い妄想にふけりながらも、まずはチェック・インの手続きをせネヴァな。だが、小さなカウンターには誰もいない。その奥のドアを何度かノックしてみるもやっぱ無反応だ。どうしたものかとしばらくうろうろしているうちに、呼び鈴らしきボタンを発見したんで試しにポチっと押してみると、さっきは何度ノックしても無反応だったドアからオサーンがニコヤカに登場。ヲイヲイ、そこに居たんならノックでサッサと出てこいよな・・・。

予約した時の FAX を渡すと、オサーンは「OK、OK、2泊だね〜、OK〜〜〜!」・・・ってヲイ!なんで2泊やねん!(焦) 「ちゃうちゃう1泊だって! ここに書いてあるじゃん!」と訂正すると、オサーンの勘違いだったようで一件落着。鍵を貰い、先程のギャルズが消えて行った階段を登って部屋に向かった。

ホテル自体の見た目はややショボかったが、部屋はすげー奇麗で快適。片面の壁が全面窓なのがいいね。その窓の外は広場みたいになってて緑が繁ってるし。とりあえずベッドに飛び乗り、何日かぶりの布団の感触を堪能。あー、今日ここに寝れると思うと超嬉しくてニヤケ顔が収まらないっすわ。


やっぱ DUS はビジネスの街なのよねー。ちぁ〜ゃんとエッチなところもあるけどね。

そうこうしつつ、交替でサクっとシャワって待ち合わせ時刻の 21:30 の少々前には駅に到着し、しばらくウロウロしながら Masa を待つ。携帯片手に他に荷物も持たずにキョロキョロしてるこの妙なロン毛の東洋人2人組の姿は、どっからどう見ても「狙ってる側」だったに違いない。(汗)

程なく待ち合わせ場所に Masa が登場し、3人でビヤホールへと歩き出す。目的のお店は去年も行った「Schumacher」。一年ぶりの懐かしい道を10分弱歩くと、灯火に照らされた見覚えのある石造りの壁が見えてきた。

おぉ〜! 久々の Schumacher!


店内は混雑していたが、片隅に空席を発見したのでそこに陣取って店員がオーダーを取りにくるのを待つ・・・が、なかなかオレらの席に来てくれない。(泣) まぁドイツではこんな事は日常茶飯事だから・・・としばらく待つとやっとオサーンが来たので、Masa のオススメをお任せでオーダーしてもらう。メニューはドイツ語なのでどうせ読めないしぃ。(汗)

まずはアルト・ビールで乾杯! うまい!! そのうち次々と料理が運ばれてくる。アイスバイン、ザワークラフト、ソーセージ盛り合わせ、ポテト焼き・・・。いや〜美味いのなんの、何度食ってもここの料理はホッペが落ちますわな。(嬉)

ただ、座った席が悪かったのか、ビールをお代わりしようとしてもなかなか店員が来てくれないのにはちょいと参ったっすわ。日本人がいくらせっかちだとしても、ドイツがいくらのんびりだったとしても、この夜は度を越して対応悪かったのが残念だった・・・。 まぁそんな些細な不満はさて置き、一年ぶりの宴 in Dusseldorf を数時間にわたって存分に堪能し尽くした我々は、おヒラキということで店を後にしたのであった。


ホテルへの通り道である Dusseldorf Hbf 前にてブラザー Masa とはお別れ。来年と言わず近い将来の再会を誓い、それぞれの寝床へと向かう。

そしてあっという間にホテルに着き・・・あっという間に爆睡!